サファル首相が包括的改革プログラムを策定すると発表、仏国防大臣はシリア政府に対し「教訓」を学びとるよう警告(2011年4月30日)

国内の暴力

『ハヤート』(5月1日付)によると、29日のデモ弾圧の犠牲者の葬儀が各地で行われた。

シリア人権監視団によると、29日の死者数は少なくとも66人に達するという。

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ダルアー県では、『ハヤート』(5月1日付)などによると、軍機甲師団の増援部隊がダルアー市ダルアー・バラド地区に突入、ウマリー・モスクなどを制圧した。

AFP(4月30日付)は人権活動家のアブドゥッラー・アバー・ズィードの話として、この攻撃で、妊婦1人とその子供2人を含む6人が死亡したと報じた。

また6人の犠牲者のなかには、ウマリー・モスクのイマームの息子、ウサーマ・アフマド・スィヤーニー(27歳)も含まれていたという。スィヤーニーは父親の居場所を白状しなかったために殺されたという。

一方、SANA(4月30日付)は、軍消息筋の話として、サイダー町、タファス市を襲撃した「武装テロ集団」に軍が応戦し、戦闘員多数を殺害、逮捕した、と報じた。この戦闘で、軍の士官1人が殺害、2人が負傷した。

またシャイフ・ミスキーン市の軍検問所も「武装テロ集団」の襲撃を受けたが、軍が応戦し、戦闘員3人を殺害したという。

さらにSANA(4月30日付)は、軍消息筋の話として、軍・治安部隊がダルアー市での「武装テロ集団」掃討を続け、6人を殺害し、149人を逮捕、武器弾薬を押収したと報じた。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(5月1日付)によると、包囲されているダルアー市とドゥーマー市との連帯を訴え、女性約50人が人民議会議事堂前で座り込みを行った。

彼女らは「包囲を止めよ」と書かれた紙を掲げたが、まもなく治安部隊に強制排除され、少なくとも11人の女性活動家が逮捕された。

またクッルナー・シュラカー(5月1日付)によると、ダマスカス県内のインターネット・カフェで映画監督のフィラース・ファイヤード氏(イドリブ県出身)が当局に逮捕された。

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ヒムス県では、SANA(4月30日付)によると、タルビーサ市、ラスタン市近郊で「武装テロ集団」が街道を試み、軍と交戦した。これにより軍の兵士3人と、「武装テロ集団」戦闘員多数が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権国民機構によると、一昨日、シリア民主人民党の指導者、ウマル・カッシャーシュ氏(85歳)が逮捕された。

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ハサカ県では、シリア言論犯擁護機構によると、カーミシュリー市とアームーダー市で、シリア人権機構(Maf)メンバーのアブドゥルカーディル・ハズナウィー氏ら活動家9人が逮捕された。

国内の動き(シリア政府の動き)

アーディル・サファル首相は、数週間中に内閣が、政治・治安・司法改革、経済・社会政策改革、行政・政府活動開発を柱とする包括的改革プログラムを策定すると発表した。

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シリア・アラブ・テレビ(4月30日付)はダルアー市で逮捕した「武装テロ集団」メンバーの証言を放映した。

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SANA(4月30日付)によると、29日にダルアー市で「武装テロ集団」に殺害された軍・治安部隊の兵士4人の葬儀がダマスカス県とヒムス市で行われ、数千人が参列した。

反体制勢力の動き

フェイスブックなどでは、「包囲解除週間」のスローガンのもと、デモの継続が呼びかけられた。

この呼びかけは、日曜日(5月1日)にはダルアー市で、月曜日(5月2日)にはダマスカス郊外県各地で、火曜日(5月3日)にはバーニヤース市とジャブラ市で、水曜日(5月4日)にはヒムス市、タルビーサ市、タッルカラフ市でデモを、そして木曜日(5月5日)には全国で「夜間座り込み」を呼びかけている。

諸外国の動き

フランスのジェラール・ロンゲ国防大臣が、シリア政府に対して、コートジボワールやリビアに対する国際社会の制裁から「教訓」を学びとるよう警告した。

ロンゲ国防大臣はオバンヤでの軍事式典で、シリア情勢への見解を尋ねられ、「懸念している…。なぜなら緊張状態は耐えられないものとなっているからだ」と述べ、「大国や国連は自制を求めている。コートジボワールやリビアで起きていることは、一般原則を却下するいかなる政府も制裁を受け得るということを示しており、アサドがこのことから教訓を学びとることを望んでいる」と付け加えた。

AFP, April 30, 2011、Akhbar al-Sharq, April 30, 2011、al-Hayat, May 1, 2011, May 2, 2011、Kull-na Shuraka’, April 30, 2011, May 1, 2011、Reuters, April 30, 2011、SANA, April 30, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

オバマ米大統領がマーヒル・アサド軍第4師団司令官を含む複数のシリア高官らに対する制裁発動を指示(2011年4月29日)

国内の暴力

フェイスブックなどで「怒りの金曜日」と銘打って抗議行動が呼びかけられたのに呼応するかたちで、各地で反体制デモが発生し、『ハヤート』(4月30日付)によると「数万人」が参加した。

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al-Hayat, April 30, 2012
al-Hayat, April 30, 2012

『ハヤート』(4月30日付)によると、デモが発生したのは、ダマスカス県マイダーン地区など、ダルアー県ダルアー市、タルトゥース県バーニヤース市、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市、ヒムス県ヒムス市、ハサカ県カーミシュリー市などで発生した。

デモに対して軍・治安部隊は実弾を使用して強制排除を試み、少なくとも50人が死亡、数百人が負傷した。

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ダルアー県では、『ハヤート』(4月30日付)によると、軍・治安部隊によって包囲されたダルアー市に隣接する村・町で、封鎖解除をめざして住民ら「数千人」(AFP)がデモ行進を行った。

だが、食糧と水を市民に届けようとしたデモ参加者は軍の発砲を受け、少なくとも35人が死亡し、数十人が負傷した。

医療筋によると、ダルアー市近くの病院だけで、銃弾を浴びた16人の遺体が収容されたという。

またロイター通信(4月29日付)は、タファス市の病院筋の話として、同病院が負傷した村人38人を受け入れたと報じた。

なお『ハヤート』(4月30日付)は、ダルアー市の活動家の話として、同市の臨時遺体安置所には83体の遺体が安置されており、そのなかには軍によって銃殺された子供や女性も含まれていると報じた。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(4月30日付)が人権活動家の話として、約1万人が旧市街のマイダーン地区でダルアーとの連帯を訴えてデモ行進を行ったと報じた。

このデモはマイダーン地区周辺へと拡大したが、治安部隊が催涙弾などを発射し強制排除された。

またAFP(4月29日付)によると、カダム区などでもデモが発生した。

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ダマスカス郊外県では、AFP(4月29日付)によると、サクバー市などで反体制デモが発生した。

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ヒムス県では、『ハヤート』(4月30日付)が人権活動家の話として、ヒムス市およびその周辺で9人が殺害されたと報じた。

これに対して、SANA(4月29日付)は、内務省筋の話として、ヒムス市で警部1人を含む警察官3人が「過激テロ集団」によって銃殺されたと報じた。

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タルトゥース県では、AFP(4月29日付)によると、バーニヤース市で反体制デモが発生し、体制打倒が訴えられた。

デモは金曜礼拝後にファールーク・モスク前で始まり、約1万人が参加したが、治安部隊によって強制排除された。

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ダイル・ザウル県では、AFP(4月29日付)が、活動家のナイワーフ・バシールの話として、ダイル・ザウル市で反体制デモが発生した。

デモは金曜礼拝後にウスマーン・モスクで始まり、約1万人が参加したが、治安部隊によって強制排除されたと報じた。

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ハサカ県では、クルド人権委員会のラディーフ・ムスタファー代表と活動家のハアサン・バッルー氏によると、クルド人が多数派を占めるカーミシュリー市および周辺の3村で、反体制デモが発生し、約15,000人が参加した。

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ラッカ県では、AFP(4月29日付)によると、ラッカ市で反体制デモが発生し、300人から400人の住民が参加、ダルアー市に対する軍の包囲解除を訴えた。

国内の動き(シリア政府の動き)

SANA(4月29日付)は、バアス党筋の話として、バーニヤース市とダルアー市のバアス党員が集団離反したとの報道を否定した。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、フィリピン外相と会談、そのなかで、シリア政府は国民の要請に応え、治安と安定回復のために尽力していると述べた。SANA(4月29日付)が報じた。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(4月29日付)は、ハサカ県各都市での反体制デモは、フェイスブックなどでの「怒りの金曜日」という呼称ではなく、「自由の金曜日」と銘打たれていた、と報じた。

レバノンの動き

レバノン北部県アッカール郡、ワーディー・ハーリド地区でも、シリア領内での弾圧に巻き込まれるのを避け、多数のシリア人家族がレバノン領内に越境入国した。

諸外国の動き

米ホワイトハウスは、シリア国内でのデモに対処するため、バラク・オバマ米大統領が、マーヒル・アサド軍第4師団(の実質的)司令官、アリー・マムルーク総合情報部長、アーティフ・ナジーブ前ダルアー県政治治安部、総合情報部、イスラーム・クドゥス(エルサレム)軍団の3人、5機関に対して、米国内の口座凍結、米国の銀行および米国人との取引の禁止などを含む制裁発動を指示したと発表した。

またこれと合わせて、シリアへの航空機の部品の販売も禁止された。

制裁に関して、ホワイトハウス高官は、アサド大統領が制裁の対象に含まれていないとしつつ、「弾圧が続けば、随時対象に加える」と付言した。

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ジュネーブでは、国連人権委員会が、シリア政府によるデモ参加者への過度に暴力行使を非難する一方、殺戮事件に関する調査を求める決議を採択した。

採択は米国が提案し、26カ国が賛成、9カ国が反対、7カ国が棄権した。

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AFP(4月29日付)は、米国務省高官が28日にシリア国内で米大使官職員1人が一時身柄を拘束されたことを認めた、と報じた。

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ピエール・ヴィモン欧州対外行動局事務総長は、「行動する必要がある点で加盟国の間にコンセンサスがあると思う」と述べ、EUが制裁を視野に入れたかたちでシリア情勢に対処する意思があることを明示した。

その後、EU加盟諸国の大使がブリュッセルで会合を開き、シリアへの武器および武器関連機器の輸出禁止の輸出規制を行うことで原則合意した。

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アナトリア通信(4月29日付)によると、トルコ治安部隊は、シリア領内での弾圧に巻き込まれるのを避け、トルコ領内に入ろうとしたシリア人約250人の入国を阻止した。

AFP, April 29, 2011、Akhbar al-Sharq, April 29, 2011、al-Hayat, April 30, 2011, May 1, 2011、Kull-na Shuraka’, April 29, 2011、Reuters, April 29, 2011、SANA, April 29, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県の大規模治安作戦が継続するなか、ロシアの国連代表大使代理が「内戦」をもたらすような「外国の干渉」に警鐘を鳴らす(2011年4月28日)

国内の暴力

ダルアー県では、SANA(4月29日付)が内務省高官の話として、ダルアー市で、「過激なテロ集団」が治安部隊を襲撃、2人の隊員が負傷した、と報じた。

al-Hayat, April 29, 2012
al-Hayat, April 29, 2012

またSANA(4月28日付)は、ダルアー市および郊外で、街道を封鎖しようとした過激派武装集団と軍が交戦、武装集団の戦闘員複数を殺傷、撃退した、と報じた。

さらに軍消息筋の話として「ダルアーに展開する軍の複数部隊が武装集団の逃走を追跡中である」と報じた。

一方、AFP(4月28日付)は、活動家のアブドゥッラー・アバー・ズィードの話として、ダルアー市の「状況はますます悪化している。もはや我々には薬も食糧も、そして子供に与えるミルクも、水もなく、電気は途絶えている」と報じた。

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ヒムス県では、AFP(4月28日付)が、県タッルカラフ市(人口約25,000人)の住民数百人が越境し、レバノン領内に避難したと報じた。

住民の避難は、27日に反体制デモが発生した同市を軍が包囲したことを受けた動き。

国内の動き(シリア政府の動き)

Damas Post(4月28日付)は、アサド大統領がアレッポ県部族長の使節団(35人)と会談したと報道した。

同報道によると、会談で使節団はアサド政権による改革プログラムへの支持を表明した、という。

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トルコ外交筋はAFP(4月29日付)に対して、トルコのハカン・フィダン国家情報機構(MIT)長官を団長とするトルコの使節団(3人)がシリアを訪問し、アサド大統領と会談、改革実施を求めた、と報じた。

また同使節団は、アーディル・サファル首相とも会談し、トルコの政治、経済、行政改革の経験をいかに活用するかを協議した。

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アドナーン・マフムード情報大臣は「シリア当局はアサド大統領が内閣に命じた包括的改革プロセスの継続を立案中であり、それが治安や安定と不可分だと考える」と述べ、「国民の安定、治安、安心を回復する」必要を強調した。

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『ハヤート』(4月29日付)は、信頼できる外交筋の話として、軍内部で弾圧への不満の兆候が表れており、兵士が秘密警察に反抗し、デモ参加者への発砲命令に背いている、と報じた。

同報道によると「現在までシリアで行われた葬儀者のなかでもっとも多いのは、デモ参加者への発砲を拒否し、処刑された兵士たち」だという。

しかし、SANA(4月28日付)は、軍消息筋の話としてこうした報道が事実に反すると否定した。

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内務省は国民に「いかなる名を冠した行進、デモも行わない」よう呼びかけた。

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シリア・アラブ・テレビ(4月28日付)は、ダルアー市で逮捕された「過激テロ集団」メンバーの証言を放映した。

反体制勢力の動き

シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、国内での抗議デモに伴う暴力は、軍、治安部隊、シャッビーハが一方的に行っており、デモ参加者は暴力に訴えていないと断じた。

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ダマスカス宣言事務局のサミール・ナッシャール事務局長は、AKI(4月28日付)に対して、国内で自由を求めるデモに対して、国連安保理は積極的な姿勢をとることは見込めないとしつつ、アサド政権による弾圧が、中東地域および国際社会におけるシリアの地位を奪うことになるだろう、と述べた。

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シリア・アラブ人権機構のマフムード・マルイー代表は、同機構前代表で活動家のラースィム・サイイド・スライマーン・アタースィーがヒムス市で逮捕されたと発表した。

逮捕は、アタースィーから武器と金銭を与えられ、ヒムス市でデモを行うよう依頼されたとの男性2人の証言を受けたものだが、マルイーによるとこの証言は根拠がない、という。

諸外国の動き

米共和党のジョン・マケイン上院議員、リンジー・グラハム上院議員、そして無所属のジョゼフ・リーバーマン上院議員は共同声明で「アサドとその支持者たちは政権にとどまる正統性を失った…。我々はオバマ大統領に、カッザーフィーやムバーラクの場合と同様、アサドが去る時が来たと明言することを求める」と発表した。

また3人は「深刻な人権侵害を犯すアサド自身と体制高官への制裁を通じて、体制を孤立させるための外交的・経済的ステップ」をとるよう改めて呼びかけた。

同声明は「アサドは過去に何度も真摯な対話と改革の機会を与えられたが、すべて無に帰した」と指摘、「アサド(の改心)に賭けたり、体制に言い訳させるのでなく、合衆国は欧州と世界の同盟国とともに、民主的政府樹立を平和的に求めるシリア国民を明確に支持する時が来た」と締めくくった。

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ロシアのアレクサンドル・パンキン国連代表大使代理は、安保理会合でシリア国内の「内戦」をもたらすような「外国の干渉」に警鐘を鳴らした。

ロシア外務省のアレクスィー・サゾノフ副報道官は「我々は、犠牲者が出たすべての事件への効果的かつ透明な調査の実施と犯罪者の司法での処罰をダマスカスに求めている」と述べた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリア政府によるデモ弾圧に抗議するかたちで、ヘンリー王子の婚礼に駐英シリア大使を招待しないことを決定したと発表した。

AFP, April 28, 2011、Akhbar al-Sharq, April 28, 2011, April 29, 2011、AKI, April 28, 2011、DamasPost, April 28, 2011、al-Hayat, April 29, 2011, April 30, 2011、Kull-na Shuraka’, April 28, 2011、Reuters, April 28, 2011、SANA, April 28, 2011, April 29, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米上院議員が「正統性を失った」アサド大統領に対し退任を呼びかける、諸外国は協議のため在シリア大使を本国に召還(2011年4月27日)

国内の暴力

ダルアー県では、『ハヤート』(4月28日付)によると、ダルアー市で未明から朝に銃声が聞こえた。

SANA(4月27日付)によると、シリア軍は、ダルアー市およびその郊外で「治安と安定の実現」のため、「過激テロ集団追跡の…任務を継続している」と発表した。

この追跡で、軍・治安部隊の兵士3人が死亡、15人が負傷したという。

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ダマスカス郊外県では、ロイター通信(4月27日付)が目撃者の話として、「少なくとも戦車30輌からなる」増援部隊が「首都の環状道路を移動している」と報じた。

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デモ発生以来、内務治安部隊の負傷者の数が295人にのぼったと発表した。SANA(4月27日付)が報じた。

国内の動き(シリア政府の動き)

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表大使は記者団に対して、治安当局によるデモ弾圧に関して、「我々自身があらゆる調査を透明性をもって包み隠さず行う。我々は事件を遺憾に思うが、あなた方は暴動があり、その一部には隠されたアジェンダがあったことも認めねばならない」と述べた。

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アフバール・シャルク(4月27日付)は、233人のバアス党員が連名で声明を出し、タルトゥース県バーニヤース市郊外のバイダー町などでのデモ弾圧を「人道や党が主唱するスローガンに反する」と非難、党からの脱退を表明したと報じた。

声明には、バーニヤース市出身者たちが署名しており、「治安機関の行為は…党のあらゆる価値観、人道規範、党のスローガンに反しており」、「単一の祖国の民内に宗派主義的混乱と敵意」をもたらすと述べられていた。

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アフバール・シャルク(4月27日付)は、ダルアー県ハウラーン地方のバアス党員203人が連名で声明を出し、デモ弾圧に抗議し、党からの脱退を表明したと報じた。

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軍消息筋は「軍部隊の間で分裂」が発生したとの情報を否定した。SANA(4月27日付)が報じた。

同消息筋によると、「偏向した一部の衛星放送が最近、軍部隊の間で分裂が発生したとのニュースを放映し、軍の評判を貶め、シリアが行うレジスタンスの手法に打撃を与え、その治安と安定を揺るがすための陰謀計画の真相から目をそらそうとしている」という。

そのうえで同消息筋は、こうした放送が「何らの信憑性もなく、こうした報道を行う勢力が破綻し、その卑劣な目的を実現できないことを示している。またこうした報道が情報婉曲の域を脱しておらず、真実を歪め、ねつ造し、シリア社会、とりわけ軍部隊が持つ国民的調和の基礎に打撃を与えようとしている」と明言した。

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シリア・アラブ・テレビ(4月27日付)は、シリア国内の2カ所で逮捕された「テロ細胞」のメンバーの自供する映像を放送した。

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シリア共産党ユースフ・ファイサル派が声明を出し、暴力の即時停止と包括的国民対話の開始を呼びかけた。

反体制勢力の動き

亡命中の反体制活動家数十人がイスタンブールでの会合を開き、閉幕時に「国民変革イニシアチブ」と題した共同声明を発表、アサド政権に対して、「真の民主的変革」か、「体制打倒をめざす「民衆革命」との対決」のいずれかを呼ぶよう呼びかけ、「複数政党制…即時の国会選挙、新憲法制定」、「政治犯釈放」、デモの自由、報道の自由を要求した。

また彼らは、「シリアへのあらゆる外国の干渉、国家分裂をもたらすようなあらゆるイニシアチブ」への拒否の意思を強く示した。

この声明には国内の反体制活動家150人が署名したという。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン会長は2011年3月半ば以降の民間人死者数が453人に達したとし、その氏名を公開した。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、記者団に対して、シリアでの治安部隊によるデモ弾圧に関して「我々は情勢を重点的に懸念をもって監視している」と述べた。

また弾圧に関して独立且つ透明性のある調査を行う必要があるとの見方を示した。

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フランス、英国、イタリア、ドイツ、トルコは、シリア情勢について協議するため、在シリア大使を本国に召還した。

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米国の有力議員、ジョン・マケイン米上院議員は、バッシャール・アサド大統領に対して、「正統性を失った」とみなし退任を呼びかけた。こうした立場が表明されたのは初めてである。

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ヨルダンでは、ラムサー市で、隣接するダルアー県の住民との連帯を求めるデモが行われ、住民数百人が参加した。

また約1,000人のヨルダン人が対シリア国境地点まで行進し、「ダルアーは我々のためにある…。ダルアー支持は我々の義務」と連呼した。

一方、ヨルダン治安部隊は、国内で活動禁止処分を受けているイスラーム解放党メンバー200人以上が在アンマン・シリア大使館前でシリア国民との中隊を訴える座り込みを行うことを黙認した。

このような黙認は前例のない措置だという。

AFP, April 27, 2011、Akhbar al-Sharq, April 27, 2011、al-Hayat, April 28, 2011、Kull-na Shurakā’, April 27, 2011、Reuters, April 27, 2011、SANA, April 27, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県の大規模治安作戦が継続する一方、西欧諸国がシリア非難決議案の安保理提出を準備していると報じられる(2011年4月26日)

