レバノンのミシェル・アウン大統領は、駐ドイツ大使を務めるムスタファー・アディーブ氏を首相に指名し、組閣を命じた。 首相指名は、国民議会(定数128人、欠員8人)で議員90人がアディーブ氏を首相に推薦したのを受けたもの。 議会では、サアド・ハリーリー元首相が率いる最大会派のムスタクバル・ブロックが、自由国民潮流が主導する強いレバノン・ブロック(旧変化改革ブロック)、ヒズブッラーを軸とする抵抗への忠誠ブロック、アマル運動を軸とする開発開放ブロックなどとともに、アディーブ首相を推薦したが、入閣を辞退する意向を示した。 また、タイムール・ジュンブラート議員が率いる民主会合ブロックも組閣を辞退している。 一方、サミール・ジャアジャア氏が率いるレバノン軍団を軸とする強い共和国ブロックは、前国連大使を務めるナウワーフ・サラーム氏を首相に推薦した。 レバノンでは、8月4日のベイルート港での大規模爆発事件の責任をとるかたちで、ハッサーン・ディヤーブ首相が10日に内閣を総辞職していた。 AFP, August 31, 2020、ANHA, August 31, 2020、AP, August 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 31, 2020、Reuters, August 31, 2020、SANA, August 31, 2020、SOHR, August 31, 2020、UPI, August 31, 2020などをもとに作成。 (C)青山弘之 All rights reserved.