オバマ米大統領がシリアへの軍事攻撃に関して米議会の承認を得る意向を発表するも、プーチン露大統領は化学兵器使用の責任をめぐる米政府の報告書を「愚かで、ナンセンス」と酷評(2013年8月31日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍ダルアー軍事最高評議会議長のアフマド・ファフマ・ニウマ大佐はElaph(8月31日付)に「軍事攻撃は西側が始めるが、戦いを終わらせ、勝利するのは自由シリア軍だ。我々の戦いの基本は、体制打倒であり、それは首都ダマスカスでなされるだろう」と述べ、米国が準備しているとされる軍事攻撃に合わせて地上攻撃を激化させる決意を示した。

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自由シリア軍合同司令部報道官のカースィム・サアドッディーン大佐はロイター通信(8月31日付)に、米軍がシリアへの軍事攻撃を行った場合の軍事行動計画を、一部の反体制組織に伝えたと述べた。

サアドッディーン大佐によると、この軍事行動計画では、米軍の空爆が予想される標的への地上攻撃などを骨子とするが、外国の支援を受けずに独自に策定されたという。

サアドッディーン大佐はまた、米国が軍事攻撃に関して、シリア革命反体制勢力国民連立をはじめとする一部の反体制組織としか連絡をとり合っていないと不満を表明した。

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『ハヤート』(9月1日付)は、複数の反体制筋の話として、自由シリア軍(参謀委員会)が、米国に、24カ所の軍事拠点を含む約50の標的を示した攻撃目標リストを提出した、と報じた。

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『ハヤート』(9月1日付)によると、シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで緊急会合を開き、米国がシリアへの軍事攻撃を行った場合の対応などを協議し、「挙国一致政府」(移行期政府)樹立の試みを再開することなどを確認した。

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シリア国民民主ブロック(リフアト・アサド前副大統領)のファールーク・ムサーリウ在欧総合調整局長は、キャリマ・オンライン(8月31日付)に、米国が準備しているとされるシリアへの軍事行動を「シリアへの新たな津波」と評し、「シリアだけでなく、中東の将来にとって大惨事となり、シリアは大国の交渉の部隊となるだろう。もはや決定は、シリア政府と反体制武装集団の間でなされなくなってしまった」と事態を憂慮した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、アイン・タルマー村で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

またザバダーニー市郊外、ワーディー・バラダー地方、サイイド・ザイナブ市郊外、バイト・サフム市、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、アルバイン市を軍が砲撃・空爆する一方、バハーリーヤ市の鉄道駅を反体制武装集団が占拠、同市とジャブラー市で軍と交戦した。

一方、SANA(8月31日付)によると、ドゥーマー市、カースィミーヤ市、バハーリーヤ市、ズィヤーイーヤ市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月31日付)によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月31日付)によると、マンスーラ村、ハーン・アサル村、クワイリス村、ナイラブ航空基地周辺で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ラーシディーン地区、アシュラフィーヤ地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月31日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ワアル地区、カズアル村、ラスタン・ガジャル街道で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月31日付)によると、ダルアー市、東ガーリヤ・ヒルバト・ガザーラ街道で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月31日付)によると、ラビーア町、アックー村、トゥッファーヒーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線、ジャブラ自由人大隊、ビンニシュ自由人大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(8月31日付)によると、北部県アッカール郡ヒクル・ジャニーン村、カシュラク村の郊外にシリア領から発射された迫撃砲弾が3発着弾、また銃撃戦が発生した。

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『ナハール』(8月31日付)は、北部県トリポリ市での同時爆弾テロに関して、身柄拘束中のサラフィー主義者アフマド・ガリーブ氏、ムスタファー・フーリー氏、シリア軍士官2人(ムハンマド・アリー氏、アリー・フドル・アルバーン氏)などに対する取り調べなどから、事件が7ヶ月前から準備され、シリア軍士官が関与していた可能性があると報じた。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団13人が、ダマスカスからベイルートへの移動を完了した。

調査団はイスタンブール経由でニューヨークへ帰任し、潘基文事務総長に調査報告を行う。

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バラク・オバマ米大統領は、ホワイトハウスで声明を発表し、シリアへの軍事攻撃に関して米議会の承認を得る意向を発表し、化学兵器の使用阻止などを目的とした限定的な武力行使の承認を求める決議案を上下両院に提出した。

決議案は「シリア国内外での生物・化学兵器を含むすべての大量破壊兵器の使用や拡散を予防・阻止し…米国と同盟国、友好国を脅威から守る」ことを目的とし、「大統領が必要且つ適切と判断する軍事力の行使」への承認を求めている。

オバマ大統領はまた「21世紀最悪の化学兵器攻撃」とアサド政権を非難、「独裁者が数百人の子供を毒ガスで殺害し、何も問われなければ、どんなメッセージを送ることになるか?化学兵器使用を禁じた国際規範に、どんな目的があるのか?議員一人一人と、国際社会に問いたい」と強調した。

さらに「我々の力は軍事力だけでなく、「人民の、人民による、人民のための政府」の模範であることに根ざしている」と付言、軍事行動の必要を力説した。

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ロシアのウラジミール・プーチン大統領はウラジオストクで、アサド政権が21日に化学兵器を使用したとする米政府の報告を「愚かで、ナンセンス。意味がない」と批判した。

プーチン大統領はまた、アサド政権が化学兵器を使用した証拠を持っているなら、米国は国連調査団に提出すべきだとしたうえで、「もし提示されないなら、証拠はないということだ」と述べた。

また国連安保理の承認を得ずにシリアへの軍事攻撃が行われれば「世界システム、国連への深刻な打撃」、「国際法違反になる」、「攻撃は犠牲者を生む。国際世論に逆らう決定を下す前によく考えるよう呼びかけたい」と、バラク・オバマ米政権の姿勢を批判、「米大統領ではなくノーベル平和賞受賞者としてのオバマ氏に話しかけたい」と述べ、米国との協議に前向きの姿勢を示した。

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フランス大統領府は声明を出し、フランソワ・オランド大統領がバラク・オバマ米大統領と電話会談し、「化学兵器使用に国際社会が寛容であってはならず、シリア政府の責任を追及し、その使用を非難するために強いメッセージを伝えるべきとの点で合意した」ことを明らかにした。

両国はまた「緊密で友好的な同盟国」として、シリア情勢への協議を続けると付言した。

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イランのアラーッディーン・ボルージェルディー国会外交安全保障委員会委員長を団長とするイランの使節団が、シリア情勢を協議するため、ダマスカスを訪問した。

使節団はシリアでアサド大統領ら首脳と会談したのち、レバノンを訪問する予定。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は独日刊紙とのインタビューでシリア紛争をめぐって拒否の姿勢をとり続けるロシアと中国を批判する一方、米国が準備するシリアへの軍事攻撃に「ドイツ軍の参加は提起さ

化学兵器使用に関する国連調査団は2週間の予定を切り上げベイルートに帰還、米国務長官がシリアでの化学兵器使用疑惑がアサド政権によるものだと断定する非機密文書を公開すると発表(2013年8月30日)

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は『ジュムフーリーヤ』(8月30日付)に「化学兵器の使用は国際法違反で、(欧米諸国が)それを使用したアサド政権に報復する義務がある」としたうえで、「ロシアの拒否権で2年半麻痺している国連安保理でいかなる軍事行動も取り上げる必要はない」と主張し、米国主導によるシリアへの軍事攻撃を是認する立場を示した。

また「もしアサド政権の背骨を折らなければ…、政権は限定的軍事攻撃を利用して…、さらなるシリア人を殺害し、シリア国民に復讐し、国際社会に挑戦するだろう」と主張し、アサド政権打倒のための軍事行動を求めた。

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シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会は共同声明を出し、前者のシリア革命反体制勢力国民連立参加などをめぐるクルド最高会議の機能麻痺への対応などについて協議したと発表した。

声明によると、会合では、連立などの反体制組織などとの関係構築をめぐるいかなる対話も、クルド人民の民族的要求を踏まえたものでなければならないことを確認した。

また、クルド最高会議内の対立解消などをめざすこと、クルド人地域での文民行政(地方自治)を拡充することなども確認、シャームの民のヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国などの武装集団による攻撃を非難した。

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Infowars.com(8月30日付)は、21日のダマスカス郊外県東西グータ地方での化学兵器使用がアサド政権ではなく反体制武装集団によるものだ、と住民らがAP記者(デイル・ガヴラク氏)に証言したと報じた。

ガヴラク氏によると「複数の医師、グータ地方住民、反体制武装集団の戦闘員、そして彼らの家族とのインタビューから…、多くの人々が、一部の反体制武装集団がサウジアラビアのバンダル・ビン・スルターン総合情報庁長官を介して化学兵器を入し、毒ガス攻撃を行ったと考えている」という。

反体制武装集団の「J」を名のる戦闘員はガヴラク氏に対して、自分たちが化学兵器の取り扱いの訓練をきちんと受けていなかったと述べたという。

「J」はまた、化学兵器が当初、シャームの民のヌスラ戦線に供与されようとしていたと思われるとも証言している。

同様の証言は女性戦闘員「K」も行っており、彼女によると、反体制武装集団は受け取った武器が何なのかも知らされておらず、それが化学兵器だとは想像もしていなかったのだという。

さらにアブドゥルムンイムを名のる戦闘員の父親も、「2週間前に息子が私に、運搬を頼まれた武器が何だと思うと尋ねてきた」としたうえで、息子が武器に関して「筒のような構造」、「巨大なガスのボトル」のようなかたちをしていると説明したことを明かし、武器を供与したサウジアラビア人が「アブー・アーイシャ」を名のっていたと証言した。

アブドゥルムンイムの父によると、これらの武器はトンネル(側溝)で爆発し、戦闘員12人が死亡したという。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省高官は、シリア政府による化学兵器使用を結論づけたとする米政府の非機密文書に関して、「(文書の内容について発表した)ケリー氏は、1週間前にテロリストが広めた古びた話のなかのねつ造、嘘に依拠している」と酷評した。

SANA(8月30日付)が報じた。

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SANA(8月30日付)は、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が国連の潘基文事務総長と電話会談し、化学兵器使用に関する国連調査団の調査活動に関して「シリア軍兵士がサリン・ガスを浴びた現場の調査…が行われないかたちでの部分的な報告書を拒否する」との姿勢を伝えた、と報じた。

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Elaph(8月30日付)は、シリア軍・治安機関の高官らが、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、「象徴的」なものに過ぎず、政権が揺らぐことはないと考えている、と報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市の北部と西部から攻勢をかけ、反体制武装集団と交戦、また同市に向けて地対地ミサイルなどを発射した。

またAFP(8月30日付)は、反体制活動家の話として、ダーライヤー市に対しても軍が攻勢をかけていると報じた。

このほか、バイト・サフム市、ヤルダー市、フジャイラ村、ナブク市郊外、ザマルカー町、アイン・タルマー村、フッザ市なども軍の砲撃を受けたという。

一方、SANA(8月30日付)によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市北部に進軍し、その一部を制圧した。

またハラスター市郊外、ドゥーマー市郊外、ザマーニーヤ市、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ヤブルード市郊外、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団を追撃し、シャームの民のヌスラ戦線、イスラームの騎士旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(8月30日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市、サルジャ村などを軍が砲撃・空爆する一方、反体制武装集団はイドリブ市内の人民諸委員会の拠点を攻撃、委員会の民兵複数が死傷した。

このほか、アブー・ズフール航空基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月30日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、アリーハー市、アルバイーン山、カフルナジュド市、ハミーダ市、ウンム・ジャリーン村、タッル・サラムー市、シュワイハ市、マジャース市で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またイドリブ市に迫撃砲弾が着弾し、複数の市民が死傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、カッバスィーン村で民主統一党の党員・支持者と思われるクルド人約30人がイラク・シャーム・イスラーム国によって拘束された。

一方、SANA(8月30日付)によると、ラッカ・アレッポ街道、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、マンスーラ村、アンジャーラ村、バーブ・アレッポ形動、ナスルッラー村、ズィヤーラ村、マーイル町、キンディー大学病院周辺で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月30日付)によると、ダルアー市、タファス市、インヒル市などで、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(8月30日付)によると、タッル・ハミース市、アブー・カサーイブ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月30日付)によると、ヒムス市ハミーディーヤ地区、ワルシャ地区、ラーシディーン地区、ガントゥー市、ダール・カビーラ村で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市ドゥワイル地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民1人が負傷した。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団は、ダマスカス県内の軍病院を訪れ、化学兵器の攻撃によって負傷したとされるシリア軍兵士と面談し、サンプルを収集した。

調査団はダマスカス郊外県の東グータ地方での調査は行わなかった。

調査団は4カ所の調査を終え、2週間の予定を切り上げ、ダマスカスを離れ、ベイルートに向かった。

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国連の潘基文事務総長は、安保理常任理事国5カ国の国連大使らと会談し、国連調査団の現地調査について報告した。

国連外交筋によると、調査団の調査結果の発見には約2週間がかかるという。

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ジョン・ケリー米国務長官は、バラク・オバマ米政権がシリアでの化学兵器使用疑惑に関して、アサド政権によるものだとする非機密文書を公開すると発表した。

この非機密文書は本文4ページ+地図1ページからなり、機密情報を含まない範囲での証拠について説明されており、攻撃に先だって傍受したシリア政府の通信や、攻撃前のダマスカス周辺のシリア軍の動きから、シリア政府軍が化学兵器攻撃を行った「高い確証をもって評価する」と結論づけている。

ケリー国防長官は、報告書公開とともに声明を読み上げ、攻撃前に政権内部の関係者が、ガスマスクを着用して化学兵器対策をとるよう支持を受けた、と述べた。

また「我々は、何時にどこからロケット弾が発射され、何時に着弾したかを知っている。発射地点はすべての政権の支配地域で、着弾地はすべて反体制勢力の支配地域か、戦闘地域だったということも知っている」、「我々は、攻撃について知るシリア政権高官が、政権による化学兵器使用を確認し、被害を調べ、(国連調査団による)発見を恐れていたことを知っている」と強調、22日にシリアの外相に電話で国連調査団受入を要請したにもかかわらず、政権側がその後4日間被害地域を集中攻撃して「証拠を破壊した」と主張した。

そのうえで「これは証拠であり、事実だ…。数千の情報からなる証拠を自分で読んで欲しい」としたうえで、米「これこそが化学兵器の無差別で信じがたい恐怖だ。これこそがアサドが国民にしたことだ」と主張、米政府がシリア政府による化学兵器使用に「強い確信」(high confidence)を持っていると強調した。

そして「国際規範違反を放置し…、行動しないことの対価は何かを問うべきだ…。問題は…我々、そして世界がこのことに対して何をするのか、しないのかということだ」と述べ、化学兵器使用に対して行動することが「米国の信頼と将来の国益に深く関わっている」と付言した。

だが、詳細な理由に関しては、ケリー国防長官は機密情報だとの理由で公表しなかった。

なお報告書の要旨は以下の通り。

1. 人的諜報、無線諜報、地理空間諜報、および公開情報を総合して評価を行った。情報源や情報収集方法を保護するため機密情報に関しては公開せず、本報告書は非機密情報のみを開示する。
2. 報告書が依拠した主な非機密情報は、米国諜報機関の情報、シリア・国際医療機関の証言、ビデオ、目撃証言、ソーシャル・メディアのレポート、ジャーナリストの証言、NGOによる信頼度の高い証言などからなる。
3. 米政府は8月21日にダマスカス郊外県で化学兵器による攻撃をシリア政府が行ったとの「高い確証」(high confidence)をもつ。
4. 初期評価では、子供426人を含む1,429人が死亡した
5. 反体制武装集団が化学兵器を使用した可能性は「きわめて低い」(highly unlikely)。
6. (背景)シリア政府は、サリンガス、VXガスを保有している。
7. (背景)アサド大統領が化学兵器使用に関する最終決定権者である。
8. (攻撃準備)シリアの化学兵器部門関係者が、8月18日から21日にかけてアドラー市の化学兵器合成のために政権が使用してきた地域で活動していた。
9. (攻撃)21日に、サリンガスを含む化学兵器をダマスカス郊外県で使用した。地元のソーシャル・メディアによると、化学兵器による攻撃は午前2時半に開始された。
10. (攻撃)21日の午前中の3時間で、約3,600人の患者が3カ所の病院が受け入れられた。患者の症状などは神経ガスによる被害と一致する。
11. (攻撃)我々は、攻撃の事情に精通した政権高官が、政権による化学兵器使用を認め、国連調査団が証拠を入手することを懸念した通信を傍受した。21日午後に、シリア化学兵器部門関係者が作戦中止の情報を受けたとの情報もある。

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バラク・オバマ米大統領は、シリアへの軍事攻撃に関して、議会および同盟国と協議を続けるとしつつ、攻撃が行われた場合でも、地上部隊を派遣することはないと明言した。

オバマ大統領は「無実の子供数百人を含む数千人が、戦時中でも使用されるべきでないと98~99%の人が言う兵器で殺害されたのに、何も行動を起こさなければ、(行動できないという)シグナルを送ることになってしまう」と述べた。

そのうえで「世界は化学兵器の使用を禁じる規範を維持する義務がある」と強調、「世界の指導者」としての責任を果たすべきだとの決意を示した。

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チャック・ヘーゲル米国務長官は、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、訪問先のフィリピンで記者団に対して、「行動をともにする多国間連合を模索し続ける」と述べた。

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米ホワイトハウス、国防総省、国務省は、シリア政府が21日に化学兵器を使用したとする報告書に関して、上下院の外交委員会、軍事委員会に所属する議員10数人に説明した。

説明を受けた議員によると、報告書に示されいない機密情報の内容についても提示されたという。

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アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、「国際介入でNATOが果たすべき役割はない」と述べ、不参加の意向を示した。

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中国の王毅外交部長はフランスのローラン・ファビウス外務大臣と電話会談を行い、国連調査団による調査が完了する前に、シリアへの軍事行動を認めるような動きを国連安保理で進めるべきでないと述べるとともに、単独行動が危機解決に資さないと警鐘を鳴らした。

また王外交部長は国連の潘基文事務総長とも電話会談し、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団に関して「外国の圧力、干渉を受けない独立した客観的調査を前面支持する」との姿勢を伝えた。

新華社通信(8月30日付)などが伝えた。

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ドイツ外務省報道官は、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、ギド・ヴェスターヴェレ外務大臣が『ニュー・オスナブリュッカー・ツァイツング』(8月30日付)に対して述べた「(軍事行動への)参加は求められておらず…、そうしことも考えていない」という言葉をそのまま引用し、軍事介入に参加する意思がないことを明らかにした。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、英下院がシリアへの軍事行動への参加を否決したことに関して、『ル・モンド』(8月30日付)に「それぞれの国に参加の是非を決定する権限がある」としたうえで、「私はオバマ大統領を深く話し合い…、ダマスカスの政権に対する適切且つ断固たる行動を行う…。あらゆる選択肢がテーブルのうえにある」と述べた。

また軍事攻撃の目的に関して、オランド大統領は「シリア解放や独裁者打倒をめざす国際社会の介入は支持しない…。しかし、国民に対して許されざることを行うことを、(アサド)政権は止めねばならないと思う」と主張、「化学兵器による虐殺が罰せられないままであってはならない」と述べた。

シリア政府が化学兵器を使用した証拠に関しては「シリア政府に責任があることを示す一連の証拠がある」と述べたが、詳細については明らかにしなかった。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、米仏が準備を続けているとされるシリアへの軍事攻撃に関して「シリアに対するいかなる国際的な軍事介入も、バッシャール・アサド大統領の支配を終わらせることを目標にしなければならない」と述べた。

またエルドアン首相は「空爆が24時間しか行われないなどというのはあり得ない。重要なのは、シリアの流血を止めること、体制を降伏する程度にまで弱体化させることだ…。シリアへの限定的空爆では不十分で、トルコは満足しないだろう」と付言した。

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『ハヤート』(8月31日付)によると、イラクのキルクークで、シリア紛争を逃れ、イラクで避難生活を送るクルド人労働者が、4ヶ月分の就労に見合う賃金を支払うよう請負会社に訴えるデモを行った。

AFP, August 30, 2013、Elaph.com, August 30, 2013、al-Hayat, August 31, 2013、Infowars.com, August 30, 2013、Kull-na Shuraka’, August
30, 2013, September 1, 2013、al-Jumhuriya, August 30, 2013、Kurdonline, August 30, 2013、Naharnet, August 30, 2013、Reuters,
August 30, 2013、SANA, August 30, 2013、UPI, August 30, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がイエメン使節団との会談のなかで米英仏による直接攻撃の脅迫が「シリアの確固たる立場と独立した決意を強める」と述べる、英政府はアサド政権による化学兵器使用を断定するも同国下院では武力行使を求める動議案が否決(2013年8月29日)

反体制勢力の動き

シリア革命青年勢力国民連立を名のる組織がカイロで声明を出し、米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、自由シリア軍との調整のもとに行うよう求めた。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ダマスカスを訪問中のイエメン議会・政党代表からなる使節団と会談し、シリア情勢などについて意見を交わした。

SANA, August 29, 2013
SANA, August 29, 2013

SANA(8月29日付)によると、アサド大統領は会談で、シリアへの直接攻撃を行うとの脅迫が、国民の意思から発するシリアの確固たる立場と独立した決意をさらに強めることになるだろう、と述べた。

またアサド大統領は、シリアが国民と軍とともにテロ根絶をめざしていると付言、イスラエルや西側諸国が、地域を分割し、諸国民を従属させることで国益を追求するために、テロを支援していると非難したという。

そのうえで、アラブ世界において国民の意識を高めることが、地域を狙った計略に対抗する基礎をなすと述べ、国民こそが国家関係を真に作り出し、そうした国民のありようこそが、シリアでの勝利を保障するものだと力説したという。

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『アフバール』(8月29日付)は、米英仏がシリアへの軍事攻撃の準備を本格化させたとの報道を受け、アサド大統領がある会合の出席者に「我々の真の敵が頭角を現して介入してくることを当初からあなたたちは分かっていた。私は、あなたたちの精神が高揚し、準備が整い、あなたたちが敵を殲滅し祖国を防衛することを知っている」と述べたと報じた。

同報道によると、アサド大統領はまた「この精神を…シリア国民にも与えよう。なぜならこれは、我々が勝利するであろう歴史的な対決だからだ…。シリアはこの対決が三つの要素からなっていると見ている。第1に攻撃の封じ込め、第2に急所への報復、そして第3に、米国とNATOは地上軍を入れることはないとの判断」と述べたという。

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ワーイル・ハルキー首相は緊急閣議を開催し、米英仏が準備しているとされている軍事攻撃への対応などを協議した。

SANA(8月29日付)によると、閣議では、関係各省に対して、救急消防機関、保安機関、医療機関などとの連携、電力、通信、燃料網の維持確保、軍への兵站支援の拡充などを徹底することが確認された。

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ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長は、英国議会下院議長宛に書簡を送り、化学兵器使用に関する国連調査団による調査を検証するため、議員と専門家からなる使節団をダマスカスに派遣するよう求めた。

SANA(8月29日付)によると、書簡のなかで、ラッハーム議長は、シャームの民のヌスラ戦線が、シリア軍や民間人に対して化学兵器を使用したことを示す確固たる証拠を国連調査団が得たと主張する一方、シリアに対する敵対行為が違法で、安保理が軍事攻撃を承認していないと強調した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が激しく交戦し、双方に人的被害が出た。

一方、SANA(8月29日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナブク市の軍検問所で、爆弾が仕掛けられた車が爆発した。

この爆発に先だって、同市周辺では軍と反体制武装集団が交戦していたという。

またアドラー市周辺、バイト・サフム市などでも、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月29日付)によると、バハーリーヤ市郊外、ドゥーマー市郊外、ヤブルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、フダー青年大隊、イラク・シャーム・イスラーム国の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市、インヒル市、タイバ町、タファス市などを軍が空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市を軍が空爆し、子供2人を含む市民10人が死亡した。

またアルバイーン山、シュグール市、カフル・ウワイド市、マウザラ村、カンスフラ村、サルミーン市、サラーキブ市、マアッラトミスリーン市が軍の砲撃・空爆を受けたほか、イドリブ市内のハールーン・ラシード学校周辺で軍と反体制武装集団が交戦、軍砲撃を加えたという。

一方、SANA(8月29日付)によると、タッル・ワースィト村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、シュワイハ村、マジャース村、シャンナーン村、アイン・シーブ村、マガーラ村、ナフラ村、タッル・ズィーバーン町、ブザイト村、カフルルーマー村、タッフ村、ヒーシュ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市の総合情報部施設前など2カ所で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、女性と子供を含む市民6人が死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カフターニーヤ市郊外のマズルーマ村、ターヤー村、スーフィヤー村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

またイラク・シャーム・イスラーム国の戦闘員と思われる男性が、ヒッティーン村の民主統一党人民防衛隊の検問所で自動車爆弾を用いて自爆攻撃を行った。

一方、シャームプレス(8月29日付)によると、ジュワーディーヤ市郊外のサファー村で、民主統一党の人民防衛隊がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、ヤアルビーヤ町一帯のヌスラ戦線を指揮するイブラーヒーム・ハンザル(通称アブー・イスマーイール)司令官を殺害した。

またハサカ市内で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民4人が負傷した。

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ヒムス県では、SANA(8月29日付)によると、軍がタドムル市南部農場一帯での反体制武装集団の掃討を完了、同地を制圧した。

またヒムス市ハミーディーヤ地区、ワルシャ地区、カラービース地区、タルビーサ市、アイン・フサイン市、ダール・カビーラ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊、装備・爆薬を破壊・押収した。

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ダルアー県では、SANA(8月29日付)によると、ダルアー市、ナワー市、サフム・ジャウラーン村、タファス市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月29日付)によると、アブー・ハジャル村、ブライカ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月29日付)によると、バヤーヌーン町、アルビード村、クワイリス村、ナスルッラー村、バーブ・アレッポ街道、ラッカ・アレッポ街道、マーイル町、クファイン村、フライターン市、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院、マンスーラ村、アウラム・クブラー町、サフィール村、ハーン・アサル村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ブスターン・カスル地区、スライマーン・ハラビー地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(8月29日付)によると、サルバー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団は28日に引き続き、東グータ地域に立ち入り調査を継続した。

Kull-na Shuraka', August 29, 2013
Kull-na Shuraka’, August 29, 2013

シリア革命総合委員会によると、化学兵器使用に関する国連調査団は、28日と同様、ムライハ市方面から東グータ地域に入り、2日間でザマルカー町、アイン・タルマー村で調査を行った。

クッルナー・シュラカー(8月29日付)によると、東グータ地域での立ち入り調査を行った国連調査団には、ムハンマド・アブー・ナスルが率いるバッラー旅団、アブー・スブヒー・ターハーが率いるドゥーマー殉教者旅団が随行した。

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国連の潘基文事務総長は、訪問先のウィーンで、化学兵器使用に関する国連調査団が30日に2週間の予定だった調査を終え、31日午前にシリアから出国すると発表した。

調査団は出国次第、事務総長に調査報告を行うという。

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英国国防省は、最新鋭戦闘機ユーロファイター6機をキプロスにある英空軍基地に配備したと発表した。

同省によると、この配備は「英軍基地などを保護する予防的な措置」だという。

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『ル・ポワン』(8月29日付)は、フランス政府がトゥーロン軍港に停泊する防空フリゲート艦のシリア沖への派遣を決定したと報じた。

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英国首相府は、シリアへの武力行使について、議会下院の同意を求める政府の動議案を提示した。

同案は、シリアでの化学兵器使用に対する「強力な措置」の必要について議会の同意を得るだけのもので、実際の武力行使については、国連調査団の報告などを待って、改めて議会での採決を求める方針を明記している。

これを受け、下院はこの動議案を審議、「(化学兵器使用の)確固たる証拠があった場合に限り、軍事行動を支持する」との労働党からの修正動議案を提出した。

最終的に英国下院は、シリアへの軍事攻撃を求める政府の動議案を285対272で否決した。

否決後、デヴィッド・キャメロン首相は「議会は英国の軍事介入を望んでいない。私はそのことを認知した。政府はこれに従って振る舞うだろう…。下院の意思を尊重する」と述べた。

なお英国政府は、シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとする報告書(合同情報委員会書簡)を公開した。

「Syria: Reported Chemical Weapons Use」と題された報告書(https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/235094/Jp_115_JD_PM_Syria_Reported_Chemical_Weapon_Use_with_annex.pdf)の骨子は以下の通り。

1. 外交資料や公開されている資料」から、2012年以降にシリア政府が14回にわたって化学兵器を使用したことを確認した。
2. またこの14件以外にも、化学兵器による攻撃がなされていると考えている。
3. 8月21日の化学兵器による攻撃に関して、「公開資料」からそれが発生したことにはほとんど議論の余地がない。
4. シリアの反体制武装勢力によるねつ造だとのシリア政府などの主張に関して、「広範な諜報や公開資料」を用いて検証、「英国政府内外の専門家」の意見を聴取、その結果、反体制勢力が化学兵器を保有し、攻撃を行ったことを実証する信頼になる情報や証拠はなかった。
5. シリア政府に21日の攻撃の責任があるとの判断を支える多数の諜報を持っている。
6. 結論として、合同情報委員会は、21日の化学兵器による攻撃の責任がシリア政府にあるだろう(highly likely)との結論に達した。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、パリの大統領でシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と会談し、シリア情勢について協議した。

ジャルバー議長が軍事介入を求めたのに対し、オランド大統領は「政治的解決に向けて全力を尽くさねばならない」と慎重な姿勢を示した。

一方、ジャン・イヴ・ル・ドリアン国防大臣は記者団に対し、「大統領が決定したら、軍は応じる用意がある」と述べた。

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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はドイツのアンゲラ・メルケル首相と電話会談し、シリア情勢について協議した。

『ハヤート』(8月30日付)によると、この会談で、両首脳は国連調査団の報告を検討する必要を確認した。

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中国の王毅外交部長は、シリア情勢に関して「軍事行動は無益だ」としたうえで、「政治的解決こそがシリアの問題を解決するための唯一の道だ」と強調、「国連の専門家がこの点に関する調査結果を出す前に急ぐべきでない」と米英仏の姿勢を批判、「すべての当時者に自制を求める」と述べた。

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イタリアのエンリコ・レッタ首相は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して「国連が支持しなければ、イタリアは参加しない」と述べた。

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キューバの外務省は声明を出し、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して「国連憲章と国際法への明らかな違反」と非難し、「国際社会の平和と安定を危険にさらす」と警鐘を鳴らした。

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エクアドルのラファエル・コレア大統領は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、シリアへの軍事介入を拒否すると述べた。

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ボリビアのエボ・モラレス大統領は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、「シリアへの外国のあらゆる軍事介入を拒否し非難する」と述べた。

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ヴェネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、政府と国民を代表して、帝国主義勢力によるシリア領への軍事的介入を拒否、非難すると述べた。

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南アフリカ共和国のデズモンド・ムピロ・ツツ元大主教は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃とエジプト状勢に関して、「我々は殺し合いではあく、流血回避のために言葉を発する必要がある…。我々は人道的加入を求めるのであって、軍事介入を求めていない」と述べた。

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ヴァチカンのローマ教皇庁は、ローマ法王フランシスコがヨルダンのアブドゥッラー2世と会談し、シリア情勢などについて意見を交換、両者が、「シリアの紛争当事者が国際社会の支援のもとに会話と対話を行う方法こそが、紛争停止の唯一の選択肢」という点で一致したと発表した。

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『ハヤート』(8月30日付)によると、ヨルダン政府は、シリアへの内政干渉の姿勢を再確認するとともに「ヨルダンはシリアに対するあらゆる軍事的行動の拠点とはならない」と発表した。

しかし、同紙はヨルダンの複数の軍・治安当局高官の話として、対シリア国境地帯では、ヨルダン軍および米軍、西側諸国の車輌が増援されている、と付言した。

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国連安保理常任理事国5カ国は28日に引き続き、シリア情勢への対応に関する非公式協議を行った。

協議はロシア側の要請によって行われたが、外交筋によると、米英仏とロシア・中国が歩み寄ることはなかった。

ゲンナージー・ガティロフ外務次官はこれに関して「武力行使を可能とするようないかなる国連安保理決議にも反対する」との立場を改めて示した。

AFP, August 29, 2013、al-Akhbar, August 29, 2013、Champress, August 29, 2013、al-Hayat, August 30, 2013、Kull-na Shuraka’, August 29, 2013, August 30, 2013、Kurdonline,
August 29, 2013、Naharnet, August 29, 2013、Reuters, August 29, 2013、SANA,
August 29, 2013、UPI, August 29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ジャアファリー国連代表が米英仏が準備しているシリアへの軍事攻撃を「国連憲章違反」として非難するなか、オバマ米大統領は攻撃実施の是非について「まだ決めていない」と発言(2013年8月28日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(8月28日付)は、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立への合流を定めた27日の合意に関して、民主社会運動(TEV-DEM)幹部のアールダール・ハリール氏(民主統一党員)は、「クルド問題の脇腹に剣を刺したようなものだ…。西クルディスタンのクルド人民への陰謀」と非難、「こうした合意は、クルド最高委員会が行う任務であり…、西クルディスタン人民はこの合意文書とは無関係だ」と述べた。

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アラブ青年国民連合は声明を出し、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立への合流を定めた27日の合意に関して、反体制勢力統合という点から歓迎するとしつつ、クルド人の権利を大幅に認めたその内容が「シリア主権に觝触し、その政治的・社会的将来を脅かす」と非難した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「東西グータ地方の複数の活動家、革命に協力する軍内部の一消息筋の協力のもと、虐殺に関する一次調査の一環として、アサド軍による化学兵器の詳細(な情報)を収集し、攻撃の経緯を説明した報告結果をまとめた」と発表した。

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シリアの野党(公認政党)の国民成長党は声明を出し、アサド政権による化学兵器使用を断じたうえで、化学兵器使用疑惑を受け米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、政権の戦略的拠点、飛行場などのみを標的とし、国民の安全が確保されるべきだと訴えた。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相はラッカ県、アレッポ県、ハサカ県の人民議会議員と会談し、「1973年の10月戦争(第4次中東戦争)のときと同様、敵は意表を突かれ、(シリアは)侵略者たちの墓場となるだろう。国民の意志ゆえに、帝国主義的な彼らの脅迫にシリアは脅されることなどない」と述べた。

またハルキー首相は「米国を筆頭とする西側諸国は、自身とその手先であるテロリストの失敗を受け、シリアに軍事介入するために嘘のシナリオをでっち上げ、薄っぺらい口実を準備しているに過ぎないと多くの人民議会議員が考えている」と付言した。

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シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表はニューヨークで記者会見を開き、米英仏が準備しているシリアへの軍事攻撃に関して、国連憲章違反になるだろうとしたうえで、シリア国内で化学兵器使用に関する調査を行っている国連調査団への敵対行為であり、その活動を失敗させようとする動きだと批判した。

そのうえでジャアファリー国連代表は、反体制武装集団が化学兵器を使用してシリア軍に対して行った三つの攻撃を国連調査団がただちに調査するよう、潘基文事務総長に要請したことを明らかにした。

ジャアファリー国連代表によると、反体制武装集団は8月22日から24日にかけてダマスカスで3回にわたって、軍を神経ガスないしはサリン・ガスを使って攻撃し、兵士数十人が中毒症状を訴え、治療を受けたという。

しかし、この3カ所がダマスカス県なのか、ダマスカス郊外県なのか、そして具体的にどの地区・都市なのかについては詳述しなかった。

一方、ジャアファリー国連代表はレバノンに関して、「地域に及ぼされる悪影響からレバノンが身を遠ざけることを望んでいる…。地域の混乱を受け、サイダーやトリポリを標的としたようなサラフィー主義集団によるテロ攻撃が結果として生じ得る」と述べた。

さらにイスラエルによる攻撃に関して、「イスラエルがシリアに攻撃したら、我々みなが、こうした措置がどのような反響をもたらすかを知っている」と述べた。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住副大臣は、記者団に対して、「米英仏の支援のもと、テロ集団が化学兵器を使用したのだ」としたうえで、「このことは、同じ集団が欧州に対して化学兵器を使用するかもしれないということだ」と脅迫した。

