民主統一党のムスリム共同党首が一昨日発生した同党への要撃の背後にシリア・クルド国民評議会がいることを示唆、EU・GCC諸国は外相会議後に発した共同声明のなかで「ヒズブッラーなどによるシリアでの軍事作戦への参加」を批判(2013年6月30日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、18歳以下の幼児・未成年を戦闘に参加させた者に10年から20年の禁固刑、ないしは300万シリア・ポンドの罰金刑に処するための刑法改正を定めた2013年法律第11号を施行した。

反体制勢力の動き

シリア・イスラーム戦線は声明を出し、ハサカ県アームーダー市のデモに対する民主統一党アサーイシュの弾圧を「平和的座り込みを排除するため直接発砲し、平和的参加者を殺戮、脅迫した」と非難、「体制の手先である犯罪者を近く、処罰することを約束する」と発表した。

またシリア・イスラーム戦線は、アームーダー市でのデモ弾圧が、人民防衛隊と、武装集団、ないしはサラフィー主義集団の交戦の結果だとする民主統一党の発表を拒否するよう呼びかけた。

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民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、ハーヴァール通信(6月30日付)のインタビューに応じ、そのなかで、ハサカ県アームーダー市での28日のデモや民主統一党要撃の背後にシリア・クルド国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー前事務局長がいると疑った。

ムスリム共同党首は「人民防衛隊戦闘員を要撃した集団と彼が無関係だと希望するが、彼は国家反逆罪を犯している…。我々はスィーダーが関与しなければよかったと思っている」と述べた。

一方、ジュネーブ2会議に関して、ムスリム共同党首は、クルド最高委員会ではなくシリア革命反体制勢力国民連立を通じて、クルド人の代表者を大会に参加させようとしていた米国の方針を拒否していたことを明らかにした。

そのうえで「クルド最高委員会を選ばない(代表として)者は、クルド人民を代表できない。それゆえに我々はジュネーブ2に参加し、大会でクルド人民を代表しようと計画している。クルド人の意思から逸脱したいかなる在外の者も、クルド人を代表できない」と主張した。

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シリア国民評議会は声明を出し、エジプト、レバノン、ヨルダン、トルコに滞在するシリア人に対して、これらの国の内政に干渉しないよう呼びかけた。

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シリア自由人旅団は声明を出し、アレッポ市ブスターン・カスル地区で、軍事情報局の支持を受け、自由シリア軍内で諜報活動を行っていた「アブー・ウマル」を名のるスパイを摘発したと発表した。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がヒムス市ハーリディーヤ地区と旧市街に対して集中的に空爆・砲撃を加え、他の地区との分断を試みた。

一方、SANA(6月30日付)によると、カルヤタイン市周辺、ヒムス市ハーリディーヤ地区、クスール地区、カラービース地区、ジャウラ・シヤーフ地区、ダーラ・カビーラ市、ガントゥー市、ラスタン市、タルビーサ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(7月1日付)によると、反体制武装集団がヌッブル市上空を飛行中のシリア軍のヘリコプターを赤外線誘導方式の地対空ミサイルで攻撃、撃墜した。

SANA(6月30日付)によると、ヘリコプターに乗っていた6人が死亡、そのなかには、学校の学年末試験の問題を運ぶために同乗していたアレッポ県教育局の職員もいたという。

このほか、シリア人権監視団によると、タッル・リフアト市、マーイル町が、軍の空爆を受けた。

またアレッポ市では、シリア人権監視団によると、旧市街各所、ブスターン・カスル地区などで軍と反体制武装集団が交戦、ザバディーヤ地区には迫撃砲が着弾した。

一方、SANA(6月30日付)によると、マンナグ村、マーイル町、アウラム・クブラー町、アブティーン村、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サイフ・ダウラ地区、ザバディーヤ地区で、軍が反体制武装集団と交戦、両地区の制圧を進め、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。さらに、カーディー・アスカル地区、旧市街でも、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーラ村、マアッラト・ハルマ村、バンシュ市などに対して、軍が砲撃を行い、女性、子供を含む3人と、戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(6月30日付)によると、ビンニシュ市、ブワイティー市、サルジャ村、マアッラトダブサ市、カフルルーマー村、カフルシャラーヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺、フナイズ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月30日付)によると、軍がアイン・イーサー地方で反体制武装集団の掃討を完了し、同地方の治安を回復した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で、軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団の司令官が死亡した。

一方、SANA(6月30日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、ハミーディーヤ地区、工業地区、アルディー地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマヤーディーン市では、シャームの民のヌスラ戦線を含む反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって交戦し、双方に死傷者が出た。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャルムーフ市、タッル・ハミース市・カーミシュリー市間のバフリー農場で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月30日付)によると、カラーマ村、カーナー村、アリーシャ村、カーミシュリー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(6月30日付)によると、カーミシュリー市でアームーダー市との連帯を呼びかける反民主統一党デモが行われ、約100人が参加した。

このデモに対して、民主統一党のアサーイシュが介入、デモを排除した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦し、複数の迫撃砲弾が軍警察署、総合情報部第211課などに着弾した。

一方、SANA(6月30日付)によると、バルザ区のスワイダ、タッラ・ミスターフの両街区で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またカーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続けた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、キスワ市の市庁舎近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、治安要員複数名が死傷した。

またドゥーマー市、ナシャービーヤ町、ダイル・サルマーン市、ムライハ市、ヒッラーン・アワーミード村、アイン・タルマー村、ダーライヤー市郊外などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月30日付)によると、ドゥーマー市、ハラスター市、ダイル・サルマーン市、ハーミスィーヤ市、ズィヤービーヤ町、ナブク市東部、ランクーシュ市、カーラ市、アドラー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、ドゥーマー殉教者旅団メンバー、外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、反体制活動家によると、ダルアー市郊外の対ヨルダン国境地帯に位置する軍の「第37ポイント」を反体制武装集団が制圧した。

一方、SANA(6月30日付)によると、ジャースィム市郊外、ジッリーン村、ナースィリーナ市、スィースーン市、シャブラク村、シャジャラ町、ダルアー市郊外の避難民キャンプで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またムサイフラ町では、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって交戦し、20人以上が死傷した。

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ラタキア県では、SANA(6月30日付)によると、ドゥーリーン村の反体制武装集団の拠点を軍が攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線に属すムハージリーン・イラー・アッラー大隊の司令官らを殲滅した。

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ハマー県では、SANA(6月30日付)によると、反体制武装集団がイドリブ県ザーウィヤ山からジューリーン村に向けてロケット弾を発射し、住居、森林、畑で火災が発生した。

またムーリク市では、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

EUとGCCはバーレーンの首都マナーマで第23回合同外相会議を開催し、シリア情勢などについて協議した。

会議後、EUとGCCは共同声明を発表し、「ヒズブッラーなど外国の部隊のシリアでの軍事作戦への参加」を批判、「シリア危機の早急な政治的正常化と、すべての当時者がこの目的を実現するために積極的に貢献することが火急に必要…ジュネーブ2会議を成功させるための条件を作り出すべくあらゆる努力を行うことを誓約」すべきだと表明した。

これに先だって、GCCは29日から30日にかけて外相会議を開き、ヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊の介入、アサド政権へのロシアの無制限な軍事支援を非難する声明を出していた。

なおEUとGCCの共同声明に関連して、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は「シリア政府への武器供与阻止…、シリアからの外国の占領軍の撤退」を求めるとともに、「シリアのレジスタンスは、今や正統性を失った体制と戦っているのではなく、外国の占領者に対する熾烈な戦争を行っている」と述べ、シリアの紛争を執拗にスンナ派対シーア派の宗派対立として位置づけようとした。

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『ハヤート』(7月1日付)は、複数の消息筋の話として、米上院武器問題特別委員会のメンバー2人が近く、ヨルダンとトルコを訪問し、両国高官と、シリアの反体制勢力への武器供与の可否に関する意見交換を行うと報じた。

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イラン軍のハサン・フェイルーズ・アーザーディー参謀長は、「シリアの合法的な政権に対するテロリストの活動を支援するいわゆるシリアの友連絡グループは、アル=カーイダに依存して孤立したカタールの主張の末路を教訓としなければならない…。それは最近カタールで開催されたシリアの友の会合の全出席者の末路を映し出している」と述べた。

メフル通信(6月30日付)が報じた。

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イラク・クルディスタン地域政府のマスウード・バールザーニー大統領は報道官を通じて声明を出し、ハサカ県アームーダー市でのデモや人民防衛隊要撃を受けて緊張が高まる民主統一党とシリア・クルド・イェキーティー党などの関係に関して、「西クルディスタンのいかなる問題における意見の相違の解決に武力が行使されることを拒否する」との意思を示した。

AFP, June 30, 2013、al-Hayat, July 1, 2013、Kull-na Shuraka’, June 30, 2013、Kurdonline, June 30, 2013、Naharnet, June 30, 2013、Reuters, June 30, 2013、SANA, June 30, 2013、UPI, June 30, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主統一党のムスリム共同党首が「武装集団の進入を阻止するためにアームーダー市への通行を禁止している」と述べつつ、シリア・クルド国民評議会によるシリア革命反体制勢力革命連立への参加交渉に自党が一切関与していないことを明らかに(2013年6月29日)

反体制勢力の動き

民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は『ハヤート』(6月30日付)に、人民防衛隊がハサカ県アームーダー市を保護下に置いており、武装集団の進入を阻止するために同市への通行を禁止していると述べた。

また28日のアームーダー市でのデモに関して、シリア・クルド・イェキーティー党など一部のクルド人組織が反民主統一党の煽動を行うために誇張していると非難した。

一方、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力革命連立への参加交渉に関して、「クルド人の名のもとに対話を行うのを認められた唯一の当時者だと主張するが、それは誤りだ」としたうえで、民主統一党がこの交渉に一切関与していないことを明らかにした。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ロシア、イラン、ヒズブッラーがヒムス市攻撃に「あからさまに介入」していると主張、またアサド政権が化学兵器を使用しようとしていると警鐘を鳴らした。

また、シリアの友連絡グループに対して、飛行禁止空域を設置し、「政府軍の拠点に的確な軍事的打撃」を与えるよう求めた。

国内の暴力

『ハヤート』(6月30日付)は、軍がヒムス県ヒムス市完全制圧、ハマー県とアレッポ県分断、そしてアレッポ市制圧に向けて攻勢を激化させた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、ブスターン・ディーワーン地区に対して、軍が砲撃・空爆を激化させた。

また軍は四方からヒムス市に進軍、ハーリディーヤ地区、サフサーファ地区、ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ジャウラ・シヤーフ地区で軍と反体制武装集団が激しく交戦、バーブ・ドゥライブ地区に進入しようとした軍戦車を反体制武装集団が破壊した。

一方、SANA(6月29日付)によると、軍がヒムス市ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、ワルシャ地区、カラービース地区、ジャウラ・シヤーフ地区、ハミーディーヤ地区に進軍し、複数の反体制戦闘員を殲滅、その拠点を制圧した。

また、タドムル市郊外、ラスタン市、キースィーン市、ガジャル村、タルビーサ市、カルヤタイン市周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ヒムス市アッバースィーヤ地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民3人が死亡、6人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(6月29日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアマーラ地区の学校、カーブーン区のフマースィーヤ通商工業統合社に迫撃砲弾が複数発着弾した。死傷者は出なかった。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤ・シャーム市などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月29日付)によると、アドラー市郊外、ドゥーマー市、シャイフーニーヤ村郊外、ハラスター市、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村で、軍が反体制武装集団の拠点・武器庫などを攻撃・破壊し、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ガブガーブ市内のバアス党支部周辺の検問所数カ所を反体制武装集団が襲撃した。

一方、SANA(6月29日付)によると、スィヒム・ジャウラーン市、シャブラク村、スィースーン市、ジッリーン村、アーリヤ市、ラフィード市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバー(ヨルダン人)など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(6月29日付)によると、シャワーギラート市、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、マンナグ航空基地周辺、アレッポ中央刑務所周辺、カフルハラブ市、ワディーヒー村、アウラム・スグラー市、ナッカーリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ラーシディーン地区、マルジャ地区、カーディー・アスカル地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、「シャリーア委員会」メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月29日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月29日付)によると、ムウタリム村、カフルシャラーヤー市、マアッラト・ニウマーン市、サルジャ村、マアッラトシューリーン市、カフルルーマー村、ブワイティー村、アブー・ズフール市、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(6月29日付)によると、ハサカ市の裁判所前で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が死亡、7人が負傷した。

レバノンの動き

北部県トリポリ市のバッカール地区・ジャバル・ムフスィン地区間で衝突があり、2人が死亡、6人が負傷した。

AFP(6月29日付)が報じた。

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レバノン国軍は声明を出し、シリア領内で「自由シリア軍」にレバノン軍兵士が身柄拘束されたとして公開されたビデオや写真について、「ねつ造だ」と否定した。

諸外国の動き

『ハヤート』(6月29日付)は、ヒズブッラー・イラク機構が、イランで義勇兵を教練し、シリアに派遣しようとしていると報じた。

バスラ県出身の元民兵によると、「主にバスラ県とバグダード県出身の若者数百人」の教練・派遣が予定されているが、「イラク政府との調整、協力のもとに行われていない」という。

AFP, June 29, 2013、al-Hayat, June 29, 2013、June 30, 2013、Kull-na Shuraka’, June 29, 2013、Kurdonline,
June 29, 2013、Naharnet, June 29, 2013、Reuters, June 29, 2013、SANA, June
29, 2013、UPI, June 29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県で民主統一党の治安部隊が同党によって拘束中の逮捕者の釈放を求める座り込みに対して発砲、仏紙がダマスカス県ジャウバル区とダマスカス郊外県グータ地方でサリンガスが使用されたと断定(2013年6月28日)

反体制勢力の動き

パリを活動拠点とする自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、『ハヤート』(6月28日付)に対して、「自らの土地のために戦う革命家と英雄がいるなか、シリア国民は、兵器、食糧、資金、薬など、マンパワー以外のあらゆる支援を必要としている…。問題は装備であって、数ではない」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立を脱会したアフマド・ムアーッズ・ハティーブ前議長は『ハヤート』(6月29日付)に対して、NATO軍によるパトリオット・ミサイルの配備を増強することで「安全回廊」(飛行禁止空域)を設け、シリア国民の保護を拡充すべきだと述べた。

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シリア人権監視団は声明を出し、27日のダマスカス県バーブ・トゥーマー地区で発生した自爆テロに関して、調査の結果、爆発は即席爆弾によるもので、自爆犯だと思われていた男性は犠牲者だったと発表した。

また爆発の直後に、現場に迫撃砲弾が2発撃ち込まれたことも明らかにした。

国内の暴力

ハサカ県では、『ハヤート』(6月29日付)などによると、アームーダー市で、民主統一党が拘束中の逮捕者の釈放を求める座り込みに対して、治安部隊(アサーイシュ)が発砲し、3人が死亡した。

これに関して、アサーイシュは、座り込みに参加したシリア・クルド・イェキーティー党とシリア・クルド・アーザーディー党の支持者が、人民防衛隊を襲撃し、部隊が応戦を余儀なくされたと非難した。

一方、シリア・クルド国民評議会は声明を出し、評議会加盟政党の事務所を襲撃したアサーイシュとデモ参加者が衝突し、死者が出たと発表した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カラク村が軍の砲撃を受け、女性6人と子供4人の合わせて10人が死亡した。

またブスラー・シャーム市、ダルアー市各所、ワーディー・ヤルムークに対して軍が砲撃を加えたほか、ジャースィム市などで軍と反体制武装集団が交戦した。

さらに、同監視団によると、ダルアー市内にあるビナーヤート検問所を反体制武装集団が2週間におよぶ包囲の末に制圧した。

制圧に際して、反体制武装集団は、検問所前で爆弾を積んだ車を爆発させ、兵士多数を死傷させた。

なお、反体制武装集団は、インヒル市でも爆弾を仕掛けた車を爆発させ、複数の軍兵士を死傷させた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市、ドゥーマー市、ザマルカー町、ダイル・サルマーン市、ムウダミーヤト・シャーム市、サイイダ・ザイナブ町、などを軍が砲撃した。

また、同監視団によると、ハラスター市の男性16人が、軍刑務所での拷問を受けて死亡、家族が遺体を引き取りに来るよう連絡を受けた。

一方、SANA(6月28日付)によると、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、フジャイラ村、バフダリーヤ村郊外、シャイフーニーヤ村、アイン・タルマー渓谷、カフルバトナー町、ザマルカー町、アルバイン市、ダイル・サルマーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、使徒末裔大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ジャバター・ハシャブ市、トゥルナジャ村を軍が砲撃した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市、ダミーヤ市、ジャルニーヤ市で、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月28日付)によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、カラービース地区、タルビーサ市、ガントゥー市、バイト・ハッジュー市、カルア・ヒスン市、キースィーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、キンサバー村、サルマー町などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月28日付)によると、フルワ村、グナイミーヤ村、ラビーア町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、戦闘員を殲滅した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がヌッブル市、ザフラー町にある軍の拠点を攻撃する一方、軍はサフィーラ市、サービキーヤ村、ワディーヒー村、マンナグ航空基地周辺を砲撃・空爆した。

一方、SANA(6月28日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、バービース村、マンスーラ村、アナダーン市、ハイヤーン町、マンナグ村、アルカミーヤ村、カフル・アントゥーン村、ニブル市、マンナグ航空基地周辺、タッル・リフアト市、フライターン市、マーイル町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ラーシディーン地区周辺で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ航空基地周辺の反体制武装集団が軍の砲撃を受けた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ラサーファ地区、ムーハサン市などで軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

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ダマスカス県では、SANA(6月28日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月28日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、ミシュミシャーン市、バスラ-ムーン市、アルバイーン山、ラーム・ハムダーン市、ムウタリム村、サラーキブ市、マアッラト・ニウマーン市、カフルナブル市、カフルルーマー村、ハイシュー市、カトルーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、反体制勢力への武器供与に関して「(ジュネーブ2)大会の趣旨に反する」と述べ、西側諸国を批判する一方、「西側などが支援する反体制勢力はシリア政府が降伏に同意しない限り会議に出席しないと述べた」とし、アサド政権の退任を対話の前提条件としている反体制勢力の姿勢を非難した。

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『ル・モンド』(6月28日付)は、同紙記者2人がシリア国内から持ち出したとされる尿、毛髪、衣服のサンプルの分析により、2013年4月と5月にダマスカス県ジャウバル区とダマスカス郊外県グータ地方で、サリンガスが使用されたとの最終結果が出たと報じた。

同紙によると、これにより、少なくとも13人が負傷したという。

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ドイツの支援団体、グリューンヘルメ(Gruenhelme、緑のヘルメット)の創設者、ルパート・ヌーデック氏は、同団体の職員3人がイドリブ県で5月中旬に誘拐され、現在も行方不明であることを明らかにした。

ヌーデック氏が発表した声明によると、5月14日の深夜から15日未明にかけて、トルコとの国境に近いイドリブ県ハーリム市で、団体の職員3人が誘拐されたという。

ヌーデック氏はまた、「ドイツ国内のメディアが(事件を)一切報道していないことに、非常に驚いている。だが、これ以上黙っているわけにはいかない」と語っている。

同団体は、シリア北部のインフラ再建と医療活動を支援するため、数か月前からこの地域に職員を派遣している。

AFP, June 28, 2013、al-Hayat, June 28, 2013、June 29, 2013、Kull-na Shuraka’, June 28, 2013、Kurdonline, June 28, 2013、Le Monde, June 28, 2013、Naharnet, June 28, 2013、Reuters, June 28, 2013、SANA, June 28, 2013、UPI, June 28, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス県の旧市街バーブ・トゥーマー地区にあるマリアム教会近くで自爆テロが発生するなか、CIAが「穏健」な反体制武装集団を軍事支援するためヨルダンへの武器搬入を開始したと報じられる(2013年6月27日)

