ムアッリム外務在外居住者大臣「イドリブ県解放後、我々の狙いはユーフラテス川東部だ」(2018年10月15日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、シリアを訪問中のイラクのイブラーヒーム・ジャアファリー外務大臣と共同記者会見を行った。

SANA, October 15, 2018

**

会見でのムアッリム外務在外居住者大臣の主な発言は以下の通り。

「テロとの戦い」におけるシリアとイラクの勝利は、中東地域と世界のすべての国にとって重要だ…。ダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線(シャーム解放機構)といったテロ組織がイラクとシリアで勝利していたら、欧州、アラブ諸国、そして世界全体に何か起こっていたか想像してみるがいい」。

「イドリブ県はシリアの他の地域と同じようにシリアの主権下に復帰するのが必然だ…。我が武装部隊はイドリブ県に関する合意が実施されない場合を想定して、ヌスラ戦線を根絶するためにイドリブ県一帯で準備している」。

「イドリブ県には多くの市民がおり、彼らに罪はない…。和解を通じてイドリブ県を解放する方が、流血がもたらされるより良い。ソチ合意(非武装地帯設置合意)をシリアが支援するのは、流血を避けたいからだ…。イドリブ県にいるほとんどのテロリストはトルコ諜報機関とつながりがある。シリアはロシアがどのような反応をするのか見守っている。ヌスラ戦線が合意を拒否すれば…、我々は黙ってはいない」。

「イドリブ県解放後、我々の狙いはユーフラテス川東部だ。クルド人同胞は…将来何をしたいのか決心しなければならない…。彼らが対話をしたいというのであれば、その対話は明確な基礎に基づかねばならない。憲法、そして法律がある…。この地域ではいかなる連邦制も受け入れられない。なぜならそれは憲法違反だからだ。クルド人同法が米国との約束、米国の幻想を維持したいというのなら、それもよかろう。だが、国家の庇護のもとに復帰しなければ、彼らは代償を払うことになる…。ユーフラテス川東部の問題は…譲歩できない」。
「我々はトルコが侵略占領国だとみなしている。我が武装部隊がトルコの部隊とともにユーフラテス川東部の問題の作戦に参加することはない」。

「シリア・イラク国間の国境通行所が両国民にもたらす共通の利益は、我々がヨルダン・シリア両国民の利益のなかに見出しているものと同じものだ…。我々は今、シリア・イラク両国民の利益に目を向けている。ブーカマール国境通行所(イラク側はカーイム国境通行所)が近く再開することを望んでいる」。

**

これに対して、ジャアファリー外務大臣は「国境通行所はテロゆえの例外的な理由によるもので、近く再開される」などと述べた。

AFP, October 15, 2018、ANHA, October 15, 2018、AP, October 15, 2018、al-Durar al-Shamiya, October 15, 2018、al-Hayat, October 16, 2018、Reuters, October 15, 2018、SANA, October 15, 2018、UPI, October 15, 2018などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts