イドリブ県などでシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦(2020年6月26日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから113日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるルワイハ村、バイニーン村、スフーフン村、フライフィル村、ハルーバ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、「決戦」作戦司令室はスフーフン村一帯でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室とシリ軍がマナーラ村(タンジャラ村)一帯で交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がトルコマン山一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県2件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, June 26, 2020、ANHA, June 26, 2020、AP, June 26, 2020、al-Durar al-Shamiya, June 26, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 26, 2020、Reuters, June 26, 2020、SANA, June 26, 2020、SOHR, June 26, 2020、UPI, June 26, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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