トランプ米大統領はシリアの安定と平和への道を支援するとして、シリアに対する制裁プログラムを終了する大統領令に署名(2025年6月30日)

ドナルド・トランプ米大統領はシリアの安定と平和への道を支援するとして、シリアに対する制裁プログラムを終了する大統領令に署名した。

ホワイト・ハウスが発表した。

これにより、シリア全体への制裁は解除されるが、アサド前大統領本人、その側近、人権侵害者、麻薬密売人、化学兵器関連の人物、ダーイシュ(イスラーム国)またはその関連組織、ならびにイランの代理勢力への制裁は引き続き維持される。

シーザー・シリア市民保護法(シーザー法)に基づく制裁について、条件を満たせば全部または一部の停止を検討するよう国務長官に指示された。

特定の物品に対する輸出管理の緩和や、一部の対外援助制限の解除が認められる。

国務長官には、シャーム解放機構を外国テロ組織として指定している現行の認定を再評価するよう指示された。

また、シャーム解放機構およびアフマド・シャルア暫定大統領(アブー・ムハンマド・ジャウラーニー)のグローバル特別指定テロリスト(SDGT)指定の見直しも命じられた。

さらに、シリアの「テロ支援国家」指定の見直しも指示された。

このほか、国連における制裁解除の可能性を模索し、シリアの安定支援を図るよう求められた。

トランプ大統領が発出した大統領令は以下の通り。

シリア制裁撤廃のための大統領令
2025年6月30日

憲法および合衆国法(特に国際緊急経済権限法(50 U.S.C. 1701以降)、国家緊急事態法(50 U.S.C. 1601以降)、2003年シリア責任・レバノン主権回復法(公法108-175)、1991年化学・生物兵器管理法(公法102-182, 第3章)、2019年シーザー法(22 U.S.C. 8791 注)、2023年違法カプタゴン取引抑制法(公法118-50, 分割P)、合衆国法典第3編301条)に基づき、以下を命ずる。

【第1条 背景】
米国は、シリアが安定・統一され、隣国と平和的に共存する国家となることを支援する。2025年5月23日、国務長官および財務長官は、一般許可第25号とシーザー法に基づく制裁免除を発出し、この目的に向けた初動を開始した。

【第2条 政策】
本大統領令は、バッシャール・アサド前体制によって引き起こされた制裁措置の要因が、過去6か月の変化、特にアフマド・シャルア新政権による積極的行動により変化したことを認識する。制裁解除、輸出規制の緩和、他の措置を通じて、ISIS(イスラーム国)や人権侵害者、化学兵器関与者等を除き、米国・シリア・周辺諸国の平和と安定を支援する。

【第3条 シリア制裁の撤廃】
2025年7月1日付で以下の大統領令を取り消し、国家非常事態を終了させる:
●13338号(2004年5月11日)
●13399号(2006年4月25日)
●13460号(2008年2月13日)
●13572号(2011年4月29日)
●13573号(2011年5月18日)
●13582号(2011年8月17日)
ただし、2025年7月1日以前に発生した行為や手続には影響を与えない。

【第4条 アサド前体制に対する責任追及】
バッシャール・アサド体制による戦争犯罪・人権侵害・麻薬取引などに関わった者に対し、国家緊急事態を継続する。
2019年10月14日付の13894号、2025年1月15日付の14142号を改正し、以下の者の資産を凍結・制限する:
●シリアの平和・安定・人権を脅かす行為に関与した者
●元アサド体制高官および関係者
●カプタゴン取引に加担した者
●アサド政権時代に米国人の失踪に関与した者
●前政権を支援した者やその家族
また、2012年4月22日付の13606号も改正する。

【第5条 シーザー法の対応】
国務長官は、シーザー法7431(a)条の基準を評価し、必要に応じて制裁の全部または一部を停止し、議会に報告する。また、状況が基準を満たさなくなった場合、再度制裁を課す。

