UNSMIS報道官が虐殺が起きたとされるトゥライムサ村の調査ののち「軍がトゥライムサ村で特定の集団、施設、主に離反兵と反体制活動家を標的にしていた」と発表(2012年7月15日)

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シリア政府の動き

ジハード・マクディスィー外務在外居住者省報道官がダマスカスで記者会見を開き、トゥライムサ村での虐殺疑惑に関して「虐殺ではなく軍事作戦であり、対話や政治的解決を信じず、誘拐、殺戮、テロを行うテロ集団と軍の交戦だった」と述べた。

SANA, July 15, 2012

マクディスィー報道官は、この軍事作戦が「住民の要請を受けたもので、軍は村内で重火器は使用しなかった」と強調した。

報道官によると、戦闘は数時間続き、(軍の)攻撃に曝された建物は5棟で、軍は戦闘機、ヘリコプター、戦車、迫撃砲を一切使用しなかった、という。

またこの作戦では、反体制武装集団の戦闘員37人、市民2人が死亡し、湾岸アラブ諸国のメディアや西側メディアの報道が事実無根だとした。

またコフィン・アナン特使が13日に安保理に宛てた書簡に関して、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が、「書簡で述べられていることは拙速であり、村で起きた真実に依拠していない」とアナン特使に回答したうえで、その旨、安保議長と潘基文事務総長に伝えるよう求めたことを明らかにした。

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政党問題委員会が会合を開き、ワアド党の公認申請を審査し、1週間以内に日刊紙に審査結果を発表することを決定した。

国内の暴力(シリア政府側の発表)

イドリブ県では、SANA(7月15日付)によると、治安維持部隊がズィヤーラ地方で反体制武装集団と交戦し、乗っていた車2台を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(7月15日付)によると、治安維持部隊がダイル・ザウル市内で反体制武装集団と交戦し、甚大な被害を与えた。

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アレッポ県では、SANA(7月15日付)によると、治安維持部隊がスファイラ地方で武装テロ集団と交戦し、甚大な被害を与えた。

国内の暴力(反体制勢力の発表)

駐英の反体制組織、シリア人権監視団はダマスカス県のタダームン区が砲撃に曝される一方、ズフール地区近くの環状道路で爆弾が爆発し、軍・治安部隊兵士多数が負傷したこと発表した。

複数の目撃者によると、爆発は兵員輸送車を狙って起きた、という。

また監視団によると、マイダーン地区でも大きな爆発音が聞こえたという。

一方、反体制活動家のサミール・シャーミー氏は、ロイター通信(7月15日付)に対して、タダームン区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市で反体制武装集団と軍・治安部隊が激しく交戦したと述べた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市での砲撃で6人が死亡した。

またヒムス市のスルターニーヤ地区、カフルアーヤー地区が砲撃に曝され、シリア革命総合委員会のハーディー・アブドゥッラー氏(ヒムスの報道官)によると、クサイル市も砲撃に曝された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で反体制武装集団の戦闘員2人と民間人3人が死亡した。

またブーカマール市でも反体制武装集団の戦闘員3人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カルアト・マディーク町が軍・治安部隊の砲撃に曝され、2人が死亡した。

またジュライジス村、マアッル・ザーフ村に軍・治安部隊が突入した、という。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市が砲撃に曝され、反体制武装集団の戦闘員1人が死亡した。

またクルド山一帯の村々が軍・治安部隊の砲撃に曝された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊と反体制武装集団がアイン・バーリダ村、アイン・スーダ村、サルキーン市などで交戦、民間人2人、軍・治安部隊兵士3人が死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊がカラク村で反体制武装集団と交戦し、民間人1人、反体制武装集団戦闘員2人が死亡した。

諸外国の動き

UNSMISのスーザン・ゴシェ報道官は、トゥライムサ村を視察・調査した監視団からの情報として、「軍がトゥライムサ村で特定の集団、施設、主に離反兵と反体制活動家を標的にしていた」と発表した。

ゴシェ報道官はまた「複数の家屋のなかで血の海や弾痕を確認した…。また焼失した学校、損害を受けた建物を発見し、そのうちの5件は内側から炎上していた…。さまざまな武器が攻撃で用いられており、そのなかには迫撃砲、軽火器などが含まれている…。犠牲者数はいまだ不明瞭だ」と述べた。

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ロシアの大統領府はコフィ・アナン特使を前に声明を出し、「アナン特使の停戦案がシリア国内の問題を解決するための唯一の方法だと理解している」と発表した。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣はアーラム・チャンネル(7月15日付)で、「シリアの反体制勢力をイランに招き、話合う準備がある…。反体制勢力とシリア政府が対話するために必要な状況を作り出す準備がある」と述べた。

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『ハヤート』(7月15日付)は、米国防総省がシリア国内での化学兵器の動きへの監視を強化している、と報じた。

AFP, July 15, 2012、Akhbar al-Sharq, July 15, 2012、al-Hayat, July 15, 2012、July 16, 2012、Kull-na Shurakaʼ, July 15, 2012、Naharnet.com,
July 15, 2012、Reuters, July 15, 2012、SANA, July 15, 2012などをもとに作成。

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