米主導の有志連合がイドリブ県を中心とする反体制派支配地域を爆撃し、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構の司令官6人を含む8人を殺害(2019年6月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合と思われる航空部隊が早朝(4時20分頃)、県西部のアレッポ市ムハンディスィーン地区郊外を爆撃し、新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラース・ディーン機構の司令官6人が死亡した。

爆撃はフッラース・ディーン機構の幹部会合を狙ったもので、8人が死亡、うち2人がアルジェリア人司令官、2人がチュニジア人司令官、1人がエジプト人司令官、1人がシリア人司令官だという。

ANHA(7月1日付)によると、殺害されたのはアブー・フィダー・トゥーニスィー、アブー・アムル・トゥーニスィー、アブー・ドゥジャーナ・トゥーニスィー、アブー・ヤフヤー・ジャザーイリー、アブー・ザッル・ミスリー、アブー・イブラーヒーム・シャーミー。

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これに関して、反体制派系のドゥラル・シャーミーヤ(6月30日付)は、戦闘機がトルコ南部にあるNATOのインジルリク航空機を離陸し、爆撃を行ったと伝えた。

また、カタールのアル=ジャズィーラ・チャンネル(6月30日付)も、有志連合の複数の情報筋が、シリア北部の複数カ所に対して爆撃を行ったことを認めたと伝えた。

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ANHA(7月1日付)は、殺害された司令官は、ハマー県北部でシリア軍と戦うことを拒否していために、有志連合の爆撃を受けたと伝えた。

AFP, June 30, 2019、Aljazeera.net, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、July 1, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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トランプ大統領「シリア民主軍支配地域へのトルコの侵攻を食い止めた」:エルドアン大統領「シリアでテロ組織を支援している同盟国がある」(2019年6月30日)

ドナルド・トランプ米大統領は、G20に出席するために訪問中の大阪で、シリア情勢について、トルコによるシリア北東部への侵攻を止めさせたと発表した。

トランプ大統領によると「米国は、(人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるユーフラテス川東岸の国境地帯全域を制圧しようとしたトルコの軍事作戦を止めさせた」、「トルコはクルド人を攻撃する用意があったが、私が介入し、トルコの大統領にそうするのを止めさせた」という。

トランプ大統領によると「レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はシリア北東部のクルド人を殲滅しようとしていたが、そのようなことはできないと彼に伝え、彼はそうしたことを行わなかった」のだという。

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これに対して、大阪に滞在中のエルドアン大統領は記者会見で「トルコの同盟国の一部がシリア国内でのテロ攻撃を支援している」と述べ、米国を暗に批判した。

エルドアン大統領は「我々の同盟国の一部が、民族浄化、住民の強制退去などといった行為を犯してきたクルディスタン労働者党(PKK)、人民防衛隊(YPG)といったグループを支援している…。深刻な問題、深刻な矛盾だ」と述べた。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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クナイトラ県でシリア軍治安部隊がホワイト・ヘルメットの元メンバー2人を逮捕(2019年6月30日)

クナイトラ県では、ハウラーン自由人連合のフェイスブック・アカウント(HFL、6月30日付)によると、シリア軍がラスム・ハラビー村で強制捜査を行い、ホワイト・ヘルメットの元メンバー2人を逮捕した。

強制捜査を行ったのは軍事情報局で、逮捕されたのはビラール・シュバト氏、アラー・シュバート氏の2人。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、HFL, June 30, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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ユーフラテス石油会社:2011年3月以降の混乱での石油部門の被害額は145億5000万米ドル(2019年6月30日)

ユーフラテス石油会社は、2011年3月以降の混乱によってシリアの石油部門が直接、間接に被った被害額が145億5000万米ドルにのぼるとする報告書を発表した。

このうち、ダイル・ザウル県南東部のウマル油田とタナク油田が被った物的被害額は2019年第1四半期の段階で3億3200万ドルに達しているという。

なお、同社は2019年の年間計画において、7000バレル/日の石油生産をめざすとともに、ティーム油田、ニーシャーン油田、シューラー油田を緊急に復旧する予定だという。

『ワタン』(6月30日付)が伝えた。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019、al-Watan, June 30, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局のアサーイシュは親政権民間テレビ局の記者を放火容疑で拘束(2019年6月30日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月30日付)によると、北・東シリア自治局の内務治安部隊(アサーイシュ)が、親政権民間テレビ局イフバーリーヤ・チャンネルのムハンマド・サギール記者を拘束した。

