トルコマン系のスルターン・ムラード師団などからなるシャーム戦線がダーイシュ(イスラーム国)との戦いで苦戦を続けるなか、トルコ軍がシリア領内(「安全保障地帯」)での地上作戦に向けた準備を本格化か?(2016年1月19日)

ドゥラル・シャーミーヤ(1月19日付)は、トルコ軍の地雷除去車がガジアンテップ県に配備されたとしたうえで、トルコ軍が近くアレッポ県ジャラーブルス市一帯(「安全地帯」の東端)に侵攻する準備をしている、と伝えた。

トルコ軍は地雷撤去車を投入し、ダーイシュ(イスラーム国)が国境地帯に敷設した地雷を撤去するためのもので、アナトリア通信(1月19日付)によると、トルコ軍の進攻は数日中に開始される見込みだという。

なお、ドゥラル・シャーミーヤによると、トルコ軍による侵攻準備は、スルターン・ムラード師団がアアザーズ市・ジャラーブルス市間を軍事地区に指定、住民に退避を勧告したのに合わせて進められているという。

ARA News, January 19, 2016

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一方、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に近いいわゆる「安全地帯」でダーイシュ(イスラーム国)が、シャーム戦線などからなるジハード主義武装集団の支配下にある2カ村を攻撃し、戦闘員複数を捕捉した。

ARA News(1月19日付)によると、ダーイシュが攻撃したのはガズル村、ヤーイバーン村で、戦闘の末、両村はダーイシュによって奪還されたという。

なお、「安全地帯」では、イドリブ県のファトフ軍の一角をなしていたシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団がファトフ軍から離脱し、アレッポ県での活動に専念すると発表、スルターン・ムラード旅団などシャーム戦線とともに対トルコ国境での勢力拡大をめざしていたが、一進一退の攻防が続き、戦線は膠着状態にある。

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他方、ラッカ県では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊によると、トルコ軍がタッル・アブヤド市の穀物サイロを重火器で攻撃した。

ARA News(1月19日付)が伝えた。

AFP, January 19, 2016、AP, January 19, 2016、Anadolu Ajansı, January 19, 2016、ARA News, January 19, 2016、Champress, January 19, 2016、al-Hayat, January 20, 2016、Iraqi News, January 19, 2016、Kull-na Shuraka’, January 19, 2016、al-Mada Press, January 19, 2016、Naharnet, January 19, 2016、NNA, January 19, 2016、Reuters, January 19, 2016、SANA, January 19, 2016、UPI, January 19, 2016などをもとに作成。

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