2015年10月21日(水)から31日(土)までのシリアをめぐる主な動きは以下の通り。
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アサド大統領が21日、ロシアを電撃訪問し、ヴラジミール・プーチン大統領とシリア情勢への対応を協議したことを機に、ロシアが主導するかたちで、米、ロシア、サウジアラビア、トルコがオーストリアの首都ウィーンで23日に外相会合を開き、「テロとの戦い」、シリア国内の政治危機の打開、そしてアサド大統領の進退をめぐって協議が行われた。
29~30日には、この4カ国に加えて、エジプト、フランス、ドイツ、イラン、イラク、イタリア、ヨルダン、レバノン、オマーン、カタール、UAE、英国、EUの外務大臣、中国の外務副大臣、そしてスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表を含めた拡大会合がウィーンで開催され、ダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダ系組織に対する「テロとの戦い」などを骨子とする「ウィーン声明」を採択した。
声明によると、参加国は、シリア国内の暴力を早急に停止させる方法について議論、実質面で意見の相違が見られたが以下9点で合意に達した:
1. シリアの統一、独立、領土保全、世俗性を基礎とする。
2. 国家機構を維持する。
3. シリア人の権利を、民族、宗教のいかんにかかわらず保護する。
4. 戦争終結に向けたあらゆる外交努力を行う。
5. シリア全土で人道的なアクセスを保証し、すべての参加国がシリア国内の避難民、自国の難民支援を増加させる。
6. ダーイシュ(イスラーム国)とそのほかのテロ組織を、国連安保理での決議および参加国の同意に基づき打倒する。
7. 2012年のジュネーブ合意と国連安保理決議第2118号に従い、参加国は、国連にシリア政府と反体制派の代表を招集させ、信頼でき、包括的で、非宗派主義的な統治を樹立し、新憲法制定と選挙実施を行うための政治プロセスを推し進める。選挙は国連の監視下で行われ、透明性、信頼性といった点で国際水準を満たす自由且つ公正なものなければならず、また難民を含むすべてのシリア人が参加する。
8. こうした政治プロセスはシリア人によって主導され、シリア国民がシリアの将来を決する。
9. 参加国は国連とともに、この政治プロセスと並行して、全国規模の停戦の方法を探求、実施する。
また声明では、参加国の間で意見が対立している点について引き続き協議を続けるため、2週間以内に外相会合を開催すること明記された。
ウィーンでの会合では、アサド大統領の進退が最大の争点であるかに見えたが、採択されたウィーン声明ではこの点については触れられておらず、各国はアサド大統領の処遇に関して「合意しないことを合意した」かたちとなった。
なお、シリア情勢をめぐる国際会議にイランが参加したのは今回が初めてだった。
(主な関連記事)
■イランのアブドゥッラフヤーン外務副大臣「イランはアサド大統領を永遠に権力の座にとどまらせようとはしていない」(2015年10月21日)
■カタールのアティーヤ外務大臣「軍事介入が、シリア国民を政権の蛮行から守ることになるのなら、我々はそれを行う」(2015年10月21日)
■トルコのダウトオール首相「アサドがモスクワに長期滞在していたらよかった。そうすれば彼の国民は平和を取り戻し、移行期を開始できるからだ」(2015年10月21日)
■フランスのオランド大統領「アサドの立場を強めるようないかなる行動をも阻止すべき」(2015年10月21日)
■ロシアのプーチン大統領が電話会談で、トルコ、サウジアラビア、エジプト、ヨルダンの首脳にアサド大統領電撃訪問の成果を報告(2015年10月21日)
■アサド大統領がモスクワを電撃訪問し、プーチン大統領と会談(2015年10月21日)
■サウジアラビアのジュバイル外務大臣の夢想「最善のシナリオは、朝目覚めたら、アサドがシリアにいないというものだ」(2015年10月22日)
■ロシアのラブロフ外務大臣「シリアの危機解決には、イラン、エジプト、カタール、UAE、ヨルダンの参加も不可欠」(2015年10月22日)
■ロシア大統領府報道官「ロシア軍の作戦はテロに対するもので、スンナ派を狙ったものではなく、アサド政権を支援するためのものでもない」(2015年10月22日)
■フランスのファビウス外務大臣は、来週中にドイツ、英国、米国、サウジアラビア、トルコ、湾岸諸国、ヨルダンの外務大臣を招いて会合し、シリア情勢への対応を協議すると発表(2015年10月23日)
■ロシアのラブロフ外務大臣がヨルダンのジャウダ外務大臣と会談し、シリアにおける軍事作戦で両軍が調整を行うことで合意(2015年10月23日)