【第6条 シリア責任法】
シリア責任法第5条(b)に基づき、国家安全保障上の利益から一部の制裁(特に商業管理リスト対象品目と一部援助制限)を免除する。

【第7条 化学・生物兵器法(CBW法)】
シリアの指導体制および政策の根本的変化を認定し、以下の制裁を免除する:
●外国援助の制限
●米国政府の信用供与の制限
●安全保障関連技術の輸出制限
●シリア政府への米国銀行の融資制限
この免除は20日後に発効。

【第8条 テロ指定の見直し】
国務長官は、以下のテロ関連指定について見直す:
●ヌスラ戦線(HTS)およびその別名の外国テロ組織指定と特別指定グローバル・テロリスト指定
●アブー・ムハンマド・ジャウラーニー(アフマド・シャルア)の個人指定
●シリアの「テロ支援国家」指定

【第9条 国連における対応】
国務長官は、シリアの安定とテロ対策、化学兵器など大量破壊兵器の責任履行支援を目的とした制裁緩和策を国連で推進する。

【第10条 実施】
国務・財務・商務長官は、本令の実施に必要な措置(規則制定・再委任など)を講じる。米政府機関はすべて、権限の範囲内で協力する。

【第11条 一般条項】
(a) 本令は法的権限を侵害しない。
(b) 適用可能な法に準じて実施され、予算に基づいて行われる。
(c) 法的強制力を持つ権利や利益を創出するものではない。
(d) 公表費用は国務省が負担する。

ドナルド・J・トランプ
ホワイトハウス
2025年6月30日

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イスラエルのサール外務大臣:「ゴラン高原は交渉の対象外である」(2025年6月30日)

『エルサレム・ポスト』によると、イスラエルのギデオン・サール外務大臣は記者会見において、イスラエルはシリアおよびレバノンとの正式な外交関係を樹立することに関心を持っていると述べた。

その一方で、サール外相はシリアとの和平協定において「ゴラン高原は交渉の対象外である」と明言した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊マアリーヤ村近郊にある旧シリア軍の軍事拠点近くで、オートバイで通行中だったスィースーン村出身の若い男性2人に向けて発砲、警鐘を負わせたうえ、占領下ゴラン高原内に連行した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、車輛3台からなるイスラエル軍部隊がサラーム市(旧バアス市)の県庁舎に接近した。

同部隊はハミーディーヤ村に新設された前哨基地に一時帰還する途中だった。

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ロイター通信:3月に沿岸部で発生したアラウィー派住民の虐殺に関与したシャルア移行期政権傘下の12の部隊を特定(2025年6月30日)

ロイター通信は、3月に沿岸部で発生したアラウィー派住民らによる殺害、暴行、略奪事件についての特別記事を配信した。

記事の概要は以下の通り。

前政権支持者による反乱が発生した直後の3日間にわたり、40ヵ所あまりでアラウィー派に対する虐殺が行われ、殺害、略奪、焼き討ちが相次ぎ、総計で約1,500人のアラウィー派が殺害され、数十人が行方不明になった。

襲撃を実行した部隊の指揮系統は、アフマド・シャルア移行期政権に関係する人物に直結していた。

ロイター通信は、虐殺に関与した少なくとも12の部隊を特定した。

うち半数は過去に人権侵害(殺人、誘拐、性的暴行など)で欧米諸国などの制裁対象となっている。

関与が確認されたのは、シャーム解放機構(2025年1月に正式に解散)に所属していた第400部隊、ウスマーン旅団、「トルコが支援する自由シリア軍」として知られてきたシリア国民軍に所属するスルタン・スライマーン・シャー旅団、ハムザ師団など。

スルタン・スライマーン・シャー旅団、ハムザ師団はこの虐殺に関与したとしてEUが最近になって制裁対象に追加している。

シャルア移行期はロイター通信の質問や調査内容の詳細な要旨に一切回答しなかった。

アラウィー派住民らの証言によれば、彼らの家屋は略奪され、落書きされ、破壊され、村人らが殺害された。

なかには、虐殺事件のなかには、心臓をえぐり取られたケースなどが報告されている。

なお、ロイター通信によれば、虐殺は現在も断続的に続いている。

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ロイター通信は、別の記事で、3日間にわたって少なくとも40地点でアラウィー派に対する報復殺害、略奪、焼き討ちが行われ、1,479人が死亡、数十人が行方不明となったとしたうえで、関与が確認された主な5つの部隊による被害を明らかにした。

