オバマ米大統領がアサド大統領を含むシリアとイランの高官複数名に対して制裁を科す大統領令を発布(2011年5月18日)

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反体制勢力の動き

フェイスブックのグループ「シリア革命2011」などが、アサド政権による抗議デモ弾圧に抗議するためのゼネストを呼びかけた。

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だが『ハヤート』(5月19日付)によると、商店主の多くは当局による逮捕などを恐れてゼネストの呼びかけに応じず、デモは部分的なものにとどまった。

同報道によると、イドリブ県のフルーマ村、ハーッス村、カフルナブル市などではゼネストが行われたもの、ダマスカス県、アレッポ市、ラタキア市、ハマー市、カーミシュリー市では、デモの影響はほとんど見られなかったという。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダマスカス県マイダーン地区の代表者12人と会談した。

出席者の一人によると、会談では、汚職、司法、経済、通商、教育などさまざまな問題について意見が交換され、アサド大統領は現状を精査したうえで、国民の要求を実現するために専心することを明言したという。

またアサド大統領は、治安当局の対応に一部過失があったことを認め、「行き過ぎ」を防止すべく訓練を徹底する意思を示したという。

DamasPost(5月18日付)が報じた。

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SANA(5月18日付)によると、タルトゥース県、イドリブ県、ハマー県、ヒムス県、アレッポ県各所で、武装テロ集団掃討中に戦死した軍・治安部隊の将兵7人の葬儀が行われた。

国内の暴力

ヒムス県では、軍がタッルカラフ市包囲を続け、逮捕摘発活動、弾圧を行い、8人を殺害した。

『ハヤート』(5月19日付)によると、同市での死者はこの3日で35人にのぼった。

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シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)のアレッポ機構は声明を出し、アレッポ大学の学生寮で、16日晩と17日晩に学生が行った反体制デモに対して、「シャッビーハ」が介入・弾圧したと発表、非難した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は、バッシャール・アサド大統領ら7人の政権高官とイランの高官2人に対して「人権侵害において役割を果たした」との理由で、資産凍結、米国の機関との直接・間接の接触の禁止といった制裁を科す大統領令を発した。

制裁対象となる9人は以下の通り:

1. バッシャール・アサド(シリア・アラブ共和国大統領、1965年9月生まれ)

2. ファールーク・シャルア(副大統領、1938年生まれ)

3. アーディル・サファル(首相、1953年生まれ)

4. ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール(内務大臣、1950年生まれ)

5. アリー・ハビーブ(国防大臣、1939年生まれ)

6. アブドゥルファッターフ・クドスィーヤ(シリアの諜報機関長官の一人、1950年生まれ)

7. ムハンマド・ディーブ・ザイトゥーン(政治治安部長、1952年生まれ)

8. カースィム・スライマーニー(イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団司令官)

9. ムフスィン・シーラーズィー(イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団副司令官)

『ハヤート』(5月19日付)によると、米高官は「アサド大統領は、シリア国民に対する弾圧行為を監視している」ことが制裁の理由だとしたうえで、「政策転換が始まったが、この転換はシリア国民のため、民主主義と世界的水準の人権尊重をもたらさねばならない」との考えを示した。

そのうえで「シリアの未来は、すべてのシリア人の国民的意思を反映した政府のみが保障せねばならない」と指摘、アサド大統領に「デモ参加者への攻撃、逮捕、シリア国民への嫌がらせをやめ、民主的変革のイニシアチブをとる」よう呼びかけた。

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ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領は、800人という多数の記者が参加した記者会見で、「シリアをめぐる(米国の)決定(追加制裁)に関して、私は支持しない…。たとえ親友たちがそうすることを求めてもだ」と述べた。

「アサド大統領は改革を行うと宣言した。この改革を実際に行うことに寄与するようなことをせねばならない。何か決定を下すことで圧力をかけてなはならない。なぜなら、そうしたことは、概して結果をもたらさないからだ」と明言した。

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イスラエル警察報道官は、15日の越境デモでイスラエル領内に侵入し、その後逮捕されたパレスチナ人4人のうち2人を釈放し、シリアに追放したと発表した。

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ジャズィーラ・チャンネル(5月18日付)は、シリア国内で失踪したとされるジャズィーラの女性記者ドゥールースィー・バールファーズ氏がイランで釈放され、カタールの首都ドーハに帰国したことを確認したと報じた。

AFP, May 18, 2011、Akhbar al-Sharq, May 18, 2011、DamasPost, May 18, 2011、al-Hayat, May 19, 2011 、Kull-na Shuraka’, May 18, 2011、May 19, 2011、Naharnet, May
19, 2011、Reuters, May 18, 2011、SANA, May 18, 2011などをもとに作成。

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