■ウィーンでの米・ロシア・サウジアラビア・トルコの外相会談は協議継続で合意(2015年10月23日)
■エジプトのシュクリー外務大臣「一部の外国がダーイシュ(イスラーム国)を重視するあまり、それ以外のアル=カーイダ系組織を軽視している」(2015年10月24日)
■ヨルダンのムーマニー内閣報道官「ロシアと対話し調整を行うのは当然」(2015年10月24日)
■ロシアのラブロフ外務大臣「自由シリア軍を含むシリア国内の反体制派に航空支援を行う用意がある」(2015年10月24日)
■エジプトのスィースィー大統領がサウジのジュバイル外相と会談「シリアの将来を確定するにあたってシリア国民の意思を尊重すべき」(2015年10月25日)
■アサド大統領がロシア議員団と会談「シリアの繁栄を望むすべての政治勢力が参加する選挙を実施する用意がある」(2015年10月25日)
■アサド大統領がオマーンのブン・アラウィー外相と会談(2015年10月26日)
■ロシアのプーチン大統領がサウジのサルマーン国王と、ラブロフ外相がケリー米国務長官と電話会談(2015年10月26日)
■シリア大統領府声明:早期大統領選挙実施をめぐる報道に関して、テロ撲滅を優先すると強調(2015年10月27日)
■ロシアのラブロフ外相「シリア政府との和平交渉を行う反体制派の統一代表団を発足させるため、エジプトと連絡を取り合っている」(2015年10月27日)
■ロシア大統領府報道官は、ウィーンでの米・ロシア・サウジアラビア・カタールの外相会合でロシアがアサド大統領の再出馬制限などを骨子とする和平案を提案したとの報道を否定(2015年10月27日)
■29日にウィーンで再開される米・ロシア・サウジアラビア・トルコの外相会談に、アサド大統領の退陣に否定的・消極的なイラン、エジプト、イラク、レバノン外相も参加(2015年10月28日)
■アサド大統領はフランス議員使節団と会談:「フランスを含む多くの欧米諸国、中東地域諸国が依然としてテロを支援している」(2015年10月28日)
■カタールのアティーヤ外相は「我が軍がシリア領を踏みにじることはない」と述べ、シリアへの直接軍事介入の可能性を示唆した前言を撤回(2015年10月29日)
■ロシア外務省報道官「ウィーンでの会談の目的はこの国の政府を代えるかどうかを議論することではない」(2015年10月29日)
■中国の李首相とドイツのメルケル首相はシリアの紛争解決のため包括的対話が必要であることを確認(2015年10月29日)
■ロシアのボグダノフ外務大臣は、米、ロシア、サウジアラビア、トルコの4カ国外相会合で、シリア政府との和平交渉でロシアが招集できる反体制派の代表38人のリストを開示(2015年10月30日)
■ウィーンでの17カ国外相会談で、ダーイシュ(イスラーム国)などのテロ組織の打倒を目指す共同声明を発表、アサド政権の進退には言及せず(2015年10月30日)
■潘国連事務総長「たった1人の人物の進退によって政治交渉のプロセス全体が滞ることは非論理で、受け入れられない」(2015年10月31日)
■サウジアラビアのジュバイル外務大臣「ロシア、イランとアサド大統領退陣とイラン軍撤退の期日と手段で意見の一致を見なかった」(2015年10月31日)
トルコでの「穏健な反体制派」の教練プログラムを廃止した米国は、アル=カーイダ系組織と共闘する「穏健な反体制派」へのロシア軍の空爆が続くなか、これまでとは異なった軍事活動をシリア領内で行うようになった。
イラク領内での人質作戦の実施と時を同じくして、米軍はダイル・ザウル県のウマル油田地帯で特殊部隊による降下作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦、メンバーらの拘束を行った。
また、アレッポ県北部でのダーイシュ拠点への空爆を減少させ、アル=カーイダ系組織と共闘する「穏健な反体制派」への航空支援を制限する一方で、バラク・オマバ米大統領は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)が主導するシリア民主軍を支援する目的で、特殊部隊50人弱をシリア領内に派遣することを許可した。
しかし、クルディスタン労働者党(PKK)と姉妹関係にある民主統一党(PYD)が指導する西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊への接近に対し、トルコ政府は警戒感を強め、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「シリアのクルド人への支援はテロ支援」だと述べ、米国を牽制した。
(主な関連記事)
■米軍はダイル・ザウル県の油田地帯で地上作戦(降下作戦)を実施、ダーイシュ戦闘員と交戦、少なくとも1人を拘束(2015年10月21日)
