トルコのエルドアン大統領は「移行プロセスはアサドがいても行える」と述べ、英仏に続いて初めてアサド政権の存続に含みを持たせる(2015年9月24日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はイード・アドハーの集団礼拝後に、記者団に対して、「トルコはシリアの領土保全を守ろうとしており、シリア国民のためにテロ組織を排除した地域を作ろうとしている」と主張、そのために(シリアの領土を侵食するかたちで)「安全地帯」の設置をめざし、トルコ領内にとどまっているシリア人避難民を帰国させようとしていると述べた。

エルドアン大統領はまた、トルコ政府のこうした移行について23日のモスクワでのヴラジミール・プーチン大統領との会談で意見を交わしたことを明らかにした。

また、プーチン大統領に対して、「アサドは、ダマスカスからハマー、ヒムスを経由しラタキアにいたる小国家を建設しようとしている。この地域はシリアの国土の15%を占めるに過ぎず、特定の国々がそこを支配、支援している」との持論を披露したと付言した。

アナトリア通信(9月24日付)が伝えた。

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しかし、アサド大統領の進退に関しては「このプロセス(紛争解決に向けた移行プロセス)はアサド抜きでも行えるし、この移行プロセスは彼がいても行える…。しかし、シリアにおいてアサドに未来があるなどと考えている者はいない。35万人もの死者をもたらした独裁者を彼ら(シリア人)が受け入れることなど不可能だ」と述べ、アサド政権の存続に初めて含みを持たせた。

なお、移行期におけるアサド政権の残留を是認するような同様の発言は、英国のフィリップ・ハモンド外務大臣、米国のジョン・ケリー米国務長官も行っている。

『ハヤート』(9月25日付)などが伝えた。

AFP, September 24, 2015、AP, September 24, 2015、Anadolu Ajansı, September 24, 2015、ARA News, September 24, 2015、Champress, September 24, 2015、al-Hayat, September 25, 2015、Iraqi News, September 24, 2015、Kull-na Shuraka’, September 24, 2015、al-Mada Press, September 24, 2015、Naharnet, September 24, 2015、NNA, September 24, 2015、Reuters, September 24, 2015、SANA, September 24, 2015、UPI, September 24, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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