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ジェフリー前国務省シリア問題担当特使「米軍はダーイシュと戦うだけためだけでなく、アサド政権の支配地回復を阻止するためにシリアに部隊を駐留させている」(2020年12月5日)

ジェームズ・ジェフリー前国務省シリア問題担当特使は、イスラエルのタイムズ・オブ・イスラエル(12月5日付)のインタビューに応じ、そのなかでアサド政権による全土制圧を阻止するためにシリア領内に米軍部隊を駐留させている、と述べた。

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ジェフリー前特使は、任期終了が近づくドナルド・トランプ米大統領について、「大統領、軍最高司令官になる資質はなかった」と批判、「中東における米国の友人やパートナーはみな、トランプ政権がなくなることを幸せだと言っている」と述べた。

また、トランプ政権がシリアにおける三つの主要な目的、すなわちシリアからのイランの部隊の完全撤退、イスラーム国の完全撲滅、そしてシリアの紛争の政治解決を達成できず、シリア国内で「軍事的膠着」を作り上げ、アサド政権の勢力回復を阻止してきたと主張した。

さらに、トランプ大統領が再三にわたり、シリアからの部隊撤退を決定し、その後これを撤回したことについては、「我々が部隊を撤退させているように見えたことがたびたびあった。だが、それはひどい誤りだった。だが、いずれの場合も…、トランプ大統領は正しく改め、部隊を残留させることを決定した」と振り返った。

「我々は、どのくらいの兵力がいるのかを指導部に明かさないため、いつもごまかし(shell games)をしていた」とも付言した。

その一方で、シリアへの部隊駐留の成果については、「我々はアサドが軍事的に前進するのを食い止めてきた…。軍事的膠着が基本作り出された」としたうえで、米国とその同盟国が、ダーイシュ(イスラーム国)だけでなく、アサド政権による支配地回復を阻止するために行動していると述べ、トルコによるシリア北部への進攻やイスラエル軍による爆撃もその一環をなしていると指摘した。

また、「アサドを経済的に打ち砕く」ための制裁を、国連、EU、そしてアラブ連盟諸国と続けることが、「完全な失敗国家を泥沼状態のなかでロシアとイランに引き継がせる」ことになるとし、これらの国に真摯な交渉や妥協を迫ることができるとの見方を示した。

AFP, December 6, 2020、ANHA, December 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, December 6, 2020、Reuters, December 6, 2020、SANA, December 6, 2020、SOHR, December 6, 2020、Times of Israel, December 5, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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