シャーム解放機構系部隊
●関与した部隊:第400部隊、ウスマーン旅団、旧総合治安機構(現内務省総合治安局)
●活動:少なくとも10ヵ所で活動し、約900人を殺害
●備考:第400部隊は前政権崩壊後に沿岸部に配備されたとされ、元海軍士官学校を本拠地とし、国防省上層部の指揮下にあるという。
トルコが支援する民兵
●関与した部隊:スルタン・スライマーン・シャー旅団(アムシャート旅団)とハムザ師団
●活動:少なくとも8ヵ所で活動、約700人を殺害
スンナ派武装勢力
●関与部隊:イスラーム軍、自由人軍、イッザ軍
●活動:少なくとも4ヵ所で活動、約350人を殺害
外国人戦闘員
●関与勢力:トルキスタン・イスラーム党、ウズベク人、チェチェン人、その他アラブ人戦闘員
●活動: 少なくとも6ヵ所で活動、約500人を殺害
武装したスンナ派民間人
●活動:アルザ村(ハマー県)とバニヤース市(タルトゥース県)で合わせて約300人を殺害

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ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルがダイル・ザウル県にあるシリア民主軍の検問所を襲撃(2025年6月30日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ハリージーヤ村で、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルに属していると見られる正体不明の武装グループが通行中の製粉所経営者に向けて自動小銃を発砲し、殺害した。
また、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルがザッル村郊外にあるシリア民主軍の検問所(灌漑検問所)を自動小銃とRPG弾で襲撃、撃ち合いとなった。

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アサド前大統領とアスマー・アフラス夫人の長女のザイン氏がロシアのモスクワ大学国際関係学部の卒業式に出席(2025年6月30日)

シリア人権監視団は、バッシャール・アサド前大統領とアスマー・アフラス夫人の長女のザイン・アサド氏がロシアのモスクワ大学国際関係学部の卒業式に出席する様子を撮影した映像を公開(転載)した。

式には、アスマー夫人も参列していたという。

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ハマー県カフルヌブーダ町出身の50世帯がシリア北部各所の国内避難民(IDPs)キャンプから故郷に帰還(2025年6月30日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルヌブーダ町出身の50世帯が、シリア北部各所の国内避難民(IDPs)キャンプから、故郷に帰還した。

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アレッポ県バーブ市で、武装した2人組がモスク近くにいた若い男性を殺害(2025年6月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市で、オートバイに乗った正体不明の武装した2人組が、イッズ・ブン・アブドゥッサラーム・モスク近くにいた若い男性を銃撃し、殺害した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市で、前政権の協力者との疑いがかけられていた住民1人が何者かによって射殺された。

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首都ダマスカスの人民宮殿で、情報省と映像制作・広告企業のマハー・インターナショナル社との間で「ダマスカス門」(バウワーバ・ディマシュク)都市建設にかかる覚書の署名式が行われ、シャルア暫定大統領が臨席(2025年6月30日)

SANAによると、首都ダマスカスの人民宮殿で、情報省と映像制作・広告企業のマハー・インターナショナル社との間で、メディア、芸術、観光産業を推進するための「ダマスカス門」(バウワーバ・ディマシュク)都市建設にかかる覚書の署名式が行われ、アフマド・シャルア暫定大統領が臨席した。

ダマスカス門市は、200万平方メートルの敷地に15億ドルの資本を投じて建設され、アラブ・イスラーム建築様式を模した屋外スタジオ、最新技術を備えた屋内スタジオ、専門研修・訓練センター、運営施設および観光・娯楽複合施設が完備され、13,000人以上が雇用される予定。
https://youtu.be/BIKHs4KWJ5wvv

