2014年1月31日のシリア情勢:諸外国の動き

フランスのフランソワ・オランド大統領とデヴィッド・キャメロン英首相は英ブライズノートン空軍基地で会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後、オランド大統領は、シリアへ渡航し、ジハード主義武装集団とともに戦闘に参加している英国人やフランス人の若者の動向を両国が共同で追跡することで合意したと述べた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は記者会見で、ジュネーブ2会議の会合を振り返り、「困難な始まりだったが、両当事者は一つの部屋で席をともにすることに慣れてきた…。非常にゆっくり前進してはいるが…、控え目な始まりだった。しかし、(今後の会合で)よって立つことができる始まりだ」と述べた。

そのうえで政府代表団、シリア革命反体制勢力国民連立代表団双方が以下10点を確認し合うという成果が達成されたと自己評価した。

1. 政治的解決に向けてジュネーブ合意を完全履行するため議論に専念すること。

2. ジュネーブ合意を完全実施するために、移行期統治機関の設置が必要であること。

3. 暴力を停止させることが火急に必要であること。

4. 外国が干渉することなく、シリア国民がシリアの将来を決しなければならないこと。

5. シリアの主権、独立の維持、領土保全。

6. 多様性、調和、寛容を特徴とするシリアの文化遺産、歴史を繁栄した未来を建設すること。

7. 民主的シリアの建設。

8. 人道支援問題への早急な対処、逮捕者、失踪者問題への取り組み。

9. 国家機関、公共サービスの改善を通じた国民の安全・治安の確保。

10. 過激主義、暴力の拒否。

また直接会合を2月10日に再開し、具体的な論点を議論する旨、両当事者に提案し、政府代表団からは「ダマスカスとまず協議する」との回答を得たことを明らかにした。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は記者会見で、ジュネーブ2会議の会合を振り返り「ジュネーブ合意への原則合意以外に、アサド政権の代表が真摯な誓約の発言はなかった」としたうえで、「我々の革命を自衛するため、質量両面でさらなる武装化を進め、我々の要求と尊厳を守り、バッシャール・アサドの権限を剥奪するため、ジュネーブ合意を文言通り遵守するよう政権に迫る」と強調した。

またシリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は記者会見で、ジュネーブ2会議の交渉を振り返り、「唯一の進展があるとすれば、ジュネーブ合意の枠組みのなかで政権が交渉に応じたこと」だと述べた。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議の交渉を振り返り、「残念ながら、今週の対話で具体的な結果に至ることはなかった…。なぜなら第1に、先方が何度も退席すると協約するなど、真剣さと成熟度を欠いていたからだ…。第2に、米国がジュネーブ2大会を緊張した雰囲気に陥れようと…、先方に武装を促すなど、あからさまに内政干渉したからだ」と述べた。

SANA, January 31, 2014
SANA, January 31, 2014

SANA(1月31日付)などによると、ジュネーブ2会議の会場となった国連本部前ではシリア人数百人が集まり、アサド大統領の写真、シリア国旗などを掲げ、シリア国民、シリア軍への支持を表明、またテロ反対を訴えた。

 

SANA, January 31, 2014
SANA, January 31, 2014

 

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UNRWA報道官は、前日に引き続き、ダマスカス県ヤルムーク区に人道支援物資が搬入され、配給作業を行ったと発表した。

AFP, January 31, 2014、AP, January 31, 2014、Champress, January 31, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 31, 2014、Kull-na Shuraka’, January 31, 2014、Naharnet, January 31, 2014、NNA, January 31, 2014、Reuters, January 31, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 31, 2014、UPI, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月31日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(1月31日付)によると、アンバール県ラマーディー市のフッリーヤ警察署をイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が襲撃したが、軍・治安部隊が応戦、撃退した。

またディヤーラー県ヒルマイン地方では、第12歩兵師団がダーイシュの戦闘員9人を殺害し、拠点2カ所を破壊した。

AFP, January 31, 2014、AP, January 31, 2014、Champress, January 31, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 31, 2014、Kull-na Shuraka’, January 31, 2014、Naharnet, January 31, 2014、NNA, January 31, 2014、Reuters, January 31, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 31, 2014、UPI, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月31日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(1月31日付)によると、北部県アッカール郡のマシュター・ハンムード村、アッブーディーヤ村、ハクル・ジャニーン村、アムラ村、クブール・ビード村の郊外に、シリア領内から発射されたロケット弾14発が着弾し、1人が死亡、複数が負傷した。

AFP, January 31, 2014、AP, January 31, 2014、Champress, January 31, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 31, 2014、Kull-na Shuraka’, January 31, 2014、Naharnet, January 31, 2014、NNA, January 31, 2014、Reuters, January 31, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 31, 2014、UPI, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月31日のシリア情勢:国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市、ジャブアディーン町、ダーライヤーシを軍が「樽爆弾」などで空爆、またダーライヤー市周辺では軍と反体制武装集団が交戦した。

さらにザマーニーヤ地方、ビラーリーヤ村周辺では、軍、国防隊、ヒズブッラー民兵がジハード主義武装集団と交戦し、前者の兵士・戦闘員25人、後者の戦闘員4人が死亡した。

一方、SANA(1月31日付)によると、ハーン・シャイフ・キャンプおよび同市周辺、ダーライヤー市、ヤブルード市、ラアス・アイン市、アイン・ハドラー村、サルハ市、ジャブアディーン町、アドラー市ウンマーリーヤ地区、アーリヤ農場、アルバイン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、使徒末裔大隊、ダジャーナ旅団、イッズ連隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がスワイサ村周辺で軍と交戦の末、同村を制圧した。

この戦闘で軍兵士30人が殺害されたという。

またジハード主義武装集団は、アフマル丘を包囲、これに対して軍が砲撃で対抗しているという。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、イズラア市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(1月31日付)によると、ダルアー市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムーリク市北部の軍大隊基地周辺や検問所で、軍とジハード主義武装集団が交戦し、武装集団が市内の軍の拠点3カ所を制圧する一方、軍がカフルズィーター市周辺を「樽爆弾」で攻撃した。

またクッルナー・シュラカー(1月31日付)は、「自由シリア軍」を名乗る武装集団がザイン・アービディーン山麓で軍戦闘機を撃墜したと発表したと報道した。

一方、SANA(1月31日付)によると、アルシューナ村、スーラーン町・ムーリク市間の街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、カルアト・ヒスン市、ザーラ村、軍、国防隊が、ジハード主義武装集団と交戦する一方、レバノン領内から侵入したジハード主義武装集団が、アラウィー派が多く住むバフルーニヤ村、ギータ町を襲撃し、軍兵士、国境警備隊兵士、国防隊兵士を5人殺害した。

ナハールネット(1月31日付)によると、この戦闘に関連しって、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方に向けシリア領内から何者かが発砲し、レバノン軍が応戦した。

一方、SANA(1月31日付)によると、ヒムス市カラービース地区、ワアル地区、サラーム・ガルビー村、タッル・アイン・フサイン村、ダール・カビーラ村、ザーラ村、タドムル市郊外のシャーイル山(ハマー県)西部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ザバディーヤ地区、シャッアール地区、マイサル地区を軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(1月31日付)によると、アレッポ市ジャズマーティー地区、カルム・マイサル地区、カーディー・アスカル地区、シャッアール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、サイイド・アリー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハッダーディーン村、アッザーン村、マアーッラト・アルティーク村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリス村、アルバイド村、ハンダラート・キャンプで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル航空基地周辺、シュハイル村で、軍がジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス県では、SANA(1月31日付)によると、ジャウバル区、カダム区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また旧市街のウマイヤ・モスクに向けて反体制武装集団が迫撃砲を撃ち込み、子供2人を含む市民9人が負傷した。

このほか、SANA(1月31日付)によると、ダマスカス県マッザ区にある国連事務所前で、革命青年連合ダマスカス支部がデモを組織し、シリア政府代表団への支持を訴えた。

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ラタキア県では、SANA(1月31日付)によると、ラビーア町郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員38人を殲滅、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月31日付)によると、イドリブ市・ビンニシュ市間の街道、サラーキブ市近郊、上カスタン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 31, 2014、AP, January 31, 2014、Champress, January 31, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 31, 2014、Kull-na Shuraka’, January 31, 2014、Naharnet, January 31, 2014、NNA, January 31, 2014、Reuters, January 31, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 31, 2014、UPI, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月31日のシリア情勢:シリア政府の動き

SANA(1月31日付)によると、シリア各地のモスクで、アサド大統領の呼びかけに応じるかたちで、金曜礼拝の後に雨乞いの集団礼拝が行われ、多数の信徒が参加した。

SANA, January 31, 2014
SANA, January 31, 2014

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SANA(1月31日付)は、ファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣がアレッポ県内の軍拠点複数カ所(アレッポ市軍事アカデミーなど)を視察し、兵士たちと面会・激励したと報じた。

SANA, January 31, 2014
SANA, January 31, 2014

AFP, January 31, 2014、AP, January 31, 2014、Champress, January 31, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 31, 2014、Kull-na Shuraka’, January 31, 2014、Naharnet, January 31, 2014、NNA, January 31, 2014、Reuters, January 31, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 31, 2014、UPI, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月31日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団(ダーイシュ、ヌスラ戦線以外の武装集団と思われる)がヒムス県ガイダ村、バフルーニーヤ村を襲撃後、捕捉した国防隊兵士3人を斬首し処刑した。
al-Hayat, February 2, 2014をもとに作成。

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2014年1月31日のシリア情勢:反体制勢力の動き

Syria-News(1月31日付)は、ラッカ市のカフェでビリヤードに興じるイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員の写真を公開した。

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クッルナー・シュラカー(1月31日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が最近、ハンサー大隊、ウンム・ライヤーン旅団という二つの女性武装部隊を結成したと報じた。

Kull-na Shuraka', January 31, 2014
Kull-na Shuraka’, January 31, 2014

 

この部隊は18歳から25歳の女性から構成され、メンバーには月25,000シリア・ポンド(200ドル)の報酬が支払われるという。

またクッルナー・シュラカー(2月4日付)によると、ハンサー大隊は約60人の女性から編成されているという。

Kull-na Shuraka', January 31, 2014
Kull-na Shuraka’, January 31, 2014

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フザイファ・ブン・ヤマーン大隊は声明を出し、ラッカ県でのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とそれ以外の武装集団との戦闘で中立を宣言しているにもかかわらず、シャームの民のヌスラ戦線、ラッカ革命家旅団、シャーム自由人イスラーム運動が、大隊戦闘員12人を逮捕したと非難した。

しかし声明によると、大隊を構成する一つの連隊がシャーム自由人イスラーム運動に、また別の連隊がダーイシュに加わり、戦闘を行っているという。

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リハーブ・ニュース(1月31日付)は、ハサカ県マーリキーヤ(ダイリーク)市郊外のスィーマールカーとティグリス川対岸のフィーシュハーブールの間に位置するスィーマルカー国境通行所経由でのシリアからイラクへの治療目的での越境に関して、国境通行所局が新たな規則を定めたと報じた。

同報道によると、新規則では、治療目的でイラク・クルディスタン地域に入国する場合、西クルディスタン移行期民政局執行評議会の保健委員会(保健省)が発行した診断書が必要で、患者以外には親族1名のみに同行が認められている、という。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は、シリア革命反体制勢力国民連立からの脱会に関して「誤った行いになる」と述べ、脱会する意思がないことを明らかにした。

クッルナー・シュラカー(1月31日付)が伝えた。

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シリア人権監視団は、ジュネーブ2会議期間中(1月22日~30日晩)までのシリア国内での死者数が1,870人にのぼったと発表した。

うち498人が民間人、464人が反体制武装集団戦闘員、208人がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャームの民のヌスラ戦線、454人が軍兵士、国防隊、親政権民兵、3人が民主統一党人民防衛隊だという。

AFP, January 31, 2014、AP, January 31, 2014、Champress, January 31, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 31, 2014、Kull-na Shuraka’, January 31, 2014, February 4, 2014、Naharnet, January 31, 2014、NNA, January 31, 2014、Reuters, January 31, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 31, 2014、Syria-news.com, January 31, 2014、UPI, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月30日のシリア情勢:諸外国の動き(追記)

化学兵器禁止機関(OPCW)は執行理事会を開き、シリア情勢を協議した。

執行理事会では、化学兵器関連物質の搬出が遅れた現状の評価をめぐって米露などが対立し、報告書がまとまらなかった。

AFP(1月31日付)などが伝えた。

AFP, January 31, 2014などをもとに作成。

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2014年1月30日のシリア情勢:諸外国の動き

PFLP-GCのアンワル・ジャラー報道官は、PFLP-GCがシリア政府の支援のもと、ダマスカス県ヤルムーク区に人道支援物資を搬入した、と発表した。

 

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

SANA, January 30, 2014
SANA, January 30, 2014

 

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

SANA(1月30日付)は、会合で政府代表団が、テロとの戦いに関する声明案を提示し、国連安保理決議第1267号(1999年)、第1373号(2001年)などに準じた国際社会によるテロ撲滅支援の必要性を訴えたと報じ、声明案のコピーを転載した。

声明案では、テロ行為を行う組織・個人への物心面での支援阻止、煽動活動阻止、タクフィール主義思想など宗教過激主義の普及阻止などを求めるとともに、シリア全土における治安と平和を回復するための支援、シリアの主権、独立の尊重、領土保全、内政不干渉をジュネーブ2会議参加各国に求めた。

ジュネーブ報道チームによると、対するシリア革命反体制勢力国民連立は「テロ国家を自由シリアへと転換することで殺戮停止をめざしているが、政権はテロについて云々することを望んでいる」と主張、「樽爆弾」こそがテロだ、住民を餓死させることがテロだ、拷問と逮捕もテロだ」と主張し、政府代表団が提出した声明案の審議を拒否した。

そのうえで、連立代表団は、アサド政権の人道犯罪、戦争犯罪に関する国際機関の報告書(ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書など)や情報を開示するとともに、レバノン、イラク、イエメンなどの「宗派的アイデンティティを有する」民兵による政権支援の実態を報告した。

連立はさらにイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアサド政権とつながりを持っていることを示す情報を開示したという。

しかし、これに関して、SANA(1月31日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団がいかなる文書も提出していないとのワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣の談話を速報で伝え、これを否定した。

SANA, January 30, 2014
SANA, January 30, 2014

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は会談後の記者会見で「今日の会合後もシリアの両代表団の姿勢に変化はない…。我々はテロがシリアで広まっている点で意見が一致している…。最後の会合は明日(31日)朝に開かれる…。これまで行ったことから教訓を得ることになろう」と述べた。

また「両代表団の協議では、困難な瞬間もあれば、期待ができる瞬間もあった…。引き続き次回の会合に向けた準備が行われるだろう」と付言した。

一方、人道支援物資の配給に関しては「今日、ヤルムーク区に600箱の人道支援物資を搬入することに成功した」ことを明らかにした。

なお31日で一旦閉会となる両者の会合は、『ハヤート』(1月31日付)によると、2月11日に再会される予定。

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SANA(1月30日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立代表団がテロとの戦いに関する政府代表団の声明案を拒否したことに関して「連立がテロを支援していることの明らかな証拠」だと批判的に伝えた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官はテロとの戦いの審議を求める政府代表団の姿勢に関して「移行期統治機関のしくみについての審議を交渉の最後に延期し、ジュネーブ合意のすべての項目から免れようとしている。しかし、移行期統治機関の結成は、国際社会が合意したすべての項目を実施に移す唯一の手段だ。この点に関して我々と政権の意見の相違は大きい」と述べた。

また「政権は暴力の問題…から始めたいと考えている。我々は今日、暴力の問題について話したが、この方法は本末転倒で、馬の前に馬車を置くようなものだ。馬車はジュネーブ合意に記された発砲停止、逮捕者釈放、包囲解除で、これらは重要な項目だが、その実現には馬が必要だ。この馬こそが移行期統治機関だ。移行期統治機関がなければこれらの項目は進展し得ない」と述べた。

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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官は、シリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「アサド政権が化学物質の国外への搬出に責任を負っている。我々は政権が自らの義務を履行することを期待する」と述べた。

化学兵器禁止機関の米国代表を務めるロバート・ミクラーク氏は、シリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「シリアは、これらの化学物質の搬出の遅れが治安上の問題によると述べ、コンテナ車輌、電気機器、爆発物発見装置など、さらなる機器が必要だと主張している。この要求は留意するに値しない。交渉の意思が見え見えだ」と述べた。

『ハヤート』(1月31日付)が伝えた。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣はシリア化学物質の国外への搬出作業の遅れに関して「動きが鈍化しているようだ。国際社会は目を覚ましてシリアに制約を守らせるため真剣に迫るべきだ」と述べた。

AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014, SANA, January 31, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。

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2014年1月30日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(1月30日付)によると、合同作戦司令部が声明を出し、ニナワ県警がモスル市郊外のハムラ村でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のメンバー15人を逮捕した。

AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。

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2014年1月30日のシリア情勢:レバノンの動き

NNA(1月30日付)によると、シリア領(ダマスカス郊外県カラムーン地方)からベカーア県バアルベック郡アルサール村に不法入国しようとしたシャームの民のヌスラ戦線メンバーのシリア人3人をレバノン軍が逮捕した。

また、OTV(1月30日付)は、軍がシリア領内からレバノンに武器弾薬を違法に持ち込もうとしたレバノン人2人をベカーア県バアルベック郡アルサール村郊外で逮捕した、と報じた。

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NNA(1月30日付)によると、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方のカビール川岸で、シリア人2人がシリア領から発砲を受け、1人が死亡した。

AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、OTV, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。

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2014年1月30日のシリア情勢:国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地近くの穀物施設を反体制武装集団が砲撃し、同施設を拠点としていた軍の兵士複数が死傷、また同基地周辺で軍と武装集団が交戦した。

またアレッポ市カルム・タッラーブ地区では、ジハード主義武装集団が軍の拠点を襲撃し、兵士6人が死亡した。

一方、SANA(1月30日付)によると、マアーッラト・アルティーク村、ヒーラーン村、フライターン市、シャイフ・ルトフィー村、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、ラスム・アッブード村、アナダーン市、アブティーン村、ハッダーディーン村、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ジャズマーティー地区、フィルドゥース地区、カルム・マイサル地区、シャッアール地区、ハラク地区、バニー・ザイド地区、スライマーン・ハラビー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、SANA(1月30日付)は、アレッポ市内のアレッポ大学で、学生らがデモを行い、ジュネーブ2会議に提出された政府代表団のテロとの戦いに関する声明案への支持を表明したと報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ブルガラーン村一帯、タラール・ウブーディーヤ地方で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦し、軍側に少なくとも16人の死者が出た。

またハンマール・ヒスン村の軍検問所でジハード主義武装集団が爆破攻撃を行った。

これに対して、軍はザーラ村などを地対地ミサイルで攻撃し、同村周辺で反体制武装集団と交戦する一方、カルアト・ヒスン市を包囲した。

一方、SANA(1月30日付)によると、タラール・ウブーディーヤ地方、ブルガラーン村、ザーラ村、クサイル市南部郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市ハムラー地区、マイダーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、6人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市を軍が「樽爆弾」によって空爆し、子供3人を含む11人が死亡した。

一方、SANA(1月30日付)によると、アドラー市ウンマーリーヤ地区、アーリヤ農場、ハラスター市、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ザバダーニー市、リーマー農場、マアルーラー市近郊で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(1月30日付)によると、ジャウバル区東部、カダム区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シューラー・ワ・ムジャーヒディーン大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマイダーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、4人が負傷した。

一方、Syria-News(1月30日付)によると、マイダーン地区にあるムハンマド・バフジャド・ビータール女子高校で、生徒10人が治安当局に逮捕・連行された。

このほか、SANA(1月30日付)は、ダマスカス県内の国連本部前で、市民らがデモを行い、軍によるテロとの戦いへの支持を表明するとともに、ヤルムーク区からの武装テロ集団の退去を要求した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月30日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ラシュディーヤ地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダイル・ザウル市ハウィーカ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、建物などが被害を受けた。

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イドリブ県では、SANA(1月30日付)によると、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村、アブー・ズフール町、カフルラーター村、サラーキブ市、サルミーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月30日付)によると、ダルアー市各所、クサイバ村、ジッリーン村、ジュバイリーヤ村、スワイサ村、アトマーン村、インヒル市、シャイフ・マスキーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ハウラーン・ムジャーヒディーン大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハーッラ市で、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、1人が負傷した。

AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014、Syria-news.com, January 30, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。

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2014年1月30日のシリア情勢:反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(1月30日付)は、アレッポ県で活動する反体制武装集団8組織が、「イスラーム特殊任務旅団」を結成したと報じた。

司令官に就任したムハンマド・シャッラーシュ氏によると、イスラーム特殊任務旅団は、あらゆる反体制武装集団と協力しつつも、その指揮下に入らず、独自の活動を行うという。

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ドゥーマー統一医療局は声明を出し、医薬品と燃料不足を理由に透析部門、保育器部門、身体介護部門を閉鎖すると発表した。

Kull-na Shuraka', January 30, 2014
Kull-na Shuraka’, January 30, 2014

 

AFP, January 30, 2014、AP, January 30, 2014、Champress, January 30, 2014、al-Hayat, January 31, 2014、Iraqinews.com, January 30, 2014、Kull-na Shuraka’, January 30, 2014、Naharnet, January 30, 2014、NNA, January 30, 2014、Reuters, January 30, 2014、Rihab News, January 31, 2014、SANA, January 30, 2014、UPI, January 30, 2014などをもとに作成。

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2014年1月29日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

シリア革命反体制勢力国民連立のジュネーブ報道チームによると、ブラーヒーミー共同特別代表は、移行期統治機関をめぐる議題をとりまとめたペーパーを提出した。

このペーパーには、①移行期統治機関の規模、構成、設置方法、②権限、③意思決定方法、④軍、治安機関、文民機関との関係、④メンバー選出方法といった議題が列記されているという。

またElaph(1月29日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官の話として、連立がジュネーブ2大会に参加しているシリア政府代表団に、移行期統治機関樹立、民主主義、政治的多元性実現に向けた詳細行程表を文書で回付したと報じた。

『ハヤート』(1月30日付)によると、この行程表は「自由への道」と題され、「現行憲法に代わる憲法の準備、移行期統治機関の樹立、治安機関の再編、民主的諸機関の設置」などを骨子としているという。

一方、SANA(1月29日付)によると、政府代表団は会合で、政府が移行期統治機関設置に向けた審議を拒否していると非難するシリア革命反体制勢力国民連立に対して、シリア政府がジュネーブ合意のいくつかの項目に態度を留保しているが、同合意に同意していると反論した。

また政府代表団は、連立が移行期統治機関設置に関わる状況以外に目を通していないようだと批判、シリア人のみが自らの将来を決する権利を有していることを改めて強調した、という。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、記者会見でジュネーブ2会議でのシリア政府とシリア革命反体制勢力国民連立の直接交渉を31日(金曜日)でいったん打ち切ることを発表したうえで、「正直言うと、私は具体的な何かが達成されるとは期待していない…。氷河はゆっくりとしか溶けてははいないが、溶けている…。両当事者はとどまり、会合を継続する用意があると思うが、両者の亀裂は非常に大きい…。彼らは一度も…席を共にしたことはなかったからだ。魔法の杖があるなどと期待してはいけない…。一歩でも踏み出せれば、それは良いことだ」と述べた。

また「金曜日(31日)、我々は会合再開の日程に合意するだろう。おそらく来週になると思う」と付言した。

さらに「米国とロシアと接触している。両国が両当事者に影響力を行使することを願っている…。両国がその影響力をよりよく行使して欲しいと思っている」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は、記者団に「今日は前向きな進展があった。なぜなら初めて移行期政府について話をしたからである…。政府は移行期統治機関について話すことを避け、テロの問題に集中したいと考えている」と述べたうえで、「政府はしかし、最低限の議論にとどめようとはしているが、この問題について検討する用意はあるようだ」と述べた。

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ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官は記者団に関して、「テロについて話すことができ、対話は前向きだった…。私たちと彼らの唯一の違いは…、私たちがジュネーブ合意を第1項目から順番に議論したいと考えているのに対して、彼らは…移行期政府についての項目に跳躍しようとしていることです。彼らは政府に入ることだけに関心があって、恐るべきテロを止めることには関心がないのです」と述べた。

そのうえで連立が「自らが権力につくにはどうしたらいいかということ以外の問題を議論しようとしない…。これこそが連立の背後にいる勢力が望んでいることです」と批判した。

またブラーヒーミー共同特別代表に対して、「ジュネーブ合意を優先順位に沿って審議しなければならない」ことを伝え、「ジュネーブ合意の優先事項は、政治プロセスを開始する雰囲気を醸成するための暴力とテロの停止」だと強調した。

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『ハヤート』(1月30日付)は、複数の西側消息筋の話として、欧米諸国がロシアやアサド政権に圧力をかけ、ヒムス市旧市街への人道支援物資配給を受け入れさせるよう求めている、と報じた。

同報道によると、これに関して米高官は、アサド政権が、人道支援物資配給を許可する見返りとして、同地の反体制勢力に去と武装解除を求めているとしつつ、「受け入れられないオファーだ。包囲されている地区の住民が人道支援物資を得るために政権の支配に屈服を強いられることなどあり得ない」と述べたという。

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ジェームズ・クラッパー国家情報長官は、米上院情報委員会に出席し、アサド政権が限定的ではあるが、生物兵器を生産する能力を現在持つに至っている可能性があると証言した。

クラッパー長官は「我々は、シリアの生物兵器プログラムが…研究開発段階を越えて、限定的に生産が可能になったと思われる」と証言した。

米政府高官がシリアの生物兵器開発の危機について言及するのはこれが初めてだという。

AP(1月29日付)が伝えた。

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AFP(1月29日付)は、化学兵器禁止機関に近い複数の消息筋の話として、2013年12月末までに搬出される予定だった危険度の高い化学物質(700トン)のうち実際に搬出されたのは5%にも達していない、と報じた。

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トルコ軍参謀本部は声明を出し、キリス市東部でトルコ軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のピックアップ・トラックとバスに対して発砲、破壊したと発表した。

UPI(1月29日付)が伝えた。

AFP, January 29, 2014、AP, January 29, 2014、Champress, January 29, 2014、Elaph, January 29, 2014、al-Hayat, January 30, 2014、Iraqinews.com, January 29, 2014、Kull-na Shuraka’, January 29, 2014、Naharnet, January 29, 2014、NNA, January 29, 2014、Reuters, January 29, 2014、Rihab News, January 30, 2014、SANA, January 29, 2014、UPI, January 29, 2014などをもとに作成。

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2014年1月29日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(1月29日付)は、治安筋の話として、アンバール県ファッルージャ市で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がイラク軍第53大隊の司令官および兵士75人を捕捉したと報じた。

一方、ラマーディー市北部のブー・ファラジュ地区では、軍がダーイシュ司令官の一人でサウジアラビア人の「アブー・アーイシャ」を殺害することに成功したという。

AFP, January 29, 2014、AP, January 29, 2014、Champress, January 29, 2014、al-Hayat, January 30, 2014、Iraqinews.com, January 29, 2014、Kull-na Shuraka’, January 29, 2014、Naharnet, January 29, 2014、NNA, January 29, 2014、Reuters, January 29, 2014、Rihab News, January 30, 2014、SANA, January 29, 2014、UPI, January 29, 2014などをもとに作成。

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2014年1月29日のシリア情勢:国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市マアーディー地区に軍が「樽爆弾」などで空爆を行い、女性1人、子供1人を含む13人が死亡した。

またアレッポ市アシュラフィーヤ地区(サカン・シャバービー)、サーリヒーン地区、ハイダリーヤ地区、シャイフ・ナッジャール市(工業団地地区)、シャイフ・ズィヤート村、ハイヤーン町、アターリブ市などに対しても、軍は「樽爆弾」で空爆を行った。

さらにアレッポ市ブスターン・カスル地区、カルム・ジャバル地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

このほか、フライターン市周辺、バーブ市では、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とイスラーム旅団などからなる反体制武装集団が交戦し、ダーイシュがアフタリーン市、タッル・ジージャーン村を制圧、反体制武装集団戦闘員6人が死亡した。

一方、クッルナー・シュラカー(1月29日付)が、アレッポ市シュハダー地区(ハラブ・ジャディーダ)のワフダ小学校を軍が接収し、兵舎、逮捕者の拘置所として使用していると報じた。

他方、SANA(1月29日付)によると、クワイリス村、シャイフ・ナッジャール市、ダーラト・イッザ市、アターリブ市、マアーッラト・アルティーク村、ワディーヒー村、アッザーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、カーディー・アスカル地区、カルム・マイサル地区、マルジャ地区、ブスターン・カスル地区、ラーシディーン地区、ジャズマーティー地区、ダウワール・ハーウーズ南部、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、タイバト・イマーム市近郊のズーワール地方を軍が「樽爆弾」で空爆した。

一方、SANA(1月29日付)によると、ムハルダ市に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、建物などが被害を受けた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市郊外のタワーリージュ村周辺を軍が砲撃した。

一方、SANA(1月29日付)によると、ハサカ市グワイラーン地区で反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆破した。

またリハーブ・ニュース(1月30日付)によると、アームーダー市で西クルディスタン移行期民政局ジャズィーラ地区のアサーイシュがシリア・クルド民主党アル・パールティの幹部マムドゥーフ・タフービー氏を逮捕した。

他方、AKI(1月29日付)は、カーミシュリー市のキリスト教筋の話として、シリア北東部(ジャズィーラ地方)のアッシリア教徒が青年らを動員し「Suotoro」を名乗る民兵組織を結成し、キリスト教地区や農村に対する攻撃に備えている、と報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市を軍が「樽爆弾」で空爆する一方、ナバク市で活動家の逮捕摘発活動を行った。

一方、SANA(1月29日付)によると、ダーライヤー市、ザバダーニー市、リーマー農場、ナースィリーヤ村入口、アッブ農場、アドラー市ウンマーリーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマアルーラー市のシールービーム修道院に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、建物などが被害を受けた。

さらにヤブルード市郊外のダンハ村にある電力省作業事務所が反体制武装集団の襲撃を受け、作業員3人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市東部で軍と反体制武装集団が交戦、またシャイフ・マスキーン市を軍が空爆した。

他方、SANA(1月29日付)によると、ジャースィム市・アイン・ティーナ村間、クサイバ村、スワイス村、タッラト・マハッス村、シャイフ・マスキーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またブスラー・シャーム市の病院地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、子供1人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がサルジャ村を空爆し、サラーキブ市を砲撃した。

一方、SANA(1月29日付)によると、タイイバート村、カフルターター村、アブー・ズフール町、カフルルーマー村、サワーミア村、アルバイーン山周辺、上カスタン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ザーラ村、カルアト・ヒスン市近郊で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(1月29日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またザーラ村、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、アブーディーヤ村、タッル・ヒンシュ村、ヒルバト・ヌアイマート村、ダイル・フール村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほかヒムス市ワアル地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民1人が負傷した。

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ラッカ県では、Syria-News(1月29日付)が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、礼拝時間に礼拝を行わなかった16歳の少年をラッカ市の旧総合情報部に拘置し、30回のむち打ちの刑に処したと報じた。

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ダマスカス県では、SANA(1月29日付)によると、カダム区で、軍が反体制武装集団のアジトを破壊、複数の戦闘員を殲滅した。

またバーブ・シャルキー地区、ハリーカ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、建物などが被害を受けた。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月29日付)によると、ダイル・ザウル市ガーズィー・アイヤーシュ地区の軍事病院に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、女性、子供を含む市民4人が死亡した。

AFP, January 29, 2014、AKI, January 29, 2014、AP, January 29, 2014、Champress, January 29, 2014、al-Hayat, January 30, 2014、Iraqinews.com, January 29, 2014、Kull-na Shuraka’, January 29, 2014、Naharnet, January 29, 2014、NNA, January 29, 2014、Reuters, January 29, 2014、Rihab News, January 30, 2014、SANA, January 29, 2014、Syria-news.com, January 29, 2014、UPI, January 29, 2014などをもとに作成。

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2014年1月29日のシリア情勢:シリア政府の動き

外務在外居住者省は、アル=カーイダとつながりがあるテロ組織のシリア国内での活動へのサウジアラビアの関与を報告・非難する書簡を国連事務総長と安保理に提出した。

この書簡のなかで、外務在外居住者省は、サウジアラビアがイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と、イスラーム戦線、ムジャーヒディーン戦線、シャームの民のヌスラ戦線の停戦を画策し、ジュネーブ2会議を通じたシリアの危機の政治的解決を阻止するために全力を投じようとしていると指摘、その一環として、説教師アブドゥッラー・ムハイスニー氏が「ウンマ・イニシアチブ」(23日)を発表したと断じた。

SANA(1月29日付)が伝えた。

AFP, January 29, 2014、AP, January 29, 2014、Champress, January 29, 2014、al-Hayat, January 30, 2014、Iraqinews.com, January 29, 2014、Kull-na Shuraka’, January 29, 2014、Naharnet, January 29, 2014、NNA, January 29, 2014、Reuters, January 29, 2014、Rihab News, January 30, 2014、SANA, January 29, 2014、UPI, January 29, 2014などをもとに作成。

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2014年1月29日のシリア情勢:反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行部は声明を出し、ジュネーブ2会議に関して、委員会排除により反体制勢力の代表性が制限されていることを「ジュネーブ合意への明らかな違反」と非難した。

そのうえで、ジュネーブ2会議の成功を切望しつつ、委員会やクルド最高委員会などを含む内外のすべての反体制勢力の代表による対話会合をカイロで早急に開催し、民主化に向けた統一ヴィジョンと合同代表団の結成で合意し、ジュネーブ2会議後の政治プロセスに備えるべきだと呼びかけた。

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シリア革命家戦線の司令官の一人ハイサム・ウサイフィー大佐がクッルナー・シュラカー(1月29日付)の単独インタビューに応じた。

このなかでウサイフィー大佐は、「自由シリア軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と戦う最大の理由は…彼らがシリア解放や革命に奉仕しようとせず、国家を押しつけ、人々を支配しようとしているからだ」と述べた。

またイドリブ県での戦闘に関して、ウサイフィー大佐は、サラーキブ市をダーイシュが制圧する以前は、軍戦闘機がシリア革命家戦線とイスラーム戦線を偵察・空爆していたが、ダーイシュの制圧以降、軍の偵察・空爆はないと主張した。

また捕捉したダーイシュ戦闘員に関して「ほとんどがアラブ人で、政権が流布しているようなヨーロッパ人はいなかった…。ダーイシュの本部にはバッシャール・アサドの写真が貼ってあり…、その大部分はシャッビーハで、なかにはイランのパスポートを持っているものもいた」と豪語した。

一方、戦線のジャマール・マアルーフ司令官が死亡したとの一部報道については、政権が流したデマだと否定した。

ジュネーブ2大会に関しては「シリア革命家戦線は、ジュネーブ合意の完全履行、政権退陣、アサド退任、移行期政府への政権移譲を条件に支持を表明した最初の武装集団だ」としつつ、このことが戦線の武装解除を意味しないと付言した。

自由シリア軍参謀委員会に関しては「サリーム・イドリースが自分たちだけでハズム運動を結成したことで、その消滅したと考えている…。参謀委員会は虚構だった」と批判した。

そのうえで「我々は、サリーム・イドリースが率いている参謀委員会の…恣意的な活動とは無縁の組織的な活動を現地で行うため、新たな参謀委員会の結成を多くの部隊とともにめざしている」と強調した。

Kull-na Shuraka', January 29, 2014
Kull-na Shuraka’, January 29, 2014

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シリア人権監視団は、ダマスカス県ヤルムーク区に対する軍の包囲による餓死者・病死者の数が85人に達していると発表した。

うち25人が女性、5人が子供だという。

AFP, January 29, 2014、AP, January 29, 2014、Champress, January 29, 2014、al-Hayat, January 30, 2014、Iraqinews.com, January 29, 2014、Kull-na Shuraka’, January 29, 2014、Naharnet, January 29, 2014、NNA, January 29, 2014、Reuters, January 29, 2014、Rihab News, January 30, 2014、SANA, January 29, 2014、UPI, January 29, 2014などをもとに作成。

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2014年1月28日のシリア情勢:諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の会合(直接会談)を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

SANA(1月28日付)によると、4日目となる直接交渉では、米国が反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を解除したとの米高官の発言をめぐって、政府代表団がこの動きに抗議する声明を文書で提出するとともに、シリア領内のテロ集団に武器供与を行う米国以外の国々を、国際テロの撲滅を謳った国連安保理決議第1373号に反しており、またジュネーブ2会議を頓挫させるものだと非難、こうした「無責任な行為から直ちに手を引く」よう求めた。

シリア革命反体制勢力国民連立はこれを拒否した、という。

『ハヤート』(1月29日付)によると、シリア政府代表団による二つ目の声明提出を受けて、議事は再び停滞し、直接交渉が始まって以降、初めて会合が午前中だけで打ち切られた。

午後に会合が再開されなかったのはこれが初めて。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は会合後、記者会見で「この交渉が困難だと繰り返し述べてきた。今日も容易ではなかった。ここ数日容易だったこともなかった。今後も容易ではない」としたうえで、「誰も去ったり、逃げようとはしていない」と強調、会合継続の意思を改めて示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のリーマー・フライハーン氏はAFP(1月28日付)に、会合でブラーヒーミー共同特別代表が、政治プロセスについての審議に入ることと、ヒムス市の包囲解除など、人道問題への対応について議事の一部を割くことを提案したが、「政府側が何の回答もしていないため、ブラーヒーミー氏が会合を中止した」ことを明らかにした。

そして「ヒムス市の包囲解除に関して、政府は何もしていない。移行期統治機関に関しても何もしていない。何のイメージを示していない」と批判した。

フライハーン氏はまた、4日目の直接会談で、連立が「今後のシリア、新生シリア、多元的民主的文民国家シリアに関するヴィジョン…の詳細を示した。政府代表団にシリア国民の合法的な意思に応じるよう求めた…。しかし政府代表団はこの問題の審議を拒否した」と述べた。

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官は、記者団に対し「自由シリア軍の戦闘員は、アレッポ市北部のヌッブル市、ザフラー町、イドリブ市郊外のフーア市への圧力を弱める用意がある」と述べ、政権支持者が多く住む村への包囲解除の可能性を示唆した。

サーフィー報道官は「反体制勢力は政府にすべての都市の包囲解除を要求した。そして反体制勢力は自由シリア軍がシリアのどの町・都市であっても包囲解除すると同意した」うえで、これらの村がアレッポ市に対する軍の攻撃拠点となっているがゆえに包囲していると自己弁護した。

SANA, January 28, 2014
SANA, January 28, 2014

 

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ウムラーン・ズウビー情報大臣は、米国が反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を解除したとの米高官の発言に関して、ジュネーブで記者団に対して「ジュネーブ2会議を支援し、政治的解決を求めてきた…米国が同時にどうして、テロ、暴力、軍事的解決を支援できるのか?」と非難した。

またブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官も、米国が反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を解除したとの米高官の発言に関して、ジュネーブで記者団に対して「国際社会の努力に背く動き」と非難した。

さらにファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は、米国が反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を解除したとの米高官の発言に関して、「もっとも悪い知らせ」としたうえで「ジュネーブ2大会を失敗に追い込もうとする米国からのプレゼント」だと酷評した。

ミクダード副大臣はまた、シリア革命反体制勢力国民連立の代表団について「無責任で、嘘つきで、武装集団、すなわちイラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線を養う以外何もしていない」と非難した。

SANA(1月28日付)が伝えた。

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米国務省のエドガー・ヴァスケーズ報道官は、シリア政府代表団の声明に関して「我々がテロリストを支援しているとするシリア政府高官の発言はとるに足らず、論理を逸脱している。アサド政権こそがテロリストを惹き付けたのだ。体制の野蛮さこそがシリアでの過激化の原因だ」と非難した。

そのうえで「我々は穏健な反体制政治・軍事勢力を支援しており、彼らはシリア国民の自由と尊厳のために戦っている。一方、シリア政府は国民に樽爆弾を投下し、飢えた人々に食糧を届けることを拒否している。米国がシリア国民の苦しみを終わらせるために行動する。それゆえ、我々はジュネーブ2会議を前進させる可能なすべてを行う」と強調した。

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フランス外務省報道官は定例記者会見で、ヒムス市旧市街からの女性・子供の退去と人道支援物資配給に関して「一部の地区の住民は政権による事実上の兵糧攻めに直面している」と非難した。

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世界食糧計画(WFP)の報道官は、ヒムス市旧市街への人道支援に関して、2,500人が1ヶ月必要な物資を配給する準備ができており、すべての当事者からの青信号待ちの状態だと述べた。

『ハヤート』(1月28日付)などが伝えた。

AFP, January 28, 2014、AP, January 28, 2014、Champress, January 28, 2014、al-Hayat, January 29, 2014、Iraqinews.com, January 28, 2014、Kull-na Shuraka’, January 28, 2014、Naharnet, January 28, 2014、NNA, January 28, 2014、Reuters, January 28, 2014、Rihab News, January 28, 2014、SANA, January 28, 2014、UPI, January 28, 2014などをもとに作成。

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2014年1月28日のシリア情勢:イラクの動き

内務省のサアン・マアン報道官は声明を出し、アンバール県の対シリア国境に位置するカーイム市一帯で、国境警備隊(第6旅団)がシリア領から潜入しようとした「テロリスト」と交戦し、複数名を殺害したと発表した。

またイラキー・ニュース(1月28日付)は治安筋の話として、ラマーディー市北部で、治安部隊と部族の民兵がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦した。

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合同作戦司令部は声明を出し、ニナワ県モスル市南部で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員15人を逮捕したと発表した。

AFP, January 28, 2014、AP, January 28, 2014、Champress, January 28, 2014、al-Hayat, January 29, 2014、Iraqinews.com, January 28, 2014、Kull-na Shuraka’, January 28, 2014、Naharnet, January 28, 2014、NNA, January 28, 2014、Reuters, January 28, 2014、Rihab News, January 28, 2014、SANA, January 28, 2014、UPI, January 28, 2014などをもとに作成。

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2014年1月28日のシリア情勢:国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がアレッポ市南東部一帯で「若干進軍」し、カルム・カスル地区を制圧した。

ラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、この進軍に関してAFP(1月28日付)に、2012年以来、軍はほぼ毎日アレッポ市東部への進軍と試みてきたが、今回それが初めて成功したと述べた。

これに関して『ワタン』(1月28日付)は、軍がアレッポ市東部のナイラブ航空基地、南部のアズィーザ村の奪還作戦を皮切りに、アレッポ市のバルワラ地区、カルム・カスル地区、カルム・タッラーブ地区の制圧に向けた作戦を本格化させたと報じた。

またシリア人権監視団によると、軍はアレッポ市カーディー・アスカル地区、マイサル地区を空爆し、少なくとも3人が死亡した。

同監視団によると、軍の進軍と反体制武装集団の戦闘を恐れ、マイサル地区、マルジャ地区、インザーラート地区の住民が避難を開始したという。

一方、SANA(1月28日付)によると、アレッポ市のカーディー・アスカル地区で軍が反体制武装集団の武器庫を破壊し、またジャズマーティー地区、シャッアール地区、ナイラブ地区、ハナーヌー地区、ラーシディーン地区、ダウワール・ハーウーズ周辺、ナイラブ陸橋周辺の農場、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ中央刑務所周辺、マアーッラト・アルティーク村、マンスーラ村、アンジャーラ村、ヒーラーン村、ダフラト・ブライジュ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月28日付)によると、カフルラーター村、アブー・ズフール町、タッル・サラムー村、マアッラト・ヌウマーン市郊外、マアッラーター村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、ラジオ・ロザナ(1月28日付)によると、キリスト教徒が多く住むいわゆる「ナサーラー(キリスト教徒)地方」で、シリア民族社会党が編成した民兵(国防隊、ないしは人民諸委員会)と「ジュンド・シャーム」を名乗る反体制武装集団が交戦した。

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ラッカ県では、アフバール・アーン(1月28日付)が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が制圧したラッカ市内で、女性警官がニカーブを着用していない女性を公衆の面前で罵倒し、ダーイシュの拘置所に連行する事件が散見されている、と報じた。

AFP, January 28, 2014、Akhbar al-An, January 28, 2014、AP, January 28, 2014、Champress, January 28, 2014、al-Hayat, January 29, 2014、Iraqinews.com, January 28, 2014、Kull-na Shuraka’, January 28, 2014、Naharnet, January 28, 2014、NNA, January 28, 2014、al-Quds al-‘Arabi, January 28, 2014、Reuters, January 28, 2014、Rihab News, January 28, 2014、SANA, January 28, 2014、UPI, January 28, 2014al-Watan, January 28, 2014などをもとに作成。

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2014年1月28日のシリア情勢:シリア政府の動き

ヒムス県のタラール・バラーズィー県知事は、ヒムス市旧市街からの女性・子供の退去と人道支援搬入に関して、「婦人警察、医師、シリア赤新月社は女性・子供退去に向けた直ちに調整を行う準備ができおり、旧市街に立てこもる「武装集団」との調整を続けている駐国連代表からの回答を待っている」と述べた。

SANA(1月28日付)が伝えた。

AFP, January 28, 2014、AP, January 28, 2014、Champress, January 28, 2014、al-Hayat, January 29, 2014、Iraqinews.com, January 28, 2014、Kull-na Shuraka’, January 28, 2014、Naharnet, January 28, 2014、NNA, January 28, 2014、Reuters, January 28, 2014、Rihab News, January 28, 2014、SANA, January 28, 2014、UPI, January 28, 2014などをもとに作成。

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2014年1月28日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、それ以外の武装集団との戦闘停止を呼びかけたサウジアラビアの説教師アブドゥッラー・ムハイスニー氏による「ウンマ・イニシアチブ」(23日)に関して声明を出し、「戦闘を仕掛けてくるすべての者と戦うこれまでの政策を続ける」と発表した。

Kull-na Shuraka', January 28, 2014
Kull-na Shuraka’, January 28, 2014

ダーイシュは声明で、反体制武装集団との戦闘が、「サリーム・イドリースの参謀委員会やジャルバーの連立の傘下で世俗的な方法を隠し立てしようとしない部隊」、「マジャール・マアルーフ、ハーリド・ハヤーティー、アフマド・アファシュなどの腐敗した集団」に対するもので、ムジャーヒディーンを標的としていないと主張した。

そのうえで、ウンマ・イニシアチブの支持者らに対して、民主主義、世俗主義、自由シリア軍参謀委員会、シリア革命反体制勢力国民連立だけでなく、サウジアラビア、カタール、トルコなどといった国々の支配体制への姿勢を明示するよう求めた。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長ら複数の武装集団指導者がビデオ声明を出し、「ハズム運動」の名で新たな武装集団連合体を結成すると発表した。

イドリース参謀長らは声明で、ハズム運動が体制打倒、自由回復、自由と公正に基づくシリア国民の要求を実現することをめざすとしたうえで、声明発表をもって参加する武装集団を解体し、ハズム運動として統合すると宣言した。

また声明では、ハズム運動の司令官の氏名を以下の通り発表した:

軍司令官:アブドゥッラー・アウダ中尉(アブー・ザイド)

南部軍司令官:ムハンマド・ダヒーク(アブー・ハーティム)

北部軍司令官:ムルシド・ハーリド中尉(アブー・ムウタッス)

政治局長:ハムザ・シャマーリー(アブー・ハーシム)

書記長:ビラール・アッタール(アブー・アブドゥー・シャーム)

ハムザ運動に参加した武装部隊は以下の通り:

北部ファールーク大隊

第9師団特殊部隊

第1機甲師団

アッラーへの信仰旅団

アビー・ハーリス大隊(ハマー・ファールーク)

サラミーヤ自由人大隊(ハマー・ファールーク)

殉教者アブドゥッラフマーン・シャマーリー大隊

殉教者バクル・バッカール大隊

殉教者ハムザ・ザカリヤー大隊

ラシード大隊

アブー・アスアド・ニムル大隊

アフバーブ・アッラー旅団

ファーティフ大隊

第60歩兵旅団

アブドゥッラフマーン大隊

殉教者アブドゥルガッファール・ハーミーシュ大隊

ザアフラーナ・ファールーク大隊

殉教者アブドゥッラー・バッカール大隊

ラスタン殉教者大隊

殉教者アンマール・トゥラース・ファルザート大隊

真実の声中隊

Kull-na Shuraka', January 28, 2014
Kull-na Shuraka’, January 28, 2014

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アレッポ県マンビジュ市を制圧したイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の電力供給局長を務めるというドイツ人戦闘員のアブー・ムハンマド・アルマーニー氏は声明を出し、マンビジュ市住民に1ヶ月分の電気料金を支払うよう求め、料金支払いがない場合、電気を遮断すると脅迫した。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者は『クドス・アラビー』に、ジュネーブ2大会へのシリア革命反体制勢力国民連立の参加の是非を決する総合委員会での採決で、同胞団メンバーが反対票を投じたとしつつ、多数派の決定を尊重していると述べた。

シャカファ最高監督者はまた、ジュネーブ2大会を成功させるには、アサド政権が殺戮を止め、包囲を解除し、人道支援物資配給に応じたうえで、アサド大統領および政権幹部を排除したかたちでの移行期統治機関の設置を行うべきだと述べた。

AFP, January 28, 2014、AP, January 28, 2014、Champress, January 28, 2014、al-Hayat, January 29, 2014、Iraqinews.com, January 28, 2014、Kull-na Shuraka’, January 28, 2014、Naharnet, January 28, 2014、NNA, January 28, 2014、Reuters, January 28, 2014、Rihab News, January 28, 2014、SANA, January 28, 2014、UPI, January 28, 2014などをもとに作成。

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2014年1月27日のシリア情勢:国内の暴力(追記)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラフジャーン村の軍検問所に、シャームの民のヌスラ戦線が爆弾を積んだ自動車で自爆テロを行い、兵士13人を殺害した。

これに関連して、「アジュナード・シャーム」を名乗る武装集団が犯行声明を出した。

ラフジャーン村は、ファフド・フライジュ国防大臣の出身地。

al-Hayat, January 29, 2014をもとに作成。

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2014年1月27日のシリア情勢:反体制勢力の動き(追記)

イスラーム戦線、ムジャーヒディーン軍、シリア自由人運動が共同声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が占拠するアレッポ県フライターン市、アースィヤー村、カフルハムラ村を解放するための「ナフラワーンの戦い」開始を宣言し、攻撃を本格化させた。

クッルナー・シュラカー(1月28日付)によると、この攻撃で、カフルハムラ村のダーイシュが部分撤退しているという。

Kull-na Shuraka’, January 27, 2014をもとに作成。

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2014年1月27日のシリア情勢:諸外国の動き

米政府高官は『ハヤート』(1月28日付)に、ジハード主義者による対トルコ国境の自由シリア軍参謀委員会武器庫制圧(2013年12月末)を受けて凍結していたシリアの反体制勢力への非殺傷兵器などの支援再開を米国が決定したことを明らかにした。

これに関して、ロイター通信(1月28日付)は、米議会がシリアの反体制勢力への非殺傷兵器の供与凍結を「秘密裏」に承認したと報じた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブの国連本部で、シリア政府代表団とシリア革命反体制勢力国民連立代表団の直接会合を開催した。

前日に引き続き、シリア政府代表団はバッシャール・ジャアファリー国連代表大使によって、連立代表団はハーディー・バフラ氏によって率いられた。

3日目となる会合では、移行期統治機関(移行期政府)の樹立についての審議が行われる予定だったが、『ハヤート』(1月28日付)などによると、「テロとの戦い」を最優先議題にするよう求める政府代表団と、アサド政権の退陣を前提として移行期統治機関を審議するよう主張する連立代表団の対立は解消せず、ブラーヒーミー共同特別代表は議事を打ち切った。

会合で政府代表団は5項目からなる政治声明を文書で提出した。

SANA(1月27日付)によると、声明では、「主権尊重、領土保全、侵略された領土に対する譲歩拒否と回復のための行動」、「シリア内政への直接、間接的なあらゆる外国の干渉の拒否」、「シリア・アラブ共和国は政治的多元主義、法の支配、司法の独立、市民権尊重、国民統合維持、文化的多元性尊重を基礎とする民主国家である」、「テロを拒否し、テロと戦い、あらゆる過激主義、ワッハーブ主義的タクフィール思想を拒否し、武器供与、軍事教練…、煽動放送を阻止する」といった点が訴えられていた。

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立はこの政治声明を聞くやただちに拒否し、会場から退出、会談は打ち切りとなった。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は3日目の直接会合に関して、記者会見で「残念ながら、発砲停止にも、暴力を軽減することにも合意できなかった」と述べた。

しかしブラーヒーミー共同特別代表は「我々は、戦争終結と新生シリアの建設に向けたジュネーブの計画を実行しようとしているが…、奇跡が起きるとは期待しておらず…、前進の可能性を探って活動を続ける…。ここでの交渉で何かがもたらされるよう試みる」と付言し、会合継続の意思を示した。

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マフムード・ズウビー情報大臣は3日目の直接会談に関して、記者団に対して、反体制勢力を名乗るシリア革命反体制勢力国民連立が、国民主権、政治的多元主義、民主主義を謳った政治声明を拒否したと述べたうえで、「ジュネーブ合意へのあからさまな拒否だ」と批判した。

ズウビー情報大臣は「シリア・アラブ共和国の主権、領土保全に関してシリア人と意見を異にすることが想像できようか? 意見を異にするのがシリア人でなく、例えばイスラエル人ならともかく」と述べた。

ズウビー情報大臣はまた「テロ根絶やテロとの戦いを拒否し…、周辺諸国がテロの温床になることを拒否する人間がシリアにいるなどと想像できるのか? サウジ人、トルコ人、カタール人、イスラエル人、ないしはシリアに陰謀を働こうとする人間ならともかく」と述べた。

そのうえで「シリア政府代表団は胸襟を開いて政治問題を議論し、新しい発想や方法、深淵な解釈を提示することで政治プロセスを成功裏に開始したいとの意思を持っているが、彼らはこのプロセスをそもそも欲していない」と非難した。

一方、ヒムス市旧市街への人道支援物資配給に関しては、「我々がジュネーブ2会議に出席していること、ないしは出席しないこととは無関係だ」と述べ、シリア政府が一貫して人道支援を行っていると主張した。

またヒムス市旧市街からの女性、子供の退去に関して「国家は、子供や女性を逮捕はしない…。女性が武器を手に取ったり、戦闘・虐殺に参加していなければ」と述べた。

最後にズウビー情報大臣は「ジュネーブに滞在する代表団は今後も滞在し、愛国心とシリアへの信仰心に基づき行動する」と締めくくった。

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣も「交渉のテーブルから決して去ることはない」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立の代表団を率いるハーディー・バフラ氏は「シリア政府の声明は、移行期政府樹立を中心に据えているジュネーブの枠組を外れている。それゆえ主要な議題を審議できなかった」と述べた。

