内閣、省庁の動き フサイン・アルヌース首相は、ハサン・ガッバーシュ保健大臣、スハイル・アブドゥッラティーフ公共事業住宅大臣とともに、ハマー県を訪れ、ハマー市に設置されている仮設避難所を訪れるとともに、6日の大規模地震の被災状況を視察した。 アルヌース首相らはまた、アレッポ県とラタキア県の被災状況を視察、アレッポ市ではマシャーリカ地区、アズィーズィーヤ地区、ブスターン・バーシャー地区、スライマーン・ハラビー地区、ダフラト・アウワード地区、シャッアール地区の被災地、預言者イリヤース教会(ギリシャ正教)とアスマイー学校に設置されている避難所を視察した。 ** 宗教関係省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/awkafsyrian/)などを通じて、被災者を収容するための避難所に同省がアレッポ県とラタキア県に準備したモスクが72ヵ所に達したと発表した。 72ヵ所の内訳は、52ヵ所がアレッポ県、20ヵ所がラタキア県。 ** ダーリム・タッバーア教育大臣は被災県の教育局長とオンライン会合を開き、6日の大規模地震による学校などの教育機関での被害への対応などについて意見を交わした。 会合では、アレッポ県、ラタキア県、タルトゥース県、ハマー県、イドリブ県の248の学校が全壊、半壊の被害を受ける一方、126の学校が避難所として提供されていることが報告された。 ** 国防省は声明を出し、6日の大規模地震の被災県に派遣されたシリア軍部隊が倒壊した建物の下敷きになっている被災者の救出や瓦礫の撤去作業を続けるとともに、軍事病院へ負傷者の受け入れや救急措置を並行して行っていると発表した。 ** フサイン・マフルーフ地方自治環境大臣は記者会見を開き、6日の大規模地震に対する救済計画の優先事項と、支援物資の配給の仕組みについて詳しく説明した。 マフルーフ地方自治環境大臣の骨子は以下の通り。 https://youtu.be/D0WAADTA2CI シリアはこうした規模の災害への備えができていなかった…。設備不足が、一方的な制裁措置の影響とあいまって、こうした状況への対応に悪影響を及ぼした。 最優先課題は人命救助だった。第2の優先課題として、我々が取り組んだのが、負傷者の医療ケア、そして第3の優先課題は住民を離れることを余儀なくされた人々の避難、彼らへの支援だった。 優先課題のなかには、揺れによって亀裂が生じた建物の評価と構造上の安全の検証もある。 現時点での死者数は1,262人、負傷者は2,258人に達している…。避難所はすでに180ヵ所開設された…。他県から被災県に重機157輌が投入された。 我々はシリアとの連帯を率先して表明してくれた友好国に謝意を述べる。 悪天候にもかかわらず、救援チームや医療スタッフは活動継続を躊躇しなかった。 イラク、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、ロシア、インド、アルジェリア、エジプト、リビア、パキスタン、アルメニア、ヨルダンが我々に支援を提供してくれた。イラン、オマーン、キューバ、ベネズエラ、ベラルーシなどといった国も支援の計画がある。 地震によって自宅からの退去を余儀なくされた住民は29万3829人に達している。 すべての国にとっての人道的義務とは、それを政治利用することなく、災害の被害を受けたあらゆる国に対して可能な限り支援を行うことだ。 シリアは政治利用することなく支援を行うすべての人を歓迎する。 技術チームは各被災県で活動を継続し、建物の評価が行われている。 我々の国が情報操作に晒されている状況は新しいことではない。 シリアを支援したい人は、その道が開かれていることに気づき、支援の理由を探す人も、それを見つけるだろう。 重要な施設への被害は最低限に留まった。 各県の動き スワイダー県の住民が提供した食料など救援物資を積んだ大型車輌3輌が早朝、6日の大規模地震で被害を受けたアレッポ県に向かった。 ** ダマスカス郊外県の教育局は声明を出し、県内のすべての学校、専門学校の建物の被害状況を確認し、安全を確認したと発表した。 ** ダマスカス郊外県庁舎で、6日の大規模地震の被災者の支援にかかる会合が開かれ、44億81万シリア・ポンドの義援金が集まったことが報告された。 ** ラタキア県では、6日の大規模地震によって倒壊するなどした送電線や変電施設などの復旧が行われた。 NGOなどの動き シリア開発信託はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/SyriaTrust/)などを通じて、技師組合のアレッポ県、ラタキア県、ハマー県支部と連携して、6日の大規模地震による建物の被害状況を調査するための専門委員会を設置したと発表した。 https://youtu.be/VdVb_pY1pn0 シリア開発信託はまた、被災地域の乳幼児向けのミルクを供出するよう関係各所に呼びかけた。 ** SANA(2月8日付)が伝えた。 AFP, February 8, 2023、ANHA, February 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 8, 2023、Reuters, February 8, 2023、SANA, February 8, 2023、SOHR, February 8, 2023などをもとに作成。 (C)青山弘之 All rights reserved.