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クッルナー・シュラカー(8月27日付)は、シリアのムハーバラートが、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に備え、本部・支部などを「代替拠点」と呼ばれるより安全な場所に退避させていると報じた。

同報道によると、「代替施設」はダマスカス県内、ダマスカス郊外県各所に非常事態に備えて学校・文化センターなどの施設内などに設置、安全の確保に務め、「代替施設」には機密文書などが移動されているが、拘置所に拘留されている逮捕者は取り残されているという。

例えば、空軍情報部は、ダマスカス県内バグダード通りに面したウマイヤ学校内、政治治安部は、マッザ区の文化センターにある「代替施設」に移転したという。

また空軍情報部は、ダマスカス郊外県クタイファ市の第100旅団司令部に、武器弾薬、弾道のすべてを「代替施設」に移すよう要請、またドゥマイル空軍基地の武器弾薬も、空港東部の弾薬庫に移されたという。

さらに、ムハーバラートは、政権の支持のもとに人民諸委員会に配給してきた武器弾薬を回収する一方、委員会メンバーをはじめとする政権支持者の家族はダマスカス郊外県のムウダミーヤト・スーマリーヤー住宅地区に避難を開始したという。

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シリア人権監視団によると、ダマスカス県、ヒムス県、ハマー県、地中海岸、スワイダー県、ダルアー県で、軍司令部など数十カ所の再配置が行われた。

国内の暴力

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(8月28日付)によると、民主統一党人民防衛隊が、ラッカ市郊外のシリア軍第17師団基地に対する反体制武装集団の包囲を解除するため、武装集団と交戦した。

同報道によると、この包囲解除作戦は失敗したが、基地内の兵士の脱出のための経路の確保を依然試みているという。

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ダマスカス郊外県では、SANA(8月28日付)によると、スバイナ町、ザマルカー町、アルバイン市、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、マアルーラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(8月28日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月28日付)によると、アイン・フサイン村で、反体制武装集団が仕掛けようとしていた爆弾が誤爆し、戦闘員数十人が死亡した。

またヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・スィバーア地区、カラービース地区、クスール地区ワ、ワルシャ地区、ガースィビーヤ村、キースィーン村、ザーラ村郊外、ラスタン市、カルアト・ヒスン市、サアン村、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、タルビーサ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、タウヒード旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ヒムス市グータ地区の赤新月病院に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民6人が死亡した。

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アレッポ県では、SANA(8月28日付)によると、マーイル町、バヤーヌーン町、ハーン・アサル村、ハイヤーン町、キンディー大学病院周辺、アレッポ中央刑務所周辺、アイン・ジャマージマ村、ナッカーリーン村、クワイリス村、バーブ市・マンビジュ市街道、ナイラブ村、サフィーラ・アブー・ジャリーン街道、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ハーン・ハリール地区、バニー・ザイド地区、ラーシディーン地区郊外、カーディー・アスカル地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月28日付)によると、ヌアイマ村、ハーッラ市、ナワー市、西ムライハ村、バッカール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月28日付)によると、ブライカ市、バサーラ市、アブダリー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月28日付)によると、ナハリヤー市、アルバイーン山、バザーブール村、ジュッブ・アフマル市、シュグル市、ビンニシュ市、サルジャ村、アリーヤー市、タッル・ダマーン村、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、ブワイティー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

『ハヤート』(8月29日付)によると、国連調査団が、8月21日に化学兵器が使用されたとされる東グータ地方内の複数の医療所を訪問、患者らと面談、患者や攻撃現場とされる場所からサンプルを採取した。

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『ニューヨーク・タイムズ』(8月28日付)は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、国防総省高官の話として、化学兵器の漏出などを避けるため、化学兵器保管施設ではなく、同兵器の発射施設などに巡航ミサイル(トマホーク)での攻撃を行う方針が有力だと報じた。

また同報道によると、空爆の当初目標として、50カ所程度が想定されているという。

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『デイリー・テレグラフ』(8月28日付)は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、米英の潜水艦2隻が多数の巡航ミサイルを使用し、シリア軍の司令部、兵器・弾薬貯蔵庫、地対空ミサイル発射基地、滑走路など100カ所以上の軍事目標を最大48時間程度の作戦で破壊する計画だと報じた。

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バラク・オバマ米大統領は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、PBS(8月28日付)に「まだ決めていない」と述べた。

オバマ大統領は「軍から複数の選択肢を示され、国家安全保障チームと広範な議論を行ってきた…。まだ決めていない。だが、我々が、化学兵器使用に関して波紋を投げかけるような選択を行うのなら、内戦に関与し、自らを守ろうとしているアサド政権が、二度とやらないほうがいい、という非常に強いシグナルを受け取るということが重要だと考えている…。それによってシリアのすべての問題は解決しないが、シリア国内で無実の人々が死ぬのを止められるのは明白だ」と述べた。

また「我々はすべての証拠を見てきており、反体制勢力が核兵器、ないしはこの手の化学兵器を持っているとは信じていない…。我々は反体制勢力がロケット弾を使って、こうした攻撃を行えるとは信じていない」とした上で、「シリア政府が実際にそれを行ったと結論づけた。もしそうなら、国際社会の対応があって然るべきだ」と述べた。

さらにオバマ大統領は「国際規範違反であるだけでなく、米国の重要な国益も影響を受ける」の強調、「シリアは米国と敵対するテロ組織と連携している。化学兵器が我々に向けて使用される可能性もありえる」とも述べた。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相は、国家安全保障会議を開き、関係閣僚、軍・諜報機関幹部らとシリア情勢への対応について協議した。

またキャメロン首相は、ツイッターでの書き込みで、化学兵器使用疑惑を受けて英米仏が準備しているとされる軍事攻撃に関して、武力行使を容認する決議案を国連安保理に提出する方針を明らかにした。

キャメロン首相は「いかなる対応も合法的で、化学兵器使用への対応に特化したものでなくてはならない」と強調した。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、安全保障関連の閣僚会議を招集し、シリア情勢への対応について協議した。

会議後、ローラン・ファビウス外務大臣は、化学兵器使用がアサド政権ものだと断じたうえで、「強い怒りを感じている。(アサド大統領を)罰する必要がある。大統領は必要な時に決定をくだすだろう」と述べた。

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NATOはブリュッセルで定例の大使級会合を開き、シリア情勢への対応などについて協議した。

会合後、アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は声明で「さまざまな情報は、化学兵器を使用した責任がアサド政権にあることを示している…。いかなる化学兵器の使用も受け入れられず、報いを受けずには済まされない」と述べたが、軍事行動への参加の有無については明言しなかった。

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インテルファクス通信(8月28日付)によると、ロシアのウラジーミル・チトフ第1外務次官は、シリアでの化学兵器使用疑惑に関して、「シリアで活動している国連調査団が報告書を提出していないなかで、安保理で対応を審議することは、時期尚早だ」と述べた。

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サウジアラビア通信(8月28日付)によると、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣はジェッダでトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣と会談し、シリア情勢の対応について協議した。

会談後、ダウトオール外務大臣は「すべての選択肢が提起されている…。トルコ軍は厳戒態勢にある。トルコの国益を守るため必要なあらゆる措置を講じる」と述べた。

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イランの最高指導者アリー・ハーメネイー師は、閣僚との懇談でシリアの化学兵器使用疑惑について言及、「米国が軍事介入した場合、地域は大惨事となるだろう…。地域は火薬庫で我々にその未来を予測することはできない」と警鐘を鳴らした。

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英米仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃をめぐって、イスラエル軍は防空体制強化と発表した。

またベンヤミン・ネタニヤフ首相は、シリア情勢緊迫化を受けて、安全保障関係の閣僚8人と縮小安全保障会合を開き、情勢への対応を協議し、予備役の限定的召集を行うことを決定した。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、バグダードをはじめとする各県で治安部隊が厳戒態勢に入ったと発表した。

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国連の潘基文事務総長は、訪問先のオランダ・ハーグで「国連調査団が事実を明確にすることが重要で、時間が必要だ」と述べ、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に難色を示したうえで、「和平のために行動するよう」安保理に呼びかけた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブで記者会見を開き、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して「シリアに軍事介入するために、国連安保理の青信号が必要だ…。国際法はこの点に関して明確だと思う。国際法は安保理の決議を経て軍事行動がなされると定めている。これが国際法の規定だ」と述べた。

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安倍晋三首相は、訪問先のカタールで記者会見を行い、シリアでの化学兵器使用疑惑に関して、アサド政権に責任があると声を荒らげて主張した。

安倍首相は「日本政府としては、シリアで化学兵器が使用された可能性がきわめて高いと考えている。化学兵器の使用は、いかなる場合でも許されない。シリア情勢悪化の責任は、人道状況の悪化を顧みないアサド政権にあることは明らかだ」と述べた。

シリアでは、アサド政権と反体制勢力の双方が化学兵器を使用した疑いをもたれているが、反体制勢力による使用が仮に事実だった場合、それはシリア情勢の悪化に原因があり、アサド政権に責任があることになる。

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国連安保理常任理事国5カ国は、シリアでの化学兵器使用疑惑に関して協議、英国が武力行使を認める決議案提出を求めた。

これに対して、ロシアと中国が反対の意思を示し、決議案提出は合意には至らなかった。

国連外交筋によると、英国の決議案は、「国連憲章第7章に基づき、化学兵器から市民を保護するため、必要なすべての措置を講じる」と明記し、武力行使を認めている。

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『タイムズ』(8月28日付)は、英政府当局者らの話として、21日のシリアでの化学兵器使用疑惑に関して、8月上旬のラマダーン明けに大統領家族が乗った車列に対する反体制武装集団の襲撃で護衛が殺害されたことの復讐として、共和国護衛隊のマーヒル・アサド准将が第4機甲師団の部隊を使って反撃を加え、その際に希薄の神経剤が使われたとの見方を示した。

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『ハヤート』(8月30日付)によると、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領とイランのフセイン・ロウハーニー大統領が電話会談し、シリア情勢について協議した。

この会談で両首脳は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃を国際法への「深刻な違反」と位置づけ、回避に向けて努力することを強調したという。

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『ハヤート』(8月30日付)によると、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣が、ヨルダン、クウェート、イタリア、スイス、ベルギー、スペイン、ギリシャ、フランス、アゼルバイジャン、アルジェリア各国の外相と電話会談し、シリア情勢について協議、シリアの紛争の政治的解決と安定回復のため、「すべての当時者による暴力停止と対話のイニシアチブを支持する」意思を伝えた。

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フランスの野党、民衆運動連合のフランソワ・フィヨン前首相は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して「アサド政権の化学兵器使用が国連によって証明されること」が前提だとしたうえで、「イラク先制の失敗を犯すべきでない」と警鐘を鳴らした。

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フランス社会党のドミニク・ド・ビルパン前外務大臣は米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、BFM(8月28日付)に「国際法上の根拠がなく、目標がはっきりしない介入に意味はあるのか?政治的解決を難しくするだけだ」と疑義を呈した。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチのケネス・ロス代表は声明を出し、化学兵器使用疑惑を根拠に米英仏が準備しているとされる軍事攻撃に関して、「支持・反対いずれの立場も取らない。しかし、いかなる軍事介入も、シリアの全ての民間人をさらなる残虐行為からどの程度守ることができるのか、という観点から判断されるべきであると考える」との立場を示し、国連の承認を経ずに断行される可能性のある軍事行動を拒否しなかった。

http://www.hrw.org/news/2013/08/28/statement-possible-intervention-syria

AFP, August 28, 2013、Champress, August 28, 2013、The Daily Telegraph, August 28, 2013、al-Hayat, August 29, 2013, August 30, 2013、Kull-na Shuraka’, August 28, 2013、Kurdonline,
August 28, 2013、Naharnet, August 28, 2013、The New York Times, August 28, 2013、Reuters, August 28, 2013、SANA, August 28, 2013、The Times, August 28, 2013、UPI, August 28, 2013などをもとに作成。

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米高官らが一転して化学兵器使用へのアサド政権の関与を断定するような発言を行うなか、同政権を罰してさらなる化学兵器攻撃を抑止することを目的とした攻撃が米英仏によって計画されていると報じられる(2013年8月27日)

諸外国の動き(化学兵器使用に関する国連調査団の動き)

国連のファルハーン・ハック副報道官は、化学兵器使用に関する国連調査団が、前日のムウダミーヤト・シャーム市に続いて、21日に化学兵器が使用されたという地域への調査を行う予定だったが、「準備レベルを改善し、チームの安全を確保するため」、28日に訪問を延期したと発表した。

反体制勢力の動き

リハーブ・ニュース(8月27日付)は、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立への合流などを骨子とする合意に両組織の代表が署名したと報じ、合意文書の全文を掲載した。

合意文書は16項目からなり、現体制打倒後の国名を「シリア・アラブ共和国」から「シリア共和国」とすること、憲法においてクルド人のアイデンティティと民族的権利を保障すること、クルド人に対するすべての差別的・例外的措置を廃止すること、シリア・クルド国民評議会がシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会(定数114人)に11議席を、政治委員会(定数19人)に2議席、そして副議長職1ポストを得ることなどが定められている。

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民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は『ハヤート』(8月28日付)に、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立への合流などを定めた合意に関して「合意は、クルド最高委員会とともになされない限り、我々はそれを受け入れない」と拒否し、合意署名に関して最高委員会で何らの協議もなされなかったことを明らかにした。

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東グータ軍事革命評議会を名のる反体制武装集団は声明を出し、「政権が東グータ地方を訪問すると、調査団メンバーの生命が危険に曝されると説得した…。調査団メンバーの一部と連絡をとり、政権がデマだと伝えた。評議会は調査団保護を完全に遵守する」と発表した。

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シリア国民評議会元事務局長のブルハーン・ガルユーン氏は声明を出し、「アサド体制への(米国などの)攻撃の準備がなされていることは疑う余地がない。しかし、今日、アンマンに集まっている国際社会の指導者に警告したい…。見せ物的な攻撃の類では、シリア国民へのアサドの復讐の新たな口実を与えるだけだ…。必要なのは(化学兵器使用への)処罰ではなく…現状を変えるための計画だ」と述べ、アサド政権打倒のために軍事力を行使するよう西側諸国に呼びかけた。

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シリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、化学兵器使用疑惑を受けた米英仏などによるシリアへの軍事攻撃を「シリアにおける前代未聞の独裁と犯罪を殲滅するための真の糸口」として支持し、ただちに実行するよう求めた。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がダマスカスで記者会見を開き、シリア軍が化学兵器を使用したとの米国などの主張はまったくの嘘だと強調した。

ムアッリム外務在外居住大臣はまた「自国民に対して大量破壊兵器を使う国は、世界中どこにもない」と述べ、化学兵器使用疑惑を否定した。

そのうえで「軍事攻撃が行われた場合、我々には二つの選択肢がある。降伏するか、あらゆる手段で自衛するかだ。後者の方がよい選択だ」と述べ、「シリアは「いいカモ(格好の餌食)」ではなく、自衛する術を持っている。我々はそのことで他の国の度肝を抜くだろう」と強調した。

さらにムアッリム外務在外居住者大臣は、国連調査団の調査延期に関して「昨日(26日)、調査団は二カ所目に向かいたいと述べ、我々は問題ないと応え、我々が制圧し彼らの安全を確保できる地域への立ち入りのための調整を行ってきた…。しかし今日、同地の武装集団が調査団の安全を保障することをめぐって(彼らどうしの間で)合意に達することができず、2カ所目への立ち入りができなり、明日に延期となった」と述べた。

諸外国の動き(その他)

『ワシントン・ポスト』は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、アサド政権を罰してさらなる化学兵器攻撃を抑止するのが目的で、期間と規模を限定した攻撃が検討されていると報じた。

Kull-na Shuraka', August 27, 2013
Kull-na Shuraka’, August 27, 2013

同報道によると、攻撃期間は2日程度で、巡航ミサイル(トマホーク)などによる化学兵器関連施設など軍事目標への攻撃が行われる可能性が高いという。

また同報道によると、バラク・オバマ大統領は、諜報機関の最終報告や米議会、さらには同盟国との調整に加えて、国際法のもとで軍事攻撃が正当化し得るかを見極めたうえで、最終判断を下すという。

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8月26日晩から27日にかけて、ヨルダンの首都アンマンで西側諸国軍参謀長が会談し、シリア情勢などについて協議した。

シリアン・エンジェルス(8月27日付)によると、会談には、米英仏独伊、カナダ、サウジアラビア、カタール、トルコの軍参謀長が出席、またシリア革命反体制勢力国民連立メンバーが、フランス、サウジアラビア、トルコの軍高官とともに、ヨルダン入りし、会談に参加した。

シリアン・エンジェルス(8月27日付)は、この会談で、西側諸国によるシリアへの軍事攻撃後に、共和国護衛隊元准将のマナーフ・トゥラース氏を司令官とする部隊をシリアに進軍させることなどが議論されたと報じた。

また会談では、西側のシリア攻撃後にシリアとイスラエルの交戦をいかに回避するかについても協議されたという。

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ジョン・ケリー米国務長官は国務省で記者会見を開き、シリア情勢への対応に関する声明を読み上げた。

この声明のなかで、ケリー国務長官は、アサド政権が化学兵器を使用したと一方的に断じたうえで、「責任をとらせなければならない」と述べた。

また「オバマ大統領は、化学兵器による無差別攻撃にどう対処するか、情報を総合して決断する」と付言した。

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チャック・ヘーゲル米国防長官は、BBC(8月27日付)に「軍事行動の準備はできている。大統領がいかなる決断をしても対応できるように(艦艇などを)配備した」と述べた。

またヘーゲル国防長官は「米国の諜報機関は近く、化学兵器使用がシリアの反体制勢力によるものではないだろうとの結論を下すだろう」との見方を示した。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は記者会見で「アサド政権が化学兵器を使用したことを疑う余地はほとんどない」と述べた。

カーニー報道官は、この根拠として、犠牲者の症状や現地での証言などをあげ、「良心と常識」から判断すると、アサド政権の使用は明らかだと強調、「追加情報」を今週中に発表すると付言した。

またシリアへの軍事攻撃については、「我々が検討している選択肢には政権交代は含まれない」としつつ、事態を放置すれば、「さらなる化学兵器の使用」と「国際規範の崩壊」を招き、「米国にとって脅威となる」と述べた。

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米政府高官によると、ホワイトハウスで安全保障担当の閣僚らによる会議が開かれ、シリア情勢への対応が協議された。

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『ハヤート』(8月28日付)などは、米国務省高官の話として、21日のシリアでの化学兵器使用疑惑への対応について西側諸国が協議中であることを踏まえ、28日にオランダのハーグで予定されていた、ジュネーブ2会議開催準備のためのロシア側との会合の延期を米側が決定したと報じた。

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ジョー・バイデン米副大統領は、テキサス州ヒューストンで講演し、シリアでの化学兵器使用疑惑に関して「誰が使ったかを疑う余地はない。シリアの政権だ」と述べた。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相は、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、「中東の戦争への関与とか、シリアをめぐる我々の姿勢の変化とか、紛争へのさらなる介入とは関係なく…、化学兵器と関係がある。その使用は誤りであり、世界はそのことに手をこまねいていてはいけない」と述べた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、シリア情勢に関して「シリアで無実の人々に毒ガスを使用するという卑劣な決定を下した者たちを処罰する準備ができている」と述べた。

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アラブ連盟はカイロで緊急代表会合を開き、シリア情勢について協議した。

会合終了時に採択された声明で、連盟は「化学兵器使用による醜い犯罪を非難し、拒否する」としたうえで、「この犯罪に関与した者を国際司法の場」で裁くことを呼びかけた。

そのうえで国連安保理に対して「自らの責任を果たし、対立を解消し、シリア政府に責任があるこの犯罪…の実行者に対して、必要な抑止的措置を行う」よう呼びかけた。

さらに「シリア国民が自衛を行うのに必要なあらゆる支援の提供、およびそのためのアラブ諸国と国際社会の協力」を主唱した。

しかしこの声明には、イラク、アルジェリア、レバノンが棄権した。

『ハヤート』(8月28日付)によると、イラク代表は化学兵器の使用そのものを非難しつつ、その責任追及については国連調査団の調査結果が明らかになってから行うべきと主張した。

またアルジェリア代表は「危機の政治的解決が理想的」と主張し、化学兵器を誰が使用したのかを限定することが先決だとの姿勢をとった。

レバノンは、シリア紛争への不関与政策という方針に基づき、決議採択を棄権した。

一方、サウジアラビアの代表は、国連安保理でのより強力な非難決議が必要だとしたうえで、「我々は、「見ざる、言わざる、聞かざる」の原則によって、シリア政府に殺戮停止は求めない。しかし、この犯罪を犯した者を至急、公正な法廷に立たせるべきだ」と述べた。

カタールの代表は「サウジアラビアの代表の言葉を全面支持する」としたうえで、アサド政権の責任を追及すべきだと述べた。

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サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣はジェッダで、アサド政権が化学兵器を使用したと断じたうえで、「シリア国民に対する人道的悲劇を停止させるため、国際社会は真摯で断固たる姿勢で臨む必要がある…。とくに、シリア政府はアラブのアイデンティティを失い、もはやいかなるかたちでも、アラブ性の心臓であり続けたシリア文明に属していない」と非難した。

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イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣が、テヘランを訪問中のジェフリー・フェルトマン国連事務次長(政務局長)と会談し、シリア情勢などについて協議した。

イラン外務省報道官によると、会談で、ザリーフ外務大臣は、西側諸国によるシリアへの軍事行動がシリアだけでなく、中東全体に悪影響を及ぼすと警鐘をならすとともに、反体制勢力が化学兵器を使用したとの証拠をロシアが国連安保理に提出したと明かし、西側諸国の指導者に充分な知性を示すよう求めた、という。

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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、シリア情勢に関して、「我々はシリアでの内戦の当時者ではないが、我々に対して攻撃の試みがなされたら、対応する。力で対処する」と述べた。

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イタリアのエマ・ボニーノ外務外務大臣は国会で「イタリアは国連の承認なしにいかなる軍事的解決にも参加しない…。限定的な介入が行われれば、無期限の介入になるかもしれない…。シリアの紛争に軍事的解決はない。唯一の解決策は対話による政治的解決だ」と証言した。

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キプロスのイオアニス・カスリーディス外務大臣は、国営ラジオ(8月27日付)に、米英仏が準備しているとされるシリアへの軍事攻撃に関して、キプロス駐留英軍が「基本的な役割を果たすことはない…。(在留英軍)基地が使用されるだろうとのいかなる公式の情報もない」と述べた。

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ロシア外務省によると、セルゲイ・ラブロフ外務大臣が、ジョン・ケリー米国務長官、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とそれぞれ電話会談し、シリア情勢について協議した。

外務省によると、ラブロフ外務大臣は、ケリー国務長官に対して、化学兵器の使用の有無に関して専門家が調査する必要があると伝える一方、ブラーヒーミー共同代表には紛争の政治的解決の重要性を強調したという。

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ABC(8月27日付)は、『ワシントン・ポスト』のウェブサイトがシリア電子軍のサイバー攻撃を受けて、閲覧不可能になったと報じた。

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(8月27日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(8月27日付)によると、アルバイン市、ハラスター市、フサイニーヤ町、フジャイラ村、スバイナ町、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、アッバーサ市、シャクハブ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、フダー青年旅団戦闘員、外国人戦闘員らを殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(8月27日付)によると、マーイル町、クファイン村、バヤーヌーン町、ハイヤーン町、タームーラ村、タルマーニーン村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ハッダーディーン村、サフィーラ市、フライターン市、マンスーラ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ダイル・ハーフィル市、ブザーア村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・サイード地区、マサルーン地区、サイイド・アリー地区、ジュダイダ地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月27日付)によると、タルビーサ市、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、タルビーサ市郊外、ラスタン市、タッルドゥー市、サアン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(8月27日付)によると、ムーリク市で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員らを殺傷し、拠点・装備を破壊した。

またスカイラビーヤ市に迫撃砲弾が着弾し、市民3人が死亡、4人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(8月27日付)によると、カフルナジュド村、アイン・バイダー村、アリーハー市、マアッラトミスリーン市、シュワイハ市、タッル・ダマーン村、カフルサジュナ市、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(8月27日付)によると、シャッダーディー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷し、拠点・装備を破壊した。

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スワイダー県では、クッルナー・シュラカー(8月27日付)によると、スワイダー市で若者ら約300人が、東グータ地域などでの化学兵器攻撃をアサド政権によるものと批判し、抗議デモを行った。

レバノンの動き

サラフィー主義者シャイフのアフマド・アスィール師はビデオ声明を出し、北部県トリポリ市での同時爆弾テロに関して「イラン・シリア陣営とその手先がこの犯罪の背後にいる。ないしは最重要容疑者だ」と断じ、ヒズブッラーに疑惑の目を向ける一方、「キリスト教徒たちに気をつけろと言おう。なぜなら、トリポリやダーヒヤで起きたような爆弾攻撃はあなたたちの街で起き、ナスルッラーが「安全な町などない。レバノン人はタクフィール主義者に対して自衛しなければならない」という自分の言葉を証明するかも知れないからだ」と述べた。

ABC, August 28, 1013、AFP, August 27, 2013、al-Hayat, August 28, 2013、Kull-na Shuraka’, August 27, 2013、Kurdonline, August
27, 2013、Naharnet, August 27, 2013、Reuters, August 27, 2013、Rihab News,
August 27, 2013、SANA, August 27, 2013、Syrian Angels, August 27, 2013、UPI,
August 27, 2013、The Washington Post, August 27, 2013などをもとに作成。

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民主統一党のムスリム共同党首がアサド政権に対する化学兵器使用の嫌疑を否定するなか、シリア・クルド国民評議会がシリア革命反体制勢力国民連立に合流することで合意(2013年8月26日)

反体制勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首はロイター通信(8月26日付)に「(ダマスカス郊外で)化学兵器を使用するほどアサド大統領はバカではない」と述べ、西側諸国や一部の反体制組織の嫌疑を否定した。

またムスリム共同党首は「毒ガス攻撃が反体制勢力によるものだと判明した場合、欧米は誰の責任も問わないだろう」と述べ、西側諸国のダブルスタンダードを非難した。

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シリア・クルド国民評議会のムスタファー・スィーヌー氏はリハーブ・ニュース(8月26日付)に対して、同評議会がシリア革命反体制勢力国民連立に合流することで合意したと述べた。

スィーヌー氏によると、評議会と連立は数日間にわたってトルコのイスタンブールで会合を重ね、現体制打倒後の国名を「シリア・アラブ共和国」から「シリア共和国」とすること、憲法においてクルド人のアイデンティティと民族的権利を保障すること、クルド人に対するすべての差別的・例外的措置を廃止することに文書で合意した。

またシリア・クルド国民評議会はシリア革命反体制勢力国民連立の総合委員会(定数114人)に11議席を得ることが合意された。

さらに、シリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長は『ハヤート』(8月27日付)に、連立政治委員会(定数19人)にもシリア・クルド国民評議会は3議席を獲得し、シリア・クルド民主党アル・パールティのアブドゥルハキーム・バッシャール書記長が連立副書記長に推挙されると述べた。

なお会合に参加したシリア・クルド国民評議会のメンバーは以下の通り:

アブドゥルハミード・ダルウィーシュ(シリア・クルド進歩民主党書記長)
アブドゥルハキーム・バッシャール(シリア・クルド民主党アル・パールティ・バッシャール派書記長)
イブラーヒーム・バッルー
ムスタファー・スィーヌー
フーシャンク・ダルウィーシュ
バフザード・イブラーヒーム(シリア・クルド国民評議会駐トルコ体表)

一方、シリア革命反体制勢力国民連立の代表は以下の通り:

ナディーム・ハキーム
アナス・アブダ
サーリム・ムスラト

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ロイター通信(8月27日付)は、複数の消息筋の話として、シリア革命反体制勢力国民連立の幹部がイスタンブールで西側諸国の使節団と会談、その際「アサド政権が再度化学兵器を使用できなくするための行動が数日中に行われると明確に伝えられた」と報じた。

連立幹部はまた、この通達とともに、ジュネーブ2会議の準備も同時に進めるとの西側諸国の意向を伝えられたという。

この会談に、連立側からは、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー代表が参加、西側諸国の使節団はロバート・フォード米大使らシリアの友連絡グループ11カ国の代表からなっていたという。

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シリア市民連合は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などでの化学使用の国連調査団による事実確認がなされていないなかで、西側が軍事行動を準備していることに懸念を表明しつつ、被害を最小限に抑えるため、大統領権限の副大統領への移譲、すべての当時者が参加したかたちでの移行期政府の樹立、軍・治安期間の改革などの実行を提言した。

シリア政府の動き

SANA(8月26日付)は、アサド大統領が『イズヴェスティア』のインタビューに応じたと報じ、その全文を公開した。

SANA, August 26, 2013
SANA, August 26, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「我々が行っていることの本質とは、テロリストの根絶である。我々が直面している問題とは…、シリア国外から多数のテロリストが、数万人、ないしはそれ以上がやって来て、彼らへの武器資金援助が続いているということだ。しかし我々の彼らに対する攻撃も続いている」。

「我々が今対決している者はその大部分が、アル=カーイダの思想を持ったタクフィール主義者と、若干の法律違反者が彼らとともに戦っている。どの地域が彼らの支配下にあって、どの地域が我々の支配下にあると話すことができないのはそのためだ」。

「世界のどこにも、国土全体に軍が完全に展開している国などない。テロリストはこうした状態につけ込んで、軍がいないあらゆる場所に入り込もうとする…。シリア・アラブ軍が、テロリストの入り込んだ地域に入り、彼らを殲滅できるかを実際に評価した場合、私はできると断言できるし、実際それを行っている。これには時間がかかる。なぜならこの種の戦争は突然終わることはなく、比較的長時間を要するからだ」。

「イスラエルとテロリストに協力関係があると言っているのは、イスラエル自身で、我々ではない。イスラエルはこれまでに何度も、数十人のテロリストを病院で治療していると発表してきた」。

「私がもし世界にメッセージを与えねばならないなら、こう言いたい。シリアが西側の操り人形になるだろうと夢見ている者がいるが、この夢は叶わない。我々は独立国家で、テロと戦うだろう」。

(ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの一部反体制勢力の主張に関して)「大国も含めて世界のどこにも、疑いをかけてから証拠を集める者などいるはずない。しかし実際には、彼ら(西側諸国)は水曜日に疑いをかけ、その2日後、米政府は証拠を集めるだろうと発表した…。自国の軍(と武装集団)が入り乱れている地域に、化学兵器、ないしは大量破壊兵器を使う国がどこにあるのか?これは知性や論理を逸脱している。それゆえこれらの嫌疑は、完全に政治化した疑惑なのだ…。米国、フランス、英国はそもそも、事実ではなく(自らの)主張を調査することでシリアに対抗しようとこの問題を利用するつもりだ。これに対して、我々は(国連調査団に)、噂ではなく、現地で実際に起きたことの調査を要求している」。

「みなにとって明白なのは、シリアで今起きているのが民衆の革命でも、改革要求でもなく、シリアという国家を破壊しようとするテロだということだ。(西側の指導者たちは)自国民に(軍事介入をする場合)何と言うのか?国家に対するテロを支援するために我々はシリアに行く、そう国民に説明するのか?…大国(西側)には戦争をする能力はあっても、勝利する能力はない」。

「ロシアは今日、バッシャール・アサド大統領を擁護しているわけでも、シリアという国家を擁護しているわけでもない…。ロシアは今、何よりもまず、100年にわたって自らが信じてきた諸原則を擁護している。その筆頭にあげられるのが、国家の独立性、内政不干渉だ」。

(S-300防空システムのロシアからの供与に関して)「自国が保有する武器や装備を発表できる国などない。それは国家や軍にとっての機密事項の一部とみなされるからだ。しかし、こう言いたい。ロシアと締結したすべての契約は現在、履行段階にある」。

「我々を支持してくれている国は国際的にも周知の通り、ロシア、中国、イランなどである。しかし国際社会には、よい変化が生じていると言いたい。シリアに激しく反対してきた国のなかにはそうした姿勢を変え始めた国があり、シリアとの関係構築を実質的に始動した国もある」。

「一方、テロを直接…支援してきた国もある。最初の2年間のカタールとトルコがそうだった…。資金供与に関して、今はサウジアラビアがカタールにとって代わっている…。サウジアラビアは資金以外何もない。資金以外に何も持たない者は文明を築くことはない」。

「ジュネーブ(2)大会のミッションとは、シリアで政治プロセスと政治的解決を支援することだが、政治的プロセスは外国のテロ支援が停止しなければ始められない。我々がジュネーブに期待しているのは、武器密輸の停止が外国人戦闘員の派遣停止などを通じて、シリアでのテロを支援している国に圧力を開始することだ」。

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マフムード・ズウビー情報大臣はマナール・チャンネル(8月26日付)で、今日シリアを脅迫する国々は「当初からシリアに対する敵対行為のパートナーとして経済制裁、テロリストへの武器供与、シリアへの集団潜入」を支援してきたとしたうえで、シリアへの敵対行為(軍事加入)はいかなる正当性もない、と述べた。

また「米国はシリア政府が化学兵器を使用した証拠を何一つ持っていない。なぜなら化学兵器を保有していたとしても、決して使用しないからで…、東グータに展開するテロ集団こそが行ったのだ」と強調した。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣はCNN(8月26日付)に対して「シリア政府が化学兵器を使用したとの嫌疑は大嘘だ。なぜならシリアには責任力のある政府がある一方、こうした噂を広め、非人道的な振る舞いをする無責任な敵が多数いるからだ。彼らこそが大嘘つきだ」と述べた。

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25日にハマー市で暗殺されたアナス・ナーイム県知事の葬儀が、同県で執り行われ、アサド大統領の代理としてアリー・ハイダルアリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣が参列した。

SANA(8月26日付)が報じた。

諸外国の動き(国連調査団をめぐる動き)

AFP(8月26日付)などによると、化学兵器使用に関する国連調査団(アキ・セルストロム団長ら12人)は、ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市内のラウダ・モスクや「野戦病院」と思われる施設を訪問し、治療を受けている住民らと面談、また負傷者や犠牲者からサンプルを採取した。

al-Hayat, August 27, 2013
al-Hayat, August 27, 2013

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国連のマーティン・ニスルキー報道官は、化学兵器使用に関する国連調査団の車列が、ダマスカス郊外県西グータ地方のムウダミーヤト・シャーム市に向かう途中、「何者か」に狙撃された、と発表した。

同報道官によると、この狙撃での死傷者はなかった。

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国連のファルハーン・ハック副報道官は、ダマスカス郊外県西グータ地方ムウダミーヤト・シャーム市に向かうと途中、化学兵器使用に関する国連調査団の車輌6台のうち1台が狙撃されたが、負傷者はなかったと発表した。

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国連の潘基文事務総長は、滞在先の韓国でビデオ声明を出し、化学兵器使用に関する国連調査団の車列が、ダマスカス郊外県西グータ地方のムウダミーヤト・シャーム市に向かう途中、「何者か」に狙撃された件に関して、シリア政府と反体制勢力双方に「強い不満」を示し、双方に調査団の安全を確保するよう改めて要請した。

また潘事務総長は、この狙撃にもかかわらず、21日に化学兵器が使用されたとされる地区の調査を国連調査団が行ったと発表した。

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国連によると、シリア政府および複数の反体制武装集団が国連調査団の訪問・調査中の停戦を約束していた。

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SANA(8月26日付)は、報道筋の話として、化学兵器使用に関する国連調査団の車列が、ダマスカス郊外県西グータ地方のムウダミーヤト・シャーム市に向かう途中、「武装テロ集団」に狙撃された、と報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、自由シリア軍最高軍事評議会司令部(参謀委員会)、各戦闘部隊司令部が、ムウダミーヤト・シャーム市入り口でアサド体制に属す人民諸委員会民兵が行った国連調査団に対する発砲を厳しく非難する」と発表した。

また「調査団を脅迫し、調査を阻止」しようとしていると非難し、同政権に調査団の安全確保の維持に努めるよう求める一方、住民に対して調査への全面協力を求め、また「戦闘部隊」に調査団の安全を充分保護するよう指示した。