国内の暴力

ダマスカス県では、『ハヤート』(6月28日付)などによると、旧市街バーブ・トゥーマー地区にあるマリアム教会近くで自爆テロが発生し、市民4人が死亡、複数人が負傷した。

Naharnet, June 27, 2013
Naharnet, June 27, 2013

OTV(6月27日付)によると、自爆テロは、レバノンから帰国したギリシャ正教アンタキア総主教区のヨハネ10世ヤーズジーの車列が総主教区の本部に入った直後に発生した。

一方、シリア人権監視団は、自爆テロが、キリスト教地区内のシーア派の慈善施設を狙ったものだと断じ、スンナ派対シーア派という対立を煽った。

またシリア人権監視団によると、アミーン通りに面する旧市街に迫撃砲弾が2発、またルクンッディーン区にも迫撃砲弾1発が着弾したが、死傷者はなかった。

このほか、バルザ区、カダム区、ジャウバル区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

他方、SANA(6月27日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、ザマーニーヤ市、アフマディーや市、ザバダーニー市、ムライハ市、ハルブーン市郊外、ヤルダー市、ハジャル・アスワド市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月27日付)によると、ハラスター市、ザマルカー町、アルバイン市、ドゥーマー市郊外、バハーリーヤ市、ダイル・サルマーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市各所、サイダー町、西ガーリヤ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月27日付)によると、ダルアー市ハマーディーン地区、サッド地区、ムハイヤム地区、シャブラク村、スィースーン市、タファス市、ヌアイマ村、ナスィーブ村、サイダー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区、ラスタン市、タッルカラフ市、ガントゥー市、カルヤタイン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続けた。

複数の反体制活動家によると、軍が奪還、治安回復したタッルカラフ市内では、15人が「戦場処刑」され、家々が破壊されたという。

しかし、SANA(6月27日付)によると、タッルカラフ市および周辺の村の住民が同市で、治安回復を祝い、軍による武装テロ集団掃討支持を訴える行進・集会を行った。

行進・集会には、ヒムス県のアフマド・ムニール・ムハンマド知事も参加した。

またSANA(6月27日付)によると、軍がカルヤタイン市で反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

このほか、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タラス市、フーシュ・ターリブ市、ザマーミール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ガドファ村、マアッラト・ヌウマーン市、マアズーラ村、バーリア村、バフターヌーン村、カフルミード村、イラーキーヤ村、ブサンクール村、バシーリーヤ村、ムハムバル村、カフルナブル市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市中心部にある県庁舎に軍の迫撃砲弾が着弾し、複数名が死亡し、またラーシディーン地区では軍と反体制武装集団が交戦した。

このほか、アシュラフィーヤ地区では「クルド戦線大隊」を名のる武装集団が軍の拠点で爆弾を爆発させ、複数の兵士を殺傷、またハムダーニーヤの軍士官学校を迫撃砲で攻撃した。

一方、SANA(6月27日付)によると、マンナグ軍事基地周辺、タナブ村、タータムラーシュ村、アレッポ中央刑務所周辺、アブティーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ダウワール・ハイダリーヤ地区、カラム・マイサル地区、サーフール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で政権を支持する武装集団によって医師が殺害された。

またダイル・ザウル市ラサーファ地区など各所を軍が砲撃し、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月27日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市、ズアイニーヤ市、ダーマー市、タイイバート村、アーリヤ市、バシーリーヤ市、ブサンクール村、カフルシャラーヤー市、マアッラトミスリーン市、サクラジャ市、マアスラーン市、マアッラト・ニウマーン市、カフルナブル市、イドリブ中央刑務所で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月27日付)によると、カタフ・リマール村、マフミーヤ・ファルラク村、ラビーア町、シュルーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、チェチェン人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クルド・オンライン(6月27日付)によると、アームーダー市で、民主統一党人民防衛隊兵士の乗った車を武装集団が襲撃、兵士1人が死亡した。

これに関して、民主統一党人民防衛隊は声明を出し、ハサカ市とダルバースィーヤ市を結ぶ街道の安全確保のために行われたサッド・シャルキー地方での反体制武装集団浄化作戦を終えて基地に帰還途中だった部隊が、アームーダー市で「武装した傭兵集団」に襲撃されたと発表した。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(6月27日付)は、信頼できる消息筋の話として、シリア政府が先週、北朝鮮の軍機術者を受け入れた(未確認情報)と報じた。

同報道によると、北朝鮮の軍記述者のなかには、防空ミサイル、電波妨害などの専門家からなるという。

反体制勢力の動き

シリア・クルド国民評議会国民渉外関係委員会(アブドゥルハミード・ダルウィーシュ委員長)の使節団がイスタンブールでシリア革命反体制勢力国民連立幹部と会談した。

使節団が会談したのは、ムスタファー・サッバーグ事務局長、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班、ジョルジュ・サブラー暫定議長。

会談で使節団は、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、クルド人の権利を承認するよう求めたが、複数の消息筋によると、連立側は、「自分たちはそうしたことを実行する政府ではないが、協力の用意はある」との消極的だったという。

『ハヤート』(6月28日付)が報じた。

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シリア民主主義者連合のミシェル・キールー代表は、『シャルク・アウサト』(6月27日付)に対して、紛争激化に伴い「軍閥」が台頭し、「革命」運動を脅かしていると指摘、西側諸国が軍事支援しようとしている自由シリア軍参謀委員会に対して、こうした「軍閥」に武器を供与しないよう呼びかけた。

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アサーラ・ワ・タンミヤ戦線を名のるダイル・ザウル県の武装集団に拉致されているシリア軍兵士12人(アラウィー派)が、当局によって拘束中の逮捕者と自らの「捕虜交換」を行うため、アサド政権に圧力をかけるよう地中海岸地方の住民に対して呼びかけるビデオがインターネットを通じて配信された。

『ハヤート』(6月28日付)が報じた。

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「ヒムス市および同郊外記者連合」なる組織が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会に対して、ヒムス県での軍の攻勢に対抗するため現地での反体制活動に参加するよう呼びかけたうえで、4日以外に行動がなされなければ、独自の活動を行うと離反の意思を示した。

諸外国の動き

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(6月27日付)は、CIAがシリアの「穏健」な反体制武装集団を軍事支援するため、ヨルダンへの武器の搬入を開始したと報じた。

同報道によると、武器の搬入には約3週間を要し、軽火器、対戦車ミサイル、さらには地対空ミサイル(MAN-PADS)などを供与したうえで、2週間かけて反体制武装集団の教練を行う予定だという。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相と電話会談を行い、シリア情勢などについて協議、「危機の政治的正常化のための努力を調整するために準備を行う意思を互いに表明」した。

RT(6月27日付)が報じた。

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国連安保理はUNDOFの活動を6ヶ月間延長することを決定した。

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シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団がトルコ入りした。

ロイター通信(6月27日付)などが報じた。

AFP, June 27, 2013、al-Hayat, June 28, 2013、Kull-na Shuraka’, June 27, 2013、Kurdonline, June 27, 2013、Naharnet, June 27, 2013、OTV, June 27, 2013、Reuters, June 27, 2013、SANA, June 27, 2013、al-Sharq al-Awsat, June 27, 2013、UPI, June 27, 2013、The Wall Street Journal, June 27, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア・クルド国民評議会がイスタンブールで会合を開きシリア革命反体制勢力国民連立を含む反体制組織との関係を強化することで合意、国連では米英が「シリア政府によって10回化学兵器が使用された」と主張していたことが明らかに(2013年6月26日)

反体制勢力の動き

ロンドンで活動する反体制組織のシリア人権監視団は、2013年3月以降のシリアでの紛争による死者数が、100,191人に達したと発表した。

死者の内訳は以下の通り:

民間人:50,200人(うち児童は5,144人、18歳以上の女性は3,330人、反体制武装集団の戦闘員は13,539人)
離反兵:2,015人
軍兵士:25,407人
人民諸委員会、国防隊、「シャッビーハ」、親政権の諜報工作員:17,311人
身元不明者:2,571人
シリア人以外の外国人戦闘員および身元不明の戦闘員:2,518人
ヒズブッラーの戦闘員:169人

シリア人権監視団による死者数の分類は、反体制武装組織の戦闘員を民間人に分類する一方、政権支配地域での互助会・自警団である人民諸組織と犯罪集団であるシャッビーハをまとめて集計するなどといった偏りが見られる。

しかしこの分類からは、反体制勢力の死者数に対して、民間人とアサド政権支持者の死者数が多いことが分かる。

なお上記の死者数には、10,000人以上の逮捕者・行方不明者、さらには軍兵士および親政権武装集団の死者2,500人以上は含まれていない。

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シリア・クルド国民評議会の国民渉外関係委員会がイスタンブールで会合を開き、シリア革命反体制勢力国民連立をはじめとする国内外の反体制組織との関係を強化することで合意した。

シリア・クルド進歩民主党のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長が『ハヤート』(6月27日付)に対して明らかにした。

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元共和国護衛隊准将のフィラース・トゥラースはフェイスブック(6月26日付)で、「アブー・バナート」が率いるチェチェン人武装集団を「反革命的」と断じ、アレッポ県で武装闘争を指導するアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐(自由シリア軍アレッポ軍事評議会前議長)、アブドゥルカーディル・サーリフ(タウヒード旅団司令官)、アブー・バクル(ファトフ旅団司令官)に対して彼らを追放するよう呼びかけた。

「アブー・バナート」は2013年4月にアレッポ県でキリスト教主教2人を誘拐・拉致した実行犯と目されている。

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『クドス・アラビー』(6月26日付)は、軍を離反したザイド・トゥラース空軍大佐の情報として、シリア政府には戦闘可能な戦闘機が90機しか残っていない(未確認情報)、と報じた。

トゥラース大佐によると、シリア政府はかつては350機以上の戦闘機を保有していたという。

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民主的市民国家のためのシリア人外交官連合は24日と26日に声明を出し、ラマー・イスカンダル、ハイサム・フマイダーンの2人が外務在外居住者省を「離反」したと発表した。

クッルナー・シュラカー(6月26日付)が報じた。

国内の政治勢力の動き

シリアの与野党使節団がイランを訪問し、サイード・ジャリーリー国家安全保障最高会議書記、アミーン・ホセイン・アミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣らと会談した。

使節団は、野党のファーティフ・ジャームース(平和的変革の道潮流)、マーヒル・ムルヒジュ(シリア国民青年党書記長)、与党のファイサル・アズーズ人民議会議員(バアス党)、フサイン・ラーギブ人民議会議員(無所属)、ターリフ・アフマド(シリア民族社会党)、アラー・アラファート(国民意思党)、マーリヤー・サアーダ人民議会議員(無所属)、バルウィーン・イブラーヒーム(国民青年公正成長党書記長)、アーディル・ナイーサ(変革解放人民戦線)、ムイハンマド・ムティーウ人民議会議員(バアス党)。

クッルナー・シュラカー(6月26日付)が報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ザバダーニー市、ムウダミーヤ・シャーム市、シャイフーニーヤ村、ズィヤービーヤ町、サイイダ・ザイナブ町、フサイニーヤ町、ドゥーマー市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(6月26日付)によると、アドラー市および同市周辺、ザマルカー町、アルバイン市、ハラスター市、ダイル・サルマーン市、カーラ市、ナブク市、ハルブーン市郊外、ザバダーニー市、ダーライヤー市、ヤブルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市、タドムル市郊外のシャーイル・油田で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月26日付)によると、ヒムス市カラービース地区、ハーリディーヤ地区、クスール地区、タドムル市郊外、キースィーン市、ラスタン市、タルビーサ市、ダイル・フール村、ウユーン・フサイン市、ガントゥー市、バイト・ハッジュー市、ガジャル村、サフワーニーヤ村、アブー・イーリーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(6月26日付)によると、ハサカ市南部で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、破壊し、複数の戦闘員を殲滅した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カルアト・マディーク町、ジュナイナ村、トゥッファーハ村、バイユード村、ハムダーニーヤ村、ジュッブ・ハンタ村などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月26日付)によると、サルジーヤ村、イーサー村、タルファーウィー村、ラスム・ワルド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジャーヌーディーヤ町、マアッラトミスリーン市、カニーヤ村、ハントゥーニーン村、ムアスラーン村、ラーミー村、ナフラ市、マアッラー市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月26日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、ハーッジ・ハンムード農園、ダイル・ウスマーン市、カニーヤ村、マアッラ・ミスリーン市、タッル・トゥーカーン市、マアッラト・ヌウマーン市、ナフラ村、ラーミー村、ラウズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・アサル市、ザフラー町周辺、バヤーヌーン町、ダービク村、アアザーズ市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

アレッポ市シャイフ・マクスード地区、ハイダリーヤ地区、ザフラー地区、ラーシディーン地区、サラーフッディーン地区、アシュラフィーヤ地区、ライラムーン地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またシリア人権監視団は、ハーン・アサル市だとされる場所で、アラビア語のフスハーを話すチェチェン人と思われる武装集団が、住民の前で男性2人を「体制に協力した」として処刑する映像が送られてきたと発表した。

一方、SANA(6月26日付)によると、マンスーラ村、マンナグ航空基地周辺、アルカミーヤ村、カフルアントゥーン市、マーリキーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ではサーフール地区、ラーシディーン地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市の検問所などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月26日付)によると、ジャースィム市、タファス市、ダルアー市郊外の避難民キャンプで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、軍がカーブーン区を空爆、またバルザ区、カダム区で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月26日付)によると、カーブーン区にあるカーブーン第3変電所が反体制武装集団の攻撃を受け、従業員1人が死亡、3人が負傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ハミース市を軍が空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市工業地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

レバノンの動き

MTV(6月26日付)などレバノンの複数のメディアは、南部県サイダー郡アドラー市での軍によるサラフィー主義武装集団の掃討に関して、シリアへの逃走が一時報じられた指導者のアフマド・アスィールが依然としてサイダー郡内に潜伏していると報じた。

諸外国の動き

AP(6月27日付)は、複数の駐ニューヨーク外交官の話として、米国と英国が国連に「シリア政府によって10回化学兵器が使用された」と主張する一方、反体制勢力による化学兵器保有および使用に関する「いかなる証拠も発見できなかった」との報告を行ったと報じた。

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クウェートを訪問中のジョン・ケリー米国務長官は「過激派が強力になり、テロの可能性が増えれば、地域にとって事態はさらに危険なものになる」と述べたうえで、「シリア情勢において、軍事的解決はなく、我々は外交的解決をめざさねばならない」と強調した。

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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ゴラン高原の占領地でのイスラエル軍の訓練を視察し、「我々がここで行っている訓練は、理論的なものではない。我々をめぐる情勢は急速に緊張している。事態は混乱、急変しており、我々はこれに対して備えなければならない」と述べた。

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ヨルダンの内務省が声明を出し、フサイン・マジャーリー内務大臣がアン・リチャード米国務次官補(人口・難民・移民担当)に対して、「人道的観点に基づき、ヨルダンは避難民に対して(対シリア)国境を封鎖することはない」と伝えたことを明らかにした。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、アレッポ県地元評議会の使節団と会談した。

使節団は、アレッポ県議会のヤフヤー・ナアナーア議長、アフマド・アズーズ県地元評議会議長、アブドゥルカリーム・アニースから構成されていた。

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ロシア日刊紙『ヴェドモスチ』(6月26日付)は国防省消息筋の話として、「タルトゥースには、軍人、国防省の民間職員のいずれも残っていない…。シリアの紛争に関連する危険を軽減するため職員の退避を決定した」と報じた。

AFP, June 26, 2013、al-Hayat, June 27, 2013、Kull-na Shuraka’, June 26, 2013、Kurdonline, June 26, 2013、Naharnet, June 26, 2013、al-Quds al-ʻArabi, June 26, 2013、Reuters, June 26, 2013、SANA, June 26, 2013、UPI, June 26, 2013などをもとに作成。

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サウジアラビア外相が米国務長官とジェッダで会談、記者会見では「イランとヒズブッラーの介入に対して沈黙するわけにはいかない」との意向を示す(2013年6月25日)

シリア政府の動き

アサド大統領は、シリア国内に不法入国するすべての者を、禁固1~5年の実刑ないしは500万~1,000万シリア・ポンドの罰金刑に処することを定めた2013年法律第9号を施行した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は、カタールのハマド・ビン・ハリーファ首長の退位とタミーム・ビン・ハマド皇太子の新首長就任に合わせて声明を出し、新首長誕生への祝辞を述べるとともに、「アラブ諸国民の権利を支援するカタールの原則姿勢の継続においてさらなる成功を収める」ことを望むと発表し、支援の継続を要請した。

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ザマーン・ワスル(6月25日付)は、シリア・ムスリム同胞団の一部活動家がイスタンブールで「民主的」で「穏健」な政党の結成を準備していると報じた。

同報道によると、新党結成の動きは、ムハンマド・ワリードが、キリスト教徒のライムーン・マアジューンらとともに推し進めているという。

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自由シリア軍のアブドゥルハミード・ウマル・ザカリヤー大佐は、ムスタクバル・チャンネル(6月25日付)に対して、「自由シリア軍参謀委員会は、数ヶ月前に声明を出し、バッサーム・ダーダーとの関係を否定している」と述べ、レバノン南部県サイダー郡アドラー市のサラフィー主義者シャイフ、アフマド・アスィールが自由シリア軍の保護を受け、シリア領内に逃走したとのダーダーの発言を否定した。

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『ハヤート』(6月25日付)は、アレッポ県で、女子大学生らが「我らが母アーイシャ大隊」と名のる反体制武装集団を結成し、自由シリア軍の戦闘員とともに戦闘に参加すると発表したと報じた。

「我らが母アーイシャ大隊」の参加者によると、同大隊はいかなる反体制武装集団にも属さないが、自由シリア軍参謀委員会とともに戦うという。

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反体制活動家のリーバール・アサド(アサド大統領のいとこ)は、ニューヨークでの『ハアレツ』(6月25日付)記者とのインタビューで、シリアのサラフィー主義武装勢力を「ナチスよりも極悪」と非難、米国などが反体制勢力に武器供与を行えば、トルコやイスラエルをも巻き込んだ「地域戦争」に発展すると警鐘を鳴らした。

リーバール・アサドは「彼ら(サラフィー主義者)は、中東各地に反乱を拡散しようとしている。彼らを止めることができなければ、結果として地域戦争が生じ、トルコやイスラエルに及ぶだろう…。ワシントンはこの宗派戦争のいかなる勢力にも与するべきではない…。過激派に武器を供与するのではなく、米国はロシア、中国と協力し、挙国一致政府樹立に向けた国際合意を結ぶべきだ」と述べた。

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『テレグラフ』(6月25日付)は、アサド大統領のおじで反体制活動家のリフアト・アサド前副大統領が、パリの邸宅を7,000万ユーロで売却したと報じた。

この邸宅はパリの一等地に位置し、7階建てで資産価値は1億ユーロ。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区に軍が砲撃を行う一方、アダウィー地区に迫撃砲弾が着弾し、複数の市民が負傷した。

