米国が間接支援するYPG主体のアラブ民主軍が「ハサカ県南部郊外解放作戦」の開始を宣言する一方、シリア軍はアレッポ県のダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市を爆撃し、住民が死傷(2015年10月31日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のアラブ民主軍の総司令部はインターネットを通じて声明を出し、「我々の軍事行動の第1歩の開始を今日宣言する」と発表し、「ハサカ県南部郊外解放作戦」の開始を宣言した。

声明によると、この軍事行動には、シリア民主軍を構成するすべての武装組織が参加、また有志連合との調整のもとに行われている、という。

ユーフラテスの火山作戦司令室のシャルファーン・ダルウィーシュ報道官は、AFP(10月31日付)に対し、作戦が30日晩に開始され、シリア民主軍を構成するすべての武装集団が参加、シャッダーディー市、フール町、マリーシャ村、マルカダ町などダーイシュの支配下にある地域での作戦が遂行されると述べた。

これに関して、ARA News(10月31日付)は、人民防衛隊とサナーディード軍が30日深夜からフール町のダーイシュ拠点複数カ所に対する攻撃を開始したと伝えた。

また、シリア人権監視団によると、フール町とタッル・ハミース市の間に位置するガズィーラ村一帯で、シリア民主軍とダーイシュが交戦した。

さらに、有志連合もシリア民主軍の作戦開始を受け、フール町近郊のダーイシュ拠点を空爆したという。

なお、『ハヤート』(10月12日付)によると「シリア民主軍」は約5万人の兵力を擁し、以下の武装組織が参加しているという:

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)および女性防衛部隊(YPJ):兵力は2万5,000人

シリア・アラブ同盟(SAC):ハサカ県のアラブ人戦闘員からなり、兵力は1,200人。有志連合から11日にパラシュートでの投下により弾薬を供与された組織。

革命家軍:アレッポ県郊外およびラッカ県のトルコ国境地帯の戦闘員からなり、兵力は2,500~3,000人)

ユーフラテスの火山作戦司令室:兵力は4,000~5,000人

サナーディード軍:ハサカ県のアラブ系部族の民兵で、兵力は700人

ジャズィーラ旅団連合:ハサカ県のアラブ系部族の民兵で、兵力は700人

シリア正教軍事評議会:ハサカ県のシリア正教徒の民兵で、兵力は1,500人

このうちSACは米軍から50トンの弾薬を供与されている。

バラク・オバマ米大統領はまた30日、シリア領内に米特殊部隊50人弱を派遣することに合意したが、特殊部隊はシリア民主軍を支援することが目的だとされている。

Kull-na Shuraka', October 31, 2015

Kull-na Shuraka’, October 31, 2015

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハナースィル市・イスリヤー村(ハマー県)街道一帯で、シリア軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また、ARA News(10月31日付)によると、シリア軍は30日深夜、ダーイシュの拠点都市の一つマンビジュ市を空爆し、民間人数十人が死傷した。

一方、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がフマイマ村、シャイフ・アフマド村、ウンム・アルキーラ村、アブー・ダンナ村、カスキース村、マスカナ村、ハフサ町でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がラスム・サブア村、ガズィーラ村、フナイフィース村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がラスム・アムーン村、ラスム・ティーナ村、ハムダーニーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(11月1日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、タカーヤー地区、シャイフ・ヤースィーン地区をシリア軍戦闘機が空爆した。

また有志連合はウマル油田一帯のダーイシュ拠点を空爆した。

AFP, October 31, 2015、AP, October 31, 2015、ARA News, October 31, 2015、Champress, October 31, 2015、al-Hayat, November 1, 2015、Iraqi News, October 31, 2015、Kull-na Shuraka’, October 31, 2015、November 1, 2015、al-Mada Press, October 31, 2015、Naharnet, October 31, 2015、NNA, October 31, 2015、Reuters, October 31, 2015、SANA, October 31, 2015、UPI, October 31, 2015などをもとに作成。

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