2014年3月23日のシリア情勢:国内の暴力

 

ラタキア県では、『ハヤート』(3月24日付)などによると、トルコ軍が対トルコ国境に位置するカサブ国境通行所一帯(シリア領空内)で、シリア軍の戦闘機1機を撃墜した。

トルコの複数の消息筋によると、トルコ軍は国境に接近したシリア軍戦闘機2機に対して警告を発し、退避を命じる一方、F-16戦闘機を緊急発進させ、警告を無視した戦闘機を攻撃、1機を撃墜したという。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、コジャエリ県での選挙演説で、トルコ軍によるシリア軍戦闘機撃墜に関して「シリアの戦闘機が我が国の領空を侵犯した」と主張、「トルコ空軍のF-16戦闘機で撃墜した」と述べた。

また「もしお前ら(シリア政府)が我が国の領空を侵犯したら、我々の報復は厳しいものとなるだろう…。参謀長とパイロット2名を祝福する。我が空軍を祝福する」と付言した。

またアブドゥッラ・ギュル大統領やトルコ国会議長も軍の攻撃に祝辞を送ったという。

一方、SANA(3月24日付)は、トルコ領内からカサブ国境通行所一帯に潜入した反体制武装集団を軍が迎撃し、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊したが、反体制武装集団を追撃していたシリア軍戦闘機1機がシリア領空内で、トルコ軍の攻撃を受け、撃墜されたと報じ、トルコ軍の攻撃を「前代未聞のあからさま侵害行為」と非難した。

なおSANAによると、戦闘機のパイロットはパラシュートで脱出降下し、無事だったという。

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Kull-na Shuraka’, March 23, 2014

同じくラタキア県では、またアフマド・シャイフ・アブドゥルカーディル県知事が声明を出し、カサブ地方で、反体制武装集団の迎撃にあたっていた国防隊の司令官、ヒラール・アサド氏(アサド大統領のいとこ)が戦死したと発表した。

また『ハヤート』(3月24日付)によると、反体制武装集団が制圧したカサブ国境通行所の映像をユーチューブで公開する一方、軍、国防隊は、第45電波塔監視ポスト、サムラー村を奪還した。

一方、ARA(3月23日付)は、ハーリド・ムハンマドを名乗るラタキア市住民の話として、軍、国防隊がカサブ町から撤退し、シャームの民のヌスラ戦線、アンサール・シャーム大隊、シャーム・イスラーム運動からなる武装集団が同市を制圧したと伝えた。

これを受け、カサブ町の住民多数がラタキア市方面に避難しているという。

他方、SANA(3月23日付)によると、ラタキア市シャイフ・ダーヒル公園近く(シャイフ・ダーヒル地区)と3月8日通りに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民8人が死亡、複数が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザフラー地区の空軍情報部周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

また反体制武装集団は、シュハイフナ山を制圧、アレッポ市ライラムーン地区に向けて進軍した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(3月23日付)は、共和国護衛隊司令官のサミーア・ユースフ・アッバース准将がアレッポ市ライラムーン地区での戦闘で22日に戦死したと報じた。

さらに、クッルナー・シュラカーによると、反体制武装集団はアズィーザ村周辺の「戦略拠点」複数カ所を制圧したという。

一方、SANA(3月23日付)によると、アレッポ市旧市街のウマイヤ・モスク東部に侵入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またカフルハムラ村、シュワイフナ村、ICARDA周辺、バービース村、アンジャーラ村、カフルナーハー村、アターリブ市、ハーン・トゥーマーン村、ジュッブ・ガブシャ村、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、マアーッラト・アルティーク村、アナダーン市、ハンダラート・キャンプ、バシュカーティーン村、ザフル・シャルファ村、カフルサギール村、マンスーラ村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、アレッポ市旧市街、マシュハド地区、シャイフ・サイード地区、ライラムーン地区、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ市カースティールー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がハーン・シャイフーン市内の軍拠点複数カ所を制圧した。

一方、SANA(3月23日付)によると、イブリーン村近郊、カフルラーター村、バシーリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(3月23日付)によると、ヤブルード市周辺、ダーライヤー市、アーリヤ農場、アイン・タルマー渓谷、アルバイン市、フーシュ・アラブ村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アブー・ワリード・カラムーニー氏を含む複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマアルーラー市、ヤブルード市、ジャブアディーン町、サルハ市で、反体制武装集団33人が当局に投降した。

なお2月27日以降のダマスカス郊外県各地での投降者数は460人に達しているという。

このほか、キスワ市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数2発が着弾し、市民2人が死亡した。

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ダマスカス県では、SANA(3月23日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団を要撃し、殲滅した。

一方、SANA(3月23日付)によると、マッザ区の高等教育省近くに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、女子学生1人が死亡、学生22人を含む25人が負傷した。

またアブー・ルンマーナ地区、アフィーフ地区にも迫撃砲弾が着弾し、4人が負傷した。

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ダルアー県では、SANA(3月23日付)によると、ムハッジャ村、サムリーン村、ジャニーン村、フラーク市・ナーミル村街道、ダルアー市キャンプ地区、キルク地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またブスラー・シャーム市南部に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民1人が死亡した。

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ハマー県では、SANA(3月23日付)によると、ムーリク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(3月23日付)によると、タルビーサ市、ウンク・ハワー村、アブー・ハリース村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市旧市街に立て籠もっていた反体制武装集団41人が当局に投降した。

このほか、ヒムス市カラム・シャーミー地区、ハムラー地区、インシャーアート地区、ハドル地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、少女1人を含む市民4人が死亡した。

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ラッカ県では、ARA News(3月23日付)によると、ラッカ市でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、強盗殺人の罪で青年1人を処刑した。

AFP, March 23, 2014、AP, March 23, 2014、ARA News, March 23, 2014、Champress, March 23, 2014、al-Hayat, March 24, 2014、Iraqinews.com, March 23, 2014、Kull-na Shuraka’, March 23, 2014、Naharnet, March 23, 2014、NNA, March 23, 2014、Reuters, March 23, 2014、SANA, March 23, 2014、UPI, March 23, 2014などをもとに作成。

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