ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は午後10時前に、アサド大統領が得票数の88.7%にあたる10,319,723票を得て、大統領に再選したと発表した。

ラッハーム人民議会議長が発表した大統領選挙の投票結果は以下の通り:

有権者総数:15,845,575人

投票者数:11,634,412人(投票率73.4%)

バッシャール・アサド大統領:10,319,723票(88.7%)

ハッサーン・アブドゥッラー・ヌーリー元国務大臣:500,279票(4.3%)

マーヒル・アブドゥルハフィーズ・ハッジャール人民議会議員:372,301票(3.2%)

無効票:442,108票(3.8%)

SANA, June 4, 2014

ラッハーム議長は「我らシリア人民は、これまで起きた諸々の出来事によっても自らの指針を失うことはなく、その先鋭な視座が影響を受けることもなかった。むしろ、すべての現場で、その崇高な愛国心はもっとも輝かしいかたちで現れ、タクフィール主義傭兵に対する不屈の精神と、勝利を確かなものとする主権と自決の固持をもたらした」と明言した。

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SANA(6月4日付)によると、大統領選挙の結果発表(午後10時前)を受け、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県、タルトゥース県、スワイダー県、ラタキア県の各所で、アサド大統領の当選を祝うデモ行進が行われた。

 

SANA, June 4, 2014

 

SANA, June 4, 2014

 

SANA, June 4, 2014

 

SANA, June 4, 2014

 

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SANA, June 4, 2014

ハッサーン・アブドゥッラー・ヌーリー元国務大臣は、大統領選挙の結果発表を受けて、ダマスカス県内のシェラトン・ホテルで記者会見を開き、アサド大統領当選に関して「その勝利によってシリア国民の大多数の信任を得た」と祝辞を述べる一方、選挙が「公正且つ透明性を持っていた」と高く評価し、その実施が「すべてのシリア人の愛国的勝利」を意味すると述べた。

SANA(6月4日付)が伝えた。

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アサド大統領は大統領選挙結果の発表を受け、フェイスブックを通じて「愛国的感情に基づく歓喜と熱狂の表明は祝砲を正当化せず、市民の声明を危険にさらす」との声明を出した。

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SANA, June 4, 2014

大統領選挙監視のためにシリアを訪問している各国監視団は、ダマスカス県内のダーマー・ルーズ・ホテルで会合を開き声明を発表、大統領選挙を「競争的雰囲気のなかで…完全なる自由と民主主義のもと、さまざまな見解や政策が参加し、競うかたちで初めて実施され、シリアの政治プロセスにおける顕著で重要な進歩とみなすことができ、新たな政治的段階を作り出す」と高く評価した。

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ARA News, June 4, 2014

ARA News(6月4日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市では早朝、大統領選挙の実施に反対する若者らが抗議のデモを行った。

 

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トルコで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のナスル・ハリーリー氏(政治委員会メンバー)は、6月3日に投票が行われた大統領選挙で、軍事情報局(第215課、第291課、第293課)が拘置している政治犯多数がバスで各地の投票所に連行され、アサド大統領への投票を強要されたと主張した。

クッルナー・シュラカー(6月4日付)が伝えた。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(6月4日付)に、大統領選挙投票が行われた6月3日、ダマスカス県および政府支配地域に130発以上の迫撃砲弾が着弾し、ダマスカス県サブア・バフラート広場、ダマスカス郊外県ダーヒヤト・アサド町、同ジャルマーナー市でそれぞれ1人の計3人が死亡した、と主張した。

これに関して、フェイスブックのページ「ダマスカスの迫撃砲日記」(https://www.facebook.com/pages/%D9%8A%D9%88%D9%85%D9%8A%D8%A7%D8%AA-%D9%82%D8%B0%D9%8A%D9%81%D8%A9-%D9%87%D8%A7%D9%88%D9%86-%D9%81%D9%8A-%D8%AF%D9%85%D8%B4%D9%82/1412708045638419?ref=stream)は、6月3日にダマスカス県内各所に151発の迫撃砲弾が着弾し、4人が死亡したと発表した。

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レバノンでは、LBCI(6月4日付)によると、ベイルート県郊外、ベカーア県バアルベック市、北部県トリポリ市などで、アサド大統領の当選を受けて、支持者らが祝砲などを放ち、選挙での勝利を祝った。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は声明を出し、シリアでの大統領選挙に「正統性はない」と主張するとともに「真の政治的交渉」による紛争解決を呼びかけた。

『ハヤート』(6月5日付)が伝えた。

AFP, June 4, 2014、AP, June 4, 2014、ARA News, June 4, 2014、Champress, June 4, 2014、al-Hayat, June 4, 2014、Kull-na Shuraka’, June 4, 2014、LBCI, June 4, 2014、al-Mada Press, June 4, 2014、Naharnet, June 4, 2014、NNA, June 4, 2014、Reuters, June 4, 2014、SANA, June 4, 2014、UPI, June 4, 2014などをもとに作成。

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