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ポンペオ米国務長官は「イランに前例のない圧力をかける」と宣言、核ミサイル開発中止のほか、シリアからの撤退などを求める(2018年5月21日)

マイク・ポンペオ米国務長官は、ワシントンDCで対イラン戦略に関する演説を行った。

ドナルド・トランプ米大統領が8日にイラン核合意からの離脱を表明したのを受けたもので、「イランに前例のない圧力をかける」と宣言したうえで、イランに対して「新たな取引」を行うための12の条件を提示した。

1. IAEAにこれまでの核兵器開発を報告し、これを永久に放棄する。
2. 各濃縮を停止し、プルトニウム再処理を追及しない。また重水炉も廃止する。
3. IAEAにすべての核関連施設への無制限アクセスを保証する。
4. 弾道ミサイルの拡散と、核ミサイルシステムの開発を停止する。
5. 米国および同盟国の市民を釈放する。
6. レバノンのヒズブッラー、パレスチナのハマース、イスラーム聖戦機構を含む中東のテロ集団への支援を停止する。
7. イラク政府の主権を尊重し、シーア派民兵の武装解除、解体、再編を認める。
8. イエメンのフーシー派への軍事支援を停止し、イエメンでの平和的政治解決に協力する。
9. シリア全土からイランの指揮下にあるすべての勢力を撤退させる。
10. アフガニスタンをはじめとする地域でのタリバーンなどのテロリストへの支援、アル=カーイダ幹部隠匿を停止する。
11. イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団による世界各地のテロリストや民兵の支援を停止させる。
12. 周辺諸国、とりわけ米国の同盟国への脅迫的態度を止める。そのなかには、イスラエルを破壊するとの脅迫、サウジアラビア、UAEへのミサイル攻撃、海外輸送の妨害、サイバー攻撃も含まれる。

al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018

AFP, May 21, 2018、ANHA, May 21, 2018、AP, May 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018、al-Hayat, May 22, 2018、Reuters, May 21, 2018、SANA, May 21, 2018、UPI, May 21, 2018などをもとに作成。

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