国内の暴力

ダルアー県では、活動家のアブドゥッラー・アバー・ズィードがAPF(4月26日付)に述べたところによると、ダルアー市では「新たな軍・治安増援部隊が到着した」。

アバー・ズィードによると、市内には戦車が展開し、市の入り口には検問所が設けられ、人々が入ることができなくなっている、という。

また「住民への発砲は続いている…。第5師団の複数の兵士が離反し、我々に加わり」、ダルアー市を包囲する軍と「対決している」と付け加えた。

一方、シリアの人権団体(SWASIAH)によると、治安部隊がダルアー市内でデモに参加した活動家や支持者500人以上を逮捕した。

アフバール・シャルク(4月26日付)は、ダルアー市で住民への発砲命令を拒否した軍兵士が「シャッビーハ」に殺害されている、と報じた。

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タルトゥース県では、抗議行動の指導者の一人であるアナス・シャグリーがロイター通信(4月26日付)に述べたところによると、バーニヤース市で、「黒い服を着た部隊が、市を囲む丘陵に集結し、市に対して攻撃の準備をしているようだ」という。

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ダマスカス郊外県では、複数の消息筋によると、ドゥーマー市でも大規模な治安部隊が展開し、住民の外出を禁じた。

ロイター通信(4月26日付)が目撃者の話として伝えたところによると、200人以上の治安要員がドゥーマー市に展開し、住民の身分証を検査するための検問所を配置した。

同報道によると、重火器を装備した軍車輌が街道で多く見られ、また民間人の服を着たおそらくは秘密警察がライフルを携帯している、という。

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クッルナー・シュラカー(4月26日付)は、ダイル・ザウル県で政治治安部が活動家のカースィム・アッザーウィーを逮捕した、と報じた。

国内の動き

シリア・アラブ・テレビ(4月26日付)はダルアーで逮捕した「武装集団」メンバーの証言を放映した。

Kull-na Shurakā’, April 27, 2011
Kull-na Shuraka’, April 27, 2011

反体制勢力の動き

トルコの市民団体の呼びかけのもと、「シリアのためのイスタンブール会合」が開催され、在外シリア人ジャーナリストや人権活動家約40人が参加した。

会合後に採択された声明では、一党支配の廃止、複数政党制の確立、即時国会選挙、新憲法制定、平和的デモ権の保障、政治犯の釈放を求めるとともに、外国の介入への拒否の姿勢を示した。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、アサド政権によるデモ弾圧に関して「殲滅戦争」を行おうとしていると非難、また「アラブの政府、人民の沈黙」と述べ、アラブ諸国への介入を求めた。

レバノンの動き

ナハールネット(4月26日付)は、アリー・シャーミー外務大臣がナウワーフ・サラーム国連代表大使に対して、安保理で西側諸国が提出を検討しているとされる対シリア決議案(非難声明)を拒否するよう指示した、と報じた。

諸外国の動き

国連安保理が潘基文事務総長の中東・北アフリカ訪問の報告を行うための非公式会合が準備されたが、中国とロシアが、安保理の審議事項にシリア情勢を含めることを拒否した。

一方、安保理消息筋によると、レバノンは、アラブ諸国の立場が確定していないことを口実に、西欧諸国、すなわち英国、フランス、ブルガリア、ドイツが準備しているシリア非難決議案の安保理への提出を遅らせようとしているという。

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米国務省は声明を出し、「現下の不安定で不確実な状況を鑑み、米国政府職員家族全員および一部の非正規職員に対して、シリア出国を命じた」と発表した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、抗議行動への暴力の行使が続けられれば、各国とともにシリア政府への制裁をめざすとの姿勢を示した。

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イタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ首相とフランスのニコラ・サルコジ大統領がローマで会談、シリア情勢への「懸念」を用命し、「平和的デモへの野蛮な弾圧の停止」をシリア政府に呼びかけた。

サルコジ大統領は、シリア情勢が「受け入れられない…自由を求めるアラブ諸国民を支持する」と述べた。

一方、ベルルスコーニ首相は「激しい弾圧の停止と発表された改革の実行を強く求める」と呼びかけた。

またシリアでのデモ抗議を非難する国連決議の発表が「現時点では困難」としつつも、弾圧が続けば状況は変わるかもしれないと付言した。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、アサド大統領と電話会談を行い、シリアで改革の道を進展させるよう呼びかけた。

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ヨルダン・ムスリム同胞団は、アサド政権によるデモ弾圧を非難し、国民支持を表明した。

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ヴェネズエラのウーゴ・チャベス大統領がアサド大統領に親書を送り、「国際社会の帝国主義的狂気」のもと、「国民保護」を口実にシリアに軍事攻撃をしようとしていると非難、こうした動きを「悪意」と断じた。AFP(4月26日付)が報じた。

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トルコのイスタンブールで、亡命中のシリア人数十人がシリア政府に対して、国内での弾圧の即時停止と、複数政党制の確立を手始めとする深遠な改革実施を要求するデモを行った。

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エジプトのカイロでは、在留シリア人数十人が、アラブ連盟本部前でデモを行い、国民保護のためのアラブ諸国の介入を要求した。

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アルジェリア在住のシリア人とアルジェリア人数十人がアルジェのシリア大使館前でデモ弾圧を求める抗議行動を行った。アフバール・シャルク(4月26日付)が報じた。

AFP, April 26, 2011、Akhbar al-Sharq, April 26, 2011, April 27, 2011、al-Hayat, April 27, 2011, April 28, 2011、Kull-na Shuraka’, April 26, 2011、Reuters, April 26, 2011、SANA, April 26, 2011, April 27, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍・治安部隊がダルアー市に突入、第4機甲師団と正規軍の間で衝突も(2011年4月25日)

国内の暴力

ダルアー県では、SANA(4月25日付)などによると、軍・治安部隊が「市民の救援要請に応えるかたちで、テロリスト掃討のため」、ダルアー市に突入した。

軍消息筋が発表したところによると、軍の複数の部隊が「ダルアー市民の救援要請」に応えるかたちで、「安定、治安、日常生活を回復するために」ダルアー市に早朝進入した。

al-Hayat, April 26, 2011
al-Hayat, April 26, 2011

また「治安部隊の参加のもとでのテロ集団の追跡も行われており、多くのメンバーを逮捕、大量の武器弾薬を押収した」という。

さらに「テロ集団との対決により、軍・治安部隊の側に多くの戦死者、負傷者が出たが、過激テロ集団側にも多くの死傷者が出た」と伝えた。

これに関連して、アラビーヤ(4月25日付)は、シリアの複数の消息筋の話と、ダルアー市への攻撃が「市内にあるウマリー・モスクでサラフィー主義的イスラーム国建設とアミール就任を宣言しようとする計画を阻止することを目的としていた」と報じた。

また、目撃者の証言として、第4機甲師団と、市民への発砲を拒否した正規軍の間で衝突が発生した、と報じた。

一方、AFP(4月25日付)、ロイター通信(4月25日付)が、複数の目撃者や人権活動家から得た情報によると、現地では「軍と治安部隊が早朝の礼拝の後、戦車でダルアー市に突入し、狙撃手が政府の建物の屋上に登り、住宅や貯水タンクなどに無差別に集中発砲を開始した。また電気と電話回線はほぼ完全に不通となった」という。

活動家のアブドゥッラー・アバー・ズィードはAPF(4月25日付)に対して、「少なくとも25人が集中砲火で死亡した…。病院がないことを踏まえると、出血多量で死亡する負傷者もいるだろう」と述べた。

また軍・治安部隊と突入に際して、アバー・ザイドは「彼らは撃ち合っていた」とも述べ、離反が生じたことを示唆した。

『ハヤート』(4月26日付)によると、またナワー市に治安部隊が突入、逮捕を行った。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月26日付)によると、ドゥーマー市、ムウダミーヤト・シャーム市に治安部隊が突入、逮捕を行った。

現地の目撃者によると、治安部隊がドゥーマー市に展開し、「多くの人が同市で逮捕された」という。

また複数の目撃者によると、首都近くの「ホット・スポット」へと通じる道が夜間閉鎖され、身元検査を行うための検問所が設置され、住民以外入ることが許されなかった、という。

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シリア人権監視団は、「治安部隊が今日(月曜日)と昨日、サラーキブ市(イドリブ県)、ダイル・ザウル市、ラッカ市、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)、バーニヤース市(タルトゥース県)で数十人を逮捕した」とAPF(4月25日付)に述べ、逮捕者の氏名を示した。

国内の動き

SANA(4月25日付)は、ダマスカス県のジャズィーラの事務所前で市民が放送内容に抗議する座り込みを行い、事務所を閉鎖するかシリア国民に謝罪するよう求めた。

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シャイフ・ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティーはテレビ説教で、デモが破壊分子の潜入を許すと述べ、街頭行動を自制するよう市民に呼びかけた。

Kull-na Shuraka’, April 25, 2011
Kull-na Shuraka’, April 25, 2011

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(4月26日付)は、ダマスカス県の裁判所前で、弁護士50人以上が治安当局によるデモ弾圧に抗議する座り込みを行ったと報じた。

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スハイル・アタースィーは声明を出し、アサド政権が民主的デモ要求運動への戦争をしかけていると批判した。

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ラッザーン・ザイトゥーナ女史は、AKI(4月25日付)に対して、「政府は自由をもとめるシリア革命を、どんな代償を払おうと終わらせることを決定した」と非難した。

諸外国の動き

米国家安全保障会議(NSC)のトミー・ビーター報道官は『ハヤート』(2012年4月26日付)に対して、「シリア政府が国民に対して行使する野蛮な暴力は決して受け入れられない。我々はもっとも厳しくそれを非難する」と述べた。

またバラク・オバマ政権が「様々な政治的選択肢を検討しており、そのなかには弾圧に対する限定的制裁も含まれている」と付け加え、「こうした行為は受け入れられない」と強調した。

さらに「シリア国民による表現、集会、平和的自由の要求、自由に指導者を選ぶ能力は耳を傾けられねばならない」と続けた。

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ナビ・ピレイ国連人権高等弁務官は、シリア国内での治安当局によるデモ弾圧、参加者逮捕を非難、殺戮行為の停止と政治犯の釈放を求めた。

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ヨルダンのターヒル・アドワーン内閣報道官は、シリア側で国境が閉鎖されたと述べた。

しかしシリア当局はこの発表を否定した。

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『ヤウム・サービウ』紙(4月26日付)はカイロのシリア大使館前で在外シリア人数百人が治安当局によるデモ弾圧に抗議するデモを行ったと報じた。

AFP, April 25, 2011、Akhbar al-Sharq, April 25, 2011、AKI, April 25, 2011、Alarabia.net, April 25, 2012、al-Hayat, April 26, 2011、Kull-na Shuraka’, April 25, 2011, April 26, 2011、Reuters, April 25, 2011、SANA, April 25, 2011、al-Yawm al-Sabi‘, April 26, 2011などをもとに作成。

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当局による抗議デモの弾圧が続くなか、国連人権委員会は治安部隊による「集団的殺戮」を審議する必要性を表明(2011年4月24日)

国内の暴力

ラタキア県では、AFP(4月24日付)などによると、ジャブラ市で4人が死亡、数十人が負傷した。

al-Hayat, April 25, 2011
al-Hayat, April 25, 2011

複数の目撃者などによると、「ラタキア県のアブドゥルカーディル・ムハンマド・シャイフ新知事が住民の要求を聴取するためにジャブラ市を訪問した後、「同市は四方から包囲され、治安部隊が展開し、発砲を始め」、4人が死亡したという。

また、シリア人権監視団によると、「3,000人以上がラタキア市からダマスカス県へと至るバーニヤース市近くの公道でデモを行い、ジャブラ市民との連帯を訴えて座り込みを宣言した…。デモ参加者は…逮捕されることを恐れ、バーニヤース市に逃れた」。

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ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月25日付)などによると、ドゥーマー市で23日の葬儀後の抗議デモ弾圧で死亡した犠牲者の葬儀を治安機関が再び強制排除しようとし、1人が死亡した。

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AFP(4月24日付)によると、「デモ参加者の土曜日の葬儀中に治安部隊の発砲で死亡した4人の殉教者の葬儀に数千人が参列した…。当局はハラスター市へ向かう街道を会葬者が行進することに警戒して、彼らの進路を変更させようとしたが、人々はこれに従おうとしなかった」という。

会葬者は、反体制的なシュプレヒコールを叫んでいたという。

また「ドゥーマー市では通信回線が、地上電話、携帯電話、インターネットともに途絶えている…。市の入り口には多数の装甲車がおり、市内には武装した治安要員が集中的に展開している…。治安部隊のバス、車両複数が国立病院と刑務所前に停車している」という。

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ダルアー県では、『ハヤート』(4月25日付)などによると、ナワー市で23日の葬儀後の抗議デモ弾圧で死亡した犠牲者4人の葬儀を治安部隊が再び強制排除しようとし、1人が死亡した。

ロイター通信(4月24日付)によると、葬儀に参列した数千人が「出て行け…、出て行け」、「国民は体制打倒を望む」と連呼し、抗議の意思を示していたという。

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このほか、シリア人権監視団によると、イドリブ県サラーキブ市、ジスル・シュグール市、アレッポ県アレッポ市、ラッカ県ラッカ市などで22日の金曜日のデモ参加者数十人が逮捕された。

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一方、内務省は4月23日(土曜日)までの武装犯罪集団との衝突で治安当局側の負傷者数が286人にのぼると発表した。

内務省によると、23日だけでも31人が負傷、また22日には1人が死亡、11人が負傷した。

またSANA(4月24日付)は、軍高官筋の話として、「土曜日(23日)の午後以降、ナワー市で武装犯罪集団の実弾で死亡した殉教者の数は7人に上った…。治安要員2人も殉職し、その一人はムウダミーヤト・シャーム市、もう一人はヒムス市で死亡した」と報じた。

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ロイター通信(4月24日付)は、ヒムス市で、反体制活動家であるマンスール・アリーが治安当局によって逮捕されたと報じた。同氏は民主的変革を求めるデモ参加者への治安部隊の発砲に公然と異議を唱えていた。

国内の動き(シリア政府の動き)

アサド大統領は昨日、アラブ首長国連邦のシャイフ・ハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領から親書を受け取った。

シリア大統領府の声明によると、同親書は「(中東)地域での最近の状況に関するもので、シリアが経験している現段階を乗り越えるために、アラブ首長国連邦がシリアの国民および指導部を支持するとの立場」が示されていたという。

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アーディル・サファル首相はオメル・オンホン在シリア・トルコ大使と会談、サファル首相は、改革計画プロセスの成果を具体化するのに「ふさわしい仕組み」を構築したトルコの経験を、シリアで「実現可能な速度」で活かしていく意思を表明した。

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タイスィール・カラー・アウワード法務大臣は、シリア国内の治安と体制が危機に曝された場合、再び非常事態令を発令することもあり得ると述べたと、ダマスポスト(4月24日付)が報じた。

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ダルアー県商業会議所のファイサル・フマイド副会長は、ジャズィーラ(4月24日付)で「すべての県民と殉教者を想い、また自由と民主主義を要求するデモ参加者への治安当局の弾圧と実弾発砲に抗議し、自らの辞任を発表する」と述べた。

またダルアー県議会のバシール・ズウビー議員も「デモ参加者殺害に抗議して」、議員辞職とアラブ社会主義バアス党からの離党をジャズィーラ(4月24日付)を通じて宣言した。

反体制勢力の動き

シリアの有識者、メディア関係者約100人が連盟で声明を出し、治安当局によるデモ弾圧を非難した。

共同声明には、フクム・バーバー、ハーラ・ムハンマド、ハーズィム・ウズマ、ルワイユ・フサインらが署名した。

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クルド民族主義各政党は「シリアにおけるクルド愛国主義政党」の名で声明を出し、ハサカ県でのクルド人青年らによるデモ弾圧を批判、治安当局による弾圧激化は、青年らのさらなる大規模デモを招くだろうと警告した。

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「3月15日殉教者委員会」はAFP(4月24日付)に送付した声明のなかで、23、24日にシリアでの抗議行動で死亡した犠牲者120人の氏名を発表した。

諸外国の動き

ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は「シリアでの暴力激化に反対する。シリアの治安部隊によるデモ参加者殺害への懸念を感じる」と述べた。

また、英国民に対して「緊急の滞在理由がない限りただちにシリアを出国するよう強く」呼びかけた。

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カナダ政府は、弾圧への非難の意を表明し、シリア政府に自制と「民主的改革のための真の対話の開始」を呼びかけた。

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国連人権委員会は、国際司法裁判所での審理を必要とするかもしれないシリア治安部隊による「集団的殺戮」を安保理が調査せねばならないとの意思を表明した。

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ヨルダンの首都アンマンでは、数百人がシリア大使館前に集まり、ダマスカスの体制転換を要求した。

AFP, April 24, 2011、Akhbar al-Sharq, April 24, 2011, April 25, 2011、Aljazeera.net, April 24, 2011、DamasPost, April 24, 2011、al-Hayat, April 25, 2011、Kull-na Shuraka’, April 24, 2011、Reuters, April 24, 2011、SANA, April 24, 2011などをもとに作成。

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政府は「我らが市民の安全を危機に曝そうとする扇動の一部をなす」として米大統領による声明を非難(2011年4月23日)

al-Hayat, April 23, 2011
al-Hayat, April 23, 2011

抗議行動

22日の政府による抗議デモへの厳しい弾圧に抗議し、ダルアー県選出のハリール・リファーイー人民議会議員とナースィル・ハリーリー人民議会議員、ダルアー県ムフティーのリズク・アブドゥッラフマーン・アバー・ザイドが辞表を提出した。

リファーイー議員はジャズィーラ(4月23日付)に対して、「我が国民をもはや護ることができない」ため辞職したと述べた。

ハリーリー議員は、アサド大統領に事態収拾に向けて介入するようを求めた。

一方、アバー・ザイドは治安対策以外によるデモの収束を求めた。

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AFP(4月23日付)によると、22日の抗議デモの犠牲者の葬儀が各地で行われ、参列者が弾圧を批判する抗議行動を行ったことを受け、治安機関が実弾などを使用して強制排除を試み、ダルアー県で5人、ダマスカス郊外県ドゥーマー市で5人、ダマスカス県バルザ区で3人が死亡した。

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政治犯擁護センターのハリール・マアトゥーク弁護士は、AFP(4月23日付)に対して、治安部隊が、シリア自由擁護諸委員会のダーニエール・サウード氏をタルトゥース県バーニヤース市の自宅で逮捕し、連行したと述べた。

シリア政府の動き

シリア政府は、デモを弾圧するためにイランに支援を求めようとしているとのバラク・オバマ米大統領の声明(22日)に関して、「我らが市民の安全を危機に曝そうとする扇動の一部をなす」と非難した。

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SANA(4月23日付)は、軍武装部隊総司令部の高官筋の話として、「武装部隊は、国民の安全を護る軍への攻撃を試みるすべての者に断固として対抗し、敵対行為、犯罪行為を行った者すべてを追跡し、関係する司法に突き出し、公正な報いを受けさせる」と強調した。

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アサド大統領は政令第162号を発し、アブドゥルカーディル・ムハンマド・シャイフ退役少将をラタキア県知事に任命した。

前任者のリヤード・ファリード・ヒジャーブはアーディル・サファル内閣(4月14日)で農業・農業改革大臣に就任していた。

レバノンの動き

レバノン・タウヒード潮流のウィアーム・ワッハーブ代表は、NBN(4月23日付)で、ムスタクバル潮流のジャマール・ジャッラーフ国民議会議員がサウジアラビアのトゥルキー・ブン・アブドゥルアズィーズ皇太子から受け取った署名入りの小切手の写真を公開した。

小切手の額面は30万ドルで、発行地はカイロ。

また、ワッハーブ代表によると、ムハンマド・アブドゥルハミード・バイドゥーン元大臣もアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領の息子のジャマール・ハッダームから40万ドルの小切手を受け取っていると暴露した。

そのうえで、サウジのアブドゥッラー国王に知らされないかたちで、サウジアラビアがシリアの反体制デモに関与していると主張した。

なおバウドゥーン元大臣はこれを否定している。

諸外国の動き

イラン政府は、デモを弾圧するためにイランに支援を求めようとしているとのバラク・オバマ米大統領の声明(22日)に関して、「他国の内政に干渉しない」ことを強調、「個人に対する暴力行使は、いかなる国においても受け入れられない」との姿勢を示した。

AFP, April 23, 2011、Aljazeera.net, April 23, 2011、al-Hayat, April 24, 2011、Kull-na Shuraka’, April 23, 2011、Reuters, April 23, 2011、SANA, April 23, 2011などをもとに作成。

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非常事態令が解除されるも各地で大規模デモが発生、オバマ米大統領は声明のなかで「暴力の即時停止」を求める(2011年4月22日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、2011年政令第161号(2011年4月22日)を発し、1962年12月22日の法律第51号(非常事態法)に従い、1963年3月8日に宣言された非常事態令を解除した。

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アサド大統領は、2011年政令第53号(2011年4月22日)を発し、国家最高治安裁判所(1968年設置)を廃止し、国家最高治安裁判所の権能を刑事裁判所へ移管した。

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アサド大統領は、2011年政令第54号(平和的デモ調整法、2011年4月22日)を発した。

同法は西側諸国のデモ規制法をもとに、平和的デモ権を「シリア憲法が保障する基本的人権の一つ」と位置づけ、デモ主催者が内務省に実施許可を求めることなどを明文化している。

またデモが「実施許可の制限を超えた場合」、デモ中止を要請できる権限を内務省に付与するとともに、本法違反者に対して刑事法に基づく罰則を定めた。

抗議行動

al-Hayat, April 23, 2011
al-Hayat, April 23, 2011

『ハヤート』(4月23日付)などによると、治安機関による厳戒態勢が敷かれるなか、フェイスブックなどでの反体制活動家らによる「大いなる金曜日」と銘打った抗議デモの呼びかけに呼応するかたちで、各地でデモが発生、参加者らは「体制打倒」に加えて「治安機関の解体」などを求めるシュプレヒコールをあげた。

