ウソの情報を聞きつけてダマスカス県の中央郵便局に集まった女性が抗議デモ(2011年2月28日)

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(2月28日付)によると、女性たち数百人が非就業者であることを証明する文書を取得するため、中央郵便局(郵便公社ビル)に殺到し、数時間にわたって抗議デモが発生した。

「社会問題労働省が就労していない母親に約5,000シリア・ポンド(約46米ドル)の補償金が贈答品を支給する」、「補償金を受給するには、非就労者であることを証明する文書の発行を受けなければならない」、「証明書はダマスカス中心部ヒジャーズ地区にある郵便公社ビル前で発効される」というウソの情報が拡散されたのが理由。

情報がウソだと知った女性たちは、数時間にわたって抗議行動を行ったが、サイード・ムハンマド・サンムール内務大臣自らが現場を訪れ、説得し、女性たちを帰宅させた。

なお、『ハヤート』(3月2日付)はこの事件が3月1日に発生したと報道している。

Kull-na Shurakā’ March 1, 2011
Kull-na Shurakā’ March 1, 2011
Kull-na Shurakā’ March 1, 2011
Kull-na Shurakā’ March 1, 2011

Akhbar al-Sharq, February 28, 2011、al-Hayat, March 2, 2011、Kull-na Shurakā’, March 1, 2011などをもとに作成。

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「ダマスカス宣言」がシリアで抗議デモを指導する準備開始(2011年2月27日)

アフバール・シャルク(2月27日付)は、「ダマスカス宣言」がアラブ諸国での民衆デモを受け、「国民変革調整委員会」を設置し、シリアでも同様の運動の指導を準備を始めたと伝えた。

Akhbar al-Sharq, February 27, 2011をもとに作成。

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フェイスブックの「シリア革命2011」がアサド政権打倒を求めるデモ「インティファーダ3月15日」を呼びかける(2011年2月26日)

アフバール・シャルク(2月26日付)などによると、フェイスブックの「シリア革命2011」で「インティファーダ3月15日」と題して、3月15日にバッシャール・アサド政権打倒を求めるデモの実施が呼びかけられた。

Facebook
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有識者数十人が共同声明を出し、在ダマスカス・リビア大使館で2月22日と23日に行われた抗議行動(そして1月30日の在ダマスカス・エジプト大使館前での抗議行動)で、治安当局士官が参加者に「焼き殺す」と脅迫したことを暴露、これを非難した。

声明に署名したのは、ファーイズ・サーラ氏、ヤースィーン・ハーッジ・サーリフ氏、スハイル・アタースィー氏ら。

Akhbar al-Sharq, February 26, 2011をもとに作成。

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在ダマスカス・リビア大使館前での抗議デモが続く一方、ダマスカス旧市街で抗議のプラカードを掲げた男性が逮捕される(2011年2月23日)

在ダマスカス・リビア大使館前で、前日に引き続き、リビアでの国民に対する暴力行使に抗議し、ムアンマル・カッザーフィー大佐の退任を求める座り込みが行われた。

抗議行動には約200人が参加したが、私服を着た治安要員によって強制排除され、その際14人が身柄を拘束された。

アフバール・シャルク(2月23日付)、クッルナー・シュラカー(2月23日付)が伝えた。

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日刊紙『ワタン』(2月23日付)は、前日の在ダマスカス・リビア大使館前でのデモについて報じた。

シリアでのデモが国内メディアで報じられたのは2011年1月以来、これが初めて。

al-Watan, February 23, 2011
al-Watan, February 23, 2011

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ダマスカス県旧市街のハリーカ広場で、「もう耐えられない…。バッシャールよ、私たちを悪党から救ってください」と書かれたプラカードを掲げた男性が逮捕された。

『クドス・アラビー』(3月1日付)によると、逮捕されたのは、ハミーディーヤ市場で働くフサームッディーン・マンスール氏(47歳)。

政党・政治組織には所属していない。

マンスール氏はその後、26日に釈放された。

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アブドゥルカリーム・サイイド議員が人民議会で非常事態解除を審議するための委員会設置を求めたが、全議員がこれを拒否した。