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国際移住機関(IOM)の代表団がシリアを訪れ、サーリフ緊急事態災害大臣、シャイバーニー暫定外務在外居住者大臣らと会談(2025年6月30日)

SANAによると、ラーイド・サーリフ緊急事態災害大臣は、国際移住機関(IOM)のムハンマド・アブド・ヤキール代表率いる代表団と会談し、難民の恒久的かつ尊厳ある帰還を確保するための努力を結集する方策について協議した。

SANAによると、
また、ムハンマド・アブドゥッラフマーン・トゥルクー教育養育大臣もアブド・ヤキール代表らからなるIOM代表団と会談し、帰還難民、とりわけ学生たちの受け入れ支援策について協議した。

SANAによると、
アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣も、アブド・ヤキール代表らからなるIOM代表団と会談し、難民、移民、開発、インフラ整備といった共通の関心分野において、協力をさらに発展させる方策について協議された。

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カタール航空がシリアへの旅客便の運航再開:エア・メディテレニアンによる初の旅客便がオーストリアおよびギリシャからダマスカス国際空港に到着(2025年6月30日)

SANAによると、カタール航空は、地域の空域利用に課されていた制限の解除を受け、シリア、レバノン、イラク、ヨルダンへの全航空便の運航を再開すると発表した。

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SANAによると、UAEのアラビア航空はシャルジャとダマスカスを結ぶ直行便を7月10日より再開すると発表した。

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SANAによると、エア・メディテレニアンによる初の旅客便が、オーストリアおよびギリシャからダマスカス国際空港に到着した。

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経済産業省は中古車の輸入禁止に関する決定について、これまでに輸入された多くの中古車が必要な品質基準を満たしておらず、インフラや国内経済に負担を与えていることが理由であると明かす(2025年6月30日)

SANAによると、経済産業省のカースィム・カーミル広報局長は6月29日に発表した中古車の輸入禁止に関する決定について、これまでに輸入された多くの中古車が必要な品質基準を満たしておらず、インフラや国内経済に負担を与えていることが理由であると明らかにした。

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人民議会選挙高等委員会はタルトゥース市の文化センターで人民議会選挙に関する説明セッションおよび協議の場を開催(2025年6月30日)

SANAによると、人民議会選挙高等委員会は、タルトゥース県タルトゥース市の文化センターで、人民議会選挙に関する説明セッションおよび協議の場を開催した。

参加者には、政治、思想、社会分野の関係者や、学識者、各種組合・連合、宗教指導者など、県内各地域を代表する多様な層が含まれていた。

参加者からは、議会の名称を「人民議会」から「国民議会」あるいは「国民代表議会」への変更する提案、エルワード島住民のための議席の配分、国内外の難民・避難民の登録方法や選挙参加方法、選挙人と候補者の兼任禁止など、多様な提案が出された。

また、海運関係、元逮捕者、犠牲者家族の議席の設置、女性代表比率の30%への引き上げ、選出された議員と地元の有識者との定期的な対話セッションの開催などが提案された。

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イスラエル軍のアドライ報道官:「イスラエル軍はシリア南部で警戒態勢と部隊展開を継続、武器貯蔵庫への急襲作戦を実施し、テロ活動に関与している疑いのある人物数名を逮捕した」(2025年6月29日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、Xを通じて以下の通り発表した。

シリア南部からの映像:夜間の急襲とテロ活動関与の疑いでの逮捕:第210師団が地域での作戦を継続中
第210師団の部隊は、イスラエル国民、とりわけゴラン高原地域の住民に対するあらゆる脅威を排除することを目的に、シリア南部で警戒態勢と部隊展開を継続している。
部隊はヘルモン山(シャイフク山)山頂から、ヨルダン・シリア・イスラエル三国国境地帯に至るまで展開している。
この地域における防衛活動の一環として、アレクサンドローニ旅団(第3旅団)の部隊は今週、いくつかの武器貯蔵庫への急襲作戦を実施し、テロ活動に関与している疑いのある人物数名を逮捕、その後、イスラエル国内での追加尋問のために移送した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊が、ルワイヒーナ村に侵入し、民間人の住居を複数捜索した。