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ロイター通信(8月26日付)は、化学兵器使用に関する国連調査団が滞在するダマスカス県中心部にあるフォー・シーズンズ・ホテル近くに迫撃砲弾2発が着弾し、複数名が負傷した、と報じた。

これに関して、SANA(8月26日付)は、手製の迫撃砲弾が着弾したと報じ、反体制武装集団による犯行と断じた。

一方、シリア人権監視団は、アブー・ルンマーナ地区に迫撃砲弾が着弾し、複数名が負傷したと発表した。

国内の暴力

ハサカ県では、クルド・オンライン(8月26日付)によると、民主統一党人民防衛隊は声明を出し、ラアス・アイン市近郊のタッル・ハラフ市、ジル・アーガー市、サファー村、カルフーク市での戦闘で、過去48時間に「傭兵」(外国人サラフィー主義戦闘員)43人を殲滅したと発表した。

一方、SANA(8月26日付)によると、ハサカ市西部郊外で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、国連調査団が調査のために入ったムウダミーヤト・シャーム市が軍の砲撃を受け、複数が死傷した。

またカフルバトナー町、ジスリーン町が軍の砲撃を受け、子供2人を含む6人が死亡した。

一方、SANA(8月26日付)によると、東グータ地方のハラスター市、アドラー市、アルバイン市、ダイル・サルマーン市、バハーリーヤ市、ズィヤービーヤ町、ハルブーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦する一方、ウマウィーイーン広場近くに迫撃砲弾複数発が着弾した。

一方、SANA(8月26日付)によると、バーブ・シャルキー地区のザイトゥーン教会周辺に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民1人が死亡、24人が負傷した。

また、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団が、反体制武装集団が軍との戦闘の末、ハナースィル市を制圧し、アレッポ市とハマー県サラミーヤ市を結ぶ街道を寸断、軍の兵站路を絶ったと発表した。

この戦闘により、軍と国防隊民兵53人と反体制武装集団の戦闘員16人が死亡した。

これに関して、『ワタン』(8月26日付)も「アレッポとそれ以外の県を結ぶ唯一の救援路であるハナースィル市・イスリヤー村街道が寸断された」と報じた。

同紙によると、この寸断に先立ち、外国人戦闘員などからなる約2,000人の戦闘員が街道沿線の複数の村々に潜入していた、という。

このほか、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がヌッブル市、ザフラー町を手製のロケット弾で攻撃した。

一方、SANA(8月26日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区で、軍がシャームの民のヌスラ戦線に対する特殊作戦を行い、フザイファ・モスク南部の建物多数を制圧し、複数の戦闘員を殺傷した。

またラーシディーン地区、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、マンスーラ村、バヤーヌーン町、フライターン市、マーイル町、アレッポ中央刑務所周辺、フマイマ村、ダイル・ハーフィル市、カフキーフ村、クワイリス村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷・逮捕、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍が未明からアリーハー市を空爆し、数十人が死傷した。

また軍はアルバイーン山、ラーミー村を空爆した。

一方、SANA(8月26日付)によると、ビダーマー町、ズアイニーヤ市、ムスィービーン市、アリーハー市、クーリーン市、ナイラブ村、マアッラトミスリーン市、カフルルーマー村、ヒーシュ村、ハーン・スブル村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、軍がカルアト・マディーク町、ダイル・ムハルダ検問所、サルハブ市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市、ダルアー市を軍が砲撃・空爆し、反体制武装集団側に複数の負傷者が出た。

一方、SANA(8月26日付)によると、ビイル・サビール市、ナワー市、ダーイル市、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団と交戦し、サウジアラビア人、エジプト人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クッルナー・シュラカー(8月26日付)は、5日にラタキア県バールーダ村の自宅で誘拐されたアラウィー派の聖職者バドルッディーン・ガザール師がシャームの民のヌスラ戦線に殺害されたと報じ、ユーチューブにアップされた映像の写真を公開した。

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ヒムス県では、SANA(8月26日付)によると、タドムル市東部地区および南部地区で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

また軍は、シャンダーヒーヤ村、ワーディー・ハワーラ、ヒルバト・ワーディー・ハワーラ、ジュッブ・ハラージュで、反体制武装集団の追撃を続ける一方、ヒムス市ムハージリーン区、タッルカラフ市への反体制武装集団の潜入を阻止した。

このほか、ヒムス市クスール地区、カラービース地区、バーブ・フード地区、カルヤタイン市、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、タッルカラフ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷・逮捕、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き(その他)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワで記者会見を開き、化学兵器使用疑惑を根拠にシリアに軍事介入する意思を示している英米仏に対して「軍事的介入や力を行使するとの脅迫をエスカレートすることに深刻な懸念」を示し、「G8での合意に反する」と非難した。

会見でラブロフ外務大臣は、21日に化学兵器が使用されたとされる地域への国連調査団の立ち入り調査をアサド政権が許可したことを米国高官が「遅きに失した」と一蹴したことに関して、3月のハーン・アサル村(アレッポ県)で反体制武装集団が化学兵器を使用したとのアサド政権の申し立てに際する西側の対応と「同じ言葉で話していない」と批判した。

またラブロフ外務大臣は、ロシアの専門家が現場から採取したサンプルを調査、その結果を国連に提出したことを明らかにしたうえで、「これらの証拠は西側が言っていることとは異なり、信頼できる」と主張した。

さらに「一部の犠牲者の映像は攻撃が起こる前に公開された…。負傷者の症状が化学兵器によるものでないと指摘する分析者もいる…。反体制勢力が外国から化学物質を受け取ったとの情報がある」と述べ、反体制勢力によるねつ造を疑った。

そのうえで「国連調査団が滞在し、政治プロセスが動きだそうとしているなかで、シリア政府が化学兵器を使用するメリットはない」と主張、政治プロセスを頓挫させようとする「大規模な情報キャンペーン」が行われていると非難した。

一方、米英仏の姿勢に関して「西側の真のねらいを理解することは困難だ…。体制を打倒することで内戦が終わると考えている者がいるとするなら、それは夢想家だ。なぜなら反体制勢力が政権を握ったとしても、役割が逆転するだけだからだ」と述べた。

また「ロシアはいかなる当時者にも戦争を行わない」としつつ、「西側は国際法に無関心で、勝者に道理があるという論理で対処しているようだ…。(シリアへの軍事介入は)国際法への体系的な違反になるだけでなく、道徳面でも悪いことだ…。気に入らないという理由だけで、ある国の独裁者と戦う一方、別の国の独裁者から目をそらすなどということはあってはならない」と付言した。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は英国のデヴィッド・キャメロン首相と電話会談し、シリア情勢について協議した。

英首相府によると、プーチン大統領は会談で、化学兵器による攻撃が行われた証拠も、誰がそれを行ったのかの証拠も持っていないとキャメロン首相に伝えた。

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チャック・ヘーゲル米国防長官は、訪問先のインドネシアでシリア情勢に関して「いかなる行動が決定されるにせよ、国際社会との調整のもと、法的正当性の枠組みのなかで行われるだろう」と述べた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣はBBC(8月26日付)に21日の化学兵器使用疑惑に関して、アサド政権の犯行と断じたうえで「国連安保理での全会一致がなくとも、化学兵器使用にできないのか」と自問したうえで、「人道的」な理由で行動することは可能だと述べた。

ヘイグ外務大臣は「我々は21世紀に、処罰されずに化学兵器が使用されることを許せない」をしつつ、「現時点で軍事的選択肢をとることはできない」とも述べた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアへの軍事介入の有無に関して、ヨーロッパ1ラジオ(8月26日付)に「まだ決定されていない。現時点で明らかなのは…化学兵器による虐殺が行われたという事実であり、この虐殺がアサド政権によるものだということだ。適切な対応と粛然とした行動が必要で、それは近日中に決定される」と述べた。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、『ミッリイイェト』(8月26日付)に「(国連調査団の)調査後に、国連は制裁について決定を下すべきだ。我々は常に国連および国際社会のもとで行動したいと考えてきた。しかし決定がなされない場合、別の選択肢がテーブルにのせられるだろう…。36~37カ国がこうした選択肢を検討している」と述べた。

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ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣はベルリンで「この(化学)兵器が使用したことが明らかになった場合、国際社会は行動しなければならない」と述べた。

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中国の王毅外交部長は、シリア情勢に関して「政治的解決のみがシリアの危機正常化をもたらし得る。すべての当時者は化学兵器に関する問題に慎重に対処し、介入を避けるべきだ…。最優先事項はジュネーブ2会議の開催だ」と述べた。

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菅義偉官房長官は、シリアでの化学兵器使用疑惑に関して、「(日本)政府として、重大な関心を持って注視するとともに、近く調査を開始する予定の国連調査団により、事実関係が早期に明らかにされることを期待している」と述べた。

また「化学兵器の使用はいかなる場合でも許されるものではなく、全ての暴力の速やかな停止に向けて、引き続き国際社会と連携をして外交努力を重ねていきたい」と強調した。

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PFLP-GCのアンワル・ラジャー報道官はAFP(8月26日付)に「(シリアへの)軍事攻撃が行われたら、それは実質的に我々に対する敵対行為だ。我々とシリアは…(イスラエルに対する)レジスタンス同盟のもとにある。我々はこの戦争(米英仏の軍事介入)をシリアとともに戦うだろう…。この戦いに遅れた者は、裏切り者であり、敵の共謀者だ」と述べた。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は、シリアへの英米仏の軍事介入の是非に関して「我々は今も昔も軍事行動に反対である。危機の平和的・政治的解決を希望してきた。なぜなら軍事的解決は危機の悪化をもたらすだけだからだ」としたうえで、「我々の立場は確固たるものだ…。我々はイラクの領空、領土が隣国に対する敵対行為に使用されることに同意しない」と述べた。

AFP, August 25, 2013、BBC, August 26, 2013、CNN, August 26, 2013、al-Hayat, August 26, 2013、Kull-na Shuraka’, August 26, 2013, August 27, 2013、Kurdonline, August 25, 2013、al-Manar, August 26, 2013、Naharnet, August 25, 2013、Reuters, August 25, 2013、Rihab News, August 26, 2013、SANA, August 25, 2013、UPI, August 25, 2013、al-Watan, August 26, 2013などをもとに作成。

SANA, August 26, 2013を参照。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主的変革諸勢力国民調整委員会のマンナーア在外局長は化学兵器使用疑惑について独自に調査していることを明かし「いかなるかたちの外国の軍事干渉」への拒否を改めて表明、シリア政府は「テロ集団の主張の嘘を明らかにするため」東グータ地方に国連調査団を受け入れることを決定(2013年8月25日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長はUPI(8月25日付)にダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの一部反体制勢力の主張に関して、国連調査団による調査を要求する一方、「数千人の犠牲者が出たなどと言えず、せいぜい500人の犠牲者リストが示されているだけだ。我々が現在持っているデータは、東グータ地方で使用された化学兵器は手製であることを示している。どの当時者が使用したかについて、我々は独自のデータをもって調査しており、性急に発表は行わない」と述べた。

そのうえで「いかなるかたちの外国の軍事干渉をも委員会は拒否し、祖国への敵対行為とみなす」と述べた。

また「我々は非シリア人戦闘員の即時退去と、すべての当時者への武器供与停止を要求している」と強調した。

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ラタキア県で武装闘争を行っているという反体制組織、活動家が共同声明を出し、高性能兵器が供与されなければ、シリア革命反体制勢力国民連立を集団脱会すると発表し、武器弾薬の供与を求めた。

共同声明に署名した組織・活動家は以下の通り:

ラタキア調整
クルド山地サルマー調整
ハッファ調整
ジャブラ・アドハミーヤ調整
ジャブラ地元調整諸委員会
ジャマール・ワルド(シリア革命反体制勢力国民連立メンバー)
ハーリド・マスブート(シリア革命反体制勢力国民連立メンバー)
ムスタファー・スフタ(シリア革命反体制勢力国民連立メンバー)
アナス・アルヌート(シリア革命反体制勢力国民連立メンバー)
ムハンマド・アドナーン・バディーウィー(シリア国民評議会メンバー)
イスマーイール・サーミー・ハーッジ・バクリー(シリア国民評議会メンバー)
ラーミー・カッラ・アリー(シリア国民評議会メンバー)
ハーリド・カマール(シリア国民評議会メンバー)
フィダー・マジュズーブ(シリア国民評議会メンバー)
アブドゥルハミド・サルワーヤ(シリア国民評議会メンバー)
ニウマーン・サブア・ライル(シリア国民評議会メンバー)

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「我らはみなシリア人」は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したと断じ、「もっとも卑劣な人道犯罪」と非難した。

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クルド・オンライン(8月25日付)は、「イスラーム主義集団」が、ダイル・ザウル県、アレッポ県、ラッカ県からのアラブ人避難民に対して、クルド人が多く住むハサカ県カーミシュリー市の土地を購入し、定住するよう奨励、資金援助を行っていると報じ、同地を「アラブ化」しようとしていると非難した。

シリア政府の動き

外務在外居住者省は声明を出し、シリア・アラブ共和国と国連は、アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表のダマスカスの訪問を受けて8月21日にダマスカス郊外で化学兵器が使用されたとされる場所に、アキ・セルストロム氏を団長とする国連調査団を受け入れ、即時に調査を実施することで合意したと発表した。

声明はまた、国連調査団の訪問・調査の日時がシリア政府との調整のもとになされると付言した。

またワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣がケイン上級代表との会談で「東グータ地方でシリア軍が化学兵器を使用したとするテロ集団の主張の嘘を明らかにするため、シリアが調査団に協力する用意がある」と伝えたことを明らかにした。

これを受け、国連は声明を出し、化学兵器使用に関する国連調査団が、化学兵器が使用されたとする地域で8月26日月曜日から調査活動を開始するため準備している」と発表した。

SANA(8月25日付)が報じた。

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、「外国そして米国の軍事介入が行われた場合、混乱などに代表されるきわめて危険な影響をもたらすだろう。そして一連の炎が中東全土を焼き付くことになろう」と警鐘を鳴らした。

また「国際情勢、地域情勢は、米国がシリアへの軍事攻撃に向かうことを許さない。シリアへの敵対行為は、いかなる当時者にとっても心地よいものとはならない。なぜなら国際社会や地域のバランスがあり、さらには現地における実際のデータがそれを裏づけているからだ…外国の軍事介入という理論はすでに破綻している。なぜならシリアは依然として現存しており、そこには自律的な制度、軍があり、友好国、同盟国があるからだ」と強調した。

SANA(8月25日付)が報じた。

国内の暴力

ハマー県では、SANA(8月25日付)によると、ハマー市ジャラージマ地区でアナス・ナーイム県知事の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、ナーイム県知事が死亡した。

またSANA(8月25日付)によると、ガーブ地方のラウダ・カラーマ街道で、軍がシャームの民のヌスラ戦線のロケット弾発射台を破壊した。

このほか、南北フワイジャ市、ジブリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷・逮捕、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区、ジャウバル区、カーブーン区を軍が地対地ミサイルなどで砲撃、またヤルムーク区では、軍とパレスチナ人の人民諸委員会が反体制武装集団と交戦し、双方に死傷者が出た。

また、アラビーヤ・チャンネル(8月25日付)は、ダマスカス軍事評議会が、サイイダ・ザイナブ町郊外で、ヒズブッラーとアブー・ファドル・アッバース旅団(イラク人)の戦闘員15人を殺害したと発表したと報じた。

一方、SANA(8月25日付)によると、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またザブラターニー地区、バーブ・シャルキー地区に迫撃砲弾が複数発着弾し、市民8人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、サイイダ・ザイナブ町郊外、フジャイラ村、リーマー地方、ザバダーニー市、ヤブルード市で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月25日付)によると、ザマルカー町ジャンクションを軍が完全制圧した。

またアイン・タルマー村、ハラスター市、ムライハ市、シャイフーニーヤ村、バハーリーヤ農場、ダイル・サルマーン市、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、ダーライヤー市、サイイダ・ザイナブ町郊外で、軍が反体制武装集団を追撃し、イスラーム旅団、ドゥーマー殉教者旅団、フダー青年旅団、ダルアーの楯大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市各所に軍が空爆を行った。

一方、SANA(8月25日付)によると、シャイフ・マスキーン市、ナワー市、ダルアー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イフスィム町、アリーハー市、マルイヤーン村、カフルラータ市、マガーラ村、ナフリヤー市、クーリーン市で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月25日付)によると、アリーハー市、ナフラ市、カフルナジュド市、クマイナース村、サラーキブ市、ハーン・スブル村、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、ヒーシュ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町、ズワイク村、ガマーム村を軍が空爆・砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ダマーン村、ハナースィル市、アッザーン山、クワイリス航空基地周辺で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

またアレッポ市ではバーブ街道地区、シャッアール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、カルム・ジャバル地区、サーフール地区で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月25日付)によると、ハンダラート・キャンプ、ワディーヒー村、ハーン・アサル市、ナイラブ村、マーイル町、バヤーヌーン町、マンスーラ村、クワイリス村、ジャブール村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、スワイカ地区、ザフラーウィー地区、アカバ地区、旧市街、サーフール地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月25日付)によると、ヒムス・タドムル街道で、軍がタウヒード旅団の車輌から大量の武器弾薬を押収した。

またヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ワルシャ地区、サアン村、カルアト・ヒスン市、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、ブルジュ・カーイー村、タッル・ザハブ町、バイト・ハッジュー市、アーミリーヤ市、ワーディー・マアスラーニー、シャンダーヒーヤ村で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに軍は、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区のワリード複合商業施設を制圧した。

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クッルナー・シュラカー(8月25日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国がジャズィーラ・チャンネルのウマル・ハシュラム特派員を逮捕したと報じた。

逮捕の日時、場所は明らかにされていない。

諸外国の動き

ロイター通信(8月25日付)は、化学兵器が使用されたとされる東グータ地方などへの国連調査団の受入をシリア政府が認めたことに関して、米政権高官が「遅きに失した」と批判、「複数の公式筋や米国および友好国の諜報機関が集めた証言など…から、現段階でシリア政府が民間人に化学兵器を使用したことは間違いないと言える」と一蹴したと報じた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は英国のデヴィッド・キャメロン首相、オーストラリアのケヴィン・ラッド首相とシリア情勢について会談した。

会談後、オランド大統領は「一連の証拠は、8月21日の攻撃が化学兵器によるものだということを示すようになっている。シリア政府に筆舌に尽くしがたいこうした行為の責任があるとの確信にすべてものが導いている」と述べた。

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イラン・イスラーム革命防衛隊のマスウード・ジャザーイリー副参謀長は声明を出し「シリア戦線ラインをワシントンが踏み越えれば、ホワイトハウスにその結果は及ぶだろう」と警鐘を鳴らした。

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ロシア外務省報道官は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、西側諸国が「国連調査団に調査結果をあらかじめ押し付けようとして、シリアでの軍事行動を可能にしようとしている」と非難、「米国に対して強く過去の過ちを繰り返さず、国際法に違反しないよう求める…。国連を無視した単独軍事行動はさらなる事態の悪化をもたらす」と警鐘を鳴らした。

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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「我々は先人の教えを思い出す。それは自分たちで守らなければ、誰が自分たちを守るのか、という言葉である…。我々は国民と国家をどのように守るか知っている。これこそが政府が躊躇することなく、責務をもって行ってきた原則であり、それは続くだろう…。続けざるを得ないだろう」と述べた。

またシモン・ペレス大統領はエルサレムでフランスのローラン・ファビウス外務大臣との会談に先立って「シリアの化学兵器を完全に排除するための国際的な試みが行われる時が来た…。それはきわめて複雑で、負担が大きいが、さらに負担が大きく、そして危険なものになろう」と述べた。

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『ハヤート』(8月26日付)は、複数の反体制勢力筋の話として、アラブ湾岸諸国が400トンの武器を供与したと報じた。

この武器供与は2011年3月以降最大規模で、トルコのハタイ県経由で25日に搬入され、配給が開始されたという。

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ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣がエジプトのナビール・ファフミー外務大臣とアンマンで会談した。

会談後、ジャウダ外務大臣は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、「恐るべき殺戮」と非難、責任の所在を追求する必要があるとしたうえで、シリアの紛争の政治的解決を支持するとの姿勢を改めて強調した。

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ローマ法王フランシスコはダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、ミサの後に「対立ではなく、対話こそ問題の解決に向けた希望の地平を開くものである」としたうえで、「数日前に放映された恐るべき光景は、私に今一度、武器を求める声を沈黙させるための声をあげさせる」と述べた。

AFP, August 25, 2013、Alarabia.net, August 25, 2013、al-Hayat, August 26, 2013、Kull-na Shuraka’, August 25, 2013、Kurdonline, August
25, 2013、Naharnet, August 25, 2013、Reuters, August 25, 2013、SANA, August
25, 2013、UPI, August 25, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ムアッリム外相が化学兵器攻撃を「タクフィール主義者による犯罪」と断じるなか、ダマスカス県ジャウバル区での戦闘で軍兵士多数が窒息などの中毒症状を訴えたと報じられる(2013年8月24日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(8月25日付)によると、ラタキア県で活動するファトフ・ムビーン旅団のマーズィン・クナイフィダ司令官が、自由シリア軍合同司令部軍事評議会を辞任した。

「ラタキア県郊外での最近の戦闘で、旅団に何らの軍事支援も行われなかった」ことが辞任の理由だという。

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クッルナー・シュラカー(8月24日付)によると、反体制活動家のタウフィーク・ドゥンヤー氏とバッサーム・ユースフ氏がシリア革命反体制勢力国民連立から脱会した。

ドゥンヤー氏とユースフ氏はいずれもアラウィー派で、ドゥンヤー氏は「シリアキリスト教徒平和機構」諮問評議会メンバー。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はイスタンブールでトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣と会談した。

会談後、ジャルバー議長は「国連調査団は今、シリアに、そしてダマスカスにいる。我々は同調査団にダマスカスから2キロしか離れていない現場に向かって欲しい」としたうえで、「シリア国民を保護するため飛行禁止空域と安全地帯を設置」するようトルコ側に求めたことを明らかにした。

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クッルナー・シュラカー(8月24日付)は、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース議長が、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長とイスタンブールで記者会見を開き、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、8月8日のダマスカス県での反体制武装集団によるアサド大統領の車列への攻撃への報復だと断じた。

イドリース参謀長はまた、車列の攻撃で空軍情報部長のジャミール・ハサン少将が負傷したと主張した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、レバノン北部県トリポリ市のモスクでの同時爆弾テロ(23日)、ベイルート郊外ダーヒヤでの自爆テロ(15日)に関して、「犯罪者体制が炎上をもくろむ内乱計画の様相」を帯びていると断じ、アサド政権が事件の背後にいると主張した。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、マヤーディーン・チャンネル(8月24日付)に「化学兵器使用はタクフィール主義者による犯罪であり、ダマスカスは国連と協力している…。ダマスカスが化学兵器を使用したという主張は、シリア国民と政府に対する新たなごまかしだ」と述べた。

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シリアのウムラーン・ズウビー情報大臣は、シリア・アラブ・テレビ(8月24日付)のインタビューで「我々はグータ地方であれ、シリア国内のそれ以外の地域であれ、いかなる化学兵器も決して使用していない」と述べた。

国内の暴力 

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区を軍が空爆し、反体制武装集団と交戦したほか、ヤルムーク区を砲撃した。

SANA, August 24, 2013
SANA, August 24, 2013

一方、SANA(8月24日付)は、高官筋の話として、ジャウバル区で軍が反体制武装集団との交戦中に、軍兵士多数が窒息などの中毒症状を訴えたと報じた。

同高官によると、「武装テロ集団が化学兵器を使用した」ことによる症状だという。

その後、軍はジャウバル区内の反体制武装集団の武器庫を制圧し、「サウジアラビア製」、カタール・ドイツ製薬会社」と書かれた缶のなかに保管されていた有毒ガスを押収したという。

これを受け、軍武装部隊総司令部は声明を出し、ジャウバル区での戦闘で、軍が化学物質製造に用いられる原材料、ガス・マスク、解毒に使われる薬品を押収したと発表、「武装テロ集団が国民と軍に対して化学兵器を使用し、外国の関与のもと化学兵器使用に必要なすべてが供与されることを示す」との見解を示した。

このほか、SANA(8月24日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アイン・タルマー市、スバイナ町を軍が空爆し、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月24日付)によると、ドゥーマー市、ランクース市郊外、ヤブルード市、アドラー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シャーム自由人大隊とシャームの鷹旅団は声明を出し、アリーハー市南部入り口のトンネル、丘陵地と、同市南西部入り口の公園施設、同市北部のカフルナジュド橋検問所を制圧したと発表した。

これに関して、シリア人権監視団は、反体制武装集団がイドリブ市に1週間におよぶ攻撃で、同市およびその周辺地域をほぼ完全に制圧したと発表した。

これに対して、軍は、アリーハー市および周辺地域を空爆し、3人が死亡したほか、カフルラーター市、ラーミー村に対しても砲撃を行った。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、山間部での軍が反体制武装集団と交戦し、戦闘員3人を殺害した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、グータ地区に対して、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月24日付)によると、ヒムス市クスール地区、ワーディー・サーイフ地区、ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、サアン村、ガントゥー市、ダール・カビーラ村、バイト・ハッジュー市、アーミリーヤ市、キースィーン市、ブルジュ・カーイー村、タルビーサ市、ガジャル・ラスタン街道、タドムル市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・ラムラ村、タッル・アトマーン村検問所で、軍と反体制武装集団が交戦し、またアシャーリナ村では、子供1人が死亡、複数の兵士と国防隊戦闘員が負傷した。

またカフルズィーター市が砲撃を受け、複数人が負傷する一方、反体制武装集団はサルハブ市の軍検問所を襲撃した。

一方、SANA(8月24日付)によると、サルハブ市に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、4人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市各所、ナワー市、タッル・シハーブ町、タスィール町、ウンム・マヤーズィン町、ナスィーブ村を軍が空爆し、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月24日付)によると、ブスラー・シャーム市、ダルアー市、ムザイリーブ町、タッル・シハーブ町、バサーラ市、タファス市、ダーイル・タファス農道、ナワー市、フラーク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(8月24日付)によると、ウンム・トゥワイナ村、ハサカ市北部入り口で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

クルド・オンライン(8月26日付)によると、ハサカ市で何者かがクルド人活動家3人を襲撃、負傷させた。

諸外国の動き

チャック・ヘーゲル米国務長官は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、記者団に対し「国防総省は大統領がいかなる選択肢を選んでも対応できるよう、部隊や軍備を配置する責任がある」と述べ、オバマ大統領から軍事的な選択肢を示しよう指示されたことを明らかにした。

またロイター通信(8月24日付)によると、米軍は地中海から帰還予定だった巡航ミサイル(トマホーク)搭載の駆逐艦1隻の帰任を延期し、シリア西方の海域に追加配備すると報じた。

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イスラエル国営ラジオ(8月24日付)は、複数の消息筋の話として「シリアでの米軍の作戦は、アサド政権の崩壊をめざすものではなく、空と海からのミサイル攻撃に限定されることになろう」と報じた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、ヨルダン川西岸ラーマッラー市でのパレスチナ自治政府のラーミー・ハムドリッラー首相と会談した。

会談後、ファビウス外務大臣は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「我々が持っているすべての情報は、ダマスカス郊外で化学兵器による虐殺が行われたことを確証させ、アサド政権がその背後にいることを示している」と断じた。

そのうえで「(化学兵器使用に関する)国際調査団が至急、現場に向かうことができるよう求める…。アサド政権に隠すものがなければ、調査を直ちに行わせよう」と述べた。

『ハヤート』(8月25日付)が報じた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は支持者を前に演説し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、「殺人独裁者のアサドがそれ以外の虐殺と同様、それ(化学兵器使用)を犯した張本人だ」と述べた。

『ハヤート』(8月25日付)が報じた。

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イラン外務省のアッバース・アラークジー報道官は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、「シリアでの化学兵器使用に関する情報を非常に懸念している。我々は、こうした兵器の使用を厳しく非難する…。テロ集団がこうした行為を行った複数の証拠がある」と述べた。

またアラークジー報道官は「シリアへの軍事介入は国際社会において承認されていない。我々は地域におけるさらなる緊張以外の何ものをも後押ししないあらゆる行動、発表に警鐘を鳴らす」としたうえで、「米国首脳の挑発的発言や戦艦の(シリア沖への)派遣は、事態正常化にまったく資さず、地域情勢をさらなる危険に陥れるだけだ…。イランはこれまでに何度も、軍事的解決は不可能だと発表してきた」と強調した。

『ハヤート』(8月25日付)が報じた。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して懸念を表明、国連調査団による調査を求めた。

『ハヤート』(8月25日付)が報じた。

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国境なき医師団は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、現地で活動する医療スタッフからの情報として、神経ガスを受けた際の症状を抱える約3,600人の患者を同県の医療施設3カ所が受け入れ、うち355人が死亡したと発表した。

声明によると、患者が収容されたのは21日朝。

国境なき医師団はシリア北部においてスタッフを派遣し、医療活動を行う一方、治安上の理由からスタッフを派遣できない地域については、現地の医療ネットワークに医薬品、技術サポートなどを提供している、という。

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レバノン訪問中のオーストラリアのボブ・カー外務大臣は、23日のレバノン北部県トリポリ市のモスクでの同時爆弾テロに関して、「ヒズブッラーや、アル=カーイダ、ヌスラ戦線といった過激集団がシリアの紛争に参加したことで、レバノンの安定に影響が及ぶ」と述べた。

NNA(8月24日付)が報じた。

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イスラーム・マグリブ諸国のアル=カーイダ機構は声明を出し、23日のレバノン北部県トリポリ市のモスクでの同時爆弾テロに関して、ヒズブッラーの犯行だと断じた。

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バラク・オバマ米大統領は、国家安全保障会議を開き、ジョー・バイデン副大統領、チャック・ヘーゲル国防長官らとシリア情勢への対応を協議した。

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バラク・オバマ米大統領は英国のデヴィッド・キャメロン首相と電話で会談し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張について協議した。

英国首相府によると、会談において両首脳は「深刻な懸念」を示し、化学兵器使用が事実であれば「国際社会による重大な対応」とることを確認した。

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イスラエルのテレビ・チャンネル2(8月24日付)は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、ダマスカス県郊外県西部の山岳部にあるシリア軍第4機甲師団所属の第155旅団の基地から、化学兵器が発射されたとのレポートを報じた。

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アゼルバイジャンのニュース・サイト「トレンド」(8月24日付)によると、8月24日から25日にかけて、トルコ人のハッカーがSANAのサイトにサイバー攻撃を行い、同サイトは一時視聴できなくなった。

同報道によると、このサイバー攻撃は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に呼応した抗議行動だという。

AFP, August 24, 2013、Champress, August 24, 2013、al-Hayat, August 25, 2013, August 26, 2013、Kull-na Shuraka’, August 24, 2013, August
26, 2013、Kurdonline, August 24, 2013, August 26, 2013、al-Mayadeen, August
24, 2013、Naharnet, August 24, 2013、NNA, August 24, 2013、Reuters, August
24, 2013、SANA, August 24, 2013、Trend.az, August 24, 2013、UPI, August 24,
2013などをもとに作成。

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自由シリア軍参謀委員会傘下の複数組織が共同ビデオ声明を出し「国連における公正な調査と政権の処罰がなされない限り安保理各国への協力を停止する」と脅迫、シリア革命反体制勢力国民連立は国連調査団が早急に化学兵器使用疑惑の現場に来る必要性を主張(2013年8月23日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍(参謀委員会)の北部戦線、東部戦線、中西部戦線、ヒムス戦線の司令官らと、複数の軍事評議会、活動家は共同ビデオ声明を出し、国連で公正な調査と、政権の処罰がなされない限り、安保理各国への協力を停止すると発表した。

また、イスラーム諸国、アラブ諸国の指導者がシリア国民の被害にふさわしい支援を行わなければ、辞任すべきだとしたうえで、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長も彼らとともに辞任すべきだと主張した。

http://www.youtube.com/watch?v=H92m-sshKxI&feature=player_embedded

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イスラーム旅団は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を断じたうえで、国連調査団による攻撃現場の調査を主張するとともに、ダマスカス県およびダマスカス郊外県の「解放区」での調査団活動と団員の安全を保証すると発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立政治委員会メンバーのファーイズ・サーラ氏は『ハヤート』(8月24日付)に、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が米仏、トルコ、カタール、UAEなど西側諸国の外相との電話会談で、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「虐殺に対する国際社会の反応は、犯罪の規模に見合ったものではない」と批判、「虐殺に対して明確な姿勢がとられない限り、ジュネーブ2会議に出席することはできない」と告げたと述べた。

またサーラ氏は、アサド政権による化学兵器使用に疑義を呈したヴァチカンの在スイス常駐代表の発言に関して「この発言が、国際社会の一部の当時者がシリア政府と共謀していることの証拠になるか?…ヴァチカンの姿勢は政治と道徳の世界の外にある」と批判した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・サーリフ報道官はトルコのイスタンブールで記者会見を開き、「我々は(化学兵器使用に関する)国連調査団の安全を保証する。調査団は東西グータに48時間以内に来る必要がある」と述べた。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、国際社会の対応の鈍さを批判した。

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シリア化学兵器問題文書事務所(独立系NGO人権団体)は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、報告書を発表、そのなかで、攻撃にサリン・ガスが使用された可能性が高いと発表した。

同事務所によると、無差別攻撃は21日午前2時25分に開始され、これまでの調査で1,228人が死亡、うち760人の氏名が確認されたという。

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シリア民主人民党は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器をアサド政権が使用したと断じたうえで、国際社会に追求するよう求めた。

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シリア人権監視団は声明を出し、軍が16日にアレッポ市カッラーサ地区を空爆し、市民61人が殺害されていたと発表した。

被害者のうち15人は子供だという。

この攻撃に関して、軍は武装集団の拠点を攻撃したと発表していたという。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(8月23日付)によると、アサド大統領は、マイムーン・イッズッディーン判事をテロ法廷の裁判長に、またムハンマド・ナースィル判事を同法廷顧問に任命した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、バルザ区、ジャウバル区で軍と反体制武装集団が交戦、ヤルムーク区などが軍の砲撃を受けた。

またカッサーア地区のフランス病院裏に迫撃砲弾が着弾した。

こうしたなか、PFLP-GCは、ヤルムーク区の住民および戦闘員に対して、パレスチナ人の人民諸委員会が突入する前に同地区(パレスチナ難民キャンプ)から退去するよう拡声器で、呼びかけた。

一方、SANA(8月23日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカッサーア地区、バーブ・トゥーマー地区、ファハーマ地区に迫撃砲弾が着弾し、女性1人を含む7人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サクバー市、タルフィーター村、ドゥーマー市、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月23日付)によると、アルバイン市、ザマルカー町、アイン・タルマー村、シャイフーニーヤ村、ハラスター市、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、フジャイラ村、バービッラー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、スバイナ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム・ムジャーヒディーン大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥッハーニーヤ地方、ジャルマーナー市で、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、4人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市内の軍検問所で反体制武装集団が車爆弾を爆発させ、多数の兵士を殺害した。

これに対して、軍はダルアー市、ナワー市を空爆、またハーッラ市などで、反体制武装集団と交戦、これにより市民7人と複数の兵士が死亡した。

一方、SANA(8月23日付)によると、ダルアー市、ヒルバト・ガザーラ町に向かうガーリヤ街道、(東)カラク村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ダブラーン地区ダール・カビーラ村、カルアト・ヒスン市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月23日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ヒルバト・ナイーマート地方、ヒルバト・バアユーン地方、ヒルバト・ハワーラ地方、タドムル市郊外、東ブワイダ村、ダール・カビーラ村、ターヌーナ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が軍との戦闘で、軍の士官2人を含む多数の兵士を殺傷、カルバーティーヤ村、ラシャーディーヤ村を制圧した。

これに関して、『ハヤート』(8月24日付)は、複数の反体制消息筋の話として、反体制武装集団が制圧したアレッポ市郊外の村が8村から13村に増加、またアブドゥルカリーム・マフルーフ大佐を含むシリア軍兵士200人を殺害した、と報じた。