デモが発生したのは、ダマスカス県マイダーン地区、バルザ区、カーブーン区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市、ドゥーマー市、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、ザマルカー町、ザバダーニー市、ハサカ県ハサカ市、カーミシュリー市、ラッカ県ラッカ市、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市、ダルアー県イズラア市、フラーク市、ハマー県ハマー市、ヒムス県ヒムス市、タルトゥース県バーニヤース市、ラタキア県ラタキア市などで、『ハヤート』(4月23日付)によると、さまざまな人々(アラブ人、クルド人、アッシリア人)が合わせて数万人参加した。

これに対して、治安当局はデモ参加者に実弾や催涙弾を発射し、強制排除を試み、ロイター通信(4月22日付)はアンマール・カルビー氏の話として、少なくとも49人が死亡、数十人が負傷した、と報じた。

AFP(4月22日付)によると、犠牲者のうち少なくとも14人がダルアー県のイズラア市で、1人が同県のフラーク市で死亡した。

またダマスカス郊外県では、ドゥーマー市で9人、ムウダミーヤト・シャーム市で3人、ハラスター市で1人が死亡した。さらにダマスカス県バルザ区で2人、ヒムス市で4人、ラタキア市で2人、ハマー市で2人が死亡したという。

『ハヤート』(4月24日付)は、死者数に関する情報が錯綜しており、88人、90人、100人といった数値があげられていると報じた。

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一方、「3月15日殉教者委員会」は少なくとも82人が死亡したと発表、死亡が確認された市民の氏名を列記、負傷者や行方不明者の数を踏まえると死者数はさらに上昇するだろうとの所見を示した。

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デモに関して、SANA(4月22日付)は、「シリアが曝されている大規模な扇動キャンペーンや…メディアによる動員にもかかわらず、多くの県で限定的で小規模なデモしか発生しなかった」と報じた。

SANA, April 22, 2011
SANA, April 22, 2011

各県のSANAの特派員によると「参加者の数は都市によって差があり、ダマスカス郊外県の複数の地区、ハマー県、ダイル・ザウル県、ハサカ県、バーニヤース市では、金曜日の礼拝後の集会での国民の数は限定的で、参加者は、自由や殉教者のためのシュプレヒコールを叫んだ。またダルアーでも、数千人が集会を行い、自由や殉教者のためのシュプレヒコールを叫んだ」。

また「警官隊は問題発生を回避するために介入し、これらの集会の参加者と、私有財産・公共財産を破壊から守ろうとする市民の間に入った。これらの集会の一部は、開始後まもなく解散した」という。

しかし、幾つかの問題が「ハラスター市、ハマー市、カーミシュリー市で発生し、それによって複数の負傷者が出た。また一部の泥棒がダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市での混乱に乗じて、商店や民家で略奪行為を行った」という。

その後、SANA(4月23日付)は、ダルアー県イズラア市でバイクに乗った武装集団が市の警備要員を襲撃し8人を殺害したほか、ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市の軍の検問所なども襲撃を受けたと報じた。

同報道によると、武装した数人を含む集団が、金曜日の午後にダルアー市郊外のイズラア市の北側から「オートバイや車で」侵入、「市内中心に向かい、イズラア地区局の護衛要員に投石し、その一部は発砲したのを受け、軍はこれに応戦すべく、発砲し、この集団は逃走した」。

また「その後、この集団の背後に控えていた民生用の乗用車から発砲音が聞こえ、覆面をかぶった数名が無差別に発砲、この集団と軍の8人が死亡し、28人が負傷した」という。

同消息筋は、別の集団がオートバイに乗って「フラーク市から西ムライハ村とフラーク市の間にある軍の監視地点に向かって移動し、同時に西ムライハ村かと近隣の村々からこの監視地点に向かってさらに別の集団も徒歩で向かっていた。これらの集団の面々はそのほとんどがナイフ、棍棒、火炎瓶、さらには赤い液体が詰められたプラスチックの容器を携帯し、軍の監視地点を攻撃した。これに対して、軍は対抗し、空砲を撃って警告、彼らをフラーク市方面に排除した。けが人はなかった」と指摘した。

また、ダマスカス県ジャウバル区では「犯罪集団」が消火作業に当たっていた消防車に発砲、投石し、破壊したと報じた。

これにより多くの消防隊員が重傷を負い、病院に搬送された。

SANAはまた別の武装集団が「ダマスカス周辺のティシュリーン地区で複数の国内運輸用バスに放火した」と報じた。

一方、ダルアー県フラーク市では、SANA(4月23日付)によると、軍の検問所を襲撃しにきた武装集団から、軍が「シリア以外のSIMカードが取り付けられていた携帯電話、GPS機器、ねつ造された暴行シーンやデモ弾圧シーが映った画像が納められた高性能デジタル・カメラ」を押収した。

また軍が「ねつ造されたデモでの暴力行為を撮影する際に用いられる本物の血が詰められた瓶、さらには放火に用いられる火炎瓶」を押収したことも明らかにした。

反体制勢力の動き

地元調整諸委員会を名乗る反体制活動家は「初めて」(『ハヤート』4月23日付)共同声明を発表し、そのなかでバアス党の権力独占の停止、民主的政体の確立を要求した。

また同声明で、地元調整諸委員会は、すべての政治犯の釈放、既存の治安機関の解体、「法的権限が限定され、法に従って活動する」治安機関の新設を求めるとともに、平和的民主的変革を通じた自由、尊厳の実現を訴えた。

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『シャルク・アウワト』(4月22日付)は、インターネットでデモを呼びかける活動家マラーッズ・ウムラーン(ラーミー・ナフラ)なる活動家について紹介記事を掲載した。

同記事によると、ウムラーン(28歳)は数ヶ月前に逮捕を逃れ、ベイルートに移り、そこからフェイスブックやツイッターを通じて、偽名で反体制抗議デモを主導していたが、4月初めにシリアの当局に身元が割れた、という。

また、ウムラーンには、フェイスブック上に2,800人の友達が、ツイッター上で3,000人のフォロワーがいるの だという。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は声明を出し、22日のシリアでのデモ参加者に対するシリア政府の力の行使を非難し、「暴力の即時停止」を呼びかけるとともに、シリア政府が国民を弾圧するためイランの支援を得ようとしていると非難した。

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米国高官は『ハヤート』(4月23日付)に対して、ロバート・フォード在シリア米大使がシリア指導部に暴力行為への米国の懸念を伝え、「政府と国民の対話を通じた(危機)解決と特別且つ早急な改革の実施の必要」を強調した。

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CNN(4月22日付)は、イスラーム教伝道師のユースフ・カラダーウィー氏が、シリアのムハンマド・ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣を「バカ者」と評し、シリア、イエメン、リビアの「共和国(を支配する)家族」を批判、彼らがすべて「去るだろう」と述べた、と報じた。

AFP, April 22, 2012、CNN, April 22, 2012、al-Hayat, April 23, 2011, April 24, 2012、Kull-na Shuraka’, April 22, 2011、Reuters, April 22, 2012、SANA, April 22, 2012, April 23, 2012、al-Sharq al-Awsaṭ, April 22, 2012などをもとに作成。

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ヒムス県新知事にアブドゥルアール氏が任命、仏紙は反体制デモにイスラーム主義者が参加していると報道(2011年4月21日)

抗議行動

アレッポ県では、アフバール・シャルク(4月21日付)によると、アレッポ市バーブ・ハディード地区で約200人(クッルナー・シュラカー(4月21日付)によると300人)が集まり、「平和的に、平和的に」、「シリア国民は一つ」、「自由、自由」、「アッラー、シリア、自由のみ」といったシュプレヒコールを連呼し、バーニヤース市、ヒムス市、ダルアー市などでの弾圧に抗議した。

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ハサカ県では、アフバール・シャルク(4月21日付)によると、ハサカ市内の教育学部前で約150人が座り込みを行い、バーニヤース市、ヒムス市、ダルアー市などでの弾圧に抗議した。

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AFP(4月21日付)は、複数の専門家の話として、シリアで行われている反体制デモにイスラーム主義者が参加している、と報じた。

しかし彼らは、組織として参加しているのではなく、市民として参加しているという。

シリア政府の動き

Kull-na Shurakā’, April 21, 2011
Kull-na Shuraka’, April 21, 2011

『ハヤート』(4月22日付)は、アサド大統領がイドリブ県の代表者33人と会談し、3月半ば以降の国内での抗議デモなどに関する意見を交換したと報じた。

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アサド大統領は政令第159号を発し、ムハンマド・イヤード・ガザールの後任としてガッサーン・ムスタファー・アブドゥルアール退役少将をヒムス県知事に任命した。

アブドゥルアール県知事は、ラタキア県知事を務めた経験がある。

諸外国の動き

ダマスカスに拠点を構えるパレスチナ各派、諸政党・組織、職能諸組合が会合を開き、声明を発表、「シリアの愛国的、民族主義的役割を奪おうとする陰謀と対決する」シリア政府と国民への支持と連帯を宣言し、「シリアに対する陰謀が、パレスチナとレバノンのレジスタンスが果たす役割を標的とし、パレスチナの大義とアラブの権利を粛清しようとしている」とみなした。

また「この陰謀は、バッシャール・アサド大統領の指導のもと、我らがシリア国民の一丸となって行う抵抗によって破壊されるだろう」と明言した。

AFP, April 21, 2011、Akhbar al-Sharq, April 21, 2011、al-Hayat, April 22, 2011、Kull-na Shuraka’, April 21, 2011、Reuters, April 21, 2011、SANA, April 21, 2011などをもとに作成。

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ヒムス市、アレッポ市、ダルアー市などでデモが継続するなか、諸外国は非常事態令の解除決定に対し一定の評価(2011年4月20日)

国内の暴力

ヒムス市、アレッポ市、ダルアー市など反体制デモが続いた。

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ダルアー県では、AFP(4月20日付)によると、ダルアー市とその周辺地域出身の大学生約4,000人がウマリー・モスク前で政府によるデモ禁止に抗議してデモを行った。

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アレッポ県では、AFP(4月20日付)や反体制活動家によると、数十人がアレッポ大学でデモを行い、デモを阻止しようとする体制支持者や治安当局と衝突、37人が逮捕された。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン会長はAFP(4月20日付)に対して、反体制活動家のマフムード・イーサー氏がヒムス市で19日に逮捕されていたと発表した。

逮捕は、イーサー氏がジャズィーラ放送での対談で、アブドゥー・ハドル・タラーウィー准将とその両親およびいとこの殺害と遺体の損傷に関する即時調査を呼びかけた直後に行われた。

アサド政権の動き

Akhbar al-Sharq, April 20, 2011
Akhbar al-Sharq, April 20, 2011

当局はバーニヤース市やバイダー町での反体制運動弾圧を指揮していたとされる政治治安部のバーニヤース支局長アムジャド・アッバース少佐を支局長から解任した。

同少佐は、バイダー町の住民に暴行を加えている映像(4月12日にユーチューブにアップ)に映っていた。

またバーニヤース市の複数の目撃者は、「先週日曜日(17日)早朝に市内で発砲した複数の車が同少佐の事務所前から出発した」ことを明らかにした。

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ダマス・ポスト(4月21日付)は、アサド大統領がアレッポ県の代表者40人と会談し、3月半ば以降の国内での抗議デモなどに関する意見を交換したと報じた。

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クッルナー・シュラカー(4月22日付)は、シリア・クルド・イェキーティー党のワイス・ウスマーン・シャイヒーがアレッポ市で空軍情報部によって逮捕されたと報じた。

ハサカ県アイン・アラブ市で反体制デモに参加したことが逮捕の理由だという。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン会長はAFP(4月20日付)に対して、政治治安部のバーニヤース支局長アムジャド・アッバース少佐の解任を歓迎し、「正しい道への前向きな一歩」と評価した。

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『ミスリー・ヤウム』(4月20日付)は、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領が、西側諸国に対して、シリアでの反体制運動弾圧を国連で審議し、国際刑事裁判所に提訴するよう呼びかけたと報じた。

レバノンの動き

レバノンの治安当局は声明を出し、金曜日(22日)にトリポリ市でのデモ実施を求める二つの呼びかけを「法的条件を満たしていない」として禁じた。

呼びかけの一つは、イスラーム解放党が行ったもので、シリアでの抗議行動との連帯を求めており、もう一つは、シリア政府を支持する3月8日勢力の諸政党によるもの。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アーディル・サファル内閣による非常事態令解除の閣議決定に関して、「疑う余地なく、シリア政府の決定は安定と市民の平和を保障するための国益から発していると考える」と高く評価した。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は抗議行動を行う市民への暴力行使を非難し、シリア政府に逮捕と恣意的拘束、収監者の拷問を停止しなければならないと述べた。

米国務省報道官は、アーディル・サファル内閣による非常事態令解除の閣議決定に関して「自由への制限が軽減するとは考えていない」と却下した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣はアーディル・サファル内閣による非常事態令解除の閣議決定を「正しい方向に向けた…ステップ」と評価した。

英国外務省は「治安状況混乱を鑑み」シリアから待避するよう国民に勧告した。

AFP, April 20, 2011、Akhbar al-Sharq, April 20, 2011、Damas Post, April 21, 2011、al-Hayat, April 21, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 20, 2011, April 21, 2012, April 22, 2011、al-Misri al-Yawm, April 20, 2011、Naharnet.com, April 20, 2011、Reuters, April 20, 2011、SANA, April 20, 2011などをもとに作成。

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非常事態令解除と国家最高治安裁判所廃止に関する政令案および平和的デモ調整法案が承認される(2011年4月19日)

国内の暴力

タルトゥース県では、バーニヤース市とバイダー町の市民が、反体制デモへの強制排除による物的・人的被害に対して、大統領府が行った一世帯あたり補償金30,000シリア・ポンドの支払いの提案を拒否し、責任者の処罰、両市に対する治安部隊の包囲解除を求めた。

複数の目撃者によると、バーニヤース市では数千人が街頭に出て、抗議行動を行った。

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ヒムス県では、SANA(4月19日付)によると、ヒムス市で、ムハンマド・アブドゥー・ハッドゥール大佐とガッサーン・マフラズ曹長が非番中に殺害された。

遺体には拷問の跡があったという。

また士官1人と子供3人の遺体が発見された。

同通信社によると、彼らはヒムス市近くで18日に殺害され、「彼らの顔も傷つけられ、手足が切断され」(放置され)た、という。

さらに「武装集団がヒムス市のハミーディーヤ地区とバイヤーダ地区の警察署を襲い、戦闘によって警官6人が負傷し、武装集団2人が死亡、5人が負傷した」という。

一方、「アフバール・シャルク」(4月19日付)によると、早朝、タルビーサ市の犠牲者(18日死亡)を追悼するためにヒムス市で実施されていたデモに、治安部隊が突入、催涙弾などを使用して強制排除を試み、少なくとも4人が死亡した。

シリア人権監視団によると、ヒムス市で反体制活動家のマフムード・イーサーが逮捕された。

他方、SANA(4月21日付)は、ヒムス市のハーリド・ブン・ワリード・モスクを破壊分子が襲撃したと報じた。

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ダマスカス県、ダマスカス郊外県では、「アフバール・シャルク」(4月19日付)によると、ダマスカス大学医学部前で学生約100人が反体制デモを断行した。

またザバダーニー市、タッル市でも反体制デモが発生した。

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アレッポ県では、「アフバール・シャルク」(4月19日付)によると、アレッポ大学経済学部前で学生らが反体制デモを断行した。

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ダルアー県では、共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師がサナマイン市を訪問し、モスクで説教を行った。

ハッスーン師は説教で「怒りではなく…道徳や…尊厳に訴えて権利を要求するよう」求めた。だが、聴衆は「自由、自由」、「屈辱ではなく、死を(選ぶ)」といったシュプレヒコールを連呼し、説教を中断した。

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ラタキア県では、「アフバール・シャルク」(4月20日付)によると、ラタキア市で反体制デモが発生した。

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スワイダー県では、『ミスリー・ヤウム』(4月19日付)によると、クライヤー町のスルターン・バーシャー・アトラシュ廟の巡礼者がアサド政権を批判するシュプレヒコールをあげ、治安当局に強制排除された。

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3月15日革命殉教者委員会は2011年3月以降、国内で274人(民間人、軍人)が殺害された、と発表した。

アサド政権の動き

SANA, April 19, 2011
SANA, April 19, 2011

アーディル・サファル内閣は閣議を開き、非常事態令解除と国家最高治安裁判所(1968年設置)廃止に関する政令案と、平和的デモ調整法案を承認した。

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『ハヤート』(4月20日付)によると、アサド大統領はアレッポ市の諸団体からなる使節団と会見し、国内で発生している事件への意見を聴取した。

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シリアの内務省は声明を出し、「シリア国民に対して…、いかなる目的であれ、行進、座り込み、デモの実施を控える」よう呼びかけた。

また「祖国の治安を見出し、国民の間に恐怖を広めようとする武装集団のテロ活動を認めず、断固として、祖国のあらゆる場所で治安と安全を回復し、テロリストをどこまでも追跡し、司法に突き出し、すべての武装反乱を終わらせるために活動する」と明言した。

そのうえで国民に対して「テロ分子・容疑者について通報し、彼らを潜伏させたり、自由を求める機運を流血、公共・私有財産破壊のために利用させないよう」呼びかけた。

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共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師やムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師らシリアのイスラーム教ウラマーたちがシリアの現況に関する声明を発表し、アサド大統領が16日のサファル内閣第1回閣議で示した施政方針を危機打開の「抜本的な策」だと評価し、シリアの混乱収束、腐敗撲滅を求めた。

またカタール在住のユースフ・カラダーウィー師や同師が代表を務めるイスラーム教ウラマー世界連盟がシリアの反体制運動を支持・煽動していることを「シリアの治安と安定を標的とした計画」と結びついていると非難した。

レバノンの動き

AFP(4月19日付)によると、トリポリ市での反アサド政権のデモを呼びかけたイスラーム解放党のメンバー7人が逮捕された。

AFP, April 19, 2011、Akhbar al-Sharq, April 19, 2011、al-Hayat, April 20, 2011, April 21, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 19, 2011、al-Misri al-Yawm, April 19, 2011、Naharnet.com, April 19, 2011、Reuters, April 19, 2011、SANA, April 19, 2011, April 21, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス市で「20万人以上」が座り込みに参加、内務省は「サラフィー組織」による武装反乱を許容しない意思を改めて表明(2011年4月18日)

国内の暴力

ヒムス県では、人権活動家の一人によると、タルビーサ市で日曜日(17日)のデモ弾圧で死亡した犠牲者の葬儀に「1万人以上」が参列し、「殉教者を称え、自由と体制打倒を求める」とのシュプレヒコールを連呼した。

al-Hayat, April 19, 2011
al-Hayat, April 19, 2011

これに関して、ヒムス市の反体制活動家のナジャーティー・タイヤーラ氏はAFP(4月19日付)に対して、「20万人以上が座り込みに参加した」と述べた。これが事実だとすると、約60万人のヒムス市民の3分の1以上がデモに参加したことになる。

一方、SANA(4月18日付)は、タルビーサ市で犯罪集団が軍、治安部隊に発砲、1人が死亡、11人が負傷したと報じた。

またヒムス市では約3,000人がサーア・ジャディーダ広場で座り込みを行い、再び治安当局と衝突した。

ヒムス市の人権活動家によると、同市は「沸騰状態」で、治安部隊とシャッビーハが1ヶ月にわたり武装した部族を挑発してきたと非難、多くの国民が日曜日(17日)夜と月曜日(18日)にヒムス市内の様々な地区で街頭行動を行い、弾圧を受けたという。

活動家の一人によると、ヒムス市では「先週モスク前で逮捕されたシャイフ、ファラジュ・アブー・ムーサー氏の遺体が治安当局から引き渡された16日以降、緊張状態が生じていた。

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イドリブ県では、反体制人権活動家によると、ジスル・シュグール市で、治安部隊によって殺害された男性の葬儀後、約1,500人が反体制デモを行い、アレッポに向かう街道を封鎖、逮捕者の釈放や行方不明者の行方調査を求めた。

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Kull-na Shurakāʼ, April 18, 2011
Kull-na Shurakaʼ, April 18, 2011

ダルアー県では、反体制人権活動家によると、ダルアー市で弁護士150人を含む約500人が反体制デモを行い、アサド政権の打倒、政治犯釈放、バアス党の政治生活への覇権拒否を求めた。

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エジプトのカイロでは、シリア人数十人がカイロのアラブ連盟本部前でデモを行い、アサド政権の弾圧に抗議、アラブ連盟と国際社会に政権の虐殺を停止させるために介入するよう求めた。

アサド政権の動き

シリアのワリード・ムアッリム外務大臣は、アラブ諸国および諸外国の大使と首都ダマスカスで会談、そのなかで国内の反体制運動に関して、「平和的なデモを我々は尊重しているが、道路封鎖、破壊、放火は別問題だ。もはやこれらの行為に沈黙することはできない」と述べた。

また「改革を望む者は自らの意見を平和的な方法で表明し…、暴力や武器を用いず、破壊、国家機関への放火、道路封鎖などに訴えない」と付け加えるとともに、「改革は国民が必要としており、停滞することなく、治安と安定が求められる継続的なプロセスである」と述べた。

さらにタルビーサ市での17日の事件に関して、「非常に深刻な事態である。国際幹線道路が数時間にわたって閉鎖され、武装集団によって警察が攻撃を受けた。これらの集団の攻撃を前に、犠牲者が発生し、軍の介入を要請せざるを得ないような事態にデモ参加者が曝されないよう、警察は厳格な指示を受けていた」と述べた。