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英国防省はイドリブ県でダーイシュの戦闘員を無人航空機で殺害したことを認める(2025年6月29日)

『ザ・サン・オン・サンデー』紙は、英空軍の無人航空機がシリア国内でバイクに乗ったダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を追跡し、殺害したと伝えた。

同紙によると、この戦闘員は6月10日に、イドリブ県サルマダー市でMQ-9リーパー無人航空機から発射されたヘルファイア・ミサイルによって殺害された。

これに関して、英国防省は『ザ・サン・オン・サンデー』紙に対して「MQ-9リーパーは、バイクに乗ったテロリストを慎重に追跡した。民間人が周囲にいないことを確認した上で、バイクを狙って攻撃を実施し、テロリストを排除した」と答えた。

なお、英空軍によるシリア国内でのダーイシュに対する攻撃は、前政権崩壊後では今回が2回目。

1回目は、2月にアレッポ県でダーイシュ戦闘員を無人航空機で殺害していた。

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トランプ大統領:「シリアがアブラハム合意に加わるかは知らないが、我々は制裁を解除した」(2025年6月29日)

ドナルド・トランプ米大統領は、フォックス・ニュースのインタビュー番組「サンデー・モーニング・ヒューチャーズ」に出演し、アブラハム合意に加わる意向を示している国があると語った。

トランプ大統領は以下の通りのべた。

本当に素晴らしい国々が合意に加わっている。我々はこれから新たに国々を積み上げていくことになると思う。なぜなら、イランが最大の障害だったからだ。
一時は、イランも他の国々とともにアブラハム合意に加わると思っていたし、実際そうしていれば、今の状況よりはるかに良かったはずだ。

トランプ大統領はシリアがイスラエルと和平合意を交わす可能性について問われると、以下のように答えた。

(シリアが)参加するかどうかは分からない。だが、我々は友好国の一部からの要請で、シリアに対する制裁を解除した。制裁は非常に厳しく効いていた。イランにも同様の制裁を科している。

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トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、アナトリア通信のインタビューに応じ、そのなかで、シリア・イスラエル間の和平は可能性について以下の通り述べた。

私は和平が必要だと信じている。アフマド・シャルア暫定大統領は就任から6ヵ月、イスラエルに対して宗教的な敵意もなく、国境の平和を望んでいると公言している。
イスラエルも同様の願いを持っているはずだ。今後は水面下で国境管理や非武装地帯の設計についての対話が始まるだろう。
シリアは最速で和平プロセスを進める実験国になる。変革が必要であり、トルコの支援のもとでシリアは敵を排除し、国家を再建することができる。

また、シリア民主軍については以下の通り述べた。

(シリア民主軍は)クルディスタン労働者党(PKK)/人民防衛隊(YPG)の系譜を汲むが、ダーイシュ(イスラーム国)との戦いにおいて米国と協力してきた。
シリア民主軍も、アラウィー派、ドゥルーズ派など他のコミュニティと同様に、新しいシリア国家に統合されなければならない。軍事的にも政治的にもだ。

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シャルア暫定大統領が政令でダマスカス大学、ラタキア大学の学長を任命(2025年6月29日)

ムラースィルーンによると、アフマド・シャルア暫定大統領が2025年政令第131号を施行し、ムスタファー・サーイム・ダフル氏がダマスカス大学の学長に任命した。

ムラースィルーンによると、シャルア暫定大統領はまた、2025年政令第132号大統領令を施行しイヤード・イスマーイール・ファフサ氏をラタキア大学の学長に任命した。

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SANAによると、
アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者担当大臣は首都ダマスカスで英国のアナ・スノー・対シリア特使と会談した。
会談では、さまざまな分野における両国の協力強化の方策と、復興段階にあるシリア国民への支援について協議が行われた。

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情報省は、シャルア暫定大統領が6月6日のダルアー県を訪問中に暗殺未遂に遭い、シリア軍およびトルコの諜報機関がそれ阻止したとする一部報道を否定(2025年6月29日)

