ロシア軍戦闘機がイドリブ県でジョージョア出身のテロリスト、ムスリム・アブー・ワリード・シャーシャーニーが潜伏していた民家を精密爆撃、3人が死亡、家族ら12人負傷(2021年12月11日)

イドリブ県では、シリア人権監視団、ザイトゥーン(12月11日付)、アフバール・アーン(12月11日付)によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるジスル・シュグール市の近郊に位置するヤアクービーヤ村の民家に対して熱気化爆弾3発で精密爆撃を行い、外国人戦闘員1人、子供2人を含む住民3人が死亡、女性複数と子供6人を含む12人
(ホワイト・ヘルメットによると13人)が負傷した。

爆撃は、シャーム解放機構との戦闘の末にラタキア県トルコマン山地方からの退去を余儀なくされていたジュヌード・シャームのムスリム・アブー・ワリード・シャーシャーニー指導者が家族とともに身を寄せていた民家を狙ったもの。

負傷者のほとんどは、シャーシャーニー氏の妻や女児など家族だという。

なお、ロシア軍の爆撃に先立って、米主導の有志連合所属と思われる武装した偵察用無人航空機(ドローン)がトルコ国境に近いダーナー市、サルマダー市上空に飛来し、旋回を続けていた。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村一帯を砲撃した。

これに対して「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるミラージャ村、ダクマーク村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のハミーディーヤ村、クライディーン村、アンカーウィー村、ヒルバト・ナークース村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・ヌーラーン村、アウラム・クブラー町を砲撃した。

これに対して「決戦」作戦司令室もシリア政府の支配下にあるミーズナーズ村一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を確認しなかった。

AFP, December 11, 2021、Akhbar al-An, December 11, 2021、ANHA, December 11, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 11, 2021、Reuters, December 11, 2021、SANA, December 11, 2021、SOHR, December 11, 2021、Zaytun, December 11, 2021などをもとに作成。

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