民主的変革勢力国民調整委員会代表が政府主導の国民対話委員会への参加を検討すると表明、ハマー市で行われた過去最大規模デモの参加者はシリア人権監視団によると「50万人以上」(2011年7月1日)

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反体制勢力の動き

民主的変革勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ハヤート』(7月2日付)に対して、アサド大統領の指示により設置された国民対話委員会が呼びかけている今月10日の協議会への参加を「真剣」に検討すると述べた。

『ハヤート』(7月2日付)は、複数の消息筋の話として、協議会開催に向けた国民対話委員会による折衝では、アブドゥルアズィーム代表が率いるシリア国民民主連合や非公認政党・政治組織に対して、個人、ないしは無所属活動家としてでなく、政党・政治組織代表として出席することを呼びかけられていると伝えた。

同消息筋によると、民主的変革勢力国民調整委員会発足宣言後に、国民対話委員会メンバーと反体制活動家との間で非公式折衝が本格化しているという。

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失業根絶委員会前委員長のフサイン・アンマーシュ氏は『ハヤート』(7月2日付)に対して、「民主的市民国家のもと、シリアはみんなのもの」や民主的変革諸勢力国民調整委員会とは別に、複数の反体制活動家約200人が2日に「シリアの未来のための国民イニシアチブ」と銘打った大会をダマスカス県のセミラミス・ホテルで開催すると述べた。

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大会では、①逮捕者釈放、平和的デモの許可などを通じた政権と国民の間の信頼回復とその強化、②現状から民主的・市民国家への平和的移行の方法、③不可欠な改革立法、などを審議する予定だという。

参加(予定)者のなかには、ズハイル・ガンヌーム人民議会議員、シャイフ・ナウワーフ・アブドゥルアズィーズ・ムスラト氏、ムハンマド・ハバシュ人民議会議員らが名を連ねている。

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イスラーム民主潮流の国内事務局は声明を出し、民主的変革諸勢力国民調整委員会の結成に関して、「こうした連合体に招かれたことはないし、考慮する必要もない」と発表、不参加と参加拒否を表明した。

シリア政府の動き

SANA(7月1日付)によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、クライヤー町(スワイダー県)、ラタキア市、ダマスカス県バーブ・トゥーマー地区、ヒジャーズ駅前で、アサド大統領の包括的改革プログラムを支持するデモが行われ、スワイダー市では全長1.7キロのシリア国旗が広げられた。

 

 

SANA, July 1, 2011

 

SANA, July 1, 2011

 

国内の暴力

 

Akhbar al-Sharq, July 2, 2011

 

Akhbar al-Sharq, July 2, 2011

 

『ハヤート』(7月2日付)は、複数の活動家・目撃者の話としてによると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ヒムス県、アレッポ県、イドリブ県、ラタキア県、ハマー県、ダイル・ザウル県、ダルアー県、カーミシュリー市(ハサカ県)の各所で反体制デモが発生し、「数十万人」が参加したと報じた。

このうちハマー市では過去最大規模のデモが行われ、シリア人権監視団によると、参加者は「50万人を越えた」という。

また、同監視団によると、ヒムス市でも「10万人以上」、ダイル・ザウル市でも「6万人」、マアッラト・ヌウマーン市(イドリブ県)でも「4万人」がデモを行ったという。

これに対して、治安部隊が強制排除を試み、ヒムス県、ダマスカス県、ダーライヤー市(ダマスカス郊外県)、ラタキア県、イドリブ県で少なくとも12人が死亡、また数百人が負傷した。

al-Hayat, July 2, 2011

一方、SANA(7月1日付)は、ダマスカス県、ヒムス県、ダーライヤー市で「武装集団」が治安維持部隊、警察、市民に発砲し、複数の死傷者が出たと報じた。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(7月2日付)によると、ハジャル・アスワド市、ジュダイダト・アルトゥーズ町、マダーヤー町、カタナー市、ザバダーニー市で反体制デモが発生した。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(7月2日付)によると、マイダーン地区、カダム区、カーブーン区で反体制デモが発生した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(7月2日付)によると、アレッポ市マシュハド地区、サラーフッディーン地区、アシュラフィーヤ地区、サーフール地区、サイフ・ダウラ地区でデモが発生し、治安部隊が包囲し、参加者を逮捕した。

複数の活動家によると、治安部隊は催涙ガス、ゴム弾、警棒を用いて、デモ参加者を排除した。

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ヒムス県では、『ハヤート』(7月2日付)によると、クサイル市の住民数百人が、軍による治安維持作戦を逃れるため、レバノン領内に避難したという。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は、アサド政権に対して「ただちに改革を始めねばならない…。時間が浪費されている」と述べた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、トルコがシリア情勢をフォローしていると述べる一方、トルコが内外での目的達成のためにシリアでダブル・ゲームを行っていないと主張した。

そのうえで「我々は常に透明性をもって開明的に振る舞っている…。我々の公式のメッセージは常に明白で曖昧さはない…。行程に従った政治改革プロセスは暴力の即時停止をもって始まるものである」と述べた。

AFP, July 1, 2011、Akhbar al-Sharq, July 1, 2011、July 2, 2011、al-Hayat, July 2, 2011、Kull-na Shuraka’, July 1, 2011、Naharnet, July 1, 2011、Reuters, July 1, 2011、SANA, July 1, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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