サギール記者は県内の麦畑に放火した容疑で拘束されたという。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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ヒムス県タドムル市近郊でアフガン人民兵からファーティミーユーン旅団の戦闘員10人失踪(2019年6月30日)

ヒムス県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月30日付)によると、アフガン人民兵からファーティミーユーン旅団の戦闘員10人が、シリア軍の展開するタドムル市近郊で失踪した。

失踪の理由は不明。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアフリーン郡で反体制派が女性、老人、子供300人以上を拘束、連行(2019年6月30日)

アレッポ県では、ANHA(6月30日付)によると、トルコ占領下のアフリーン郡ムーバーター村でトルコの支援を受ける反体制武装集団が強制捜査を行い、女性、老人、子供300人以上を拘束、連行した。

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ハサカ県では、ANHA(6月30日付)によると、トルコ軍国境警備隊がダイリーク市近郊のバーティルザーン村で農作業を行っていた住民2人に発砲、重傷を負わせた。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のバーブ市で反体制派がダーイシュのスリーパー・セルのメンバー2人を殺害(2019年6月30日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の県北部(ユーフラテスの盾地域)にあるバーブ市で、反体制武装集団がダーイシュ(イスラーム国)のスリーパー・セルを追跡、戦闘の末に司令官2人を殺害した。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県、ハマー県、アレッポ県、ラタキア県でシリア軍と反体制派の戦闘続く(2019年6月30日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから60日目となる6月30日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より3人(民間人2人、シリア軍兵士0人、反体制武装集団戦闘員1人)増えて2,079人となった。

うち、534人が民間人(女性105人、子供134人を含む)、707人がシリア軍兵士、838人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は64回を記録、ロシア軍も25回の爆撃を行った。

またシリア・ロシア両軍の地上部隊による砲撃は470発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタフタナーズ市、カフルサジュナ村、ラカーヤー村、サルジャ村、マダーヤー村、ハーン・シャイフーン市、アリーハー市一帯、カフル・マズダ村一帯、ヒーシュ村、ウライニバ村、カッサービーヤ村、マアッルズィーター村、アービディーン村灌木地帯、ハザーリーン村に対して爆撃を実施した。

ロシア軍もウライニバ村、フバイト村、ハーン・シャイフーン市、アーミリーヤ村を爆撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアルバイーン村、サイヤード村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および西部の戦闘地帯を砲撃した。

ロシア軍もジャビーン村、タッル・ミルフ村、ジュッブ・スライマーン村、ザカート村、サイヤード村、カフルズィーター市を爆撃した。

一連の爆撃により、アーミリーヤ村で子供2人が死亡した。

一方、SANA(6月30日付)によると、シャーム解放機構がシリア政府支配下のムハルダ市、アズィーズィーヤ村、ブライディージュ村を砲撃し、民家などに被害が出た。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でバウワービーヤ村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県西部の戦闘地帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯の戦闘地域を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(ラタキア県6件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(ハマー県5件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 30, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから379人、ヨルダンから1,115人の難民が帰国、避難民20人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年6月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月30日付)を公開し、6月29日に難民1,494人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは379人(うち女性114人、子供194人)、ヨルダンから帰国したのは1,115人(うち女性335人、子供569人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は283,253人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者95,110人(うち女性28,687人、子ども48,427人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者188,143人(うち女性56,477人、子ども95,942人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 512,533人(うち女性153,822人、子供261,291人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

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一方、国内避難民20人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは20人(うち女性3人、子供6人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は44,756人(うち女性14,416人、子供20,404人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,301,293人(うち女性392,537人、子供650,108人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した20人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 30, 2019をもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍は抗議デモ阻止と住民の武器を押収するため増援部隊派遣(2019年6月29日)

ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月30日付)によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がブサイラ市一帯に増援部隊を派遣した。

複数の地元情報筋によると、増援部隊の派遣は、同地での抗議デモ阻止と住民の武器を押収することが目的だという。

AFP, June 30, 2019、ANHA, June 30, 2019、AP, June 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 30, 2019、al-Hayat, July 1, 2019、Reuters, June 30, 2019、SANA, June 30, 2019、SOHR, June 30, 2019、UPI, June 30, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍はハマー県シール・マガール村にある監視所に増派するも、シリア軍が再び砲撃(2019年6月29日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシール・マガール村にあるトルコ軍の監視所を再び砲撃した。

トルコ軍側に死傷者はなかった。

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トルコ国防省は声明を出し、シール・マガール村にあるトルコ軍監視所(第10監視所)が、シリア政府支配地域からのシリア軍の砲撃を受け、砲弾3発を被弾したと発表した。

声明によると、この砲撃による死傷者はなかった。

アナトリア通信(6月29日付)が伝えた。

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ハマー・メディア局(HMO、6月29日付)によると、トルコ軍は、兵士1人が死亡、3人が負傷した27日のシリア軍によるシール・マガール村の監視所への砲撃を受けて、29日に同地に増援部隊を派遣していた。

AFP, June 29, 2019、Anadolu Ajansı, June 29, 2019、ANHA, June 29, 2019、AP, June 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2019、al-Hayat, June 30, 2019、HMO, June 29, 2019、Reuters, June 29, 2019、SANA, June 29, 2019、SOHR, June 29, 2019、UPI, June 29, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県でシャーム解放機構に追い詰められたダーイシュ・メンバーが自爆(2019年6月29日)

イドリブ県では、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(6月29日付)によると、サルミーン市で、シャーム解放機構の治安部隊の追跡によって追い詰められたダーイシュ(イスラーム国)のスリーパー・セルのメンバー1人が自爆した。

AFP, June 29, 2019、ANHA, June 29, 2019、AP, June 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2019、al-Hayat, June 30, 2019、Reuters, June 29, 2019、SANA, June 29, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, June 29, 2019、SOHR, June 29, 2019、UPI, June 29, 2019などをもとに作成。

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アレッポ県サフィール市近郊で治安当局がクルド人150人以上を拘束(2019年6月29日)

ANHA(6月29日付)は、空軍情報部がアレッポ県サフィール市東部のタッルアラン村、タッル・ハースィル村で数日前から住民の摘発活動をこれまでに150人以上が拘束されていると伝えた。

拘束された住民はクルド人で、摘発活動は今も続いているという。

AFP, June 29, 2019、ANHA, June 29, 2019、AP, June 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2019、al-Hayat, June 30, 2019、Reuters, June 29, 2019、SANA, June 29, 2019、SOHR, June 29, 2019、UPI, June 29, 2019などをもとに作成。

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ハマー県で新興のアル=カーイダ系武装連合組織「信者を煽れ」作戦司令室がロシア軍の偵察用小型無人航空機を撃墜(2019年6月29日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから59日目となる6月29日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より6人(民間人0人、シリア軍兵士6人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,076人となった。

うち、532人が民間人(女性105人、子供132人を含む)、707人がシリア軍兵士、837人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は75回を記録、ロシア軍も13回の爆撃を行った。

またシリア・ロシア両軍の地上部隊による砲撃は600発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルサジュナ村、カフルシャラーヤー村、アブー・ライーダ村、ウンム・ザイトゥーナ村、タッルアース村、アーミリーヤ村、カフル・アイン村、マダーヤー村、カンスフラ村、マアッラト・マーティル町、マシューン村、ヒーシュ村、フバイト村、アブディーター村、ハザーリーン村、マアッラト・ハルマ村、マアッルズィーター村、ナキール村、ハーン・シャイフーン市一帯、イフスィム町、マルイヤーン村、バルユーン村、ジャバーラー村、ラカーヤー村、シャイフ・ムスタファー村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフル・アイン村、ウンム・ザイトゥーナ村、マダーヤー村、カフルサジュナ村一帯、フバイト村一帯に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊がバアルブー村一帯を砲撃した。

ロシア軍もフバイト村、ウライニバ村、ストゥーフ・ダイル村を爆撃した。

一方、SANA(6月29日付)によると、シリア軍がナキール村、フバイト村からシャイフ・ムスタファー村、ラカーヤー村、トゥラムラー村、カフルサジュナ村にいたる回廊地域でシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタッル・ミルフ村、ジャビーン村、カフルズィーター市、ジャイサート村、ラターミナ町、ザカート村に対して爆撃を実施、地上部隊がカフルズィーター市、ラターミナ町、ジャビーン村、タッル・ミルフ村、アルバイーン村、ハスラーヤー村、カストゥーン村、ザカート村などを砲撃した。

ロシア軍もジャビーン村、タッル・ミルフ村を爆撃した。

一方、SANA(6月29日付)によると、シリア軍がタッル・ミルフ村、ワーディー・ウスマーン、ザカート村にあるシャーム解放機構、イッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。

他方、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室が声明を出し、県西部のガーブ平原でロシア軍の偵察用小型無人航空機(ドローン)を撃墜したと発表、その写真を公開した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がザンマール町、ジャズラーヤー村、アレッポ市ラーシディーン地区、ハイヤーン町を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯、トルコマン山一帯を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(ハマー県)確認した。

AFP, June 29, 2019、ANHA, June 29, 2019、AP, June 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2019、al-Hayat, June 30, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 29, 2019、Reuters, June 29, 2019、SANA, June 29, 2019、SOHR, June 29, 2019、UPI, June 29, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから504人、ヨルダンから1,328人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月29日付)を公開し、6月28日に難民1,832人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは504人(うち女性140人、子供238人)、ヨルダンから帰国したのは1,328人(うち女性335人、子供569人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は281,759人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者94,731人(うち女性28,573人、子ども47,976人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者187,028人(うち女性56,142人、子ども95,373人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 511,039人(うち女性131,057人、子供222,613人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 29, 2019をもとに作成。

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ダイル・ザウル県で密輸での収益の分配をめぐってシリア民主軍の戦闘員どうしが撃ち合いに(2019年6月28日)

ダイル・ザウル県では、ダイル・ザウル24(6月28日付)によると、ズィーバーン町で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の戦闘員どうしが、密輸で得た収益の分配をめぐって口論となり、撃ち合いとなった。

衝突は、「ザルダシュト」を名のる司令官が同地の通行所を管理するようになり、石油などの密輸にかかる「手数料」を値上げしたことに端を発しているという。

AFP, June 29, 2019、ANHA, June 29, 2019、AP, June 29, 2019、Dayr al-Zawr 24, June 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2019、al-Hayat, June 30, 2019、Reuters, June 29, 2019、SANA, June 29, 2019、SOHR, June 29, 2019、UPI, June 29, 2019などをもとに作成。

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ダルアー県カラク村などでアサド政権に対する抵抗継続を呼びかけるビラが貼られる(2019年6月28日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月28日付)によると、シリア政府支配下のカラク村の壁に、アサド政権に対する抵抗の継続や従軍拒否を呼びかけるビラが貼られているのが発見された。

ビラには「アッラーの許しのもと、勝利するまで、殉教者のために復讐を果たすまで、(抵抗を)続ける」、「我々は見下されない」、「自身の身、尊厳、宗教を売り渡した者へ、我々はお前達を見ている。次に来るのは嘆かわしく、苦しい時だ」などと書かれている。

同様のビラはサフム・ジャウラーン村でも貼られたという。

AFP, June 28, 2019、ANHA, June 28, 2019、AP, June 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2019、al-Hayat, June 29, 2019、Reuters, June 28, 2019、SANA, June 28, 2019、SOHR, June 28, 2019、UPI, June 28, 2019などをもとに作成。

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アフリーン解放軍団はトルコ占領下のアフリーン郡で反体制武装集団戦闘員14人を殺害(2019年6月28日)

アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、26日と27日に、トルコ占領下のアフリーン郡各所でトルコの支援を受ける反体制武装集団の拠点、車列を攻撃、戦闘員14人を殺害したと発表した。

攻撃は、アフリーン市・バースータ村間の街道、カッバーシーン村近郊で行われた。

ANHA(6月28日付)が伝えた。

AFP, June 28, 2019、ANHA, June 28, 2019、AP, June 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2019、al-Hayat, June 29, 2019、Reuters, June 28, 2019、SANA, June 28, 2019、SOHR, June 28, 2019、UPI, June 28, 2019などをもとに作成。

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ハマー県、イドリブ県でシリア軍と「必勝」作戦司令室(シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍など)の激戦が続き多数が死傷、シリア軍戦闘機が被弾(2019年6月28日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから58日目となる6月28日、シリア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より106人(民間人0人、シリア軍兵士59人、反体制武装集団戦闘員47人)増えて2,070人となった。

うち、532人が民間人(女性105人、子供132人を含む)、701人がシリア軍兵士、837人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は220回を記録した。

またシリア・ロシア両軍の地上部隊による砲撃は1,100発におよんだ。

ロシア軍の爆撃は確認されなかった。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、県北部のジャビーン村、タッル・ミルフ村一帯で、シリア軍とシャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる反体制武装集団が激しく交戦、双方に多数の死者が出た。

シリア軍は同地に対して激しい爆撃を加える一方、シリア・ロシア両軍地上部隊は同地に加え、カフルズィーター市、ラターミナ町、ハスラーヤー村、ザカート村、アルバイーン村、ブワイダ村、アブー・ライーダ村を砲撃した。

一方、SANA(6月28日付)によると、シリア軍がジャビーン村一帯、タッル・ミルフ村一帯、ラターミナ町一帯、ザカート村一帯、ハスラーヤー村一帯、アブー・ライーダ村一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

これに対して、ANHA(6月28日付)によると、反体制武装集団もカブル・フィッダ村一帯のシリア軍拠点を数十回にわたり砲撃した。

また、「必勝」作戦司令室の軍事筋は、ドゥラル・シャーミーヤ(6月28日付)に対して、同作戦司令室の防空部隊が、シリア軍のL-39戦闘機を地対空ミサイルで攻撃し、損害を与えたことを明らかにした。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルナブル市に対して爆撃を実施し、民間人5人が負傷した。

一方、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市では、中心街に位置するフルカーン・モスク近くで爆弾が爆発し、1人が死亡、1人が負傷した。

また、サラーキブ市でも国民解放戦線の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が負傷した。

さらに、タフタナーズ市では、自由人軍の司令官の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、複数人が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、カフルナワーン町でシャーム解放機構の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、戦闘員5人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を8件(アレッポ県2件、ラタキア県4件、ハマー県1件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を12件(イドリブ県1件、ハマー県11件)確認した。

AFP, June 28, 2019、ANHA, June 28, 2019、AP, June 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2019、al-Hayat, June 29, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 28, 2019、Reuters, June 28, 2019、SANA, June 28, 2019、SOHR, June 28, 2019、UPI, June 28, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから402人、ヨルダンから996人の難民が帰国、避難民0人が帰宅(2019年6月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月28日付)を公開し、6月27日に難民1,398人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは402人(うち女性49人、子供84人)、ヨルダンから帰国したのは996人(うち女性265人、子供450人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は279,927人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者94,227人(うち女性28,421人、子ども47,976人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者185,700人(うち女性55,744人、子ども94,696人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 509,207人(うち女性139,861人、子供237,569人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 28, 2019をもとに作成。

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米主導の有志連合はシリア空爆で「意図せず死亡したとされる民間人」は2019年5月末の段階で1,319人(2019年6月29日)

有志連合CJTF-OIR(「生来の決戦作戦」統合任務部隊)は、2014年8月から2019年5月までにシリア、イラク両国領内での航空作戦に伴う民間人犠牲者発生にかかる77件の新たな報告を受け、すでに報告されている111件と併せて調査を行い、29件の調査を完了した。

調査を完了した29件のうち13件で意図せずに民間人17人が死亡したことが確認された。

159件については調査が継続される。

なお、2014年8月から2019年5月までに有志連合が実施した空爆34,514回によって、意図せず犠牲となったことが確認される民間人の数は1,319人となった。

CENTCOM, June 28, 2019をもとに作成。

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ダルアー県サナマイン市で若者がアサド大統領のポスターを破り捨てる(2019年6月27日)

ダルアー県では、オリエント・ニュース(6月27日付)などによると、サナマイン市の農業センターの玄関に飾られているアサド大統領のポスターを若者2人が破り捨てる映像がインターネットを通じて公開された。

映像は26日に撮影されたもの。

AFP, June 28, 2019、ANHA, June 28, 2019、AP, June 28, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2019、al-Hayat, June 29, 2019、Reuters, June 28, 2019、SANA, June 28, 2019、SOHR, June 28, 2019、UPI, June 28, 2019などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織と親トルコ反体制派はハマー県北部でシリア軍拠点への攻勢を強め、兵士を処刑する写真を公開(2019年6月27日)

