アラビー・ジャディード(3月28日付)は、ハサカ県の複数の消息筋の話として、米国務省が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とシリア革命反体制勢力国民連立の亀裂解消に向けて動いており、イラク・クルディスタン地域政府が両者の歩み寄りにおいて役割を果たしているものと思われるとと伝えた。 同消息筋によると、米国側は、3月15日の「シリア革命」12周年を祝うよう圧力をかけるなどしており、北・東シリア自治局の支配下にあるシリア北部・東部に対する経済制裁の解除・除外と、シリア民主軍とシリア革命反体制勢力国民連立が相互理解に達することを結びつけようとしているという。 これに関して、シリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のリヤード・ダッラール共同議長はアラビー・ジャディードの取材に対し、今月半ばに、シリア北部で二つの分権的な自治政府を樹立する構想をシリア革命反体制勢力国民連立に示したが、回答を得られていないと述べた。 また、シリア革命反体制勢力国民連立の幹部の1人であるヤースィル・ファルハーン氏は、アラビーに対して、シリア民主軍が、クルディスタン労働者党(PKK)の本拠地であるイラクのキンディール山地(アルビール県)にある司令部が掌握するテロ組織であるため、それと対話する選択肢はないと述べている。 AFP, March 29, 2022、ANHA, March 29, 2022、al-'Arabi al-Jadid, March 28, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 29, 2022、Reuters, March 29, 2022、SANA, March 29, 2022、SOHR, March 29, 2022などをもとに作成。 (C)青山弘之 All rights reserved.