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シリアの内務省はヒムス県ヒムス市やタルトゥース県バーニヤース市などでの騒乱に関して、「サラフィー国家」建設をめざす「サラフィー組織」による「武装反乱」と断じ、これらの集団を「認可することはない」としたうえで、国中で「治安と安全を回復するため断固として」行動するとの意思を示した。

反体制勢力の動き

在外のシリア人有識者54人が共同声明を出し、アサド政権の反体制デモに対する暴力的弾圧を非難した。

共同声明に署名しているのはブルハーン・ガルユーンら。

レバノンの動き

レバノン大統領府広報局によると、ミシェル・スライマーン大統領がアサド大統領と電話会談を行い、シリア情勢に関して「シリアの安定、治安、発展、繁栄を支持する」とのレバノンの立場を表明した。

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レバノンの進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、党機関誌『アンバー』で、シリア情勢に関して、一部のレバノンの陣営がシリアでの不安定化を望んでいると非難し、アサド政権の改革を支持すると述べた。

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ヒズブッラーのナウワーフ・ムーサウィー議員は記者会見で、「レジスタンスに対する陰謀や…圧力を拒否してきたシリアの指導者…を改めて支持する」と述べた。

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アマル運動のアリー・ハサン・ハリール氏は、「バッシャール・アサドのシリア、ハーフィズ・アサドのシリアを支持しなければ、レバノンはレジスタンスの国とはならなかっただろう」と述べた。

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アサド政権を支持するレバノンの政党・政治組織とパレスチナ諸派の代表がベイルートのメリディアン・コモドール・ホテルで大会を開き、シリアでの内乱や破壊行為を煽動するメディアや報道への懸念を表明し、ミシェル・スライマーン大統領への対処を求める電報を打った。

大会にはアリー・アブドゥルカリーム駐レバノン・シリア大使も出席した。

諸外国の動き

トルコで収監中のアブドゥッラ・オジャランPKK党首は、シリア情勢に関して初めて声明を出し、シリア国内で反体制活動を行っているPKK系のクルド民族主義政党、民主統一党との会談を行うようアサド大統領に呼びかけ、これに応じない場合、民主統一党はアラブ人反体制勢力に合流し、クルド人地域全体における自治拡大を実現するだろう、と述べた。

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米国務省報道官は、米国がシリア政府崩壊をめざしないとしつつ、シリアでの民主化プロセス強化を試みると述べた。

同報道官は「(シリア大統領は)国民の合法的な要求に応えねばならない」と述べ、改革の規模や範囲を決定はシリア国民によるとの見方を示した。

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フランス外務省報道官は、アサド大統領が16日に閣議で示した施政方針に従って、改革を実際に実施し、抑圧を停止することを期待するとの意思を示した。

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『ワシントン・ポスト』(4月18日付)は、米国がシリアの反体制組織に秘密裏に資金援助を行い、そのなかにはアサド政権を批判する番組を放映しているテレビ局バラダー・チャンネルが含まれていたとする文書をウィキリークスが公開したと報じた。

バラダー・チャンネルはロンドンに本社があり、イスラーム組織の公正建設運動に近いテレビ局で、これらの機関・組織に、2006年以来反体制勢力に資金援助600万米ドルを供与していたという。

AFP, April 18, 2011、al-Hayat, April 19, 2011, April 20, 2012、Kull-na Shurakaʼ, April 18, 2011、Naharnet.com, April 18, 2011, June 19, 2012、Reuters, April 18, 2011、SANA, April 18, 2011、The Washington Post, April 18, 2011などをもとに作成。

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独立記念日にアレッポ市、スワイダー市、ダルアー市、バーニヤース市、ドゥーマー市などで反体制デモが発生(2011年4月17日)

国内の暴力

ロイター通信(4月17日付)などによると、シリア独立記念日にあたる4月17日、アレッポ市、スワイダー市、ダルアー市、バーニヤース市、ドゥーマー市などで反体制デモが発生し、数千人が参加した。

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ヒムス県では、ロイター通信(4月17日付)が複数の目撃者の証言として伝えたところによると、タルビーサ市での犠牲者の葬儀後に発生したデモに対して、シリア軍が発砲し3人のデモ参加者を殺害した。

その後、同市で死亡した犠牲者の数については、7人から11人が死亡、数十人が負傷した、といった情報が錯綜した。

SANA, April 17, 2011
SANA, April 17, 2011

SANA(4月16日付)によると、16日にヒムス市で殉職した警察の葬儀に数千人が参列した。

またSANA(4月18日付)によると、ヒムス市では士官3人とその家族数名が「武装犯罪集団の発砲」により殺害された。

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ダルアー県では、ロイター通信(4月17日付)によると、フラーク市で、当局の拷問で死亡したとされるムハンマド・アリー・ラドワーン・クーマーン兵卒(20歳)の葬儀に多数の市民が参列、その後反体制デモを断行し、「シリア、自由、自由、バッシャールは出ていけ」とのシュプレヒコールを連呼したほか、アサド政権の弾圧を厳しく非難した。

クーマーン兵卒の遺族は、同兵卒がダマスカス近くの軍部隊内で偶然感電死したと告知されたが、同兵卒の脚に殴られた跡があり、地元の医師も、拷問を受けた痕跡があると述べたという。

また複数の目撃者によると、ダルアー市でも数千人が正午の礼拝のちに市内中心に位置する広場に集まり、体制打倒を求めるシュプレヒコールを連呼した。

人権活動家の一人がAFP(4月17日付)の電話取材に対して答えたところによると、デモには4,000人が参加し、そのなかの1,000人は女性だった。

デモは午後1時にウマリー・モスク前で始まり、市の中心にあるサラーヤー広場に向かった。

また「広場では演説会が行われ、元逮捕者、宗教関係者、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)からの支持者が参加、ダルアー救済が訴えられた」としたうえで、「要求の限度は増し、もはや(細かな)要求事項はなくなり、反体制のシュプレヒコールが叫ばれた。市内には治安部隊や軍はいなかった」という。

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al-Hayat, April 18, 2011
al-Hayat, April 18, 2011

アレッポ県では、人権活動家らによると、アレッポ市内にある独立運動指導者のイブラーヒーム・ハナーヌー廟で反体制デモが行われ、百人が参加、「国民は自由を求める」と連呼した。

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スワイダー県では、シリア情報表現の自由センター所長でダマスカス在住のマーズィン・ダルウィーシュ氏がAFP(4月17日付)の電話取材に答えたところによると、スワイダー市とクライヤー町で発生した反体制デモに対して、治安当局が介入し、5人のデモ参加者が負傷した。

スワイダー市シャアラ広場で行われたデモには約300人が参加、シリアでの自由を求めるシュプレヒコールを叫んだが、「50人ほどのシャッビーハがスワイダー市に入り、大統領の写真を掲げながら、治安当局の見ている前でデモ参加者を棒で殴打した。一方治安当局は傍観し、デモ参加者を守ろうとはしなかった」という。

スルターン・アトラシュの生地クライヤー町でのデモでも、シャッビーハに襲撃され、ハーニー・ハサン・アトラシュ氏(スルターン・アトラシュの孫)ら3人が負傷した。

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Facebook
Facebook

タルトゥース県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、バーニヤース市でデモが行われ、女性を含む2,500人以上が参加した。

同所長によると、デモ参加者は宗派主義拒否を訴えるとともに、バーニヤース市での弾圧に対する裁判を要求した。

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SANA(4月17日付)は、シリア・イラク国境に位置するヒムス県タンフ国境通行所を経由して密輸を試みていた、イラク人が運転する自動車から、当局が大量の武器・弾薬を押収したと報じた。

押収された武器には、様々な種類の高性能機関銃、手榴弾、ライフル、短銃、暗視ゴーグル、迫撃砲、様々な種類の大量の弾薬、機関銃用断層が含まれていた、という。

アサド政権の動き

『ナハール』(4月17日付)は、シリア軍がレバノン国境付近に展開し、レバノン側からの反体制デモ支援を阻止しようとしている、と報じた。

これに伴い、シリア税関当局が国境の検問も強化し、トラックの往来を規制している、という。

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シャファーフ・シャルク・アウサト(4月17日付)は、信頼できる複数の消息筋の話として、マーヒル・アサド大佐が自身に近いビジネスマンの一人にポンプアクション式ショットガン10,000丁を調達し、シャッビーハに配給するよう依頼していたと報じた。

また、同サイトによると、レバノンのムスタクバル潮流のムハンマド・ジャッラーフ議員とシリア・ムスリム同胞団の指示・支援によりシリアで破壊工作を行ったとシリア・アラブ・テレビで証言したシリア人テロリスト3人もポンプアクション式ショットガンで武装していたと指摘し、実はシャッビーハであると断じた。

反体制勢力の動き

リヤード・サイフ氏はフェイスブック(4月17日付)で、アサド大統領がアーディル・サファル内閣第1回閣議で示した方針を「形式的」、「時間稼ぎ」と批判した。

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ハイサム・マーリフ弁護士は、アサド大統領がアーディル・サファル内閣第1回閣議で示した方針を「不充分であり、腐敗した司法の改革を伴わねばならない」と述べた。

また非常事態令の解除、憲法第8条の改正、すべての政治犯・言論犯の釈放を改めて要求した。

AFP, April 17, 2011、Akhbar al-Sharq, April 17, 2011、al-Hayat, April 18, 201 April 19, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 17, 2011、Reuters, April 17, 2011、SANA, April 17, 2011, April 18, 2011などをもとに作成。

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ダルアー市で激しいデモが続くなか、アサド大統領が閣議を主催し改革実施のための日程を明示する(2011年4月16日)

アサド政権の動き

バッシャール・アサド大統領は、アーディル・サファル新内閣の任命式の後、第1回閣議を主催し、政治・経済改革や内閣の執務に関する施政方針を示し、改革実施のための日程を明示し、国民に対する透明性を確保する必要があると述べた。

SANA, April 16, 2011
SANA, April 16, 2011

非常事態令解除に関わる特別司法委員会による一連の法案に関して、アサド大統領は「これらの法律の実施期限は来週中である。我々が今週に実施できれば、よいことである。そうでなければ、最低でも来週までに実施されねばならない」と述べた。

そのうえで「非常事態令解除が治安の麻痺をもたらすと考える一部の人が見ているのとは対象的に、私はそれがシリアの治安強化につながると考えている。治安は国民の尊厳維持と両立する」と付け加えた。

さらに平和的デモに関する新法についても言及し、「デモ参加者を保護することは、破壊や治安混乱の試みから人々(の生命)、私有財産、公的財産を保護することと並んで、警察の任務である」と述べ、「この法律によって、我々は改革と破壊を峻別することになろう」との見解を示した。

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SANA, April 16, 2011
SANA, April 16, 2011

一方、制定に向けた準備が進められている政党法に関して、「とくにセンスィティブである。なぜならそれ(政党法)はシリアの将来に根本から影響を及ぼすからである。それはさらなる国民統合につながるかもしれないし、社会の解体をもたらすかもしれない…。それゆえ、この問題はシリアの将来に関わっており、内閣のレベルにとどまるものではなく、組織や政党のレベルにとどまる問題でもない。それはシリアでの国民対話のために提起されるものであり、それによって我々はシリア社会にふさわしい最善のモデルを見出すことになる」と述べた。

そして、改革に関連する一連の法が「シリアにおける自由の増加とともに参加拡大」をもたらすだろうと指摘したうえで、「この改革に成功すれば、我々は祖国を護ることができ、国際社会、地域社会における強風に立つ向かうことができるようになる」と述べた。

一方、反体制デモで命を落とした警官、軍人、市民全員に対しては、「殉教者」とみなし哀悼の意を示すとともに、「国内に存在する免疫力は、我々が実施するであろう改革と国民のニーズ(に応えること)と結びついている」と述べ、改革への意思を示した。

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SANA(4月16日付)は、ダマスカスのジャズィーラ・チャンネル事務所前で数百人のシリア人が座り込みを行い、「事実をねつ造し、シリア人の間に対立を助長しようとしたことに謝罪する」よう求めた、と報じた。

国内の暴力

ダルアー県では、ロイター通信(4月16日付)によると、ダルアー市で数千人が街頭で抗議行動を行い、「国民は体制打倒を望む」と連呼した。

al-Hayat, April 17, 2011
al-Hayat, April 17, 2011

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タルトゥース県では、複数の目撃者や人権活動家によると、数千人がバーニヤース市でウサーマ・シーハ氏(40歳、10日早朝、市内のアブー・バクル・スィッディーク・モスクに対する武装集団の発砲で負傷し、死亡)の葬儀に参列し、自由、体制打倒を求めるシュプレヒコールを連呼した。

葬儀の直後、1,000人以上の女性が民主主義を求めて行進を行った。

女性人権擁護活動家の一人によると、彼女らは、自由を要求するとともに、多数派を占めるスンナ派とアラウィー派住民の間の宗派主義的緊張が高まる市内で抗議行動に宗派主義的な色を与えることを拒否した。

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ヒムス県では、SANA(4月16日付)によると、警官1人がヒムス市でデモ参加者の攻撃を受け、死亡した。

また同市のキリスト教会の指導者たちが復活祭の祝祭に関して「シリアの現状を鑑みて、今年は教会内での礼拝、宗教儀礼に限定し、殉教者と犠牲者の魂に哀悼の意を捧げ、既存の国民統合強化を求める」と発表した。

反体制勢力の動き

タルトゥース県バイダー町住民ら活動家はフェイスブックで、市民に対する侮辱、殴打、拷問など、治安機関、シャッビーハの法律違反への処罰を求めるよう訴えた。

Facebook
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シリア人権擁護連盟は声明を出し、治安当局による市民・活動家の逮捕が継続されている現状に「激しい懸念」を表明、アサド大統領の恩赦の決定に従って早急に逮捕者を釈放するよう求めた。

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ヒムス・ウラマー協会のタルハ・ハウジャ会長および同協会メンバーが共同声明を出し、アサド政権に16項目からなる改革の実施を要求した。

16項目のなかには、非常事態令解除、治安機関による弾圧停止、すべての逮捕者の釈放、平和的デモの是認、汚職撲滅、憲法第8条の修正、自由で公正な人民議会選挙の実施などからなる。

AFP, April 16, 2011、Akhbar al-Sharq, April 16, 2011、al-Hayat, April 17, 2011、Kull-na Shurkaʼ, April 16, 2011、Reuters, April 16, 2011、SANA, April 16, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

反体制デモが3月以降初めてダマスカス県にも波及(2011年4月15日)

国内の暴力

各地で金曜礼拝後に反体制デモが発生し、3月以降初めてダマスカス県にもデモが波及、「国民は体制打倒を望む」といったシュプレヒコールが連呼された。

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al-Hayat, April 16, 2011
al-Hayat, April 16, 2011

ダマスカス県では、AFP(4月15日付)が人権活動家の話として報じたところによると、「治安部隊はドゥーマー市、アルバイン市、ハラスター市からダマスカス県入り口のジャウバル区に入ろうとしていたデモ参加者約2,000人に対して…放水車や催涙弾を用いて…強制排除した」。

目撃者の一人によると、「治安要員を載せたムハーバラートの車両は15台にのぼった。これらの車両は(ダマスカス県)北部の路地に広場から直接入り、抗議行動をする人々を追跡した」という。

またハラスター市からデモ参加者に同行した別の目撃者によると、数千人が「国民は体制打倒を望む」とシュプレヒコールをあげ、街道に貼ってあるアサド大統領が映ったポスターを次々と破っていった」。

一方、シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長はAFP(4月15日付)に対して「礼拝が終わる頃に数十人が(ダマスカス県)バルザ区にあるモスクの前で集会を行った」と述べ、「デモ参加者が警察に投石し、両者が衝突した」と指摘した。

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ダマスカス郊外県では、複数の活動家がユーチューブにアップした映像などによると、ダーライヤー市で数百人がデモに参加し、反体制スローガンを叫んだ。

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ダルアー県では、AFP(4月15日付)が人権活動家の話として伝えたところによると、ダルアー市で「2,500人から3,000人が市内中心のサラーヤー広場でデモを行い、反体制スローガンを連呼した」。

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ハサカ県では、人権活動家のハサン・バッルー氏がAFP(4月15日付)に明らかにしたところによると、「5,000人以上がカーミシュリー市でのデモに参加するため街頭に出て、『クルド人でもない、アラブ人でもない、我々は挙国一致を望む』と書かれたプラカードなどを掲げた」。

またラアス・アイン市では「約300人がデモを行い、アサド・モスクからダルバースィーヤ市に向かって行進した」。

バッルー氏によると、治安部隊がデモ排除のために介入することはなかった。

さらに『クッルナー・シュラカー』(4月15日付)も、クルド革命青年、クルド民主青年革命連立のフェイスブックでの呼びかけに応じるかたちで、ハサカ県カーミシュリー市、ラアス・アイン市、アームーダー市、ダルバースィーヤ市で反体制デモが発生し、クルド人青年らが参加したと報じた。

デモでは「自由」が求められる一方、ダルアー市との連帯、クルド人とアラブ人の連帯などが叫ばれた。

同報道によると、カーミシュリー市では約5,000人が参加した、という。

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ヒムス県では、人権活動家のナジャーティー・タイヤーラ氏がAFP(4月15日付)に明らかにしたところによると、ヒムス市で「約4000人が礼拝後にデモに参加し」、「治安部隊はデモが始まってから約1時間後に介入し、放水車でデモ参加者を排除した」。

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Kull-na Shurakāʼ, April 16, 2011
Kull-na Shurakaʼ, April 16, 2011

タルトゥース県では、人権活動家の一人によると、バーニヤース市で「約1,500人がアブー・バクル・モスク前に集まった」。

また「アフバール・シャルク」(4月15日付)によると、同市では、治安維持のために市内に入った軍を市民が歓迎した。

SANA(4月15日付)によると、バーニヤース市で武装集団が兵士1人を殺害、1人を負傷させた。

これに関して、反体制活動家は、軍兵士への襲撃がシャッビーハによって行われたと断じ、政権が武装集団への恐怖を煽り、軍の駐留を認めさせようとしていると非難した。

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ラタキア県では、人権活動家の一人によると、ラタキア市で「約1,000人が市内中心のオガレット広場に集まり、自由を求めた」。

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イドリブ県では、人権活動家の一人によると、ジスル・シュグール市で「約500人がデモを行い…、治安当局は複数名を逮捕したが、家族の釈放要求に応じてまもなく釈放した」。

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スワイダー県では、「アフバール・シャルク」(4月15日付)によると、スワイダー市でアサド政権の打倒を求める反体制デモが発生し、約150人が参加した。

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このほか、ユーチューブではアレッポ市、ダイル・ザウル市、ハマー市、ダマスカス郊外県の複数の村でのデモの画像がアップされた。

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Facebook
Facebook

フェイスブックなどでは、「貫徹の金曜日」と銘打って反体制デモが呼びかけられていた。

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これに対して、SANA(4月15日付)は、「金曜日の礼拝後、国民が各県内にある複数の地区の街頭に散発的に出て、「シリア、自由、殉教者」といったシュプレヒコールを繰り返したが、治安部隊は介入しなかった」と報じた。

また「ダルバースィーヤ市、カーミシュリー市、ダイル・ザウル市、バーニヤース市、ジャブラ市、ハッファ市、ハマー市、ダマスカス郊外県の一部の地区」などがある複数の県でも「集会」が行われた、としたうえで、これらの集会が「限定的で、そのほとんどが治安部隊との衝突に発展しなかった」と指摘した。

アサド政権の動き

シリア外務省は、イランがシリアのデモ弾圧を支援しているとの『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月14日付)の報道を否定した。

反体制運動の動き

「3月15日革命殉教者委員会」(http://syrianmartyr.com/ar)が軍人、民間人の犠牲者232人の氏名をホームページで公開した。

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シリア人権監視団によると、治安当局は、3月23日にダマスカスで逮捕されていたブロガーのアフマド・フダイファ氏を釈放した。

また3月19日にバーニヤース市でデモを指導していた詩人のムハンマド・マフムード・ディーブー氏も合わせて釈放された。

Kull-na Shurakāʼ, April 16, 2011
Kull-na Shurakaʼ, April 16, 2011

レバノンの動き

シリア・ムスリム同胞団とレバノンのジャマール・ジャッラーフ国民議会議員(ムスタクバル潮流)と関係があるとの「テロ細胞」メンバー3人のシリア・アラブ・テレビ(4月12日付)での証言に関して、フアード・スィニューラ元首相(ムスタクバル潮流)は自身の広報事務所を通じて、「シリアでの出来事にムスタクバル潮流を巻き込もうとするキャンペーン」と反論した。

またジャッラーフ議員がナビーフ・ビッリー国民議会議長に「自身の権利と安全を保護するための必要な措置を講じる」よう公式に約束するよう求めたことを明らかにした。

そのうえで「ムスタクバル潮流のいかなる議員、機関も、親愛なる姉妹国であるシリアで起きていることに関与していない」と繰り返した。

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ミシェル・スライマーン大統領はレバノン・シリア最高会議のナスリー・フーリー書記長と会談し、「両国の同胞関係強化をめざすべく、姉妹国シリアでの事態の推移に伴って両国間で生じている問題と、両国の安全・治安に抵触する問題をめぐって、司法協力を行うために両国の関係機関の調整を指示した」と発表した。

大統領広報事務所が発表した。

諸外国の動き

ヒラリー・クリントン米国務長官は滞在中のベルリンで記者団に対し、「我々はシリア当局に改めて、国民に対するいかなる暴力の行使も行わないよう呼びかける」と述べた。

また「シリア政府は、国民の正当な要求に応じていない。シリア政府は国民抑圧から手を引き、彼らの要求を実現する時が来た」と付け加えた。

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トルコのアブドゥッラー・ギュル首相はアラブ人記者団に対して「危機脱出の手段としては改革以外ない」と述べ、「シリアで起きていることにみなが沈黙するなか、トルコはダマスカスと対話し、改革実施と暴力停止の必要を議論してきた唯一の国だった」と付け加えた。

