ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表はシャーム解放機構がシリア軍拠点や民間人を攻撃していると指摘、トルコとロシアに停戦を遵守するよう呼びかける(2019年5月1日)

ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、イドリブ県を中心とする緊張緩和地帯第1ゾーンに対するロシア・シリア軍の攻撃と、反体制武装集団との戦闘が激化していることに関して、シリアのアル=カーイダと目され、同地の軍事・治安権限を握るシャーム解放機構がシリア軍の拠点や民間人に対する攻撃を行うなかで、シリア軍がこうした攻撃への対抗措置を講じていると指摘、「トルコとロシアに停戦規定を遵守し続けることを呼びかける」と発表した。

一方、アスタナ12会議で審議された制憲委員会設置に関して、ペデルセン氏は今年の夏までにメンバーの選定が完了するとの見込みを示した。

ペデルセン氏は、制憲委員会メンバー150人のうち、市民社会から選ばれる代表メンバー50人のうち、6人が削除される必要があるとしたうえで、メンバーの選定が「善意と若干の妥協」で実現するだろうと述べた。

なお150人のうち50人はシリア政府、50人は反体制派が選定することになっており、この100人ついてはすでの合意されているという。

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他方、UNOCHA(国際連合人道問題調整事務所)のシリア危機事務所(在アンマン)のデヴィッド・スワンソン報道官は、ロシア・シリア軍のイドリブ県に対する攻撃で、病院・医療センター3カ所が利用不能になったことに関して、「こうした暴力は決して受け入れられない」と非難した。

AFP, May 1, 2019、ANHA, May 1, 2019、AP, May 1, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2019、al-Hayat, May 2, 2019、Reuters, May 1, 2019、SANA, May 1, 2019、UPI, May 1, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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