Categories: 諸外国の動き

トルコのユルドゥルム首相は移行期におけるアサド大統領の役割を認める一方、「クルド人が作り出そうとしているものがシリアの脅威だということをシリア政府が理解した」と述べる(2016年8月20日)

トルコのビンアリ・ユルドゥルム首相はイスタンブールでの外国人特派員との懇談で、シリア情勢に関して、未来のシリアにおいてアサド大統領の居場所はないとしつつも、同大統領の移行期への参加を「微細な問題」と述べ、受け入れる意思を示した。

ユルドゥルム首相は「一つ確かなのは、アサドはシリアの未来の一部とはなり得ないということだ。彼はシリア国民を統合する存在ではないからだ。これは議論の余地はない。一方、我々の優先事項とは、シリアでの犠牲者の発生、そしてすべての流血を阻止することだ。それ以外の論点は枝葉末節に過ぎない」としたうえで、「トルコとイランの間の唯一の意見の相違は、アサドが将来において役割を果たすかどうかということだが、これはとるに去らない細目であって、問題の本質ではない」と述べた。

また、米国の後援を受ける西クルディスタン移行期民政局のシリア国内での台頭については、「トルコはこの先6ヶ月間、シリアの紛争への対応においてより積極的な役割を果たし、戦争で疲弊したこの国が民族ごとに分断されることを阻止することになろう」と述べるとともに、ハサカ市での国防隊とアサーイシュの衝突については、「クルド人が作り出そうとしているものがシリアにとっても脅威をなすということをシリア政府が理解したことは明らかだろう」と理解を示した。

**

トルコのヌレッティン・ジャニクリ副首相は『サバフ』(8月20日付)で、シリア情勢に関して近くシリアの国民そして国家との経済関係が発展すると楽観視しており、これに関して、トルコ政府が「より現実的な政策を講じる」ことになると述べた。

『ハヤート』(8月21日付)が伝えた。

AFP, August 20, 2016、AP, August 20, 2016、ARA News, August 20, 2016、Champress, August 20, 2016、al-Hayat, August 21, 2016、Iraqi News, August 20, 2016、Kull-na Shuraka’, August 20, 2016、al-Mada Press, August 20, 2016、Naharnet, August 20, 2016、NNA, August 20, 2016、Reuters, August 20, 2016、SANA, August 20, 2016、UPI, August 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts