シリア・ロシア軍はイドリブ県、アレッポ県西部への攻撃を続け、国内避難民(IDPs)2人を含む5人が死亡(2020年2月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がタルマーニーン村を爆撃し、住民3人が死亡、8人が負傷した。

ロシア軍戦闘機はまた、マアーッラト・ナアサーン村一帯を爆撃し、国内避難民(IDPs)の男性1人が死亡、多数が負傷した。

ロシア軍戦闘機はこのほかにも、アリーハー市、ムハムバル村、アルバイーン山一帯を爆撃した。

シリア軍戦闘機もM4高速道路一帯を爆撃、地上部隊がサルミーン市、クマイナース村、ザーウィヤ山一帯を砲撃した。

一方、トルコ軍の戦車、装甲車など約90輌からなる増援部隊がカフルルースィーン村に違法に設置されている通行所からシリア領内に入り、サルミーン市一帯に展開した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がダーラト・イッザ市を爆撃し、同市に避難しようとしていた住民1人が死亡した。

ロシア軍戦闘機はまた、アターリブ市を爆撃した。

**

なお、シリア人権監視団やアラビー21(2月18日付)などをもとに、トルコ軍がシリア領内に設置した監視所・拠点を確認すると、2月18日現在、その数は33カ所に達しており、うち12カ所がシリア軍によって包囲されている。

場所は以下の通り:

アスタナ9会議(2018年5月)での合意に基づいて設置された監視所:イドリブ県サルワ村(第1監視所)、タッル・トゥーカーン村(第5監視所)*、サルマーン村(第6監視所)*、ジスル・シュグール市(第12監視所)、アレッポ県登塔者聖シメオン教会跡(第2監視所)、シャイフ・アキール山(第3監視所)*、アナダーン山(第7監視所)*、アレッポ市(南)ラーシディーン地区(第10監視所)、アイス村(アイス丘)(第4監視所)*、ハマー県ムーリク市(第9監視所)*、シール・マガール村(第11監視所)*、ラタキア県ザイトゥーナ村(第8監視所)

その後に設置された監視所:アレッポ県アレッポ市ラーシディーン地区*、ジーナ村、カフル・カルミーン村、タワーマ村、第111中隊基地、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、イドリブ県マアッル・ハッタート村*、サラーキブ市*、タルナバ村*、ナイラブ村*、クマイナース村、サルミーン市、タフタナーズ航空基地、マアーッラト・ナアサーン村、マアッラトミスリーン市、マストゥーマ軍事キャンプ、タルマーニーン村、バルダクリー村、ナフラヤー村、ムウタリム村。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を29件(イドリブ県7件、ラタキア県11件、アレッポ県6件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を17件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県13件、ハマー県0件)確認した。

AFP, February 18, 2020、ANHA, February 18, 2020、AP, February 18, 2020、Arabi 21, February 19, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 18, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 18, 2020、Reuters, February 18, 2020、SANA, February 18, 2020、SOHR, February 18, 2020、UPI, February 18, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts