アサド大統領が「違法デモ」への参加者や離反兵などへの恩赦を決定するなか、シリア人ウラマーがイスタンブールで「シリア・イスラーム会合」発足大会を開催(2012年1月15日)

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アサド政権の動き

アサド大統領は政令第10号を出し、「違法デモ」への組織・参加者、武器密輸関係者、脱走兵など刑法第285、286、287、291、294、307、308、327、328条、平和的デモ調整法第335~339条、2001年政令第51号、軍事刑法第100、101号の違反者への恩赦を決定した。

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SANA(1月15日付)は、各県のバアス党の各支局(地域>支部>支局>班>組)で、2月に予定されている第11回シリア地域大会(党大会)に出席する代表を選出するための選挙が始まったと報じた。

地域大会には約1800人の党員代表が出席する予定で、支局選挙では850人に1人の割合で代表者が選出される。

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SANA(1月15日付)は、政党問題委員会(ムハンマド・シャッアール内務大臣が議長)が、政党法に基づきシリア民主党を正式に認可したと報じた。

反体制勢力の動き

1月13日から15日にかけてイスタンブールでシリアの反体制ウラマーが「シリア・イスラーム会合」発足大会を開催した。

閉幕声明では、ウンマ再興と不正の根絶に果たすべきウラマーの役割が確認されるとともに、「シリア革命」支持・支援の意思が明示され、アラブ諸国、イスラーム諸国、諸外国の政府・国民にシリア国民との連帯が呼びかけられた。

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シリア国民評議会広報局のアフマド・ラマダーン氏は『ハヤート』(1月16日付)に対して、カタールのハマド・ブン・ハリーファ首長によるシリアへのアラブ軍派遣の提案を支持すると述べた。

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『シャルク・アウサト』(1月15日付)は、ジャズィーラに出演したアブドゥルジャリール・サイード師の話として、同師を含むイスラーム教ウラマー数十人が政権を離反し、隣国に亡命したと報じた。

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シリアの造形形術家約70人が反体制団体「シリア無所属造形家連合」の発足を宣言した。

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『ザマーン・ワスル』(1月15日付)は無所属反体制活動家のムハンマド・ハバシュ人民議会議員が政権を離反し、UAEのドバイに亡命した可能性があると報じた。

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作家のリーマー・ファルハーン女史がフェイスブックでシリア国民評議会からの脱会を宣言した。

同声明でファルハーン女史は、シリア国民評議会が革命や若者の希望に奉仕するよう訴えた。

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ムスリム同胞団は声明を出し、アサド大統領の恩赦に関して、「3月15日以降の逮捕者数が6,000人を越える」と述べ、逮捕者釈放が不充分だとの立場を示した。

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シリア・クルド国民評議会執行委員会会合が14、15日に開催されたが、執行部メンバーの選出をめぐって紛糾した。

『クッルナー・シュラカー』(1月16日付)によると、主な争点は以下の通り。

1. 「ミシュアル・タンムー・センター」を名のる民主化勢力の連立組織の評議会参加に伴う執行部メンバーの人事。
2. クルド人青年活動のなかで最有力とされるクルド青年調整連合、AVAHI連立の評議会への参加の是非。
3. ダマスカス民主変革宣言、民主的変革諸勢力国民調整員会、シリア国民評議会への参加をめざしている各党への対応。

上記3点のうち、2に関しては、特別委員会を設置し継続審議することを決定した。

また3に関しては、ダマスカス民主変革宣言、民主的変革諸勢力国民調整員会、シリア国民評議会のクルド問題に対する姿勢が明示されるまで、最終判断を保留し、これらの政党連合への参加を希望する政党のシリア・クルド国民評議会への参加承認を見合わせるとともに、すでにシリア・クルド国民評議会に参加している政党に関しては参加資格を凍結することを決定した。

国内の暴力

シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県のザバダーニー市、マダーヤー町、ヒムス県ヒムス市に対する治安当局の「砲撃」と包囲が続いた。

ザバダーニー市では数万人が反体制デモを行ったという。

イドリブ市とハーン・シャイフーン市では13日に負傷した市民2(女性1人)が死亡したという。

またアラブ連盟監視団の監視チームが多数の治安機関の車輌を伴ってタルトゥース県のバーニヤース市内の親体制派が住む地区だけを視察した、という。

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シリア革命総合委員会によると、ダマスカス郊外県、ヒムス県、イドリブ県などで27人の市民が軍・治安部隊の発砲で殺害された、という。

ザバダーニー市では、軍・治安部隊の戦車が進入し、50人以上が負傷したという。

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SANA(1月15日付)によると、イドリブ県のアリーハー市とマストゥーマ村を結ぶ街道で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、労働者6人が死亡、16人が負傷した。

諸外国の動き

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣はスカイ・ユーズ(1月15日付)に対して、シリアへの飛行禁止空域の設定を検討していない、と述べ、軍事干渉の可能性を改めて否定した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は滞在先のミャンマーで記者団に対して、シリア情勢への安保理の「沈黙」を改めて批判した。

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チュニジアのムンスィフ・マルズーキー大統領は、アルジェリア日刊紙『ハバル』(1月15日付)に対して、シリアへの外国の干渉を「自殺行為」と評し、地域全体を「爆発」ささせると警鐘を鳴らした。

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『ハヤート』(1月16日付)は、アラブ連盟高官がシリアへのアラブ軍派遣は連盟において提案されていないと述べた。

AFP, January 15, 2012、Akhbar al-Sharq, January 15, 2012, January 16, 2012, January 17, 2012、al-Hayat, January 16, 2012、al-Khabar, January 15, 2012、Kull-na Shuraka’, January 15, 2012, January 16, 2012、al-Quds al-‘Arabi, January 16, 2012、Reuters, January 15, 2012、SANA, January 15, 2012、al-Sharq al-Awsat, January 15, 2012、Zaman al-Wasl, January 16, 2012などをもとに作成。

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