Akhbar al-Sharq, February 23, 2011, February 28, 2011、Kul-nā Shurakā’, February 23, 2011, February 26, 2011、al-Quds al-‘Arabī, March 1, 2011、al-Waṭan, February 23, 2011などをもとに作成。

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在ダマスカス・リビア大使館前でカッザーフィー大佐の退任を求めるデモが行われる一方、有識者130人がリビアとの連帯を訴える声明を発表(2011年2月22日)

クッルナー・シュラカー(2月22日付)は、オリエント・テレビの番組「バラド・バーリク」に出演し、フェイスブック上のページ「シリア怒りの日」についてコメントしたアレッポ県出身のガッサーン・ヤースィーン氏が逮捕されたと伝えた。

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Kul-nā Shuraka', February 22, 2011
Kul-nā Shuraka’, February 22, 2011

在ダマスカス・リビア大使館前で、リビアでの国民に対する暴力行使に抗議し、ムアンマル・カッザーフィー大佐の退任を求める座り込みが行われた。

抗議行動には約150人が参加した。

多くはフェイスブックの呼びかけに応えて集まったという。

デモは、治安機関が介入し、強制排除された。

クッルナー・シュラカー(2月22日付)が伝えた。

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有識者約130人が連名で声明を出し、リビアでの専制と腐敗に異議を表明した。

声明は「専制に次ぐ専制のなか、この我々人民が長らく闘ってきた歴史的に重要な日々において次々と倒れていくだろう」と表明、リビアの国民との連帯を訴えた。

署名したのは俳優のドゥライド・ラッハーム氏、ムハンマド・ムリッス氏、ムハンマド・ジャマール・バールード氏、ハイダル・ハイダル氏、作家のナビール・スライマーン氏ら。

Akhbar al-Sharq, February 23, 2011、Kul-nā Shurakā’ Sūrīya, February 22, 2011, February 23, 2011などをもとに作成。

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アサド大統領は新情報法案に署名(2011年2月20日)

アサド大統領は新情報法案に署名した。

同法案は、人民議会での承認を経て施行される。

新情報法は41条からなり、これらの条文の約半分はインターネット・サイトの管理者、編集者、運営者などへの罰則規定、そしてウェブサイトの閉鎖、罰金などといった罰則内容に割かれている。

インターネットに関する条文は34条あるが、うち17条が罰則規定・内容に関するもの。

アフバール・シャルク(2月20日付)が伝えた。

Akhbar al-Sharq, February 20, 2011, February 25, 2011、AKI, February 25, 2011などをもとに作成。

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ダマスカス旧市街で警官による市民の暴行に抗議して数百人が暴徒化(2011年2月17日)

ダマスカス県旧市街のハリーカ地区で、警官による市民への暴行に抗議して、数百人が暴徒化した。

事態を受けて、サイード・ムハンマド・サンムール内務大臣が直接現地に現れ、収拾にあたった。

暴動に参加した市民のなかにはアサド大統領を支持するシュプレヒコールを連呼する者と、これを批判する者の双方が入り乱れた。

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『ワタン』はその後(2月20日付)、ハリーカ地区で青年に暴行を加えた警官3人が「規律室」(拘置所)に収監され、近く処罰を受けると伝えた。

ただし、同紙は、先に暴力を振るったのは青年だったと付言した。

同市はまた、デモでアサド政権を非難するシュプレヒコールを連呼した青年ムハンマド・フィラース・サイルーン氏を事件直後に逮捕したと伝えた。

Kull-na Shuraka', February 20, 2011
Kull-na Shuraka’, February 20, 2011

Akhbar al-Sharq, Feburary 17, 2011, February 20, 2011、Kull-na Shurakā’ Sūrīya, February 20, 2011、al-Hayat, February 19, 2011、al-Waṭan, February 20, 2011などをもとに作成。

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アサド大統領は預言者聖誕祭に記念したウマイヤ・モスクでの礼拝後、国民の陳情に耳を傾ける(2011年2月15日)

