イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団によるとされる占領下ゴラン高原へのロケット弾攻撃への報復として、イスラエル軍がイラン関連施設などを激しく爆撃・砲撃、シリア軍がこれを迎撃(2018年5月10日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ(Avichay Adraee)報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)を通じて、「10日午前0時10分、イランのゴドス軍団(イラン・イスラーム革命防衛隊)がゴラン高原にある前哨地に対してミサイル(missiles)約20発を発射した。その一部は撃破され、被害が出たかどうかは分からない」と綴った。

al-Hayat, May 11, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

SANA, May 10, 2018

Twitter, May 10, 2018

アドライ報道官はまた「我々はこの事件をイランの敵対行為と捉え、非常に危険だと見ている。我々はさまざまなシナリオを用意している」と付言した。

イスラエル軍のジョナサン・コンリカス報道官(中尉)はまた、ロイター通信(5月10日付)に対して「(イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団の)ガーセム・ソレイマーニー司令官が(攻撃)実施を命令し、これを指揮したが、その目的は分からない」と述べた。

攻撃は、グラード・ロケット弾20発によるもので、イスラエル軍側には被害はなかったという。

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イスラエル軍は声明を出し、イラン・イスラーム革命防衛隊のゴドス軍団の砲撃への報復として、シリア領内にあるゴドス旅団の拠点数十カ所に対して爆撃を行ったと発表した。

空爆の標的となったのは、ダマスカス郊外県キスワ市近郊にある軍事拠点、兵站拠点、首都ダマスカス北部のイラン・イスラーム革命防衛隊の基地、ダマスカス国際空港内のゴドス旅団の武器庫、諜報・軍事関連拠点複数カ所。

これに対して、シリア軍は迎撃を行ったが、イスラエル軍はシリア軍のSA-17、SA-22、SA-2、SA-5といった地対空ミサイル・システムを狙って、さらに反撃したという。

イスラエル軍の声明によると、シリア軍は防空システムでイスラエル軍機を撃墜しようとしたが、イスラエル軍側に被害はなかったという。

イスラエル空軍もツイッターのアカウント(https://twitter.com/IAFsite/)で、占領下ゴラン高原に対するゴドス旅団によると思われるロケット弾攻撃への報復として、「シリアにあるイランの軍事的標的数十カ所を攻撃した。ゴドス軍団が攻撃の背後にいる…。イスラエル国防軍はさまざまなシナリオを準備しているが、事態の悪化を望んでいない」と発表した。

一方、SANA(5月10日付)は、シリア軍消息筋の話として、イスラエル軍がシリア領内各所にミサイル数十発を発射、シリア軍が防空システムでこれを応戦、そのほとんどを撃破したと伝えた。

SANA消息筋によると、イスラエル軍のミサイル攻撃を受けたクナイトラ県では、シリア軍の防空部隊がバアス市上空でミサイルを撃破し、被害を回避したほか、首都ダマスカス、ヒムス県、スワイダー県の上空で、イスラエルのミサイルが撃破されたという。

たが、迎撃を逃れたミサイル複数発が着弾し、シリア軍防空大隊の陣地、レーダー施設、武器弾薬庫が被害を受けたという。


その後、シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、10日未明にイスラエル軍が複数の軍陣地を狙って

打ち込んだミサイルの大部分を防空システムで撃破したが、3発が着弾し、3人が死亡、2人が負傷、レーダー・ステーション1カ所、武器弾薬庫1棟、防衛大隊陣地複数カ所が被害を受けたと発表した。

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シリア人権監視団は、イスラエル軍の攻撃でシリア軍兵士5人、親政権民兵の戦闘員少なくとも18人が死亡したと発表した。

また、同監視団によると、イランの拠点のほかにも、ヒズブッラーの戦闘員が駐留していると思われるムウダミーヤト・シャーム市にある拠点複数カ所、ヒムス市南西部の拠点複数カ所が爆撃の標的となったという。

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ロシア国防省は声明を出し、イスラエル軍のF-15及びF-16戦闘機28機が空対地ミサイル60発を発射、またイスラエル軍地上部隊が地対地ミサイル10発を発射し、シリア国内のシリア軍やイラン関連の拠点を攻撃、シリア軍の防空システムが約半数のミサイルを撃破、これに対して、イランの武装部隊が展開する拠点複数カ所、首都ダマスカス近郊やその南方にあるシリア軍防空施設が、イスラエルの攻撃を受けた、と発表した。

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イスラエル軍の反撃に関して、ドゥラル・シャーミーヤ(5月10日付)は、複数の現地消息筋の話として、クナイトラ県のハーン・アルナバ市、バアス市、カブア丘、ハドル村、同地に隣接するダマスカス郊外県南西部にあるシリア軍と「イランの民兵」(イラン・イスラーム革命防衛隊の支援を受ける「同盟部隊」のこと)の陣地複数カ所が、イスラエル軍の爆撃と砲撃を受けたと伝えた。

また、RT(5月10日付)は、イスラエル軍がダマスカス郊外県のサアサア町近郊にあるシリア軍第137機甲連隊基地、バリー航空基地などにも爆撃を行ったと伝えた。

また、ドゥマイル市近郊の第116連隊基地、第122航空基地などでも大きな爆発が発生したという。

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NNA(5月10日付)がレバノン軍の発表として伝えたところによると、このシリアへのミサイル攻撃と時を同じくして、イスラエル軍戦闘機4機が、レバノン領空を侵犯した。

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なお、フッラ・チャンネル(5月11日付)は、米高官の話として、イラン政府がシリア領内に約7万人の戦闘員を派遣、10の武装集団が各地に進駐していると伝えた。

このなかで最大の戦闘員を擁するのが、レバノンのヒズブッラー(1万人)で、続いてイラン・革命防衛隊のゴドス軍団やバースィージュ(5万人)、ファーティミーユーン旅団、イラン人民動員隊などが続くという。

AFP, May 10, 2018、Alhurra, May 11, 2018、ANHA, May 10, 2018、AP, May 10, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 10, 2018、al-Hayat, May 11, 2018、Naharnet, May 10, 2018、NNA, May 10, 2018、Reuters, May 10, 2018、RT, May 10, 2018、SANA, May 10, 2018、UPI, May 10, 2018などをもとに作成。

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