そのうえで「トルコの政策は、アラブ世界で進行中の民主的変化を支えることを基礎としているが、その変化は平和的手段によらねばならない」とした。

また「我々はこれ以上の殺戮、破壊を望んでいない。なぜなら、分断や内戦の危険が地域の国々を脅かしているからである。我々はこれ以上戦争が起きることを望んでいない。イスラエルとイランの戦争を起こそうとする試みが失敗するなか、宗派主義戦争、スンナ派とシーア派の戦争、アラブとイランの戦争などを起こそうとするような者がいるなかで…」と付言した。

AFP, April 15, 2011、Akhbar al-Sharq, April 15, 2011、al-Hayat, April 16, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 15, 2011, April 16, 2011、Reuters, April 15, 2011、SANA, April 15, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

サファル新内閣が発足するも、ダルアー市では政権打倒を求める数千人規模のデモが行われる(2011年4月14日)

国内の暴力

SANA(4月14日付)は、シリア高官筋の話として、バーニヤース市で狙撃集団がパトロール中の軍兵士に発砲し、兵士1人が死亡、1人が負傷したと報じた。

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al-Hayat, April 15, 2011
al-Hayat, April 15, 2011

タルトゥース県では、ロンドンで活動するシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン会長によると、バーニヤース市民使節団とシリア政府高官使節団が、治安維持のために軍が市内にただちに展開することなどに合意した。

合意は、バーニヤース市での事件に関する恩赦、すべての逮捕者の釈放、市内に治安機関が入らないこと、いかなる家に対しても捜索を行わず、いかなる個人も逮捕しないことなどを骨子とし、「バーニヤース市の限られた地点、クスール地区、カウズ地区に軍が入り、検問所を撤廃する」と定め、住民に「市民保護を行う存在として軍を心から受け入れる」よう呼びかけており、13日に成立し、市内のモスクからその内容が市民に告知された。

なおアブドゥッラフマーン会長によると、「市民は軍が入ることを歓迎」しており、「女性たちが座り込みで叫んだシュプレヒコールのなかには「アッラー、シリア、軍、人民」というシュプレヒコールもあった」という。

他方、英『ガーディアン』(4月14日付)は、複数の目撃者の証言として、バーニヤース市でデモ弾圧を拒否する治安部隊の兵士複数が上官らによって射殺された、と報じた。

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ダルアー県では、複数の目撃者などによると、ダルアー市に隣接する村々出身の約100人がヨルダン国境に通じる道を閉鎖し、タイヤを燃やした。

また『アフバール・シャクル』(4月14日付)によると、ダルアー市のウマリー・モスク前のカラーマ広場に数千人が集まり、アサド政権と会談した使節団が市民を代表していないと非難、政権打倒を訴えた。

Kull-na Shurakāʼ, April 14, 2011
Kull-na Shurakaʼ, April 14, 2011

同目撃者によると、デモ参加者が集まったのは、国境から約30キロの地点だ、という。

アサド政権の動き

4月14日政令第146号に従い、アーディル・サファル内閣が発足、17閣僚を留任させ、14人を新閣僚に任命した。また副首相職は廃した。

新内閣閣僚は以下の通り。http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/aljabal/biladalsham/syria/ministers/2011_04.htm

SANA, April 14, 2011
SANA, April 14, 2011

アーディル・サファル首相(アラブ社会主義バアス党)

ファイサル・アッバース運輸大臣(アラブ社会主義バアス党)
ワリード・ムアッリム外務大臣兼在外居住者大臣(アラブ社会主義バアス党)
ジョルジュ・マラキー・スーミー灌漑大臣(シリア共産党ファイサル派)
ラーミヤー・アースィー観光大臣(アラブ社会主義バアス党)
サーリフ・ラーシド教育大臣(アラブ社会主義バアス党)
ムハンマド・ニダール・シャッアール経済通商大臣(アラブ社会主義バアス党)
アドナーン・サラーフー工業大臣(アラブ社会主義バアス党)
アブドゥッラッザーク・シャイフ・イーサー高等教育大臣(アラブ社会主義バアス党)
アリー・ハビーブ国防大臣(アラブ社会主義バアス党)
ムハンマド・ジュライラーティー財務大臣(アラブ社会主義バアス党)
ラドワーン・ハビーブ社会問題労働大臣(アラブ社会主義バアス党)
ムハンマド・ムハンマド・アブドゥッサッタール・サイイド宗教関係大臣(無所属)
ハーラ・ムハンマド・ナースィル住宅建設大臣(アラブ社会主義バアス党)
アドナーン・ハサン・マフムード情報大臣(アラブ社会主義バアス党)
スフィヤーン・アッラーウ石油鉱物資源大臣(アラブ社会主義バアス党)

ウマル・イブラーヒーム・ガラーワンジー地方自治大臣(アラブ社会主義バアス党)
カウカブ・スバーフ・ムハンマド・ジャミール・ダーヤ環境担当大臣(アラブ社会主義バアス党)
アブドゥルガニー・サーブーニー通信技術大臣(アラブ社会主義バアス党)
イマード・ムハンマド・ディーブ・ハミース電力大臣(アラブ社会主義バアス党)
ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内務大臣(アラブ社会主義バアス党)
リヤード・ファリード・ヒジャーブ農業・農業改革大臣(アラブ社会主義バアス党)
ムハンマド・リヤード・フサイン・イスマト文化大臣(無所属)
ワーイル・ナーディル・ハッキー保健大臣(アラブ社会主義バアス党)
タイスィール・カラー・アウワード法務大臣(アラブ社会主義バアス党)
マンスール・ファドルッラー・アッザーム大統領担当国務大臣(アラブ社会主義バアス党)
ユースフ・スライマーン・アフマド国務大臣(シリア共産党バクダーシュ派)
ハッサーン・サーリー国務大臣(社会統一主義者党)
ギヤース・ジュルアトリー国務大臣(統一社会民主主義党)
ジョセフ・スワイド国務大臣(シリア民族社会党マハーイリー派)
フサイン・ファルザート国務大臣(アラブ社会主義者運動アフマド派)

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SANA, April 14, 2011
SANA, April 14, 2011

『ハヤート』(4月15日付)はシリア高官筋の話として、アサド大統領が「祖国と国民に対して犯罪行為を行わなかった者など、最近の事件でのすべての逮捕者の釈放」を指示したと報じた。

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『ワタン』(4月13日付)によると、バッシャール・アサド大統領は、ドゥーマー市(ダマスカス郊外県)市民使節団と2時間にわたって二度目となる会見を行った。

同使節団は市民の要求を聴取するための国民諸委員会の16人から構成されていた。

同紙によると、ドゥーマー市民の要求は「非常事態令解除、法律第49号におけるシリア・ムスリム同胞団メンバーへの極刑に関する文言の修正」などからなっており、「要求に関して合意が得られたうえで、政党法、平和的デモを求める法を承認する必要があることを強調していた」。

また『ハヤート』(4月15日付)によると、アサド大統領は、各地の住民代表との懇談の一貫として、ダルアー市民使節団50人と会談した。

使節団のなかにはウマリー・モスクのイマームも参加した。

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『シャルク・アウサト』(4月15日付)は、ムスタファー・トゥラース元国防大臣がヒムス県住民使節団と会談し、反体制デモ弾圧をめぐる一連の騒動に関して意見を交わしたと報じた。

使節団はヒムス市の人民議会議員、キリスト教、イスラーム教の代表、商業会議所、工業会議所の代表のほか、タルビーサ市、ラスタン市の代表からなっており、治安当局による過剰な弾圧の停止、非常事態令解除などを要求した、という。

トゥラース元国防大臣はハーフィズ・アサド前政権において約30年にわたり国防大臣、軍・武装部隊副司令官を務めてきた。

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アリー・アブドゥルカリーム・アリー在レバノン・シリア大使は、ムスタクバル潮流の反体制デモ支援疑惑をめぐって、レバノン司法当局に法的行動をとるよう求めた。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団は声明を出し、シリア治安当局が13日晩から14日早朝にかけて、数百人の逮捕者を釈放したと発表した。

しかし同声明によると、逮捕者のなかには「激しい拷問」を受けた者がいるとし、「拷問の状況に関する生きた証言を聴取するための独立人権委員会の設置と、拷問を行った者、拷問を命令した者を法廷に突き出すこと」を要求した。

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シリア・ムスリム同胞団が声明を出し、反体制デモ煽動に同胞団が関与しているとのシリア・アラブ・テレビの報道(4月12日付)を否定した。

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シリア人権機構(SWASIAH)会長のムンタハー・アトラシュ女史はロイター通信(4月14日付)に対して、シリア政府が破壊活動を行っていると非難する「武装集団」は自由と民主主義へ向けた市民の要求をもみ消すための「作り話」だと非難した。

レバノンの動き

SANA(4月15日付)は、レバノン治安当局筋の話として、14日にシリア国内に武器を持ち込もうとした2人がレバノン領内ベカーア県東部の国境地帯で逮捕された、と報じた。

アシュラフ・リーフィー内務治安軍総局長は、レバノンからシリアに武器を密輸しようとしていた車2台をベカーア県東部で取り押さえたとの報道を否定した。

諸外国の動き

マーク・トナー米国務省副報道官は『ウォール・ストリート・ジャーナル』(4月14日付)に対して「イランがシリアにデモ弾圧の支援を行っているとの信頼できる情報がある」と述べた。

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ドイツ外務省は声明を出し、英仏独伊・スペインの在シリア大使がワリード・ムアッリム外務大臣に対して、国内でのデモ弾圧への懸念を伝えたと発表した。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明を出し、アサド政権の逮捕者に対する拷問を非難した。

AFP, April 14, 2011、Akhbar al-Sharq, April 14, 2011, April 15, 2011、The Guardian, April 14, 2011、al-Hayat, April 15, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 14, 2011、Naharnet.com, April 14, 2011, April 15, 2011、Reuters, April 14, 2011、SANA, April 14, 2011, April
15, 2011、al-Sharq al-Awsaṭ, April 15, 2011、al-Waṭan, April 14, 2011、The Wall Street Journal, April 14, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

バーニヤース市において軍・治安部隊と「武装集団」の間で衝突が発生、アレッポ市では初の反体制デモ(2011年4月13日)

国内の暴力

SANA(4月13日付)などシリア公式筋は、12日にタルトゥース県バーニヤース市で発生した軍・治安部隊と「武装集団」の衝突で多数が死傷したと報じた。

Akhbar al-Sharq, April 13, 2011
Akhbar al-Sharq, April 13, 2011

同報道によると、死者のなかには治安部隊兵士、民間人のほかに「犯罪集団」メンバー3人が含まれており、負傷者16人のうち8人が「犯罪集団」メンバー、6人が治安要員だった。

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複数の人権活動家によると、約5,000人の女性がバーニヤース市・タルトゥース市間の街道で座り込みを行い、12日にバイダー町で逮捕された住民の釈放を要求した。

これらの活動家によると、治安部隊が12日に同村に突入し、家々を捜索し、約350人の男性を逮捕した。

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複数の消息筋によると、アレッポ県アレッポ市で初めて反体制デモが発生した。

シリア・クルド人権委員会のラディーフ・ムスタファー会長は、「学生のデモがアレッポ大学文学部で発生し、約500人の学生がダルアー、バーニヤースとの連帯と、自由を求めた」と述べた。

しかし「治安部隊がデモ参加者を排除…、学生ともみ合いになり、4人を逮捕した」と付言した。

一方、SANA(4月13日付)は、アレッポ大学遺跡学部で学生約20人が学務に関する学長との懇談会で反体制的なシュプレヒコールを連呼、他の大部分の学生は国民統合と陰謀拒否を訴えて対峙した、と報じた。

al-Hayat, April 14, 2011
al-Hayat, April 14, 2011

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ダマスカス大学法学部前でも学生約100人が反体制デモを行った。

これに関して、SANA(4月13日付)は、ダマスカス大学シャリーア学部で学生約30人が「自由」を求めてデモを行ったと報じた。

アサド政権の動き

SANA(4月13日付)などシリア公式筋は、「シリア当局が負傷者の病院への搬送と救急治療を禁じた」との一部メディアの報道を否定し「根拠がない」としたうえで、そのようなことを行っているのが「武装集団」だと非難した。

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「アフバール・シャルク」(4月13日付)は、4月10日にドゥーマー市やダルアー市で逮捕された15歳以下の子供が当局の拷問に遭っている、と報じた。

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「アフバール・シャルク」(4月13日付)は、シリア当局がドゥーマー市で最近逮捕した市民の約190人を10日に釈放、またアサド大統領が弾圧の犠牲者の遺族と面談した、と報じた。

反体制勢力の動き

Youtube
Youtube

CDF、ラースィド、DAD、シリア・アラブ人権機構、シリア人権国民機構、Maf、シリア人権擁護連盟、シリア政治犯擁護センターの人権団体8団体が共同声明を出し、アサド政権によるデモ弾圧を批判した。

レバノンの動き

ムスタクバル潮流のジャマール・ジャッラーフ国民議会議員および同潮流はシリア・アラブ・テレビでの「テロ細胞」メンバー3人の自供を事実無根と否定した。

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『サフィール』(4月14日付)は、レバノンのベカーア県の軍事情報局がヒムス県に密輸されようとしていたライフル銃10丁を押収し、密輸業者1人を逮捕したと発表したと報じた。

同報道によると、シリアのヒムス県側でも密輸業者2人が逮捕されたという。

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これに関連して、『アフバール』(4月14日付)は、レバノン治安当局がリフアト・アサド前副大統領に近い士官らシリア人複数を逮捕した、と報じた。

同報道によると、逮捕されたシリア人はレバノン領内でアサド政権打倒運動を行っていた、という。

諸外国の動き

『ハヤート』(4月14日付)は、米国高官の話として、バラク・オバマ政権がシリアの危機の「政治的解決」を望んでおり、ロバート・フォード米大使がシリアの高官に、その旨伝えるとともに、「すべての当事者による暴力行為」に対する非難の意思を連日伝えていると報じた。

AFP, April 13, 2011、al-Akhbar, April 14, 2011、Akhbar al-Sharq, April 13, 2011, April 14, 2011、al-Hayat, April 14, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 14, 2011、Reuters, April 13, 2011、SANA, April 13, 2011、al-Safir, April 14, 2011などをもとに作成。

 

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タルトゥース県の混乱が継続する一方、「テロ細胞」メンバー3人が外部当事者による指示のもとで「破壊工作」を試みていたことを自供(2011年4月12日)

国内の暴力

複数の目撃者によると、タルトゥース県バーニヤース市東南に位置するバイダー町で、治安部隊と武装集団が「無差別発砲」を行った。

『ハヤート』(4月13日付)によると、バイダー町の目撃者の一人は、「村は治安部隊と犯罪組織(シャッビーハ)による無差別銃撃を受けた」と述べた。

また別の目撃者によると、「バイダー町に対する銃撃は雨のように降り注ぎ、現在までに少なくとも1人が負傷した」と述べた。

活動家の一人によると、バイダー町民のなかには武器を持っている者がおり、武力衝突が発生したようだ、と述べた。

また「救急車両がバイダー町に入ろうとしている。負傷者がいる」と語った。

別の活動家によると、村の携帯電話回線は遮断され、装甲車両がバイダー町に入り、兵士が「無差別に」発砲、家から出てきた若者たちを逮捕していった。

人権活動家の一人は、「攻撃は当局がおそらくバイダー町出身のアナス・シャフリー氏を支持者とともに逮捕しようとしたためだ」との見方を示した。

シャフリー氏はバーニヤース市での抗議行動を指導する代表人物の一人。

バーニヤース市で複数の目撃者が述べたところによると、「シリア軍は海岸にある同都市の包囲を強め、停電によるパン工場の停止で食糧危機が始まっている」。

抗議運動の指導者の一人、アナス・シャフリー氏は「治安部隊と軍は依然として町を包囲している。封鎖により異常なまでの締付状態に陥っており、我々は彼らが我々に何をしようとしているのか、理解できない」と述べた。

また「バーニヤース市でのパンの材料不足、停電、電話の普通がほぼ恒常的に起きている」と指摘した。

アブドゥルバスィート氏(電気技師)を名乗る目撃者の一人はAFP(4月12日付)に対して「事態はきわめて困難で、軍は市内から撤退し、市の出口に結集した。また治安部隊と体制側のシャッビーハが逮捕を繰り返している」と述べた。

また「市は死んでしまったかのように静まっており、商店は閉鎖されている」と付言した。

さらに「軍が殺害した者のなかには、治安要員もいる。なぜなら彼らは市への攻撃命令実行を拒否したからだ」と述べた。

ヤースィル氏を名乗る商人の一人は、「バーニヤース市は戦車で包囲され、誰も出入りできない。刑務所のようになっている」と述べた。

また「もはやバーニヤース市にはパンがない。タルトゥースから若干のパンが届いているが、それでは不十分だ」と付け加え、「ガソリン・スタンドも閉鎖されている」と語った。

市内のあるモスクの説教師、シャイフ・ムハンマド師は「多くの家で女子供を隣接する村に避難させた」と述べ、これらの家族が「クーズ地区からの発砲があったラアス・ナブア地区に住んでいる」と指摘した。

Kull-na Shurakāʼ, April 12, 2011
Kull-na Shurakāʼ, April 12, 2011
Kull-na Shurakāʼ, April 12, 2011
Kull-na Shurakāʼ, April 12, 2011

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Kull-na Shurakāʼ, April 12, 2011
Kull-na Shurakāʼ, April 12, 2011

「アフバール・シャルク」(4月12日付)によると、ハサカ県アイン・アラブ市、ラタキア県ジャブラ市、ダマスカス郊外県キスワ市、ダルアー県ダルアー市でバーニヤース市と連帯を求める1,000人から2,000人規模のデモが発生した。

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シリア・アラブ・テレビ(4月12日付)は、「テロ細胞」メンバー3人が、シリア・ムスリム同胞団とレバノンのジャマール・ジャッラーフ国民議会議員(ムスタクバル潮流)と関係があり、「破壊工作」を行おうとしていたと自供した映像を放映した。

証言したのは、アナス・カンジュ、ムハンマド・バドル・カラム、ムハンマド・アフマド・スフナを名のる3人。

証言によると、アサド政権を支持するデモや行進の参加者に発砲せよとの指示が、ジャマール・ジャッラーフ議員からアフマド・アウダという友人を経由して下された、という。

al-Hayat, April 13, 2011
al-Hayat, April 13, 2011

アフマド・アウダはシリア・ムスリム同胞団のメンバーで、3人に高性能の電話を提供、治安当局の車に似せた車で警護すると約束、3人は当初、ダマスカス県旧市街にあるウマイヤ・モスクで人々を集めてデモを行ったが、混乱を発生させることができず、次第に破壊工作を行う必要があると考えるようになり、アウダから武器を受け取った、という。

反体制勢力の動き

ダマスカス民主変革宣言は、3月以降の弾圧で約200人が死亡、数百人が逮捕されたと発表した。

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シリア言論の自由擁護センター所長のハリール・マアトゥーク弁護士はAFP(4月12日付)に対して、シリアの複数の都市で署名な活動家ら複数名が逮捕されたことを明らかにした。

逮捕されたのは、シリア民主人民党のギヤース・ウユーン・スード第一書記(4月12日、ダマスカス郊外県サフナーヤー市で逮捕)、同党幹部のジョルジュ・サブラ氏(4月10日、ダマスカス郊外県カタナー市で失踪)、アラブ社会主義連合民主党幹部のアフマド・マアトゥーク氏、ダマスカス民主変革宣言のナジャーティー・タイヤーラ弁護士(ヒムス)、同宣言のファーイズ・サーラ氏(ダマスカス郊外県ガズラーニーヤ町)。

彼らはジャズィーラなどに出演し、政権によるデモ弾圧を批判していた。

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シリア民族社会党インティファーダ派のアリー・ハイダル党首、民主統一改革党のムハンマド・サウワーン党首、シリア共産主義者統一国民委員会のカドリー・ジャミール代表がダマスカスで共同声明を出し、市民による改革要求デモに対して武器を使用しないよう当局に求めるとともに、デモ参加者に破壊行為を行わないよう呼びかけた。

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シリアの6つの人権団体は、バーニヤース市近郊での「シリアの軍部隊を標的とした悪質な攻撃をきわめて強く非難」し、「発砲した武装集団の身元を調査」と処罰を求めた。

アサド政権の動き

『サフィール』(4月13日付)は、ファールーク・シャルア副大統領がダルアー市民使節団と会談し、事態正常化に向けた協議を行ったと報じた。

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『クドス・アラビー』(4月12日付)は、軍事情報局南部地区長のスハイル・ラマダーン准将が地区長職を解任され異動となったと報じた。

軍事情報局南部地区はダルアー県、スワイダー県での治安を担当している。

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『クッルナー・シュラカー』(4月12日付)はダマスカス大学構内での学生の活動に対する「人民諸委員会」による監視がムハンマド・イーサー大佐の指導のもとで強化された、と報じた。

レバノンの動き

ベイルート県中心部のハムラー地区にあるシリア大使館前で、シリア人活動家3人が民主化を求めるデモを行った。

しかしまもなく、アサド政権を支持する若者訳100人がハムラー地区に大挙し、対抗した。

諸外国の動き

ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリア情勢に関して、「政府の手によって負傷したシリア人が治療を受けられないとの情報に我々は懸念を感じている」としたうえで、「合衆国は平和的デモ参加者弾圧の試みを厳しく非難する」と述べた。

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英国外務省は英国民に対して、シリアの治安情勢悪化を理由に、不要不急のシリアへの渡航を控えるよう勧告した。