このほか、シリア人権監視団によると、ダイル・ハーフィル市、バヤーヌーン町を軍が空爆、またサフィーラ市郊外の村の井戸で5人の遺体が発見された。

一方、SANA(8月23日付)によると、ダイル・ハーフィル市、マーイル町、フライターン市、カフルハムラ村、カフルダーイル村、ジュバイラ市、ハーン・アサル村、クワイリス村、フライターン市・アナダーン市街道、アレッポ中央刑務所南部、カースティールー街道、カフルナーハー・アウラム・クブラー街道、アターリブ・アウラム・クブラー街道で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、シャッアール地区、ブスターン・カスル地区、サーリヒーン地区、旧市街、ラーシディーン地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、シャーム・プレス(8月23日付)は、アレッポ市ブスターン・カスル地区で、シャリーア委員会のブスターン・カスル地区にあるカラージュ・ハジュズ検問所の「司令官」が殺害されたのを受け、同委員会が検問所を封鎖したと報じた。

「司令官」は21日からの軍とシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団との戦闘のなかで殺害されたという。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ユースフィーヤ村、カルフーク村で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線は両村に砲撃を行った。

一方、SANA(8月23日付)によると、タッル・タムル町で軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市郊外の村々で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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イドリブ県では、SANA(8月23日付)によると、ブカフルーン市、ビンニシュ市、マアッラト・ヌウマーン市、ヒーシュ村、アブー・ズフール市、アリーハー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

LBCI(8月23日付)は、レバノン赤十字社が、ダマスカス郊外県東グータ地方などで化学兵器による攻撃の被害を受けたとされるシリア人患者1人が、22日深夜にベカーア県西ベカーア郡のジーブ・ジャニーン村のファルハート病院に搬送されたと発表した、と報じた。

レバノンの声(8月23日付)によると、患者の氏名はアフマド・ウバイド氏。吐き気の症状があり、病院に搬送されたという。

しかし、ジャディード・チャンネル(8月23日付)によると、ウバイド氏は、医師たちが血液検査によって有毒ガスの使用の確認するまえに、病院を逃走した、という。

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ジャディード・チャンネル(8月23日付)によると、レバノン軍はベカーア県ハースバイヤー郡クファイル村で、ガス・マスクや関連機器を積んだトラックの運転手を逮捕、積荷を押収した。

同チャンネルによると、逮捕された運転手(シリア人)は、イスラエルが占領しているゴラン高原のヘルモン山を経由して、シリアの反体制勢力にガス・マスクなどを供与しようとしていたという。

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イスラエル軍は、前日のイスラエル領内へのロケット弾攻撃への報復として、南部県サイダー郡ナアマ市にあるPFLP-GCの基地を空爆した。

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AFP(8月23日付)によると、北部県トリポリ市内のモスク2カ所で同時爆弾テロが発生し、42人が死亡、500人以上が負傷した。

爆発は金曜礼拝直後に発生し、1発目の爆弾は、ナジーブ・ミーカーティー暫定首相邸に近い市の中心で、2発目は港の近くで爆発した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領はダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、CNN(8月23日付)に「我々が目にしたものが示しているのは、これが重要な出来事で、深刻な懸念をもたらすということ」と述べた。

しかし「もし米国が国連の承認や、明白な証拠なしに他国を攻撃したら、国際法がそれを認めるのかという問いが生じる。こうしたことを成功させるのに必要な同盟が我々にはあるだろうか?」と述べ、軍事介入には引き続き慎重な姿勢を示した。

そのうえで「シリア情勢は宗派間構想も絡み、複雑で、米国なら解決できるという認識は少し過大評価だ」と付言した。

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ロイター通信(8月23日付)は、複数の治安筋の話として、シリア軍がダマスカス郊外県東グータ地方などで、「化学兵器を使用した」との「暫定調査結果」を欧米の諜報機関がまとめたと報じた。

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ロバート・モラー米FBI長官はABC News(8月23日付)のインタビューで、アフガニスタンやパキスタンで始まったテロの脅威が、シリア、リビア、エジプト、イエメンに「移住」したとしたうえで、「これらの地域(シリアなど)に移動する人々を見たら、彼らが作り出すだろうつながりや、彼らが得るであろう経験に懸念を感じるだろう。彼らがもしこうしたつながりや経験を活用し、国(米国)を攻撃したらどうなるだろう」と述べ、懸念を表明した。

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イギリスのウィリアム・ヘイグ外務大臣はテレビのインタビューで「化学兵器の攻撃はアサド政権が広範に行ったと考えているが、国連がその調査を行うことを望んでいる…。唯一可能な解釈は化学兵器による攻撃で…、狭い地域で大規模な犠牲者が出たことの合理的解釈は他にはない」と述べた。

また「もし数日中に調査が行われなければ…、より強力な承認を求めるため安保理に戻る準備がある…。アサド政権には隠し事があるようだ。そうでないなら、なぜ国連調査団が現場に向かうことを認めないのか?」と付言した。

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ロシア外務省は声明を出し「シリアに敵対的な新たなプロパガンダが波及するなか、一部の押収諸国が安保理に訴え、力を行使するための決議の採択を呼びかけることは容認できないと考える」との意思を示した。

そのうえで、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「明らかな挑発行為」で、国連調査団の「客観的な調査実施を阻止」しようとするものだと批判した。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は報道官を通じて声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、ジュネーブ2会議開催の必要を示すものだと述べた。

声明ではまた「問題は、この内戦に関与するすべての当時者が軍事的勝利を実現できると考えていることにある…。しかしいかなる当時者も優位になることはない。政治的解決以外にない」と警鐘を鳴らした。

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国連難民高等弁務官事務所は声明を出し、シリアの紛争で周辺諸国などに逃れた避難民のうち、18歳未満が100人以上にのぼったと発表した。

このうち4分の3以上は10歳以下の子供だという。

AFP, August 23, 2013、Champress, August 23, 2013, August 24, 2013、CNN, August 23, 2013、al-Hayat, August 24, 2013、al-Jadeed, August 23, 2013、LBCI, August 23, 2013、Kull-na
Shuraka’, August 23, 2013、Kurdonline, August 23, 2013、Naharnet, August
23, 2013、Reuters, August 23, 2013、SANA, August 23, 2013、UPI, August 23,
2013、Voice of Lebanon, August 23, 2013などをもとに作成。

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ダマスカス郊外県で実行されたとされる化学兵器攻撃について、米国が情報の真偽や実行当事者について断定を避けるなか、フランスやトルコはアサド政権の犯行をほぼ推定しつつこれを非難(2013年8月22日)

反体制勢力の動き

シリア人権監視団は、21日にダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、170人の死亡を確認したと発表した。

うち女性は30人と子供14人を含む109人が東グータ地方で死亡、また女性4人と子供11人を含む61人がムウダミーヤト・シャーム市で死亡したという。

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『ハヤート』(8月22日付)によると、自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー中央広報担当官は、21日にダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、1,729人の死亡を確認したと発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマアド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、フランスのローラン・ファビウス外務大臣、ロバート・フォード駐シリア米大使らと電話で会談し、シリア情勢について協議した。

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『ハヤート』(8月23日付)によると、シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は、21日にダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「化学兵器や有毒物質を戦闘で使用しても(パワー・)バランスに変化は生じない…。もし政権が化学兵器による虐殺を実行したとしても、武装集団がシリア人のなかで道徳的・政治的優位を得ることはない。逆も然りだ」と批判した。

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『ハヤート』(8月23日付)によると、野党の祖国シリア党のマジド・ニヤーズィー書記長は、21日にダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「事実から明らかなのは、これらの子供たちが絞殺されたか、毒ガスで殺されたか、あるいは別の手段で殺されたということだ」としたうえで「事実から明らかなのは、これらの子供たちの殺害が8月21日以前、すなわち反体制勢力がの(ホーム)ページで(ビデオが)公開された日付(20日)に行われたということだ」と述べた。

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アラブ社会主義者運動アブドゥルガニー・アイヤーシュ派はカイロで声明を出し、シリア軍がダマスカス郊外県の東グータ地方などを化学兵器で攻撃したと断じ非難する一方、国際社会の沈黙を指弾した。

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クッルナー・シュラカー(8月22日付)は、ダマスカス郊外参謀委員会代表のムハンマド・シャッアール氏がシリア革命反体制勢力国民連立を脱会したと報じた。

連立が「愛国的義務を果たしていない」のが脱会の理由だという。

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民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、『ハヤート』(8月23日付)に、8月半ばのトルコ訪問に際して、トルコの高官やシリア革命反体制勢力国民連立の代表と会談し、サラフィー主義者への対応や反体制勢力の統合などについて協議したことを明らかにした。

ムスリム共同党首によると、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国などサラフィー主義者への対応に関して、トルコの「非公式団体」がこれらの組織に支援を行っていることの「証拠」を持っていることをトルコ側に伝え、対応を求めた。

これに対して、トルコ側は「アル=カーイダに近いヌスラ戦線はアンカラの敵」との姿勢を示したという。

またシリア革命反体制勢力国民連立の代表との会談において、ムスリム共同党首は、サラフィー主義者の一部が自由シリア軍に参加・支援していることを伝え、彼らを「孤立」させ、その「本性を暴露する」よう求めたが、連立の代表は「彼らは我々の統制下にない」と消極的な姿勢を示したという。

一方、反体制勢力の統合に関して、ムスリム共同党首は、民主統一党が民主的変革諸勢力国民調整委員会の発足メンバーであり、ジュネーブ2会議に参加するため、同委員会、シリア革命反体制勢力国民連立、クルド最高会議が参加したかたちでの使節団の設置し、反体制勢力の統合をめざしていると述べた。

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市民権潮流は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、「すべての兆候が野蛮なシリア政府による犯行だと疑わせる」としたうえで、国連調査団による調査を要求した。

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シリア・ヤズィーディー評議会なる組織が声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したと断じ、「もっとも人道犯罪」と非難した。

シリア政府の動き

SANA(8月21日付)によると、ワリード・ムアッリム外務在外居住大臣は、シリアの紛争をめぐる「シリアの友連絡グループ」諸国の対応に関して「シリアの敵枢軸」は軍事的解決をめざし、複数の代替策を進めている。トルコが後退した場合に備え、ヨルダン前線を準備し…、ヨルダン国境を経由して戦闘員と武器を流入させ、ドーハ連立(シリア革命反体制勢力国民連立)の代表をヨルダン経由でシリアに入国させた…。ヨルダン指導部が知らずに武器や反体制武装集団、活動家が入るだろうか?」と批判した。

また化学兵器使用疑惑に関しては「化学兵器の使用は武装テロ集団によるものだとの信念に基づき、シリアはロシアとともに、化学兵器使用の調査に関わる問題への姿勢を読み解いていくことになる」と述べた。

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『ハヤート』(8月23日付)は、シリア電子軍のツイッター・アカウント(https://twitter.com/Official_SEA7)の運営に携わっている指導者の一人が、Seczine.comの電話取材に応じ、21日にダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、政権を「邪悪な生き物」と非難、「化学兵器で自国民、とりわけ女性や子供を攻撃するようなアサドを支持しない」と述べたと報じた。

この指導者はまた「我々はシリア電子軍のすべてのメンバーに対して、我々の国における災いのもとである政治エリートに注意を払うよう呼びかけている」と付言した。

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アサド大統領は、2013年政令第310号を発し、ワーイル・ハルキー内閣を改造し、以下の新閣僚を任命した。

カドリー・ジャミール:経済問題担当副首相(兼務していた国内通商消費者保護大臣の職を解く、変革解放人民戦線代表、人民意思党党首)
マーリク・アリー:高等教育大臣(バアス党)
フドル・ウーラフリー:経済対外通商大臣
カマールッディーン・トゥウマ:工業大臣
サミール・イッズ・カーディー・アミーン:国内通商消費者保護大臣
リヤード・ヤーズジー:観光大臣(人民議会議員)
ハスィーブ・イリヤース・シャンマース:国務大臣(ナジュムッディーン・ハリートの後任)

SANA(8月22日付)が報じた。

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クッルナー・シュラカー(8月22日付)は、複数の消息筋の話として、アサド大統領がバアス党シリア地域指導部会合を開き、指導体制を継続的に評価し、不忠な党員を排除、組織の強化を行うよう要請した

また会合では、以下の通り、クナイトラ支部指導部、ダマスカス大学支部指導部、ダマスカス郊外指導部が任命された。

クナイトラ支部指導部:ワリード・アバーザ(書記長)、ディヤーブ・アフマド、アブドゥッラッザーク・フライジュ、スィールファー・ハッダード、イード・アブドゥッラー、サーリフ・ラヒース、ズィヤード・ムハンマド、イルムッディーン・ハッスーン。

ダマスカス大学支部指導部:ジャマール・マフムード(書記長)、ファーディル・ハーミド、ジャラー・イブラーヒーム、ハーリド・ハルブーニー、アリー・クーサー、ジョルジュ・ライイス。

ダマスカス郊外支部指導部:ムハンマド・ハビート(書記長)、ラドワーン・ムスタファー、ミシェル・カッラーズ、ハーミド・アブー・ハリーフ、ムハンマド・カブトゥーラ、ムハンマド・イブラーヒーム、ジョルジーナー・リズク、アブドゥー・ダルハバーニー。

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アラビーヤ・チャンネル(8月22日付)は、フェイスブックの書き込みなどからの情報として、ダマスカス県内のダマスカス大学、大統領橋で、武器を持った「シャビーハ」や政権支持者がダマスカス郊外県での化学兵器使用を歓喜、またマッザ86地区ではお菓子を配って攻撃を祝った、と報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、21日に軍による化学兵器での攻撃があったと反体制勢力が主張するザマルカー町、アルバイン市、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市に対して、軍が空爆・砲撃を行い、ザマルカー町周辺では軍と反体制武装集団が交戦した。

また軍は、アルアイン市、ハラスター市、ザマルカー町、アイン・タルマー村、(そしてダマスカス県ジュバル市)に突入、制圧を試みたが、反体制武装集団の激しい抵抗に遭ったという。

このほか、ドゥーマー市、スバイナ町、サイイダ・ザイナブ町、ハーン・シャイフ・キャンプ、を軍が地対地ミサイルなどによって砲撃、ドゥーマー市では市民2人が死亡した。

さらに、クドスィーヤー市郊外に迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(8月22日付)によると、ハラスター市、ムライハ市、フジャイラ村、シャイフーニーヤ村、バハーリーヤ市郊外、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、フダー大隊旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ファルス通信(8月22日付)は、映画監督のハーディー・バクバーニー氏が反体制武装集団の要撃を受けて、殺害されたと報じた。

バクバーニー氏は、シリア軍のドキュメンタリー映像を撮影していたという。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区に対して軍が激しい空爆を加える一方、反体制武装集団がジャウバル区内の軍検問所を襲撃し、兵士9人を殺害した。

またザブラターニー地区、ドゥンマル区に迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(8月22日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、フダー大隊旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアッバースィーイーン地区、ティジャーラ地区、バーブ・シャルキー地区、ザブラターニー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾市、女性2人が死亡した。

このほか、クッルナー・シュラカー(8月22日付)などによると、7月18日にタルトゥース市で逮捕・拘束されていた芸術家のユースフ・アブダルキー氏が、ダマスカス県の裁判所での聴取を終え、釈放された。

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アレッポ県では、『ハヤート』(8月23日付)によると、シャーム自由人運動が「戦列強化作戦」の名のもと、サフィーラ市郊外のフジャイラ村検問所、カブタイン村検問所、ウンム・アームード検問所を奪還、複数の軍兵士と政権を支持する民兵を殺害した。

シリア人権監視団によると、アレッポ市内の旧市街で、軍の兵士3人が地雷に触れ、死亡、またハナーヌー地区の軍兵舎に対して、反体制武装集団が自家製の迫撃砲で攻撃を加えた。

また、アワーミード公園、サブウ・バフラート交差点などでも軍と反体制武装集団が交戦、アワーミード公園の軍検問所が破壊され、複数の兵士が死亡したという。

このほか、サイイド・アリー地区、カスタル・ハラーミー地区、ハミーディーヤ地区などでも軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行ったという。

一方、SANA(8月22日付)によると、クワイリス村、アウラム・クブラー町、カフルハムラ村、ダーナー市、ムスリミーヤ・アレッポ街道、バーブ市・マンビジュ市街道、クライブ山、マンスーラ村、タームーラ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ブスターン・カスル地区、ジュダイダ地区で軍が反体制武装集団と交戦、殲滅した。

さらに、SANA(8月22日付)によると、アレッポ市ムーカンブー地区のカーブーガリーユー・レストラン内で、自爆ベルトを装着したハーリド・アリー・シブリーなる男性(1955年、アレッポ県生まれ)が自爆し、店内にいた8人が死亡、20人以上が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アイン・スーダ村、アリーハー市周辺、アルバイーン山、ザーウィヤ山を軍が砲撃・空爆、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月22日付)によると、カフルナジュド村、アルバイーン山、カフルズィーバー村、ジャーヌーディーヤ町、ブターマー市、カニーサ・ナフラ市、ジスル・シュグール市、マアッラトミスリーン市、サラーキブ市、アリーハー市、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、タッル・サラムー市南部、アブー・ズフール市西部、マジャース市、アブー・フバイラート村、ムカイミン村、マスウード村、ラスム・サナア村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラウダ村が軍の砲撃を受ける一方、サルハブ市を反体制武装集団が砲撃、人的被害が出た。

またシャアールナ市の橋に設置された軍検問所からの無差別発砲により、複数の市民が負傷したという。

一方、SANA(8月22日付)によると、アクラブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市を軍が砲撃した。

一方、SANA(8月22日付)によると、タッルカラフ市郊外の国境地帯(マトフーマ、ムシャイリファ)で、レバノンからの密入国を試みた武装集団を国境警備隊が撃退した。

またヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ハミーディーヤ地区、ワアル地区、カラービース地区、ブルジュ・カーイー村、タッルドゥー市、ラスタン氏、ガントゥー市、アイン・フサイン村、キースィーン村、タドムル市東部郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市で、民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦し、人民防衛隊の戦闘員4人が死亡した。

一方、SANA(8月22日付)によると、ハサカ県ヌシューワ地区で関係当局が、多数の市民を誘拐し、身代金を要求してきた集団を要撃、逮捕した。

またシャッダーディー市では、住民数百人が街頭デモを大内、武装テロ集団の腐敗や財産・農地略奪に抗議した。

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ラタキア県では、SANA(8月22日付)によると、バイト・アーラブ村、ラウダ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、サウジ人戦闘員らを殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(8月22日付)によると、ダルアー市、ジーザ町、ウンム・ワラド村、キヒール村、ヌアイマ村、マアルバ町、ムサイフラ町、タイバ町、マターイヤ村、タファス市、ヤードゥーダ村、ムザイリーブ町、ブライカ村、ナワー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(8月22日付)などによると、南部県スール市郊外のハウシュ村とラーシディーヤ・パレスチナ難民キャンプ間の二カ所から、何者かがロケット弾4発をイスラエル北部に向けて発射、うち3発がナハリヤ市に着弾した。

のこる1発はイスラエルのミサイル防衛システム「鉄のドーム」によって迎撃・破壊されたという。

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NNA(8月22日付)によると、南部県スール市郊外のマアラカ村でTNT火薬500グラムと爆破装置を発見、当局が解体・撤去した。

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ミシェル・スライマーン大統領は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関し、「いかなる当時者がそうした兵器を使ったとしてもきわめて遺憾」だと述べる一方、レバノン南部からイスラエルに何者かがロケット弾を打ち込んだ事件に関しては「国連安保理決議第1701号とレバノンの主権に対する侵害」と述べ、非難した。

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ナハールネット(8月22日付)によると、北部県トリポリ市で、覆面をした何者かがヒズブッラー支持者の男性1人、治安部隊兵士1人を含む3人を射殺した。

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NNA(8月22日付)によると、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方に、シリア領内から発射された迫撃砲弾が着弾し、1人が負傷、複数の民家が被害を受けた

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『サフィール』(8月22日付)などレバノン各紙は、軍消息筋の話として、5月26日にベイルート県南部のマール・ミハーイル地区とマールーン・ミスク地区にロケット弾2発が打ち込まれた事件に関して、パレスチナのハマースが、ラーシディーヤ難民キャンプに潜伏中の容疑者引き渡しに協力的でないと報じた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、アンゲラ・ケイン国連軍縮担当上級代表をシリアに派遣することを決定した。

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米国務省のジェン・サキ報道官は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、「米国はダマスカス近郊で毒ガスによるとされる攻撃で化学兵器が使用されたと断定することはできない…。バラク・オバマ大統領は諜報機関にこの主張の確認に資する情報収集を早急に行うよう指示した」と述べた。

またマーティン・デンプスィー米陸軍参謀長は「シリアへのいかなる軍事的介入も米国の国益にならない。なぜならシリアの反体制勢力は米国の国益を支えないから」と述べた。

一方、米共和党のジョン・マケイン上院議員は、バラク・オバマ大統領が力を行使しないことで、アサド政権の残虐行為に「青信号」を出している、と批判した。

AFP(8月22日付)が報じた。

『ニューヨーク・タイムズ』(8月22日付)は、米国防総省、国務省、情報機関の高官が、ホワイトハウスでアサド政権に対する武力行使の是非について改めて協議した、と報じた。

同報道によると、協議では、巡航ミサイルによる限定的攻撃、期間を限定した空爆作戦などの選択肢が検討されたが、意見が割れ結論を得なかったという。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は国連の潘基文事務総長と電話で会談し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「化学兵器が使用された可能性が高い」と述べ、「虐殺」を非難した。

またローラン・ファビウス外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と電話会談し、化学兵器を使用したとされるダマスカス郊外県東グータ地方などへの軍の攻撃などへの対応を協議した。

これに関して、ファビウス外務大臣は記者団に対して、連立が集めた証拠は、化学兵器が使用されたとの仮説をより裏付ける内容だと述べた。

一方、ファビウス外務大臣は、モンテカルロ放送(8月22日付)に「化学兵器の使用が裏付けられた場合、対応しなければならないというのがフランスの姿勢であり…、対応は力の行使というかたちをとるかもしれない」と述べた。

ファビウス外務大臣はしかし、地上部隊の派遣が「想定外」で「不可能だ」と付言した。

またファビウス外務大臣は「もし国連が決定を下せなければ、別のかたちで決定がなされるだろう。どのようにか?私はまだそこには至っていない」と曖昧な発言を続けた。

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ベルリンを訪問中のトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣との会談後、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「レッドラインが越えられて久しい…。多くのレッドラインが越えられてしまった」としたうえで、「国連安保理は依然として断固たる決定を下すことに躊躇している…。いかなる制裁も決議できなければ、我々は抑止力を失う」と述べた。

一方、ヴェスターヴェレ外務大臣は事態への「深い懸念」を表明、化学兵器の使用が事実ならば「残忍な犯罪」だと述べ、国連調査団による調査を呼びかけた。

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中国外交部は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して声明を出し、シリア政府との完全なる協議のもと、国連調査団が客観的な調査を行う必要があるとの見解を示す一方、「中国の姿勢は明確だ。シリアのどの勢力が化学兵器を使用したかに関係なく、中国はそのことに断固反対する」と強調した。

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イラク国営通信(8月22日付)によると、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣は、トルコのアフメト・ダウトオールが外務大臣と電話で会談し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「もし科学兵器使用の情報が本当なら、使用した者は間違いなくタクフィール主義テロ集団だ…。ダマスカスに国連調査団がいるなかで、シリア政府がなぜこうした犯罪を行えるのか?…危機を悪化させ、国際問題化することでテロ集団が得をする」と伝えた。

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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して「大いなる懸念」を表明、「それが事実だと確認されれば、国民に対してシリア政府が犯した残虐な犯罪リストに(化学兵器使用が)追加されることになろう」と述べた。

またユワリ・シュタイニッツ諜報戦略問題担当大臣はイスラエ国営ラジオで、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、「諜報的な評価」が必要だと述べた。

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ヴァチカンのスィルバノ・トマスィ駐スイス(ジュネーブ)国連常駐代表は、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、ヴァチカンのラジオ局に「充分な証拠がないのに判断を下してはならない…。ダマスカスの政府がこうした虐殺の結果として得られる直接の利益とは何なのか?真に問うべきは、この非人道的な犯罪で真に得をするのが誰かということだ」と述べた。

AFP(8月22日付)が報じた。

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『ハヤート』(8月26日付)は、米国務省高官の話として、ジョン・ケリー国務長官がワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣と「異例の(電話)会談」を持ち、「シリア政府に隠し事がなければ、(国連調査団を)ただちに現場に受け入れねばならない」と伝えたと報じた。

ケリー国務長官はまたムアッリム外務在外居住者大臣に「自由シリア軍の指導者から国連調査団の安全を確保する旨、保障を得ている」ことも伝えたという。

AFP, August 22, 2013、Alarabia.net, August 22, 2013、al-Hayat, August 23, 2013, August 26, 2013、Kull-na Shuraka’, August 22, 2013, August
25, 2013、Kurdonline, August 22, 2013、Naharnet, August 22, 2013、Reuters,
August 22, 2013、al-Safir, August 22, 2013、SANA, August 22, 2013、UPI, August 22, 2013、The New York Times, August 22, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

反体制諸組織によると軍がダマスカス郊外県東西グータ地方の複数の市・村に化学兵器攻撃を加え1,360人以上が死亡、情報が錯そうするなか軍総司令部は即日開いた会見のなかで攻撃の実施を断固として否定(2013年8月21日)

反体制勢力の動き

地元調整委員会、シリア革命反体制勢力国民連立、シリア人権監視団など反体制組織は、8月20日晩から21日にかけて、軍がマッザ航空基地とカシオン山から、ダマスカス郊外県東西グータ地方の複数の市・村に毒ガスを装填した地対地ミサイルや迫撃砲で「前例のない」激しい砲撃を行い、多数の民間人を殺害したと主張した。

al-Hayat, August 22, 2013
al-Hayat, August 22, 2013

地元調整委員会によると、この攻撃による死者数は1,360人以上で、うち数十人が女性と子供だという。

砲撃が行われた市・村での死傷者の内訳は、ザマルカー町400人、ハムーリーヤ市300人、ドゥーマー市150人、カフルバトナー町150人、アイン・タルマー村75人、ムウダミーヤト・シャーム市およびダーライヤー市105人、サクバー市69人、アルバイン市63人、ジスリーン町16人、ハラスター市5人。

死者数に関して、シリア人権監視団は200人以上が殺害されたと発表した。

『ハヤート』(8月22日付)は、反体制活動家の話として、軍は、ジャウバル区(ダマスカス県)、ザマルカー町、アイン・タルマー村、カフルバトナー町、ドゥーマー市、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市を空爆、それ以外の市・村は戦車やロケット弾によって砲撃された、と報じた。

シリア革命総合委員会によると、東グータ地方各地およびムウダミーヤト・シャーム市に対する軍の砲撃は21日未明(午前3時頃)に開始され、毒ガスによる中毒症状に襲われた住民数百人が各地の野戦病院に搬送されたという。

これに関して、ダーライヤー市地元評議会は声明を出し、同市の野戦病院が午後6時から中毒症状に襲われた患者の受入を開始したことを明らかにした。

またユーチューブには、毒ガスによる攻撃の被害現場だとされる映像が多数アップされた。主な映像は以下の通り:

http://all4syria.info/Archive/93870
http://all4syria.info/Archive/93921

映像はいずれも攻撃が行われたとされる前日の20日に公開されている。

Youtube, August 20, 2013
Youtube, August 20, 2013

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シリア革命反体制勢力国民連立は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したと断じたうえで、国連安保理に対して緊急会合を開き、アサド政権の集団犯罪を非難したうえで、国連憲章第7章に基づく決議を採択するよう呼びかけた。

その一方で、連立はこれまでの国連安保理の対応の遅れを非難、シリアの友連絡グループ各国に対して、「ロシアの拒否権発動を待たずに、ただちに行動する」よう呼びかけた。

また化学兵器使用に関する国連調査団に関しては、攻撃現場を調査するよう求めた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はアラビーヤ・チャンネル(8月21日付)の電話取材で、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃した断じたうえで、「この犯罪の責任を追及するための緊急会合を国連安保理に開催することを求める」と述べるとともに、化学兵器使用に関する国連調査団に現場の調査を行うよう呼びかけた。

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『ハヤート』(8月22日付)によると、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したと断じたうえで「虐殺はグータでの…自由シリア軍の英雄的行為への報復だ」としたうえで「政権はマッザ航空基地から発射された地対地ミサイルを用いて化学兵器を使用した…。政権は国連調査団の滞在を理由して反体制勢力に嫌疑をかけようとしているが、フェイスブックでの政権支持者の書き込みによると、化学兵器使用は体制のトップの命令による」と主張した。

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ダマスカス郊外革命指導評議会は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したと断じたうえで、ジュネーブ2を通じたアサド政権との交渉を「国家反逆罪」とみなし拒否、自由シリア軍の各部隊に意見の対立を解消し統合するよう呼びかけた。

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シリア人権監視団は、化学兵器使用に関する国連調査団に対して、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したされる現場の調査を行うよう呼びかけた。

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シリア民主フォーラムは声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したと断じたうえで、国連調査団に現場の調査を行うよう呼びかけるとともに、被災地への人道回廊の設置と人道支援を求めた。

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自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官は、シリア革命反体制勢力国民連立の「活動への不満」を理由に、連立を脱会すると発表した。

クッルナー・シュラカー(8月21日付)が報じた。

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シリア自由国民ブロックは声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器をアサド政権が使用したと断じたうえで、国際社会に追求するよう求めた。

 

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シリア共産主義者委員会暫定指導部は声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して、アサド政権が行ったと考える理由があるとしつつ、「こうした犯罪行為は一部の反体制組織がジュネーブに向かうことを拒否する過激な姿勢をもたらしてきた」と指摘、「西側諸国やイスラエルにとってシリア国民どうしを戦わせ、弱体化させることが…国益になることをみなが知らなければならない」と警鐘を鳴らした。

シリア政府の動き

シリア軍総司令部は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に対して異例のテレビ会見を開き、「内乱(の煽動)、誤報(の発信)、シリア人の流血(を助長する)複数のチャンネルがいつもの通り、シリア・アラブ軍が今日、ダマスカス郊外で化学兵器を使用したとの主張し、嘘をついた」と発表した。

SANA, August 21, 2013
SANA, August 21, 2013

また「軍武装部隊総司令部はこうした主張が完全に偽りで、根拠がなく、シリアに敵対する一部の国が指導する醜い情報戦争の一環をなしていると断言する」と強調した。

そのうえで「総司令部は、憲法に従い自らの義務を遂行し、祖国から醜い武装テロ集団を根絶し…、共和国のいかなる場所であれ、テロとの戦いという愛国的に任務を完了する」と締めくくった。

SANA(8月22日付)が報じた。

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シリアン・デイズ(8月21日付)によると、検閲査察委員会のナビール・ハティーブ議長が解任され、ナズィール・ハイルッラー氏が後任の議長に就任した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、東グータ地方などで軍が化学兵器攻撃を行ったと反体制組織が主張するなか、シリア人権監視団によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市に「前例のない」激しい空爆を加えた後、地上部隊が同市に突入した。

また同市周辺、ダーライヤー市周辺では、軍と反体制武装集団が交戦するなか、軍が砲撃を行った。

このほか、ハーン・シャイフ・キャンプなども軍の砲撃を受けた。

クッルナー・シュラカー(8月21日付)は、外国人戦闘員が搭乗していると思われるシリア軍ヘリコプターを反体制武装集団が未明に東グータ地方上空で撃墜した、と報じた。

一方、SANA(8月21日付)は、スバイナ町のシュルタ地区、クーム・ハジャル地区で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復したと報じた。

またフジャイラ村、アルバイン市、ザマルカー町、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、タッル・クルディー、シャイフーニーヤ村、ダイル・サルマーン市、ズィヤービーヤ町、ザバダーニー市で反体制武装集団の追撃を続け、ドゥーマー殉教者旅団戦闘員らを殺傷、東グータ革命評議会などの拠点・装備を破壊したという。

さらにジャルマーナー市、ドゥッハーニーヤ市では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性2人、子供1人を含む市民3人が死亡、13人が負傷した。

このほか、ムウダミーヤト・シャーム市でも、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供7人も含む市民11人が負傷した。

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SANA, August 21, 2013
SANA, August 21, 2013

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、軍がバルザ区に「前例のない」激しい空爆を加えた後、地上部隊が突入した。空爆は隣接するハラスター市(ダマスカス郊外県)にも及んだという。

またジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦するなか、サーダート地区、バーブ・トゥーマー地区、タフリール広場、バーブ・シャルキー地区、カッサーア地区、マサーキン・バルザ地区(科学研究センター)に迫撃砲弾が着弾した。

さらに同監視団によると、軍はジャウバル区を地対地ミサイルで砲撃したと発表した。

複数の反体制消息筋によると、反体制武装集団はジャウバル区の制圧をめざす軍をアッバースィーイーン・バス発着所付近で食い止め、戦車3輌を撃破、これに対して軍は地対地ミサイル6発で同地区に打ち込んだという。

このほか、ヤルムーク区でも軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月21日付)によると、バルザ区で反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

またバーブ・トゥーマー地区、ティシュリーン公園、カッサーア地区(ザフラーニー病院)に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾、またバグダード通りで爆弾が爆発し、市民14人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のシャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区、アーミリーヤ地区などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月21日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、バーブ市・ダイル・ハーフィル市街道、マーイル町、シャイフ・ナッジャール市で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

アレッポ市では、ブスターン・バーシャー地区、マサーキン・ハナーヌー地区で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスル・ハリール市、ダルアー市などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月21日付)によると、カフル・ナースィジュ村、ダルアー市、ナワー市、フラーク市、ブスラー・シャーム市で反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市郊外のスィンジャール地方、シュグール村などを軍が空爆、またナキール市に対する軍の砲撃で女性2人を含む市民3人が死亡した。

一方、SANA(8月21日付)によると、アリーハー市、ワーディー・ダイフ村周辺、ビダーマー町、ジルス・アブヤド市、タフタナーズ市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市で反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

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ヒムス県では、SANA(8月21日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、クスール地区、カラービース地区、ラスタン市、ダール・カビーラ村、タッルドゥー市、タラフ村、ガントゥー市、マシュラファ村で反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

またヒムス市アクラマ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民7人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のハウィーカ地区、ハミーディーヤ地区、マヤーディーン地区が軍の砲撃・空爆を受ける一方、反体制武装集団も手製のロケット弾でダイル・ザウル市内の軍の拠点などを砲撃、双方に死傷者が出た。

一方、SANA(8月21日付)によると、マヤーディーン市で爆弾が爆発し、市民20人が負傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ユースフィーヤ村、シュクリー村、サファー村、スーフィヤー村、ターヤー村、マズルーム村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、スーサク村、ジャルバ村、ビールカヌー村をイラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線が襲撃し、住民らが応戦した。

レバノンの動き

LBCI(8月21日付)によると、内務治安軍総局は、シリアからベカーア県に入国したトラックで107mmロケット弾を発見、押収、運転手を逮捕した。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して声明を出し、「衝撃」を受けたとの念を表明するとともに、シリアに滞在している国連調査団がシリア政府と事態を検討していると発表した。

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『ハヤート』(8月22日付)によると、国連安保理では、米英仏、ルクセンブルク、オーストラリア、韓国の6カ国がダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して、緊急安保理の会合を要請した。

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化学兵器使用に関する国連調査団のアキ・セルストロム団長は、スウェーデンの通信社の電話取材に対して、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して、テレビの映像で観ただけだとしつつ、「見なければならないことだと思う…。事態は、国連加盟国が安保理に、我々がこの事件を見なければならないと言うかによる。我々は現場にいる」と述べた。

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ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィッチ報道官はダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に対して声明を出し「(反体制勢力による)周到に準備された挑発だ」と述べた。

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米ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト副報道官は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に対して声明を出し懸念を表明、「さらなる情報を早急に集めるべく行動する」との意思を表明した。