ハマー県では、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室がアトシャーン村でシリア軍兵士数十人を殺傷したと発表、シリア軍兵士と思われる男性を処刑した写真を公開した。

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なお、「革命のサヨナキドリ」、「革命のゴールキーパー」と称され、ドキュメンタリー映画「それでも僕は帰る」などに出演していたアブドゥルバースィト・サールート氏(6月8日にハマー県北部でのシリア軍との戦闘で戦死)を追悼するバナーを立ち上げている反体制派系サイトのザマーン・ワスル(6月27日付)によると、新興のアル=カーイダの連合体である「信者を煽れ」作戦司令室と、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構とトルコが後援する国民解放戦線からなる「必勝」作戦司令室は、カッサービーヤ村でシリア軍の拠点に対する攻勢を強化した。

AFP, June 27, 2019、ANHA, June 27, 2019、AP, June 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2019、al-Hayat, June 28, 2019、Reuters, June 27, 2019、SANA, June 27, 2019、SOHR, June 27, 2019、UPI, June 27, 2019、Zaman al-Wasl, June 27, 2019などをもとに作成。

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シリア軍がハマー県北部にあるトルコ軍監視所を2度にわたり砲撃し、トルコ軍兵士1人が死亡、3人が負傷(2019年6月27日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が緊張緩和地帯の境界地帯の県北西部のシール・マガール村に設置されているトルコ軍の監視所を2度にわたり砲撃、トルコ軍兵士1人が死亡、3人が負傷した。

ANHA(6月27日付)によると、トルコ軍は27日早朝、10輌以上の車輌からなる部隊をイドリブ県ヒルバト・ジャウズ村の通行所から派遣、同部隊はシール・マガール村にあるトルコ軍の監視所に到着しようとしたのに合わせるかたちで、シリア軍がこれに対して1度目の砲撃を加えた。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月27日付)によると、砲撃を行ったのは、カリーム村、タマーニア町に展開するシリア軍部隊。

トルコ軍は同地に重火器を配意しようとしていたという。

1度目の砲撃の直後、トルコ軍ヘリコプター3機が飛来し、死傷したトルコ軍兵士の搬送作業にあたる一方、トルコ軍戦闘機1機がシール・マガール村上空を旋回、監視活動にあたった。

Xeber 24(6月27日付)によると、監視活動にあたったのはF-16戦闘機で、死傷者を乗せたヘリコプターはイドリブ県を通過して、トルコに帰還したという。

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ANHA(6月27日付)によると、シリア軍の砲撃を受けて、トルコ軍はヒルバト・ジャウズ村の通行所経由で10輌以上の車輌からなる別の部隊を派遣したが、シリア軍はこれに対しても再び砲撃を行った。

この砲撃での死傷者はなかった。

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なお、一連の砲撃に関して、シリア国営のSANA(6月27日付)は、シリア軍がシール・マガール村の反体制武装集団の兵站路を砲撃したと伝えた。

また、トルコ国防省は声明を出し、兵士1人が死亡、3人が負傷したことを認めたうえで、「砲撃は意図的なものだった」と断じ、「事件の背後にはシリア当局がいる」と非難、首都アンカラにあるロシア大使館の駐在武官を呼び出し、「この攻撃に対する対抗措置は厳しいものになる」と伝えたと表明した。

AFP, June 27, 2019、ANHA, June 27, 2019、AP, June 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2019、al-Hayat, June 28, 2019、Reuters, June 27, 2019、SANA, June 27, 2019、SOHR, June 27, 2019、UPI, June 27, 2019、Xeber 24, June 27, 2019などをもとに作成。

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ダーイシュはダイル・ザウル県南東部のシリア民主軍拠点を攻撃し、5人を殺害(2019年6月27日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(6月27日付)によると、ヒムス県南東部で潜伏を続けるダーイシュ(イスラーム国)が、シリア政府支配地域を経由し、北・東シリア自治局支配下のハジーン市に潜入、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点を襲撃した。

ザマーン・ワスル(6月27日付)によると、この攻撃でシリア民主軍戦闘員5人が死亡した。

AFP, June 27, 2019、ANHA, June 27, 2019、AP, June 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2019、al-Hayat, June 28, 2019、Reuters, June 27, 2019、SANA, June 27, 2019、SOHR, June 27, 2019、UPI, June 27, 2019、Zaman al-Wasl, June 27, 2019などをもとに作成。

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首都ダマスカスでジャーナリストを狙った爆破事件(2019年6月27日)

ダマスカス県では、SANA(6月27日付)によると、オートストラード・マッザ区で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、女性1人とその息子1人が負傷した。

スプートニク・ニュース(6月27日付)によると、爆発はジャーナリストのターリブ・イブラーヒーム氏の車に仕掛けられていたという。

AFP, June 27, 2019、ANHA, June 27, 2019、AP, June 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2019、al-Hayat, June 28, 2019、Reuters, June 27, 2019、SANA, June 27, 2019、SOHR, June 27, 2019、Sputnik News, June 27, 2019、UPI, June 27, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県北部で反体制武装集団の憲兵隊2人殺害(2019年6月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のバーブ市とラーイー村を結ぶ街道で、トルコの支援を受ける反体制武装集団の憲兵隊が何者かの襲撃を受けて、2人が死亡た。

AFP, June 27, 2019、ANHA, June 27, 2019、AP, June 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2019、al-Hayat, June 28, 2019、Reuters, June 27, 2019、SANA, June 27, 2019、SOHR, June 27, 2019、UPI, June 27, 2019などをもとに作成。

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シリア軍によるイドリブ県、ハマー県の爆撃、反体制派との戦闘で民間人6人を含む21人が死亡、ロシア軍の爆撃は確認されず(2019年6月27日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから57日目となる6月27日、シリア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より21人(民間人6人、シリア軍兵士11人、反体制武装集団戦闘員4人)増えて1,964人となった。

うち、532人が民間人(女性105人、子供132人を含む)、642人がシリア軍兵士、790人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は75回を記録した。

またシリア軍地上部隊による砲撃は400発におよんだ。

ロシア軍の爆撃は確認されなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でイドリブ市一帯、ハーン・シャイフーン市、マアッラト・ヌウマーン市、バーラ村、イフスィム町、カフルルーマー村一帯、フバイト村、カルサア村、シャイフ・ムスタファー村、ハザーリーン村、カフルサジュナ村、ナキール村、バアルブー村、ウライニバ村、マダーヤー村、シャイフ・ダーミス村、ラカーヤー村、マアッルズィーター村、カフルナブル市、トゥラムラー村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県南部および西部の戦闘地域を砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(6月27日付)によると、この爆撃によりバーラ村で民間人3人、カフルサジュナ村で子供1人と女性1人が死亡した。

一方、SANA(6月27日付)によると、シリア軍がカッサービーヤ村に侵攻を試みたシャーム解放機構を撃退した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でフワイズ一帯に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がサフリーヤ村、ダイル・サンバル村、フワイジャ村、ハウワーシュ村などを砲撃した。

一方、SANA(6月27日付)によると、シリア軍がカフルヌブーダ町でシャーム解放機構、イッザ大隊(イッザ軍団)と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構が県西部のフータ村にある自由アレッポ県議会の支部を襲撃し、車輌や施設内の備品を押収した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(アレッポ県2件、ラタキア県6件、ハマー県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を13件(アレッポ県1件、ラタキア県6件、イドリブ県5件、ハマー県6件)確認した。

AFP, June 27, 2019、ANHA, June 27, 2019、AP, June 27, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 27, 2019、al-Hayat, June 28, 2019、Reuters, June 27, 2019、SANA, June 27, 2019、SOHR, June 27, 2019、UPI, June 27, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから342人、ヨルダンから1015人の難民が帰国、避難民719人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者713人)が帰宅(2019年6月27日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(6月27日付)を公開し、6月26日に難民1,357人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは342人(うち女性103人、子供175人)、ヨルダンから帰国したのは1,015人(うち女性305人、子供518人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は278,529人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者93,825人(うち女性28,100人、子ども47,430人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者184,704人(うち女性29,536人、子ども50,152人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 466,027人(うち女性152,404人、子供258,881人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,639,576人(うち女性1,991,890人、子供3,386,212人)。

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一方、国内避難民719人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは6人(うち女性1人、子供4人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは713人(うち女性215人、子供374人)、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は44,736人(うち女性14,413人、子供20,398人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,301,273人(うち女性392,534人、子供650,102人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した713人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は713人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, June 27, 2019をもとに作成。

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