シリア軍はイドリブ県を激しく爆撃、民間人7人を含む12人が死亡(2019年6月22日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから53日目となる6月22日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より12人(民間人7人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員5人)増えて1,895人となった。

うち、504人が民間人(女性100人、子供126人を含む)、611人がシリア軍兵士、780人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は90回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」24発を投下、ロシア軍も25回の爆撃を行った。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でサラーキブ市、マアッラト・スィーン村、シャイフ・ムスタファー村、マアッルズィーター村、ハーン・シャイフーン市、カフル・アイン村一帯、ウライニバ村、フバイト村、アービディーン村、ハーン・スブル村、カフルサジュナ村、マアッラト・ヌウマーン市、マダーヤー村、タッル・ナール村、バルユーン村、ナキール村、イフスィム村、カンスフラ村、カルサア村、マアッラト・ハルマ村に対する爆撃を実施するとともに、ヘリコプターで、シャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ハルマ村、タッル・ナール村、カフルサジュナ村一帯、マアッラト・スィーン村に「樽爆弾」を投下した。

爆撃により、サラーキブ市で子供3人と女性1人、マアッラト・ヌウマーン市で子供2人、カンスフラ村で1人、マアッルズィーター村で子供1人が死亡した。

一方、SANA(6月22日付)によると、シリア軍がナキール村一帯でシャーム解放機構の武装車輌を攻撃、これを破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカースィミーヤ村およびその一帯に対して爆撃を実施した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヘリコプターでジャビーン村に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もラターミナ町、ザカート村、タッル・ミルフ村、ジャビーン村を爆撃した。

一方、SANA(6月22日付)によると、反体制武装集団がブライディージュ村の農地を砲撃し、火災が発生した。

これに対して、シリア軍は県北部で反体制武装集団の無人航空機(ドローン)を撃墜した。

無人航空機は爆発物を搭載していたという。

シリア軍はまた、ジャビーン村一帯でシャーム解放機構、イッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月22日付)によると、ダーイル町で何者かがシリア軍の拠点を攻撃した。

AFP, June 22, 2019、ANHA, June 22, 2019、AP, June 22, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 22, 2019、al-Hayat, June 23, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 22, 2019、Reuters, June 22, 2019、SANA, June 22, 2019、SOHR, June 22, 2019、UPI, June 22, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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