シャーム解放機構は前日のシリア・ロシア軍によるイドリブ県の攻撃への復讐としてハマー県で特攻作戦を実施(2022年11月7日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の精鋭部隊であるアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)部隊がシリア政府の支配下にあるジューリーン村のシリア軍拠点複数ヵ所に対して特攻自爆(インギマースィー)攻撃を行い、シリア軍兵士複数が死傷した(シリア人権監視団が8日に発表したところによると兵士3人死亡)。

攻撃を行ったシャーム解放機構の戦闘員3人も死亡した。

これに関して、シャーム解放機構のアブー・ズバイル・シャミー司令官は、同機構の広報機関であるアムジャード機構を通じてビデオ声明を出し、イドリブ県での前日の国内避難民(IDPs)キャンプへの虐殺による殉教者への復讐として、「アサドの民兵」の拠点複数ヵ所に対して2回の特攻攻撃を実施し、将兵30人以上を殺傷、130ミリ砲8基、122ミリ砲1基、グラード・ロケット弾発射台2基など多数の武器装備を破壊したと発表した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にある県北部を砲撃し、シリア軍の士官(中尉)1人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が県東部のサーン村一帯への潜入を試み、「決戦」作戦司令室がこれを撃退した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市で正体不明の武装集団が若い男性1人を銃で撃ち殺害した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ジャッバー村の農業開発センターの守衛が車に仕掛けられていた爆弾の爆発により重傷を負い、その後死亡した。

AFP, November 7, 2022、ANHA, November 7, 2022、al-Durar al-Shamiya, November 7, 2022、Reuters, November 7, 2022、SANA, November 7, 2022、SOHR, November 7, 2022、November 8, 2022などをもとに作成。

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