■有志連合はシリア領内で8回の空爆を実施(2015年10月21日)
■ロシアのプーチン大統領はYPGにシリア軍、ロシア軍との共闘を呼びかける:米国務省はシリア軍とYPGの共闘を拒否(2015年10月22日)
■有志連合はシリア領内で1回の空爆を実施(2015年10月22日)
■有志連合がハサカ県シャッダーディー市のダーイシュ拠点を空爆(2015年10月22日)
■米国主導の有志連合はシリアでの空爆を行わず(2015年10月23日)
■米国主導の有志連合はシリアでの空爆を行わず(2015年10月24日)
■ケリー米国務長官がサウジアラビアを訪問し、「穏健な反体制派」への支援継続・強化で合意(2015年10月24日)
■米国主導の有志連合はシリアで空爆を1回実施(2015年10月26日)
■米国主導の有志連合はシリアでの空爆を行わず(2015年10月27日)
■米主導の有志連合はシリア領内での空爆を実施せず(2015年10月28日)
■トルコのエルドアン大統領「シリアのクルド人への西側の支援はテロ支援」(2015年10月28日)
■ロイター通信:米オバマ政権はシリアへの特殊部隊投入を検討か(2015年10月28日)
■レバノン・ディベート:トルコ経由で「穏健な反体制派」に米国製の第三世代型携帯式防空ミサイル・システム支給(2015年10月28日)
■米主導の有志連合はシリア領内で空爆を1回実施(2015年10月29日)
■YPGと共闘するラッカ革命家戦線がダーイシュ(イスラーム国)の中心拠点ラッカ市攻略に向け同市を「軍事地区」に指定(2015年10月29日)
■オバマ米大統領はシリア北部に米特殊部隊隊員50人弱の派遣を許可、シリア民主軍の支援が目的か(2015年10月30日)
■米主導の有志連合はシリア領内で7回の空爆を実施(2015年10月30日)
■米主導の有志連合はシリア領内で9回の空爆を実施(2015年10月31日)
ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が制圧していたラッカ県タッル・アブヤド市で、「タッル・アブヤド/ギレ・スピ名士会」が発足し、同地がアフリーン地区、ジャズィーラ地区、コバネに続く、民政局第4の自治区(タッル・アブヤド地区)へと昇格した。
しかし、タッル・アブヤド地区の設置は、トルコ政府から「脅威」とみなされ、トルコ軍はタッル・アブヤド市、ジャラーブルス市(アレッポ県)などでYPGの拠点や民主統一党の船舶などへの重火器での攻撃を繰り返した。
(主な関連記事)
■タッル・アブヤド市が西クルディスタン移行期民政局の4番目の行政地区に格上げ(2015年10月21日)
■YPGと共闘するラッカ革命家旅団(自由シリア軍)は西クルディスタン移行期民政局タッル・アブヤド地区の設置に反対(2015年10月24日)
■トルコ軍がラッカ県の対トルコ国境に位置するタッル・アブヤド市のYPG拠点を攻撃(2015年10月25日)
■トルコ軍がシリア領空を侵犯し、対トルコ国境に面するダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つジャラーブルス市に接近したPYDの船舶2隻を空爆(2015年10月25日)
■トルコ軍がシリア領内のYPG拠点への攻撃を続ける(2015年10月26日)
■トルコのエルドアン大統領はタッル・アブヤド市での西クルディスタン移行期民政局の自治を「トルコに対する脅威」と主張(2015年10月26日)
■トルコ軍がラッカ県タッル・アブヤド市西部郊外のYPG拠点複数カ所を重火器で攻撃(2015年10月27日)
■トルコのダウトオール首相はトルコ軍がシリア領内のYPG拠点を2度にわたって攻撃したことを認める(2015年10月27日)
ロシア軍の空爆とシリア軍の反転攻勢が続くなか、アル=カーイダ系組織や「穏健な反体制派」による離合集散が繰り返された。
ダマスカス郊外県では、ロシア軍の空爆に対抗するとして、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合が「激戦の兵」を結成した。
また、ハマー県北部では、「穏健な反体制派」と目されるガーブの鷹連合、戦闘救済戦線、第111連隊がナスル軍として糾合した。
さらに、ヒムス県北部では、シャーム自由人イスラーム運動、タッル・ザハブ・ムジャーヒディーン連合、アフガード・ウスマーン旅団などが「アッラーの綱につかまり離れるでない」作戦司令室を結成し、共闘態勢をとった。
しかし、その一方で、2015年3月以降の反体制武装集団の攻勢を支えてきたファトフ軍から、ジュンド・アクサー機構が脱退した。
