シリア軍が「決戦」作戦司令室支配下のイドリブ県、ラタキア県、アレッポ県、ハマー県を砲撃(2021年2月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるサラーキブ市一帯を砲撃いした。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、フライフィル村などバーラ村を砲撃し、バーラ村で住民1人が死亡、多数が負傷した。

また、「決戦」作戦司令室の支配下にあるタルティーター村では、ウズベク人戦闘員の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、この戦闘員が重傷を負った。

一方、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約10輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタカード村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のサルマーニーヤ村、ドゥワイル・アクラード村、ズィヤーラ町、カーヒラ村、ヒルバト・ナークース村、カルクール村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサフム・ジャウラーン村とジッリーン村を結ぶ街道で、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバーが、正体不明の武装集団に機関銃で撃たれて死亡した。

また、ハイト村で銃で撃たれて殺害されたと若者1人の遺体が発見された。

さらに、ダルアー市のナフル地区でも拷問を受け、銃で撃たれて死亡した遺体が発見され、サジュナ地区では、オートバイに乗った2人組が男性に向けて発砲し、殺害した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーマ町で、共和国護衛隊が一時停止を無視して検問所を通過しようとした車に向けて発砲し、1人を射殺した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を27件(イドリブ県12件、ラタキア県11件、アレッポ県1件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は20件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を18件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 9, 2021、ANHA, February 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 9, 2021、Reuters, February 9, 2021、SANA, February 9, 2021、SOHR, February 9, 2021, February 10, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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