アサド大統領がドイツのチャンネルによるインタビューに応え「テロリスト」を支援する各当事者を改めて非難、ヒムス県クサイル市、ラスタン市および両市周辺で軍・治安部隊が奪還作戦を本格化(2012年7月8日)

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国内での主な動き

ドイツのARDテレビ(7月8日付)はアサド大統領との単独インタビューを行った。

インタビューでのアサド大統領の発言の概要は以下の通り。

SANA, July 8, 2012

「彼ら(米国人)はこの紛争においてバイアスのかかった当事者であり、悪党を保護し、政治的に支援し、シリアの安定を揺るがそうとしている」。

「テロリストに何らかの支援を行う者は、武器供与であれ、資金援助であれ、政治的支援であれ、支援を続ける限り、テロリストのパートナーだ」。

「我々はいかなる当事者に対しても門戸を閉ざすことはない。それがいかなる国、いかなる首脳であっても、シリアの問題に対処するための支援を真剣かつ誠実に望むのであれば」。

「大統領は挑戦に直面する際に逃げてはいけない。我々は今日、国民的な挑戦に直面している」。

「シリア国民は選挙を通じて対応せねばならない…。この支持(6月の人民議会選挙でのバアス党の勝利)の規模や程度がどの程度なのかの数字は手元にはないが、それが問題なのではない」。

「民間人を殺害する勢力が誰なのかを知りたいのなら、何よりも先ず、その多くが政府支持者であった犠牲者を誰が殺したのかを知らなければならない…。(ハウラ地方での虐殺は)外部から何百人という集団がやって来て起きた」。

「(反体制勢力は)アル=カーイダなどの過激派、法律違反者などからなっている」。

「(反体制勢力との)対話は戦略的選択肢であり、テロが続き、対話が結果をなさない限り、テロとの戦いは不可避であり、国民と軍が殺されている限り、対話の継続はあり得ない」。

「(アナン特使の)停戦案は失敗してならない。今のところ困難な活動ではあるが、優れた活動でもある」。

このほか、アサド大統領は、リビアのカッザーフィー政権崩壊と殺害に関して、「蛮行」、「犯罪」と非難、「彼がいかなる人間だったとしても、リビアで起きたこと、そしてあのようなかたちで人が殺されることを受け入れられる者など世界にはいない」と述べた。

http://www.ardmediathek.de/das-erste/weltspiegel/syrien-exklusiv-gespraech-mit-syriens-praesident-assad?documentId=11073186

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アサド大統領は2012年政令第241号を発令し、アレッポ大学第2機械工学部をイドリブ県イドリブ市に、バアス大学第2医学部をハマー県ハマー市に新設することを定めた。

国内の暴力

ヒムス県ではシリア人権監視団によると、クサイル市、ラスタン市および両市周辺で軍・治安部隊が奪還作戦を本格化、反体制武装集団が激しく交戦した。

またカルアト・ヒスン市では、反体制武装集団の戦闘員3人が殺害され、ヒムス市では4日前に逮捕された民間人の遺体が発見された。

一方SANA(7月8日付)によると、クサイル市および郊外で軍・治安部隊が武装テロ集団と交戦し、「ハーリド・シャバーブ」を名のる戦闘員ら多数のテロリストを殺害した。

タッルカラフ市および郊外でも、軍・治安部隊が武装テロ集団と交戦し、ハイサム・マルイー、ハーリド・ズィヤード・サファル、ウダイ・ジャマール・サファルら多数のテロリストを殺害した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、タービーヤ市に対する砲撃で子供2人が死亡し、マヤーディーン市でも砲撃で2人が死亡した。

一方、SANA(7月8日付)によると、武装テロ集団がムーハサン市を襲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、マアルバ町、フラーク市、アトマーン村で軍・治安部隊と反体制武装組織が交戦し、民間人5人と反体制武装集団戦闘員1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、トゥワイニー村での軍・治安部隊と反体制武装組織との交戦で6人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ズィヤービーヤ町で女性1人が射殺された。

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イドリブ県では、フバイト村での「攻撃ヘリによる攻撃」で子供1人が死亡、またハーン・シャ・シャイフーン市では反体制武装集団の戦闘員2人が軍・治安部隊によって処刑された。

一方、SANA(7月8日付)によると、治安維持部隊がジスル・シュグール地方のトルコ領内からの潜入を試みた武装テロ集団と交戦し、テロリスト多数を殺害した。

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ダマスカス県では、SANA(7月8日付)によると、ジャウバル区で武装テロ集団が歯科医師を暗殺した。

またジュダイダト・アルトゥーズ町では武装テロ集団が市民を襲撃し、子供1人を含む2人を殺害した。

反体制勢力の動き

『クッルナー・シュラカー』(7月8日付)は、政治治安部のハマー支部長のワリード・アバーザ准将が離反したと報じた。真偽は定かでない。

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『クッルナー・シュラカー』(7月8日付)は、ダマスカス県の旧市街など各地でゼネストが断行され、商店が閉められた、と報じた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、シリア情勢に関して、国連が「集団行動」をもって対処すべきだと述べるとともに、アサド政権と反体制勢力の双方に対してアナン特使の停戦案の履行を改めて求めた。

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アナン特使は自身の停戦案の再活性化のため、シリアを訪問し、アサド大統領と会談した。

アフマド・ファウズィー同特使付報道官が明らかにした。

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UNSMISスポークスマンはRT(6月8日付)に対して、UNSMISはシリア国内の暴力の軽減に寄与している、と述べた。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、東京での記者会見で、早急に暴力を終わらせ、政治的転換プロセスを始めることができれば、死者数が減るだけでなく、シリアだけでなく地域全体を危機に曝すような「壊滅的攻撃」からシリアを救うことができる、と実のない脅迫を行った。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、シリア情勢に関して、「アナン特使に複数の提案を行った」としたうえで、イランが「シリアの問題解決の一部になれるだろう」と述べた。

またアサド大統領の排除に関して「冗談」じみていると一蹴し、「シリアへの軍事介入は不可能だ。そんなことを起きたら、それはバカなステップだ。シリアはイランの支援なしに独自に自衛できるし、非政治的解決は地域全体に災難をもたらす」と付言した。

AFP, July 8, 2012、ARD, July 8, 2012、Akhbar al-Sharq, July 8, 2012、al-Hayat, July 9, 2012, July 10, 2012、Kull-na Shurakaʼ, July 8, 2012、Naharnet.com,
July 8, 2012、Reuters, July 8, 2012, July 11, 2012、SANA, July 8, 2012などをもとに作成。

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