アサド大統領は、預言者聖誕祭に記念して、ダマスカス県旧市街の中心に位置するウマイヤ・モスクで礼拝を行った。

また、礼拝後、モスク前で車を停車させ、国民の陳情に耳を傾けた。

アサド大統領が国民の前に姿を現すのは2月に入って2度目。

反体制派系メディアは、国内の安定を鼓舞するパフォーマンスとの見方を示した。

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アサド大統領は2011年政令第70号を施行し、粉ミルク、コーヒー豆、茶、米、バナナに対する関税率の引き下げを決定した。

Kull-na Shurakā’, February 15, 2011、al-Hayat, February 17, 2011、Sada Sūrīya, February 16, 2011をもとに作成。

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国家最高治安裁判所はブログでパレスチナ問題の解決を求めていた女子高生に禁固5年の有罪判決(2011年2月14日)

国家最高治安裁判所は、タッル・マルーヒーさん(1991年、ヒムス県生まれ、高校生)に禁固5年の刑を宣告した。

マルーヒーさんは、パレスチナ問題の解決を求めるコメントをブログに掲載していたが、米国のスパイとの容疑を受け、2009年12月27日に総合情報部内務治安課によって逮捕されていた。また、逮捕の2日後に、自宅のPCが押収されてた。

アフバール・シャルク(2月16日付)は、マルーヒーさんへの有罪判決は、チュニジア、エジプトと同様の民衆デモがシリアで発生することを抑止するための「見せしめ」との見方を示している。

Akhbar al-Sharq, February 16, 2011などをもとに作成。

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シリア・ムスリム同胞団のシャファカ最高監督者は反体制活動凍結放棄を示唆(2011年2月13日)

シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャファカ最高監督者は、アサド政権が非妥協的な姿勢をとり続けるなか、ガザ紛争以来の反体制活動を凍結している同胞団の戦略が何らの正当性も持たなくなっていると述べた。

シャファカ最高監督者は、アサド政権が国内での活動を認めれば、反体制活動を止め、同胞団の名称を変更してもよいとすら述べていた。

だが、チュニジアやエジプトでの政変を受けるかたちで、同胞団の戦略の変更を示唆したかたちとなった。

これに対して、反体制運動凍結に消極的な態度をとり、「戦略変更にはシューラー会議の承認は必要ない」、「シャファカ最高監督者には同胞団の名称を変更する資格はない」と述べていたアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー前最高監督者は、シリア・ムスリム同胞団が反体制活動凍結放棄に向かっていることに歓迎の意を示した。

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反体制政治同盟の「ダマスカス宣言」は、自らのウェブサイト、ニダーでエジプトとのムハンマド・フスニー・ムバーラク大統領の退任を「民主的変革実現に向けた継続的方法を学ぶ偉大なる学校」と高く評価し、支持を表明した。

Akhbar al-Sharq, February 13, 2011などをもとに作成。

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国営3紙は社説でムバーラク大統領の退任を歓迎(2011年2月12日)

シリアの国営日刊紙『サウラ』、『バアス』、『ティシュリーン』の各紙(2月12日付)は、エジプトとのムハンマド・フスニー・ムバーラク大統領の退任を歓迎する社説を掲載、「キャンプ・デーヴィッド体制」、ガザ封鎖に対するムバーラク政権の姿勢に対する国民の不満の結果と評した。

Kull-na Shurakā’, February 12, 2011をもとに作成。

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シリア・アラブ・テレビはムバーラク大統領退任を「キャンプデーヴィッド合意の終焉」と評価(2011年2月11日)

シリア・アラブ・テレビ(2月11日付)は、エジプトでのムハンマド・フスニー・ムバーラク大統領の退任に関して、「正統性を失っている諸合意[キャンプデーヴィッド合意]の終焉」をもたらし、「エジプトをアラブの隊列に復帰」させる動きと評価した。

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アフバール・シャルク(2月11日付)やクルナー・シュラカー(2月12日付)は、シリア国内で、ムバーラク大統領退任に歓喜の声があがっていると伝えた。