情報省は、フェイスブックを通じて、アフマド・シャルア暫定大統領が6月6日のダルアー県を訪問中に暗殺未遂に遭い、シリア軍およびトルコの諜報機関がそれ阻止したとする一部報道には一切の事実がないと発表した。

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これに関して、 CNBCアラビア語放送は、イスラエル紙『イスラエル・ハヨム』がX(旧Twitter)を通じて「トルコの諜報機関とシリア軍が、ダルアー県で計画されていたシャルア暫定大統領に対する暗殺未遂を阻止したと伝えていた。

また、トルコのTRTワールドも、レバノンのヒズブッラーとつながりがあるというダーイシュ(イスラーム国)幹部の1人が、シャルア暫定大統領のダルアー県訪問中に暗殺を試みたと伝えていた。

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ダイル・ザウル県のシリア民主軍検問所付近で襲撃事件が発生、通りかかった若者がシリア民主軍の発砲を受け負傷(2025年6月29日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、タヤーナ村とズィーバーン町を結ぶ街道に設置されているシリア民主軍検問所付近で襲撃事件が発生、通りかかった若者がシリア民主軍の発砲を受け、重傷を負った。

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シリア民主軍がダーイシュのセルに対する掃討作戦のため、数百台の四輪駆動車や各種兵器や装備を搭載した軍用トラックからなる大規模部隊をラッカ県からヒムス県の砂漠地帯に派遣(2025年6月29日)

シリア人権監視団によると、シリア民主軍が、数百台の四輪駆動車や各種兵器や装備を搭載した軍用トラックからなる大規模部隊をラッカ県からヒムス県の砂漠地帯に派遣した。

部隊派遣はダーイシュ(イスラーム国)のセルに対する掃討が目的で、この作戦には米主導の有志連合が航空支援を行うという。

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人民議会選挙高等委員会はラタキア市で、社会、経済、学術、宗教界の関係者らと会合を行う(2025年6月29日)

SANAによると、人民議会選挙高等委員会は、ラタキア県ラタキア市で、社会、経済、学術、宗教界の関係者らと会合を行い、暫定的な選挙制度について協議するとともに、選挙プロセスの発展に向けた意見や提案を聴取した。

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ハマー国立病院の職員らが、医師や医療スタッフに対する暴力行為が相次いでいるとして、医療従事者への安全確保を求める抗議集会を行う(2025年6月29日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で武装した男性が、前政権のバアス大隊の元幹部であるサーリム・ムトラース氏の自宅に向けて激しい銃撃を行った。

一方、SANAによると、ダイル・ザウル市西にあるルーワード・ヴィラ住宅計画地区で集団墓地が発見され、民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)が遺体の収容を行った。

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ダルアー県では、SANAによると、県の麻薬撲滅局は県東部にある複数の麻薬保管庫を急襲、カプタゴン系の精神薬170万錠を押収した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー国立病院の職員らが、医師や医療スタッフに対する暴力行為が相次いでいるとして、医療従事者への安全確保を求める抗議集会を行った。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市の南ラムル地区で、若い男性が2人組に刺殺される事件が発生した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市とダイル・ハーフィル市を結ぶ街道沿線のクワイリス交差点に設置されているシリア国民軍所属のスルターン・スライマーン・シャー旅団(アムシャート旅団)と治安機関の合同検問所の要員らが、アフラス村出身の24歳の民間人男性を逮捕した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市とジャルマーナー市を結ぶ街道沿線で、覆面姿の武装グループが若い女性3人と男性2人を襲撃、強盗と脅迫を行った。

武装グループは内務省総合治安局の制服を着用していた。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、内務省総合治安局が前政権の治安機関に所属していた元高官を逮捕した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ナズハ地区で、内務省総合治安局のパトロール部隊が商店にいた4人の若い男性を突然拘束した

 

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イスラエルのサアール外務大臣はシリアとの関係正常化について、シャルア移行期政権がゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認することが合意の前提条件となると述べる(2025年6月28日)

