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トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領が昨年11月のロシア軍機撃墜事件以降初めて会談、シリア情勢への対応を協議するため特別会合を設置し集中審議(2016年8月9日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアを訪問し、サンクトペテルブルクでヴラジミール・プーチン大統領と会談した。

エルドアン大統領の外遊は、7月16日のクーデタ未遂事件発生以降初めて。

またプーチン大統領との会談も、2015年11月にトルコ軍戦闘機がシリア・トルコ国境地帯でシリア駐留ロシア軍戦闘機を撃墜し、両国関係が悪化して以降初めて。

なお、この事件に関して、エルドアン大統領は、クーデタ未遂事件が発生する直前の6月27日にロシア側に対して正式な謝罪を行っていた。

また、クーデタ未遂事件以降、エルドアン大統領が強権的な姿勢を強めたことに、欧米諸国が反発を強めるなか、プーチン大統領はクーデタ未遂事件発生直後にエルドアン大統領に指示を表明しており、こうした一連の動きのなかで両国の緊張が緩和、今回の首脳会談が実現した。

ARA News, August 9, 2016

シリア情勢をめぐって、両首脳は、外務大臣、国防大臣、治安機関幹部を同席させた非公開の特別会合を設け、集中審議を行う予定。

その詳細は明らかではないが、『ハヤート』(8月10日付)などによると、「シリアにおける事態収拾にむけた共通の理解に達すること」がめざされているという。

プーチン大統領は、エルドアン大統領との共同記者会見で、現下のシリアの紛争を解決するための工程に関して、ロシアとトルコは「常に一致していた訳ではない」としつつ「共通の目標があり、我々はすべての当事者が満足するような解決策を検討する」と述べた。

また、両国首脳会談の目的が「ロシアとトルコの協力再開の仕組みを構築」することにあると強調、「最優先事項は、二国間関係を以前のレベルに戻し、Su24撃墜事件に伴う危機を乗り越えることにある」と強調した。

そのうえで、2015年11月以降にロシア側は科したガス・パイプライン(トゥルク・ストリーム)、原子力発電所建設計画への支援、観光・通商・経済協力の再開の必要を強調した。

これに対して、エルドアン大統領はプーチン大統領を「親友」と呼び、両国の関係改善に向けた詳細且つ本質的な議論を行うと述べるとともに、「すべての当事者、とりわけロシアの友人とともにテロとの戦いを継続することが重要だ」と強調した。

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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