Akhbar al-Sharq, February 11, 2011、Kull-na Shurakā’ Suriya, February 12, 2011などをもとに作成。

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イスラーム民主無所属潮流のナッジャール氏がアドラー刑務所に収監(2011年2月9日)

シリア人権委員会は、2月4日に逮捕されたイスラーム民主無所属潮流のガッサーン・ナッジャール氏が、5日にダマスカス第一刑事裁判所で検事の聴取を受け、アドラー刑務所(ダマスカス中央刑務所)に収監されたことを明らかにした。

ナッジャール氏は75歳で、アレッポ市在住。アレッポ市の自宅で逮捕された。

1980年から1992年にハーフィズ・アサド前政権による組合の弾圧によって、逮捕・投獄し、終身刑を宣告されていたが、その後恩赦により釈放された。

2007年にも「ダマスカス宣言」の活動をめぐって短期間逮捕されていた。

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亡命西クルディスタン政府代表のムラード・ムッラー氏は、2月11日に「怒りの日」を再び行うことを呼びかけた。

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エリック・ロス米国務次官補は、シリア当局によるフェイスブック、ユーチューブへのブロック解除に関する報道を歓迎しつつ、表現の自由が満たされない状況下で、利用者が危険にさらされる可能性がある懸念を表明した。

Akhbar al-Sharq, February 9, 2011、al-Ḥayāt, February 9, 2011、al-Raʼy, February 9, 2011などをもとに作成。

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フェイスブック閲覧解禁をめぐって情報錯綜(2011年2月8日)

『ワタン』系のワタン・オンライン(2月8日付)は、シリア当局が2007年以来ブロックしていたフェイスブックの閲覧を解禁したと報じた。

しかし、シリア情報協会は、解除指示が出ていないと発表し、報道内容を否定した。

利用者によると、同サイトは依然としてプロキシ経由でしか閲覧できない、という。

ワタン・オンラインによると、ブロック解除は、国民の要望に応えるためだという。

なお、アフバール・シャルク(2月8日付)など複数のサイトによると、シリアでSNS参加者の人数の公式統計はないが、20万人が利用していると推計される。

シリア情報協会によると、シリアでブロックされているサイト数は256に及び、そのほとんどが政治・情報関連だが、ユーチューブ、フェイスブック、ウィキペディア、アマゾン、ツイッターなどが含まれている。

しかし、これらのサイトは問題なく閲覧できるとの指摘もあり、シリア人はプロキシを利用してブロックされたサイトを閲覧しているという。

一方、DP-News(2月9日付)によると、Blogger, Maktoobblogに対するブロックも解除されたという。

Akhbar al-Sharq, Febraury 8, 2011、alwatanonline.com February 8, 2011、DP-News,
February 8, 2011, February 9, 2011、Kull-na Shurakā’, February 8, 2011, February 9, 2011などをもとに作成。

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衛星テレビ局ジャズィーラのベンジッドゥー氏はシリアでの「怒りの日」は結実しないと述べる(2011年2月7日)

衛星テレビ局ジャズィーラのガッサーン・ベンジッドゥー氏は、シリアでの「怒りの日」は結実しないとしつつ、政府に自由と公正を求めた。

クッルナー・シュラカー(2月7日付)が伝えた。

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社会支援国民基金による補助金支給が始また。

AFP(2月7日付)が伝えた。

al-Hayat, February 8, 2011、Kull-na Shurakā’, February 7, 2011をもとに筆者作成。

 

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「シリア怒りの日」の呼びかけにもかかわらず、国内では反体制デモは発生せず(2011年2月5日)

前日(2月4日)に引き続き、「シリア怒りの日」の呼びかけにもかかわらず、国内では反体制デモは発生しなかった。

クッルナー・シュラカー(2月7日付)が複数の目撃者の話として伝えたところによると、デモ会場に指定された場所には、私服の治安要員が多数配備され、ダマスカス県の人民議会議事堂地区では、ハーフィズ・マフルーフ大佐、ムハンマド・ナースィーフ副大統領補らといった治安機関の幹部がラウダのカフェで警備体制を視察、陣頭指揮にあたったという。

