シリア軍はアレッポ市一帯、ラタキア県北部などでヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と攻防を続ける(2016年7月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区一帯で、シリア軍、親政権民兵が反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室、シャームの民のヌスラ戦線)と交戦した。

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室などは、アレッポ市ハーリディーヤ地区一帯、ハンダラード・キャンプ一帯での戦闘で、シリア軍側兵士25人以上を殺害したと発表した。

またアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域では、シリア軍がスッカリー地区、シャイフ・サイード地区などを中心に空爆を行った。

これに対して、反体制武装集団側はシリア政府支配地域を砲撃した。

一方、SANA(7月3日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ジュマイリーヤ地区、ハラブ・ジャディーダ地区を砲撃し、3人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、トルクメン山のサッラーフ村および周辺の丘陵地帯で、シリア軍、親政権民兵が、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、「穏健な反体制派」の連合組織「ヤルムークの戦い」作戦司令部と交戦、シリア軍が同地一帯を空爆・砲撃した。

クッルナー・シュラカー(7月3日付)によると、「ヤルムークの戦い」作戦司令室はサッラーフ村、カブカーヤ村を新たに制圧したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市郊外のシャティーブ村を砲撃、これに対してファトフ軍がカファルヤー町を砲撃、2人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダルアー市内各所を砲撃、またマンシヤ地区などで反体制武装集団と交戦した。

ダーイル町でも、戦闘機が空爆を行い、反体制武装集団戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(7月3日付)によると、シリア軍がヌアイマ村、ダルアー市マハッタ地区などでシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(7月4日付)によると、ロシア軍戦闘機がハーン・シャイフ・キャンプを空爆し、パレスチナ人難民3人が死亡、5人が負傷した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月1日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍が砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は745件。


AFP, July 3, 2016、AP, July 3, 2016、ARA News, July 3, 2016、Champress, July 3, 2016、al-Hayat, July 4, 2016、Iraqi News, July 3, 2016、Kull-na Shuraka’, July 3, 2016、July 4, 2016、al-Mada Press, July 3, 2016、Naharnet, July 3, 2016、NNA, July 3, 2016、Reuters, July 3, 2016、SANA, July 3, 2016、UPI, July 3, 2016などをもとに作成。

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