シリア軍はアレッポ市北部のバニー・ザイド地区を完全制圧(2016年7月28日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、親政権民兵、アラブ系・アジア系の民兵が27日夜から28日朝にかけて、アレッポ市北部のバニー・ザイド地区を総攻撃するとともに、ロシア軍とシリア軍の戦闘機、ヘリコプターが同地を激しく空爆、同地区を完全制圧した。

この戦闘で、シリア軍側兵士38人を含む215人が死亡したという。

また、SANA(7月28日付)も、シリア軍が予備部隊の支援を受け、アレッポ市北部のバニー・ザイド市で反体制武装集団の掃討を完了し、同地を完全制圧したと伝えた。

SANA, July 28, 2016

また、アレッポ市アシュラフィーヤ地区などでは、シリア軍によるバニー・ザイド地区完全制圧を祝うデモ、行進が行われたと伝えた。

SANA, July 28, 2016

このほかアレッポ市北東部では、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に所属するヌールッディーン・ザンキー運動のアンマール・シャアバーン司令官がシリア軍との戦闘で死亡したという。

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クナイトラ県では、SANA(7月28日付)によると、シリア軍がバアス市南東部のバイダ村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃した。

これに対して、ヌスラ戦線はハーン・アルナバ市南部地区を砲撃した。

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ダルアー県では、SANA(7月28日付)によると、シリア軍がダルアー市難民キャンプ地区、バジャービジャ地区でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ハマー県では、SANA(7月28日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団がザーラ村郊外の火力発電所を攻撃、シリア軍がこれを撃退した。

シリア軍はまた、ラターミナ町、ムーリク市、スカイク村一帯、ヒルブナフサ村で反体制武装集団拠点を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(7月28日付)によると、シリア軍がブルジュ・カーイー村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を空爆した。

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ダマスカス県では、SANA(7月28日付)によると、イスラーム軍が旧市街カイマリーヤ地区を砲撃し、2人が負傷した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月27日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は841件。

AFP, July 28, 2016、AP, July 28, 2016、ARA News, July 28, 2016、Champress, July 28, 2016、al-Hayat, July 29, 2016、Iraqi News, July 28, 2016、Kull-na Shuraka’, July 28, 2016、al-Mada Press, July 28, 2016、Naharnet, July 28, 2016、NNA, July 28, 2016、Reuters, July 28, 2016、SANA, July 28, 2016、UPI, July 28, 2016などをもとに作成。

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