また複数の反体制消息筋によると、ダマスカス大学医学部に治安部隊が突入し、複数の学生を逮捕、連行した。

一方、SANA(6月25日付)によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団の複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、ダイルハビーヤ市、ドゥーマー市、アルバイン市、ヤルダー市、アドラー市、ヤブルード市郊外、ハルブーン市、ハムーリーヤ市、ザバダーニー市などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆を加えた。

またバイト・サフム市、シャブアー町近くで大きな爆発が2度発生した。

一方、SANA(6月25日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市、アドラー市、アルバイン市、ナブク市、ハルブーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団で複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、第15旅団基地周辺、ダルアー市で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月25日付)によると、ダルアー市各所、シャブラク村、ムザイラア市、ナーフィア村、ハイト村、スィヒム・ジャウラーン市、ジャニーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、タウヒード旅団で複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、タルナジャ市、ジャバーター・ハシャブ市、カフターニーヤ市、ハミーディーヤ市、バアス市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ダイル・フール村、ラスタン市、カルヤタイン市、ダーラ・カビーラ市、スッカリーヤ町、タッルカラフ市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月25日付)によると、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タイバ村、カルヤタイン市、タルビーサ市、バイト・スワイス市、タドムル市南部、タッルカラフ市郊外、スッカリー村、ラスタン市、タッルダハブ市、ダイル・フール村、ウンム・ダワーリー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ラーミー村、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月25日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、カストゥーン村、ダルクーシュ町、アリーハー市、カフルナーヤー市、アウラム・ジャウズ市、ラーミー村、イドリブ中央刑務所周辺、マアッラトミスリーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、チェチェン人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サイフ・ダウラ地区、マアーディー地区、ラーシディーン地区、アシュラフィーヤ地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ中央刑務所周辺でも、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月25日付)によると、マンナグ航空基地、アイン・ダクナー市・アアザール市間の街道、マンスーラ村、フライターン市、アレッポ市ラーシディーン地区、ハイダリーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地で、軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マリーイーヤ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月25日付)によると、ダイル・ザウル市サイフ・ヤースィーン地区、工業地区、ハウィーカ地区、マリーイーヤ村、ムーハサン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月25日付)によると、スライジーヤ村、ファトラーウィー村、ラスム・ティーナ村、ジャズダーニーヤ村、カフルヌブーダ町、ラスム・ワルド市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月25日付)によると、シャフルーラ村、ズワイク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、ジェッダでジョン・ケリー米国務長官と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、サウード・ファイサル外務大臣はシリアを「占領地以外の何ものともみなしえない」と形容し、「イランとヒズブッラーの介入に対して沈黙するわけにはいかない」と述べた。

またアサド政権が「正統性を失っているがゆえ」に、同政権がシリアの現在、そして未来に参与することをサウジアラビアは拒否する、と述べた。

そのうえで国際社会が「シリア政府の武器が増強されることを阻止する」必要があると強調する一方、「シリア国民に対する国際社会の保護、あるいは彼らの自衛を可能とするような軍事的支援の評価をめぐって手をこまねく」べきではないとの見解を示した。

これに対して、ケリー米国防長官は、米国が反体制勢力に対して実質的な支援を拡充するべく行動していると述べつつ、支援内容の詳細についての言及を避けた。

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バラク・オバマ米大統領はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相と約1時間にわたり電話会談を行い、シリア情勢について協議した。

ホワイトハウスによると、この会談で、オバマ大統領は、シリア革命反体制勢力国民連立および自由シリア軍参謀委員会への追加支援の必要を強調したという。

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イスラエル軍報道官は、負傷したシリア人男性2人がゴラン高原のクナイトラ国境通行所を経由し、イスラエル領内に入国、サファド市の病院に搬送されたと発表した。

同報道官によると、この2人は脚を撃たれており、民間人なのか、反体制武装集団の戦闘員なのかは分からないという。

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イラクのハーディー・アーミリー運輸大臣は、ダイル・ザウル県ハトラ村でのシーア派虐殺と同様の事件が再発したら、イラクを含む世界中のシーア派の若者数千人がシリアでの戦闘に赴くことになるだろう、と述べた。

アーミリー運輸大臣はイラク・イスラーム最高評議会の軍事部門であるバドル機構の書記長。

ロイター通信(6月25日付)が報じた。

AFP, June 25, 2013、Haaretz, June 25, 2013、al-Hayat, June 26, 2013、Kull-na Shuraka’, June 25, 2013, June 26, 2013、Kurdonline,
June 25, 2013、al-Mustaqbal Channel, June 25, 2013、Naharnet, June 25, 2013、Reuters,
June 25, 2013、SANA, June 25, 2013、The Telegraph, June 25, 2013、UPI, June 25, 2013、Zamān al-Wasl, June 25, 2013などをもとに作成。

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ムアッリム外相が記者会見を開き「我々は外国から押し付けられるいかなる解決策も受け入れない」としつつもジュネーブ2大会に参加する意思を表明、化学兵器の使用に関しては改めて否定(2013年6月24日)

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が記者会見を開き、ジュネーブ2会議に関して「我々は外国から押し付けられるいかなる解決策も受け入れない。外国からもたらされるアイデアも受け入れないし、在外の反体制勢力と国内の反体制勢力だけによるシリア人どうしの対話も受け入れない。我々は彼ら反体制勢力とともにシリアを建設する」と述べた。

また「我々はジュネーブ2会議を主催するモスクワとワシントンが、大会開催にふさわしい雰囲気を醸成することを望む。我々は大会のための大会は望まない」と付言した。

そのうえで「我々は、シリアの未来を建設するためのパートナーシップを構築したい。このパートナーシップとは反体制勢力の一派閥だけ(との対話)を意味しない」と述べた。

一方、化学兵器に関しては「我々は一日たりとも、化学兵器を保有しているなどと発表していない。我々はシリア政府がこうした兵器を保有しているという米大統領の発言を疑っている。このことに関して可能な唯一の解釈は、米国民が反体制勢力への武器供与を支持していないということを米国の世論調査が示しており、(シリア政府が)化学兵器を使用したとの嘘を用いることで、米国民がシリアの反体制勢力への武器供与を奨励するようになる、というものだ」と反論した。

そのうえで「反体制武装勢力への武器供与やドーハでの(シリアの友連絡グループ)の決定は、非常に危険だ。なぜなら、シリアの紛争を長引かせ、暴力、殺戮、テロ、反体制勢力の武装化を促し、ジュネーブ大会を妨げるからだ」と述べた。

他方、レバノンの南部県サイダー郡のアブラー市で、シャイフ、アフマド・アスィールの支持者による軍検問所襲撃に関して、「ドーハでの秘密の決定の結果の一つ」と述べ、シリアの友連絡グループの関与を疑った。

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アフバール・アーン(6月24日付)は、シリアの諜報機関士官の話として、シリア国内にヒズブッラーの戦闘員が約14,000人展開しており、6月半ば現在の戦死者数が1,092人にのぼると報じた(未確認情報)。

同報道によると、ダマスカス県・ダマスカス郊外県に4,500人、ヒムス県に5,000人、アレッポ県に3,500人、ダルアー県に1,000人展開しているという。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立はワリード・ムアッリム外務在外居住者省の会見を受けて声明を出し、アサド政権によるジュネーブ2会議参加への意思表明が、「現地でのパワー・バランスを変えようとするための時間稼ぎであり、自由シリア軍が頓挫させた試み」だと批判した。

また、ムアッリム外務在外居住者大臣の発言が「アサド政権がシリア国民に対して化学兵器を使用したことを示す数十の証言、報告、政府の声明、ビデオ、文書、証拠などのすべてを欺くものだ」とする一方、「反体制勢力の武装が、自衛のためで、国家テロから国民を守るために必要だ」と主張、アサド政権が「ヒズブッラーの民兵や外国の戦闘員の支援を受けることで、あらゆる宗派主義的動員をかけている」と指弾した。

さらに、声明は「政治的解決」をめざすと明言しつつ、「アサド、すべての体制幹部の退任とシリア人殺戮に参加した全員の処罰なくして、ジュネーブ2(への参加)には同意できない」との姿勢を改めて明示した。

国内の暴力

ダマスカス県では、『ハヤート』(6月25日付)によると、カーブーン区、バルザ区への突入に備え、軍が激しい砲撃を行い、反体制武装集団と交戦した。また、ルクンッディーン区に軍が突入した。

一方、SANA(6月24日付)によると、ジャウバル区で反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性1人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、アルバイン市、ドゥーマー市で、軍が反体制武装集団と交戦、ムウダミーヤト・シャーム市、ハーン・シャイフ・キャンプ周辺、ハムーリーヤ市、アイン・タルマー村、ムライハ市などを軍が砲撃した。

一方、SANA(6月24日付)によると、軍がハーミスィーヤ市の大部分を制圧し、同市、ダイル・サルマーン市、ビール・クサイブ市などで、反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハラスター市では、反体制武装集団の発砲により、市民1人が死亡、2人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市各所、ジャースィム市で、軍が反体制武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市、ハウラ地方、タルビーサ市で、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月24日付)によると、ヒムス市カラービース地区、クスール地区、ジャウラ・シヤーフ地区、ワーディー・サーイフ地区、バーブ・フード地区、ラッフーム村、ウンム・ラジーム村、サアン村、ヒルブナフサ村、タッルダハブ市、カルマス村、ラスタン市、西タイバ村、バールージャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またSANA(6月24日付)によると、ダイル・ガッサーニーヤ村入り口で、フランシスコ会修道士のフランソワー・ムラード神父が修道院で反体制武装集団の暴行を受けて、殺害された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムハルダ市、タルファーウィー村、ハムダーニーヤ村、バイユード村、トゥッファーハ村、カフルヌブーダ町、シャフシャブー山で、軍が反体制武装集団と交戦した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、ジューズィフ市、タッル・ナビー市、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団と交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アターリブ市、マンスーラ村、サフィール市、マンナグ航空基地周辺、シュハイフナ山で、軍が反体制武装集団と交戦した。

またアレッポ市のラーシディーン地区、ハラブ・ジャディーダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月24日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、マンナグ航空基地内の農業研究センターで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ではカースティールー地区、サーフール地区、旧市街、ライラムーン地区で軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市で市民2人が何者かに撃たれて死亡した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダルバースィーヤ・ハサカ街道で民主統一党人民防衛隊が反体制武装集団と交戦した。

またマブルーカ村に対して、軍が砲撃を行った。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団本部が軍の砲撃を受けた。

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ハマー県では、SANA(6月24日付)によると、ジュッブ・ハンタ市、ジュッブ・ウスマーン市、ラスム・ダーヒリーヤ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月24日付)によると、スッカリーヤ町、カタフ・リマール村で軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

レバノンの複数のメディアによると、レバノン軍は南部県サイダー郡アブラー市にあるサラフィー主義者アフマド・アスィールのビラール・ブン・ラバーフ・モスク一帯を立入禁止区域に指定し制圧、外国人を含む複数の戦闘員を逮捕、アスィールを含む一部の戦闘員は逃走した。

この戦闘により、軍の士官・兵士16人が死亡、またサラフィー主義者戦闘員も20人以上が死亡した。

LBCI(6月24日付)は、自由シリア軍政治顧問を名のるバッサーム・ダーダーの話として、アスィールは自由シリア軍に保護され、シリア国内に逃れた、と報じた。

諸外国の動き

チュニジアのアンサール・シャリーア機構はフェイスブックを通じて声明を出し、アレッポ県マンナグ航空基地での軍と反体制武装集団の戦闘で、チュニジア人のマルワーン・ベルハーッジ・サーリフ(通称、アブー・イスマーイール・ファールーク)が戦死したと発表した。

サーリフは、2013年2月にチュニスで発生した野党指導者シュクリー・ベルード暗殺事件の首謀者としてチュニジア内務省が写真を公開していた5人のうちの一人。

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EU外相会議がブリュッセルで開催され、キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長のイニシアチブのもとに作成されたシリア紛争をめぐる包括的アプローチを承認した。

アシュトン上級代表によると、同アプローチは、「移行期プロセスの開始を可能とする政治的解決策の導出を最優先事項」とし、「すべての紛争当事者に前進計画を確定するための交渉のテーブル」に付くよう求めるため、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表の活動を改めて支援する姿勢を打ち出す一方、近隣諸国への紛争の波及回避、人道状況改善に向けた取り組みにも力点を置いている、という。

アシュトン上級代表は、『ハヤート』(5月25日付)に対して、「シリアの将来においてアサド大統領が果たすべき役割はない」と述べたが、同アプローチには、英仏が推し進める反体制勢力への武器供与への支持は明確に打ち出されていない。

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フランスのフランソワ・オランド大統領はカタールに次いでヨルダンを訪問し、国王アブドゥッラー2世と会談した。

会談後、オランド大統領は、「ドーハで…反体制勢力が現地で活動を続けられるよう必要なあらゆる支援をすることを決定した」と述べる一方、この支援が「ジュネーブ2開催を可能とする圧力とならねばならない」と強調した。

また「ヨルダンに軍事支援の調整を望んでいるが、それはヨルダンが決める問題だ…。我々はシリアの反体制勢力が自らを組織できることを確認したい…。そうした兆候が、自由シリア軍、そしてサリーム・イドリース司令官に見られる」と付言した。

そのうえで「反体制勢力は、混乱をもたらそうとする過激な集団から分離せねばならない…。シリア政府は、政治的移行プロセスに入らなくて済むよう、これらの組織が作り出す状況を利用している」と指摘した。

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ロシア外務省は声明を出し、シリアの友連絡グループが反体制勢力への武器供与を決定したことに関して、紛争の迅速な政治的解決をめざす努力を妨害すると非難した。

AFP, June 24, 2013、Akhbar al-An, June 24, 2013、al-Hayat, June 25, 2013、Kull-na Shuraka’, June 24, 2013、Kurdonline, June 24, 2013、LBCI,
June 24, 2013、Naharnet, June 24, 2013、Reuters, June 24, 2013、SANA, June
24, 2013、UPI, June 24, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍がヒムス県タッルカラフ市への突入に備え砲撃を激化、仏大統領とカタール首長が自由シリア軍参謀委員会を通じて反体制勢力に軍事支援を行うことで合意したと報じられる(2013年6月23日)

シリア政府の動き

人民議会は、シリア国内に不法入国するすべての者を、禁固1~5年の実刑ないしは500万~1,000万シリア・ポンドの罰金刑に処することを定めた法案を可決した。

SANA(6月23日付)が報じた。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立の会派「民主ブロック」に所属するシリア民主主義者連合メンバー23人が会合を開き、連合代表のミシェル・キールーをブロックの代表に選出する事を決定した。

また、アフマド・アースィー・ジャルバーを連立議長候補に、リーマー・フライハーンを副議長候補に、カマール・ルブワーニーを書記長候補に擁立することを決定、ムアーッズ・アフマド・ハティーブ前議長に、緊急総合委員会会合を召集し、新議長らの選出を行うよう求めた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ヒズブッラーの「民兵」の支援を受けたシリア軍がヒムス県タッルカラフ市で「虐殺」を行おうとしていると主張、国際社会に対して「民間人を保護」するよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ドーハでのシリアの友連絡グループ外相級会合での決議に謝意を示した。

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シリア革命総合委員会は、ヒムス県タッルカラフ市に対する軍の攻撃激化に関して、自由シリア軍参謀委員会とシリア革命反体制勢力国民連立による「タッルカラフ市への支援は明らかに限定的」と批判した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ルクンッディーン区で3人の戦闘員からなる武装集団が警察署に向かって発砲しながら突入し、うち2人が自爆した。

この自爆テロにより戦闘員3人と警察署員4人が死亡、また7人が負傷した。

またバーブ・ムサッラー地区では、3人の戦闘員からなる武装集団が刑事治課本部に発砲しながら突入を試み、自爆した。

これにより、戦闘員3人を含む5人が死亡、兵士、民間人9人が負傷した。

さらにマッザ86地区では、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも市民2人が死亡した(SANA(6月23日付)によると、この爆破で子供1人を含む3人が死亡した)。

このほか、バルザ区、カーブーン区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月23日付)によると、アッバースィーイーン広場で、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾3発が着弾し、市民1人が死亡、7人が負傷した。

また、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、フジャイラ村、サイイダ・ザイナブ町周辺などに対して、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月23日付)によると、ジャルマーナー市で、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、子供1人が死亡、市民4人が負傷した。

また、ダイル・サルマーン市、ハラスター市、ズィヤービーヤ町、ハルブーン市、ヤブルード市郊外、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部入り口にある軍の検問所(アウド検問所)に対して、シャーム自由人大隊の戦闘員が爆弾を仕掛けた車を突入させ、兵士12人を殺害した。

またアレッポ市旧市街、アカバ地区、アワーミード地区、ハイダリーヤ地区、ハラブ・ジャディーダ地区、ラーシディーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦した。

このほか、反体制武装集団は、マンナグ航空基地司令部に対しても爆弾を仕掛けた車を突入させ、攻撃し、士官1人を含む複数の兵士を殺害した。

これに対して、軍はマンナグ航空基地を空爆した。

またマズラア市、ハナースィル市で、軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月23日付)によると、軍がマンナグ航空基地に対する反体制武装集団の攻撃を退けるとともに、アルカミーヤ村、マンナグ村にある武装集団の拠点を制圧した。

またアレッポ市ラーシディーヤ地区、ブスターン・バーシャー地区、サーフール地区、ライラムーン地区、アレッポ・イドリブ街道沿いのザイドゥー・ガソリン・スタンド、マンスーラ村、アレッポ中央刑務所で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、アレッポ市サーフール地区では、反体制武装集団が仕掛けようとしていた爆弾が爆発、戦闘員全員が死亡した。

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ヒムス県では、シリア革命総合委員会、シリア人権監視団によると、軍がタッルカラフ市への突入に備え、砲撃を激化させた。

シリア人権ネットワークによると、軍は18日にタッルカラフ市を包囲、20日に市内への砲撃を本格化させ、22日に市の西部および北部から突入、23日に市内の大部分を奪還した。

一方、SANA(6月23日付)によると、タドムル市郊外のベル神殿南東部、デデマン・ホテル(旧メリディアン)、タッルドゥー市、タッルダハブ市、キースィーン市、ラスタン市、タルビーサ市、アーミリーヤ市、ガジャル村、タウィール村、タイバ村、ヒムス市カラービース地区、ハーリディーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、SANA(6月23日付)は、タッルカラフ地方で関係当局に投降した反体制武装集団の戦闘員のうち、殺人を犯していない39人を当局が釈放した、と報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アウラム・ジャウズ市・ラーミー村間の軍検問所を反体制武装集団が襲撃した。

またタウヒード旅団などからなる反体制武装集団はアイン・イーサー市の第93旅団本部に対して攻撃を行った。

一方、SANA(6月23日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、バシーリーヤ市、カフルルーマー村、ダイル・シャルキー村、カフルサジュナ市、ラーブール市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、キンサッバー地方の対トルコ国境の村々を軍が空爆した。

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ハマー県では、SANA(6月23日付)によると、軍がダフシュ市で反体制武装集団の掃討を完了、同市の治安を回復した。

また、ウンム・スフライジュ村、バイユード村、アンダリーン村、カスル・ブン・ワルダーン村軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区などに軍が砲撃を行った。

一方、SANA(6月23日付)によると、ダイル・ザウル市クスール地区、ガーズィー・アイヤーシュ地区などに反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾する一方、軍はウルフィー地区などで、反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ハミース市、タルタブ市などに軍が砲撃を行った。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、アービディーン市、タファス市、ムザイリーブ町などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(6月23日付)によると、ラジャート高原などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月23日付)によると、反体制武装集団がハーン・アルナバ市で県救急機構のラフィーク・アッバース代表を誘拐した。

レバノンの動き

南部県サイダー郡アドラー市で、サラフィー主義者のシャイフ、アフマド・アスィールを支持する武装集団が軍の検問所を襲撃し、NNA(6月23日付)によると、戦闘により、兵士10人が死亡、35人が負傷、また武装集団の戦闘員1人が死亡、15人が負傷した。

LBCI(6月23日付)によると、襲撃は、軍がビラール・ブン・ラバーフ・モスク関係者2人を逮捕したことへの報復だという。

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アドラー市でのサラフィー主義者と軍の交戦を受け、北部県、ベカーア県、ベイルート県の各所で、若者らが道路を封鎖し、衝突に抗議した。

諸外国の動き

フランスのフランソワ・オランド大統領は、カタールのドーハを訪問し、ハマド・ビン・ハリーファ首長と会談、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、オランド大統領は、ヒズブッラーがシリアの紛争に介入したことを非難し、レバノン大統領に対して、不関与政策を貫徹するよう呼びかけた。

またシリアの反体制勢力に対して「あらゆる支援を行う」としたうえで、「何よりもまず政治的支援(を行い、次いで)物的、人道的、軍事的な支援(を行う)。紛争当初から政治的支援を行っている…。軍事的支援も行う。(シリアへの武器輸出を)禁止し続けることができないと欧州で初めて言ったのは我々だ」と述べた。

そのうえで「我々は反体制勢力が自分たちを政治的、軍事的に組織することを条件として示した。民主的なシリアの公益や我々に対抗するような組織に武器が渡るとは思っていない」と付言、「過激派の手に落ちている地域がある。反体制勢力はこうした地域への支配を回復し、過激派を遠ざけねばならない。それが反体制勢力とシリアにとっての利益となる」と強調した。

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『ハヤート』(6月24日付)は、フランスの高官からの情報として、オランド大統領とハマド首長が、自由シリア軍参謀委員会を「シリアの革命家たちへの軍事支援の基本チャンネル」と定め、同委員会を通じて反体制勢力に軍事支援を行うことで合意し、「過激なジハード主義者の手に武器が渡ることはないだろう」と報じた。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は、ドーハでのシリアの友連絡グループ外相級会合での決定(反体制勢力への武器供与)に関して、「シリアへの武器供与を支援するものは、無実の人々に対する殺戮と地域の不安定化の責任を負っている」と非難した。

IRNA通信(6月23日付)が報じた。

AFP, June 23, 2013、al-Hayat, June 24, 2013, June 28, 2013、Kull-na Shuraka’, June 23, 2013、Kurdonline,
June 23, 2013、LBCI, June 23, 2013、Naharnet, June 23, 2013、NNA, June 23,
2013、Reuters, June 23, 2013、SANA, June 23, 2013、UPI, June 23, 2013などをもとに作成。

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ドーハでシリアの友連絡グループの閣僚級会合開催される、参加各国は閉幕声明のなかで特にヒズブッラー、イラン、イラクの戦闘員によるシリア情勢への介入を非難(2013年6月22日)

シリアの友連絡グループによるシリアへの干渉

シリアの友連絡グループの閣僚級会合がドーハで開催され、米英仏独伊、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、カタール、UAE、トルコ、スペインの11カ国の外務大臣が参加した。

会合は「シリアの友連絡グループ会合」でなく、「シリア特別閣僚会合」の名で行われた。

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議長を務めたカタールのハマド・ビン・ジャースィム首相兼外務大臣は開会の辞で「レバノン政府はシリアの紛争へのいかなる組織の介入をも阻止すべきだ」と述べた。

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会合において、ジョン・ケリー米国務長官は、アサド大統領が「イランとレバノンの戦闘員からの支援を求めることで事態を悪化させた」と述べたうえで、現地におけるシリア政府との「バランス喪失」を抑えるため、参加国が政治的、軍事的支援を増加させるだろうとの意思を表明した。

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ファビウス外務大臣は会合の最後に、「バッシャール・アサドは、この(ジュネーブ2会議開催への)機会を活かすのではなく、イランとヒズブッラーの増援部隊を入れた。また我々はシリアでアサド政権が化学兵器を使用した証拠について発表した。こうした枠組みのなか、我々の会合は、反体制勢力をさまざまなかたちで支援することを決定した」と述べた。

また「我々は人道支援を強化した…。我々はジュネーブ2を結実・開催させるための努力を続ける。なぜならシリアにおける唯一の解決策は平和的解決であり、それには反対勢力の力を強化することが必要だからだ」と主張した。

さらに自由シリア軍参謀委員会に高性能武器を供与されたことに関して「反体制勢力がイラン、ヒズブッラーの戦闘員から自衛するために非常に重要だ」と述べた。

そのうえで「我々は平和的解決を呼びかける。なぜなら、アサド、イランとヒズブッラーの部隊は、紛争を「国際問題化」させているからだ…」と付言した。

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閉幕時に発表された声明において、11カ国は「現地の反体制勢力に対して、シリア政府およびその同盟者の野蛮な攻撃に対抗し、シリアの民間人を保護する能力を与えるべく、各国の判断であらゆる機器を緊急に送ること」を決定したと発表した。

声明では、ヒズブッラー、イラン、イラクの戦闘員の参加を非難し、イラクとレバノンに戦闘員や武器の流入を阻止するよう要請したが、参加国による武器供与、戦闘員潜入支援については何ら言及しなかった。

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会合後、ハマド首相はケリー国務長官と共同記者会見を開き、そのなかで会合が「シリア国内の状況を変化させるため実質的にどう動くかに関して、極秘決定を含む複数の決定を行った」と述べた。

また、アサド政権による「弾圧」や、ヒズブッラーによる支援に関して、「地域に脅威を与え、テロをもたらす」としたうえで、「すべての参加者が、シリア国民を支援するため、迅速な介入を行うべきだと考えている。ただし、それを軍事介入だとは言わない。我々は政治的解決をめざしているが、シリア政府は殺戮に次ぐ殺戮、そして破壊を続けている」と強調した。

一方、イランやヒズブッラーの介入に関して、地域の当時者、国際社会の当時者の介入は不健全で、事態を悪化させる。我々は地域で宗派戦争が生じないよう試みている」と非難したが、自国を含む西側諸国の介入がもたらす悪影響については認めなかった。

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一方、ケリー国務長官は、「ヒズブッラーとイランの介入、そしてアサド政権への支持は危険だ…。我々は地域戦争を避けたいと考えている…。我々は宗派主義戦争を望んでいない…。しかしイランはそれをめざしている。こうしたことを避けるため、我々は全力を尽くす」と述べた。

「また、(シリア政府による)化学兵器使用、そしてヒズブッラーを通じた暴力…を受け、別の種類の支援をさらに行うことなしに交渉にいたるという選択肢がないと決心した」と付言した。

しかし「別の種類の支援」が何なのかについては明言しなかった。

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フランスのファビウス外務大臣は、会合後の記者会見で、フランスがシリアの反体制勢力に対して、サリン・ガスに対処するための医療品1,000人分を供与したことを明らかにした。

また「我々はイランとヒズブッラーに紛争への介入を止めるよう要求する」と述べ、紛争を「国際問題化」させたと非難、「ヒズブッラーは特にクサイルへの攻撃で、非常に否定的な役割を果たした…。我々は紛争の国際問題化に強く反対する」と強調した。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、自由シリア軍参謀委員会作戦室がアレッポ市内の「西部諸地区解放作戦」を開始し、ハラブ・ジャディーダ地区などを攻撃、反体制武装集団が撃った迫撃砲により、科学研究センターで火災が発生した。

反体制武装集団が出した声明によると、この作戦には、使徒末裔大隊、タウヒード旅団、ファールーク大隊、イスラームの鷹大隊など13のサラフィー主義組織が参加しており、アレッポ広報センター(反体制組織)のムハンマドを名のる活動家によると、攻撃はハラブ・ジャディーダ地区内のシーア派が多く居住する地域に対して重点的に行われている。

またシリア人権監視団によると、マンナグ航空基地周辺などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月22日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、アアザーズ・マンナグ街道沿い、アレッポ・イドリブ街道沿い、シャイフ・ナッジャール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、マサーキン・ハナーヌー地区、カッラーサ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区、ジャウバル区、マサーキン・バルザ地区で軍・人民諸委員会と反体制武装集団が交戦、軍と反体制武装集団の双方が砲撃戦を行った。

一方、SANA(6月22日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月22日付)によると、ナブク市、アドラー市、カーラ市、ランクース市、フーシュ・アラブ村、ワーディー・アルクーブ地方の街道沿い、ドゥーマー市郊外、ズィヤービーヤ町、ハルブーン市、ジャイルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ジュンド・リサーラ団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月22日付)によると、ダルアー市、シャブラク村、サフム・ジャウラーン村、ジッリーン村、タスィール町

、タファス市、ジャースィム市、アジャミー村、シャジャラ町、アービディーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タッルカラフ市、ラスタン市、ヒムス市各所で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月22日付)によると、ラスタン湖で軍が反体制武装集団の乗った船を攻撃、沈没させた。

またヒムス市カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ハーリディーヤ地区、ワアル地区郊外、キースィーン市、タッルドゥー市、タッルダハブ市、ブルジュ・カーイー村、カフルラーハー市、ラスタン市、タルビーサ市、カルアト・ヒスン市、ガントゥー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バスナクール市周辺の検問所、アウラム・ジャウズ市・アリーハ市間の街道の軍検問所、ジャーズィル軍事基地周辺、ザーウィヤ山の村々などで軍と反体制勢力が交戦し、軍が空爆・砲撃を加えた。

複数の反体制消息筋によると、シャームの鷹旅団、シャーム解放イスラーム運動などの反体制武装集団は、「開城」作戦として軍検問所の制圧をめざし、アウラム・ジャウズ市、バスナクール市、カイヤーサート市、カフラバー市、カフルシャラーヤー市の検問所を制圧したという。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月22日付)によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、カナーマート地区、工業地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダイル・ザウル市とタドムル市(ヒムス県)を結ぶ街道で、反体制武装集団が人道支援物資数十トンを積載した貨物車輌2台を襲撃し、物資を略奪した。

シリア政府の動き

アサド大統領は2013年政令第38号を発し、民間公務員、軍関係者、地方公務員の給与を最高で75%引き上げることを決定した。

またアサド大統領は合わせて2013年政令第39号を発し、民間公務員および軍関係者の退職者に対する年金を最高で65%引き上げることを決定した。

レバノンの動き

NNA(6月22日付)によると、北部県アッカール郡ドゥバービーヤ村に、シリア領から発射された迫撃砲弾が12発着弾した。

諸外国の動き

スペイン内務省は、セウタで摘発・解体されたテロ・ネットワークによってシリアに派遣された戦闘員5人のうちの1人が、2012年6月にイドリブ県のナイラブ航空基地で自爆攻撃を行ったことがビデオ映像の解析結果から判明した、と発表した。

AFP(6月22日付)が報じた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、シリア情勢を協議するためカタールのドーハを訪問した。

AFP(6月23日付)によると、この訪問でオランド大統領は「軍事的圧力を行使することなしに政治的解決はもたらされない」、「アサド政権は力を持っていると感じている限り、対話には応じず、反体制勢力はアサドの方が強いと感じている限り、対話には応じない」とのメッセージを伝えた予定だという。

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イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣とテヘランで会談した。

会談後の記者会見で、サーレヒー外務大臣は、国際社会の総意を拒否するかたちで、西側諸国がシリアで犯罪を繰り返す「テロ集団」に武器を供与していると述べた。

(C)青山弘之 All rights reserved.

自由シリア軍参謀委員会が反体制武装集団に対する「新型の近代兵器」の供与がなされたことを明らかにするなか、シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会は「アサド政権が化学兵器を使用した」との米英仏の断定を否定(2013年6月21日)

シリア政府の動き

『バラドナー』(6月21日付)は、複数の公式筋の話として、シリア・ポンドの急落に対処するため、内閣が民間公務員と軍関係者の給与とそれぞれ65%、100%引き上げることを検討している、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(6月21日付)は、有線無線通信公社が、シリア・ポンドの急落を受け、通話料の引き上げを検討している、と報じた。

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喜劇俳優のドゥライド・ラッハームは、シリアとの完全断交を決定したエジプトのムハンマド・ムルスィー大統領の決定を「非愛国的」と非難した。

クッルナー・シュラカー(6月21日付)が報じた。

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『ハヤート』(6月22日付)は、アフマド・イスカンダル・アフマド元情報大臣の娘のラマー・アフマドが、家族とともにシリア国内に脱出したと報じた。

ラマー・アフマドは2005年から2010年までに在ドバイ・シリア領事を務め、その後外務省広報局に所属していた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍(参謀委員会)アレッポ軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐が声明を出し、議長職を辞任すると発表した。

声明によると、辞任は、同僚の「幼稚で不満ばかり言う振る舞い」によるもので、今後は、各戦線の戦闘員とともにアレッポでの戦闘に専念するという。

なおアレッポ革命軍事評議会議長の職は続けるという。

『ハヤート』(6月22日付)が報じた。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長はアラビーヤ(6月21日付)に、反体制武装集団が「新型の近代兵器」を供与されたと述べた。

イドリース参謀長は「数日前に、欧米諸国からの非常に前向きな措置が行われた…。我々は必要なすべてを得たわけではないが、状況は良くなっている」と述べた。

またドーハでのシリアの友連絡グループ外相級会合に先立って、自由シリア軍が20日にアンカラで調整会合を行い、イスラーム主義武装集団の司令官らが多数参加したことを明らかにした。

イドリース参謀長によると、この調整会合には、シャーム自由人大隊のハッサーン・アッブード司令官、シャームの鷹旅団のアフマド・イーサー司令官、タウヒード旅団のアブドゥルカーディル・サーリフ司令官らが参加したという。

自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードも、「我々が要求していた武器、戦況を変化させるであろう武器の一部を受け取った…。前線の戦闘員への供与を開始した」ことを明らかにした。

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クッルナー・シュラカー(6月22日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方の各所で、「言葉でなく行動によるシャーム救済」金曜日と銘打って反体制デモが行われ、アサド政権打倒、ジュネーブ2会議反対が訴えられた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月21日付)によると、ジャウバル区、バルザ区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ヤルダー市周辺、アルバイン市、フライハ市郊外などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月21日付)によると、アーリヤ農場、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村、アドラー市、ランクーシュ市、フーシュ・アラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アーリキーン村で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも市民10人が負傷した。

アーリキーン村は、アラウィー派とシーア派が住む村だという。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ウーファーニヤー検問所周辺で、軍と反体制武装集団が交戦し、士官1人を含む軍兵士複数が死亡した。

一方、SANA(6月21日付)によると、ジュバーター・ハシャブ村、ウーファーニヤー村、ジャッバー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、アレッポ市内で軍と反体制武装集団の戦闘が激化、スライマーン・ハラビー地区、シャイフ・マクスード地区、マイサル地区、アシュラフィーヤ地区などでの戦闘で複数人が死傷した。

また、マンビジュ市、クワイリス航空基地周辺、マーリア市、ハナースィル市が、軍の空爆を受けた。

一方、SANA(6月21日付)によると、タニーバ・マンナグ街道、アアザーズ・アフリーン街道で、トルコから潜入した反体制武装集団の車輌を軍が攻撃・破壊した。

またアレッポ市カースティールー地区、ジャンドゥール交差点、サールーフ地区、サーリヒーン地区、シャッアール地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によるおと、ビンニシュ市郊外、マアッラト・ヌウマーン市郊外が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月21日付)によると、サラーキブ市、イドリブ中央刑務所周辺、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サルジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市のラサーファ地区、ハミーディーヤ地区、ラシュディーヤ地区、旧空港地区、ムーハサン市で軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月21日付)によると、ダイル・ザウル市の工業地区、旧空港地区、労働者住宅地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊、また武装集団によるトルコへの石油密輸未遂を特殊作戦で阻止した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、軍の砲撃によって死亡したと思われる遺体数十体がマスウード村郊外で発見された。

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ヒムス県では、SANA(6月21日付)によると、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、タッルダハブ市、タッルドゥー市、タドムル市郊外、ラスタン市、タイバ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

諸外国の動き

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会のパウロ・セルジオ・ピネイロ委員長は、記者団に対して、シリア国内で化学兵器を使用したのかが誰かを特定することはできないと述べ、アサド政権が使用したとする英米仏の断定を否定した。

AFP(6月21日付)が報じた。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はドイツのアンゲラ・メルケル首相とサンクトペテルブルクで会談、シリア情勢などについて協議した。

会談後の共同記者会見では、プーチン大統領は、「シリアでの政権交代にかかる決定が今なされれば、シリアに政治的真空が生じるのではと懸念している…。ドイツ首相はこのことを理解している…。アサド大統領が今去れば、政治的真空が生じる。誰がこれを埋めるのか?おそらくテロ組織だろう」と述べた。

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AFP(6月21日付)によると、ヨルダンの首都アンマンのフサイニー・モスク外で、ヨルダン・ムスリム同胞団のメンバーや支持者ら1,000人がアサド政権とヒズブッラーに反対するデモを行った。

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フランス外務省は、トルコからシリア北部に医療物資、薬品など16トンを送ったと発表した。

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スペイン外務省は、ジブラルタル海峡のアフリカ側に位置するセウタで、シリアで活動するアル=カーイダとつながりのあるテロ集団への戦闘員の派遣に関与していたネットワークを解体、8人を逮捕したと発表した。

この集団は、セウタと隣接するモロッコ領のフナイディク市で活動し、戦闘員の募集、教練、派遣などを行っていたという。

AFP(6月22日付)が報じた。

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バラク・オバマ米大統領は、米議会に書簡を送り、シリアの紛争に対処するため、ヨルダンでの多国籍軍事演習に参加していた米兵約700人を残留させると通知した。

演習は20日に終了したが、パトリオット・ミサイル、F16戦闘機、通信装置などとともに「安全保障上、必要としない状況になるまで」駐留させるという。

なおこれにより、ヨルダンに駐留する米兵は1,000人規模になる。

AFP, June 21, 2013、Alarabia.net, June 21, 2013、Balad-na, June 21, 2013、al-Hayat, June 22, 2013、Kull-na Shuraka’, June 21, 2013, June 22, 2013、Kurdonline,
June 21, 2013、Naharnet, June 21, 2013、Reuters, June 21, 2013、SANA, June
21, 2013、UPI, June 21, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア外務省が国連に送った書簡のなかでサウジアラビアのウラマーらがテロを支援するファトワーを発していると抗議、自由シリア軍参謀委員会はシリアの友連絡グループに武器供与を改めて求めるもフランスが慎重な姿勢を示す(2013年6月20日)

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省は、国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、そのなかでサウジアラビアのアブドゥルアズィーズ・アール・シャイフ大ムフティー、ムハンマド・ウライフィー、カタールが庇護するユースフ・カラダーウィー、ムハンマド・ハッサーン、サフワトヒジャーズィー、クウェートのシャーフィー・スルターン・アジャミーといったウラマーが、テロを唱導し、テロリストを支援するようなファトワーを発していると抗議した。