また化学兵器使用を厳しく非難するとともに、国連に対して真相究明を正式に求めると付言した。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して懸念を表明したうえで、「こうした疑いに対してただちにそして適切に調査がなされねばならない」と述べた。

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フランス政府報道官はダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して記者団に対し、「(フランソワ・オランド)大統領は攻撃(がなされたとされる)現場に向かうことを国連(調査団)に求める意思があると表明した」と発表した。

一方、フランス外務省報道官は「この攻撃で化学兵器が使用されたとの主張を調査する必要がある」としたうえで、「フランスはダマスカス一帯へのシリア政府による攻撃を非難する」と述べた。

さらにローラン・ファビウス外務大臣は、シリア政府による化学兵器の使用が事実であるとすれば、「単なる虐殺でなく、前例のない蛮行」だと非難した。

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ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して声明で懸念を表明したうえで、「もし報告が確認されれば、シリアでの化学兵器使用における衝撃的な深刻化(shockin escalation)になるのは明らかだ」と述べ、責任追及の意思を示した。

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トルコの外務省は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して声明を出し、化学兵器調査に関する国連調査団に対して「直ちに光を当て…、調査を行うべき」としたうえで「もしこれらの発表が本当なら、国際社会には逃げる余地はなく、必要な姿勢をとり、人道に対する罪に対するふさわしい対応をとることになろう」と発表した。

一方、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関してトルコのカナル24(8月21日付)で「テレビの映像からシリアで化学兵器が使われたことは明らかだ。我々は国連調査団に即時調査を呼びかけた」と述べた。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して『シュツットガルト・ツァイトゥング』(8月21日付)で「これらのデータの調査が完了し(事実と判明し)た場合、事態は恐るべき犯罪に関わることになる」と述べた。

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サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張を受け、「人道的悲劇を停止するための明確な決議」を採択するための緊急安保理会合を開くよう呼びかけた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、ダマスカス郊外県東グータ地方などを軍が化学兵器で攻撃したとの反体制勢力の主張に関して声明を出し「ダマスカスに(化学兵器使用に関する)国連調査団が滞在しているなかでこうした凶悪犯罪が起きること」が奇異だとしつつ、調査団に直ちに事件が発生したとされる現場に向かい、調査を行うよう求めた。

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国連安保理は非公開の緊急会合を開き、ダマスカス郊外県東グータ地方などで軍が化学兵器を使用したとの反体制勢力の主張に関して協議した。

『ハヤート』(8月23日付)によると、米英仏、ルクセンブルク、オーストラリア、韓国は、化学兵器使用に関する国連調査団による攻撃現場の調査へのシリアのすべての当時者の協力を求める決議の採択をめざしたが、ロシアや中国などが決議採択に反対の意を示し、議長が公式のコミュニケを発表するにとどまった。

安保理議長国アルゼンチンのマリヤ・クリスティーナ・ペルセバル国連大使は、事態への安保理の「深い懸念」を表明、「すべての安保理メンバーがいかなる当時者による化学兵器使用の国際法違反だとの点で一致し…、戦闘と発砲停止を強く呼びかけることで一致した」としたうえで、「犠牲者への迅速な人道支援の必要を確認」、「何が起きたのかを明確にして、状況を注視する必要がある」と述べた。

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安保理緊急会合に出席したヤン・エリヤソン国連事務副長は会合後、化学兵器使用に関する国際調査団が攻撃現場訪問の許可をシリア政府から得ること、そして治安状況がそれを許すことを」としたうえで、「事態は非常に危険で、現在の治安状況は、同地に入ることを許さない」と述べた。

そのうえで「我々は早急に調査を行う必要がある…。シリア政府と連絡をとっており、調査実施が可能となるよう、すべての当時者が協力することを望んでいる」と付言した。

AFP, August 21, 2013、Alarabia.net, August 21, 2013、al-Hayat, August 22, 2013, August 23, 2013、Kull-na Shuraka’, August 21, 2013, August
22, 2013, August 23, 2013、Kurdonline, August 21, 2013、LBCI, August 21,
2013、Naharnet, August 21, 2013、Reuters, August 21, 2013、SANA, August 21,
2013、Syrian Days, August 21, 2013、UPI, August 21, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

西クルディスタン人民議会報道官がペシュメルガの西クルディスタンへの軍事介入は「現在提起されていない」ことを明らかに、ハルキー首相は化学兵器使用調査団の活動が成功するための全ての措置を講じる準備へ(2013年8月20日)

反体制勢力の動き

西クルディスタン人民議会のシールザード・ヤズィーディー報道官は『ハヤート』(8月21日付)に、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線との戦闘激化やイラクへのクルド系住民の大量避難に関連して、イラク・クルディスタン自治政府のペシュメルガの「西クルディスタンへの軍事介入は現在提起されていない」と述べた。

ヤズィーディー報道官はまた「西クルディスタン地域は経済、生活、人道支援を必要としている」と付言した。

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クッルナー・シュラカー(8月20日付)によると、ダマスカス県で「シリア国民建設運動」暫定準備委員会が声明を出し、9月28日までに結党声明を発表することを明らかにした。

結党を行う発足人委員会は現在72人からなっており、そのなかには、ハビーブ・イーサー氏、ジャラール・ヌーファル氏らが名を連ねている。

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自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官はElaph(8月20日付)に「海岸(ラタキア山間部)戦線の崩壊に関して繰り返しなされている報道」は根拠がないと否定、「自由シリア軍はすべての戦線で戦いを続けている」と述べた。

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『ハヤート』(8月21日付)によると、クルド山地調整を名のる組織を含む13の調整組織、シリア革命反体制勢力国民連立メンバーのハーリド・マスブート氏、ムスタファー・サフタ氏ら13人がラタキア山間部での「海岸解放作戦」継続を訴える共同声明を発表した。

共同声明は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長に宛てられており、ラタキア県での戦闘が「始まったばかりだ」としたうえで、「海岸の戦いの早期決着は、革命のためになり、他県での(政府の)軍事的圧力と我らがシリア人同胞の痛みを軽減する」と主張した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ダマスカス郊外県のバービッラー市、バイト・サフム市、アクラバー村、ブワイダ市、ナジュハ市、サイイダ・ザイナブ町、スバイナ町、ダマスカス県ヤルムーク区を「被災地」に指定、国際機関、人道支援団体に対して、「民間人救出のための早急且つ迅速な介入」を呼びかけ、「人道回廊設置」を求めた。

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クッルナー・シュラカー(8月20日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立本部がカイロからイスタンブールに移転するとした一部報道を、ハイサム・マーリフ法務委員会委員長が否定したと報じた。

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クッルナー・シュラカー(8月20日付)によると、シリア国民評議会はジョルジュ・サブラー氏を事務局長(任期6ヶ月)に再選した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は、化学兵器使用に関する国連調査団の訪問を歓迎し、合意に従い協力し、外務在外居住者省が調査団の活動を成功させるべく必要なすべての措置を講じる準備を行った、と述べた。

ロイター通信(8月20日付)が報じた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がジャウバル区内の軍拠点を攻撃し、軍と交戦、戦闘はアッバースィーイーン地区のバス発着場近くまで及び、同地区の広場に迫撃砲弾が着弾し、多数が死傷した。

またバルザ区では、同地区の完全制圧をめざす軍が攻勢を強め、ヤルムーク区では、軍、パレスチナ人の人民諸委員会が、反体制武装集団と交戦し、多数が死傷した。

一方、『ハヤート』(8月21日付)によると、マッザ区の大学寮で火災が発生する映像がインターネットにアップされた。

他方、SANA(8月20日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアッバースィーイーン地区、カッサーア地区、ザブラターニー地区に迫撃砲弾複数発が着弾し、市民8人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がパレスチナ人の人民諸委員会の支援を受け、フサイニーヤ・パレスチナ難民キャンプへの突入を試みた。

またムウダミーヤト・シャーム市、ハーン・シャイフ農場、ダーライヤー市などで軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月20日付)によると、カーラ市、タッル・クルディー、ハラスター市、ダイル・サルマーン市、カースィミーヤ農場、ムライハ市、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ザバダーニー市、ヤブルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ドゥーマー殉教者旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市、フラーク市、ブスル・ハリール市を軍が空爆し、複数名が死傷した。

一方、SANA(8月20日付)によると、ダーイル町、ナワー市、ヤードゥーダ村、バスル・シャーム市、西ムライハ村、インヒル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジ人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハウラ地方などを砲撃した。

一方、SANA(8月20日付)によると、ヒムス市クスール地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、タルビーサ市、ガントゥー市、カルアト・ヒスン市、ダール・カビーラ村、カフルラーハー市、ブルジュ・カーイー村、サルムーティーヤ農場、東ブワイダ村、タドムル市郊外、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊、武器を押収した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市ライラムーン地区を砲撃、複数が死傷した。

またアレッポ市では、バーブ街道地区でに軍の迫撃砲が着弾し、子供1人を含む5人が死亡したほか、ザフラー地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・バーシャー地区などで軍と反体制武装集団が交戦し、複数が死傷した。

シリア軍さらに、イドリブ県との県境に位置するバータブー村を空爆した。

他方、SANA(8月20日付)によると、ムスリミーヤ・アレッポ街道、マーイル町、バヤーヌーン町、マンナグ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーミディーヤ航空基地南部の軍拠点を反体制武装集団が迫撃し、複数が死傷した。

一方、SANA(8月20日付)によると、アーリヤ市、サルマーニーヤ村、ハッジ・ハンムード農場、バザーブール村、イブリーン村、アルバイーン山、アリーハー・マストゥーマ街道、マアッラトミスリーン市、タッル・スルターン市、アブー・ズフール市西部、バラーギースィー市北部、ダイル・ガルビー村、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、ハーミディーヤ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月20日付)によると、ビイル・アジャム市の反体制武装集団拠点に軍が特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダルダーラ村、ハミード村、ジャーファー村、ラアス・アイン市近郊の村々、ジュワーディーヤ市郊外のサファー村で、民主統一党人民防衛隊と、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線が交戦した。

レバノンの動き

LBCI(8月20日付)によると、18日にベカーア県ヘルメル郡のマシャーリーウ・カーアなどに迫撃砲弾5発が着弾した事件に関して、マルワーン・ハディード中隊を名のる集団がビデオ声明(http://www.youtube.com/watch?v=S3621uNnOlY&feature=player_embedded)を出し、犯行を認めた。

http://www.youtube.com/watch?v=S3621uNnOlY&feature=player_embedded

マルワーン・ハディードは1970年代にシリア国内で活動していた急進的イスラーム主義者で、1980年代にシリア国内での武装闘争を主導したシリア・ムスリム同胞団戦闘前衛隊の前身であるアッラーの党の戦闘前衛隊を指導した人物。

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NNA(8月20日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村東部のマルサド地方で、シリア軍戦闘機が灯油を積んだトラックを攻撃、破壊した。

諸外国の動き

国連は声明を出し、ジュネーブ2会議開催のためオランダのハーグで予定されている米露外相級会談に、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は参加しないと発表した。

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米国のUSAIDは、シリアの紛争に伴う避難民受入など食糧事情などが悪化するヨルダンに対して、2,400万ドル相当の食糧援助を行うと発表した。

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赤十字国際委員会レバノン代表のユルグ・モンターニー氏は記者会見を開き「紛争当事者が錯綜している場合、我々は訪問したい地域にいるすべての集団の信頼を得ねばならない…。問題は、我々が入りたい時に入りたい地域に行くことができないことだ」と述べ、反体制勢力制圧地域へのアクセスが困難な実態を吐露した。

AFP, August 20, 2013、Elaph, August 20, 2013、al-Hayat, August 21, 2013、Kull-na Shuraka’, August 20, 2013、Kurdonline, August
20, 2013、LBCI, August 20, 2013、Naharnet, August 20, 2013、NNA, August 20,
2013、Reuters, August 20, 2013、SANA, August 20, 2013、UPI, August 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍が「海岸解放作戦」の名のもとで占拠されていたほぼ全ての地点の奪還を完了、自由シリア軍ヒムス郊外軍事評議会が声明を出しワーディー・ナサーラー地方で複数の民間人を誤って殺害したことを認める(2013年8月19日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(8月20日付)によると、自由シリア軍(参謀委員会)アレッポ軍事評議会議長職を辞任したアレッポ革命軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐が、アレッポ市某地区を訪問し、同地区の地元評議会メンバーおよびバドル殉教者旅団司令部メンバーと会談、在外の反体制活動家を「誠実でなく、私利のために活動している」と非難した。

アカイディー大佐は「我々が推し進めてている計画は国、祖国の計画だ。祖国は自由シリア軍のどの部隊よりも大きい。我々は決定権者になるべく統合しなければならない…。我々は国を去った政治家たちを誠実でないという理由で非難はしないが、彼らのほとんどは私利のために活動している」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、化学兵器使用に関する国連調査団のシリア訪問に関して、化学兵器の使用が疑われているすべての場所(13カ所)での調査の必要を強調した。

連立は「政府の支配している、ないしは支配を回復した場所の訪問は不十分であり、とりわけ解放地区内」の調査の必要があると述べ、連立および自由シリア軍の全面協力を約束した。

調査団は、アレッポ県ハーン・アサル村、ヒムス市、ダマスカス郊外県タイバ町でのサンプル調査を予定している。

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シリア革命反体制勢力国民連立メンバーのハーリド・フージャー氏(駐トルコ)は『ヒュッリイェト』(8月19日付)に、エジプトでの政治変動と、シリア情勢への「否定的」な影響を受け、連立が本部をカイロからイスタンブールに移転しようとしている、と述べた。

シリア政府の動き

ファイサル・ミクダード外務在外居住副大臣はAP(8月19日付)に、化学兵器使用に関する国連「調査団に全面協力し、もっているすべての情報を提供し、論理的結論に達することができるようにする」と述べた。

国内の暴力

AFP(8月19日付)は、シリア軍消息筋の話として、反体制武装集団が「海岸解放作戦」の名のもとに占拠していた対トルコ国境に近いサルマー地方を除くすべての地点の奪還を軍が完了したと報じた。

SANA, August 19, 2013
SANA, August 19, 2013

これに関連して、シリア人権監視団も、約2週間前に反体制武装集団が占拠した山間部のすべての軍の監視所を、軍が国防隊の支援のもと奪還した、と発表した。

またSANA(8月19日付)も、軍が、ナビー・イシュアヤー山およびその周辺一帯での反体制武装集団の残党の掃討を完了、またタッル・ブタイシュ、ルートゥー山、タッルドゥーリーンも完全制圧し、同地の治安を回復したと報じた。

一方、シリア人権監視団によると、サルマー地方での空爆に参加していたシリア軍機を反体制武装集団が撃墜し、脱出したパイロットを捕捉した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ市周辺を軍が空爆した。

またサクバー市、ドゥーマー市、ムウダミーヤト・シャーム市、フジャイラ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月19日付)によると、ハラスター市、フジャイラ村、ダーライヤー市、ザバダーニー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、ドゥーマー殉教者旅団、シャームの民のヌスラ戦線のパキスタン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区で、軍とパレスチナ人の人民諸委員会が、反体制武装集団と交戦した。

またバルザ区でも軍と反体制武装集団が交戦したほか、ティジャーラ地区に迫撃砲弾が2発着弾した。

一方、SANA(8月19日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ジャイシュ・ムスリミーーン旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またティジャーラ地区、ザバダーニー地区に迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡、複数が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市クスール地区、カラービース地区で軍と反対体制武装集団が交戦した。

一方、自由シリア軍ヒムス郊外軍事評議会は声明を出し、ワーディー・ナサーラー地方(アイン・アジューズ市・ナースィラ市街道)の検問所で国防隊兵士5人とともに民間人6人を殺害したことに関して、「罪のない民家人を誤って殺害」したことを認め、カルアト・ヒスン総参謀委員会・政治委員会のマルワーン・ヌハイリー大佐が謝罪のために遺族を慰問したと発表した。

また声明は「国防隊が運悪くホテルの近くに検問所を設置した」と弁明、その責任は国防隊にあると非難した。

他方、SANA(8月19日付)によると、レバノン領からクサイル市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退し、複数の戦闘員を殺傷、装備を押収・破壊した。

またダール・カビーラ村、ガントゥー市、バイト・ハッジュー村、南マシュジャル村、キースィーン村、アーミリーヤ村、カルアト・ヒスン市、ヒムス市バーブ・スィバーア地区、カルア地区、ワルシャ地区、サフサーファ地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ウンム・アマド村に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が複数発着弾し、市民5人が死亡、25人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ミスキーン市近くの街道で軍と反体制武装集団が交戦、またジャースィム市を軍が砲撃した。

一方、SANA(8月19日付)によると、ダルアー市、ヌアイマ村、ナワー市、ヒルバト・ガザーラ町、タファス市、ムザイリーブ町、ムライハ市、ダイル・ブフト村、インヒル市、ジャースィム市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区のハサン・モスク近くで戦闘があり、またシャイフ・ナッジャール地区では、地元評議会の警官2人が何者かに射殺された。

一方、SANA(8月19日付)によると、フライターン市、ハイヤーン町・ムスリミーヤ村間の街道、バヤーヌーン町、ダイル・ハーフィル市、イマーム村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市サイフ・ダウラ地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市を軍が砲撃する一方、反体制武装集団が、ラタキア山間部での「海岸解放作戦」に代えて、アリーハー地域検問所解放作戦」の開始を発表した。

また軍が先週奪還したハーミディーヤ航空基地周辺、ラーミー村、イブリーン村、ビダーマー町などで軍と反体制武装集団が交戦し、子供2人、女性2人を含む5人が死亡した。

一方、SANA(8月19日付)によると、ダーナー市、ナージヤ村、カサーティル市、アーリヤ市、アルバイーン山、アブー・ズフール市南西部、サルジャ村郊外、アリーハー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月19日付)によると、ダイル・ザウル市のハウィーカ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、アルディー地区、旧空港地区、ウルフィー地区、マリーイーヤ村、フサイニーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(8月19日付)によると、ハサカ市ヌシューワ地区、ドウラーブ地区を反体制武装集団が襲撃、軍が応戦・撃退した。

また畜産農場地区、サッド・ガルビー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(8月19日付)によると、カッサービーン市、フバイト村、ラーシャー村、スーラーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

南部県サイダー市のビラール・ブン・ラバーフ・モスクのイマーム、アフマド・アスィール氏は音声声明を出し、そのなかでベイルート郊外ダーヒヤでの自爆テロに関して、「シリアの同胞に対するナスルッラーと彼の党が犯した罪の当然の帰結」と非難し、「ダーヒヤの爆発を利用して、レバノン国民、とりわけスンナ派を脅迫しようとしている」と断じた。

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AFP(8月19日付)は、ダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町の守備にあたっていたヒズブッラー戦闘員のフサーム・アリー・ニスル司令官(33歳)が殺害され、17日にナバティーヤ県ナバティーヤ郡のカフルスィール村に埋葬されていた、と報じた。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は記者会見でシリアでの化学兵器使用に関する国連調査団に関して「今日活動を始めたことを幸福に感じる…。いかなる当時者でも、化学兵器の使用が確定すれば、国際的な犯罪行為とみなされ、その責任者は処罰されるだろう」と述べた。

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クウェート日刊紙『スィヤーサ』(8月19日付)は、イラク政府筋の話として、イラン・イスラーム革命防衛隊とレバノンのヒズブッラーがイラクのヌーリー・マーリキー内閣に、対シリア国境地帯の小型無人偵察機での偵察と偵察活動に関するヒズブッラー技術者の派遣を申し出たと報じた。

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ロシアのゲンナージー・ガティロフ外務次官は、来週にオランダのハーグで米国とジュネーブ2会議開催のための米露外相級会談を行うと述べた。

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『ハヤート』(8月20日付)によると、クルド国民大会(イラク・クルディスタン自治政府のマスウード・バールザーニー大統領が設置を提案)の調査委員会がシリア北東部に入った。

同委員会は、民主統一党人民防衛隊とイラク・シャーム・イスラーム国の戦闘での犯罪の調査を行うという。

AFP, August 19, 2013、AP, August 19, 2013、al-Hayat, August 20, 2013、Kull-na Shuraka’, August 19, 2013, August 20, 2013、Kurdonline,
August 19, 2013、Naharnet, August 19, 2013、Reuters, August 19, 2013、SANA,
August 19, 2013、al-Siyasa, August 19, 2013、UPI, August 19, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

各県で軍が反体制武装勢力への掃討・殲滅作戦を強化させるなか、化学兵器使用に関する国連調査団がダマスカスに到着(2013年8月18日)

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、スカイ・ニュース・アラビック(8月18日付)によると、軍がダイル・ザウル市のアルディー地区、ハウィーカ地区を砲撃、また同市東部郊外の石油パイプラインで火災・爆発が発生した。

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ダマスカス郊外県では、スカイ・ニュース・アラビック(8月18日付)によると、ムライハ市で、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月18日付)によると、シャイフーニーヤ農場、ズィヤービーヤ町、ハラスター市で、軍が反体制武装集団と交戦し、バッラー大隊、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市に迫撃砲弾が着弾し、市民4人が負傷した。

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アレッポ県では、スカイ・ニュース・アラビック(8月18日付)によると、ドゥウィリーナ村、アレッポ市サイフ・ダウラ地区、ジャミーリーヤ地区で、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月18日付)によると、クワイリス村、ムスリミーヤ街道、ダイル・ジャマール村近郊、バヤーヌーン町、ドゥワイリーナ村、ターディフ市、アターリブ・アレッポ街道で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、サイフ・ダウラ地区、ザバディーヤ地区、アシュラフィーヤ地区、ブスターン・カスル地区、サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月18日付)によると、ハンブーシーヤ村、バルータ村、シャイフ・ナッバハーン村、ヒラータ村、ハンズーリーヤ村、バールーダ村、シャアバーン山で、軍が外国人戦闘員らからなる反体制武装集団の掃討・殲滅を完了、同地の治安を回復した。

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ハマー県では、SANA(8月18日付)によると、ハマー市ファイハー地区で、軍が反体制武装集だの拠点を攻撃、戦闘員を殲滅、武器・弾薬を破壊・押収した。

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ダルアー県では、SANA(8月18日付)によると、ダルアー市、タファス市、アイン・ズィクル村、サイダー市、バサーラ市、ナワー市、タスィール町、ダーイル町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(8月18日付)によると、反体制武装集団がハサカ市のガソリン・灯油貯蔵施設を攻撃・破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月18日付)によると、タドムル市郊外、ヒムス市クスール地区、カラービース地区、ワアル地区、バーブ・スィバーア地区、アイン・フサイン村、ブルジュ・カーイー村、タッルドゥー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアシュラフィーヤ村に迫撃砲弾が着弾し、市民1人が志望、複数が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(8月18日付)によると、アイン・ラールーズ村、サルジャ村、アリーハー市、カフルルーマー村、ハーン・スブル村、ヒーシュ村、アルバイーン山、バザーブール村で、軍が反体制武装集団と交戦し、チェチェン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカス訪問中のモーリタニア政党・組合使節団と会談した。

会談で、アサド大統領は、シリア国内の危機の政治的解決に向けた建設的で誠実な(諸外国の)努力を歓迎すると同時に、テロ根絶をデザインしていることを強調した。

SANA(8月18日付)が報じた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、反体制武装集団による「海岸解放作戦」の失敗に関して、アサド政権がラタキア県の住民を「人質」にとっていると断じる一方、住民に対して、政権との関係を絶ち、「革命」に貢献するよう呼びかけた。

レバノンの動き

AFP(8月18日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のマシャーリーウ・カーアなどに迫撃砲弾5発が着弾した。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団がダマスカス県のフォー・シーズン・ホテルに到着した。

AFP(8月18日付)が報じた。

AFP, August 18, 2013、al-Hayat, August 19, 2013, August 20, 2013、Kull-na Shuraka’, August 18, 2013、Kurdonline,
August 18, 2013、Naharnet, August 18, 2013、Reuters, August 18, 2013、SANA,
August 18, 2013、Sky News Arabic, August 18, 2013、UPI, August 18, 2013などをもとに作成。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長がサウジ人風の衣装をまとってインタビューに応え「シリアの真の為政者」としてのイラン・イスラーム革命防衛隊への敵意を表明、使徒末裔旅団がイラク・シャーム・イスラーム国に対し対立の解消を呼びかけ(2013年8月17日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は『ハヤート』(8月18、19日付に連載)のインタビューに応じ、そのなかで連立が「6,000人の中核からなるシリア国民軍」の結成を進めていると改めて認める一方、その司令官に関して「私は国民軍司令官に(マナーフ・)トゥラースを推挙しない。マナーフは体制を離反した点で感謝に値するが…、このことは軍司令部の中心を彼が引き受けるということではない」と述べた。

al-Hayat, August 18, 2013
al-Hayat, August 18, 2013

また「イラン軍が今や、シリアの土地を汚している。我々はこの汚れをシリアの土地から浄化せねばならない。これは強力で訓練された国民軍があって初めてできる…。我々にはそうするためのマンパワーはある。支援と武器供与が必要なのだ」と述べた。

さらに「シリアの真の為政者はイラン・イスラーム革命防衛隊で、彼らがアサドとヒズブッラーの戦闘員を支援している」と断じた。

ジャルバー議長は、シリア人がほとんど身に着けることがないサウジ人風の白のガラビーヤを纏い、インタビューに応じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、15日のベイルート郊外ダーヒヤでの自爆テロに関して「民間人を標的とすることを拒否する」姿勢を示す一方、「シリア国民に対するハサン・ナスルッラーの脅迫に反対する」と非難した。

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『ハヤート』(8月18日付)は、反体制勢力の複数の消息筋の話として、シリア革命反体制勢力国民連立政治委員会がイスタンブールでの会合で、暫定政府首班の指名、「シリア国民軍(中核)」の設置、クルド民族主義勢力とサラフィー主義者の緊張緩和を目指している、と報じた。

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『ハヤート』(8月18日付)によると、使徒末裔旅団は声明を出し、ラッカ県でのイラク・シャーム・イスラーム国に対する軍事作戦を停止すると発表、「対立を解消し、体制(アサド政権)に共に武器を向ける」ことを呼びかけた。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市とダルバースィーヤ市を結ぶ街道に位置するアサディーヤ村をイラク・シャーム・イスラーム国が襲撃、住民(クルド人)が応戦した。

同監視団によると、戦闘は16日から行われており、多数の住民が避難したという。

これに関して、クルドオンライン(8月17日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線の襲撃に応戦したアサディーヤ村住民でヤズィーディー派クルド人のムラード・サアドゥー・バッルー氏が殺害され、また兄弟のアリー・バッルー氏が誘拐された、と報じた。

また、村人らがその後、ヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦し、40人以上の外国人戦闘員を殺害したと報じた。

このほか、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国は、ラアス・アイン市を重火器で砲撃する一方、近郊のアスファル・ナッジャール村、タッル・ハラフ村を襲撃、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

これらの戦闘で、サラフィー主義者11人、クルド人戦闘員4人を含む17人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、キリスト教徒が多いワーディー・ナサーラー地方の検問所や避暑地のレストランをシャームの民のヌスラ戦線が襲撃し、国防隊の戦闘員5人と民間人6人を殺害した。

一方、SANA(8月17日付)によると、ダール・カビーラ村、ラスタン市、タルビーサ市、マシュラファ村、タッルカラフ市、ヒムス市クスール地区、カラービース地区、ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍た反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市郊外のカスル・イブン・ワルダーン地方が軍の空爆・砲撃を受けた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町などを軍が空爆・砲撃、また軍と反体制武装集団が交戦し、複数の外国人戦闘員が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区を軍が地対地ミサイルで攻撃し、「自由シリア軍」が占拠していた住宅ビル3棟が破壊され、40人が死亡した。

またアレッポ中央刑務所周辺、ラスム・バクルー村、アレッポ市ハーリディーヤ地区、バニー・ザイド地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月17日付)によると、ムスリミーヤ・アレッポ街道、ハイヤーン町、バヤーヌーン町、バービース村、マンスール村、バーブ・アレッポ街道、アターリブ・アレッポ街道、クワイリス村、フライターン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ブスターン・カスル地区、ザバディーヤ地区、ラーシディーン地区、ブスターン・バーシャー地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タマーニア町、アリーハー市、ザーウィヤ山などを軍が砲撃した。

一方、SANA(8月17日付)によると、ガッサーニーヤ村、アーリヤ市、ナージヤ村、アイン・ガザール市、ジャーヌーディーヤ町、ビダーマー町、マアッルバリート市、カフルナジュド市、カフルシャラーヤー市、アルバイーン山、バザーブール村、サルジャ村、マジュダリヤー村、ナイラブ村、マアッルダブサ市、ハーン・スブル村、タッル・ディーニート市、サラーキブ市、アブー・ズフール市西部、バラーギースィー市、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町を軍が空爆、またフジャイラ村で軍と反体制武装集団が交戦した。

またスカイ・ニュース・アラビック(8月17日付)は、「自由シリア軍」がダマスカス国際空港街道で軍の車列を襲撃し、数十人の兵士を殺害したと発表したと報じた。

一方、SANA(8月17日付)によると、ハーミスィーヤ市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

また、軍はムライハ市、シャイフーニーヤ農場、ドゥーマー市郊外、バハーリーヤ市郊外、ダイル・サルマーン市郊外、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ザバダーニー市、ヤブルード市郊外で、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム旅団と交戦、数十人の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

さらに、SANAは、ダマスカス国際空港街道で「自由シリア軍」が軍の車列を襲撃したとのスカイ・ニュース・アラビック(8月17日付)の報道を高官筋が事実無根と否定したと報じた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区、ルクンッディーン区、ヤルムーク区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月17日付)によると、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制勢力の追撃を続け、バッラー旅団作戦司令室司令官などを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、クタイバ村を軍が攻撃したほか、ダルアー市で女性の遺体3体が発見された。

またダルアー市、ナワー市などを軍が空爆した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ズバイダ市、ルワイヒーナ市、ビール・アジャム市、ブライカ市を軍が砲撃、反体制武装集団と交戦した。

レバノンの動き

ムスタクバル潮流代表のサアド・ハリーリー元首相はツイッター(8月17日付)で、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の16日の演説を「レバノンをシリアの混乱に引き込む」と非難した。

ハリーリー元首相は「ナスルッラーは一方で自制を呼びかけておきながら、個人的にシリアで戦う用意があると矛盾したことを言っている」と述べたうえで、「もしナスルッラーがテロと戦いたいのなら、バッシャール・アサドを守るための戦争を始める前に、まずレバノン国民の同意を得るべきだ」と非難、シリアでのヒズブッラーの戦争を、15日のダーヒヤでの自爆テロと同様のテロだと断じた。

そのうえで「ヒズブッラーは、国家、軍、国民を超越したため、もはやレジスタンスなどではない」と主張した。

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『ラアユ』(8月17日付)は、15日のベイルート郊外ダーヒヤでの自爆テロに関して、治安当局がベイルート県内(ジュダイダ街道地区)で、レバノン人、シリア人、パレスチナ人容疑者複数名を拘束したと報じた。

諸外国の動き

UNHCRは、周辺諸国に避難したシリア人避難民の数が91万1,282人に達したと発表した。

うちレバノンに68万4,000人、ヨルダンに51万6,449人、トルコに43万5,000人、イラクに15万5,000人、エジプトに10万7,000人、マグリブ諸国に14,000人が避難し、国外避難民の79%が避難民キャンプ外で避難生活を送っている、という。

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AFP(8月17日付)によると、イスラエル軍報道官は、シリア領内から発射された迫撃砲弾3発が占領地ゴラン高原に着弾し、イスラエル軍がただちに迫撃砲で応戦したと発表した。

AFP, August 17, 2013、al-Hayat, August 18, 2013、Kull-na Shuraka’, August 17, 2013、Kurdonline, August
17, 2013、Naharnet, August 17, 2013、al-Ra’y, August 17, 2013、Reuters, August 17, 2013、SANA, August 17, 2013、UPI, August
17, 2013などをもとに作成。

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自由シリア軍参謀委員会がベイルート郊外で発生した自爆テロを非難し実行グループと自由シリア軍の無関係を主張、民主統一党のムスリム共同党首が訪問先のイスタンブールでトルコ高官らや反体制勢力の幹部らと会談(2013年8月16日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官はAFP(8月16日付)に、ベイルート郊外ダーヒヤでの15日に自爆テロに関して「民間人を標的としたこの犯罪行為を非難する…。彼ら(イスラーム教徒の母アーイシャ中隊)は、自由シリア軍やシリア革命に属するとは言っていなかった」と述べ、関与を否定した。

そのうえで「犯罪者(アサド大統領)とともにシリア国民の殺戮に参加している者にこの犯罪の責任がある」と述べ、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長のアサド政権支持がテロの原因だと非難した。

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自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー中央広報担当官はAKI(8月16日付)に「現時点での(移行期)政府樹立は、シリアとシリア国民に対する歴史的犯罪になる…。我々は移行期におけるいかなる政府の樹立をも断固拒否する…。我々は真の愛国的革命勢力に、半ば解放された地域で執行委員会を設置することを要求する。この委員会は独立性を持ち、現地に存在し、いかなる党派的・宗派的・個人的なアジェンダ・ヘゲモニーにも従属しないことが条件だ」と述べた。

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AKI(8月16日付)は、シリアのビジネスマン・ジャーナリストの情報として、イタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサー修道院修道長)が存命だと報じた。

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民主統一党のサリーム・ムスリム共同党首は訪問先のトルコのイスタンブールでトルコ高官と会談した。

複数の消息筋によると、ムスリム共同党首は、トルコ側の人道支援が「商人の手に渡り、ブラック・マーケットで出回っている」ことに対処するよう求めたが、トルコ側はトルコ赤新月社に対応を求める旨回答したという。

またムスリム共同党首はシリアの反体制勢力の幹部らとも会談し、平和的な紛争解決の可能性について協議したが、結論は得られなかったという。

ムスリム共同党首はこの会談で、シリア革命反体制勢力国民連立が国内の武装集団への制御を失ったとしたうえで、「西クルディスタンで戦っている集団は自分たちに属していないと言うが、同時にこれらの勢力をかくまい、依存している。こうした集団があなたたちに属していないのに、なぜかくまうのか?」と非難したという。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(8月16日付)は弁護士組合筋の話として、ニザール・スカイフ組合総裁が、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長の要請を受け、2ヶ月間職務を行っていないという理由で、反体制活動に与する弁護士12人を除名したと報じた。

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クッルナー・シュラカー(8月16日付)は、シリア・クルド人民主国民連合がダマスカス県のダーマールーズ・ホテルで記者会見を開き、組織の原則・目標を発表したと報じた。

2013年初めにハサカ県カーミシュリー市でバアス党関係者参加のもとに結成されたとされる同組織は、シャームの民のヌスラ戦線などサラフィー主義武装集団によるクルド人地域への「テロ」を非難する一方、欧米諸国、地域各国の内政干渉を拒否した。

一方、他のクルド民族主義組織との関係に関しては、「クルド世論を独占せず、いかなる組織、党にとってかわるものではない」と述べた。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線が、ラアス・アイン市を重火器、迫撃砲などで砲撃し、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

またユースフィーヤ村、カルフーク村でも16日深夜に、イラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線が民主統一党人民防衛隊と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ウワイナ村、イーラージャーグ村、ドゥーカルマーン村、ジャカル村、カナーヤ村、ヤラーン村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

また同監視団によると、アレッポ市サーフール地区、ズィルバ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月16日付)によると、クワイリス村、ハーン・アサル村、アターリブ市、ナイラブ村、ズィルバ村で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ブスターン・カスル地区、ラーシディーン地区、マルアブ・バラディー地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリアの複数のサイトによると、アレッポ法医学局のアブドゥッタウワーブ・シャフルール局長がアレッポ市アクラミーヤ地区の自宅前で武装集団に誘拐された。

『ハヤート』(8月20日付)によると、シャフルール氏は、ハーン・アサル村での化学兵器使用の調査を主導した人物。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、スーサク村をイラク・シャーム・イスラーム国が砲撃し、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

また、同監視団によると、反体制武装集団が第17師団基地の集合施設を迫撃砲で攻撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、バイト・シュクーヒー村で軍と反体制武装集団が交戦、また反体制勢力がクルド山、トルクメン山(ラビーア町一帯)を軍がヘリコプターで空爆した。

