ロシア軍が前日に続いてイドリブ県を激しく爆撃(2020年6月9日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから96日目となる6月9日、ロシア軍戦闘機が、イドリブ県のザーウィヤ山地方やハマー県のガーブ平原に対して爆撃を実施した。

ロシア軍による大規模爆撃は2日連続。

8日深夜から9日未明にかけて、イドリブ県のカンスフラ村、バルユーン村、バーラ村、マウザラ村、ファッティーラ村、カフル・ウワイド村などが爆撃を受け、バルユーン村で住民1人が死亡した。

シリア人権監視団によると、ロシア軍の爆撃に対して、反体制武装集団は県南部のシリア軍拠点複数カ所を砲撃しした。

一方、サルミーン市近郊の街道では、最近になってシャーム解放機構を離反し、トルキスタン・イスラーム党に参加した男性1人が爆弾の爆発に巻き込まれて死亡した。

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ハマー県では、「信者を煽れ」作戦司令室は声明を出し、マナーラ村(タンジャラ村)から戦術的に撤退したと発表した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, June 9, 2020、ANHA, June 9, 2020、AP, June 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 9, 2020、Reuters, June 9, 2020、SANA, June 9, 2020、SOHR, June 9, 2020、UPI, June 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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