また外務在外居住者省は、「シリアの同胞を救済するためのジハード」を呼びかけたカイロでのイスラーム・ウンマ・ウラマー大会に関して、「エジプト政府は、逸脱したシャイフたちにテロや殺戮を煽動する声明を出すことを許したことは、エジプト政府がテロ犯罪やシリア人の流血に荷担していることを示すものである」と批判した。

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進歩国民戦線加盟政党のシリア民族社会党イサーム・マハーイリー派は、ダマスカス県のダーマー・ルーズ・ホテル(旧メリディアン)で第1回総会を開いた。

総会は12人からなる最高評議会(最高意思決定機関、ズハイル・カトラーン議長)を選出、またイサーム・マハーイリーを党首に、アブドゥッラー・ムナイニーを書記長に選出した。

なおクッルナー・シュラカー(6月20日付)によると、総会に出席したアフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国ムフティーは、シリア革命反体制勢力国民連立メンバーの国籍剥奪を主唱した。

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シリアン・デイズ(6月21日付)は、カドリー・ジャミール経済問題担当副首相兼国内通商消費者保護大臣が、灯油の価格引き上げ決定に署名したと報じた。

これにより、1リットル35シリア・ポンドだった灯油は、60ポンドに値上げとなる。

なおこれに先立ち、ガソリンの値段も1リットル55ポンドから80ポンドに、プロパンガスも550ポンドから1,000ポンドに値上げしていた。

また複数の消息筋によると、内閣はインターネット使用量を100%引き上げることを検討しているという。

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『アフバール』(6月21日付)は、ダマスカス県サーリヒーヤ区、スーク・ジュムアの商店主・露天商多数が、物価高騰に抗議して、部分的なストライキを行った、と報じた。

反体制勢力の動き

ロイター通信(6月20日付)は、イドリブ県などの反体制勢力が政府側の施設と契約し、「解放区」で収穫した小麦を小麦粉に粉砕していると報じた。

同報道によると、反体制勢力はイドリブ県の小麦畑のほとんどを制圧しているが、粉砕機がなく、サラキーン市のパン工場で働く反体制活動家によると「政府ではなく、人々に関わる問題」だとして、契約にいたっているという。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、「我々の要求は明白だ。それをリストで示し、友好国に渡した…。もっとも重要なのは、携帯用対空ミサイル、対戦車ミサイル、小型の地対地ミサイルだ」と述べ、シリアの友連絡グループに武器供与を改めて求めた。

ミクダード政治広報調整官によると、参謀委員会は、こうした高性能兵器のほかにも、迫撃砲、装甲車、通信機器、防弾チョッキ、ガスマスクの支給を求めているという。

またミクダード政治広報調整官は、「体制が非伝統的な弾道を装着したスカッド・ミサイルを使用して解放区を砲撃することを恐れ、飛行禁止空域を設置するための必要な措置」を講じるよう求めたと付言した。

そのうえで「我々に武器が与えられなければ、我々の前にあるのは人道的悲劇だ」と敗北への恐怖を露わにした。

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ジャズィーラ(6月20日付)は、シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー前事務局長が、同評議会クルド・ブロック代表に選出されたと報じた。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、カダム区、ジャウバル区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が激しく交戦し、軍が砲撃を行った。

またアブー・ルンマーナ地区で即席爆弾が爆発したが、死傷者はなかった。

一方、SANA(6月20日付)によると、ジャウバル区の旅客バス・ターミナル南東部で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアッバースィーイーン地区、バーブ・シャルキー地区に、反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民1人が死亡、約20人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイイダ・ザイナブ町周辺、ハジャル・アスワド市で、ヒズブッラーの戦闘員が支援する軍が反体制武装集団と激しく交戦した。

またハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、ドゥーマー市などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月20日付)によると、ドゥーマー市郊外、フバーリーヤ市郊外、ダイル・サルマーン市、バフダリーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャバーブ・フダー大隊、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のスライマーン・ハラビー地区の大部分を反体制武装集団が制圧し、軍兵士7人を殺害した。

またアレッポ市では、ブスターン・バーシャー地区、マイダーン地区、シャイフ・ヒドル地区、シャイフ・マクスード地区、サイフ・ッ=ダウラ地区、サラーフッディーン地区、アシュラフィーヤ地区、旧市街で、軍・国防隊・人民諸委員会と反体制武装集団が交戦した。

さらにシリア人権監視団は、アレッポ中央刑務所の収監者100人以上が2013年4月以降の同刑務所をめぐる軍と反体制武装集団の戦闘に巻き込まれて死亡し、食糧品、医薬品の不足に見舞われていると発表した。

しかしSANA(6月20日付)はシリア人権監視団の発表を否定した。

一方、SANA(6月20日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ではスライマーン・ハラビー地区、ブスターン・カスル地区、ブスターン・バーシャー地区、サーフール地区、シャイフ・ヒドル地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(6月20日付)は、ハーリム市でロシア人パイロットと思われる男性1人を「自由シリア軍」が拘束したと報じた。

同報道によると、現在も取調中だというこの男性は、「自由シリア軍」が2ヶ月前にアレッポ市郊外で撃墜したMiG戦闘機のパイロットだと思われ、拘束時には下着姿で、ロシア語が堪能で、英語も話すという。

また、シリア人権監視団によると、軍が対トルコ国境から2キロの地点に位置するアティマ村近郊のダイル・バッルート村で、民主統一党人民防衛隊と反体制武装集団が交戦、前者の民兵2人と、後者に属す外国人戦闘員ら複数が死亡した。

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ダルアー県では、SANA(6月20日付)によると、シャブラク村、スィースーン市、タスィール町、ジッリーン村、ジャムラ村、タファス市、ムザイリーブ町、タッル・ジュムーウ市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月20日付)によると、ジャバー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(6月20日付)によると、ラスタン市、ブライジュ市、アイン・フサイン市、シンダーヒーヤ市、ヒムス市ハミーディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、ハスヤー町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月20日付)によると、タッラ村、シャフルーラ村、スッカリーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、カタール人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月20日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、ジュバイラ地区、労働者住宅地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム旅団、ハック旅団、ジュバイラ殉教者大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(6月20日付)などによると、ベカーア県バアルベック郡のラブワ市とアルサール市の住民どうしが撃ち合いとなり、国軍が両者を引き離すため介入した。

またベカーア県のマスナア市、マジュダル・アンジャル市、サアドナーイル市、タアラバーヤー市、ベイルート県コルニーシュ・マズラア、北部県アッブーディーや市、ビーラ市などでは、アルサール住民との連帯を訴え、住民らが主要幹線道路を封鎖し抗議し、軍と衝突、1人が死亡、複数が負傷した。

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レバノンのミシェル・スライマーン大統領は、「もし彼ら(ヒズブッラー)がアレッポの戦闘に参加し、党員にさらなる死者が出れば、それは事態を緊迫させることになる。クサイルで事態を停止させ、彼らはレバノンに戻らねばならない」と警鐘を鳴らした。

諸外国の動き

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、「我々が信用できない状況で武器供与する余地はない。つまり、我々は自らに向けられるかもしれないなかで、武器供与は行わない…。これは明白だ。反体制勢力が政治的解決にいたるために支援すると常に言ってきた…。これが(自由シリア軍参謀委員会参謀長の)サリーム・イドリース少将とのさらなる協議の必要があると考える理由の一つだ」と述べ、武器供与に慎重な姿勢を示した。

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ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は『ハヤート』(6月21日付)のインタビューに応じ、そのなかで、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長が「反体制武装集団がダマスカスにまで達し、勝利を収めようとするなかで、シリアへの介入を決断した」ことを通達してきたことを明らかにした。

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イスラエルの治安当局高官は『ハヤート』(6月20日付)に対して、「イスラエルへの(シリアからの)ロケット弾砲撃があれば、イスラエル軍は砲撃を停止させるため、シリア領に進入せざるを得ない。そのために我々は陸上からシリアに進入しなければならない。空からだけではそれを停止させることはできない。彼らが我々にいて欲しいと望む場所に我々は行くことになる」と述べた。

また「米国はロシア軍に対抗するため、アフガニスタンのムジャーヒドゥーンにミサイルの供与を行ったとき、このミサイルが数年後米軍に対して使われたことを思い出さねばならない」と述べ、西側諸国によるシリアの反体制勢力への武器供与がイスラエルにとって軍事的脅威になり得ることを示唆した。

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イラクのホシェリ・ゼバリ外務大臣は「地域の混乱、そしてあらゆる基準からみても地域紛争となったシリアの紛争に対してもっとも困難な立場にいる」としたうえで、「中立を維持するためにできることを行うべく努力しているが、圧力はあまりに強く、我々が耐えられるかはシリア情勢の進捗次第だ」と述べた。

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国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、記者団に対して、アサド政権にトルコ経由で人道支援を受け入れることを認めさせることが重要である旨、安保理で訴えたと述べた。

AFP, June 20, 2013、al-Akhbar, June 21, 2013、Aljazeera.net, June 20, 2013、al-Hayat, June 20, 2013June 21, 2013、Kull-na Shuraka’, June 20, 2013、Kurdonline,
June 20, 2013、Naharnet, June 20, 2013、NNA, June 20, 2013、Reuters, June
20, 2013、SANA, June 20, 2013、Syrian Days, June 21, 2013、UPI, June 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立がG8首脳会談の閉幕宣言をうけ「軍事活動をはじめとするあらゆる手段の行使を留保する」との意思を示す、アレッポ県では人民防衛隊と自由シリア軍が前者によるアフリーン市包囲解除などを骨子とする停戦合意を結ぶ(2013年6月19日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「(北アイルランドでのG8首脳会談で)参加国が表明した姿勢を受け、流血を停止させ、アサド体制打倒と、シリア人に対して犯罪を犯した者すべての処罰を求めるシリア国民の意思を実現するあらゆる政治的解決の受諾を遵守し、そのために、軍事活動をはじめとするあらゆる手段の行使を留保する」との意思を示した。

また「アサドの退任は政治的解決の第一条件」として、対話に消極的な姿勢を示した。

一方、連立は、150億ドルの人道支援に謝意を示し、連立の各機関を通じてその配分にあたる必要があると強調した。

さらに、化学兵器使用疑惑に関して、連立は、アサド政権による使用を断じ、国連による調査を改めて求めた。

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クッルナー・シュラカー(6月19日付)は、反体制勢力の「解放区」で活動する「市民団体」がシリア・ポンドの下落に対処するため、トルコ・リラかヨルダン・ディーナールの流通を求めていると報じた。

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シリア・ムジャーヒドゥーン連隊を名のる反体制武装集団がビデオ声明を出し、今週になってレバノンのシーア派4人を殺害したと発表した。

シリア政府の動き

『ディヤール』(6月18日付)は、イランがサウジアラビア、クウェート、UAEの石油関連施設、カタールの米軍基地を攻撃するため、長距離ミサイル十万発を配備し、トルコがシリアを攻撃した場合の報復に備えている、とのメッセージをアサド大統領が湾岸諸国に送ったと報じた。

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マフムード・ズウビー情報大臣はマヤーディーン(6月19日付)に対して、G8首脳会議の首脳宣言に関して、会議参加国がシリア国内でのテロ・暴力、部位供与、資金援助を停止させるための措置を講じられるかどうかにその評価はかかっていると述べ、反体制武装勢力への武器供与を本格化させる意思を示している米仏英を暗に牽制した。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、アリーハー市とラタキア市を結ぶ国際幹線道路にある軍の検問所3カ所を制圧、戦車2輌を破壊、複数の兵士を殺傷した。

同監視団によると、「もしこの街道が完全に制圧することに成功したら」、シリア北部と地中海岸地域の兵站路は遮断される、という。

一方、SANA(6月19日付)によると、トゥウーム村、マアッラトミスリーン市、イドリブ中央刑務所周辺、アブー・ズフール軍事基地周辺、ジスル・シュグール市郊外、マジュダリヤー村、タフタナーズ市、サラーキブ市、サルジャ村、ザルダーナー市、アリーハー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団、ハック旅団のメンバーなど戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ズィヤービーヤ町で、シリア軍とヒズブッラーの戦闘員が反体制武装集団と激しく交戦、また軍がズィヤービーヤ町、バービッラー市などを砲撃した。

同監視団によると、ズィヤービーヤ町を含むサイイダ・ザイナブ町一帯にヒズブッラーの戦闘員とイラクのアビー・ファドル・アッバース旅団の戦闘員の増援部隊が到着しているという。

このほか、同監視団によると、ザマルカー町を軍が砲撃した。

一方、SANA(6月19日付)によると、ハルブーン市、バフダリーヤ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了、治安を回復した。

また、ダイル・サルマーン農場、バイヤード村、アルバイン市、ハラスター市、アーリヤ農場、アドラー市、ドゥマイル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ドゥーマー市では、反体制武装集団の東グータ地方からの退去を求めるデモが敢行され、住民数百人が参加した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市南部入り口にあるバッサ地区の軍の武器庫で爆発があり、少なくとも兵士13人が負傷した。

これに関して、シリア・アラブ・テレビ(6月19日付)は「技術的なミスによるもの」と報じた。

一方、SANA(6月19日付)によると、スッカリーヤ町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、殲滅した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンナグ村、マンナグ航空基地周辺、ドゥワイリーナ市、アレッポ市ライラムーン地区などに空爆を行った。

また、アフリーン市郊外のバイナフ村で、民主統一党が反体制武装集団を放逐、制圧した。

アレッポ市バーブ・ナイラブ地区、カーディー・アスカル地区では、軍が空爆を行った。

カーディー・アスカル地区には、サラフィー主義者の「シャリーア委員会本部」がある。

一方、SANA(6月19日付)によると、マンスーラ村、クワイリス航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市のライラムーン地区、サラーフッディーン地区、シャイフ・ヒドル地区、ブスターン・カスル地区、サーフール地区、ブスターン・バーシャー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

クッルナー・シュラカー(6月19日付)は、民主統一党人民防衛隊と反体制武装集団(自由シリア軍)の代表団がアフリーン市で数時間にわたって会合を開き、前者によるアフリーン市包囲解除などを骨子とする停戦合意を結んだと報じた。

同報道によると、この停戦合意は、①6月20日0時00分からの発砲停止、②アフリーン市の包囲解除、③クルド人が居住するアフリーン市郊外の村からの反体制武装集団の撤退、④双方による身柄拘束者の釈放、⑤タウヒード師団司令官(シャーミル)の殺害に関する調査委員会の設置などといった項目からなっているという。

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ダルアー県では、ヤードゥーダ村、ブスラー・シャーム市、ブスル・ハリール市に対して、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月19日付)によると、シャブラク村、スィースーン市、タスィール町、ジッリーン村、ダルアー市各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、カルアト・ヒスン市、アレッポ市ハーリディーヤ地区、タルビーサ市、ダール・カビーラ村、ラスタン市に対して、軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(6月19日付)によると、ダイル・フール村、ラスタン市、ハウラ地方、ジュースィーヤ村、タドムル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団メンバーら戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またタッルカラフ市郊外では、レバノンからの潜入を試みた反体制武装集団を軍が撃退した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月19日付)によると、カーミシュリー市南部で、反体制武装集団が早朝、爆弾2発を爆破、また晩には国防隊や「シャッビーハ」の拠点・車に対して攻撃を加えた。

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ダマスカス県では、SANA(6月19日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、SANA(6月19日付)によると、シャーグール区で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月19日付)によると、ダイル・ザウル市内で反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって衝突し、複数の戦闘員が死傷した。

またシャームの民のヌスラ戦線は市内のシリア正教会に放火した。

これに対して、軍はダイル・ザウル市ジュバイラ地区、マリーイーヤ村で、反体制武装集団の追撃を続け、戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

その他のシリア国内での動き

クッルナー・シュラカー(6月19日付)は、シリア国民評議会のウサーマ・カーディー経済局長の話として、急落を続けるシリア・ポンドが6月末までに1ドル300ポンドにまで下落する勢いだと報じた。

シリア・ポンドは、紛争発生前の2011年3月は1ドル47ポンドだったが、6月半ばには1ドル200ポンドにまで下落している。

諸外国の動き

ヨルダンの治安筋によると、シリア側からヨルダン領内に潜入し、ヨルダン軍部隊を攻撃したシリア人にヨルダン国境警備隊が応戦し、1人を殺害、2人を負傷させた。

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ヨルダンのインマール・ハムード・シリア避難民問題担当報道官は、シリア人避難民約3,000人が19日に、自発的にシリアに帰国したと発表した。

2011年3月以降ヨルダンに避難していたシリア人の数は約60万人とされ(紛争発生前のヨルダン在住シリア人の数は75万人)、シリアに自発的に故国した避難民の数は61,000人に達したという。

UPI(6月19日付)が報じた。

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AFP(6月19日付)は、パレスチナのハマースに近い信頼できる複数の消息筋の話として、ハマースがシリアの紛争への対応をめぐり内部対立を露呈しつつあると報じた。

同消息筋によると、ハマースには、現在、イランやヒズブッラーとの関係を維持・強化をめざす勢力と、カタール、エジプト、トルコとの関係強化をめざす勢力に二分されているという。

このうち、カタール、エジプト、トルコとの関係強化をめざす代表人物がハーリド・ミシュアル政治局長だという。

一方、イランやヒズブッラーとの関係の維持・強化をめざす勢力には、イッズッディーン・カッサーム大隊の司令官らがおり、彼らは、ミシュアル政治局長らに対して、これまでイスラエルと軍事的に対抗できたのは、湾岸諸国の支援ではなく、イランやヒズブッラーの支援があったためだと主張している、という。

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ロイター通信(6月19日付)は、フランス外務省高官の話として、6月22日にドーハで開催されるシリアの友連絡グループ外相級会合で、自由シリア軍参謀委員会への具体的な支援のありようについて審議される予定だと報じた。

AFP, June 19, 2013、al-Diyar, June 18, 2013、al-Hayat, June 20, 2013、Kull-na Shuraka’, June 19, 2013、Kurdonline, June 19, 2013、al-Mayadeen,
July 19, 2013、Naharnet, June 19, 2013、Reuters, June 19, 2013、SANA, June
19, 2013、UPI, June 19, 2013などをもとに作成。

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G8首脳会議が2日間の日程を終え閉幕、首脳宣言ではジュネーブ2会議への支持や化学兵器使用に対する非難などが盛り込まれる、仏大統領「もし有益であるなら、(ロウハーニーイラン新大統領のジュネーブ2参加を)歓迎する」(2013年6月18日)

諸外国の動き

英国・北アイルランドのロックアーンで2日間の日程で開かれていたG8首脳会議は、首脳宣言を採択して閉幕した。

中心議題となったシリアの紛争については、以下の7点で合意したことが明記された。

1. 人道支援を一段と進め、15億ドルを拠出。
2. シリアの全当事者による対話の場所を早期に設置するため最大限の外交圧力を行使。
3. シリアに移行期政府を作るため、ジュネーブ2会議開催を支持。
4. 政権移行時に権力の空白が生じないよう責任ある国家組織を維持。
5. シリアからテロリストや過激派を排除するよう協力。
6. あらゆる者による化学兵器使用を非難。
7. 将来のシリアの政権が一部の宗派によらずすべてのシリア人によって構成されることを支持。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はクウェート通信(KUNA)のインタビューに応じ、「我々は、(ジュネーブ2)大会が(シリア)政府使節団の降伏宣言のようなものになり、その後に反体制勢力への権力移譲がなされることを断固として拒否する…。もっとも重要なのは、この大会を準備するのにふさわしい雰囲気を外国の当時者が作り出すことだ」と述べた。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、イランの大統領選挙で当選したハサン・ロウハーニー氏のジュネーブ2会議への参加の是非について、「もし有益であるなら、歓迎する」と述べた。

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オーストリアのマイケル・スピンデルガー外務大臣は、UNDOFオーストリア部隊のゴラン高原からの撤退に関して、国連の要請に従うかたちで、4週間で撤退を完了するとの当初の予定を改め、撤退期間を約1ヶ月延長し、7月まで完了させることを明らかにした。

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イランのメフル通信(6月18日付)は、シリアに4,000人にイラン軍兵士の派遣を決定したとの一部報道を外務省報道官が否定したと報じた。

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『ハヤート』(6月19日付)は、ヨルダンの複数の高官の話として、米国がアサド政権による化学兵器使用を一方的に断じ、「穏健な」反体制勢力への軍事支援を公然と行うことを決断したことで、ヨルダンが「強制的にシリアの嵐の渦中に置かれた」と報じた。

ヨルダンは、米国による「穏健な」反体制武装集団への支援を行い拠点となっているという。

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チュニジアのNGOは火曜日(18日)、シリア政府が、シリアでの戦闘に徴用されたが戦闘には参加しなかったチュニジア人囚人43人の「引き渡し」に同意、また「武器を所有し、シリア当局に投降した」チュニジア人戦闘員に対する「公正な裁判」を保証することを誓約したと発表した。

今月このNGOとともにシリアを訪問したダリーラ・ムサッディク弁護士によると、シリア当局は、チュニジアとシリアの市民社会組織の代表らによる「イニシアチブ」に同意したという。

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AFP(6月18日付)によると、シリアで「テロ」活動を行うために戦闘員の募集を行い、シリアの反体制武装集団に参加していたイタリア人青年が、シリアでの戦闘で死亡したとイタリア各紙が報じた。

死亡したのはジュリアーノ・デルネヴォ。ジェノバ出身の23~24歳。2008年にイスラーム教徒に改宗し、イブラーヒームを名のっていた。

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『シャルク・アウサト』(6月18日付)は、自由シリア軍司令部筋の話として、中東地域のある国が6月9日にトルコ経由でシリアの反体制武装集団に高性能兵器を供与したと報じた。

同報道によると、高性能兵器のなかには、旧ソ連製のコンコールス対戦車ミサイル200発、B-10無反動砲1,000発などで、ダルアー県を除く、ダマスカス郊外県、アレッポ県、イドリブ県、ヒムス県の武装集団に支給された。

武器を受け取ったのは、イスラーム旅団、カーブーン・イスラーム教徒軍、ハビーブ・ムスタファー旅団、使徒末裔旅団、サハーバ旅団、北部嵐旅団、タウヒード旅団、シャームの鷹旅団、ファールーク大隊などいずれもサラフィー主義者で、自由シリア軍参謀委員会を経由せずに供与されたという。

武器供与は、「シリアの同胞を救済するためのジハード」を呼びかけたカイロでのイスラーム・ウンマ・ウラマー大会に合わせて行われたという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市サーフール地区、旧市街などで、軍と反体制武装集団が激しく交戦する一方、アシュラフィーヤ地区の軍の拠点を、反体制武装集団が迫撃砲で攻撃し、多数の死傷者が出た。

アレッポ市サイフ・ダウラ地区では、軍との戦闘で4日前に負傷していたイラク・シャーム・イスラーム国に属す14歳の戦闘員が死亡した。

またマンナグ航空基地周辺などでも軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月18日付)によると、アレッポ市バニー・ザイド地区、ジャンドゥール交差点、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また反体制武装集団がニブル市を迫撃砲で攻撃した。

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ダマスカス県では、SANA(6月18日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシャーグール区では、ダマスカス大学文学部のザーヒラ・ジャディーダ副学部長の車に仕掛けられた爆弾が爆発し、同副学部長が重傷を負った。

このテロに関して、『ハヤート』(6月19日付)は工業地区で発生したと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町(避難民キャンプ)、ドゥーマー市、ハラスター市、ムライハ市などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月18日付)によると、ドゥーマー市、アドラー市、ムライハ市(TAMICO周辺)、ハルブーン市、ダーライヤー市、アフマディーヤ市、ダイル・サルマーン市、ハーン・シャイフ・キャンプで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ダーリー村が軍の迫撃を受け、バニー・イッズ部族の族長の家が被弾し、アフマド・ムバーラク人民議会議員が死亡した。

一方、SANA(6月18日付)によると、サルジャ村、タフタナーズ市、ビンニシュ市、ラーム・ハムダーン市、シャイフ・バフル市、ハミーディーヤ市、ウンム・ジャリーン村、イフスィム町、カフルシャラーヤー市、ムウタリム村、ナフラ市、アブー・ズフール市、マアッラトミスリーン市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ガントゥー市などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月18日付)によると、レバノン領内からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

また、タッルドゥー市、タッルダハブ市、カフルラーハー市、ラスタン市、ヒムス市ワーディー・ザハブ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、タドムル市では、軍がパルミラの遺跡地区(ベル神殿など)を占拠していた反体制武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)を掃討した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市などが軍の砲撃を受けた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市工業地区、ラサーファ地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

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タルトゥース県では、SANA(6月18日付)によると、バーニヤース市マイダーン地区で、関係当局がアメリカ製、イスラエル製の武器、湾岸諸国の銀行の振り込み通知書などを押収した。

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ラタキア県では、SANA(6月18日付)によると、シャフルーラ村、ハヤート村、ビント・アブラク村、ワーディー・シャイハーン村、スーラース遺跡、バイト・ファーリス村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、外国人戦闘員やシャーム自由人大隊戦闘員らを殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(6月18日付)によると、ダルアー市、カフルシャムサイン市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(6月18日付)によると、カーミシュリー市のワフダ通りにあるカーディスィーヤ学校で武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民3人が負傷した。

反体制勢力の動き

パリの自由シリア軍合同司令部中央広報局は、6月28日にシリア国民との連帯と救済を求めるデモの実施を全世界に対して呼びかけた。

中東通信(6月18日付)が報じた。

レバノンの動き

ナハールネット(6月18日付)などによると、南部県サイダー郡のアブラー市で、シャイフ、アフマド・アスィールの支持者とヒズブッラーの支持者が衝突、撃ち合いとなり、1人が死亡、4人が負傷した。

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AFP(6月18日付)によると、ベカーア県バアルベック郡のタイバ渓谷にシリア領から発射された迫撃砲弾2発が着弾した。

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『アフバール』(6月18日付)は、ベカーア県バアルベック郡でシリアの反体制武装集団(サラフィー主義者)に武器供与を行っていたヨルダン人をレバノン軍が身柄拘束したと報じた。

身柄拘束されたのは、マフムード・S(43歳)で、偽造IDを保持し、パレスチナ人のアフマド・フジャイルと名のっていた。

身柄拘束されたSは、当局に対して、レバノン経由でシリアのサラフィー主義者に武器を供与していたことを「誇らしげ」に自供したという。

またSは、カタール赤新月社のハーリド・ディヤーブなる人物から220万ドルを受け取り、サイダー市のアイン・フルワ・パレスチナ難民キャンプでRPG、迫撃砲、カラシニコフ銃、弾薬を購入したほか、トリポリ市の著名なサラフィー主義シャイフにも資金を提供したと自供している。

AFP, June 18, 2013、al-Akhbar, June 18, 2013、al-Hayat, June 19, 2013、Kull-na Shuraka’, June 18, 2013、Kurdonline, June 18, 2013、MENA,
June 18, 2013、Naharnet, June 18, 2013、Reuters, June 18, 2013、SANA, June
18, 2013、al-Sharq al-Awsat, June 18, 2013、UPI, June 18, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領が独紙によるインタビューに応え諸外国によるテロ支援、化学兵器使用疑惑、ヒズブッラーの戦闘参加などについてコメントするなか、オバマ米大統領は飛行禁止空域や人道回廊を設置する意図がないことを明言(2013年6月17日)

アサド大統領のインタビュー

SANA(6月17日付)は『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』(6月18日付)掲載予定のアサド大統領のインタビュー全文をアラビア語、英語で公開した。

SANA, June 17, 2013
SANA, June 17, 2013

英語:http://sana.sy/eng/21/2013/06/17/487994.htm
アラビア語:http://sana.sy/ara/2/2013/06/18/487993.htm

アサド大統領の主な発言は以下の通り。

(反体制勢力が国土の一部を制圧していることをどう思うかという質問に対して)「我々は国土の一部の支配を失ったり、制圧したりするような体系的な戦争を行っていない…。我々は軍と対決する軍ではない…。悪党と対峙する軍だ。無論、軍は一部の地域に入ることができなかったが、こうした地域に入ることができた。そして我々が入ることができるすべての場所を制圧できる。しかし同時に、軍は常に駐留するものではない。シリアの全土に駐留することが任務ではない…。制圧の有無以上に重要なのは、テロリストの掃討には大きな代価が伴うということだ…。我々がテロリストを国土から完全に殲滅するであろうことに疑いの余地はない。しかし問題は、テロリストが国に残した破壊(への対処)だ」。

「当初から、私は危機がいつ終わるのかを問うてきた。私の答えは長い時間を要するだろうというものだった。なぜなら、外的要因が明らかに存在するからだ」。

「真の復興とは、知性、イデオロギー、概念を再構築することだ。(復興に必要な)礎石は高価ではあるが、それ以上に高価なのが人だ」。

(数年後の地域情勢はどうなると考えているかとの問いに対して)「我々が破壊的な分裂のシナリオを遠ざけるのであれば、それとはまったく異なる前向きなシナリオがあると確信している。それは我々が国家、社会としてどのように振る舞うかにかかっている。このシナリオは挑戦することにかかっている。最初の挑戦とは、治安と安定の回復だ。そして第2の挑戦が復興だ。しかしもっとも重要な挑戦とは、過激主義に対峙することだ…。我々はこの社会をかつてと同じような自然な状態に戻すことが可能だろうか…?寛容、共存について言及する人もいる…。しかし我々がしなければならないのは…一元化・均質化(タジャーヌス)だ…。最後の挑戦が、我々が望む改革(の実施)だ。我々の社会を保つにはいかなる政治体制が最善かが常に問われている…。そこで本質となるのは他者を受け入れることだ。他者を受け入れなければ、民主主義はない」。

「一般的にアラブ社会は、二つの基礎に立脚している。アラブ性(ウルーバ)とイスラーム教だ。それ以外のものは脆弱である…。かつて共産主義が考えていたように世俗主義を理解する人が多くいる。しかし、実際はそうではない。我々にとって、世俗主義とは信仰の自由を意味する。こうした世俗主義は、多様性をよしとする。キリスト教徒、イスラーム教徒、ユダヤ教徒、そしてそのなかのさまざまな宗派といった多様性をだ。世俗主義は、社会が統合し、真の市民性を感じるうえで必要なのだ…。世俗主義を強化する以外の選択肢がないとしても、それはよいことであり、悪いことではない。悪いことは過激化だ。なぜならそれはテロをもたらすからだ」。

(アラブの春に関して)「この概念は間違っている。春は流血、殺戮、過激化…とは無縁だ…。私はこの概念をもてあそぶ者に反対だ」。

「外国の介入には二つの種類がある。第1に仲介者や手先を利用する非直接的な介入、もう一つは戦争を通じた直接介入である。我々は第1の段階にいる。危機の当初、私はシリアへの干渉について、たとえ非直接的であっても、それは活断層に觝触するがゆえに、地域全体を激震させると述べた。このとき、多くの人、とくにメディアは、アサド大統領が危機をみなに拡大すると脅迫しているなどと言った…。しかし現実に目を向けると、イラク、そしてそれ以前にレバノンで起きていることは、シリアで起きていることに起因する悪影響だ。これは当然の結果として起きたに過ぎない…。もし軍事介入が起きたら、事態はもっと悪化するだろう」。

「(シャームの民の)ヌスラ戦線はアル=カーイダの一派だ。彼らは全く同じイデオロギーを持っているが、シリア、イラク、レバノン、ヨルダンにおり…、イスラーム国家を建設すると主唱している。彼らが存在する地域で今、彼らは自らのイデオロギーを実践しようとしている。とりわけ女性に対してだ。彼らはイスラーム法、ないしはイスラーム教を実践していると言い、おそらくそのように確信しているのだろう。しかし、もちろん、彼らの逸脱した実践は、イスラーム教とは関係がない。我々は彼らの蛮行の典型の一部を、ユーチューブの映像を放映する衛星放送などで見ることができる…。彼らのなかには無実の人の首を斬る者もおり、しかもメンバーはシリア人だけでなく、他のアラブ諸国、イスラーム諸国、欧州諸国の出身者だ」。

(サウジアラビアやカタールが反体制勢力を支持していることに関して)「メディアが報じてきたように、彼らは自由や民主主義を信じて武装集団を支援しているのだろうか?そもそも彼らの国に民主主義はあるのだろうか?選挙で選ばれた議会があるのか?国民が選んだ憲法があるのか?…彼らはそもそも自国民のことになど関心はないのだ」。

「この問題(反体制勢力への武器供与)をめぐって、EUは分裂している。欧州各国はシリアという国家を支持しているとは言えないが、シリアという国家に敵対的な姿勢をとっていない国もある。とりわけ英仏とそれ以外の国の間の隔たりは大きい。なかでも、ドイツは、テロリストに武器を供与するとどのような結果が生じるかについて論理的な問いを行っている…。欧州各国は彼ら(反体制勢力)がテロリストだということを知っている。一部の国は、良い戦闘員と邪悪な戦闘員がいる、というようなアメリカが行ってきたような区別を試みており…、今や「良いテロリスト」と「悪いテロリスト」という概念が作られている。これが論理的だと言えようか?この地域に武器がもたらされれば、テロリストがやってくることを彼らは知っている。それは二つの結果をもたらすだろう。第1に、欧州の裏庭がテロの庭になり、欧州がその代価を支払うこと…。第2にあなた方(欧州)にテロが直接輸出される、ということだ」。

(ヒズブッラーの戦闘参加に関して)「メディアは今、ヒズブッラーが戦闘していたのであり、シリア軍は弱小で勝利できない、というイメージを作ろうとしている…。しかし現実には、我々は多くの地域で大勝利を収めてきた。そのなかのおそらくもっとも重要なものがクサイルだ…。これらの地域で戦っていたのはシリア軍と、軍とともに自らの地域を防衛するために戦う人民諸勢力だけだ。彼らは地元住民で、これこそがシリアにおける我々の成功の主因だ…。誇張がなされている。テロリストは、ヒズブッラーを支持する国境地帯の村を破壊し始めた。それゆえ、ヒズブッラーはシリア軍とともに混沌を終わらせるべく介入せざるを得なかったのだ」。

「ヒズブッラーの部隊は(シリア国内には)存在しない。彼らはクサイルに近い国境地帯にテロリストがいたために、国境地帯に多数の戦闘員を派遣し、対レバノン国境でのシリア軍の浄化作戦を支援した。しかし彼らは、シリア領内に部隊は派遣していない」。

(化学兵器使用疑惑に関して)「米国、フランス、英国、そして一部の西欧の高官は、化学兵器が実際にあるかないかには触れないままに、我々がシリアの複数の地域でこの兵器を使用したと言っている…。しかし「シリアが化学兵器を使用した」という結論に達したことを示す証拠はどこになるのか?こうした発言には笑わざるをえない。彼らが嘘をついており、テロリストの側が化学兵器を使用したという証拠に関して、我々はアレッポでのテロリストが化学兵器を使用した場所への調査委員会の派遣を国連に求めた。そかし英仏はこれを妨害した。なぜなら、調査委員会が派遣されれば、テロリストが化学兵器を使用したことが明らかになり、英仏が嘘をついていることの確かな証拠となるからである」。

「我々は当初から、対話を望む者に手を差し伸べてきた。この姿勢を変えてはいない…。同時に、我々はテロリストと戦っていた。しかし、我々が反体制勢力という概念に言及する場合においても、十把一絡げにしてはならない。テロリストと政治家を同列にしてはならない。反体制活動とは政治的な活動だからだ…。武器を持たず、テロを支援せず、政治的プログラムを持つすべての反体制勢力(が合法的だとして認められるべきだ)。しかし反体制勢力という言葉は選挙と関係がある…。つまりたとえ、私が反体制活動家だとしても大衆的基盤がなければ実質的に価値はない。反体制勢力は選挙を通じて自らを確立せねばならない」。

「我々はジュネーブに対話を行うために行くだろう。しかし、私は実際に起きるであろうことを明らかにするために、この言葉(奴隷ではなく主と対話するとの言葉)を言っただけだ…。これらの国(西側諸国、トルコ、カタール、サウジアラビア)が彼らの背後にいて、彼らが何をするのか、何をしないのかを指示しているからだ…。我々は実質的には英米仏、そしてその道具であるトルコ、カタール、サウジアラビアと交渉することになる」。

(ジュネーブ2会議が失敗したらどうなるかとの問いに対して)「いずれにしても、これらの国はテロリストを支援し続けるだろう。もしシリアの危機が終わらなければ、他の国に波及し、事態はさらに悪化する。論理的に考えて、成功こそが皆にとっての利益になる。ただし在外の反体制勢力は、大会が成功に終われば、自らが手にした財産を失うことになるだろう」。

「もし私がこの状況下で(大統領の地位を)去れば、それは国家反逆罪だ…。しかし国民が退任を決定するのであれば、それは別問題だ」。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区などを軍が空爆、またジャウバル区、バルザ区では具と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月17日付)によると、ジャウバル区、ルクンッディーン区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またザーヒラ地区で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾2発が爆発し、市民3人が負傷した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(6月18日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国の拠点の一つとされるドゥワイリーナ村を軍が空爆した。

またマアーッラト・アルティーク村、ハーン・トゥーマーン村などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

このほか、バービース村・マアーッラト・アルティーク村間の街道で軍が民間人の乗ったバスを襲撃し、複数が負傷したという。

一方、SANA(6月17日付)によると、マンナグ村、バヤーヌーン町、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市ダウワール・ジャズマーティー地区、サールーフ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥワイリーナ村で爆弾が仕掛けられた車が爆発したが、死傷者は出なかった。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ハジャル・アスワド市などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月17日付)によると、ハルブーン市、アフマディー市郊外、バービッラー市、アルバイン市、ハラスター市、バフダリーヤ村、ジュダイダト・シャイバーニー市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、ハーリド・ブン・ワリード大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月17日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ハーリディーヤ地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月17日付)によると、ハヤート村で、軍は反体制武装集団の武器庫を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、SANA(6月17日付)によると、ハサカ市内の軍検問所に対する反体制武装集団の襲撃を軍が撃退した。

しかしハサカ市のナズィーフ・ジュンディー教育学部が反体制武装集団によって暗殺された。

一方、クッルナー・シュラカー(6月18日付)によると、ハサカ県でアンサール・シャリーア大隊(サラフィー主義者)が、民主統一党人民防衛隊メンバー8人を誘拐し、同部隊が身柄拘束中の戦闘員との「捕虜交換」を要求した。

諸外国の動き

フランスのフランソワ・オランド大統領はG8首脳会議開催を前に記者団に対して「反体制勢力が限定的な武器しか受け取っておらず、死に曝されているなかで、どうしてロシアがバッシャール・アサド体制に武器供与を続けることを受け入れられようか?…化学兵器が使用された証拠が今日あるにもかかわらず、国際社会やG8がそれを非難しないことを受け入れられようか?」と述べた。

