ヨルダン北東部のラクバーン難民キャンプでシリア難民が封鎖解除を求めてデモ(2018年10月11日)

米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所に近いヨルダン北東部のルクバーン難民キャンプに収容されているシリア難民が、ヨルダン政府および国民に対して、キャンプへの封鎖を解除し、人道支援を行うよう訴えた。

この抗議行動は、9日にキャンプで児童2人が医療行為を受けられずに死亡したことを受けたもので、キャンプで暮らすシリア難民たちは、ビデオ映像を通じて窮状を訴えた。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(10月11日付)、『ハヤート』(10月11日付)によると、キャンプ内では、数十人が座り込みを行い、「ルクバーン・キャンプの子供たちには食糧も薬もない」、「アサドはルクバーンの子供たちから食べ物とミルクを奪っている」、「ルクバーンは難民キャンプでテロの集積地ではない」といったプラカードを掲げて抗議の意思を示した。

Orient News, October 11, 2018

なお、ドゥラル・シャーミーヤによると、キャンプの「封鎖」は、シリア政府が同地にいたるすべての街道を封鎖したことによると言うが、キャンプは有志連合占領下のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)、ヨルダン領と接している。

また、シリア政府は10月10日にナスィーブ国境通行所を再開すると発表しているが、ヨルダン政府はこれに応じていない。

AFP, October 11, 2018、ANHA, October 11, 2018、AP, October 11, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 11, 2018、al-Hayat, October 12, 2018、Reuters, October 11, 2018、SANA, October 11, 2018、UPI, October 11, 2018などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

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