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ヨルダン軍戦闘機がシリア南部を爆撃、麻薬製造・密売人を殺害、家族も巻き添えに(2023年5月8日)

イナブ・バラディー(5月8日付)などによると、所属不明の戦闘機複数機が、ダルアー県とスワイダー県の間に位置するラジャート高原の複数ヵ所を爆撃し、子供6人を含む一家8人が死亡した。

これに関して、地元のニュース・サイトのラジャート・プレス(5月8日付)は、地元の複数筋の話として、ヨルダン軍の航空機がスワイダー県東部のシュアーブ村にある羊飼いのルワイシド・ラムサーン氏の自宅を爆撃し、同氏と妻(ヒンド・ラムサーンさん)、6人の子供(ハムザくん、アッバースくん、アスィールちゃん、ヤマーマちゃん、マリクくん、ラミースちゃん)が殺害されたと伝えた。

ヨルダンのアンマン・ネット(5月8日付)などによると、ラムサーン氏(アブー・ハムザ)で、ヨルダン国境で暮らす地元部族の長、スワイダー県の砂漠地帯で活動する地元民兵の司令官で、シリアからヨルダンへの麻薬密輸網を仕切っていた人物だという。

「イランの民兵」やシリア軍内の「規律を欠く」部隊の支援を受けるレバノンのヒズブッラーから届けられる麻薬の補完を担っていた。

ラムサーン氏は、2022年末にスワイダー24(2022年12月16日付)の取材に応じており、自身が12月8日に、ダマスカス県とスワイダー市を結ぶ街道に設置されているアーディリーヤ検問所で空軍情報部によって「容疑者と名前が似ていた」という理由で逮捕され、その後軍事情報局の10日に釈放されたことを明らかにしたうえで、「私は麻薬密輸の存在を否定しないが、メディアは私の役割を誇張し、ウサーマ・ビン・ラーディンのような存在としてとりあげている」と述べていた。

また、ラースィド(2022年12月16日付)は、釈放された時の様子を撮影したビデオを公開していた。

ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣はCNN(2023年5月4日付)のインタビューのなかで、シリアに湾岸諸国や世界への麻薬の流入を食い止める能力がなければ、シリア領内で軍事行為を行う、と述べていた。

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イスラエルのアルマ調査教育センターは、カプタゴン製造に関連する2ヵ所が標的となったと発表した。

同センターによると、そのうちの1ヵ所は、ダルアー県のムザイリーブ町南、ヤードゥーダ村近くにある排水処理施設内にあるカプタゴン製造関連施設で、この施設は軍事情報局の傘下にある民兵の司令官であるムスタファー・ムサーラマ氏(通称カスィム)が運営されていたという。

この人物は、4月24日に欧州理事会によって、麻薬製造・密輸に関与したとして制裁対象に追加されていた。

またもう1ヵ所は、ハッラーブ・シャフム村、アジャミー村、ファウワール村、ヒルバト・カイス村、ナハーグ村を拠点とし、戦闘員300人を擁する民兵のリーダーであるアフマド・マーフーシュ氏(通称アブー・サーリム)が運営するカプタゴン製造関連の設備の一部で、シリア軍第4軍団に近い人物だったという。

AFP, May 8, 2023、Allajat Press, May 8, 2023、Alma Research and Education Center, May 8, 2023、Amman net, May 8, 2023、CNN Arabic, May 5, 2023、ANHA, May 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, May 8, 2023、‘Inab Baladi, May 8, 2023、Rased, December 16, 2022、Reuters, May 8, 2023、SANA, May 8, 2023、SOHR, May 8, 2023、Suwayda 24, December 16, 2022などをもとに作成。

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