アサド大統領はフサイン・アルヌース内閣の週例閣議に出席し、議長を務め、国民に対する公共サービスにかかる一連の問題に関して意見を述べた。 アサド大統領が公式の場に姿を現したのは、3月8日にアスマー・アフラス夫人とともに新型コロナウイルスの感染が発表されて以降では初めて。 アサド大統領の発言の骨子は以下の通り: 市民の負担を軽減するため、最近になって実施、施行された措置、立法、法律は、不可能なものなどないという考えを明らかにした。たとえ、すべての問題を解決できないとしても、これらの問題の一部を解決することはできる。ある問題を今日解決できなくても、別の問題を解決し、市民の負担を軽減できる。 為替の変動への対応がこうした措置の一例である。これにより、我々はかつてないほどの成果を実現した…。こうした状況、あるいはこの手の為替の変動に際して、この問題が手順に関わる問題だと人々が考えてしまうのであれば、それは誤りだ。問題はより大きなものだ。投機家、受益者もいれば、外国からの操作もある。 我々には、こうした変動のなかで、敵の道具となっているものが何かが明らかになった。それが明らかになり、使用されている仕組みを知ることを通じて、我々はこれとは反対の仕組みを使用した。我々が取り組んできたこの変動によって、シリアの為替の大部分が心理戦であることが証明された。ほかのどの戦争と同じなのだ。この点の変動に立ち向かうには、今起きていることについての人々を意識を向上させねばならない。為替については、軍事的な戦いにも増して、国を安定させるうえで重要だ。戦争、食糧安全保障などと同じなのだ。戦いに挑むようにして取り組みがなされねばならない。市民がこの戦争において国家機関に寄り添ってくれなければ、いかなる措置を講じようとも国家機関は破綻する。 閣僚というのは、地位を得ている者であるだけではなく、政治家でもある。我々が政治家というとき、それは人々のなかに身を置き、彼らとコミュニケーションをとる人物だということだ。なぜなら、閣僚たちが監督するさまざまなセクターは、日々の政治的問題だからだ。市民の関心にかかわるすべての問題は政治とみなされるべきものだ。だから、この問題について話すこと、そして閣僚であるということは、非常に重要で、コミュニケーションなくしてはあり得ない。また、コミュニケーションは対話なくしてはあり得ない。 複数の高官らがいくつかの段階で行ってきた沈黙の政治は、彼らの役割と矛盾している。人々とコミュニケーションが行われなければ、労働の価値は失われる。コミュニケーションは、彼、つまりは高官が行うあらゆることと並行して行われるものだ。閣僚が(人々の前に)現れることは、本当の仕事をどの程度行っているかを表している。(人々の前に)現れることなく、対話もしなければ、どんな高官であれ、相応の仕事を行うことも、そして正しい評価を得ることもできない。(人々の前に)現れることで、我々は、人々が客観的なものとそうでないものを区別できるように手助けする。国家とともに心理戦で勝利するのを手助けする。なぜなら、どのような優れた決定を下しても、市民には不充分であり、説明と対話が必要だからだ。 問題は物価高騰のなかにある。為替レートが朝に急騰したとしても、それは夕方に物価が高騰することの正当な理由とはならない。この点は、正当化することも、受け入れることもできない基本だ。こうした盗みにも似た行為には、断固として対処しなければならない。国内通商省が力をもって介入し、早急に抑止効果のある処罰を含む新法を制定すべきだ。 生産するという考えを優先しなければならない。なぜなら現在、物資が限られているからだ。物資が限られていても、有効に利用・分配すべきだ。我々国家にとって、最初の分配は、生産に向けられるべきだ。このことは、我々が県レベルでの制裁に応じて地理的に分配することを意味している。県には、より多くを支援できる大規模な生産力がある。より多くの生産を達成する地域、組織、活動に対して、より多くの支援がなされなければならない。合理的且つ賢明な物資の分配と利用は、生産の車輪を動かすうえで非常に重要だ。なぜなら、経済や生活の状況は生産の車輪が回らなければ改善し得ないからだ。生産の車輪を回すことは、これらの物資を有効に利用することにかかっている。 市民が直接手にするべき物資の分配をめぐる汚職、混乱、混乱は、すべてをオートメーションすることなくして阻止できない。サービスのオートメーション…、分配のオートメーション…。こうしたなかで、電子決済は、市民の負担を軽減する電子サービスの一つだ。それは汚職を撲滅することにもつながる。関連省庁とこうした問題のすべてに取り組むチームがあり、これらのチームを支援し、一連成果を実現し、早急にこうしたサービスを実現しなければならない。 昨年実施された(新型コロナウイルス)対策は、シリアが経験した状況を踏まえると優れたものだった。だが、我々には現在、人工呼吸装置が不足している。我々は管轄機関としてさらなる機器の入手を試みている。だが、より発展した国で、機器を増やしても…、対応できない状態になってしまっている。国家がその義務を果たしているなか、市民により多くの責任を担わせる意識を引き続き持ってもらうようにしなければならない。なぜなら、国民の意識、そして予防対策が行わなければ、こうした分野における深刻な危機を回避できないからだ。 [embed]https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4076424409068027?__cft__%5B0%5D=AZXokDgiNxmcAP5W0HL4FjTOk0n6Owoo_VL79L4fEGjw8GUj3t8JSQdIxxF_PEWi0x-v8ONz2d5aar5CJmRWGrJWyosYM_QtrIacmjSTywoEXbdZUyNgAgdtx1c96NAyUbKg-UwMBvjT334LjX4bbDMi&__tn__=%2CO%2CP-R[/embed] [embed]https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4077050402338761[/embed] [embed]https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4077050402338761[/embed] [embed]https://www.facebook.com/SyrianPresidency/posts/4077323698978098[/embed] AFP, March 30, 2021、ANHA, March 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 30, 2021、Reuters, March 30, 2021、SANA, March 30, 2021、SOHR, March 30, 2021などをもとに作成。 (C)青山弘之 All rights reserved.