一方、SANA(8月16日付)によると、バイト・シュクーヒー村、アブー・マッカ村および同村郊外の丘陵地帯で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地の治安を回復した。

またキンサッバー地方で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザイル市のジュバイラ地区、ハウィーカ地区、マヤーディーン市が軍の砲撃を受け、ジュナイナ村で反体制武装集団の戦闘員1人を含む2人が死亡した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区で狙撃され負傷した反体制武装集団の司令官がシャーグール区で死亡した。

またジャウバル区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月16日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またバーブ・シャルキー地区、ドゥワイラア地区、マイダーン地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供4人を含む市民6人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、フジャイラ村、ザバダーニー市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、ダーライヤー市地元評議会の広報局長のシャーヒル・マアダマーニー氏が、迫撃砲による攻撃で負傷、死亡した。

他方、SANA(8月16日付)によると、アドラー市、アルバイン市、リーハーン農場、ドゥーマー市、ハラスター市、ブハリーヤ農場、ダイル・サルマーン農場、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、タッル市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市の航空基地の集合施設を反体制武装集団が攻撃する一方、軍はタッラフ村を砲撃した。

一方、SANA(8月16日付)によると、カフルヌブーダ町などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市、ナワー市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月16日付)によると、ダルアー市、タファス市、アトマーン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、アンサール・スンナ大隊戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アウラム・ジャウズ市一帯、ラーム・ハムダーン村、カフルズィーター市、マアッラト・ヌウマーン市を軍が砲撃し、子供1人を含む複数が死傷した。

一方、SANA(8月16日付)によると、アイン・ガザール村、マラーニー村、カニーヤ村、ジャーヌーディーヤ町、タッル・サラムー市、バラーギースィー市、タッル・ダマーン村、ハルウィーヤ市、マアッラトミスリーン市、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、ビンニシュ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ガントゥー市に軍が砲撃を加え、子供1人が死亡した。

一方、SANA(8月16日付)によると、クサイル市郊外で、レバノンから潜入した反体制武装集団を軍が撃退した。

またヒムス市クスール地区、カラービース地区、ブスターン・ディーワーン地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、キースィーン村、カルアト・ヒスン市、ダール・カビーラ村、タルビーサ市、ラスタン市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、マナール・チャンネル(8月16日付)で、レバノン紛争戦勝記念演説を行った。

演説において、ナスルッラー書記長は「必要なら、私はタクフィール主義者との戦いに自ら出向くだろう。ヒズブッラーと私は、ダマスカスの政権を倒そうとする反乱分子と戦うためにシリアに行くだろう」と述べた。

また「我々は、シリア国民とこの国の大義、すなわちパレスチナのために戦うだろう…。我々が戦いの命運を決する。イスラエルとのすべての戦争に勝利したように、我々はテロとタクフィール主義者の戦いに勝利するだろう」と強調した。

15日のベイルート郊外ダーヒヤでの自爆テロに関しては、「おそらく、タクフィール主義集団が昨日の爆発の背後におり、疑う余地なく、彼らの一部はイスラエルのために活動している」との見方を示した。

また「現在確かなのは、彼ら(自爆テロの実行犯)が外国の支援を受けたタクフィール主義者だということだ」と付言した。

そのうえで、「殺人者どもよ、我々はたとえ国家が突き止められなくても、お前たちを突き止める…。我々は、国防や治安において国家にとって代わるものではない。しかし国家が責任を果たさなければ、我々がそれを行う…。もしシリアに介入したという理由でヒズブッラーを罰するというのなら、私は、タクフィール主義者がシリア国民をもっともあしざまにしていると言いたい。彼らはモスクを破壊し、子供たちを殺している。これに対し、我々は特定の地域に入っているだけで、民間人を殺さないようにしてきた…。我々は虐殺を犯していない。タクフィール主義者と戦ってきただけだ」と述べた。

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北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区で、武装集団どうしが衝突、発砲した。

NNA(8月16日付)が報じた。

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自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、『ハヤート』(8月17日付)に「我々はレバノン領外への干渉に反対しており、この問題(シリアの紛争への関与)に関して、我々とヒズブッラーの間に何の相互理解もない…。レジスタンスのシリアへの関与はヒズブッラーとシリア人の間の相互理解の一部をなしているのみだ」と述べた。

諸外国の動き

イラクのホシェル・ゼバリ外務大臣は訪問先のワシントンDCでの講演で、イランからシリアへの空路での武器供与について「減少したと言える。しかし供与は停止してはいない…。我々は他国に義務を果たせることができなかったとして、イラクをスケープゴートとみなしたりはしたくない。我々は自らの義務を果たしているし、さらにそうすると考えている」と述べた。

AFP(8月16日付)が報じた。

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国連難民高等弁務官事務所の報道官はジュネーブで、アレッポ市やシリア北東部の貧困地域からイラク(クルディスタン地域)への避難民が急増、1日だけで約7,750人がティグリス川を越えて流入していると発表した。

避難民急増の理由は不明だという。

また、エジプトのシリア人避難民に関して、「事態を注視している」と述べ、混乱拡大に懸念を表明した。

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『ハヤート』(8月17日付)などは、国連の複数の高官の話として、化学兵器使用に関する国連調査団が18日にシリアの首都ダマスカスに入ると報じた。

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GCCのアブドゥッラティーフ・ビン・ラシード・ザナーニー事務局長は声明を出し、15日のベイルート郊外ダーヒヤでの自爆テロを非難した。

AFP, August 16, 2013、AKI, August 16, 2013、al-Hayat, August 17, 2013, August 18, 2013, August 20, 2013、Kull-na Shuraka’, August
16, 2013、Kurdonline, August 16, 2013、al-Manar Channel, August 16, 2013、Naharnet,
August 16, 2013, August 17, 2013、NNA, August 16, 2013、Reuters, August 16,
2013、SANA, August 16, 2013、UPI, August 16, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ベイルート郊外のダーヒヤ区で自爆テロが発生し「アーイシャ・イスラーム教徒の母中隊」を名乗る団体が犯行声明、トルコ軍がシリア領内から潜入しようとした「密輸業者ら」を阻止するために対シリア国境に向け発砲(2013年8月15日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国がヌッブル市で数日前に拉致した若者2人(政権支持者)を処刑した。

イラク・シャーム・イスラーム国は声明を出し、処刑が「双方の人質交換プロセスが遵守されなかったことへの報復」と述べた。

またマンビジュ市では、大モスクのイマーム、ムハンマド・サイード・ディーブー師が何者かに撃たれて即死した。

さらにザマーン・ワスル(8月15日付)は、マンビジュ市近郊で、記者のムハンド・ウマル氏と女性活動家のサムル・サーリフ氏が拉致されたと報じ、住民らと良好な関係にあった2人の拉致がイラク・シャーム・イスラーム国による犯行だと推定した。

一方、SANA(8月15日付)によると、アイン・ジャマージマ村、ジャービリーヤ市、クワイリス村、クワイリス航空基地周辺、ダーラ・イッザ・アレッポ街道、アターリブ・アレッポ街道で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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『ハヤート』(8月16日付)は複数の活動家からの情報として、ラッカ市、タブカ市で使徒末裔大隊を掃討したイラク・シャーム・イスラーム国が、ラッカ市内での爆発の映像を撮影していたムハンマド・マタル氏(活動家)を逮捕した、と報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町、同市郊外のズィヤービーヤ町で、軍がヒズブッラー戦闘員の支援のもと、反体制武装集団と交戦し、シャーミヤ村に迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(8月15日付)によると、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ハラスター市、アルバイン市、ムライハ市、バハーリーヤ農場、アフマディーヤ農場、アドラー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月15日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またティシュリーン公園に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。

他方、イスラーム旅団は、シリア・アラブ・テレビが結婚ジハードに関する証言を放映したことの「報復」として、ダマスカス県ウマウィーイーン広場のラジオ・テレビ機構に107mm迫撃砲2発を発射したと主張した。クッルナー・シュラカー(8月15日付)が報じた。

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ヒムス県では、SANA(8月15日付)によると、ヒムス市クスール地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、タルビーサ市、ガントゥー市、ダール・カビーラ村、ラスタン市、ラスタン湖、カフルアブド村、サアン村、ファルハーニーヤ村、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、タウヒード旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月15日付)によると、ナワー市、タスィール町、バサーラ市、サフム・ジャウラーン村、タファス市、ハーッラ市、ダルアー県ダム街道地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(8月15日付)によると、トゥワイニー村、アームーダー・ダルバースィーヤ街道、マズルーマ村、ビジャーリーヤ村、スィーハ村、マシュタル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月15日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、ハウィーカ地区、アブー・ハマーム市、ムーハサン市、シュハイル市、クーリーヤ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(8月15日付)によると、アブー・ハナーヤー村、アブー・フバイラート村、ムカイマン村、ハルダーナー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷・拘束、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(8月15日付)によると、クライア村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同村の治安を回復した。

またサルマー町、ドゥーリーン村、カビール村、バイト・シュウーヒー村、スランファ村郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月15日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、アルバイーン山、ムラーニー村、ビダーマー町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

ザマーン・ワスル(8月15日付)は、各地の複数の活動家からの情報として、シャームの民のヌスラ戦線がアレッポ県、ハマー県に、自爆作戦(自爆テロ)の実行を志願する地元の若者を登録するための窓口を開設したと報じた。

同報道によると、ヌスラ戦線は自爆テロを志願する22歳以下の若者に対して手厚い謝金を支払うとしており、すでに60人が志願したという。

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クッルナー・シュラカー(8月15日付)は、南アフリカ共和国の駐シリア大使が、ダマスカスで民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表、ラジャー・ナースィル書記長と会談した、と報じた。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、エジプト情勢に関して「憲法、シューラー議会、ムハンマド・ムルスィー大統領に代表される…エジプトの正統性に対する軍事クーデタ」を非難、「国際的、地域的な陰謀があり、そこでは敵国イスラエルと国内の手先の存在が欠かせない…。殺戮の手はシャームからエジプトに伸びている…。シリアと…エジプトで起きていることから、我々の民族は一つで、敵も一つだとみなが考えるようになっている」と指摘したうえで、「腐敗と独裁に対するジハード」への支持を表明した。

シリア政府の動き

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ベイルート郊外のダーヒヤで発生した爆弾テロを「臆病で不実で敵国イスラエルに奉仕する」行為と非難した。

SANA(8月15日付)が報じた。

レバノンの動き

NNA(8月15日付)などによると、ベイルート郊外のダーヒヤで爆弾テロが発生し、少なくとも14人が死亡、212人が負傷した。

爆発は、ベイル・アブド地区・ルワイス地区間で発生、MTV、マナール・チャンネルによると、自動車爆弾による自爆攻撃だった。

またジャディード・チャンネルによると、爆発現場で銃声が聞こえたという。

その後、「アーイシャ・イスラーム教徒の母中隊」を名乗る集団が、ユーチューブ(http://www.youtube.com/watch?v=gbF5DJ3_EKs&feature=player_embedded)を通じて犯行声明を出した。

声明で同集団は「我々はハサン・ナスルッラーのブタにメッセージを…送った」と述べた。

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ミシェル・スライマーン大統領は声明を出し、ダーヒヤでの自爆テロに関して「爆発には、テロとイスラエルの刻印が押されており、政治的メッセージを伝えるため、民間人と無実の人々を狙ったものだ」と非難した。

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ナビーフ・ビッリー国民議会議長は声明を出し、ダーヒヤでの自爆テロに関して「疑う余地なく、イスラエルの黒い手」によるもので「この犯罪は敵国イスラエルに資するだけ」だと非難した。

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進歩社会主義党党首のワリード・ジュンブラート議員はLBCI(8月15日付)に「ダーヒヤでの爆破事件の背後にいるイスラエルを非難する…。イスラエルだけが事件で得をしている」と述べた。

諸外国の動き

ロイター通信(8月15日付)は、トルコ軍がシリア領内(イドリブ県)から潜入しようとした「密輸業者」ら約2,000人の入国を阻止するため、対シリア国境に向けて発砲したと報じた。

トルコ軍によると、馬に乗った約150人と約40台の車輌とともに、750人から1,000人が300メートルにわたる列をなして徒歩でハタイ県レインヒル市郊外のクシャクル村の国境地帯に接近したのを受け、軍が潜入を阻止するために装甲車、戦車を展開させ、トルコ語とアラビア語で警告を発したという。

その際、クシャクル村から15~20発の発砲があり、トルコ軍が応戦したという。

ただし、この発砲が「密輸業者」なのか村人によるものなのかについて、軍は特定しなかった。

トルコ軍による威嚇射撃を受け、「密輸業者」は退散、その後現場で石油が入ったドラム缶35本が発見されたという。

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ザマーン・ワスル(8月15日付)は、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員としてシリア国内で活動している子息を連れ戻すため、湾岸諸国から複数の家族がシリア入りしたと報じた。

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クッルナー・シュラカー(8月15日付)は、イラク・クルディスタン地域政府が、ハサカ県マーリキーヤ(ダイリーク)市郊外のスィーマールカーとティグリス川対岸のフィーシュハーブールの間の国境通行所を再開し、シリアのクルド人の帰国と人道支援物資の搬出を認めたと報じた。

ただし、シリアからのクルド人避難民の受入は行わないという。

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マーティン・デンプスィー米陸軍参謀長は、訪問先のヨルダンの首都アンマン郊外にある米軍基地で約100人の米兵を前に演説を行った。

演説のなかで、デンプスィー参謀長は「数年間にわたって」ヨルダン駐留を継続するとしたうえで、「我々の活動が終わる日付を明言しない…。なぜなら、事態はシリア情勢がどう進展するかによっており…、(シリアの紛争に関係する)これらの問題への対応力をヨルダンのパートナーが評価するかによっているからだ」と述べた。

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UNRWAは声明を出し、8月7日に失踪していた職員(イマード・アブドゥルハフィーズ氏)が遺体で発見されたと発表、殺害を厳しく非難した。

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『ワシントン・ポスト』紙は、同紙のインターネット・サイトが、「シリア電子軍」のサイバー攻撃を受けた、と発表した。

AFP, August 15, 2013、al-Hayat, August 16, 2013、Kull-na Shuraka’, August 15, 2013、Kurdonline, August
15, 2013、al-Jadeed, August 15, 2013、LBCI, August 15, 2013、al-Manar, August
15, 2013、MTV, August 15, 2013、Naharnet, August 15, 2013、NNA, August 15,
2013、Reuters, August 15, 2013、SANA, August 15, 2013、UPI, August 15, 2013、Zaman
al-Wasl, August 15, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラク・シャーム・イスラーム国がラッカ市内の使徒末裔大隊の複数拠点を攻撃・制圧するなか、プーチン大統領がサウジ高官との会談のなかで「アサド政権の打倒に反対しないことに同意した」と報じられる(2013年8月14日)

国内の暴力

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市の鉄道駅地区などにある使徒末裔大隊の本部や拠点を、イラク・シャーム・イスラーム国が攻撃、制圧した。

同監視団によると、両者の戦闘は13日晩に鉄道駅地区の使徒末裔大隊の本部でイラク・シャーム・イスラーム国が爆弾を仕掛けた車を爆発させたのを受けて激化した。

またタブカ市でもイラク・シャーム・イスラーム国と使徒末裔大隊が交戦した。

一方、シリア人権監視団は、信頼できる複数の消息筋からの情報として、ラッカ市で7月末に拉致されたイタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサー修道院修道長)が、イラク・シャーム・イスラーム国の拘置所で殺害されたと発表した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、市民3人が死亡した。

また、シャームの民のヌスラ戦線が、クルド人が多く住むカフルサギーラ村を包囲(13日)した後に襲撃、住民と交戦した。

ヌスラ戦線は、アアザーズ市南東のタッル・マディーク村、サッド・シャフバー村に対しても攻撃を加え、両村にあるクルド旅団戦線の本部などを襲撃したという。

アレッポ市では、カーディー・アスカル地区などを軍が砲撃し、複数の市民が死亡、またマイサルーン地区、カーティルジー地区、ジュダイダ地区では、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月14日付)によると、クワイリス村、マンナグ村、ハーン・アサル村、ドゥワイリーナ村区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、『ジュムフーリーヤ』(8月14日付)は、自由シリア軍がアレッポ市西部郊外で、イランの革命防衛隊戦闘員1人を捕捉したと報じた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カルフーク村、サラー村、ユースフィーヤ村、マアバダ村周辺で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦し、後者の戦闘員複数が死亡した。

両者の戦闘は、カフターニーヤ(カフターニーヤ)市郊外のマズルーマ村、ターヤー村でも発生した。

また、シャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国はラアス・アイン市各所を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国などからなる反体制武装集団がハーミディーヤ航空基地で車爆弾を爆発させ、突入し、武器庫などを破壊し、基地内の主要施設を制圧した。

この戦闘で、軍兵士7人と反体制武装集団の戦闘員4人が死亡したという。

また、使徒末裔大隊のハーリド・スジャナーウィー報道官はクッルナー・シュラカー(8月14日付)に対して、マアッラト・ヌウマーン市にあるシリア軍の「最後の拠点」を制圧、軍の大尉1人を含む兵士9人を捕捉したと述べた。

これに対し、軍はハーミディーヤ航空基地周辺、マアッラト・ヌウマーン市などを空爆した。

またジャーヌーディーヤ町に対しても空爆を行い、子供3人が死亡した。

一方、SANA(8月14日付)によると、アブー・ズフール市南部、タッル・サラムー市南部、ガッサーニーヤ村、ジスル・シュグール市、シャビーバ軍事基地周辺、マジュダリヤー村、クマイナース村、ナイラブ村、タッル・ディーニート市、アルバイーン山、マアッラトミスリーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町一帯が軍の砲撃を受け、またアイン・カンタラ村周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月14日付)によると、フマイス山で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

またフルワ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のジュバイラ地区、フタイか地区、旧空港地区、ムワッザフィーン地区、カナーマート地区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(8月14日付)によると、ダイル・ザウル市ジスル・シィヤーサ、ハウィーカ地区、ジャバリーヤ地区、ウルフィー地区、工業地区、マリーイーヤ村、ブー・ウマル村、フサイニーヤ町、ヒサーン村、ムハイミーダ村、ムッラート村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(8月14日付)によると、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市、ザマルカー町、フジャイラ村、サイイダ・ザイナブ町で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月14日付)によると、ハラスター市、リーハーン農場、ドゥーマー市郊外、アルバイン市、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、ザバダーニー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、チュニジア人ら外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハラスター市の水利局近くで、反体制武装集団の発砲で、市民1人が死亡、2人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー県西部で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(8月14日付)によると、ダルアー市、バスラ-・シャーム市、フラーク市、(東)カラク村、インヒル市、アブー・ハーラタイン市、スィースーン市、アイン・ズィクル村、サイダー市、バサーラ市、アイン・カーディー市、アブダリー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ハウラーン殉教者旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月14日付)によると、ヒムス市クルール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、バーブ・スィバーア地区、バーブ・フード地区、ワルシャ地区、サフサーファ村、ザーラ村周辺、タルビーサ市、ハウラ地方で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアシュラフィーヤ村に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民5人が負傷した。

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ハマー県では、SANA(8月14日付)によると、アクラブ町、アブー・フバイラート市、アブー・ジャナーヤー市、スーハー市、マスウード市、マスアダ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はDPA(8月14日付)に対し「隣国に自由シリア軍の訓練基地があるとの主張は正しくない。シリア国境は戦闘員に開放されており、アサド政権はそれを掌握していない。自由シリア軍は、後半に制圧しているシリア領以外のいかなる国で訓練を受ける必要もない…。アサド(政権)は今まさに息を引き取ろうとしており、蘇生室にいるようなものだ」と述べた。

シリア政府の動き

SANA(8月14日付)は、シリア中央銀行のアディーブ・マイヤーラ頭取が各市中銀行の代表らと会合を開き、市中銀行による外国通貨の取引を許可することを決定したと報じた。

同報道によると、外国通貨の取引は、商業以外の目的で一般利用者に解禁される、という。

なお現在、シリア国内では1人あたりの外貨購入可能額が500米ドルに制限されている。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はレバノン紛争(2006年)「戦勝」記念日に合わせて、マヤーディーン・チャンネルを通じてテレビ演説を行った。

シリア情勢に関連して、ナスルッラー書記長は演説のなかで「レジスタンスは7月戦争(レバノン紛争)以前から、シリアから直接武器を得てきた…。レジスタンスの装備の大部分はシリアからの武器に依存してきた…。7月戦争で使用したロケット弾の多くはシリア製だった」と述べた。

諸外国の動き

『ワタン・アラビー』(8月14日付)は、西側外交筋の話として、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とサウジアラビアのバンダル・ビン・スルターン総合情報庁長官がモスクワで会談し、シリア情勢について「前向きな成果」を達成したと報じた。

会談で、バンダル事務局長は、プーチン大統領にシリアでの体制転換後もタルトゥース市の基地の温存などを保障すると申し出てたという。

これに対して、プーチン大統領は、移行期における政権をムスタファー・トゥラース元国防大臣の長男で、フィラース・トゥラースの兄のフィラース・トゥラースに託すことを条件に、アサド政権の打倒に反対しないことに同意したという。

アサド政権支援を断念することの見返りに、サウジアラビアがロシアと150億ドル相当の武器契約を行うとの案については、具体的に協議されなかったという。

なお、クッルナー・シュラカー(8月14日付)は、ロシアが移行期政府首班にフィラース・トゥラース氏を推薦したとの『ワタン・アラビー』の報道に関して、フィラース氏自身が「彼らは、シリアで私が何の要職にも就かないだろうと安心している」と友人らに明かしたと報じた。

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ロイター通信(8月14日付)は、米マイアミ連邦裁判所が、シャームの民のヌスラ戦線など米政府がテロ組織と認定する三つの組織に資金、戦闘員を送ろうとしていた米国人とケニア人を拘束、捜査を行っていると報じた。

2人は先週、ある湾岸国から米国に身柄が引き渡されたという。

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イスラエル当局は13日に占領下のシャブアー農場で拘束したシリア人を釈放した。

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国連の潘基文事務総長は、シリア政府が化学兵器使用に関する国連調査団の受入を正式に受諾したと発表した。

潘事務総長は、調査団のシリア訪問が近く実現するとしたうえで、「完全に独立した中立的調査」を行うだろうと強調した。

AFP, August 14, 2013、DPA, August 14, 2013、al-Hayat, August 15, 2013、al-Jumhuriya, August 14, 2013、Kull-na Shuraka’, August 14, 2013、Kurdonline, August 14, 2013、al-Mayadeen, August 14, 2013、Naharnet, August 14, 2013、Reuters, August 14, 2013、SANA, August 14, 2013、UPI, August 14, 2013、al-Watan al-‘Arabi, August 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外革命指導評議会が発足が目指される「シリア国民軍中核」に対する拒否の意を表明するなか、民主統一党のムスリム共同党首は西クルディスタンに「移行政府」ではなく「移行期民政局」の設置するための協議を開始したことを明らかに(2013年8月13日)

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外革命指導評議会は声明を出し、「シリア国民軍中核」を新たに発足するとしたシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー代表の発言に「シリア以外の土地での新たな軍の創設をめざすとした声明に懸念、非難、拒否」の意を示し、「反体制武装集団の隊列を弱化させる」としたうえで、「国際社会に自由シリア軍に充分な武器を供与するよう」求めた。

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シリア革命反体制勢力国民連立で治安・防衛問題を担当するカマール・ルブワーニーは『ハヤート』(8月14日付)に、連立が近く結成を発表する予定の「シリア国民軍中核」に関して、ヨルダン、レバノン、トルコに逃れた離反兵約7,000人が参加する、と述べた。

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民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、トルコ高官との会談のため訪問したイスタンブールで『ハヤート』(8月14日付)に対して、党幹部が西クルディスタンに「移行政府」でなく、「移行期民政局」の設置するための協議を開始したと述べた。

ムスリム共同党首によると、「移行期民政局」は、各組織代表5人から構成される100~120人規模の組織になる予定で、西クルディスタンの市民生活の運営と、議会選挙のための法整備などを目的としている、という。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア在外局長はUPI(8月13日付)に対して「世界中のクルド人がクルディスタンを夢見るのは当然だが…歴史は一日たりともそのように描かれてはいない」と述べた。

そのうえで「我々は、(西クルディスタンの)自治民政局を支持しており、新たなシリアを建設するなかで分権制を支持している。この点において、(民主的変革諸勢力国民調整)委員会結成時に民主統一党を含むクルド政党5党と合意している」と付言した。

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クッルナー・シュラカー(8月14日付)は、アレッポ県北部において、自由シリア軍とクルド最高委員会による停戦合意を、アレッポ県アイン・アラブ市などで活動するマガーイル・シュユーフ旅団など一部の武装集団が拒否したと報じた。

ラッカ県タッル・アブヤド市での民主統一党人民防衛隊と自由シリア軍との停戦が明記されていないのが拒否の理由だという。

シリア政府の動き

シリア・アラブ・テレビ(8月13日付)は、シャームの民のヌスラ戦線のアミーラだという「サーラ」(当局が逮捕)を名のる女性らが反体制武装集団と行動を共にし「結婚ジハード」(性的「慰安」)を行っていたと証言する映像を放映した。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=AFOqmJsbla0

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アサド大統領は2013年政令第56号を発し、予備役期間中の国営銀行利用者への分割返済を延期・猶予することを定めた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市内のイラク・シャーム・イスラーム国の本部前で、市民が抗議デモを行った。

デモ参加者は、イラク・シャーム・イスラーム国が逮捕した住民の釈放、イタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサー修道院修道長)の解放を要求した。

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハナースィル市での地雷の爆発で、軍兵士5人が死亡した。

またクワイリス航空基地、バヤーヌーン町、マーイル町、ダイル・ハーフィル市で、軍と反体制武装集団が交戦し、10人以上が死亡した。

アレッポ市では、ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・サイード地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、クッルナー・シュラカー(8月13日付)は、イスラーム旅団に属すアッラーの剣自由人大隊が、アレッポ市イザーア地区、サイフ・ダウラ地区の軍作戦司令部副官のギヤース・ラヒーバ大尉を殺害した、と報じた。

他方、SANA(8月13日付)によると、クワイリス村近郊、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、ラスム・アッブード村、アターリブ市、ガーブ市、ダッル・アイユーブ村、アレッポ市ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、アレッポ市サラーフッディーン地区、スライマーン・ハラビー地区、スワイカ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がナスィーブ村の対ヨルダン国境の第29監視所を占拠したのを受け、軍が同市を空爆した。

また軍は、タスィール町、タファス市を砲撃した。

一方、SANA(8月13日付)によると、ハーッラ市、ダルアー市、ジッリーン村、タファス市、ダーイル町、タスィール町、アイン・フライジャ市、アイン・ズィクル村、サイダー市、カルカス市、ラフィード市、ウンム・マヤーズィン町、バスラ-・シャーム市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がナビー・ユーヌス山頂の軍の拠点複数カ所を攻撃、対する軍もサルマー町、ドゥーリーン村、ブタータ村を「樽爆弾」などで砲撃・空爆し、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(8月13日付)によると、オービーン村、ナビー・イシュアヤー山、ハンブーシーヤ村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、モロッコ人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カスティン市、マアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市、アウラム・ジャウズ市を砲撃した。

これに対し、反体制武装集団は、アリーハー市とイドリブ市間のマストゥーマ軍事基地に向かっていた軍の装甲車の車列を襲撃した。

一方、SANA(8月13日付)によると、アイン・ラールード村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市近くで、軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員18人が死亡した。

また、ラスム・ワルド村、カスル・イブン・ワルダーン村を軍が砲撃、さらにアムキーヤ町では軍の砲撃で子供1人が死亡、10人が負傷した。

一方、SANA(8月13日付)によると、ハルダーナー村で、爆弾が仕掛けられた車が誤爆し、反体制武装集団戦闘員多数が死亡した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ航空基地近くで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍がサフサーフ農場を空爆した。

またラッカ・ヒムス街道で、爆弾が爆発し、軍兵士3人が死亡、4人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

またスカイニュース・アラビック(8月13日付)によると、ダイル・ザウル市ムマイイズィーン地区の軍の拠点(学校)に、反体制武装集団が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月13日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、工業地区、ウルフィー地区、シュハイル市、ブサイラ市、ヒサーン村、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国時人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区、ヤルムーク区を軍が砲撃した。

一方、SANA(8月13日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アドラー市の第55旅団本部を、反体制武装集団が襲撃し、軍と交戦した。

またフジャイラ村、ミスラーバー市、マディーラー市、ドゥーマー市、ハラスター市、カースィミーヤ市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月13日付)によると、アルバイン市、ダイル・サルマーン市、フタイタト・トゥルクマーン市、ヤブルード市、ズィヤービーヤ町、ヤルダー市で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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一方、SANA(8月13日付)によると、タッルアダーイ村、ハラファ村、アイン・フサイン村、ダイル・フール村、ラスタン市、タッルドゥー市、ザアフラーナ村、キースィーン市、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

トルコの匿名外交筋は、4月にアレッポ県カフルダーイル村で拉致されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教が、シリア国民評議会とつながりのある組織によってトルコ領内で監禁されているとの一部報道に関して「主教2人はトルコ領内にいない…。我々が解放を望んでいる2人に関する情報は、事実無根だ」と否定した。

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マーティン・デンプスィー米陸軍参謀長は訪問先のイスラエルで記者団に対し、シリアの穏健な反体制勢力について、イスラーム過激派との一時的な協力関係がいつ実質的な同盟関係になるかを監視している、と述べた。

またシリア問題をめぐる米国、イスラエル、ヨルダンの協力における最重要点が、アサド政権が保有する化学兵器の脅威だと述べた。

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NNA(8月13日付)によると、ゴラン高原のブルー・ラインを越え、イスラエル占領下のレバノン領シャブアー農場に避難したシリア人羊飼いのムハマンマド・バダウィー氏(ダマスカス郊外県バイト・ジン村出身)が、イスラエル軍に身柄を拘束された。

AFP, August 13, 2013、al-Hayat, August 14, 2013、Kull-na Shuraka’, August 13, 2013、Kurdonline, August
13, 2013、Naharnet, August 13, 2013、Reuters, August 13, 2013、SANA, August
13, 2013、Sky News Arabic, August 13, 2013、UPI, August 13, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立が自由シリア軍とクルド最高委員会の停戦合意への支持を表明するなか、ダイル・ザウル市では軍とイスラーム主義諸勢力が激しく交戦し後者に33名以上の死者(2013年8月12日)

反体制勢力の動き

チュニジアのアンサール・シャリーア機構は声明を出し、ラタキア県山岳地帯での軍とシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国などとの戦闘で、メンバーの青年1人が戦死したと発表した。

声明は「2013年8月、「信者の母アーイシャの末裔の戦い」(海岸解放作戦)でヤースィーン・シューシャーン、通称アブー・アイユーブ・トゥーニスィーが死亡した」と発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、「祖国を打ち砕き、狭量なイデオロギーを押し付け、強制移住、誘拐、アラブ人・クルド人の内乱を助長するような行き過ぎたあらゆる計画」を拒否すると発表、アレッポ県北部での自由シリア軍とクルド最高委員会の停戦合意への支持を表明した。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区のムマイイズィーン検問所などで軍と反体制武装集団が交戦する一方、軍は同地区、ハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、アルディー地区、ヒサーラート地区、工業地区を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団もジュバイラ地区の軍拠点を砲撃した。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(8月12日付)に対し、ダイル・ザウル市での戦闘で、軍兵士25人と、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国の戦闘員33人が少なくとも死亡したと述べた。

このほか、軍はハトラ村を砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、アラディー地区、シネマ・フアード通り、シュハイル村などで、軍が反体制武装集団と交戦、イスラーム旅団の外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダイル・ザウル市の裁判所近くで、車に仕掛けられた爆弾が誤爆し、アッバース大隊の戦闘員多数が死亡した。

さらに同市ムワッザフィーン地区、クスール地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人、子供1人を含む複数の市民が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ市イスカンダリーヤ地区が軍の砲撃を受け、女性7人を含む8人が死亡、またラッカ市も砲撃を受けた。

またシリア人権監視団は、ラッカ市で2週間前からほぼ毎日、イラク・シャーム・イスラーム国やシャームの民のヌスラ戦線が拉致・拘束する市民数百人の釈放と、イタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサ-修道院修道長)の解放を求める抗議デモが発生し、数百人が参加している、と発表した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がダイル・ハーフィル市郊外のアイン・ジャマージマ村を空爆し、女性1人、子供6人を含む10人が死亡した。

またアクラブ村周辺の軍検問所を反体制武装集団が制圧した。

このほか、アレッポ市ではラーシディーン地区、サイフ・ダウラ地区で軍と反体制武装集団が交戦し、複数の戦闘員が死亡、アレッポ国際空港に近いカルム・カスル地区、カラム・トゥラーブ地区が軍の砲撃を受け、サラーフッディーン地区では反体制武装集団が軍の拠点に爆弾で攻撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、クワイリス村、アイン・ジャマージマ村、ナスルッラー村、バーブ市、マーイル町、アナダーン市、フライターン市、ライラムーン地区・カフルハムラ村街道、ダフラト・アブドゥラッブフ地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、ブスターン・バーシャー地区、ハーリディーヤ地区、バニー・ザイド地区、アシュラフィーヤ地区、マイダーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がサラミーヤ市を迫撃砲で攻撃し、市民12人が死亡、また市内での軍との戦闘で戦闘員3人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ムファッキル村で、軍は反体制武装集団の掃討を完了、同村の治安を回復した。

また軍は、アトシャーン村、ジスル・ムーリク軍検問所、ターウーナ軍検問所で、反体制武装集団と交戦、戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がタルビーサ市、ラスタン市を砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、タッルドゥー市、キースィーン市、アイン・フサイン村、マシュラファ村、ダイルフール村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またナースィラ市、ハワーシュ町間の街道のホテル近くで、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民8人が負傷した。

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ハマー県、SANA(8月12日付)によると、アクラブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

 

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、ハムザ大隊戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

『ジュムフーリーヤ』(8月13日付)は、タダームン区で、サハーバ大隊に属すイッズ・ブン・アブドゥッサラーム旅団が、軍が拘束していた女性13人を釈放したことの見返りとして、兵士の遺体13体を軍に引き渡したと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市、ムライハ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、アドラー市、ムライハ市、スバイナ町、シャイフーニーヤ村、アルバイン市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、軍がシュクーヒー村、サルマー町などに空爆を行った。

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ハサカ県では、SANA(8月12日付)によると、ハサカ県畜産農場地区、サッド・ガルビー地区、ラーイフ・ストーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月12日付)によると、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、サラーキブ市、アルバイーン山、マールティーン市、ハーッジ・ハンムード農場、バラーギースィー市、タマーニア町、マアッラト・ヌウマーン市、タッル・ダマーン村、タイフ・キヤーリー農場で、軍が反体制武装集団と交戦、タウヒード旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

AFP(8月12日付)は、複数の外交筋の話として、化学兵器使用に関する国連調査団のシリア訪問が延期になったと報じた。

延期の理由は、調査方法に関して調査団とシリア政府が最終合意に達しなかったためだという。

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UPI(8月12日付)によると、ヨルダン治安当局は、イルビド市でシリア人1人を逮捕し、高性能通信機器10器以上を押収した。

AFP, August 12, 2013、al-Hayat, August 12, 2013、August 13, 2013、al-Jumhuriya, August 13, 2013、Kull-na Shuraka’, August 12, 2013、Kurdonline, August 12, 2013、Naharnet, August 12, 2013、Reuters, August 12, 2013、SANA, August 12, 2013、UPI, August 12, 2013などをもとに作成。

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シリア革命反体制勢力国民連立がイスラーム主義諸勢力によるダイル・ザウル市フワイク地区の攻略に対し「誇りの念」を表明、アレッポ県北部では自由シリア軍とクルド最高委員会が停戦合意に至る(2013年8月11日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は、シャームの民のヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国によるダイル・ザウル市フワイク地区攻略(10日)に関して声明を出し、「ダイル・ザウルの自由シリア軍の男たち、そしてすべての戦線の同胞が…シリア人へのアサドの攻撃を食い止めたこと、国土解放に向けた英雄的行為に対して誇りの念を表明する…。道がいかに困難でも、勝利は真理とともにある」と発表した。