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イランのラーミーン・メフマーン・バラスト外務省報道官は、シリアでの抗議行動が中東のレジスタンスを支持する政府に揺さぶりをかけようとする西欧の陰謀の一環としてなされていると断じた。

報道官は昨日、シリアの抗議行動が自発的に発生した事件ではなく、外国の介入の産物だとの見解を示したうえで、「シリアで起きていることは西欧人たち、とりわけ米国人とシオニストが行う忌まわしい行為だ」と述べた。

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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、4月8日(金曜日)のダルアー市での反体制デモに対する治安当局の弾圧に際して、当局は救急車両による医療活動を阻止していたと発表・非難した。

AFP, April 12, 2011、Akhbar al-Sharq, April 12, 2011、al-Hayat, April 13, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 12, 2011、Reuters, April 12, 2011、al-Quds al-ʻArabi, April 12, 2011、SANA, April 12, 2011、al-Safir, April 13, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

軍・治安部隊がバーニヤース市を包囲、EU諸国が国内で行使される暴力行為を激しく非難(2011年4月11日)

国内の暴力

タルトゥース県では、複数の人権活動家によると、軍・治安部隊がバーニヤース市を包囲し、10日に死亡した4人の葬儀を住民が執り行うなか、学校、商店は閉鎖され、公的機関の業務も停止した。

al-Hayat, April 12, 2011
al-Hayat, April 12, 2011

バーニヤース市の治安状況に関して、デモの指導者の一人アナス・シャフリー氏はAFP(4月10日付)に対して、軍が「30両の戦車で町を包囲している」と語った。

また「シャッビーハ」と呼ばれる武装集団が住宅地に発砲するだけでなく、「軍にも発砲し、住民と軍の内戦を誘発しようとしている」と述べた。

人権活動家の一人によると、「軍に発砲の停止を求める呼びかけが、モスクのミナレットから(市民によって)なされており」、「兵士3人が発砲を拒否して、デモ参加者に加わろうとしたが、上官が発砲、負傷した」という。

ラフマーン・モスクのシャイフ、アナス・アイルート師はバーニヤース市民の名のもとに声明を出し、市民に対して発砲する「シャッビーハ」を逮捕するため軍・治安部隊に直ちに介入するよう求めた。

同声明によると、ラアス・ナブア地区の住民と同地区に展開する軍・治安部隊に対してシャッビーハがクーズ地区から集中砲火を浴びせている、という。

また同声明は、バーニヤース市民がアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領やリフアト・アサド前副大統領といった「外国分子」と結託していないとしたうえで、「自らの権利のもとに要求を行っているにもかかわらず、悪党(シャッビーハ)と彼らに追随する者の攻撃を受けている」と述べ、自らの惨状を訴えた。

一方、レバノン日刊紙『アフバール』(4月11日付)は、シリア当局が最近アフマド・アブドゥッラーを名のるシリア人イスラーム主義者をバーニヤース市で逮捕し、レバノンの複数の勢力から資金援助を受けていたと自供した、と報じた。

同報道によると、アブドゥッラー氏は、シリア国内でのデモ、抗議行動、衝突で何度も目撃されていた、という。

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Akhbar al-Sharq, April 11, 2011
Akhbar al-Sharq, April 11, 2011

ダマスカス県では、シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長によると、ダマスカス大学理学部前でダルアー市とバーニヤース市でのデモの犠牲者を追悼するために学生十数人がデモを断行し、治安部隊がこれを強制排除、複数の学生を逮捕した。

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外県では、AFP(4月10日付)が自由擁護シリア・センター所長のハリール・マアトゥーク弁護士の話として伝えたところによると、反体制活動家で作家のファーイズ・サーラ氏がガズラーニーヤ町の自宅で逮捕、連行された。

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SNN, April 11, 2011
SNN, April 11, 2011

パリ在住の思想家ブルハーン・ガルユーン氏はフェイスブックで、アラブ諸国の国民に向けて声明を出し、「近代史上もっとも危険な状態にある」シリア国民と連帯し、自由を求めるよう呼びかけた。

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イスラーム無所属潮流のガッサーン・ナッジャール氏は声明を出し、自身の息子や孫がアレッポの空軍情報部の嫌がらせや脅迫に遭っていると抗議した。

諸外国の動き

フランス外務省は、シリアでの暴力行為を強く非難し、「デモ参加者への力の行使から即時に手を引く」よう呼びかけた。

そのうえで「改革と抑圧は矛盾している」と強調した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣はアサド政権に対して「デモの権利と表現の自由の尊重」を求めた。

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ドイツ政府報道官は、アンゲラ・メルケル首相がシリア政府、具体的にはアサド大統領個人に対して「平和的表現、平和的デモの権利を擁護する」よう求めていると述べた。

AFP, April 11, 2011、al-Akhbar, April 11, 2011、Akhbar al-Sharq, April 11, 2011, April 12, 2011、Facebook、al-Hayat, April 12, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 11, 2011、Reuters, April 11, 2011、SANA, April 11, 2011などをもとに筆者作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

バーニヤース市でデモが行われ死傷者が発生、潘国連事務総長は政権によるデモ弾圧への懸念と不快感を表明(2011年4月10日)

国内の暴力

タルトゥース県バーニヤース市で、9日晩から「自由」を求めるデモが発生し、複数の目撃者によると、治安部隊がデモ参加者に発砲、『ハヤート』(4月10日付)によると、4人が死亡(ただし、BBCは死者数を6人、「アフバール・シャルク」は14人と報じた)、約20人が負傷した。

人権活動家の一人がAFP(4月9日付)に述べたところによると、「治安部隊がラフマーン・モスク周辺で発砲し、4人が死亡、少なくとも20人が死亡した…。死傷者は市内中心の総合病院に搬送され…、モスクのミナレットから、救急治療のため総合病院に向かうよう医師に呼びかけが行われたが、住民は被害発生直後、外出を禁じられた」という。

また目撃者の一人はAFP(4月9日付)に対して、「シリアの治安部隊がバーニヤース市郊外のラアス・ナブア地区にあるラフマーン・モスク周辺の群衆に2時間にわたり発砲した」と述べ、同モスクが「市内での一連の抗議行動の中心だった」ことを明らかにした。

さらに別の目撃者がロイター通信(4月9日付)に述べたところによれば、「非正規」軍がアブー・バクル・スィッディーク・モスクを護っていた人々に向けて発砲し、5人が負傷した、という。

彼らは棍棒で武装しモスクを護っていたところを、高速で通り過ぎる車から自動小銃で銃撃された。

アブー・バクル・スィッディーク・モスク周辺での事件に関して、AFP(4月9日付)は、複数の目撃者の話として、デモ参加者が「体制打倒」のシュプレヒコールを連呼していた、と報じた。

このほか、複数の住民によると、バーニヤース石油精製所近くに戦車が展開し、複数の活動家によると、市内では地上電話、携帯電話ともに不通となった。

これに対し、SANA(4月10日付)は公式筋の話として、「バーニヤース市を通るラタキア・タルトゥース街道を移動していた軍の部隊が武装集団の要撃を受け、士官1人が戦死、1人が重体、複数の兵士が負傷した」と報じた。

同報道によると、「関係機関が武装集団を追跡し、彼らを逮捕、司法当局に突き出した」という。

なおその後、SANA(4月12日付)は死亡した兵士の数が9人(うち士官2人)だったと発表した。

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ダイル・ザウル県では、「アフバール・シャルク」(4月11日付)によると、ダイル・ザウル市内で犠牲となった市民の葬儀の参列者らが、バーニヤース市に対する弾圧に抗議するデモを行った。

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ダマスカス郊外県では、「アフバール・シャルク」(4月11日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム市では、バーニヤース市に対する弾圧に抗議するデモが発生した。

アサド政権の動き

『ハヤート』(4月11日付)は信頼できる消息筋の話として、アサド大統領がドゥーマー市の使節団と会見し、同市で最近発生したデモでの「殉教者への弔意」を示したと報じた。

同報道によると、アサド大統領はこの会見でドゥーマーでの事件に関して住民の意見に耳を傾ける一方、使節団は祖国の安全と安定への熱意と、暴力や破壊への拒否の姿勢を示し、ラタキア市とダルアー市でのデモ発生後に設置された「調査委員会の調査対象がドゥーマー市にも拡大されたこと」への安堵感を表明した、という。

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SANA(4月10日付)は、アサド大統領がブルガリアのニコライ・ムラデノフ外務大臣との会談で、「シリアは包括的改革の途上にあり、欧州諸国の経験を役立てるべく開放的になっている」と述べたと報じた。

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ダルアー県選出のナースィル・ハリーリー人民議会議員はBBC Arabic(4月10日付)に対して、ダルアー市での治安部隊による発砲を批判し、アサド大統領に事件の真相調査と「流血沙汰」を停止させるための介入を求めた。

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『ワタン』(4月11日付)は、人民諸委員会高官の一人アドナーン・シャーウール氏の話として、当局がドゥーマー市でのデモに際して逮捕した191人を釈放したと報じた。

諸外国の動き

潘基文国連事務総長は声明を出し、アサド大統領と電話会談し、平和的デモ参加者の犠牲について「調査実施の決意」を告げられたことを明らかにした。

また電話会談で、潘事務総長はデモ弾圧への懸念と不快感を表明し、アサド大統領に対して「政府は市民を保護し、言論や平和的デモ実施といった権利と自由を保護しなければならない」と述べ、逮捕者の即時釈放を求めた、という。

AFP, April 10, 2011、Akhbar al-Sharq, April 10, 2011, April 11, 2011、BBC Arabic, April 10, 2011、al-Hayat, April 11, 2011, April 13, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 10, 2011、Reuters, April 10, 2011、SANA, April 10, 2011, April 12, 2011、al-Watan, April 11, 2011などをもとに筆者作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

内務省が暴動の徹底弾圧に向けての決意を表明するなか、オバマ米大統領は政権によるデモ参加者への暴力行使を非難(2011年4月9日)

国内の暴力

ダルアー県では、複数の目撃者によると、治安部隊がダルアー市内のウマリー・モスク近くで、8日のデモ弾圧の犠牲者の葬儀に参列した市民数千人に向けて実弾や催涙弾を発射し、強制排除を試みた。

これらの市民は「自由」を求めるシュプレヒコールを連呼していた、という。

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ラタキア県では、住民らによると、ラタキア市で8日未明に市民数百人が「自由」を求めるデモを断行、これに対して治安部隊が実弾を使用し、数十人が負傷、複数が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権委員会によると、ヒムス市西方のタッルドゥー市で市民11人が治安部隊の攻撃で死亡した。

アサド政権の動き

al-Hayat, April 10, 2011
al-Hayat, April 10, 2011

SANA(4月9日付)によると、ワリード・ムアッリム外務大臣はダマスカスに駐在する各国大使と会談し、そのなかで改革を求める国民の要求を「合法的」としたうえで、「平和的デモを尊重する」と述べ、政治・経済改革プログラムに沿って国民の要求に応えるとの意思を示した。

また「破壊分子」がデモ参加者のなかに「潜入」し、彼らや治安部隊に発砲することで「暴力を誘発し、無秩序を作り出そうとした」と非難、「国の経済、国民の安全と治安に大きな被害をもたらした…破壊行為に…もはや沈黙することはできない」と述べた。

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シリア内務省は声明を出し、暴動を徹底弾圧する決意を示した。

同声明は「多くの国民がとりわけ金曜日に複数の地域でデモを行うため街頭に出て、幾つかの要求を行い、それに対して指導部が直ちに応えた。またこれらの要求に応えるべく一連の措置や法律が発表され、また法律発令や必要な措置実施が続いている」として、国民の改革志向に一定の理解を示した。

しかし以下のように続け、破壊分子や扇動が混乱を助長していると主張した。

「復讐を認められてない部外者、我々国民にとって無縁な者たち、外国勢力に守られた者たち、そして衛星放送やインターネットでの扇動が…、国民の正当な要求に応えることはない…。彼らは改革を望んでおらず、彼らは国民の要求に何の関心もなく、武器使用を禁じることもない。彼らは武器を駆使して、デモ参加者や犠牲者の葬儀に参列する会葬者のなかに紛れ込み、無差別に発砲し、国民と治安部隊の亀裂を生み出そうとした。そして公的機関や福祉機関に放火し、そのうちの何人かは、発砲を控えていた軍・治安部隊と衝突し、多くを死傷させた」。

そのうえで、「法執行と祖国・国民の安全確保に関して、もはや怠慢や寛容の余地はない」としたうえで、「我々は、平和的デモと、破壊、混乱の助長、国民統合への揺さぶりとの混同を許さない」と強調し、暴動を徹底弾圧する決意を示した。

一方内務省は、ダルアー市民に対して、「市民や警察官に発砲した武装集団をかくまわない」よう呼びかけ、「関係当局に素早い情報提供を行う」よう求めた。

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SANA, April 9, 2011
SANA, April 9, 2011

SANA(4月9日付)は、金曜日(8日)未明から土曜日(9日)にかけて各地で発生した流血事件に関して、「複数の武装集団がダルアー市で(金曜日に)群衆と警察・治安部隊に発砲し、9人の治安警察要員が死亡し、多くの市民が犠牲となった」と報じた。

同報道によると、武装集団がダルアー市で「屋上や樹上から市民や警察治安部隊に発砲し、またタイヤを燃やし、ウマリー・モスク広場のデモ参加者に向かって投石した。また武装集団はオートバイに乗って市民に発砲した」という。

さらにヒムス県タッルドゥー市やヒムス市バーブ・アムル地区などでのデモに関しては、一部の集団が「警察の車両に放火し、警察治安部隊に発砲した。またオートバイに乗った集団が市民に無差別に発砲し、治安警察部隊20人と多くの市民が負傷した」と解説した。

またタッルカラフ市でも「破壊分子の集団が公共財産に放火し、鉄道を封鎖し、列車の往来を妨げる一方、武装集団が市内をオートバイで徘徊していた」と断じた。

一方、ダマスカス県ドゥーマー市でのデモに関しては、「自由と殉教を求める数千人の市民が集まったが、数時間後にそのほとんどは解散した」と主張し、「数百人の市民」がラタキア市、バーニヤース市、そして東部のカーミシュリー市で集会を行い、「改革の加速、自由の拡大、腐敗撲滅、さらには地元の福祉に関する要求を行ったが、これらの集会には衝突や破壊行為は見られなかった」と付言した。

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シリア情報省は、ダルアー市での流血事件に関してジャズィーラ・チャンネルのインタビューに応じた『ティシュリーン』紙編集長のサミーラ・ムサーラマ女史を解任した。

後任にはムニール・ワーディー氏が就任した。

AFP(4月9日付)によると、ムサーラマ女史は解任に関して、「治安当局高官の一人が、私に解任を告知した…。私がジャズィーラ・チャンネルのインタビューに応じたため」と述べた。

ムサーラマ氏は金曜日晩(4月8日)の放送で「発砲がなされた際に命令違反があった」と指摘、「もし発砲が治安機関から始まっていたのなら、我々は同機関を処罰し、なぜ違反したのかを調査せねばならない…。発砲しないよう大統領から指示が出されていた」と述べていた。

また、デモ参加者や治安部隊に発砲したとされる「武装集団」に関しては、「もし第三者がいるのなら…、私はいると思うが…、治安機関は人々の前に第三者が誰なのかを示さねばならない。それは国民の命に関わっており、そのことをめぐって寛容ではあり得ない…。治安部隊に責任がある。もし悪党がいるのであれば、治安部隊が彼らを捕らえ、処罰のためにつき出さねばならない」と付言した。

反体制勢力の動き

ハサカ県およびダイル・ザウル県の名家(部族)の有力者の一人で「ダマスカス民主変革宣言」運動の指導者の一人であるナウワーフ・バシール氏はAFP(4月9日付)の電話取材に対して、「アサド政権はシリア国民の流血に没頭する」ことを止め、「明確な行程表を示し、国民、とりわけ革命を主導する若者との国民対話を行わねばならない」と述べた。

バシール氏は「我々は平和的民主的変革を信じている」と述べ、自身が提唱する国民対話を通じて、政党法制定や憲法改正(とりわけ第8条の廃止)を実現すべきだと付言した。

さらに、ダルアー市などで「武装集団」がデモ参加者や治安部隊に発砲し犠牲者が出たとのシリア政府の主張を嘲笑し、「革命を主導する青年は平和的で実力を行使しない。体制の刺客や子飼いこそがデモ参加者に発砲した輩である…。もし悪党がいるとすれば、体制こそが悪党だ。この悪党は法によって護られている悪党だ…。彼らは我々を奴隷のように扱い、我々は屈辱、侮辱、無差別殺戮、投獄のもとで40年暮らしてきた。しかし今日、我々はもはやこの体制を恐れない…。シリア国民がこれまで禁じられてきた自由、尊厳、構成を取り戻すまで続けられ、後退はしない」と述べた。

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シリア人権国民機構のアンマール・クルビー所長は『ハヤート』(4月10日付)の電話取材に対して、「金曜日(8日)の抗議デモで37人が殺害された。うち30人がダルアーで、3人がヒムスで、1人がドゥーマーで、3人がハラスターで殺害された」と述べた。

またクルビー所長は、「(シリアは)50年間、監視下に置かれ、非常事態令のもとにある…。1ヶ月にわたり包囲されている都市で武装集団が存在し、数時間で治安要員19人を殺害し、それに国家が何もできない、という状態がどのように生じ得るのか」と付言し、武装集団の存在や暴徒化はなかったと断じた。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は声明を出し、「今日(9日)と先週、シリア政府が平和的デモに参加する人々に対して行った忌まわしい暴力行使を厳しく非難する。私はまた、デモ参加者によるあらゆる暴力の使用も非難する」と述べた。

大統領はまた「私はシリア当局に平和的デモに参加する人々にこれ以上の暴力を行使しないよう求める。また報じられているような恣意的逮捕、身柄拘束、拘留者への拷問は停止されねばならない。また現地での事件の調査実施のためいかなる障害も設けずに、情報公開が許されねばならない」と付言した。

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キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は声明を出し、「私は、シリアでの自由と民主主義を求めるデモでの暴力と死者発生を厳しく非難する」と述べた。

そのうえでシリア当局に「暴力に対する規制の即時設置を決断する」よう求め、「すべての国民を保護し、平和的デモと表現の自由を保障することが国家の責任」と強調したうえで、「シリア政府の改革宣言は信頼性のある措置によって支えられねばならない…。シリア国民が、脅迫、抑圧、逮捕を恐れず、自らの要求を表現することを認めねばならない。表現の自由、基本的人権、法治国家を保障するため、今、重要な政治的改革を開始すべきである」と付け加えた。

AFP, April 9, 2011、Akhbar al-Sharq, April 9, 2011, April 10, 2011、al-Hayat, April 10, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 9, 2011、Reuters, April 9, 2011、SANA, April 9, 2011などをもとに筆者作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ダルアー市、カーミシュリー市を含む複数都市で広範なデモが再び発生、衝突により22名が犠牲に(2011年4月8日)

国内の暴力・デモ

『ハヤート』(4月8日付)によると、ダルアー市(ダルアー県)、カーミシュリー市、ハサカ市(以上ハサカ県)、ドゥーマー市、ハラスター市、タッル市(以上ダマスカス郊外県)、バーニヤース市(ラタキア県)、ヒムス市(ヒムス県)、ハマー市(ハマー県)などで広範なデモが発生した。

複数の人権団体によると、デモ弾圧で22人が死亡した。

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al-Hayat, April 8, 2011
al-Hayat, April 8, 2011

ダルアー県では、複数の目撃者と医療筋などによると、ダルアー市で治安部隊が数千人のデモ参加者に発砲、市民17人が殺害された。

活動家の一人によると、「約6,000人が三つのモスクを街頭に出て、市内の裁判所前でデモを行った」。

また「治安部隊が催涙ガスやゴム弾などで彼らを排除した」のに対し、「デモ参加者は投石で応戦した」と述べた。

また「携帯電話回線がダルアーでは一昨日朝から途絶えている」と指摘した。

デモ弾圧で死者が発生すると、暴徒と化した市民は、市内のバアス党ダルアー支部の本部に放火した。

一方、別の活動家は、負傷した市民の多くは家に隠れたが「治安部隊は彼らを追跡し、家から連れ去った」と述べた。

ある看護師によると、ダルアー市内の病院は負傷者で溢れており、居場所や家族のない負傷者は治療のため病院近くのモスクに搬送された、という。

これに対して、シリア・アラブ・テレビ(4月7日付)によると、19人の「武装集団」が「ダルアーで警察・治安部隊に発砲し、75人がその直後に死傷した」。

また「市民と治安維持部隊に発砲する破壊分子・潜入者」の映像を、実況を交えて「生中継」し、「シリアが危機に瀕しているが、この危機が横行し、国民の正当な要求を、その声明や祖国の安全を標的とした治安危機に変えようとしている者がいる」と非難した。

またSANA(4月8日付)によると、複数の武装した男がダルアー市で市民と治安部隊に発砲し、治安要員1人、救急車運転手1人を死亡、数十人の市民を負傷させた。

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SNN, April 8, 2011
SNN, April 8, 2011

ハサカ県では、シリア・クルド人権委員会のラディーフ・ムスタファー所長によると、カーミシュリー市で3,000人以上がデモに参加した。

ムスタファー所長によると、参加者は、アラブ人、クルド人、アッシリア人などカーミシュリー市のあらゆる社会集団を構成する人々で、逮捕者釈放、非常事態令解除、国民統合の確認を求めていた、という。

同所長によると、カーミシュリー市以外でも、アームーダー市、ダルバースィーヤ市、ハサカ市でもデモが行われた。

人権活動家のハサン・バッルー氏によると、数百人がラアス・アイン市で街頭に繰り出し、ダルアー市での弾圧に抗議した。

『クッルナー・シュラカー』(4月8日付)によると、ハサカ県の各地で発生したデモに、治安部隊は介入せず、「遠方から監視していた」だけだった。

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SNN, April 8, 2011
SNN, April 8, 2011