ジュンド・アクサー機構によると、①ファトフ軍がスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表による紛争和解イニシアチブに応じようとしていたこと、②ファトフ軍がジュンド・アクサー機構にダーイシュ(イスラーム国)と交戦するように圧力をかけたこと、が脱退の理由とされるが、第2の理由をめぐってはファトフ軍とダーイシュの関係のありように疑問を投げかけることになった。
(主な関連記事)
■ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合がダマスカス郊外県で新たな武装連合「激戦の兵」を結成(2015年10月21日)
■アル=カーイダ系組織のジュンド・アクサー機構は、ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などが主導するファトフ軍からの脱退を宣言(2015年10月23日)
■ファトフ軍と共闘する「穏健な反体制派」3組織が「ナスル軍」を結成(2015年10月24日)
■シャームの民のヌスラ戦線に近いサウジアラビア人説教師はジュンド・アクサー機構のファトフ軍脱退の理由に疑義(2015年10月25日)
■ヒムス県ハウラ地方でアル=カーイダ系武装集団と「穏健な反体制派」が「アッラーの綱につかまり、離れるでない」作戦司令室を結成(2015年10月29日)
ロシア軍の空爆と連携したシリア軍の反転攻勢が続き、シリア政府による失地回復が続いた。
シリア軍は、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦の末、ダマスカス郊外県東グータ地方のハラスター市マジュバル地区、ヌーラ村、ヒムス県ティールマアッラ村南部一帯、クナイトラ県ダフラト・カッサール村、タルジャナ村郊外の第4中隊基地(タルジャナ中隊基地)一帯、アレッポ県アレッポ市南部の50カ村・農村(マルイーン村、ハミーミーヤ村、ハミーディー村、マシュラファ村、スバイヒーヤ村など)、ラタキア県ジュッブ・アフマル村およびサルマー町一帯にいたる丘陵地帯、ダルアー県ダルアー市内国立病院南部の建物群22カ所を制圧した。
またアレッポ県では、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、アレッポ市東部ジャッブール村を制圧した。
これに対して、アル=カーイダ系武装集団も交戦、ハマー県では、ファトフ軍がハムラー村一帯各所、ラハーヤ村一帯でシリア軍と交戦し、同地を奪還した。
またダーイシュもサフィール市を奇襲(失敗)したほか、アレッポ市とハマー県サラミーヤ市を結ぶシリア軍の唯一の兵站路であるハナースィル市・イスリヤー村(ハマー県)街道を遮断し、シリア軍に対抗した。
こうしたなか、シリア軍はダマスカス郊外県ドゥーマー市、アレッポ市内各所への空爆を激化させ、100人以上が死亡した。
(主な関連記事)
■シリア軍はヒムス県、ハマー県、アレッポ県などでダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2015年10月21日)
■シリア軍がダマスカス郊外県、アレッポ市南部一帯などで反体制武装集団に対して攻勢を続ける(2015年10月21日)
■シリア軍が、ダマスカス郊外県東グータ地方、ヒムス県北部、ラタキア県北部、アレッポ市南部で反体制武装集団への攻勢を続け、支配地域を拡大(2015年10月22日)
■アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線らがハマー県北東部で反抗を激化、ハムラー村、ラハーヤー村などを制圧するも、アレッポ県、イドリブ県でヌスラ戦線の幹部4人が死亡(2015年10月23日)
■ダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ市とハマー県を結ぶシリア軍の唯一の兵站路を遮断(2015年10月23日)
■シリア軍がヌスラ戦線などとの戦闘の末、クナイトラ県北部のダフラト・カッサール村、第4中隊基地(タルジャナ中隊基地)一帯を制圧(2015年10月24日)
■シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)のアレッポ県・ハマー県境で一進一退の攻防が続くなか、シリア軍はジャッブール村を制圧(2015年10月24日)
■シリア軍がイドリブ県、ハマー県、ラタキア県で反体制武装集団との戦闘を継続(2015年10月25日)
■シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)がアレッポ県東部で激戦(2015年10月25日)
■シリア軍がアレッポ市東部などでダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年10月26日)