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シリア人権監視団は、2011年3月以降の死者数が106,423人に達したと発表した。うち、民間人は53,851人(子供は5,553人)だという。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長がラタキア県の「海岸戦線」とされる場所を視察する様子を撮ったビデオ映像がユーチューブ(8月11日付)にアップされた(http://www.youtube.com/watch?v=ynxNAEoxk4A)。

映像のなかで、イドリース参謀長は「北部戦線司令部と我々が完全に調整を行っていることを確認するためにいる…。海岸全土を解放するまで全力で活動を続ける…。我々のもとに届いている武器は少ないが、供与を受け続ける。我々が目にした戦果は、我々にさらなる支援を呼びかけるものである」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(8月12日付)は、アレッポ県北部において、自由シリア軍とクルド最高委員会が停戦合意したと報じた。

同サイトが転載した合意文書によると、停戦合意は、アイン・アラブ(アレッポ県)のクルド最高委員会、マンビジュ市(アレッポ県)軍事評議会、タウヒード旅団、イスラーム旅団、シャームの鷹旅団、ジュンド・ハラマイン旅団、アスハーブ・ヤミーン旅団、アフラール・シュユーフ大隊、シャーム・イスラーム自由人運動の代表によって結ばれ、①シリア分割拒否と領土統合、②アレッポ県アイン・アラブ地方、ジャラーブルス地方、スィッリーン地方などでの戦闘停止、③すべての武装部隊の撤退、④人民防衛隊の一部検問所の撤去、⑤タッル・アブヤド地域およびタッル・アブヤド地方(ラッカ県)での紛争解決委員会設置、など12項目からなる。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、工業地区などを軍が空爆・砲撃、またハウィーカ地区、ムワッザフィーン地区、航空基地周辺で反体制武装集団と交戦し、軍兵士6人、武装集団7人が少なくとも死亡した。

一方、SANA(8月11日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、ハウィーカ地区、ジュバイラ地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、タウヒードの獅子旅団、ジャズィーラ・ユーフラテスの獅子大隊、イブン・カイス大隊、カーディスィーヤ旅団、ザイド・ブン・ハーリサ大隊、アブナー・イスラーム運動、イスラーム旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、ヤルムーク区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(8月11日付)によると、カーブーン区、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ(コバネ)市西部に位置するクールディーニー村、ドゥーガルマン村、ズーラムハーム村、カナーヤー村で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

またダーラト・イッザ市郊外のバーズィハル村で、市民1人が殺害された。

さらにアレッポ市ラーシディーン地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

このほか、シリア人権監視団によると、サフィーラ市で反体制武装集団が検問所でクルド人住民13人を拘束、シャームの民のヌスラ戦線に引き渡した。

一方、SANA(8月11日付)によると、ラッカ・アレッポ街道、カフルハムラ・ライラムーン街道、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリス村、ハーン・アサル村、マンスーラ村、カフルハムラ村、マーイル町、アナダーン市、フライターン市、アターリブ市、バナーン・フッス村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市のシャイフ・マクスード地区、ハーリディーヤ地区、ラーシディーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ヒムス市バーフ・フード地区、カラービース地区、ガントゥー市、カルアト・ヒスン市、ラスタン市周辺で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月11日付)によると、フーシュ・ダワーヒラ村、ハウラ地方、カルアト・ヒスン市、ハスラジーヤ村、ダール・カビーラ村、キースィーン市、カンヌ山、ダイル・フール村、タッルダハブ市、カフルラーハー市、ヒムス市バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラトミスリーン市、ザーウィヤ山各所を軍が砲撃した。

一方、SANA(8月11日付)によると、マアッラトミスリーン市、カイスィーヤ市、フバイト村、イブリーン村、サラーキブ市、カフルラータ市、マジュダリヤー村、ビンニシュ市、サルミーン市、マアッラト・ヌウマーン市、ラーミー村、ヒーシュ村、カフルルーマー村、タッル・サラムー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町を軍が砲撃した。

一方、SANA(8月11日付)によると、ウービーン村、ナビー・イシュアヤー山頂で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地の治安を回復した。

またバイト・イブリク村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、無ハー利ジーン大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アブー・ハナーヤー村を軍が砲撃した。

サラミーヤ市西部の軍大隊本部を反体制武装集団が襲撃し、兵士4人を殺害、またムーリク市周辺などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月11日付)によると、サラミーヤ市郊外、ハムラー村郊外、ジスル・バイト・ラアス村、フワイズ村、カルマス村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサラミーヤ市で反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民11人が死亡、20人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市、タファス市などで、軍が反体制武装集団と交戦した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市で、「ワクフ・マイノリティ宗教協会」会長と事務局メンバーの遺体が発見された。両名は頭と胸を撃たれていた。

またイラク国境に近いタッル・マアルーフ町で爆発が発生し、民主統一党のアサーイシュ(治安警察)隊員2人が死亡した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市の旅客バス(ボールマン)・ターミナルを軍が空爆し、子供を含む多数の死者が出た。

またアナトリア通信(8月11日付)は、地元の住民の話しとして、タッル・アブヤド市一帯で、シャームの民のヌスラ戦線がクルド人約400人を拘束、うち約250人をラッカ県に連れ去ったと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、アドラー市の第55旅団基地周辺、ハラスター市の第41連隊本部周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月11日付)によると、フタイタト・トゥルクマーン市、バハーリーヤ市郊外、ハラスター市、リーハーン農場、ドゥーマー市、アルバイン市、ナブク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

9日のトルコ航空操縦士らの誘拐事件に関して、ムスタクバル・チャンネル(8月11日付)は、アレッポ県アアザーズ市で誘拐・拉致されている巡礼者(シーア派)の親戚のムハンマド・サーリフ氏が容疑者として逮捕されたと報じた。

諸外国の動き

『ザマン』(8月11日付)によると、ハサカ県ラアス・アイン市郊外のタッル・ハラフ村から発砲された銃弾により、トルコ国境地帯に位置するジェイナンプナル市の若者1人が負傷した。

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アナトリア通信(8月11日付)は、トルコ南東部のバトマン県を流れるバトマン川で、車のなかからシリア人7人の遺体(男性2人、女性5人)が発見されたと報じた。

AFP, August 11, 2013、al-Hayat, August 11, 2013、August 12, 2013、Kull-na Shuraka’, August 11, 2013、Kurdonline, August 11, 2013、al-Mustaqbal Channel, August 11, 2013、Naharnet, August 11, 2013、Reuters, August 11, 2013、SANA, August 11, 2013、UPI, August 11, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主統一党のムスリム共同党首が同党主導による「移行期民政局」設置構想に関してイランから「正当な権利」だとの支持を得たことを明らかに(2013年8月10日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長はフェイスブックを通じて声明を出し、支援国の要請に基づき、「海岸解放作戦」から一部の反体制武装集団が撤退したとの情報に関して「前線司令部どうしに完全なる調整がなされている」と否定した。

Kull-na Shuraka', August 11, 2013
Kull-na Shuraka’, August 11, 2013

声明でイドリース参謀長は「参謀本部がヒムス戦線、海岸戦線に武器を供与していないとの言説、参謀委員会が、自らの命令に服する軍を作ろうとしており、ヒムスを売り、海岸をシャッビーハと傭兵のために温存して欲しいとの東西の要求を実行しているとの言説があるが…、ヒムス戦線に武器を供与し、あらゆる物的…武器兵站支援を行っている。参謀委員会はヒムス戦線各所で成功裏に前進していることを知っている」と主張した。

また「海岸戦線に武器を供与し、そこでの戦闘に必要なすべてを支援している。我々は前線司令官と連絡を取り合っており、海岸であれどこであれ、シリアに犯罪者バッシャールのシャッビーハに安全な場所などない…。参謀本部はすべての前線司令官と完全なる合意・調整を行っている」と付言した。

さらにイドリース参謀長は「軍(「シリア国民軍中核」)が発足すれば、それはシリア人だけのものとなり、その命令のみを実行することになる。シリアを誰が分割しようとも認めない」と強調した。

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民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は『ハヤート』(8月11日付)に、イラン高官との最近の会談で、過激派に代表される「共通の敵と戦う」ことで合意するとともに、西クルディスタン人民議会による「移行期民政局」設置構想に関して「正当な権利」だとの支持を得たと述べた。

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シリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長は『ハヤート』(8月11日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と民主統一党を仲介し、反体制武装集団と人民防衛隊の戦闘停止に向けた交渉を行っていることを明らかにした。

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シリア・ムスリム同胞団の政治局(ハッサーン・ハーシミー局長)は声明を出し、数日前にアレッポ市を訪問し、同地に同胞団の最初の支部を開設したと発表した。

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シリア革命調整連合は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国によるとされる民間人、活動家の誘拐・拉致を強く非難した。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(8月10日付)は複数の消息筋の話として、共和国護衛隊の増援部隊がダマスカス県郊外のマッザ航空基地からラタキア県の殉教者バースィル・アサド国際空港に貨物機で派遣された、と報じた。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ラシュディーヤ地区で、軍がシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦、反体制武装集団がハウィーカ地区のバアス党ダイル・ザウル支部、ダイル・ザウル県庁公邸などを制圧、軍の士官1人と兵士5人を殺害する一方、軍がクスール地区などに砲撃を加えた。

一方、SANA(8月10日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハウィーカ地区、ジュバイラ地区、ウルフィー地区、工業地区で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、軍がラッカ市を空爆し、子供7人を含む市民13人が死亡した。

また軍はハナースィル市南部のタバーラ・サハーニー村に突入し、女性1人を含む12人を「処刑」した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がクワイリス航空基地内の砲台を破壊した。

一方、SANA(8月10日付)によると、クワイリス村、ラスム・アッブード村、マーイル町、アターリブ市、カマーリー村、ハーン・アサル市、フライターン市、ハイヤーン町、マンナグ村、マンスーラ村で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ブスターン・ザフラーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シャーグール区で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、複数の市民が負傷した。

一方、SANA(8月10日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥッハーニーヤ地区の小学校近くに迫撃砲弾が着弾し、市民3人が死亡、複数が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、軍が山間部の反体制武装集団拠点などに空爆を行い、民間人10人を含む20人が死亡した。

一方、SANA(8月10日付)によると、軍がヒルバト・バーズ村で反体制武装集団の掃討を完了、同村の治安を回復した。

またシャイフ・ナッバハーン村、ウービーン村などに潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退、殲滅した。

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イドリブ県では、SANA(8月10日付)によると、カフルシャラーヤー市、ビダーマー町、アルナバ市、サラーキブ市、タフタナーズ市、シャイフ・ユースフ市、ビンニシュ市、マジュダリヤー村、カフルジャーリス市、タッル・サラムー市、ブワイティー市、バラーギースィー市、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、ダーナー市で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月10日付)によると、ダルアー市、ジュバイリーヤ村、タッル・シハーブ町、ジャムラ村、ナワー市、バサーラ市、タスィール町、アイン・ズィクル村、サイダー市、インヒル市、ハイト村、イズラア市で、軍が反体制武装集団と交戦、タウヒード旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月10日付)によると、ヒムス市ジャウラ・シヤーフ地区、カラービース地区、ワルシャ地区、バーブ・フード地区、クスール地区、ハミーディーヤ地区、サアン村郊外、ダール・カビーラ市、ガントゥー市、タルビーサ市、カフルラーハー市郊外、キースィーン市、ラスタン市、ダイル・フール村、アイン・ダナーニール市で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(8月10日付)によると、アドラー市郊外、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、リーマー農場、ラアス・アイン市で、軍が反体制武装集団と交戦、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(8月10日付)によると、ハマー市郊外のナークール・バフサ街道で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民4人がしぼう、複数が負傷した。

レバノンの動き

『ナハール』(8月11日付)は、ベカーア県バアルベック具アルサール村郊外で、レバノン軍がシリア領内から入国したシリア人、パレスチナ人、デンマーク人を拘束、所持していた武器弾薬を押収したと報じた。

このなかのパレスチナ人は、身柄拘束に際して、自爆ベルトを爆発させようとしたという。

諸外国の動き

イラク・クルディスタン地域政府のマスウード・バールザーニー大統領は、自らが呼びかけているクルド国民大会のための準備委員会設置を呼びかける声明を出し、そのなかで「生命の危険に曝されているシリアのクルド人を守るために介入する」用意があるとの意思を表明した。

AFP, August 10, 2013、al-Hayat, August 11, 2013、Kull-na Shuraka’, August 10, 2013、Kurdonline, August
10, 2013、al-Nahar, August 11, 2013、Naharnet, August 10, 2013、Reuters, August
10, 2013、SANA, August 10, 2013、UPI, August 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長が約6,000人の戦闘員からなる「シリア国民軍の中核」を結成すると発表するなか、イドリブ県では反体制武装集団との合意をうけて軍・国防隊兵士約600人がアリーハー市に展開(2013年8月9日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、ヨルダンの首都アンマンで、紛争の犠牲者家族を支援するための慈善団体が企画した慈善パーティー(リーマー・フライハーン主催)に出席、約6,000人の戦闘員からなる「シリア国民軍の中核」を結成すると述べた。

ジャルバー議長はまた、「数週間で、現地で革命家に有利な真の進展があるだろう」と述べ、トルコ、エジプト、ヨルダンで、在外シリア人の旅券などの更新手続きを円滑化するための事務所開設などを具体的に進めていると明かした。

しかしこれに関して、ヨルダンのムハンマド・ムーマニー内閣報道官は「ほかの国とは違う。アンマンにはアサド政権の大使館があり…、両国の外交関係は続いている」と否定的に述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立政治委員会のメンバーが『ハヤート』(8月10日付)に明らかにしたところによると、「シリア国民軍中核」設立構想は自由シリア軍参謀委員会によるもので、参謀委員会指揮下の部隊の統合と義勇兵参加の門戸開放を基軸とし、3,000~4,000人の兵力を持つ組織として発足、人員を拡大させるのだという。

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『ハヤート』(8月10日付)は、クルド系の複数のサイトからの情報として、イラク訪問を控えた民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首が、「シリアの反体制勢力が過激派によるクルド人のアイデンティティへの攻撃に沈黙を続けるなか、シリア問題に影響力を持つ地域の国々と外交関係を持つことは、クルド人にとって合法的な権利だ」と述べた、と報じた。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(8月9日付)は、ラタキア県で反体制武装集団と戦闘中の国防隊を指揮するヒラール・アサド氏が、兵士に対して、戦闘から逃げる戦闘員を射殺するよう命令するとともに、同県山岳地帯の村人たちに対し、非難した者を罰すると脅迫している、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(8月9日付)は、ヒムス市の複数の消息筋の話として、軍が戦死した兵士・「シャッビーハ」の遺体200体以上を工業地区の集団墓地に埋葬した、と報じた。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市では、反体制武装集団の「安全な退却」と、軍および国防隊への開放に関する「合意」が成立し、軍・国防隊兵士約600人がアリーハー市に展開した。

またこの「合意」と合わせて、反体制武装集団は、アブー・ズフール航空基地での戦闘で捕捉したラージフ・ジャアファル・ワンヌース空軍大佐を釈放した。

複数の消息筋によると、この「合意」はアリーハー市からの反体制武装集団の「安全な退却」を保障するためのもので、軍は同市に対して「焦土」作戦を仕掛けると脅迫・警告していたという。

またアウラム・ジャウズ市、ラーミー村の検問所を反体制武装集団が制圧した。

さらにブサンクール村での軍と反体制武装集団の戦闘で、市民3人が死亡したほか、軍はザーウィヤ山の村々、サラーキブ市を空爆・砲撃した。

一方、SANA(8月9日付)によると、シャグル市、アーリヤ市、ハッルーズ村、サルマーニーヤ村、シャイフ・スィンディヤーン市、ビダーマー町、カンダ市、カストゥーン村、カフルルーマー村、マジュダリヤー村、マアッラト・ヌウマーン市、ナイラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ティシュリーン地区、カーブーン区、ジャウバル区、カダム区、ヤルムーク区を軍が砲撃した。

一方、SANA(8月9日付)によると、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アイン・タルマー渓谷が軍は反体制武装集団を要撃し、戦闘員3人を殺害した。

またダーライヤー市などを軍が砲撃した。

一方、SANA(8月9日付)によると、ザマーニーヤ市郊外、アルバイン市、ドゥーマー市郊外、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市、ザバダーニー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナマル町・ジャースィム市街道に軍が砲撃を行い、子供2人を含む9人が死亡した。

またブスル・ハリール市、ダルアー市、ハーッラ市などにも軍は砲撃を加えた。

一方、SANA(8月9日付)によると、ハーッラ市で軍が反体制武装集団の掃討を完了、同市の治安を回復した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がクワイリス航空基地周辺、アレッポ市シャイフ・マクスード地区などに、砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(8月9日付)によると、カフルハムラ村、ズィヤーラ村、フライターン市、ジャマージマ村、ラスム・アッブード村、ハーン・アサル村、アブドゥラッブフ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市旧市街、ラーシディーン地区、サラーフッディーン地区、サーフール地区、シャイフ・ヒドル地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アシャーラ市・クーリーヤ市間の街道、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区などに軍が砲撃・空爆を加えた。

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ヒムス県では、SANA(8月9日付)によると、ハダス村、フワーリーン村、タッルカラフ市郊外、タッルドゥー市、タッルダハブ市、キースィーン市、ラスタン市、サアン村、ザアフラーナ村、ダイル・フール村、アーミリーヤ市、ウユーン・フサイン市、ヒムス市バーブ・フード地区、バーブ・トゥルクマーン地区、クスール地区、カラービース地区、ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、軍がサルマー町、キンサッバー町の郊外を空爆した。

一方、SANA(8月9日付)によると、サルマー町、シャイフ・ナッバハーン村、ハンブーシーヤ村、ドゥッラ村、ワーディー・シャイハーン村、アイン・ジャウラ村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、治安を回復した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ジュワーディーヤ(ジル・アーガー)市郊外のマアバダ(カルキールキー)市に向かう街道で、爆弾を積んだ自転車が自爆した。

またジュワーディーヤ市郊外のユースフィーヤ村では、イラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線が民主統一党人民防衛隊の拠点を重火器で攻撃した。

レバノンの動き

ジャディード・チャンネル(8月9日付)は、ベカーア県バアルベック郡ブリタール市郊外で、シリア領から潜入した自由シリア軍がレバノン人一家3人を誘拐、連れ去ったと報じた。

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NNA(8月9日付)によると、北部県アッカール郡ジャニーン村に、シリア領内から発射された迫撃砲弾が着弾し、民家が被害を受けた。

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ベイルート県で、武装集団がトルコ航空の操縦士ら6人が乗った車を襲撃、操縦士、副操縦士の2人を連れ去った。

諸外国の動き

ワシントンDCで、ロシアと国の外務・国防相会談(2プラス2)が開かれ、シリア情勢などに関する協議が行われたが、進展はなかった。

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ロシア日刊紙『ベドモスチ』(8月9日付)は、ロシアの武器製造会社の話として、シリアへの供与が予定されているS-300の部品の製造が完了した、と報じた。

同報道によると、部品の供与は2013年春に予定されていたが、2014年に延期されたという。

AFP, August 9, 2013、al-Hayat, August 10, 2013、Kull-na Shuraka’, August 9, 2013、al-Jadeed, August 9,
2013、Kurdonline, August 9, 2013、Naharnet, August 9, 2013、NNA, August 9,
2013、Reuters, August 9, 2013、SANA, August 9, 2013、UPI, August 9, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領がダマスカス県内のモスクでイード・アル=フィトルの礼拝を行う、イスラーム旅団はその際同大統領の車列を迫撃砲により攻撃したと発表するも公式筋は否定(2013年8月8日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、党、政府幹部、人民議会議員などとともにダマスカス県マーリキー地区にあるアナス・ブン・マーリク・モスクを訪れ、イード・アル=フィトルの礼拝を行い、国営メディアなどがその映像・写真を公開した。

SANA, August 8, 2013
SANA, August 8, 2013

SANA(8月8日付)が報じた。

 

反体制勢力の動き

イスラーム旅団はフェイスブックで声明を出し、ダマスカス県のマーリキー地区にあるアナス・ブン・マーリク・モスク近くでアサド大統領が乗っていた車列を迫撃砲により攻撃したと発表した。

SANA, August 8, 2013
SANA, August 8, 2013

シャーム解放旅団も声明を出し「我々はアサドの車列を120ミリ迫撃砲17発で攻撃し、彼を負傷させたことを確認している」と発表した。

複数の目撃者によると、マーリキー地区から煙があがるのが見えたという。

これに対して、ウムラーン・ズウビー情報大臣はシリア・アラブ・テレビ(8月8日付)を通じて「そのニュースはまったく正しくないとあなた方に強調したい…。すべて正常だ…。この手の情報は一部の者たちの夢、幻想を反映したものに過ぎない…。大統領は自分で車を運転し、人々と握手し、いつも通り礼拝を行った」と述べ、否定した。

しかし、『ハヤート』(8月9日付)によると、軍はイスラーム旅団の拠点と目される東グータ地方に対して「報復」として激しい空爆を行ったという。

Youtube, August 8, 2013
Youtube, August 8, 2013

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、ヨルダンからシリア領内に入国し、ダルアー県内のモスクで、イード・フィトルの礼拝を行った(http://www.youtube.com/watch?v=TWq9ISpeO4E)。

連立の声明によると、ジャルバー議長は7日深夜から8日未明にかけて、ヨルダンからシリアに潜入し、「ダルアー郊外のモスクの一つ」で礼拝を行うとともに、ダルアー県の軍事評議会議長のアフマド・ファフド・ニウマ大佐とともに、県内の「解放区」を視察、「ダルアー県の住民や、避難民が身を寄せる学校を訪れて、数時間を過ごした」。

ジャルバー議長は7日に、ヨルダンのナースィル・ジャウダト外務大臣らとの会談のため、連立の幹部らとともにアンマン入りしていた。

Youtube, August 8, 2013
Youtube, August 8, 2013

在外の反

アレッポ県でヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国などが空軍情報部施設攻略のための攻勢を激化させるなか、CIA副長官が「シリアが今や米国の安全保障にとって最大の脅威」との見解を示す(2013年8月7日)

反体制勢力の動き

シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表はサラフィー主義者によるラタキア県攻撃(海岸解放作戦)に関して、フェイスブックで「アラウィー派だという理由で体制に反対している者に私は反対する。いかなる理由であれ、民間人を殺す者に私は反対する。武力などの力を駆使して市民権や市民的自由を侵害する者に私は反対する…。アラウィー派の村だというだけの理由で前線から離れた村を襲撃することをどうして受けいられようか。これらの村を攻撃する者は反体制勢力とは無関係だ」と非難した。

そのうえで、フサイン代表は「愛国的なシリア軍の義務は、市民と住民をあらゆる危害から守ることにあり、彼らを殺戮、弾圧することではない。軍はこうしたことを2年半も怠ってきたが、アサド軍のスローガンのもと活動する部隊のほんの一部が虐殺・殺戮を行ってきただけだ…。体制が行ってきたようないかなる武力行為をも受け入れることはできない…。軍は住民を守っているのか?守っていない、なぜなら軍は自分のことで精一杯で、シリア人を弾圧する政権こそが司令部をなしているからだ」と続けた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、アフマド・ラマダーン、アナス・アブダ、カマール・ルブワーニー、バドル・ジャームース、アンマール・カルビー(シリア国民変革潮流代表)からなる在外反体制勢力の代表団がヨルダンのアンマンに到着した。

アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら一行は、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣と会談、シリア情勢について協議した。

クッルナー・シュラカー(8月8日付)によると、会談で、ジャウダ外務大臣は「流血停止、シリア国民の尊厳維持、シリアの治安・安全の保障、領土の一体性」のための政治的解決を求めた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国、カリフ制の曙大隊などからなる反体制武装集団が、アレッポ市ライラムーン地区にある空軍情報部施設攻略のため、攻撃を激化、周辺のビルを制圧した。

また、アレッポ情報センターによると、マンナグ航空基地の攻略にあたっていた戦闘員約300人が別の戦線に転戦した。

複数の消息筋によると、反体制武装集団はヌッブル市、ザフラー町に向かって進軍しているという。

一方、ハサン・ラジューブを名のる戦闘員は、反体制武装集団がアレッポ市ハーリディーヤ地区の「解放作戦」を開始したと述べ、また別の戦闘員はクワイリス航空基地解放作戦の準備を開始したと述べた。

さらに、民主統一党人民防衛隊は声明を出し、マンナグ航空基地から逃れてきたシリア軍兵士70人と戦車2輌が、人民防衛隊との交戦の末、投降したと発表した。

なお複数の消息筋によると、アフリーン地方にはすでに軍兵士125人が捕虜として拘束されている、という。

また、政権に近い複数の消息筋によると、マンナグ航空基地の守備にあたっていたシリア軍部隊は、ヌッブル市、ザフラー町の国防隊戦闘員やクルド人戦闘員ともに、アフリーン地方に後退したという。

このほか、『ハヤート』(8月8日付)などによると、アアザーズ市のシャリーア委員会のユースフ・アシャーウィー議長が何者かに狙撃され、死亡した。

他方、SANA(8月7日付)によると、ハーン・アサル市、タッル・ハースィル村、タッルアラン市、ワディーヒー村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ではマルジャ地区、サラーフッディーン地区、アーミリーヤ地区、マイダーン地区、カラム・ジャバル地区、サーフール地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アリーハー市、アルバイーン山、サルミーン市などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(8月7日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市、タッル・サラムー市、ジャフタルク村、ハーッジ・ハンムード農場、ビンニシュ市、カフルジャーリス市、アルバイーン山、マジュダリヤー村、タフタナーズ市、サラーキブ市、バザーブール村、カフルルーマー村、ジャーヌーディーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、タダームン区、ヤルムーク区、ジャウラ地区、カーブーン区、バルザ区などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(8月7日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・地下トンネル・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アドラー市で軍が反体制武装集団を要撃、62人の戦闘員(そのほとんどが若者だという)を殺害した。

また、アドラー刑務所敷地内に迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(8月7日付)によると、東グータ地方に潜入を試みたシャームの民のヌスラ戦線戦闘員を軍が要撃し、外国人戦闘員ら62人を殲滅、武器・弾薬を破壊した。

またザマルカー町、ハラスター市、アドラー市、リーハーン農場、ダーライヤー市、リーマー農場、ラアス・アイン農場、ヤブルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、カタナー市では反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民6人が死亡した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(8月7日付)によると、アームーダー市西部のパン製造工場近くとアームーダー市西側入り口(ダルバースィーヤ市にいたる街道)の検問所で爆発が発生し、後者の爆発で民主統一党人民防衛隊の戦闘員1人が死亡した。

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ヒムス県では、SANA(8月7日付)によると、ヒムス市クスール地区、カラービース地区、ハミーディーヤ地区、バーブ・フード地区、タルビーサ市、ガントゥー市、キースィーン市、アーミリーヤ市、ブルジュ・カーイー村、タドムル市郊外、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領からクサイル市郊外、タッルカラフ市郊外に潜入を試みた武装集団を軍が撃退した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月7日付)によると、ダイル・ザウル市フアード映画館通り、マヤーディーン市などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線などと交戦し、サウジ人、UEA人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月7日付)によると、ダルアー市、バサーラ市、タスィール町、シャブラク村、サイダー市、ジーザ町、ナワー市、ブスル・ハリール市、ガーリヤート市、マアルバ町、ジャマリーン村、スマード村、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団と交戦し、サウジ人、ヨルダン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月7日付)によると、アフマル丘一帯、スハイター市、タルナジャ市、ジャバーター・ハシャブ市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クッルナー・シュラカー(8月7日付)によると、軍事情報局が民主的変革諸勢力国民調整委員会のキファーフ・アリー・ディーブ女史を逮捕した。

ディーブ女史は、逮捕直前にアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表のシリア常駐代表と会談していたという。

レバノンの動き

レバノン軍は声明を出し、ナバティーヤ県ビント・ジュバイル郡ラッブーナ地方に侵入したイスラエル軍のパトロール部隊が午前0時24分、ブルー・ラインから約400メートルの地点で地雷に触れ、兵士4人が負傷した、と発表した。

声明は、爆発現場に血痕が残っていたとしたうえで、UNIFILとの調整を通じて調査を開始したと付言した。

アドナーン・マンスール外務大臣は、イスラエル軍の領土侵犯に関して、国連安保理決議第1701号に違反していると非難、国連安保理に抗議文を提出すると述べた。

これに関して、イスラエル軍報道官は、兵士が負傷したことを認めたが、領土侵犯の有無については言及を避けた。

複数のメディアによると、イスラエル軍の領土侵犯に先立って、イスラエル領内で複数回爆発音が聞こえていた。

またその後、イスラエル軍はナバティーヤ県ビント・ジュバイル郡フーラー村の森林に向かって発砲、火災が発生した。

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ジャディード・チャンネル(8月7日付)によると、ベイルート南部郊外にあるダーヒヤで、シリア人男女2人が「テロ容疑」で逮捕された。

同報道によると、この男女は、ベカーア県ザフレ郡マジュダル・アンジャル市のグループと電話で連絡をとり、ダーヒヤでの作戦を計画していた、という。

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進歩社会主義党党首のワリード・ジュンブラート議員は『シャルク・アウサト』(8月7日付)に「ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長にシリアから撤退するようアドバイスしている。なぜなら体制崩壊のカウントダウンが始まったからだ」と述べた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワでの記者会見で「シリア北部で、子供約100人を含む温和なクルド人約450人が、ヌスラ戦線と戦っているという理由で虐殺されたとのメディアのレポートに衝撃を受けている」としたうえで、「国連は前提条件なしでテロを非難するだろう…。一部の安保理諸国は、テロ行為を行う者が(アサド)政権と戦っているとして、これまでシリアでのテロを非難することを望んでいなかった。しかしこうした言説は利己的に思える。またこうした姿勢は決して受け入れられない。テロに関してダブルスタンダードがあってはならない」と述べた。

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マイケル・モーリンCIA副長官は退任に合わせて『ウォール・ストリート・ジャーナル』(8月7日付)のインタビューに応じ、そのなかで化学兵器を保有するアサド政権が崩壊すれば、シリアがパキスタンに代わってアル=カーイダの拠点と化すと警鐘を鳴らし、シリアが今や米国の安全保障にとって最大の脅威となりつつあるとの見解を示した。

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バラク・オバマ米大統領は、イード・フィトルに合わせて、シリアへの人道支援として1億9,500万ドルを追加供与すると発表した。

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サマンサ・パワーズ米国連代表新大使は、就任後初めてとなる安保理会合で、シリアの紛争への対応に関して「安保理における周知の分裂により、シリアの政治的移行をめざすアラブ連盟の努力を支援できなくしている」と述べた。

AFP, August 7, 2013、al-Hayat, August 8, 2013, August 9, 2013、Kull-na Shuraka’, August 7, 2013, August
8, 2013、Kurdonline, August 7, 2013、Naharnet, August 7, 2013、NNA, August
7, 2013、Qanat al-Jadid, August 7, 2013、Reuters, August 7, 2013、SANA, August
7, 2013、al-Sharq al-Awsat, August 7, 2013、UPI, August 7, 2013、The Wall Street Journal, August 7, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県ジャルマーナー市で車爆弾によるテロが発生し子供3人を含む市民18人が死亡、ヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国などが同県を含む各地で軍・人民防衛隊に対する攻勢を強化し複数拠点を制圧(2013年8月6日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は声明を出し、「自由シリア軍」によるラタキア県山間部の村々への襲撃を非難した。

声明は「攻撃は危険な宗派主義的側面を持ち、地域全体を無益な内戦に陥れ、宗派主義的感情を悪化させかねない」と非難した。

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クルド人組織(反体制組織)7団体がシリア・クルド青年運動総合評議会の名で共同声明を出し、「革命的だと自称する一部の勢力」が「革命の道徳や闘争の精神」に反して、民間人や学生の誘拐、バスジャック、車爆弾によるテロを行っていると非難、その停止を呼びかけた。

シリア・クルド青年運動総合評議会に参加したのは、シリア・クルディスタン運動、サワー青年連立、殉教者ミシュアル・タンムー調整、クルド声明カーミシュロー連合、シリア・クルド・ムスタクバル調整、挙国一致調整、シリア・クルド青年調整連合。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー氏はイスタンブールのホテルで記者会見し、ラマダーン月中にアサド政権による20の虐殺で200人が殺害されたと主張、イード・フィトル期間中の戦闘停止を求めた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(8月6日付)などによると、ジャルマーナー市のスユーフ広場・ハドル通り間で、イフタール直前に反体制武装集団が爆弾を積んだ車を爆発させ、子供3人を含む市民18人が死亡、56人が負傷した。

またシリア人権監視団によると、ヤブルード市郊外のダンハー市にある武器庫にシャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国が突入、対装甲ミサイルなどを捕獲した。

一方、アフバール・アーン(8月6日付)は、ダマスカス郊外県などからの避難民、がダマスカス県内中心部に位置する複数の公園に身を寄せていると報じ、その写真を掲載した。

Akhbar al-An, August 6, 2013
Akhbar al-An, August 6, 2013

他方、SANA(8月6日付)によると、ナブク市のカラムーン病院近くに爆弾を仕掛けようとしたアッラーの獅子旅団、使徒末裔旅団を軍が撃退、複数の戦闘員を殺傷した。

またズィヤービーヤ町、バービッラー市、ダーライヤー市、アーリヤ農場、アドラー市、ハラスター市、カスタル市、フーシュ・クバイバ村で、軍が使徒末裔旅団、アンファール大隊、フダー旅団、シャームの民のヌスラ戦線などと交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・バーズ村を反体制武装集団が制圧したとの情報を受け、軍と反体制武装集団が山間部で激しく交戦した。

複数の活動家によると、反体制武装集団は、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国、シャーム・アンサール旅団、山地解放旅団などサラフィー主義部隊10団体からなり、アラームー村南部の郊外を進軍中で、6日にはカルダーハ市に対して対戦車砲を撃つなど、攻勢を続けている、という。

『ハヤート』(8月7日付)は、米国が「自由シリア軍」(サラフィー主義者)によるラタキア県攻撃の主な支持者だとの反体制武装集団司令官の言葉を伝えた。

これに関してSNN(8月6日付)は、5~6日の戦闘で、軍兵士数十人が戦死したと報じる一方、シリア人権監視団は、5日の戦闘で、反体制武装集団の戦闘員20人、政権を支持する民兵の戦闘員32人が死亡したと発表した。

一方、SANA(8月6日付)によると、アラームー村、サトラバ村に侵入した反体制武装集団を軍が撃退、外国人戦闘員らを殲滅し、両村の治安を回復した。

また軍はウービーン村でシャームの民のヌスラ戦線拠点に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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同じく、ラタキア県では、アラウィー派聖職者のバドルッディーン・ワヒーブ・ガザール師の誘拐に関して、同じくアラウィー派聖職者のムワッファク・ガザール師がビデオ声明を出し、バールーダー村で、4日深夜から5日にかけて同師が「テロ集団」によって誘拐され、連れ去られたと発表した。

ムワッファク・ガザール師はビデオ声明を「シリア・レジスタンス、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線」という言葉で締めくくった。

シリア・レジスタンス、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線はハタイ県で活動するとされる組織で、代表のミウラージュ・オウラール(ミラチュ・ウラル)はハタイ県レイハンル市の対シリア国境で5月に発生した連続爆破事件の容疑者の一人と目されている。

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アレッポ県では、シリア人権監視団が、イラク・シャーム・イスラーム国、ファトフ旅団、北の嵐大隊が、6月に部分制圧したとされるマンナグ航空基地に対して、空港司令部への車爆弾による自爆攻撃などを通じて再び攻勢を強め、制圧したと発表した。

同監視団によると、自爆攻撃を行ったのは外国人戦闘員で、反体制武装集団は、複数の施設を制圧、シリア軍将兵多数を捕捉したという。この戦闘で、反体制武装集団の戦闘員10人が死亡した。