また、『スィヤーサ』(2月5日付)によると、「シリア怒りの日」に備えて、ヒズブッラーの戦闘員約5,000人がダマスカス県など国内の複数カ所に配備され、治安維持にあたった。

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シリアの有識者87人が声明を発表し、エジプトとチュニジアでの「革命」への支持を表明した。

同声明に署名した著名人は、ドゥライド・ラッハーム(俳優)、ナビール・スライマーン(作家)、ハイダル・ハイダル(作家)、サーイル・ディーブ、ワフィーク・ハンサ(詩人)ら。

クッルナー・シュラカー(2月5日付)が伝えた。

Akhbar al-Sharq, February 5, 2011、Kull-na Shurakāʼ Sūrīya, February 5, 2011,February 7, 2011、al-Siyāsa, February 5, 2011.

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フェイスブックの「シリア怒りの日」の呼びかけに応じ、オーストラリア・キャンベルのシリア大使館前でたった1人が抗議行動(2011年2月4日)

フェイスブックの「シリア怒りの日」の呼びかけに応じるかたちで、オーストラリア・キャンベルのシリア大使館前でたった1人が抗議行動を行う。

クッルナー・シュラカー(2月4日付)が伝えた。

Kull-na Shurakā’, February 4, 2011
Kull-na Shurakā’, February 4, 2011

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AKI(2月4日付)によると、イスラーム無所属潮流のガッサーン・ナッジャール氏が逮捕された。

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クッルナー・シュラカー(2月4日付)は、軍・治安機関のいわゆる「古参」(ハーフィズ・アサド前政権時代の軍・治安機関高官)が人民宮殿付顧問として復職したと伝えた。

復職したのはイブラーヒーム・フワイジャ元空軍司令官、アリー・アスラーン元国防長官、アリー・ドゥーバー元軍事情報局長、ムハンマド・フーリー元空軍情報部長。

軍事情報局長のアリー・マムルーク少将を牽制するという目的があるとされる一方、フェイスブックでのデモの呼びかけに対抗するための治安関係者の隊列の結束強化を図った動きとも理解することもできるという。

AKI, February 4, 2011、Kull-na Shurakā’, February 4, 2011、TTU, February 4, 2011などをもとに作成。

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2011年2月3日のシリア情勢

2月4、5日に予定されている反体制デモ「シリア怒りの日」に対抗するべく、携帯電話のSMSにバッシャール・アサド大統領を支持するメッセージが配信される。

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『クドス・アラビー』2月2日付、Kull-na Shurakā’, February 3, 2011によると、「シリア怒りの日」に反対するページがフェイスブックに立ち上げられる。これにより、フェイスブック上で、アサド政権を支持するブロガーと反体制ブロガーの「ネット戦争」が激化。

シリア国内でのフェイスブックへのアクセスが規制を受けるなか、在外居住者によると思われる様々なページが登場している。これらのページは、首都ダマスカスでシリアの現体制に反対する抗議行動を呼びかけている。代表的なページとしては「シリア怒りの日」、「シリア革命」がある。

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これに対して、この呼びかけを拒否し、アサド大統領への愛を誇示し、彼を「レジスタント、勇敢」と称賛するページも数多く作られている。こうしたページのなかでもっとも代表的なのが、「2月5日[にデモ実施を呼びかける]立場に反対」、「シリア怒りの日に反対」、「シリアをアッラーが護らんことを」などであり、いずれもシリアの地図にアサド大統領の顔をあしらい、「我々は彼を愛している」という言葉が書かれた写真を掲げている。

「シリア怒りの日」のなかで作成者は次のように書いている。「我々の決行日は2月4日の金曜礼拝の後である…。我々の決行日は変革とともにある…。我々とともに平和的デモに参加しよう…。シリアのすべての都市で…。我々の要求が実現されるまで」。

