ダマスカス郊外県の12イマーム派の巡礼地で連続自爆テロが発生し、ダーイシュ(イスラーム国)が犯行を認める(2016年1月31日)

ダマスカス郊外県では、SANA(1月31日付)などによると、サイイダ・ザイナブ町内クーア・スーダーン地区にある旅客バス発着場で連続爆破テロが発生し、50人以上が死亡、110人あまりが重軽傷を負った。

シリア人権監視団の発表によると、死者は少なくとも45人、負傷者は110人。

AFP(1月31日付)によると、死者は63人。

『ハヤート』(2月2日付)によると死者数は71人で、うち29人が民間人(子供5人を含む)、42人がシリア人および外国人の戦闘員。

内務省消息筋によると、バス発着場に停車中の旅客バスに仕掛けられた爆弾が爆発、その後、負傷者らを救出しようと、警察、軍・治安部隊、住民らが集まったところに、自爆ベルトを着用した男性2人が相次いで自爆したという。

サイイダ・ザイナブ町は、12イマーム派の聖地の一つサイイダ・ザイナブ・モスク(廟)を擁し、イラン、イラク、レバノンなどからのイスラーム教12イマーム派の信徒の巡礼コースとなっている。

また、イラク戦争(2003年)後の混乱のなかで多くのイラク人が同地に難民として押し寄せた。

事件発生後、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信が声明を出し、「ダマスカス(郊外県)のサイイダ・ザイナブ一帯(シリア政府支配地域)でのシーア派の巣窟に対して2度にわたり殉教作戦を敢行した」と発表、犯行を認めた。

SANA, January 30, 2016

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事件発生を受け、ワーイル・ハルキー内閣は声明を出し「勇敢なる我らが軍が全土て達成している偉大なる勝利に敗退するテロ組織の臆病で絶望に満ちたテロ行為」と非難する一方、「ダマスカス郊外県など各地での国民和解の道のり、テロとの戦い、そして全土解放」を継続するとの意志を表明した。


AFP, January 31, 2016、AP, January 31, 2016、ARA News, January 31, 2016、Champress, January 31, 2016、al-Hayat, February 1, 2016、February 2, 2016、Iraqi News, January 31, 2016、Kull-na Shuraka’, January 31, 2016、al-Mada Press, January 31, 2016、Naharnet, January 31, 2016、NNA, January 31, 2016、Reuters, January 31, 2016、SANA, January 31, 2016、UPI, January 31, 2016などをもとに作成。

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