ロシアのラヴロフ外務大臣は米国の支援を受けYPGと共闘するシリア・エリート部隊の政治部門を率いるジャルバー氏と会談(2017年6月22日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリア・ガド潮流の代表を務めるアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー氏(シリア革命反体制勢力国民連立元代表)とモスクワで会談した。

会談で、ラブロフ外務大臣は、シリア人どうしによる和平協議と緊張緩和地帯の設置により、シリア政府と反体制派の対立を解消し、「テロとの戦い」での協力関係を築くことができるとジャルバー氏に伝えるとともに、民主主義の原則に基づき、反体制派を統合し、シリア国内の危機打開をめざそうとする同氏の取り組みを高く評価した。

これに対して、ジャルバー氏は、緊張緩和地帯設置など、ロシアのイニシアチブによる停戦に向けた努力に支持を表明する一方、国連主導によるジュネーブでのシリア政府と反体制派の和平協議(ジュネーブ会議)については、政治的解決に向けてシリア政府とすべての反体制派が参加したかたちでの協議が必要だと強調した。

なお、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が行う「ユーフラテスの怒り」作戦に参加するシリア・エリート部隊は、ジャルバー氏が代表を務めるシリア・ガド潮流のイニシアチブのもとに創設された民兵組織で、米国が支援している。


AFP, June 22, 2017、AP, June 22, 2017、ARA News, June 22, 2017、Champress, June 22, 2017、al-Hayat, June 23, 2017、Kull-na Shuraka’, June 22, 2017、al-Mada Press, June 22, 2017、Naharnet, June 22, 2017、NNA, June 22, 2017、Reuters, June 22, 2017、SANA, June 22, 2017、UPI, June 22, 2017などをもとに作成。

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