反体制ブロガーたちはまた、彼らが「自由シリア人」と呼ぶ在外居住者に対して、同じ日時に居住地のシリア大使館前でデモを行うよう呼びかけている。この呼びかけはとりわけヨルダン、イエメン、トルコ、カタール、イラク、レバノン、ロンドン、米国、イタリア、デンマーク、スウェーデン、フランス、ドイツ、カナダ、ノルウェー、オランダに対して向けられている。

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一方、「あなたのプロフィール写真をレジスタンスする指導者バッシャール・アサドの写真へ替えよ」と題したページは次のようなメッセージを載せている。「シリアの旗と指導者バッシャールの写真を各人の窓やバルコニーに掲げよう。その日は、国中をシリアの旗とレジスタントであるバッシャール・アサドの写真で飾ろう。自らの手で、その日を誇りの日としよう。シオニズムの汚れを知らず、世界の諸国民のなかで尊厳を護り、勇気と能力をもって諸権利と公正なアラブの大儀を常に支持し、不正に喘ぐ人に対して門戸を開け放ち、その権利回復を支援してきた白い手で。これこそ、我々自身があなたに対して誇るゆえんなのである」。

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治安当局は、ジャズィーラ、アラビーヤなどアラブ諸国の主要なメディアに対して、シリアでのデモや暴動に関して報道しないよう警告。

シリア近代民主主義党、自由シリアなどの反体制組織のウェブサイトがサイバー攻撃を受ける。なおシリア・ムスリム同胞団のウェブサイトも201年1月にサイバー攻撃を受けていた。

Akhbar al-Sharq, February 3, 2011, Kull-na Shurakā’, February 3, 2011, February 4, 2011、al-Quds al-ʻArabī, February 2, 2011などをもとに作成。

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2011年2月2日のシリア情勢

ダマスカス県バーブ・トゥーマー地区でスハイル・アタースィー女史ら約15人がロウソク・デモを断行、エジプトの民衆デモとの連帯と犠牲者追悼を訴える。しかし私服の治安要員約20人が暴行を加えて強制排除。

Kull-na Shurakā’, February 4, 2011
Kull-na Shurakā’, February 4, 2011

リーバール・アサド氏(リフアト・アサド前副大統領の息子)は、非常事態解除、政治犯釈放、政党活動の解禁などを主唱、平和的な改革がもっとも理想的との見方を示す。

Akhbar al-Sharq, February 2, 2011、Elaph.com, February 2, 2011、Human Rights Watch, “Syria Gang Attacks Peaceful Demonstrators; Police Look On,” February 3, 2011、Kull-na Shurakā’, February 4, 2011などをもとに作成。

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2011年2月1日のシリア情勢

反体制活動家のアーリフ・ダリーラ氏はQuds Pressに対して、「チュニジアでの経験はアラブ諸国民の前に道を開いた」、「確かにフェイスブックはシリアで規制されている。おそらくすべてのアラブ諸国でそのようなことは行われていると思う。メディアに対する厳しい検閲が行われている…。しかし人々はこうした規制に囚われず、自らの見解を可能な限り表明するだろう。重要なのは、閉じ込められた閉塞感、鬱屈感、専制から解放され、自由を実現し、公の問題に関わりたいという真の願いのなかに秘められているものである」と述べる。

Elaph.com, February 1, 2011によると、バッシャール・アサド大統領は、1月半ばの会合に引き続き、政治治安部長、軍事情報局長、総合情報部長、内務大臣らを召集し、アラブ諸国でのデモへの波及の可能性について協議。具体的には、「シリア怒りの日」への対応が協議されるとともに、今後の対応策として、ハサカ県などのクルド人の監視強化、ダマスカス郊外県のイスラーム主義者への監視強化が議論された。またイラク国境に展開中のシリア国軍を再展開し、ダマスカス県の警護にあたらせる可能性についても検討された

Akhbar al-Sharq, February 1, 2011、Elaph,com, February 1, 2011、Kull-na Shurakā’
Sūrīya, Feburary 1, 2011などをもとに作成。

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