なお『ハヤート』(8月7日付)によると、マンナグ航空基地は反体制武装集団から「ロシアの砦」と呼ばれているという。

一方、SANA(8月6日付)は、マンナグ航空基地を防衛する軍部隊の無事を伝えるとともに、同空港内およびその周辺で反体制武装集団に絶大な損害を与えたと報じた。

また、シリアの複数のメディアによると、マンナグ航空基地を防衛する軍部隊は、ムハーバラート、ヌッブル市およびザフラー町の国防隊、アフリーンの人民防衛隊とともに、マンナグ航空基地で反体制武装集団と対峙している、という。

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジャラーブルス市郊外のズール・マガール村で民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

また軍がアアザーズ市、アターリブ市、アナダーン市、アレッポ市スッカリー地区などに空爆を加え、子供2人、女性1人を含む6人が死亡した。

一方、SANA(8月6日付)によると、マッルアナーズ村、タッル・リフアト市、アアザーズ市、シャイフ・アフマド村、ラスム・アッブード航空基地周辺、フライターン市、マーイル町、ヒーラーン村、ハーン・アサル村、マンスール市で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ラーシディーン地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルジャ村、カフルラータ市、イブリーン村などを軍が空爆・砲撃し、18人が死亡した。

一方、SANA(8月6日付)によると、カニーヤ村、アルバイーン山、ザーブール市、サルミーン市、ビンニシュ市、マアッラ市、カンスフラ村、ダイル・サンバル村、カフルルーマー村、タッフ市、タッル・サラムー村で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、マアバダ市郊外のジュナイディーヤ村・ユースフィーヤ村間の民主統一党人民防衛隊検問所を、シャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国が戦車などで襲撃した。

一方、SANA(8月6日付)によると、ハマーイル町、カラーマ村、カーナー村、マフルーム村、ウンム・フジャイラ村、アブドゥルアズィーズ山、スーダ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月6日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、マクラミーヤ村、タルビーサ市郊外、カルアト・ヒスン市、ザーラ村郊外、キースィーン村、タッルドゥー市、アイン・ダナーニール村、バールーハ村で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(8月6日付)によると、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区で、軍がアッラーの獅子旅団などと交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月6日付)によると、タスィール町、タファス市、シャブラク村、アブダリー市、ブスラー・シャーム市、フラーク市、ムザイリーブ町、ハーッラ市、ナワー市、ダルアー市で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(8月6日付)によると、フワイズ村、ジスル・バイト・ラアス村、サラミーヤ市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月6日付)によると、ヒサーン村で、トレーラー3台で原油をトルコに密輸しようとしていた武装集団と軍が交戦し、戦闘員全員を殲滅した。

またムハイミーダ村では、軍が反体制武装集団の襲撃を撃退し、マフカーン町、フワイジャ・カーティウ村、マリーイーヤ村で、シャームの民のヌスラ戦線拠点を攻撃、破壊した。

このほか、ダイル・ザウル市のラシュディー地区、ハウィーカ地区、ジュバイラ地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

イラクのヌーリー・マーリキー首相はテレビのインタビューで「我々は当初からシリアのテロ集団の危険に警鐘を鳴らしてきた。彼らがシリアの統合、そしてシリアの社会にとって危険を及ぼすと述べてきた…。今日、彼らはクルド人を含むすべての社会集団を脅迫している。クルド人は、クルド人自身、そしてみなにとって脅威となるこうした過激派集団への参加という危険に自らの家族や子息を曝さないよう呼びかけてきた。ヌスラ戦線やその背後にいる者たちから彼らを充分守るべきだと呼びかけている」と述べた。

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国連難民高等弁務官事務所は、周辺諸国の避難民キャンプでのシリア人の生活状況に関する報告書を作成、ヨルダンのザアタリー・キャンプやイラクのドゥーミーズ・キャンプで、組織犯罪、児童徴兵などが横行していると警鐘を鳴らした。

ロイター通信(8月7日付)が報じた。

AFP, August 6, 2013、Akhbar al-An, August 6, 2013、al-Hayat, August 7, 2013、Kull-na Shuraka’, August 6, 2013、Kurdonline, August 6,
2013、Naharnet, August 6, 2013、Reuters, August 6, 2013、SANA, August 6, 2013、UPI,
August 6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

リフアト・アサド前副大統領率いるシリア民族民主統一連合が声明を出し、全ての当時者に暴力の拒否を呼びかけるとともに国外の反体制勢力と国内の武装集団を痛烈に非難(2013年8月5日)

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長は『スィヤーサ』(8月5日付)に「トゥルクマーン山とラタキアの村々で達成された勝利、さらにはダマスカスなど各地での軍事的前進は、現政権、そしてその背後にいるヒズブッラーとロシアを混乱させた。こうした兆候は体制の軍事力による打倒が間近だということを示している。体制支持者は政治的解決案を追及せざるを得ないが…、自由シリア軍は政治的解決を待つまでもなく、軍と対決し続ける」と述べた。

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アサド大統領の叔父で反体制活動家のリフアト・アサド前副大統領が率いるシリア民族民主統一連合は声明を出し、国外の反体制勢力と国内の武装集団を厳しく非難した。

声明は「あなた方は祖国、市民、自由を取引材料にし、祖国、市民、自由の名のもとに殺し、道徳を失った。日々行われる流血と破壊は止められねばならない」と主張、「すべての外国人に清らかなシリアの国土から去るよう求める。なぜなら彼らは祖国に大きな陰謀を植え付けるからだ」と批判した。

国内の反体制武装集団に関して声明は「殺戮と破壊の政策を行い、同胞心に基づくシリア社会を解体しようとしている」と非難する一方、在外の反体制勢力については「外国の支援を通じて力を得て、煽動、軍事化、ジハードの唱導を行い、シリアにいかなる礎石もないにもかかわらず政権打倒を主唱している」と酷評した。

そのうえで「すべての当時者に暴力を拒否し、祖国と市民を救済するための役割と義務を果たすよう」呼びかけた。

シリア政府の動き

ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣はヒムス県ヒムス市ハーリディーヤ地区を訪問、同地区に展開する軍部隊を視察した。

SANA(8月5日付)が報じた。

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ハサン・ロウハーニー大統領就任式に出席するためにイランを訪問していたワーイル・ハルキー首相は、最高指導者アリー・ハーメネイー師へのアサド大統領からの親書をアリー・アクバル・ヴェラーティー外交問題特別顧問に手渡した。

SANA(8月6日付)などが報じた。

国内の暴力

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がラタキア市郊外にあるアラウィー派の四つの村(サルマー町、バイト・シュクーヒー村など)を襲撃・制圧したが、その後、軍がこのなかのバイト・シュクーヒー村を奪還した。

『ハヤート』(8月6日付)によると、反体制武装集団は4日からラタキア県への攻勢を強めていたという。

この戦闘で反体制武装集団20人、軍、国防隊、バアス大隊の兵士・戦闘員32人が死亡した。

またシリア人権センター(8月5日付)は、反体制武装集団が「海岸解放作戦」の名のもとに軍事作戦を開始、ラタキア県サルマー町およびイドリブ県アクラード山地地方の軍事拠点複数カ所を制圧したと発表した。

さらにハダス・ニュース(8月5日付)は、アラウィー派の聖職者バドルッディーン・ガザール師がラタキア県バールーダ村の自宅で何者かに連れ去られたと報じた。

一方、SANA(8月5日付)によると、タッラー村、バイト・シュクーヒー村、カフリーヤ村に襲撃・侵入した反体制武装集団を軍が撃退し、外国人戦闘員らを殲滅、同地の治安を回復した。

軍はまた、反体制武装集団の襲撃・侵入を受けたナッバハーン村、バールーダ村、ハンブーシーヤ村、アスタリバ村で治安回復のための作戦を続けているという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バルユーン市を軍が空爆し、女性8人と子供2人を含む15人が死亡した。

またカフルラータ市、サルジャ村、カンスフラ村に対しても軍は空爆を加え、ワーディー・ダイフ航空基地周辺では、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月5日付)によると、アリーハー市、マアッラト・ヌウマーン市郊外、ビンニシュ市、ハルブヌーシュ村、サラーキブ市、バザーブール村、ダイル・サンバル村、カンスフラ村、カフルルーマー村、マアッラトミスリーン市、イバーラ・バダーウィー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月5日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、アドラー市、ムライハ市郊外、ハジャル・アスワド市などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

またダーヒヤ・アサド市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(8月5日付)によると、ハラスター市、アーリヤ農場、アフマディーヤ農場、バハーリーヤ農場、フタイタト・トゥルクマーン市、ヒヤーラ市、ズィヤービーヤ町、ヤブルード市郊外、ナブク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、ハラスター市とジャルマーナー市では、反体制武装集団が市民を狙撃、1人が死亡、複数が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アイン・アラブ市の西に位置するブーラーズ村、ダカルマーン村、カナーヤ村、ウワイティー村、イーラジャーグ村で、民主統一党人民防衛隊がシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦し、戦闘員8人を殺害した。

またマンナグ航空基地周辺などが軍の空爆を受けた。

一方、SANA(8月5日付)によると、マンナグ航空基地周辺、シャワーギラ村、アルカミーヤ村、カフルアントゥーン市、アイン・ダクナ村、ラスム・アッブード航空基地周辺、アターリブ市、ハーン・アサル村、マンスーラ村、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ではサイフ・ダウラ地区、サラーフッディーン地区、アーミリーヤ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、ジュンド・シャームの戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月5日付)によると、ヒムス市グータ地区、ワアル地区、カラービース地区の間の農場地帯で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地の治安を回復した。

またクサイル市郊外では、軍がレバノン領内からの潜入を試みる反体制武装集団を撃退し、またザーラ村郊外、ハウラ地方、アシュラフィーヤ村などで反体制武装集団の追撃を続けた。

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ダルアー県では、SANA(8月5日付)によると、ダルアー市、バサーラ市、サイダー市、ハーヌート市、サフム・ジャウラーン村、タスィール町、フラーク市、東ムライハ町、ムハッジャ村、ブスラー・シャーム市、ガーリヤート市、ヌジャイフ村、ナワー市、ハーッラ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(8月5日付)によると、ハラファー村、バイト・ジン村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(8月5日付)によると、ハルダーナー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月5日付)によると、ダイル・ザウル市各所、フサイニーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市に近いマズルーマ村で、民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

一方、SANA(8月5日付)によると、ハサカ県ミールビーヤ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、民主統一党人民防衛隊がタッル・アブヤド市の西に位置するスーサク村でシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦し、同村を制圧し、またジャラビー村でシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

レバノンの動き

NNA(8月5日付)によると、シリア軍のヘリコプターがレバノン領内への逃走を図る反体制武装集団を追跡して、ベカーア県バアルベック郡ヒルバト・ダーウード地区に侵入、空爆を行った。

空爆による死傷者は出なかった。

諸外国の動き

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣がテヘランを訪問し、イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣と会談、シリア情勢などについて協議した。

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ロイター通信(8月6日付)によると、マフムード・ハーリド駐シリア・パレスチナ大使は、パレスチナ諸派(17組織)が4日、シリア政府に対して、難民キャンプへの物資搬入のための安全回廊を設置するため、戦闘を緩和するよう求める一方、すべての武装集団にキャンプからの退去、パレスチナ避難民のキャンプへの帰還を呼びかけたと述べた。

AFP, August 5, 2013、Alhadathnews, August 5, 2013、al-Hayat, August 6, 2013、Kull-na Shuraka’, August 5, 2013、Kurdonline, August 5,
2013、Naharnet, August 5, 2013、NNA, August 5, 2013、Reuters, August 5, 2013、SANA,
August 5, 2013, August 6, 2013、al-Siyasa, August 5, 2013、UPI, August 5, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハルキー首相がイランのロウハーニー新大統領の就任に合わせてテヘランを訪問し両国の「確固とした戦略的、歴史的関係」の確認を受ける、民主統一党のムスリム共同党首は「いかなるクルド政党が独自の民兵を持つこと」を全面拒否(2013年8月4日)

シリア政府の動き

アサド大統領は運命の夜(ライラト・カドル)に合わせて、ダマスカスの大統領宮殿で各界の代表らを招いてイフタールを行い、出席者の前で演説を行った。

SANA, August 4, 2013
SANA, August 4, 2013

演説は45分間にわたり、シリアの各テレビ局で生放送された。

アサド大統領の演説での主な発言は以下の通り。

「戦いが、メディア、SNS、社会のなかで行われていることは確かだが、危機は戦場においてのみ決着する…。我々みなが苛まれている経済的困窮、サービスの低下、そしてシリア人として日々苦しんでいることのすべては、治安状況に関わっている。テロを打破することによって以外に解決策はない…。鉄拳で打破する以外に、テロを解消するものはない」。

「この種の戦いにおいて、我々には、シリア人としてともに勝利するか、ともに敗北するかしかない」。

「(武装テロ集団との戦闘の訓練を受けていなかった)正規軍は、ほぼ不可能だったことを達成した…。よりよい戦果が達成された地域は、精神面での支援に加えて、実質的な支援があった地域だ」。

「悪党がしかける戦争を越える唯一の戦争とは人民による戦争だ。この戦争は軍が国民とともに行うものである。これが実際に起きたことであり…、もしこの人民戦争において成功すれば、ほかの地域にも大きく貢献することになろう。私は、解決が簡単だと言うことができる。数ヶ月中に、シリアは危機を脱し、テロを打破できる。なぜならアッラーはみなとともにあるからだ」。

「政治プロセスそのもの、そして政治プロセスにおける進展はあり得ない。テロがすべての場所で破壊を続けている。正しいかたちで政治が動くようにするため、テロを打破せねばならない」。

「同時並行路線も阻まれていない。我々がテロを打破し、それとともに政治プロセスがあるのならば、阻むものはない。しかしこれはテロとの戦いを停止するのを正当化するものではない」。

「我々には、愛国的な反体制勢力というものがあり、当初から政治的・国民的な行動をとってきた。こうした反体制勢力の一部はこの講堂で我々と席をともにしている…。愛国的でない反体制勢力もおり、利益を上げること以外の何ものもめざしていない…。その一部は複数のアラブ諸国から資金を握らされている」。

「反体制勢力を支援している国々は、自らが追及している結論が不可能だと納得するにいたった…。アラブ世界をはじめとするほとんどの国は、よく知られた少数の国を除くと、現実に目を向けるようになっている」。

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アサド大統領は2013年政令第54号を発し、内閣の許可なく、シリア・ポンド以外の通貨での取引を行うことを禁止し、違反者に対して禁固6~10ヶ月の実刑、ないしは罰金刑を科すことを定めた。

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ワーイル・ハルキー首相は、イランのハサン・ロウハーニー大統領の就任に合わせてテヘランを訪問、同大統領と会談した。

SANA(8月4日付)によると、会談で、ロウハーニー大統領は「確固とした戦略的、歴史的関係は、両友好国とその国民どうしを結びつけ、相互理解、共通の運命を起訴としており、両国国民の意思を反映している。世界のいかなる国もこれを揺るがすことはできない」だと述べた。

また「安定を回復し、脅威に立ち向かい、危機の平和的解決に向けた努力を支援するため、イランはシリアの政府と国民を支援する」ことを確認した。

さらに「シリアで今起きていることは、テロとタクフィール主義者への支援というかたちをとる米・シオニズム的計略を拒否するレジスタンス枢軸を崩壊・打破しようとする試みの挫折だ」との認識を示した。

一方、ハルキー首相は、両国の戦略的関係強化を確認するアサド大統領のメッセージを伝えた。

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クッルナー・シュラカー(8月4日付)は、アサド大統領がダーライヤー市の軍部隊を視察(8月1日)した際の映像に、シャーム外国人大隊(自由シリア軍)のハサン・ジャズラ司令官が映っていたと報じた。

Kull-na Shuraka', August 4, 2013
Kull-na Shuraka’, August 4, 2013

同報道は、ジャズラ司令官が、アサド大統領を出迎える軍の兵士のなかに混じっており、「軍が自由シリア軍内部に浸透していたことを示す証拠」だと報じた。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(8月4日付)は、シリア・クルド民主党(バッシャール派)のアブドゥルハキーム・バッシャール書記長が、イラク・クルディスタン地域に「組織された軍事組織を保有しており…、シリア・クルディスタンを防衛する用意がある」ことを明らかにし、民主統一党に受入を呼びかけたと報じた。

これに対して、民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は「全面拒否する。いかなるクルド政党も独自の民兵を持つことは許されない。そうしたことが起きれば、クルド人地域が将来内戦に曝されるかも知れない」と応えたという。

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クッルナー・シュラカー(8月4日付)によると、シリア・ムスリム同胞団は、シリア・クルド国民評議会の使節団と会談し(場所不明)、シリア情勢について協議した。

会談では、クルド人地域での即時戦闘停止の必要で合意、またシリア・クルド国民評議会は、シリア革命反体制勢力国民連立への参加に向けてシリア・ムスリム同胞団に協力を要請した。

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自由シリア軍北の嵐旅団はフェイスブック(8月4日付)で声明を出し、シリア国内でレバノン人女性370人が拘束されているとしたうえで、「我々は彼女らの釈放のみを交渉する。アサド政権との対話はこのミッションに関して設置されるべき国際委員会を経由して行われる」と主張、また「イランの党(ヒズブッラー)が、イード・アル=フィトル休暇前に我々に巡礼者2人(アレッポ県アアザーズ市で誘拐されたレバノン人)を釈放して欲しいのなら、女性拘束者らを解放するために行動すべきだ」と発表した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、ヤルムーク区、カダム区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

またルクンッディーン区では、政府を支持する一家5人(うち女性4人)が反体制武装集団によって殺害された。

一方、SANA(8月4日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またブスターン・ダウル地区で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ダーライヤー市、フタイタト・トゥルクマーン市、バービッラー市、ヤブルード市、バイト・サフム市、ジスル・カッバース市、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、アイン・タルマー渓谷、シャイフ山地方で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月4日付)によると、アルバイン市、ザマルカー町、ミスラーバー市、ザマーニーヤ農場、カースィミーヤ農場、ダイル・サルマーン農場、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、タカード村、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、タッル・リフアト市、マンスーラ村、マアーッラト・アルティーク村、シュワイフナ山、バーブ市、アンジャーラ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

またヌッブル市とザフラー町では、人民諸委員会と反体制武装集団が交戦し、前者の民兵10人と後者の戦闘員11人が死亡した。

さらにアレッポ市では、ハーリディーヤ地区、ザフラー地区、バニー・ザイド地区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月4日付)によると、ヌッブル市、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、マンスーラ村、タッル・リフアト市、アターリブ市、ダーラト・イッザ市、バーブ市、ラスム・アッブード航空基地周辺、アアザーズ市、マンナグ航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ラーシディーン地区、ブスターン・カスル地区、ザバディーヤ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、サルマー町を軍が空爆、またバールーダ村、シャイフ・ナッバハーン村、アンバータ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またジャズィーラ・チャンネル(8月4日付)は、反体制武装集団がハッファ市に向けて、各所を砲撃、シリア軍兵士「80人を殺害、125人を負傷させた」と報じた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ブスラー・シャーム市、ハーッラ市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月4日付)によると、バサーラ市、サイダー市、ハーヌート市、アブダラ市、スィヒム・ジャウラーン市、タファス市、タスィール町、アドワーン村、クサイバ市、ムハッジャ村、ヌジャイフ村、アイン・ズィクル村、イズラア市、フラーク市、ムライハ市、ブスル・ハリール市、インヒル市、バフト市、キータ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヨルダン人、サウジ人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(8月4日付)によると、マストゥーマ村、ジャーヌーディーヤ町、カニーヤ村、カフルルーヒーン村、ハバート市、アルバイーン山で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月4日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ジュバイラ地区、工業地区、ラシュディー地区、ハウィーカ地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市郊外のタッル・ハラフ市周辺、マアバダ市郊外のカルフーク村、ターヤー村周辺で、民主統一党がシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

民主統一党はこれに先立ち、3日、タッル・ハラフ市に近いカシュトゥー村を攻撃し、サラフィー主義者の検問所などを制圧していたという。

一方、SANA(8月4日付)によると、ブジャーリー村、ヒラーブ・アスカル村、アブー・カサーイブ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・アブヤド市郊外のサールンジ村、ジャバリー村、スースキー村で、民主統一党がシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

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ヒムス県では、SANA(8月4日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ラッフーム村、トゥワイブ村、タルビーサ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハウラ地方の街道で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が死亡、3人が負傷した。

レバノンの動き

NNA(8月4日付)によると、北部県アッカール郡アリーダ村で、レバノン領内に入ろうとしたシリア人がシリア領から銃で撃たれ、死亡した。

これを受け、住民が、村にある総合情報総局の施設に投石などを行い、抗議の意を示した。

諸外国の動き

『サンデー・タイムズ』(8月4日付)は、英国警察が、シリアなどで武装活動を行うサラフィー主義者戦闘員への資金供与を行おうとしていたNGO(Aid Convoy)に対する調査を開始したと報じた。

AFP, August 4, 2013、Aljazeera.net, August 4, 2013、al-Hayat, August 5, 2013、Kull-na Shuraka’, August 4, 2013、Kurdonline, August 4,
2013、Naharnet, August 4, 2013、NNA, August 4, 2013、Reuters, August 4, 2013、SANA,
August 4, 2013、The Sunday Times, August 4, 2013、UPI, August 4, 2013などをもとに作成。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長がイスタンブールでトルコ外相と会談するなか、ハサカ県では人民防衛隊がヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国と交戦(2013年8月3日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐は、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の8月2日の演説を受けるかたちで声明を出し「ヴェラーヤテ・ファギーフは世界シオニズムの別の顔だ…。ヒズブッラーは口ではエルサレム…の解放を主張しておきながら、彼らのイラン人部隊はヤルムークなどを砲撃し、ハーメネイの召使い(ナスルッラー)はパレスチナ人やアラブ人以外の(イラン)国民のためにエルサレムを解放したがっているかのうようだ」と酷評した。

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アレッポのシャリーア委員会のアブドゥッラフマーン議長を名のる活動家が声明を出し、アレッポ市内のブスターン・カスル地区に設置された通行所経由でアサド政権の支配地域に穀物、医薬品を搬入することを禁止し、違反者に対しては通行所に駐留する戦闘員が発砲すると発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長がイスタンブールでトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は国連事務総長宛ての書簡で、アレッポ県ハーン・アサル村などでの調査を予定している国連の化学兵器使用に関する調査団に全面協力する旨伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ラッカ市で誘拐されたイタリア人宣教師パウロ・ダルリオ氏(ダイル・マール・ムーサー修道院修道長)の釈放を呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のバドル・ジャームース書記長は、7月21日の政治委員会で、ファーイズ・サーラから「バドル・ジャースース(スパイ)」と罵倒されたとし、連立内での正式な調査を求める申し立てを行ったと発表した。

クッルナー・シュラカー(8月3日付)が報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のガジアンテップ市(トルコ)代表は、フェイスブックで、トルコのハタイ県レイハンル市に戸籍事務所を開設すると綴った。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市に近いタッル・ハラフ市周辺、トゥワイミーヤ村で、民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国と交戦した。

またシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国はラアス・アイン市の国境通行所やマハッタ地区を手製の迫撃砲で攻撃した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

SANA(8月3日付)によると、バルザ区、ジャウバル区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・地下トンネル、装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、アルバイン市、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月3日付)によると、ザマルカー町、ハラスター市、シャイフーニーヤ村、バハーリーヤ農場、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市国立病院周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月3日付)によると、ムハッジャ村、インヒル市、サフム・ジャウラーン村、シャジャラ町、アービディーン市、タファス市、シャブラク村、ジッリーン村、アトマーン村、アイン・ズィクル村、ナワー市、ハーッラ市、ブスル・ハリール市、マアルバ町、ダルアー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カルアト・ヒスン市、ヒムス市各所で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またAFP(8月3日付)によると、カルアト・ヒスン市のアブー・ザイド検問所を反体制武装集団が襲撃、反体制武装集団に参加していたスウェーデン国籍のレバノン人2人が死亡した。

死亡したのは、ハサン・ディーブ(21歳)とムウタスィム・ディーブ(18歳)で、レバノン経由でシリアに潜入していた。

一方、SANA(8月3日付)によると、タルビーサ市、ヒムス市バーブ・フード地区、ワアル地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、ザーラ市郊外、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市郊外、サアン村周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月3日付)によると、反体制武装集団がサアン村襲撃を試みたが、軍が撃退した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルミーン市、バザーブール村、アリーハー市などで、軍が砲撃を加え、子供2人を含む複数の市民らが死亡した。

一方、SANA(8月3日付)によると、クーリーン市、バクファルーン市、アルバイーン山、マアッラトミスリーン市、バーラ村、カフルナブル市、ハーン・スブル村、サルジャ村、ヒーシュ村、タッル・スルターン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ヌッブル市、ザフラー町周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

アレッポ市のバニー・ザイド地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月3日付)によると、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、アバディーン村、アレッポ中央刑務所周辺、マンナグ航空基地周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ではバニー・ザイド地区、ライラームーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内の国立病院、軍事裁判所が軍の空爆を受けた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市カナーマート地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

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ラタキア県では、SANA(8月3日付)によると、サーキヤ・クルト村、ヤナービーウ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(8月13日付)によると、シリア軍がベカーア県バアルベック郡アルサール市東部を領空侵犯・空爆し、シリア人避難民の女性・子供など9人が死亡、9人が負傷した。

シリア軍はラアス・バアルベック市とアルサール市間の林にあるシリア人避難民の集合地を空爆した。

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AFP(8月3日付)は、レバノン治安筋の話として、シリア軍がヒムス県内の対レバノン国境近くを空爆し、6人が死亡、9人が負傷、死傷者が軽トラックでベカーア県バアルベック郡のトゥワイル国境通行所を経由してレバノン領内に搬送されたと報じた。

AFP, August 3, 2013、al-Hayat, August 4, 2013、Kull-na Shuraka’, August 3, 2013、Kurdonline, August 3,
2013、Naharnet, August 3, 2013、NNA, August 13, 2013、Reuters, August 3, 2013、SANA,
August 3, 2013、UPI, August 3, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ革命軍事評議会議長が「民主統一党を殲滅し、そのメンバーを根絶すべき」と主張するビデオを公開、ダマスカス郊外県ではイスラーム旅団、カラムーン殉教者大隊、タウヒード大隊が軍の武器庫を制圧し「西側に供与を求めていた高性能兵器」を確保(2013年8月2日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍(参謀委員会)アレッポ軍事評議会議長職を辞任したアレッポ革命軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐が、民主統一党を殲滅し、そのメンバーを「根絶」すべきだと主張する映像(http://www.youtube.com/watch?v=RuMVuuncwhI)がユーチューブ(8月2日付)にアップされた。

しかし、アカイディー大佐は一方で、クルド人が同胞であり、クルド・アーザーディー大隊は、一部のホットスポットで自分たちとともに戦っていると賞賛した。

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自由シリア軍国内合同司令部のファフド・ミスリー中央広報担当官はAKI(8月2日付)に「一部の国はこれらの過激派(サラフィー主義者)がシリアに入るのを支援したいと考えているようだが…、我々は彼らがとどまることを許さない…。我々はアル=カーイダ、ヌスラ戦線などの戦闘員にシリアを去るよう求める。いかなるテロ過激派であれ、彼らが自らの目標をシリアの将来に押し付けることを我々は認めない」と述べた。

しかしミスリー報道官は同時に「もちろん、シリアに入ったすべてのアラブ人・外国人戦闘員が過激派やテロリストである訳ではない。大部分は純粋に人道的な動機で来たのだ」とも述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立の広報局は声明を出し、シリア北部のすべての反体制武装集団に対して、民間人の安全を確保し、逮捕・拘束・拉致した民間人を釈放するよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立の代表メンバー29人が共同声明を出し、7月8日のイスタンブールで選出された政治委員会メンバーが「正統でなく、我々を代表してない」と批判、選挙のやり直しを求めた。

7月8日の選挙に代表メンバー114人中30人が欠席、また多くの代表メンバーが選挙実施の連絡を受けていなかったことなどが主な理由。

共同声明に署名したのは、アフマド・アブー・ハイイル・シュクリー、アナス・アルヌート、バドル・ジャームース、ジャラールッディーン・ハーンジー、ジャマール・ワルド、ジャワード・アブー・ハトブ、フサイン・アブドゥッラー、ハーリド・ハーッジ・サーリフ、ハーリド・ハウジャ、ハーリド・マスブート、ダーウード・アール・スライマーン、リヤード・ハサン、ズィヤード・ライイス、ズィヤード・ハサン、サーリム・ムスラト、サリーム・ハティーブ、サフワーン・ジャンダリー、アブドゥルイラーフ・ファフド、アブドゥルカリーム・バッカール、アブドゥー・フサームッディーン、アドナーン・ラフムーーン、ファイサル・シャーミー、ムハンマド・フサイン・カッダーフ、ムハンマド・ハイイル・ワズィール、ムハンマド・アブドゥッサラーム・サイイド、ムハンマド・ムスタファー・ムッラー、ムハンマド・ヤフヤー・マクタビー、ムスタファー・ナウワーフ・アリー、ナスル・ハリーリー。

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民主統一党渉外局のアフマド・シャンムー氏は『ハヤート』(8月4日付)に、党使節団が英国外務省を訪問し、「タッル・アブヤド、タッル・クージャラート、タッル・ハースィル、アフリーンのクルド人地域で(サラフィー主義者が行っている)野蛮な虐殺と民族浄化を非難し…、マイノリティおよびすべてのエスニック集団を保護するために行動する」よう求めた。

シリア政府の動き

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相兼国内通商消費者保護大臣はシャーム放送(ラジオ、8月2日付)で「外国からやってくる過激派と戦うため、すべてのシリア人が一致団結するにふさわしい政治的雰囲気」が醸成されているとしたうえで、「一部の反体制武装集団さえもが過激派と戦っている、シリア人こそが危機を解決する。西側はいつか、シリアに過激派が潜入するのを阻止するために自らの国境を閉ざさざるを得なくなるだろう」と述べた。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ジュワーディーヤ(ジル・アーガー)市とマアバダ(カルキールキー)市間に位置する村々を襲撃したイラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と民主統一党人民防衛隊が交戦した。

この戦闘で、イラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員12人が死亡した。人民防衛隊側の死傷者は不明。

またハヴィダールを名のるクルド人活動家は、AFP(8月2日付)に、ラアス・アイン市が早朝激しい砲撃を受けたと述べた。

一方、SANA(8月2日付)によると、ハサカ市南部のミールビーヤ地区で軍と反体制武装集団が交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(8月3日付)によると、アレッポ中央刑務所の外壁で自爆テロが発生、その後同刑務所周辺で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

またラスム・アッブード村、マーリア市、ダイル・ハーフィル市、バーブ市周辺が軍の砲撃・空爆を受けた。

アレッポ市では、ラーシディーン地区、サラーフッディーン地区、ウマイヤ・モスク周辺、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・カスル地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月2日付)によると、マンスーラ村、ハーン・アサル村、ダイル・ハーフィル市、アターリブ市、ラスム・アッブード航空基地周辺、マンナグ航空基地周辺、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリス市、ナイラブ航空基地周辺、ドゥワイリーナ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、旧市街、スライマン・ハラビー地区入り口、ラーシディーン地区、サラーフッディーン地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(8月3日付)によると、軍がハーッラ市を空爆した。

一方、SANA(8月2日付)によると、ダルアー市、ハーッラ市、サフム・ジャウラーン村、シャジャラ町、ハイト村、アービディーン市、ナーフィア村、ジャムラ村、スィースーン市、タファス市、ジッリーン村、タスィール町、ワーディー・ヤルムーク、バサーラ市、ハーヌート市、シャブラク村、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、『ハヤート』(8月3日付)によると、ラッカ市のラシード広場、ダウワール・ナイーム地区、タブカ市などに軍が「樽爆弾」などを用いて空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、『ハヤート』(8月3日付)によると、ダイル・ザウル市のアルディー地区を軍が砲撃し、子供1人を含む2人が死亡した。

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タルトゥース県では、『ハヤート』(8月3日付)によると、人民諸委員会と国防隊がバーニヤース市のラアス・ナブア地区に突入し、家宅捜索などを行った。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(8月3日付)によると、ヤルムーク区、ジャウバル区、カーブーン区、カダム区などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月2日付)によると、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(8月3日付)によると、ドゥーマー市、スバイナ町、ハーン・シャイフ・キャンプ、フサイニーヤ・キャンプ、ハラスター市周辺、ラアス・アイン市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(8月2日付)によると、ドゥーマー市郊外、ダイル・サルマーン市、ズィヤービーヤ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダイル・アティーヤ市では、反体制武装集団によって誘拐されていたアフマド・ムスタファー・マルマル市議会議員が遺体で発見された。

他方、シリア人権監視団によると、イスラーム旅団、カラムーン殉教者大隊、タウヒード大隊が、カルドゥーン市近郊(カラムーン地方)で、軍との交戦の末、の軍の武器庫3カ所を制圧し、対装甲ミサイル、地対地ミサイルなど「西側に供与を求めていた高性能兵器」(8月4日付『ハヤート』)を確保した。

この戦闘で、カラムーン地方での戦闘を指揮していた離反士官を含む2人が死亡した。

これに関して、ダマスカス軍事評議会は、「ダンダ404」の名で知られる巨大な武器を制圧したと発表、コンコルス、ミラン、コルネットといったミサイルを捕獲したと発表した。

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イドリブ県では、『ハヤート』(8月3日付)によると、ハーン・スブル村、タマーニア町、カフルナジュド市、ナフリヤー市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆を加えた。

一方、SANA(8月2日付)によると、カストゥーン村、バズィート市、クーリーン市、ナージヤ村、サアディー・ガソリン・スタンド、マアッラトミスリーン市、ナフリヤー市、マアッラト・ヌウマーン市、ダイル・サンバル村、タマーニア町、サルジャ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(8月2日付)によると、スルターニーヤ村、サラーム・シャルキー村で軍が反体制武装集団の掃討を完了、両村の治安を回復した。

またヒムス市カラービース地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ジュッブ・ジャンダリー地区、ワーディー・サーイフ地区、クスール地区、ワアル地区、ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区、ラスタン市、ガントゥー市、タッルドゥー市、アクラブ町、カフルラーハー市、タルビーサ市、カルアト・ヒスン市、ハタムルー村、タイバ村、マヌーフ村、アブーリーヤ村、ハルダーナー村、シューハ村、カスル・ハイル村、で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、タッルカラフ市郊外のシュワイヒド村で反体制武装集団が住民6人を惨殺した。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はベイルート郊外のダーヒヤでの世界エルサレムの日祝典に姿を現し、参加者の前で演説を行った。

ナスルッラー書記長が公の場に姿を現したのは、昨年9月以来11ヶ月ぶり。

シリア状勢との関連で、ナスルッラー書記長は「我々ヒズブッラーはパレスチナを支持し続けるだろう。我々はシリアやパレスチナの問題をめぐってしばしばパレスチナの諸派と意見を異にするが、彼らとよい関係を望んでいる」と述べた。

諸外国の動き

国連のナバネセム・ピレイ人権高等弁務官は声明を出し、アレッポ県ハーン・アサル村で7月22~23日に発生したとされる反体制武装集団による軍兵士の処刑に関して「戦争犯罪が行われたかどうかを知るため、独立した調査を行わねばならず、こうした犯罪の責任者は裁かれねばならない」と述べた。

ピレイ難民高等弁務官は、彼女の次官らがインターネットでハーン・アサル村での処刑に関するビデオを観たことを明らかにしたうえで「この映像が本当なら、ハーン・アサル村で処刑が行われたことになる…。科学チームが今日までに行った分析から、我々は反体制武装集団がビデオに撮影された事件を行い、少なくとも30人を処刑、そのほとんどが兵士だったと考えている」と述べた。

AFP, August 2, 2013、AKI, August 2, 2013、al-Hayat, August 3, 2013, August 4, 2013、Kull-na Shuraka’, August 2, 2013、Kurdonline,
August 2, 2013、Naharnet, August 2, 2013、Reuters, August 2, 2013、SANA, August
2, 2013、UPI, August 2, 2013などをもとに作成。

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