アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線がイドリブ県から「穏健な反体制派」の第13師団を放逐し、米国製武器を捕獲(2016年3月13日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)との連携がとりざたされているジュンド・アクサー機構が13日未明までに、ハーン・シャイフ市にある「穏健な反体制派」第13師団の拠点を制圧した。

またアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線も、マアッラト・ヌウマーン市郊外にあるガドファ村で第13師団の拠点を制圧、師団メンバー40人以上を逮捕した。

ヌスラ戦線は12日、マアッラト・ヌウマーン市にある第13師団のすべての拠点を制圧し、米国が第13師団に供与したとされるTOW対戦車ミサイル、戦車、装甲車、中軽火器、弾薬を捕獲した。

シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市での戦闘では第13師団の戦闘員6人が死亡、またガドファ村では数十人の消息が不明となっているという。

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拠点を奪われた第13師団はツイッターのアカウントを通じて、「ヌスラ戦線は我々の全拠点を襲撃し、武器弾薬を奪った。我々は彼らがこの武器を他の部隊に対して使用しないことを望む」とメッセージを発信、また「我々は(ヌスラ戦線指導者のアブー・ムハンマド・)ジャウラーニー氏によるこの征服を祝福したい」と揶揄した。

その後、第13師団は声明を出し、本拠地のマアッラト・ヌウマーン市とハーミディーヤ村・ガドファ村郊外一帯をヌスラ戦線に奪われたことを認める一方、ハマー県、アレッポ県、ラタキア県における戦線では、シリア政府とダーイシュ(イスラーム国)と対峙していると主張、これらとの戦闘を継続する意思を表明した。

Kull-na Shuraka’, March 14, 2016

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一方、『ハヤート』(3月14日付)は、ヌスラ戦線とジュンド・アクサー機構による第13師団の制圧に対して、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動やシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団が介入せず、対立を阻止しなかったことを批判する動きがSNS上で展開されていると伝えた。

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ヌスラ戦線は、リヤド最高交渉委員会に参加するアル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動などとともにファトフ軍を率い、イドリブ県の実効支配を主導している。

一方、ジュンド・アクサー機構はファトフ軍に参加していたが、2015年10月末に脱会、その後アレッポ県南東部やハマー県北東部での戦闘でダーイシュと連携する動きを見せている。

AFP, March 13, 2016、AP, March 13, 2016、ARA News, March 13, 2016、Champress, March 13, 2016、al-Durar al-Shamiya, March 13, 2016、al-Hayat, March 14, 2016、Iraqi News, March 13, 2016、Kull-na Shuraka’, March 13, 2016、al-Mada Press, March 13, 2016、Naharnet, March 13, 2016、NNA, March 13, 2016、Reuters, March 13, 2016、SANA, March 13, 2016、UPI, March 13, 2016などをもとに作成。

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