ダマスカス郊外県では、人権活動家の一人によると、ドゥーマー市で住民が市の周辺に検問所を設けて、カビール・モスクに入ろうとする者の身元と武器を持っていないかを確認し、デモの暴徒化に細心の注意を払った、という。

そのうえで、住民は、治安部隊がデモ参加者の排除を行なわないことを当局と合意したうえで、街頭でデモを行ったという。

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Facebook
Facebook

フェイスブックの「バッシャール・アサドに反対するシリア革命2011」ページなどでは、「抵抗の金曜日」と銘打ってデモを呼びかけていた。

アサド政権の動き

内務省がシリア・アラブ通信(SANA)を通じて声明を出し、市民に発砲した武装集団をかくまわないようダルアー市民に呼びかけた。

国内の反体制勢力の動き

シリア人権擁護連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長は、「政府は、宗教勢力への開放政策、クルド問題への対処、デモへの非介入などを支持することで危機を収拾しようとしているが、我々は実際のところこれとはまったく異なった事態を目にしている」と述べ、市民によるデモが依然として行われていると強調した。

またリーハーウィー所長はシリア当局が7日にヨルダンから帰国しようしていた宗教関係者のイマードッディーン・ムハンマド・マフムード・ラシード氏をシリア・ヨルダン国境で逮捕したことを明らかにした。

「アフバール・シャルク」(4月8日付)によると、ラシード氏が反体制デモをめぐってアサド政権を非難したことが逮捕の理由、だという。

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シリア人権委員会は声明を出し、治安部隊がデモ弾圧に際して実弾を使用したことを非難した。

国外の反体制勢力の動き

アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領はブリュッセルで記者会見を開き、アサド大統領は退任し、国民は自らの目的を達成し、専制支配を打倒するだろう、との希望を述べた。

AFP, April 8, 2011、Akhbar al-Sharq, April 8, 2011、AP, April 8, 2011、al-Hayat, April 9, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 8, 2011、Reuters, April 8, 2011などをもとに筆者作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アサド大統領がハサカ県のクルド人に対するシリア国籍付与を決定、反体制活動家らは「歴史的変革」を要求(2011年4月7日)

アサド政権の動き

アサド大統領は政令第49号を発令し、ハサカ県の外国人(クルド人)にシリア国籍を付与することを決定した。

大統領府声明によると、同政令は、「ハサカ県で外国人として登録されている人々にシリア・アラブ共和国の国籍を付与する」こと、そして内務大臣が同政令を「実施指導するための決定」を下すことを定めている。

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またアサド大統領は政令第139号を発令し、ムハンマド・イヤード・ガザール・ヒムス県知事を「解任」した。

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SANA(4月7日付)によると、組閣を要請されたアーディル・サファル首相は昨日、進歩国民戦線加盟政党代表、組合代表、大学関係者、経済界代表と相次いで会合を開くとともに、「多くの無所属の人々」に連絡し、閣僚人事の調整を行った。

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バアス党の機関紙『バアス』(4月7日付)、反体制活動家のハイサム・マーリフ弁護士など有識者、法律専門家の非常事態に関する意見を掲載した。

同記事のなかで、ハーフィズ・アサド前大統領の顧問だったジョルジュ・ジャッブール氏は、前大統領が「1978年に非常事態令の解除の指示を与えていた」と証言した。

これに対して、マーリフ弁護士は「非常事態令解除の要求が高まるなかで、解除のための委員会を設置する必要などそもそもないない。なぜなら、今求められているのは、「非常事態令の即時解除」であって、「非常事態法の廃止ではないからだ」と述べている。

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外県ドゥーマー市の市民が声明を発表し、そのなかで1.ドゥーマー市での殺戮と虐殺に関する公正な真相調査、2.言論犯の釈放と避難民の帰宅、3.非常事態の即時解除、4.平和的デモの自由の保障、5.選挙における党(与党)の特権の廃止、6.選挙法改正、7.報道の自由の保障、8.司法の独立の保障、9.政党法制定、10.汚職撲滅、11.憲法改正、12.政府から独立した組合の結成などをアサド大統領に直訴した。

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国内の反体制活動家とバアス党の元幹部が共同声明を出し、アサド大統領に「歴史的変革」を要求、非常事態令の解除、政治犯の釈放、憲法改正のための国民対話大会の開催、政党法、情報法の制定を訴えた。

共同声明に署名した反体制活動家は、ミシェル・キールー、フサイン・アウダートら。

またバアス党元幹部としては、マルワーン・ハバシュ、ムスタファー・ルストゥム、スライマーン・アリー、イッズッディーン・ディヤーブなどが署名した。

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クルド人への国籍付与を定めた政令第49号に関して、シリア・クルド人国民イニシアチブのウマル・ウースィー会長は『ハヤート』(4月8日付)に「社会的、人道的次元において歴史的決定であり、国民統合を強化する」と述べた。

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シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)党首であるハビーブ・イブラーヒーム氏は、政令第49号において国籍を付与される対象者の人数が限定されていないと指摘、「150,000人にのぼる」無国籍のクルド人が「市民権と民主主義のための平和的闘争を継続する」との意思を示した。

またイブラーヒーム氏は「我々の大義はシリア全体の民主主義である。市民権はすべてのシリア人の権利であり、厚意として与えられるものではない」と付言した。

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シリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長はアラビーヤ(4月7日付)で、6日にダマスカスで行われたアサド大統領とハサカ県の使節団(クルド人)の会談をボイコットしていたことを明らかにした。

ボイコットの理由は、会談で予定されていた議題が福祉に関する問題だけであったため。

ダルウィーシュ書記長はまた、「クルド人はシリアとその人民の一部をなしており、私はクルド問題だけでなく、シリアのすべての問題の正常化を要求している」と述べた。

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シリア・クルド・イェキーティー党、シリア・クルド民主合意党、シリア・クルド民主統一党はフェイスブックの「クルド青年革命ページ」で4月8日にハサカ県カーミシュリー市、ダイリーク市、アームーダー市などで自由を求めるデモを行うと発表し、クルド人住民らに傘下を呼びかけた。

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反体制ジャーナリストのファーイズ・サーラ氏とルワイユ・ユサイン氏の2人は共同声明を出し、シリアの現実に対処するうえで対話が「もっとも重要な手段」だと強調しつつ、アサド政権幹部らとの対話によって何ももたらされなかったと批判した。

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政治犯言論犯擁護シリアセンター所長のハリール・マアトゥーク弁護士は、収監中の5人のヒムスの反体制活動家が「虚偽の情報を発信した」罪で有罪判決を受けたと発表した。

マアトゥーク弁護士によると、「ヒムス軍事裁判所は、反体制活動家のラーギダ・ハサン氏、アンマール・シャイフ・ハイダル氏に対して虚偽の情報を発信し、民族感情を損ねた罪で禁固2年を宣告した」。

またファーイク・ミール・アスアド氏、アフマド・マウルード・タイヤール氏、サミール・ダヒール氏の3人の反体制活動家も3年の禁固刑を宣告されたという。

マアトゥーク弁護士によると、この5人は2010年1月、シリアの経済、政治、社会状況に関する世論調査を実施していた。

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英国・トルコなどを活動拠点とするシリア・ムスリム同胞団のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー前最高監督者はシリア・インティファーダ支援イニシアチブ委員会の名で声明を出し、各地でのデモを支持するとともに、アサド政権の打倒を呼びかけた。

諸外国の動き

エジプトのムスリム同胞団は声明を出し、シリア国民によるデモを支持するとともに、それに対するいかなる敵対行為をも拒否するとの意思を明示した。

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アラビーヤ(4月7日付)によると、同局のムハンマド・ザイド・マストゥー記者が逮捕された。

Akhbar al-Sharq, April 7, 2011, April 8, 2011、AFP, April 7, 2011、Alarabia.net, April 7, 2011、al-Baʻth, April 7, 2011、al-Hayat, April 8, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 7, 2011、Reuters, April 7, 2011、SANA, April 7, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

トルコやロシアの公式筋が政府主導の改革への支持を表明(2011年4月6日)

国内の暴力

ダルアー県では、「アフバール・シャルク」(4月6日付)によると、ダルアー市でゼネストが続けられ、さまざまな抗議活動が行われた。

ダルアー市の技師組合前では、市内の活動家によると、建築技師数十人が集まり、逮捕者釈放を訴えた。

また暴徒が、アサド政権支持の姿勢を崩さないアリー・アラファート人民議会議員の自宅を放火した。

このほかダルアー市郊外のジャースィム市などで反体制デモが発生した。

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ダマスカス郊外県では、「アフバール・シャルク」(4月6日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム市で、反体制抗議行動が続き、暴徒が市庁舎を襲撃した。

一方、ドゥーマー市では私服の治安要員が多数展開し、抗議行動の阻止を試みた。

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ヒムス県では、複数の人権団体によると、ダルアー市やラタキア市での反体制デモとの連帯を求めるデモへの参加した市民5人が殺害された。

アサド政権の動き

al-Hayat, April 7, 2011
al-Hayat, April 7, 2011

アサド大統領がトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣とダマスカスで会談した。

SANA(4月6日付)によると、ダウトオール外務大臣は、「シリア政府が開始したすべての改革を支持する」と表明するとともに、改革に必要なあらゆる支援を行う用意があると述べた。

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SANA(4月6日付)は、アリー・サアド暫定教育大臣の話として、教育省がニカーブの着用を理由に解任された女性教師の復職を検討している、と報じた。

諸外国の動き

ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ大統領は、アサド大統領と電話会談を行い、そのなかでシリア政府による改革を支持するとの姿勢を示した。

AFP, April 6, 2011、Akhbar al-Sharq, April 6, 2011、al-Hayat, April 7, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 6, 2011、Reuters, April 6, 2011、SANA, April 6, 2011などをもとに作成。

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ダマスカス県を含む各地でゼネストが行われるなか、アサド大統領がハサカ県のクルド人使節団と面会(2011年4月5日)

国内の暴力

人権活動家によると、ダルアー県ダルアー市でゼネストが行われた。

同活動家によると、「複数の活動家たちが月曜(4日)に、市内の商店主に店を閉めることを求めるビラを配布した」という。

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ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、「アフバール・シャルク」(4月5日付)によると、ダマスカス郊外県ドゥーマー市でもデモ弾圧の犠牲者を追悼するゼネストが開始された。

またムウダミーヤト・シャーム市、ハラスター市、マッザ区では、デモ弾圧による犠牲者発生に抗議するデモが発生し、ムウダミーヤト・シャーム市ではアサド大統領の写真が破かれ、「国民は体制打倒を望む」といったシュプレヒコールが繰り返された。

一方、SANA(4月5日付)によると、ダマスカス郊外県カフルバトナー町で警官2人が巡回中に正体不明の武装集団の発砲を受け、殺害された。

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ハリール・マアトゥーク弁護士は、「ダマスカス第一判事は、5,000シリア・ポンド(100米ドル)の保釈金の支払いをもって、フサイン・ルブワーニー弁護士とマフムード・グーラーニー弁護士の釈放を決定した」と発表した。

マアトゥーク弁護士によると、このほか、アブドゥッラフマーン・タンマ氏、アンワル・ムラード氏(いずれも2004年に逮捕)、ムハンマド・ファラフ氏とその兄弟のムハンマド・マフディー氏(いずれも3月15日にダマスカスでデモを主導し逮捕)も釈放されたことを明らかにした。

また同弁護士によると、3月16日の内務省前での抗議行動に関連する逮捕者のうち依然として身柄を拘束されているのは、カマール・シャイフー氏のみとなった。

アサド政権の動き

SANA(4月5日付)によると、アサド大統領は、ハサカ県のクルド人使節団(32人)と会談し、最近の事件(への対処)をめぐって、同県住民の「国民的役割」を賞賛した。

同報道によると、アサド大統領は使節団を前に「ハサカ県民の生活状況、要求、問題」に耳を傾け、「これらの問題を解決するため、県当局と住民が協力して努力することの重要性を確認した」。

また「ハサカ県民の崇高な愛国心に感謝の意を伝えるとともに、ノウルーズへの祝辞を述べた」。

一方、使節団は、アサド大統領が4月15日までにクルド人への国籍付与問題への対処を指示したことへの「安堵感」を表明した、という。

『クッルナー・シュラカー』(4月4日付)によると、使節団にはクルド民族主義勢力の反体制活動家のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ氏(シリア・クルド進歩民主党書記長)、アズィーズ・ダーウド氏(シリア・クルド民主平等党書記長)らも参加した。

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『ハヤート』(4月6日付)は、シリアの複数の高官筋の話として、非常事態令解除に関わる委員会が、「法律文によって市民の尊厳と祖国の安全を保障する」べく「規定通り」今月25日までに任務を完了し、「非常事態令も規定通り、同委員会の活動終了とともに解除されるだろう」と報じた。

同委員会は、アッブード・サッラージュ前法学部長、法律家のイブラーヒーム・ダッラージー氏、同じく法律家のバシール・カワーディリー氏からなり、「昼夜を問わず活動し、国民の尊厳と祖国の安全に関わるすべての問題を議論している」という。

またダルアーとラタキアでの事件を調査するための委員会が、ダマスカス郊外県ドゥーマー市などで発生したそれ以外のすべての事件の調査も行うことを決定したという。

反体制勢力の動き

「アフバール・シャルク」(4月11日付)は、シリア民主人民党のギヤース・ウユーン・スード第一書記が逮捕、連行された、と報じた。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、暴力と宗派主義に反対する立場を明示した2011年の「尊厳憲章」に従うとの立場を確認するとともに、「近代的、多元的、制度的な市民国家建設の試みを続ける」としたうえで、「シリア青年のインティファーダ」へとの連帯、「自由と尊厳を求める彼らの要求支持」を明言した。

諸外国の動き

アナトリア通信(4月5日付)は、シリア・ムスリム同胞団が「デモを組織し、実質的に参加している」とのリヤード・シャカファ最高監督者の発言(4月1日)に関して、同氏が現在滞在しているトルコの外務省報道官が異例の声明を出し、「このデリケートな段階で、トルコはシリアの改革実施への希望を害するような(同胞団による)いかなるイニシアチブも許さない」と警告した、と報じた。

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フランス外務省のベルナール・ヴァレロ報道官はラミーヤー・シャクール在仏シリア大使に、死傷者をもたらしたシリアでの過去数日にわたる暴力行使に対するフランスの非難の意を伝えた。

そのうえで、シリアの当局に非常事態解除、シリア国民の要望に沿った改革プログラムの即時実施を求めた。

同報道官は「複数の委員会がアサド大統領の演説直後に設置された。フランスはシリア当局の行動を注視し、非常事態解除が実行されること、そして新首相が組閣する内閣が野心的な改革政策の策定を誓約することを希望する」と述べた。

また同報道官は、スハイル・アタースィー弁護士ら逮捕者の釈放に触れ、フランスが改めてすべての逮捕者の釈放を求めると明言した。

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FIDHは、3月18日から4月1日までの間にシリアで123人が殺害された、と発表した。

AFP, April 5, 2011、Akhbar al-Sharq, April 5, 2011, April 7, 2011, April 11, 2011、al-Hayat, April 6, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 4, 2011、April 5, 2011、Reuters, April 5 ,2011、SANA, April 5, 2011などをもとに作成。

 

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治安部隊がダルアー県で座り込みの強制排除を試みる一方、解任されていた同県知事の後任が任命される(2011年4月4日)

反体制デモ・国内の暴力

「アフバール・シャルク」(4月4日付)は、複数の市民の話として、ダルアー市内のウマリー・モスク周辺での住民らによる座り込みの強制排除を試みたが失敗した、と報じた。

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同報道によると、治安部隊は依然としてモスクを包囲している、という。

一方、AFP(4月4日付)は、ダルアー県の人権活動家が住民の要求が「治安機関の権限の制限、非常事態令下での治安機関の活動停止、所有権侵害の禁止、逮捕者釈放、一般的自由を保障するための法改正」にあるとしたうえで、「県知事任命は、ダルアー住民の要求実現の保証にはつながらない」と述べたと報じた。

また弁護士約50人がダルアー市内の弁護士組合本部前でデモを行い、同僚弁護士の釈放を求め、こうしたなか、AFP(4月4日付)によると、身柄拘束中だったハッサーン・アスワド弁護士とアフマド・カークーニー弁護士が釈放された。

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ヒムス県では、「アフバール・シャルク」(4月4日付)によると、ヒムス市のバイヤーダ地区、ハーリディーヤ地区で座り込みを行う若者らを治安部隊が包囲した。

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ダマスカス郊外県では、「アフバール・シャルク」(4月4日付)によると、キスワ市でダルアーとの連帯や自由を求めるデモが発生した。

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SANA(4月4日付)は、ラタキア県警のカマール・ファティーフ署長の話として、早朝に収監者の一人がラタキア中央刑務所内の一区画でスポンジ製の枕や寝具用毛布に放火した、と報じた。

同報道はまた、この騒ぎに「警察部隊が介入し、直ちに消火作業にあたり、収監者を避難、救出した。収監者の判断で、監房には内側から鉄の錠で施錠されていたため、警察部隊はセメントの壁に換気用の穴を二つ空け、迅速な救急活動を可能とし、国立病院に25人の収監者を搬送した。うち8人は窒息状態と重度の火傷により重体である」と続けた。

ファティーフ署長はさらに警官2人が負傷したとしたうえで、同区画が殺人や麻薬犯罪などの刑事犯罪者専用で、無期刑の収監者もいることを明かした。

アサド政権の動き

SANA(4月4日付)によると、アサド大統領は昨日(4日)、先月末に「解任」されたファイサル・クルスーム氏の後任としてムハンマド・ハーリド・ハンヌース氏をダルアー県知事に任命した。

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『ワタン』(4月4日付)は、非常事態令解除に関する委員会に関して、「必要な法案作成を終えようとしている」としたうえで、「委員会は新立法の作成にあたって、米国、英国、フランスでの国民と市民の安全維持の法に関する経験や立法に依拠し」、また「シリア国民の尊厳とその安全維持を同時に保障する明快な均衡」に立脚している、と報じた。

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「アフバール・シャルク」(4月11日付)は、治安当局は、シリアの公式メディアなどが抗議運動の背後にいると疑うアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領の支援者2人、ムハンマド・アラー・ビヤースィー氏とアフマド・ムーサー氏を逮捕した、と報じた。

反体制活動家の動き

APF(4月4日付)は、リーバール・アサド氏(リフアト・アサド副大統領の息子)が、アサド政権によるデモ弾圧に関して、「反体制勢力が要求する民主的改革を早急に実行せねば、内戦に陥る」と警鐘をならした。

リーバール氏はロンドンでシリア民主主義自由機構と称する政治団体を指導している。

諸外国の動き

AFP(4月5日付)は、IAEAの報道官の話として、IAEAの査察団がヒムスで調査を行ったと報じた。

AFP, April 4, 2011、Akhbar al-Sharq, April 4, 2011, April 5, 2011, April 11, 2011、al-Hayat, April 5, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 4, 2011、Reuters, April 4 ,2011、SANA,
April 4, 2011、al-Watan, April 4, 2011などをもとに作成。

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アサド大統領がアーディル・サファル暫定移行内閣農業・農業改革大臣に対し組閣を指示(2011年4月3日)

アサド政権の動き

SANA(4月3日付)によると、アサド大統領は、政令第134号を発し、アーディル・サファル暫定移行内閣農業・農業改革大臣に組閣を指示した。

al-Hayat, April 4, 2011
al-Hayat, April 4, 2011

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SANA(4月3日付)によると、アサド大統領は、公務員、国営セクター、人民諸組織を定年退職した民間人、軍人双方の健康保険などに関する政令を発したと報じた。

同報道によると、これまで定年退職者に対する健康保険は任意であったが、この政令によって、国庫が定年退職者の健康保険年金の62%以上を負担し、残りの年金分を定年退職者が負担することになる、という。

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「アフバール・シャルク」(4月3日付)は、政権支持者がモスクで礼拝するかのような姿勢でアサド大統領の写真にひれ伏し、忠誠を示している、と報じた。

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『クッルナー・シュラカー』(4月3日付)によると、ダマスカス大学当局は午後5時以降の大学寮(マディーナ・ジャーミイーヤ)への訪問を禁じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(4月4日付)などによると、ドゥーマー市(人口約12万人)で、1日(金曜日)の自由を求めるデモで犠牲となったデモ参加者8人の葬儀に数千人が参列した。

Kull-na Shurakāʼ, April 3, 2011
Kull-na Shurakaʼ, April 3, 2011

情報表現の自由国民センター(2009年に閉鎖)のマーズィン・ダルウィーシュ所長は、AFP(4月3日付)に対して「葬儀には数万人が参列し、殉教者をたたえ、自由を求めるスローガンを連呼した」と述べた。

また同所長によると「デモ参加者のなかには、政権打倒を求めるシュプレヒコールを叫ぶ集団も含まれていた」という。

『ハヤート』(4月4日付)などによると、ダマスカス県およびダマスカス郊外県では、6時間にわたりインターネットが停止する一方、携帯電話はほぼ不通状態となった、という。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、治安部隊がダイル・ザウル市で17人を逮捕した。

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ダルアー県では、活動家によると、ダルアー市の弁護士組合本部前で弁護士約50人がデモを行い、逮捕中の弁護士の釈放を要求した。

またダルアー市住民の一人によると、シリア当局は1日のデモに参加し逮捕されていた約90人を3日未明に釈放した。

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フェイスブックの「バッシャール・アサドに対するシリア革命」ページは、サファル大臣への組閣命令を受けて、段階的な抗議運動を呼びかけた。