■シリア軍はアレッポ市南部、ラタキア県東部、ダマスカス郊外県東グータ地方の村・農場を制圧、支配地域を拡大(2015年10月26日)
■ダーイシュ(イスラーム国)はアレッポ市東部に位置するサフィーラ市のシリア軍拠点を奇襲(2015年10月27日)
■イドリブ県、ハマー県で、シリア軍と反体制武装集団の戦闘続く(2015年10月27日)
■イラン・イスラーム革命防衛隊副司令官「シリア軍再編のために顧問の数を増員した」:イラク人民兵組織アブー・ファドル・アッバース旅団の戦闘員1,100人がアレッポ県に派遣(2015年10月27日)
■シリア軍はダーイシュ(イスラーム国)戦闘員500人以上が、トルコ、カタールなどの航空機で、イエメンに移送され、サウジアラビア軍の指揮のもとに各地に配置されたと発表(2015年10月27日)
■シリア軍がダマスカス郊外県マルジュ・スルターン村一帯でジハード主義武装集団に対して猛攻(2015年10月28日)
■シリア軍がアレッポ県サフィーラ市に進攻したダーイシュ(イスラーム国)を撃退(2015年10月28日)
■シリア軍がダマスカス郊外県ドゥーマー市一帯の反体制派拠点を空爆し、数十人が死傷(2015年10月29日)
■アレッポ市東部などでシリア軍とダーイシュ(イスラーム国)の攻防続く(2015年10月29日)
■スワイダー県でシリア軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、アレッポ県北部ではシャーム戦線がダーイシュと交戦(2015年10月30日)
■シリア軍がドゥーマー市(ダマスカス郊外県)、アレッポ市各所を空爆・砲撃し、70人以上が死亡、150人以上が負傷(2015年10月30日)
■シリア軍はダルアー市国立病院南部、アレッポ市南部で支配地域を拡大する一方、ダマスカス郊外県、アレッポ市、イドリブ市を激しく空爆・攻撃し、多数の住民が死傷(2015年10月31日)
ロシア軍によるシリア各地での空爆が続いた。
空爆開始から1ヶ月が経った10月30日、露西亜国防省は9月30日から10月29日までの1ヶ月間でのシリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)やシャームの民のヌスラ戦線などのテロ組織に対する空爆作戦の成果を発表した。
それによると、過去1ヶ月でのロシア軍の出撃回数は1,391回で、1,623の目標を破壊したという。
破壊した目標の内訳は、司令連絡拠点249カ所、教練キャンプ51カ所、爆弾・爆発物製造所35カ所、武器弾薬庫131カ所、壕・拠点371カ所、野営キャンプなどの基地786カ所。
(主な関連記事)
■ロシア軍はシリア国内(ダイル・ザウル県、アレッポ県、ハマー県、イドリブ県、ダマスカス郊外県、ラタキア県)83カ所を空爆(2015年10月21日)
■ロシア軍は53回の出撃でシリア国内のテロ関連施設72カ所を破壊(2015年10月22日)
■米シリア医療協会(SAMS)は、ロシア軍がシリア各地の野戦病院5カ所を空爆したと批判(2015年10月23日)
■ロシア軍が23~25日に164回、26日に59回の出撃を行い、ダーイシュ、ファトフ軍などの施設約380カ所を破壊(2015年10月26日)
■ロシア大統領府報道官「HWR声明は虚偽の情報や声明の類い」(2015年10月26日)
■フマイミーム航空基地駐留のロシア人兵士が自殺(2015年10月27日)
■シリア国民連合はロシア軍の空爆で民間人1,511人が死亡したと主張(2015年10月27日)
■ロシア軍はシリア領内で71回の空爆を実施し、テロ組織の118の施設を破壊(2015年10月28日)
■ロシア軍と思われる戦闘機がダルアー市を初めて空爆(2015年10月29日)
■国境なき医師団「過去数週間で、シリア領内の病院12カ所が空爆され、患者や医療スタッフ合わせて35人が死亡」(2015年10月29日)
■ロシア軍のシリア空爆は1ヶ月で1,391回の出撃回数に及び、1,623の目標を破壊:ロシア軍が無差別空爆を行っているとの報道は「作り話」(2015年10月30日)
ロシア軍による空爆、有志連合による干渉、トルコによる西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊への攻撃の間隙を縫うかたちで、イスラエル軍もダマスカス郊外県カラムーン地方にあるシリア軍とヒズブッラーの拠点を空爆した。
(主な関連記事)
■イスラエル軍戦闘機がダマスカス郊外県東部にあるシリア軍とヒズブッラーの拠点複数カ所を越境空爆(2015年10月30日)
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