シリア軍がアレッポ市南部のワディーヒー村一帯を制圧する一方、ダルアー県ブスラー・シャーム市に向けて攻撃を開始(2015年10月18日)

アレッポ県では、SANA(10月17日付)によると、シリア軍が、アレッポ市南部のジャービリーヤ村ワディーヒー村およびその周辺一帯、カダーラ村、ジュワイハ村、スバイヒーヤ村を空爆、また人民防衛諸集団とともに反体制武装集団と交戦し、その拠点を壊滅、同地を制圧した。

シリア軍はまた、カフルウバイド村、ワーディー・ジャルバーン、ハーン・トゥーマーン村、ハーディル村で反体制武装集団の拠点を空爆した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(10月19日付)によると、UNESCO世界文化遺産のローマ劇場を擁するブスラー・シャーム市、シャイフ・マスキーン市に向けてシリア軍が攻撃を開始した。

ブスラー・シャーム市は、2015年3月以降、ジハード主義武装集団が主導する自由シリア軍南部戦線所属部隊の支配下にある。

シリア軍の攻撃に対して、反体制武装集団は米国製の対戦車ミサイルなどで反撃した。

シリア軍は同地一帯を「樽爆弾」などで空爆しているが、ロシア軍戦闘機は作戦には参加していないという。

一方、SANA(10月17日付)によると、シリア軍が西ガーリヤ村の反体制武装集団拠点を空爆、またダルアー市バジャービジャ地区、旧税関地区一帯、靴工場東部で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(10月19日付)によると、ヤルムーク軍の前司令官のアブー・カースィムマジャーリーシュ氏がサイダー町で襲撃され、重傷を負い、その後死亡した。

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ハマー県では、SANA(10月17日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市郊外のラヒール農場でダーイシュ(イスラーム国)の拠点複数カ所を空爆し、戦闘員45人を殲滅、車輌23輌を破壊した。

シリア軍はまた、ラウダ村、ジャニー・アルバーウィー村、アブー・アラーヤー村、ラフジャーン村、ハズム村、ミンタール村のダーイシュ拠点に対しても空爆を行った。

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イドリブ県では、SANA(10月17日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市東部などでファトフ軍の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月17日付)によると、アサリーヤ村、ダイル・フール村、ティールマアッラ村、ガントゥー市でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月17日付)によると、シリア軍がカラーキフィー山、サルマー町北部、マルジュ・フーハ村、タルティヤーフ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が地対地ミサイルと思われるロケット弾2発をザブディーン村に撃ち込んだ。

またヌーラ村、ラカービーヤ村一帯、ダーヒヤト・アサド町一帯では、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はこのほか、ダーライヤー市を「樽爆弾」で空爆した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)とアル=カーイダ系のシャームの民のヌスラ戦線によって支配されているヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ一帯、タダームン区をシリア軍が砲撃するなか、ダーイシュとそれ以外のジハード主義武装集団が交戦した。

シリア軍はまた、ジャウバル区を4回にわたって空爆した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・アルナバ市一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

AFP, October 18, 2015、AP, October 18, 2015、ARA News, October 18, 2015、Champress, October 18, 2015、al-Hayat, October 19, 2015、Iraqi News, October 18, 2015、Kull-na Shuraka’, October 18, 2015、October 19, 2015、al-Mada Press, October 18, 2015、Naharnet, October 18, 2015、NNA, October 18, 2015、Reuters, October 18, 2015、SANA, October 18, 2015、UPI, October 18, 2015などをもとに作成。

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