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ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィッチ報道官は、「飛行禁止空域や人道回廊と設置といった計略は、国際法を尊重しないことの直接の結果だ…。我々はこうしたシナリオを許さない…」と述べた。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は、13日のカイロでのイスラーム・ウンマ・ウラマー大会で「シリアの同胞を救済するためのジハード」が呼びかけられたことに関して、「堕落したファトワー」と非難、遺憾の意を示した。

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パレスチナのハマースはガザで声明を出し、「我々はヒズブッラーにシリアからの兵の撤退を求める。我々はシオニストの敵のみに対して武器を向けるよう彼らに呼びかける」としたうえで、「シリアへの進軍は地域における宗派主義的偏見を強めることにしか資さない」と批判した。

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『ディヤール』(6月17日付)は、ヨルダンの治安消息筋の話として、シリア時間の午後18時に、米軍の戦闘機6機がシリア領内5キロの地点まで一時領空侵犯したと報じた。

同消息筋によると、侵犯は1分に満たず、また意図的なものではなかったという。

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バラク・オバマ米大統領とウラジーミル・プーチン露大統領はG8首脳会議会場のロックアーン(北アイルランド)で会談し、シリア情勢などへの対応について協議した。

両首脳は、ジュネーブ2会議の開催を通じて、紛争の政治的解決を目指す点では一致したが、化学兵器使用疑惑やアサド大統領の退陣の是非をめぐって意見を異にする両者の溝は埋まらなかった。

オバマ大統領は会談後、シリア情勢で「見方が異なる」と述べ、プーチン大統領も「我々の意見は一致しない」と認めた。

ベン・ローズ米大統領副補佐官によると、オバマ大統領はアサド政権による化学兵器使用を確認した根拠を提示したが、プーチン大統領は懐疑的だったという。

またオバマ大統領は反体制勢力への支援強化についても説明したが、議論は平行線のまま終わったという。

各紙が報じた。

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米露首脳会談後、G8首脳会議のワーキングディナーが開かれた。

シリアの紛争をめぐる協議は、ワーキングディナーにおける時間のほとんどが割かれたが、アサド政権を擁護するロシアと、反政府勢力を支援する西側諸国の間で、意見の相違は解消されなかったが、各国ができる限りの人道支援を行っていくことや、政治的な解決に向けてアサド政権と反政府勢力の双方の代表が参加する国際会議の早期開催を目指すことなどでおおむね一致した。

加えて、過激派をシリアから排除していくことや、化学兵器のいかなる使用も非難し、国連の調査を進めることなどを、首脳宣言に盛り込む方向で調整を進めることとなった。

ロイター通信(6月18日付)などによると、西側7カ国は首脳宣言に、アサド大統領の退任を求めるとの総意を盛り込もうとしたが、プーチン大統領はこれを拒否したという。

またプーチン大統領は反体制勢力の武器供与に関して、「いずれ逆効果をもたらすだろう」と述べ、紛争の暴力を助長すると非難した。

なお、日本の安倍晋三総理大臣は、「シリアにおいて、何万人もの死者が出るような暴力行為が行われているが、暴力を止めるために、立場の相違点ではなく、共通点に立って議論すべきだ」と述べ、アサド政権と反政府勢力の双方の代表が参加する国際会議を早期に開くべきだという考えを示した。

そのうえで、難民や避難民に対するおよそ1,000万ドルの人道支援や、米国による反体制勢力支援の拠点となりつつあるヨルダンに1億2,000万ドルの円借款を行う方針を表明した。

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バラク・オバマ米大統領はBBC(6月17日付)のインタビューに応じ、シリア上空に飛行禁止空域を設置する意思も、国境地帯に人道回廊を設置する意思もないことを明らかにした。

オバマ大統領は「我々が飛行禁止空域を設置したとしても、実際に我々は問題を解決することはないだろう」と述べた。

その理由としてオバマ大統領は「実際のところ、被害者の90%はシリア空軍が行う空爆によるものではない…。シリア空軍の武器は必ずしも上質ではなく、彼らはきちんと整備できていない…。実際の戦闘は地上で行われている」と強調した。

また「もし人道回廊を設置したら、それは回廊にいたる航空機を阻止するだけでなく、ミサイルも阻止しなければならないということか?」と自問した。

さらにシリア国内の化学兵器施設への空爆の可能性に関しては「化学兵器の拡散と民間人の殺害をもたらしかねない」として行う意思がないことを明言した。

最後にオバマ大統領は「米国には、人道面での利益だけでなく、深刻な国益がある…。ヨルダンやイスラエルと接する大国(シリア)で混乱が続くことを許すことはできない」と述べた。

AFP, June 17, 2013、al-Diyar, June 17, 2013、al-Hayat, June 18, 2013, June 19, 2013、Kull-na Shuraka’, June 17, 2013, June 18,
2013、Kurdonline, June 17, 2013、Naharnet, June 17, 2013、Reuters, June 17,
2013、SANA, June 17, 2013、UPI, June 17, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラク・イスラーム国のバグダーディー指導者が声明を出し、自組織とヌスラ戦線の間の対立解消を呼びかけたザワーヒリーの書簡を拒否すると発表(2013年6月16日)

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市東部および同市に近い第152師団周辺で軍と反体制武装集団が激しく交戦した。

また軍がタッル・シハーブ町、インヒル市、フラーク市を空爆した。

一方、SANA(6月16日付)によると、シャブラク村、ハイト村、サフム・ジャウラーン村、スィースーン市、ルワイハク村、タスィール町、シャジャラ町、ジッリーン村、ナーフィア村、アーリヤ市、タファス市、タッル・シハーブ町、ムハッジャ村、ムザイリーブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、アスワド・アクサー大隊のメンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、複数の反体制筋によると、マッザ航空基地から各所に砲撃が行われ、バルザ区、ナフル・イーシャ地区などに迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(6月16日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市に近いTAMICOコンプレックス周辺、アフマディーヤ市で軍と反体制武装集団が交戦し、ハーミスィーヤ市などが砲撃を受けた。

またマッザ航空基地近くの検問所で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、シリア軍兵士10人が死亡、少なくとも10人が負傷し、マッザ航空基地の防衛にあたる第4機甲師団の住居のガラスなどが割れたという。

一方、SANA(6月16日付)によると、アフマディーヤ市、ドゥーマー市郊外、ザバダーニー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、バッビーラー殉教者旅団のメンバーなど、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、クスール地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月16日付)によると、ジスル・バイト・ラースィフ農場、バイト・ナッバハーン農場で、軍が反体制武装集団の浄化を完了、両農場の治安を回復した。

またタドムル市、カシャフ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市バーブ・カブリー地区、タッル・アルバーウィー市などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月16日付)によると、ラシャーディーヤ村、カルバーティーヤ市、ラスム・カンバル村、ジュッブ・アブヤド村、北マキーン村、南マキーン村、ラスム・ダブア村、ヌアイマ村、ハディーラ村、ラスム・ファフル村、トゥワイディーヤ村、ラスム・アフマル村、ティーバト・ダキージュ村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、両市の治安を回復した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・アフマル村、カビール村が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月16日付)によると、ジュッブ・アフマル村、カビール村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーらを殺傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、対トルコ国境に位置するバーブ・ハワー国境通行所に近い街道で反体制武装集団が即席爆弾を爆発させ、軍兵士数名を殺害した。

またカフルラーター市では、市民が狙撃兵に射殺され、タマーニア町では軍の激しい砲撃が行われた。

一方、SANA(6月16日付)によると、ムウタリム村、ハミーディーヤ市、ウンム・ジャリーン村、タイイバート村、カフラー市、ビンニシュ市、サルミーン市、マアッラトミスリーン市、ブワイティー村、カルン・ガザール村、アブー・ズフル軍事基地周辺、シュグル市、アルバイーン山で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マアーッラト・アルティーク村、バービース村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ市では、ハーリディーヤ地区、バニー・ザイド地区、ムワーサラート地区、ダフル・アウワード地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月16日付)によると、カフルハムラ村、マアーッラト・アルティーク村、ダーラト・イッザ市、アンジャーラ村、カフルナーハー村、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジ人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダイル・ハーフィル市では反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって衝突し、12人の戦闘員が死亡した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺に対して軍が空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市旧空港地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ブーアムル市などが軍の砲撃を受けた。

また同監視団は、イラク・シャーム・イスラーム国を名のる武装集団がハトラ村にあるフサイニーヤを破壊したと発表した。

ハトラ村では11日に反体制武装集団による住民の虐殺が行われていたが、フサイニーヤの破壊は14日に行われたという。

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ハサカ県では、SANA(6月16日付)によると、タッル・ハミース市、タッル・ブラーク町で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

SANA(6月16日付)は、アサド大統領がイランの大統領選挙で当選したハサン・ロウハーニー氏に対して祝電を送り、両国関係の維持強化を確認したと報じた。

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SANA(6月16日付)は、シリア政府高官の話として、アサド政権との完全断行を宣言したエジプトのムハンマド・ムルシー大統領に関して「陰謀の楽団」に加わったと批判した。

反体制勢力の動き

イラク・イスラーム国の指導者アブー・バクル・バグダーディーは「イラク・シャーム・イスラーム国家の民へ」と題されたメッセージを発表、そのなかでイラク・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線の対立解消を呼びかけたアイマン・ザワーヒリーの書簡を拒否すると発表した。

バグダーディーは「アッラーの命令に反する決定を拒否する」としたうえで「シリア軍とヒズブッラーの戦闘員への攻撃を強化する」よう支持者に呼びかけた。

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『シャルク・アウサト』(6月16日付)は、自由シリア軍司令部筋の話として、米国が供与するであろう武器にのなかに、ロシア製のオサー対空ミサイルが含まれるだろうと報じた。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、アラビーヤ(6月15日付)に対して、自由シリア軍が「20万人もの兵力」を有し、もし彼らが武器供与を受ければ、アサド政権打倒に6ヶ月以上を要しないと述べ、現状では政権打倒が不可能だということを認めた。

なお、紛争前のシリア軍の兵力は、現役約30万人(民兵約10万人を除く)、予備役約35万人20万~30万人と推計されている。

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シャーム自由人大隊はフェイスブックを通じて声明を出し、シリア電子軍のサイトにサイバー攻撃をかけ「完全に破壊した」と発表した。

シリア電子軍は、AP通信、ツイッター、AFP通信のサイトなどにサイバー攻撃を行ってきたとされる組織。

シャーム自由人大隊は、ハッサーン・アッブード(アブー・アブドゥッラー・ハマウィー)が率いるサラフィー主義武装集団で、シリア・イスラーム戦線に所属、数万人の戦闘員を擁するとされる。

『ハヤート』(6月17日付)が報じた。

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クッルナー・シュラカー(6月16日付)によると、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、6月初めの軍のクサイル市制圧を阻止するため、アレッポ県を離れ、同市での戦闘に赴いたアレッポ軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐に解任命令を出し、その後同命令を撤回したことに関して、アカイディー大佐とタウヒード旅団のアブドゥルカーディル・サーリフの両名に文書で謝罪した。

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シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで声明を出し、イランの大統領選挙で当選したハサン・ロウハーニーに対して、アサド政権支持やシリアへの内政干渉といった「過ち」を認識し、シリアに対する姿勢を改革するよう呼びかけた。

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『ハヤート』(6月17日付)は、イスタンブールでのシリア革命反体制勢力国民連立総合委員会で代表メンバー定数が63人から114人に拡大したことを受け、カマール・ルブワーニーら6人からなる委員会が「革命運動体」に割り当てられた14人の代表メンバーを選出した、と報じた。

委員会はカマール・ルブワーニー、ハービル・ズアイン、ムハンマド・カッダーフ、ワースィル・シャマーリー、ジャマール・ワルド、フサイン・サイイドの6人から構成され、各県の代表者1人の計14人を選出した。

選出された代表メンバー14人は以下の通り。

ファイサル・シャーミー(ダマスカス県)
ムハンマド・ハイイル・ワズィール(ダマスカス郊外県)
アフマド・タルマーニーニー(アレッポ県)
アブドゥルマーリク・カーヒヤー(ヒムス県)
スライマーン・ヒラーキー(ハマー県)
ハーリド・マスブート(ラタキア県)
アブドゥッラー・ハリール・ファラジュ(ラッカ県)
ダーウード・アール・スライマーン(イドリブ県)
ヤースィル・ファルハーン(ハサカ県、シリア国民評議会)
ナスル・ムーサー・ハリーリー(ダルアー県)
ワリード・ウマリー(クナイトラ県)
アクラム・ウマル・アッサーフ(ダイル・ザウル県)
フサーム・サアディー(スワイダー県)
アナス・アイルート(タルトゥース県)

レバノンの動き

NNA(6月16日付)などによると、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方の山間部で、ジャアファル家の2人とトルコ人1人を含む4人が殺害された。

AFP(6月16日付)によると、この4人はカーア地方に燃料を密輸しようとしていたという。

諸外国の動き

英国のデビッド・キャメロン首相がG8首脳会議に先立って、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の記者会見で、キャメロン首相は、シリア問題をめぐる両国の意見の相違が依然として大きいとしつつも、シリア解体の阻止、移行期プロセスの開始、過激派への対抗という「共通の目的」に集中して対処すべきだと述べた。

これに対して、プーチン大統領は、「なぜ西側はシリアの人肉を食らうようなシリアの反体制武装集団に武器を供与するのか?」と批判したうえで、反体制武装集団への武器供与が「国際法の基礎に違反することになる…。我々はいかなる基礎、基準にも違反しておらず、すべてのパートナーに同様の行動を呼びかける」と述べた。

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『インディペンデント』(6月16日付)は、イランがシリア軍を支援するため革命防衛隊の第1次派部隊4,000人を派遣することを決定したと報じた(未確認情報)。

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『サンデー・タイムズ』(6月16日付)は、ヒズブッラーの戦闘員とイラン・イスラーム革命防衛隊が、アレッポ県奪還に向けてシリア軍の教練を行っていると報じた(未確認情報)。

AFP, June 16, 2013、Alarabia.net, June 16, 2013、al-Hayat, June 17, 2013, June 18, 2013、The Independent, June 16, 2013、Islamtoday.com, June 16, 2013、Kull-na Shuraka’, June 16,
2013、Kurdonline, June 16, 2013、Naharnet, June 16, 2013、Reuters, June 16,
2013、SANA, June 16, 2013、al-Sharq al-Awsat, June 16, 2013、The Sunday Times, June 16, 2013、UPI, June 16, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県で民主統一党と自由シリア軍諸派が停戦に合意、エジプトではムルシー大統領がイスラーム主義者らを前に「シリアの現体制との関係を完全に絶つ」ことを発表(2013年6月15日)

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区に対して軍が空爆・砲撃を加えた。

また、ルクンッディーン区、シャーグール区で、軍・治安部隊が逮捕摘発活動を行った。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ムライハ市、シャイフーニーヤ村、リーマー農場、ザバダーニー市、ハジャル・アスワド市などに軍が爆撃・砲撃を加えた。

またジュダイダト・アルトゥーズ町で、軍・治安部隊が逮捕摘発活動を行った。

一方、SANA(6月15日付)によると、アフマディーヤ市で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

ハーミスィーヤ市、ハラスター市、ダーライヤー市、ハルブーン市で軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市、ナマル町、インヒル市、ワーディー・ヤルムーク地方の村々・検問所などで、軍と反体制武装集団が交戦し、死傷者が出た。

一方、SANA(6月15日付)によると、ダルアー県国立病院周辺、ムザイリーブ町、ヌアイマ村、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市、ハウラ地方、カルヤタイン市、ヒムス市バーブ・フード地区、ウンム・トゥワイジーヤ村などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月15日付)によると、ラスタン市、カルヤタイン市、ヒムス市バーブ・フード地区、カラービース地区、ハーリディーヤ地区、タドムル市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム解放党の戦闘員や外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市、ビンニシュ市近郊の軍住宅センターなどで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月15日付)によると、バラーギーディー村、アブー・ズフール航空基地周辺、ビンニシュ市近郊の軍事住宅センター周辺、タイイバート村、ワーディ・ダイフ軍事基地周辺、アブー・ダーリー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、民主統一党と反体制武装集団の代表者が会合を開き、停戦に合意した。

停戦に合意したのは、民主統一党、バーブ市および同郊外統合軍事評議会、マンビジュ市および同郊外地元革命評議会。

住民に対する政権の犯罪非難、政権打倒のための協力なども合わせて合意したという。

またシリア人権監視団によると、アナダーン市、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区、シャイフ・マクスード地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、ANA(6月15日付)によると、タッラ・ティーナ村、アイン・アッサーン村、シャイフ・ナッジャール市で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またサフィーラ市、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市サーフール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ハトラ村でのシーア派住民虐殺を受け、反体制武装集団が「宗派内乱の発生阻止」のための治安警備活動を開始した。

治安警備活動は、カッサース旅団とウスマーン・ブン・アッファーン大隊に対して、軍事評議会が命じたものだという。

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ハマー県では、SANA(6月15日付)によると、ラスム・アブド村、ラスム・アワービド市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またウカイリバート町、ウンム・トゥワイナ村、ウンム・アワービド村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月15日付)によると、マスハラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月15日付)によると、農業総同盟のダイル・ザウル支部長のラシーダ・アリーがマヤーディーン市で反体制武装集団に暗殺された。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長はイスタンブールで西側諸国高官と会談し、反体制武装集団への武器供与について協議した。

しかしイドリース参謀長は「米国の友人たちは、武器装備を我々に供与するとは告げてこなかった」と述べた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長は『ジュムフーリーヤ』(6月15日付)に対して「ヒズブッラーは、どのように寝鎮めるかも知らないままに、宗派主義のモンスターを目覚めさせた」と述べ、シリアの紛争へのヒズブッラーの干渉を批判した。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、「(シリア)政府は現地で勝利を収めた。反体制勢力はこのことを率直に認めている…。政府がきわめて狭い範囲で、化学兵器使用に訴えることにどんなメリットがあるのか」と述べた。

また「西側のメディアでは、ヨルダンにパトリオット・ミサイルやF16戦闘機を展開させ、シリア上空に飛行禁止空域を設定することが真剣に検討されているとのリークがある…。それが国際法に違反するということを理解するのに専門家はいらない…」としたうえで、米国にジュネーブ2会議開催に向けて行動するよう求めた。

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国防総省がバラク・オバマ大統領にシリア上空での飛行禁止空域の設置を提案したとの報道を受け、米ホワイトハウスのベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は、記者会見で、飛行禁止空域設置が「より困難、危険で、コストがかかる」と否定的な姿勢を示した。

ベン・ローズ副補佐官は「リビアでは、反体制勢力が国土を広範囲に制圧し、上空から彼らを守ることができた…。リビアにはシリアにあるような防空システムはなかった…。(シリアでの)飛行禁止空域が奇跡の解決策ではない」と述べたという。

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ジョン・ケリー米国務長官は、シリア情勢に関して政治的解決をめざしているとしつつ、「化学兵器の使用と、ヒズブッラーの介入増大は、(シリアの)政府が交渉に専念しておらず、政治的正常化を遠ざけようとしていることを示す」と述べた。

国務省が声明を通じて発表した。

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エジプトのムハンマド・ムルシー大統領は、「シリア救済」大会で数千人のイスラーム主義者を前に「エジプトは今日、シリアの現体制との関係を完全に絶つことを決定した。エジプトの現体制の大使館を閉鎖し、ダマスカスのエジプト常駐代表を引き上げることを」と述べた。

