アル=カーイダ主導の反体制派はクナイトラ県バアス市一帯から撤退する一方、ダルアー市一帯でシリア軍との戦闘を続ける(2017年6月29日)

クナイトラ県では、イナブ・バラディー(6月29日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構と「自由シリア軍」諸派からなるムハンマド軍が、侵攻していたバアス市一帯から撤退した。

撤退は、ムハンマド軍を構成する「自由シリア軍」諸派が、ダマスカス郊外県、クナイトラ県、ダルアー県の県境が接するいわゆる「死の三角地帯」を掌握するための戦闘に充分参加しなかったことが理由だという。

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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(6月29日付)によると、シャーム解放機構などからなる「堅固な建造物」作戦司令室がダルアー市内東部の空軍情報部施設を攻撃した。

これに対して、シリア軍はダルアー市マンシヤ地区などを「樽爆弾」で空爆、ロシア軍もナスィーブ国境通行所、ウンム・マヤーズィン町、ムザイリーブ町を空爆した。

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ダマスカス郊外県・ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、親政権武装勢力がアイン・タルマー村の回廊地帯、アイン・タルマー渓谷一帯、ジャウバル区一帯でラフマーン軍との戦闘を続けた。

この戦闘でシリア軍は、アイン・タルマー村近郊の自動車運転学校を制圧した。

一方、SANA(6月29日付)によると、シリア軍がバイト・ジン村、ハルファー村一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、ARA News(6月29日付)によると、シリア軍がタルビーサ市、ガントゥー市、ティールマアッラ村を砲撃し、女性1人、子供1人の合わせて2人が死亡、住人以上が負傷負傷した。

AFP, June 29, 2017、AP, June 29, 2017、ARA News, June 29, 2017、Champress, June 29, 2017、al-Hayat, June 30, 2017、Kull-na Shuraka’, June 29, 2017、al-Mada Press, June 29, 2017、Naharnet, June 29, 2017、NNA, June 29, 2017、Reuters, June 29, 2017、SANA, June 29, 2017、UPI, June 29, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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