この抗議行動は5日の各地での反体制デモ、6日の携帯電話会社へのボイコット、そして7日(バアス党創設記念日)のバアス党本部前でのデモからなる。

反体制勢力の動き

Kull-na Shurakāʼ, April 3, 2011
Kull-na Shurakaʼ, April 3, 2011

ハリール・マアトゥーク弁護士によると、司法当局は女性人権活動家のスハイル・アタースィー氏の保釈を決定した。

アタ-スィー氏は3月16日にダマスカス県の内務省本庁前での政治犯家族による座り込みを主導し逮捕されていた。

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『クッルナー・シュラカー』(4月3日付)によると、詩人のムハンマド・アラーッディーン氏はアサド政権によるデモ弾圧に抗議し、アラブ作家連盟の脱退を宣言した。

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在外シリア人約100人が連名で声明を出し、「シリアにおけるインティファーダ」支持を表明した。

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ロンドンのシリア大使館前で反体制活動からが自由を求めるデモを実施した。

デモ開始直後、アサド政権支持者約20人を乗せた車数台が現場に駆けつけ、デモ妨害を試みたが、警官隊に阻まれて失敗に終わった。

諸外国の動き

『クッルナー・シュラカー』(4月3日付)によると、オーストラリアのシドニーでアサド政権を支持するデモ行進が行われ、約5,000人が参加した。

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アサド大統領は、イラクのヌーリー・マーリキー首相から書簡を受け取った。

同書簡は「シリア・イラク二国間関係」に関するもので、「シリアの安定を標的とする陰謀に曝されるなかで、イラク政府が、シリアを支持することが確認されていた」という。

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米国は「政治的暴力や市民に対する暴力継続の可能性がある」との理由で、政府職員(大使館職員など)家族のシリア出国を認め、米国人のシリアへの渡航に対する警戒レベルを高めたと発表した。

AFP, April 3, 2011、Akhbar al-Sharq, April 3, 2011、al-Hayat, April 4, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 3, 2011、Reuters, April 3, 2011、SANA, April 3, 2011などをもとに筆者作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

政府が複数都市で大規模な逮捕作戦を実施、エルドアン首相はアサド大統領による改革プログラムを改めて支持(2011年4月2日)

反体制デモ

複数の都市で数千人が参加してデモが行われたのを受け、シリア治安部隊が大規模な逮捕を行った。

また、人権活動家によると、少なくとも9人が死亡した。

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複数の人権筋によると、治安部隊はダマスカス郊外県のドゥーマー市、ヒムス県のヒムス市、ダルアー県ダルアー市などで40人以上(「アフバール・シャルク」(4月3日付)によると60人以上)を逮捕した。

活動家が電話で語ったところによると、ドゥーマー市では治安部隊は依然として4人の遺体が家族に引き渡しされておらず、別の複数の人権筋がAFP(4月2日付)に語ったところによると、治安機関が同市で12人を逮捕した。

人権活動家がAFP(4月2日付)に述べたところによると、「治安部隊は今日(土曜日)、ダルアー市の裁判所前で数日前から続けられてきた座り込みを排除し、デモ参加者約10人を逮捕し、彼らをバスに載せて連行した」。

また人権活動家によると、サナマイン市でのデモ参加中に死亡した青年の葬儀がインヒル市で行われ、その際に治安部隊が参列者を逮捕した。

また別の活動家によると、逮捕者のなかには、建設技師のハーリド・ハサン氏、弁護士のハッサーン・アスワド氏、教師のイサーム・マハーミード氏が含まれている。

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「アフバール・シャルク」(4月3日付)は、ドゥーマー市庁前の広場に数百人が集まり、3日間のストライキを行うと宣言した。

反体制勢力の動き

シリア人権国民機構、シリア・クルド人権委員会(監視団)、シリア民主的自由人権擁護諸委員会、シリア人権機構(Maf)、シリア・クルド人権基本的自由擁護機構(DAD)、シリア・アラブ人権機構が共同声明を出し、デモ参加者への治安部隊による過剰な暴力行使を非難し、各地での犠牲者の氏名を公表した。

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タルトゥース県バーニヤース市のシャイフ、イマーム18人が共同声明を出し、自由を求める抗議行動を支持すると発表した。

アサド政権の動き

Youtubeは人民議会議員の一人が国会での答弁中、ダルアー市のデモ参加者に対して治安部隊が「容赦なく」発砲していると疑義を呈しているビデオを公開した。

Youtube
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ビデオには、ユースフ・アブー・ルーミーヤ・サアディー議員が映っており、彼は「ハウラーン地方で起きていることはバッシャール・アサド大統領への異議申し立てではなく、ダルアーの政治治安部高官の軽率さへの異議申し立てである。この軽率さによって、治安部隊がヘリコプターから降りるや否やダルアー市の市民に発砲し、複数の死者と負傷者をもたらした」と答弁した。

サアディー議員はまた「ハウラーン地方住民は忠誠心、愛国心、献身さを特徴としているが、残念なことに、国全体から治安部隊がダルアーに動員され、それによって容赦なく次から次へと殺戮が行われた」と述べた。

さらに「ハウラーン住民は、大統領が実際に来て、住民に謝罪し、弔意を示すことを待っている」と述べ、「このことがなされていれば、ハウラーンでは多数の死傷が出ただけで、何も起きなかったはずだ」と付け加えた。

サアディー議員(75歳)はダルアー県ダイル・アダス村出身で、1991年に人民議会初当選し、以降再選を繰り返している。

Youtubeにビデオを掲載したユーザーによると、このビデオは3月27日に招集された人民議会の様子だという。

http://www.youtube.com/watch?v=LccRKthrfF0

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ムハンマド・ハバシュ人民議会議員(無所属)はDP-News(4月2日付)に対して、「改革の遅れが現下の危機をもたらした」としたうえで、「近い将来実現されるであろう戒厳令解除により、国民のデモ実施は文民支配のもと合法的な権利となるだろう」と述べた。

諸外国の動き

『イディオト・アハロノト』インターネット版(4月2日付)は、ゴラン高原出身の約2,000人のドゥルーズ派宗徒が、反体制デモに直面するバッシャール・アサド大統領を支持するデモを実施したと報じた。

デモ参加者は、シリア国旗とアサド大統領の写真を掲げてバカアーター村でデモ行進を行った。

デモ参加者の一人、ユースフ・サファディー氏は同紙に対して、「我々は、自分たちの国の大統領への支持を表明するためにここに来た。彼の支配のありように干渉しようとする者がいるなかで…」と述べた。

イスラエル警察は、通行する車をデモから遠ざけただけで、デモに介入しなかった。

なおシリアで暮らすゴラン高原の住民は、3月31日の声明で、シリア国民への支持を表明し、改革を求めていた。

住民47人が署名した声明では、「我々の国民的、人道的、道徳的義務により、我々は処刑者に対する国民と完全に同盟しなければならず、国民の声に共鳴せねばならない」との姿勢が明示されていた。

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パレスチナのハマースは声明を出し、「シリアの指導部と国民が暗い状況下にあってもパレスチナのレジスタンスを護ってきた」点に着目し、「同胞であるシリア」の側を支持することを確認した。

また「レジスタンスへの確固たる支援に対するあらゆる圧力に」ダマスカスが立ち向かっているとの見解を示した。

声明によると、「シリアは指導部、国民ともに、パレスチナ人民のレジスタンスとその合法的な権利を支持してきた。パレスチナのレジスタンス勢力、とりわけハマースを護り、暗く困難な状況下にあっても支えになってくれた。大いなる危険や挑戦に対処し、地域において異議申し立てとレジスタンスへの確固たる支援を行い、パレスチナ、その人民、そしてとくにレジスタンスを支え、民族とその利益を守るべく、あらゆる圧力に立ち向かってくれた」との意思を明らかにした。

またシリアが「国民の希望を実現し、シリアの安定と国内の結束を維持し、抵抗の隊列におけるその役割を強化すべく、現状を」克服することへの期待を表明し、「我々は同胞であるシリアの指導者、国民の側に立つ」ことを確認した。

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トルコの外務省報道官は、シリアの安定に抵触する「いかなる行動、振る舞い」も拒否することを確認するとともに、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相が「バッシャール・アサド大統領が指導する改革への完全なる支持」を改めて表明した。

トルコの複数の日刊紙が伝えたところによると、首相はロンドンからの帰路、同行する記者団に対してアサド大統領と電話会談を行い、シリア国民が要求している改革実施を通じて混乱収束をめざすよう求めたと述べた。

また「内閣交代の他にも、戒厳令廃止、政治犯釈放、新憲法(準備)といった期待がある」と述べるとともに、「これらの期待が実現しなければ、我々はそのことをアサド大統領に月曜日に伝えるだろう」と付け加えた。

さらに混乱を回避してシリア国境から避難民が押し寄せる危険にトルコが直面しているかとの問いに対して、「そうなることを望んでいない…。しかし望み通りにならなければ、我々にとって問題が発生することになる」と答えた。

一方、トルコ外務省のセルチュク・オナル報道官は、トルコがシリアの安定に抵触したり、改革の意思を害するようないかなる行動も拒否すると述べた。

そのうえで、シリアの政権が変革と改革を自ら主導することに信頼を寄せた。

この発言は、シリア・ムスリム同胞団のリヤード・シャファカ最高監督者が金曜日にイスタンブールで行った記者会見に関する質問への答えとしてなされた。

記者会見でシャファカ最高監督者は、シリア国民がアサド体制に対し蜂起するだろうと発言していた。

ムスリム同胞団の指導者たちは最近、シリア人、エジプト人を含め、イスタンブールの記者会見に姿を見せるようになっているが、これは与党の公正発展党に近いトルコのイスラーム組織の招待によるもので、トルコの一部の政治・メディア筋は、アンカラが各国で起きている革命でこれらの政党を間接的に支援しているとみなすようになっている。

こうした事情を踏まえて、外務省報道官は祝日にもかかわらず、シリア・ムスリム同胞団の声明に対してコメントを行い、アンカラが国内メディアという狭い枠内でこうした訪問が報じられることに慣れ、これらの指導者の視点を取り入れることはないとの立場を示しつつも、声明に当惑しているとの姿勢を示そうとしたと思われる。

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レバノンのミシェル・スライマーン大統領は、レバノン・シリア最高会議のナスリー・フーリー議長と会談し、アサド政権の危機克服能力を信頼していると述べた。

ベカーア県ヘルメル郡のシリア国境沿いに位置するカスル村、フーシュ・サイイド村でアサド大統領を支持するデモが行われ、数百人が参加した。

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事務総長報道官によると、潘基文国連事務総長は、「シリアの状況に深い懸念」を表明し、「平和的にデモを行う人々への暴力」の行使を非難、「その即時停止を呼びかける」とともに、「政府に対して人権に関する国際的な義務を尊重するよう」求めた。

また事務総長報道官は、潘事務総長が改革実施へのシリアの意思を認知しているとしつつ、「シリア国民の合法的な希望に沿う包括的改革には即時対話以外にないと考えている」と述べた。

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AFP(4月2日付)によると、3月29日に失踪したロイター通信のヨルダン人記者ハーリド・ハリーリー氏(写真家)が釈放された。

またロイター通信(4月2日付)は、シリア当局が5日前に逮捕したロイター通信記者のハーリド・ハリーリー氏の安否に関して懸念を表明し、「我々は彼を無事帰宅させるようシリア当局に緊急の援助を求め続けている」と述べたと報じた。

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SANA(4月2日付)によると、カタールのハマド・ビン・ジャースィム首相兼外務大臣は、ハマド・ビン・ハリーファ首長の書簡をアサド大統領に送付した。

同書簡は、シリアに対する陰謀に対してカタール政府がシリア支持の立場をとることが記されていた、という。

AFP, April 2, 2011、Akhbar al-Sharq, April 2, 2011, April 3, 2011、DP-News, April 2, 2011、al-Hayat, April 3, 2011, April 4, 2011、Kull-na Shuraka‘, April 2, 2011、Naharnet,
April 2, 2011、Reuters, April 2, 2011、SANA, April 2, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

カーミシュリー市を含む複数都市で新たに数百人規模のデモが発生、カラダーウィー氏は起訴へ(2011年4月1日)

反体制デモ

ダマスカス郊外県各地、ハサカ県カーミシュリー市、ラタキア県ラタキア県、タルトゥース県バーニヤース市、ダルアー県のダルアー市、サナマイン市など複数の都市で、金曜礼拝の直後に再び数百人規模のデモが発生した。

バッシャール・アサド大統領が水曜日(30日)に人民議会で行った演説で示した改革の限定的なイニシアチブを拒否する動きである。

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複数の目撃者と人権活動家が明らかにしたところによると、デモに対する治安部隊の発砲で、ダマスカス郊外県のドゥーマー市で少なくとも8人が、ダルアー県で9人が殺害された。

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クルド人が住民の大多数を占めるハサカ県では、カーミシュリー市で数百人がデモを行った。

これは自由を求めるデモの波が及んで以降初めてのことである。

クルド人権委員会会長で活動家のラディーフ・ムスタファー氏はAFP(4月1日付)に対して、「カーミシュリーとアームーダーで数百人がデモを行い、自由を求めた」。

ムスタファー氏によると、3月15日にシリアで集会が始まって以降、この地域で「このようなデモが起きるのは初めて」であり、デモ参加者は「我々は国籍(取得)を唱道するのではなく、自由を唱道する」というプラカードを掲げ、「アッラー、シリア、自由のみ」、「平和的に…平和的に」と連呼した。

また「治安部隊は彼らに対峙しなかったが、バイクを運転する何人かの体制支持者がデモ参加者を挑発し、衝突を避けるかたちでデモ参加者は排除されていった」。

「ハサカ(ダマスカス北東部600キロに位置)でも、約200人が参加してデモが行われ」、「治安部隊によって排除されたが、逮捕者はでなかった」。

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ダルアー県では、目撃者が電話で述べたところによると、約3,000人が金曜の礼拝後にダルアー市の複数のモスクから街頭に出てデモを行い、治安部隊に投石し、催涙ガスでの反撃を集中的に受け、発砲前に強制排除された。

同目撃者によると、多くの住民は家にとどまり、治安部隊は家々の屋上に狙撃手を配置し、外出するすべての者に発砲した。

また死者数は10人を越えたが、身元が判明しているのは以下6人だけだという――イブラーヒーム・マビード、アフマド・ラジャブ、フアード・バッラー、ムハンマド・アラーヤー、ナイーム・ムカッディム、アンマール・ティーナーウィー。

この6人に加え、死者のなかには、イーサー家、フーリー家の子息が2人含まれており、「また数十人が負傷し、数十人が治安部隊に逮捕された」。

一方、ダルアー県裁判所前でも数千人がデモを行い、自由と「挙国一致」を求めた。

人権活動家が明らかにしたところによると、ダルアー市近郊のサナマイン市では、ヤースィル・シャムリー氏という20代の青年が治安部隊の発砲により町の入り口で殺された。

同活動家によると、死亡した青年は、隣接するインヒル市、ジャースィム市から他のデモ参加者とともにサナマイン市に来ており、治安部隊は彼らを排除すべく発砲した。

またジャースィム市から来た別のデモ参加者2人も殺されたが、死者の身元は明らかでない。

なお3月半ば以降デモの中心となっているダルアー県では、当局の発表によると少なくとも30人が、アムネスティ・インターナショナルの発表によると55人が、ヒューマン・ライツ・ウォッチの発表によると70人以上が、活動家の発表によると130人が死亡したという。

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ダマスカス県でも、約600人のデモ参加者がカフルスーサ区のモスクの門を自ら閉鎖し、治安部隊の攻撃を恐れながら礼拝を行った。

参加者の一人がAFP(4月1日付)の取材に電話で応えたところによると、「約600人がモスクのなかにいたが、礼拝者がデモを行い、自由を要求しようとしたのを受け、治安部隊の攻撃を恐れて外に出ようとしなかった」。

またバルザ区でも自由を求めるデモが発生した。

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Akhbar al-Sharq, April 1, 2011
Akhbar al-Sharq, April 1, 2011

ラタキア県では、ラタキア市のサリーバ地区で約200人がデモを行ったが、活動家がAFP(4月1日付)に述べたところによると、治安部隊は強制排除しなかった。

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SANA(4月2日付)は、ダルアー市、ラタキア市で礼拝を終えた人々が集まり、「複数の県の多くのモスク前の広場で、金曜礼拝後に、礼拝を済ました人々が集まり、挙国一致、治安と安全の維持、混乱の根絶を求めて」シュプレヒコールをあげた。

礼拝を終えた人々は「暴動発生や、祖国と市民の治安悪化を回避しようとする雰囲気に包まれていた」という。

一方、礼拝を済ませた多くの人々がダルアー市、ラタキア市のモスクから出て、「殉教者への哀悼の意を連呼し、改革実施の加速を求めた」。

また「この集会で礼拝者と治安部隊との間に衝突は発生せず」、「市民には、扇動者が礼拝後の集会を利用しようとするのを抑える役割を果たそうとする意思があった」と続けた。

デモ弾圧による死者に関しては、SANA(4月2日付)は武装集団がデモ参加者と治安部隊に発砲したと報じた。

SANA(4月2日付)はまた、モスクの説教師が「愛するべき我らが国民を特徴づける意思とは混乱を根絶しようとする際に信頼にたるものであり、シリアはアラブ性とイスラームの敵を退ける国家たり続けるだろう。いかなる者もその力、確固たる立場、原則を打ち砕くことはできない。いかなる挑戦がなされ、敵が単一の民族の成員の間に混乱の火を燃え上がらせようとしても…と述べた」と報じた。

SANAによると、説教師らは「混乱の根絶は合法的、宗教的、国民的義務であると明言し、もし祖国が全市民にとっての家であるなら、家やその成員に対する攻撃は、祖国全体への攻撃を意味すると述べた」。

また彼らは「外国に扇動された者たちによって多くの県の一部の地域が直面し、祖国と国民の安全を標的とし、罪もない多くの犠牲者を出した暴動に反対しており」、「すべての人の要求であるニーズや改革と混同しないよう」呼びかけたと報じた。

イマームや説教師は国民に「混乱に反対、挙国一致に賛成」という自らの言葉を伝えた。

反体制勢力の動き

ハイサム・マーリフ氏はAKI(4月1日付)の取材に対して、「シリア政府は人々の要求に応えるようなことは行わないだろう。今行っているのは時間稼ぎに過ぎない…。委員会設置は何の意味もない。なぜ委員会が設置され、それが何らかの結果を導出するまでシリア人が待たなければならないのか…」と述べ、戒厳令の即時解除を改めて求めるとともに、国民の要求が満たされるまで抗議行動は続くだろうと強調した。

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シャーム・ニュース・ネットワーク(4月1日付)は、3人の若者が、アサド大統領への忠誠を示すため、モスクで礼拝するように正座し、大統領の写真に接吻する映像を公開した。

Akhbar al-Sharq, April 1, 2011
Akhbar al-Sharq, April 1, 2011

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シリア・クルド・イェキーティー党の欧州地域委員会は声明を出し、「民衆のインティファーダ」への支持を表明した。

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シリア人権委員会は声明を出し、デモ参加者へのアサド政権による過剰な暴力行使、モスクなどへの突入を非難した。

アサド政権の動き

ダマスカス大学法学部評議会は、金曜礼拝での演説でシリア国内の宗派主義的亀裂を助長しようとしたとの容疑でユースフ・カラダーウィー氏を起訴することを決定した。

なおこれに先立ってユースフ・カラダーウィーはカタールのドーハのモスクで「バアス党はサッダーム・フセインとともに終わった、全体主義政党の時代は終わった」と述べ、シリア政府による弾圧を改めて批判していた。

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シリア・アラブ・テレビは、米国籍のエジプト人逮捕者ムハンマド・ラドワーン氏釈放が「自供する」映像を放映した。

同逮捕者は、イスラエルを訪問し、金銭を報酬としてイスラエルの諜報機関にシリアでのデモの写真を送ることを任されたと述べていた。

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シリアテル社は、通話料を60分間無料にするとSMSで利用者に送信した。

期間は4月2日から6日までの5日間。

諸外国の動き

レバノンのウマル・カラーミー元首相はアサド大統領と電話会談を行った。

元首相の事務所によると、この会談でカラーミー副首相はこの会談で、「シリアに害を与えようとする陰謀への非難」の意を示すとともに、事件に対する節度をもった政府の対応を評価したと発表した。

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ヨルダン・ムスリム同胞団は声明を出し、アサド政権に国民の要求に応えるよう呼びかけた。

ヨルダン高官がAFP(4月1日付)に明らかにしたところによると、「ロイター通信のアンマン支局で勤めるヨルダン人ジャーナリストのスライマーン・ハーリディー氏が火曜日(29日)にシリアで逮捕された」。

またAFPは4日前にダマスカスで失踪したカメラマンのハーリド・ハリーリー氏との連絡がとれていないと述べた。

シリア当局は先週金曜日、ロイター通信の特派員、シリアの事務所に勤務していたヨルダン人ジャーナリストのハーリド・ウワイス氏を国外退去処分にしている。

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米国務省はシリア当局が身柄拘束されていた米国人2人を釈放したと発表した。

国務省のマーク・トーナー副報道官は記者団に対し「シリアで数日間身柄拘束されていた米国人2人の釈放を確認した。2人のプライバシーに配慮し、これ以上の情報は開示できない」と述べた。

AFP, April 1, 2011、AKI, April 1, 2011、Akhbar al-Sharq, April 1, 2011, April 2, 2011、Alarabia.net, April 1, 2011、al-Hayat, April 2, 2011、Kull-na Shuraka’, April 1, 2011, April 2, 2011、Reuters, April 1, 2011などをもとに参照。

(C)青山弘之All rights reserved.