シリア国民対話大会でのラヴロフ露外務大臣の演説に反体制派が野次(2018年1月30日)

ロシアのソチで29日に開幕したシリア国民対話大会は2日目を迎えた。

大会の議事は、29日開始が予定されていたが、ロシア外務省広報局長によると、反体制派の代表団が、アンカラからの到着直後に、大会参加に「追加の条件」を提示したことで、30日に延期を余儀なくされ、会期も1日(30日)に短縮された。

AFP, January 30, 2018

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大会では、最年長のダマスカス商業会議所のガッサーン・カラーア所長が開会挨拶(https://youtu.be/ZHnxT1p6ies)を行ったのち、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣がヴラジミール・プーチン大統領のメッセージを代読するかたちで、基調演説を行った。

al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018

演説のなかえで、ラブロフ外務大臣は以下のように述べた。

「この大会はシリア国民全員を一つにまとめるためのものだ…。国連の支持と、アスタナ・プロセスにおける協力国であるイランとトルコ、そしてアラブ諸国の支援のもとに、ロシアは開催に向けてイニシアチブをとった…。我々は、この大会がより多くのシリア人を代表し、シリア国民のみが自決権を有することを確認するために行動してきた」

「我々は、シリア国民の歴史における痛ましい1ページを終えるにふさわしいすべての状況が今揃っていると強く言いたい。国連のもと、安保理決議第2254号に準じて、シリアの危機を解決するための包括的なシリア人の対話を立ち上げることが、今火急に必要とされている」。

「ロシアはシリアで安定的且つ持続的な和平を実現するためにでき得るすべてのことをしている」。

そのうえで、イラン、トルコ、国連の参加に謝意を示した。

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ラブロフ外務大臣の演説に、アサド政権支持者らは拍手喝采を送り、「シリア万歳…プーチン万歳」といった声援を送った。

だが、ラブロフ外務大臣が途中、「シリアはロシア空軍の支援によってテロ勢力を壊滅することができた」と述べると、会場にいた反体制派らがロシア語やアラビア語で「シリア国民に対する爆撃を停止しろ」などと野次を飛ばし、ラブロフ外務大臣は演説の中断を余儀なくされた(https://www.facebook.com/rtarabic.ru/videos/1851744401546532/の4分30秒あたり)。

AFP, January 30, 2018、ANHA, January 30, 2018、AP, January 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2018、al-Hayat, January 31, 2018、Reuters, January 30, 2018、RT, January 30, 2018、SANA, January 30, 2018、Sputnik News, January 30, 2018、UPI, January 30, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

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