一方、リーマー・フライハーン氏は「交渉は、議事を改悪しようとする政府代表団の論理ゆえに建設的に進まなかった。会合ではジュネーブ合意の実施、すなわち全権を有する移行期統治機関樹立を検討することが決まっていたのに、政府代表団はテロを審議するため議事を変えようとした…。彼らはバッシャール・アサドの存在を確かなものにしようとするためにだけここに来ており、大会開催の直接の理由とは無関係の問題を審議しようとしている」と非難した。

しかし「私たちは前向きで、移行期統治機関樹立という目標を実現するまでここにとどまるでしょう」と強調した。

シリア革命反体制勢力国民連立のルワイユ・サーフィー報道官もアサド政権の代表団との交渉は、何らの進展がないもの続いている。しかし、政府代表団はジュネーブ合意に関する交渉から逸脱しようと試みている」と批判した。

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赤十字国際委員会のロバート・マールディーニー氏(中東担当)はAFP(1月27日付)に、1月27日正午段階で、ヒムス市旧市街の女性・子供の退去に関するいかなる具体的な措置もとられていないとしたうえで、シリア政府が同地への人道支援の配給を遅らせていると非難した。

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『ハアレツ』(1月28日付)などは、イスラエル軍がラタキア県の航空基地を26日に爆撃したとレバノンのメディアなどが報じていると伝えた。

イスラエル政府および軍は、攻撃の有無について何らの発表も出しておらず、また米政府によるリークもなされていない。

また『ハヤート』(1月28日付)によると、シリア消息筋は、ラタキア県で爆撃があったとされるいかなる爆発音も聞こえなかったと述べ、イスラエル軍による爆撃を否定している、という。

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シリアで化学兵器の廃棄作業を進めている化学兵器禁止機関と国連の合同派遣団は声明を出し、化学物質が積み込まれたデンマークとノルウェーの貨物船がラタキア港を出港し、シリア国内から公海上への化学物質の搬出作業第二弾が完了したと発表した。

AFP(1月27日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、Haaretz, January 28, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014, January 28, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月27日のシリア情勢:イラクの動き

イラキー・ニュース(1月27日付)は、治安筋の話として、アンバール県ファッルージャ市北東部で治安部隊とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が激しく交戦したと報じた。

この戦闘で、治安部隊はテロリスト27人を殺害したという。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月27日のシリア情勢:国内の暴力

アレッポ県では、「アレッポ市北部郊外ムジャーヒディーン」を名乗る武装集団が声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の「ナンバー2」と目される幹部アブー・バクル・イラーキー・シャーイブ氏(ハッジー・バクル)を戦闘の末、殺害したと発表した。

Kull-na Shuraka', January 27, 2014
Kull-na Shuraka’, January 27, 2014

またハラブ・ニュース(1月27日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がバーブ市のシャリーア委員会、戦闘員や活動家の自宅を占拠し、住民らが寄付した「数百万」(単位は不明)を略奪した、と報じた。

一方、SANA(1月27日付)によると、カフルカール村、アレッポ市・マアーッラト・アルティーク村間、アレッポ中央刑務所周辺、ヒーラーン村、バービース村、マンスーラ村、アナダーン市、フライターン市、ダイル・ハーフィル市、クワイリス村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ラーシディーン地区、カルム・マイサル地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(1月27日付)によると、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ザバダーニー市、ドゥーマー市、アドラー市ウンマーリーヤ地区、同旧市街、アドラー刑務所西部、タルフィーター村郊外、ヒジャーリーヤ農場、ハラスター市・アルバイン市間で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(1月27日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、軍が包囲するヤルムーク区で、市民4人が新たに病気・飢えが原因で死亡した。

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ヒムス県では、SANA(1月27日付)によると、ダール・カビーラ村、ガースィビーヤ村、ハーリディーヤ村、クサイル市郊外、ヒムス市バーブ・フード地区、ワルシャ地区、サフサーファ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ザーラ村、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領からクサイル市郊外に潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

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クナイトラ県では、SANA(1月27日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村で、軍が軍事評議会指導者の「アブー・ハサン」をはじめとする複数の外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(1月27日付)によると、ダルアー市各所、アトマーン村、インヒル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ハウラーン外国人旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月27日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、工業地区、シャイフ・ヤースィーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月27日付)によると、バニー・アイユーブ村、カフルナジュド村、サルミーン市、マアッラーター村、バスィーダー村、ウンム・ジャリーン村、ブワイティー村、アブー・ズフール町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、Halabnews.com, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月27日のシリア情勢:シリア政府の動き

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官は、国内の被災者を尻目に毛皮のコートを着てジュネーブ2会議に参加しているとする反体制活動家らの中傷に関して「コメントしたら問題を大きくしてしまいます。コートは私が在外居住者担当大臣在任中にナビール・クズバリー氏から贈られたもので、彼らが腐敗問題にしようとしているのとは違って、シリア国民の財産で買ったものではないという点が重要なことです」と答えた。

Kull-na Shuraka', January 27, 2014
Kull-na Shuraka’, January 27, 2014

クッルナー・シュラカー(1月27日付)が伝えた。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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2014年1月27日のシリア情勢:反体制勢力の動き

ハサカ県アームーダー市での西クルディスタン移行期民政局執行評議会(暫定政府)の発足に続いて、アレッポ県アイン・アラブ市(クルド語名コバネ)でコバネ執行評議会の発足が宣言され、閣僚の氏名が発表された。

アームーダー市の執行評議会はジャズィーラ地区(ハサカ県)を代表するのに対し、アイン・アラブ市の執行評議会はコバネ(アレッポ県)を代表する。

コバネ執行評議会の閣僚は以下の通り:

アンワル・ムスリム議長(首相)

バリーファーン・ハサン副議長(副首相)

ハーリド・バルクル副議長(副首相)

フサイン・ムハンマド・アリー養育教育委員長(養育教育大臣)

カルスターン・アリー・バキー農業委員長(農業大臣)

ムスタファー・アブディー・ムハンマド地方自治委員長(地方自治大臣)

ムハンマド・ダーヒル・ムスタファー宗教問題委員長(宗教問題大臣)

アルヤー・サイイディー財務委員長(財務大臣)

シャフィーン・マフムード通信委員長(通信大臣)

マフムード・ブーザーン・ムスリム通商経済委員長(通商経済大臣)

ワラート・ダルウィーシュ・ダルウィーシュ青年スポーツ委員長(青年スポーツ大臣)

ナアサーン・アフマド保健委員長(保健大臣)

アフマド・ダーバーン投資委員長(投資大臣)

ワヒーダ・ウマル女性家族問題担当委員長(女性家族問題担当大臣)

イブラーヒーム・カルドゥー渉外関係委員長(外務大臣)

ミーディヤー・ハンムー観光遺跡委員長(観光遺跡大臣)

ハムザ・ムハンマド運輸委員長(運輸大臣)

イスマト・シャイフ・ハサン防衛委員長(国防大臣)

アフマド・ウスマーン・ダーディリー内務委員長(内務大臣)

ムハンマド・サイード殉教者遺族委員長(殉教者遺族大臣)

マフムード・バッシャール社会問題労働委員長(社会問題労働大臣)

アブドゥッラッザーク・アリー文化委員長(文化大臣)

ファールーク・シャーヒーン人権委員長(人権大臣)

アワース・ハリール法務委員長(法務大臣)

ファーディル・ムスタファー・アフマド・エネルギー委員長(エネルギー大臣)

リハーブ・ニュース(1月27日付)が伝えた。

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シリア革命総合委員会広報センター局長を名乗るアーミル・カルムーニー氏は、クッルナー・シュラカー(1月27日付)に、ダマスカス郊外県カラムーン山地一帯の第三師団本部近くにシリア軍兵士の秘密の集団墓地があり、11,000人の戦死者が埋葬されていると主張した。

AFP, January 27, 2014、AP, January 27, 2014、Champress, January 27, 2014、al-Hayat, January 28, 2014、Iraqinews.com, January 27, 2014、Kull-na Shuraka’, January 27, 2014、Naharnet, January 27, 2014、NNA, January 27, 2014、Reuters, January 27, 2014、Rihab News, January 27, 2014、SANA, January 27, 2014、UPI, January 27, 2014などをもとに作成。

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