29日にウィーンで再開される米・ロシア・サウジアラビア・トルコの外相会談に、アサド大統領の退陣に否定的・消極的なイラン、エジプト、イラク、レバノン外相も参加(2015年10月28日)

『ハヤート』(10月29日付)は、29日にオーストリアのウィーンで再開されるた米・ロシア・サウジアラビア・トルコの外相会談に、イランのモハンマド・ジャワード・ザリーフ外務大臣の出席が確定したと伝えた。

ロシア消息筋によると、イランのほかにも、エジプト、イラク、そしてレバノンの外務大臣も出席を予定しているという。

新規に参加する4カ国はいずれも、シリア政府寄りの立場をとる国。

イランは、アサド大統領の進退などシリアの紛争後のありようが、諸外国ではなくシリア国民に決せられるべきとの立場から、2012年6月のジュネーブ合意を起点とするシリア政府と反体制派の和解に向けたプロセス(いわゆる「ジュネーブ・プロセス」)に参加していなかったが、ウィーンでの外相会談に出席すれば、シリアの紛争和解に関する諸外国の会合に初めて参加することになる。

一方、レバノンは、政府としては、シリア紛争発生当初より「不関与政策」をとっているが、周知の通り、ヒズブッラ-、シリア民族社会党、バアス党レバノン地域指導部といった勢力が、シリア政府を全面支援しており、総じてシリア政府に近い立場をとっている。

また、エジプトも、アブドゥルファッターフ・スィースィー政権発足以降、シリア国内での「テロとの戦い」と紛争解決の重要性を強調し、アサド政権との対話による紛争解決と体制転換をめざしている反体制派の意見集約などに務めるようになっている。

さらに、イラクは、ダーイシュ(イスラーム国)掃討でシリア政府との連携を強めており、9月に入ると、ロシア、イラン、シリアとの戦略的な連携を強化している。

この会談に先立ち、フランス、ドイツ、英国、米国、サウジアラビア、トルコ、湾岸諸国、ヨルダンの外相がパリで会合を持ち、アサド大統領の退陣要求などについて意見を交わしているが、イラン、エジプト、イラク、レバノンの参加により、大統領の処遇をめぐる内政問題をシリア国民(移行期)に委ねるべきだとの声が高まるものと見られる。

AFP, October 28, 2015、AP, October 28, 2015、ARA News, October 28, 2015、Champress, October 28, 2015、al-Hayat, October 29, 2015、Iraqi News, October 28, 2015、Kull-na Shuraka’, October 28, 2015、al-Mada Press, October 28, 2015、Naharnet, October 28, 2015、NNA, October 28, 2015、Reuters, October 28, 2015、SANA, October 28, 2015、UPI, October 28, 2015などをもとに作成。

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