イスラエルのギデオン・サアール外務大臣は、i24NEWSに出演し、シリアとの関係正常化について、アフマド・シャルア移行期政権がゴラン高原に対するイスラエルの主権を承認することが合意の前提条件となると述べた。


サアール外務大臣は以下の通り述べた。

もしイスラエルが、ゴラン高原の主権を維持したまま、シリアとの平和協定または正常化に至る機会が得られるならば、それはイスラエルの将来にとって好ましいことだ。

なお、i24NEWSはまた、事情に詳しいシリア筋の話として、イスラエルとシリアが2025年末までに平和条約に署名する予定だとしたうえで、この合意に基づき、イスラエルは2024年12月8日以降に侵攻し、占領を続けているヘルモン山(シャイフ山)山頂の前哨基地など兵力引き離し地域(AOS)以東の全地域から段階的に撤退すると伝えた。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、イスラエル軍地上部隊が早朝、サイダー村とアブー・マズラア村周辺に侵入した。

また、別のイスラエル軍パトロール部隊がクードナ村方面にも侵入した。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍のパトロール部隊がその後、戦車2輌とともにルワイヒーナ村に侵入した侵入した。

イフバーリーヤ・チャンネルも、イスラエル軍部隊クードナ村に侵入したと伝えた。

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米下院議員2人がシリアへの制裁プログラムの撤廃を目指す超党派法案「シリア制裁緩和法案」を共同提出(2025年6月28日)

イルハン・オマル下院議員(民主党、ミネソタ州選出)の公式サイトなどによると、同議員とアンナ・パウリナ・ルナ下院議員(共和党、フロリダ州選出)は、シリアへの制裁プログラムの撤廃を目指す超党派法案「シリア制裁緩和法案」を共同で提出した。

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国連のシリアに関する独立国際調査委員会のピネイロ委員長は、沿岸部でのアラウィー派住民らを狙った殺戮や略奪、ダマスカス県ドゥワイラア地区のマール・イリヤース教会に対する自爆テロ事件に懸念を表明(2025年6月28日)

UNニュースによると、国連のシリアに関する独立国際調査委員会のパウロ・ピネイロ委員長は、スイスのジュネーブで開催された国連人権理事会の報告において、前政権の軍や治安部隊が解体されたことで生じた治安の空白と、司法制度の枠組みの不明確さが、3月の沿岸部でのアラウィー派住民らを狙った殺戮や略奪など、前政権関係者への報復の機運を煽る一因となったと指摘した。

また、アラウィー派に対する憎悪の扇動や誤情報がSNSや国外からの投稿を通じて広まり、宗派間の緊張が深まっていると述べた。

こうした事態を受けてアフマド・シャルア移行期政権が前政権時代の人権侵害に対処するために講じた一連の措置に歓迎の意を示しつつも、ダマスカス県ドゥワイラア地区のマール・イリヤース教会に対する自爆テロ事件にも言及し、礼拝所や少数派コミュニティの保護は国家の責務であり、実行者・幇助者の責任追及が必要であると述べた。

さらに、「シリアにおける外国勢力の介入が国内の複雑な課題を一層悪化させているとして、イスラエルによる国際人権法、国際人道法の侵害への懸念を表明した。

一方、報告によれば、2024年12月以降、約200万人のシリア人が帰国、このうち60万人近くは近隣国から、約150万人は国内避難民(IDPs)だった。

しかし、700万人以上の避難民が今も帰還できていないとい。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・イスラーム評議会は設立目的を達成したとして解散を宣言(2025年6月28日)

シリア・イスラーム評議会(2014年設立)はHPで、その設立目的を達成したとして、評議会およびシリア・ファトワー評議会およびシリア朗誦者評議会などすべてのその傘下組織を解散すると宣言した。

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ハサカ県カフターニーヤ市でダマスカス県ドゥワイラア地区のマール・イリヤース教会に対する自爆テロを非難するデモ(2025年6月28日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カフターニーヤ市でダマスカス県ドゥワイラア地区のマール・イリヤース教会に対する自爆テロを非難するデモが行われた。