ロシア軍の爆撃で国内避難民3人が、反体制派の砲撃で女性と子供2人が死亡(2019年8月6日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア軍がシリア軍事革命諸勢力代表団(アスタナ会議に参加する反体制派の代表団)との停戦を破棄してから2日目を迎え、シリア・ロシア軍が同地を爆撃、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は45回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」52発を投下、ロシア軍も27回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は400発におよんだ。

シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より7人(民間人7人、シリア軍兵士は0人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,932人となった。

うち、879人が民間人(女性161人、子供218人を含む)、984人がシリア軍兵士、1,069人が反体制武装集団戦闘員。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ザカート村、ラターミナ町に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでラターミナ町、カフルズィーター市、アルバイーン村、ザカート村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊がザカート村、アルバイーン村など県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もカフルズィーター市を爆撃した。

一方、SANA(8月6日付)によると、反体制武装集団がシリア政府支配下のアイン・スライムー村、ジャイイド村を砲撃し、女児1人と女性1人の2人が死亡、民間人6人が負傷した。

これに対して、シリア軍はクライディーン村、アンカーウィー村、ヒルバト・ナークース村にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、ハスラーヤー村から反体制武装集団を掃討、同地を制圧した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、マダーヤー村、カフル・アイン村、ヒーシュ村一帯、タッルアース村、タフターヤー村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフルサジュナ村、シャイフ・ダーミス村、ラカーヤー村、ハーン・シャイフーン市、マダーヤー村、ヒーシュ村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市およびその一帯を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(8月6日付)によると、ロシア軍の爆撃はハーン・シャイフーン市近郊のカフルターブ農場に対するもので、民間人3人(国内避難民)が死亡した。

一方、SANA(8月6日付)によると、シリア軍がマウザラ村にある反体制武装集団の拠点を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下、また地上部隊が同地一帯を砲撃した。

AFP, August 6, 2019、ANHA, August 6, 2019、AP, August 6, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 6, 2019、Reuters, August 6, 2019、SANA, August 6, 2019、SOHR, August 6, 2019、UPI, August 6, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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