またムルシー大統領は、「バッシャール・アサド大統領と対決するため、シリア国民救済緊急サミット」開催に向けてアラブ・イスラーム諸国との連絡を開始したとしたうえで、シリア上空での飛行禁止空域設定を安保理に呼びかけたと述べた。

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『ハヤート』(6月16日付)は、トルコ高官の話として、シリア軍の士官71人が6月になって離反し、トルコ領内に入国したと報じた。

同高官によると、離反兵は、准将6人、大佐20人などからなりハタイ県のレイハンル市に家族とともに入国したという。

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シャームプレス(6月15日付)は、シリアから撤退したUNDOF主力部隊のオーストリア部隊の司令官の話として、イスラエルがクナイトラ県内のゴラン国境近くの一部の村で、シリアの反体制武装集団に武器、兵站、医療支援を大規模に行っていると証言した、と報じた。

AFP, June 15, 2013、Champress, June 15, 2013、al-Hayat, June 16, 2013、al-Jumhuriya, June 15, 2013、Kull-na Shuraka’, June 15, 2013、Kurdonline, June 15, 2013、Naharnet,
June 15, 2013、Reuters, June 15, 2013、SANA, June 15, 2013、UPI, June 15,
2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県で反体制武装集団がビンニシュ市近郊の拠点を3日間におよぶ戦闘の末に制圧するなか、各反体制勢力および諸外国が反体制武装勢力への軍事支援を公言した米国の姿勢を歓迎(2013年6月14日)

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がイドリブ市東部に位置するビンニシュ市近郊の軍住宅センター内の軍の拠点を3日間におよぶ戦闘の末に制圧した。

反体制消息筋によると、この戦闘で、軍の兵士400人が死亡したという。

一方、SANA(6月14日付)によると、ガッサーニーヤ村、タイイバート村、シュグル市、ミシュミシャーン市、ナフラ村、タフタナーズ市、マアッラトミスリーン市、タッル・ディーニート市、シャラフ村、ザルドナー市、タッラ・ビンニシュ市、ビンニシュ市、アブー・ズフール市郊外、アブー・ダーリー村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マズラア町で反体制武装集団が軍を攻撃、またダイル・ジャマール村からの軍増援部隊を同村への進入を阻止した。

また反体制武装集団は、シュハイフナ山の軍拠点を砲撃し、戦車などを破壊する一方、マンナグ航空基地周辺、アレッポ市サーフール地区、アシュラフィーヤ地区などで軍と交戦した。

これに対して、軍は、マンナグ航空基地周辺、アアザーズ市、バーブ市などを空爆・砲撃した。

このほか、同監視団によると、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の演説終了直後、フーア市(シーア派の村)に対して、「自由シリア軍」が迫撃砲を打ち込んだ。

一方、SANA(6月14日付)によると、マンナグ航空基地周辺、アレッポ中央刑務所周辺、アウラム・クブラー町で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・バーシャー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がハウラ地方、ワーディー・サイルとブライジュを結ぶ一帯を砲撃、またハスヤー町、ヒムス市各所で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月14日付)によると、ヒムス市、ハスヤー町、タッルドゥー市、ブルジュ・カーイー村、ラスタン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市東部のウンム・マイル村で軍と反体制武装集団が交戦、またハマー市サーブーニーヤ地区に軍が展開し、若者5人を逮捕した。

一方、SANA(6月14日付)によると、軍がサラミーヤ市郊外のアカシュ市、ハリージャ市、アブー・ラマール市でシャームの民のヌスラ戦線など反体制武装集団の掃討を完了、治安を回復した。

また軍は、ハディーラ市、スーハ市、ハマーディー・ウマル村でアバービール・サフラー大隊を名のる武装集団を殲滅、アドラ市、中カスタル市、北カスタル市でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、アイン・ガザール村を軍が空爆した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市、タブカ市に対して軍が空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区、ラシュディーヤ地区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月14日付)によると、ダイル・ザウル市のラサーファ地区で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地区の治安を回復した。

また軍はダイル・ザウル市の工業地区、旧空港地区、労働者住宅地区、フワイジャ・サクル地区、ハウィーカ地区で反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、ハウィージャト・マリーイーヤ村、ムッラート村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区、カダム区、ジャウバル区、ヤルムーク区などで軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス国際空港に近いマンスーラ村で反体制武装集団が軍を要撃し、兵士数十人を殺害した。

これに対して、軍は、レバノン国境に近いハルブーン市のマザービル検問所を砲撃し、奪還を試みる一方、ザバダーニー市のカルア・タッル検問所周辺で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月14日付)によると、フマースィーヤ市、アフマディーヤ市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに対して、反体制武装集団はハラスター市の警察病院を迫撃砲で攻撃したが、死傷者はでなかった。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、ウンム・マヤーズィン町、ダルアー市内、タッル・シハーブ町などで軍が反体制武装集団と交戦した。

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シリア人権監視団によると、「サファビーの計略が民族を脅かす金曜日」と銘打った反体制デモが各地で行われ、アサド政権打倒、イランの干渉拒否などが訴えられた

シリア政府の動き

SANA(6月14日付)は、アサド政権による化学兵器使用を断定し、反体制勢力への軍事支援を公言した米国の姿勢に関して、外務在外居住者省高官の話として「数々の嘘で満たされており…、反体制勢力への武器供与を正当化するためのねつ造された情報だ」と報じた。

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『アフバール』(6月14日付)は、ダマスカスの大統領府を訪問した支持者ら(レバノン人)に対して、アサド大統領が「次期大戦は石油をめぐるものになる。それゆえ我々はレバノン、シリアの領海、領土において、我々の石油を守らねばならない」と述べたと伝えた。

また「湾岸諸国の石油はアメリカ人によってシリアを破壊するために利用されている。我々は開発と…敵国イスラエルと戦うために利用しなければならない」と強調したという。

さらに「人民レジスタンス戦線を結成するための長年にわたる計画の準備は完了した。同様の戦線はヒズブッラーがすでに構築しているが、それはゴラン高原でイスラエルと戦うためのものだ…。パレスチナ人勢力を含む民族主義政党・勢力に今求められているのは、このレジスタンスへの参加だ」と付言した。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は、アサド政権による化学兵器使用を断定し、反体制勢力への軍事支援を公言した米国の姿勢を歓迎するとともに「戦略的、確固たる支援」を求めた。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、アサド政権による化学兵器使用を断定し、反体制勢力への軍事支援を公言した米国の姿勢に関して、BBC(6月14日付)に「非常に重要な進展」と述べた。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは、『ウカーズ』(6月14日付)に対して、「バッシャール・アサドが根本理由である問題の解決がない限り、ジュネーブ2をはじめとするいかなる会合にも自由シリア軍は参加しないだろう」と述べ、アサド大統領の退任を改めて求めた。

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シリア国民変革潮流(アンマール・カルビー代表)は声明を出し、「シリアの同胞を救済するためのジハード」を呼びかけたカイロでのイスラーム・ウンマ・ウラマー大会に対して「正しい結論」だと支持を表明した。

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シリア・クルド革命評議会・コマラの在欧広報局を名のる組織が声明を出し、アレッポ県アフリーン市でのシリア・クルド民主党(アル・パールティ)の支部開設祝典に、民主統一党の軍事部門が介入したと非難した。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、「抵抗運動負傷者の日」に合わせてテレビ演説を行い、「我々はいなければいけない場所にいるだろう。自らの責任を果たし始めた場所にで、責任を果たし続けるだろう…。この非常に危険な陰謀を打ち負かすため、我々はいかなる犠牲も払うだろう」と述べ、シリア国内での戦闘への参加・支援を続ける意思を表明した。

具体的な参加・支援のありようについて「詳細は現地の要請による」と述べる一方、「我々は本当にラッカ、タルトゥース、イドリブ、ダイル・ザウル、ハサカ、ダルアーで戦っているのか?答えは否だ」と全面介入を否定した。

またシリア情勢について「体制と国民の作り話は随分前に終わった…。数千人の戦闘員が世界中からやって来て、世界中が資金、武器、メディアを駆使してシリアで戦っている…。我々は彼らが戦いを続けることに固執していることを理解している。もしシリアが破壊され、体制が崩壊しようともだ」と述べた。

しかし同時にナスルッラー書記長は「シリアをめぐるいかなる議論にも応じる」と付言した。

一方、GCC諸国によるヒズブッラー・バッシングに関して「彼らは自らの計略が頓挫しつつあり、パワー・バランスが変化しようとしている」がゆえにヒズブッラーに対して「極度の怒り」を感じていると指摘、「脅迫、タクフィール、罵倒では誰も屈服させられないだろう。我々が姿勢を変えると信じているのなら間違えだ」と述べた。

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NNA(6月14日付)によると、ナスルッラー書記長の演説終了直後、ベカーア県バアルベック郡バアルベック市にシリア領から発射された迫撃砲弾9発が着弾し、2人が負傷した。

諸外国の動き

ユーリ・ウシャコフ大統領補佐官は、シリア情勢に関する米露の会合で「米国はシリア政府による化学兵器使用に関するデータを提示したが、これらのデータは満足のいくものではなく、事実として取り上げることはできない」と述べ、アサド政権による化学兵器使用を断定した米国の姿勢を否定した。

ウシャコフ大統領補佐官は「米国はアサド政権による化学兵器使用に関する情報を提示したが、アメリカ側が話すことに我々は満足できず、イラクでの化学兵器使用をめぐってコリン・パウエル元国務長官が示した証拠を思い出させる」と述べた。

そのうえで「シリアでの問題をめぐる米国の発言、反体制勢力への軍事支援の意思は、シリアをめぐる国際会議開催に資さない」と非難した。

一方、S-300ミサイル防空システムのシリアへの供与に関して「S-300ミサイルのシリアへの輸出に関する契約の履行は依然として提起されていない」と述べた。

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ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、アサド政権による化学兵器使用を断定した米国の姿勢に関して、米国による反体制勢力への武器供与は政治的関係正常化に向けた努力を失敗させかねない否定的要素になる、と批判した。

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アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長はツイッターで「米国の明瞭な声明を歓迎する。シリア政府は化学兵器使用に関するすべての情報の調査を国連に許すことが急務だ」と綴り、アサド政権による化学兵器使用を断定した米国の姿勢に理解を示した。

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キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は報道官を通じて「米国の声明に関して大きな懸念を伝えた…。この報告は…こうした主張を調査するために国連調査団を派遣する重要性をより高めている」と述べた。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相の報道官は、アサド政権の化学兵器使用を断じた米国の姿勢に関して、「すべての選択肢がテーブルに載せられている」としつつ、反体制勢力への武器供与の「決定はまだなされていない」と述べた。

しかしウィリアム・ヘイグ外務大臣は「英国は国連調査団にシリアでの化学兵器使用に関する証拠を提出した。我々は同盟国とともに、現地の状況に関するより多くの情報にいたるために活動している。我々はアサド政権が国連調査団に協力しないことを非難する」と述べた。

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ドイツ外務省報道官は、アサド政権による化学兵器使用を断定した米国の姿勢に関して、「承知しており、尊重する」としながらも、「ドイツはシリアに武器を供与することはないだろう。内戦が起きている国に武器を供与する権利はドイツにはない」と明言した。

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フランスのフランソワ・オランド大統領は、アサド政権による化学兵器使用を断じた米国の姿勢に関して、「バッシャール・アサド体制に圧力をかける必要があることが確認された」と述べた。

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国連の潘基文事務総長は、アサド政権による化学兵器使用を断定し、反体制勢力への軍事支援を公言した米国の姿勢に関して、「軍事的解決はない…。双方がさらなる武器供与を行えば、事態は改善しない」と述べた。

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AFP(6月14日付)によると、エジプトの首都カイロにあるアムル・ブン・アース・モスクで金曜礼拝に合わせてイスラーム主義者数千人が集まり、「シリア国民救済」を訴えるデモを行った。

サウジ人シャイフのムハンマド・アリーフィーはモスクでの説教で「シリアでのアッラーのためのジハード」を呼びかけた。

デモにはサラフィー主義者のハーズィム・サラーフ・アブー・イスマーイールが結成したラーヤ党も参加した。

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米ホワイトハウスおよびフランス大統領府は、米英仏独伊5カ国の首脳が、ウラジーミル・プーチン露大統領とデヴィッド・キャメロン英首相の会談とG8首脳会議(ロックアーン)に先立って、非公式のテレビ会合を開き、シリア問題への対応などについて協議した、と発表した。

シリア問題をめぐって避難民への人道支援を表明予定の安倍晋三総理大臣は、テレビ会合には参加しなかった。

『ハヤート』(6月16日付)が報じた。

AFP, June 14, 2013、al-Akhbar, June 14, 2013、BBC, June 14, 2013、al-Hayat, June 15, 2013, June 16, 2013、Kull-na Shuraka’, June 14, 2013、Kurdonline,
June 14, 2013、Naharnet, June 14, 2013、NNA, June 14, 2013、Reuters, June
14, 2013、SANA, June 14, 2013、al-ʻUkaz, June 14, 2013、UPI, June 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

オバマ米政権がアサド政権による化学兵器の使用を断定したと報じられるなか、シリア外務省は国連に対しダイル・ザウル県で前日発生した住民虐殺がヌスラ戦線の犯行であると報告(2013年6月13日)

国内の暴力

ハマー県では、『ハヤート』(6月14日付)が複数の消息筋の話として、シャーム自由人大隊の「アフル・スンナ旅団」がムーリク市とハーン・シャイフーン市(イドリブ県)を結ぶ街道上の軍の検問所2カ所を占拠したと報じた。

同消息筋によると、アフル・スンナ旅団は軍との15分交戦し、戦車3輌、機関砲4門を捕獲、軍兵士6人を殺害したという。

シリア人権監視団によると、これを受け、軍が両検問所を奪還するための空爆を開始したという。

一方、SANA(6月13日付)によると、軍がアブー・フバイラート村でシャームの民のヌスラ戦線、ファールーク大隊からなる反体制武装集団の掃討を完了し、同村の治安を回復した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区、ワルシャ地区、サフサーファ地区、ハムラー地区に対して軍が砲撃・空爆を行った。

また同市ワーディ・サーイフ地区で軍と反体制武装集団が交戦した。

フサイニーヤ町では、ヒズブッラーの支援を受けた軍が突入し、複数の死傷者が出た。

一方、SANA(6月13日付)によると、ヒムス市ハミーディーヤ地区、ワルシャ地区、サフサーファ地区、ハーリディーヤ地区、バーブ・フード地区、タッルドゥー市、カラム・シムシム市、カフルラーハー市、キースィーン市、ラスタン市、タルビーサ市、ガントゥー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍がザーウィヤ山、タマーニア町を空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港近く、タイヤーラ市、ドゥワイリーナ市、アアザーズ市、ダイル・ハーフィル市、マンナグ航空基地周辺、フライターン市、サフィーラ市、ラスム・アッブード村などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

またアレッポ市では、ジャミーリーヤ地区のバアス党の施設に迫撃砲弾が着弾し、またバーブ・アンターキヤー周辺など旧市街、サラーフッディーン地区、イザーア地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月13日付)によると、アウラム・クブラー町、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、アナダーン市、フライターン市、カフルハーシル村、マンナグ航空基地周辺、タッル・リフアト市、バーブ市で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、バニー・ザイド地区、ブスターン・カスル地区、アーミリーヤ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦し、後者の戦闘員9人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市工業地区に対して軍が空爆を行う一方、フサイニーヤ町で男性1人が狙撃兵に射殺された。

一方、SANA(6月13日付)によると、ダイル・ザウル市ジャーズ広場で、軍支持と「武装テロ集団」の犯罪拒否を訴える集会が開かれ、市民が参加した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ハミース市南部の軍検問所で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月13日付)によると、ハサカ市タッル・ハジャル地区で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民1人が死亡、3人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区に対して軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月13日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、ムハンマド・イブラーヒーム・サイード運輸大臣がシリア・アラブ・テレビ(6月12日付)に、ダマスカス国際空港の滑走路と倉庫に迫撃砲弾2発が着弾し、ラタキアとクウェートからの2便の着陸とバグダード行きの1便の離陸に遅れが生じたと発表した。

また軍はムライハ市、ダーライヤー市、ハーン・シャイフ・キャンプなどで反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月13日付)によると、アドラー市、ハルブーン市、ナブク市、フサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ダイル・マーキル村が軍の砲撃を受けた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハーッラ市、インヒル市、シャイフ・マスキーン市、シャジャラ町、(東)カラク村、タファス市、ヤードゥーダ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の市民が巻き添えとなって死傷した。

またダルアー市の国立病院、アブドゥルアズィーズ・アバーズィード・モスク周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月13日付)によると、ダルアー市の避難民キャンプで軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷した。

またシャイフ・マスキーン市、スィースーン市、シャブラク村、ナーフィア村、シャジャラ町、アービディーン市、タスィール町、サフム・ジャウラーン村、マスタリヤ市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省は、国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出し、ダイル・ザウル県ハトラ村での6月12日の住民虐殺に関して、シャームの民のヌスラ戦線の犯行であると指摘するとともに、クウェートのシャイフ、シャーフィー・アジャミーがシリアへの外国人戦闘員の潜入と資金提供に関与していたと報告した。

また、カタール、サウジアラビア、トルコといった国々が、シリアで活動するテロ集団に資金提供、武器供与、軍事教練を行っていると改めて指摘するとともに、英仏の圧力のもとEUが国際法上禁止されている反体制組織への武器禁輸措置を解除したと批判した。

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シリア大統領府の公式フェイスブック・ページは、アサド大統領がPCの前で書類に目を通すアサド大統領の写真を公開した。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=560877657289404&set=pb.533376740039496.-2207520000.1371163520.&type=3&theater

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クッルナー・シュラカー(6月13日付)は、ダマスカス県アッシュ・ウルール地区で活動する「シャッビーハ」が、シリア・ポンドの下落を受けて、米ドルでの謝金の支払いを求めている、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(6月13日付)は、法務省の信頼できる消息筋の話として、シリアのテロ法廷が、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領とフィラース・トゥラース准将の2名に死刑判決を下したと報じた。

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アフマド・バドルッディーン・ハッスーン共和国ムフティーはインテルファクス通信(6月14日付)に「もしシリアが倒れれば、ロシアも倒れるだろう。我々は自分たちだけを守っているのではない、オリエント全体を防衛している。オリエントが標的となっている…。西洋を支持しないすべての人間を標的としている。なぜなら彼らの組織は、リヤドやドーハではなく、ロンドン、ニュークから来ているからだ」と述べた。

反体制勢力の動き

シリア国民変革潮流のアンマール・カルビー代表は、Elaph(6月13日付)に、ジュネーブ2会議に関して、国連安保理決議第7章に基づき開催を求める必要があるとの見方を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のハイサム・マーリフ法務委員会委員長は『ラアユ』(6月13日付)に、イランが、ヒズブッラー、レバノン政府、イラクのシーア派、イエメンのフーシ(ハウスィー)派とともにシリアでの「宗派戦争」を主導していると断じた。

またジュネーブ2会議に関して、米露の意見の不一致ゆえに開催されないだろうとしたうえで、「シリア国民に対する宗派戦争が続く限り…シリア革命反体制勢力国民連立は参加しないだろう」と述べた。

レバノンの動き

NNA(6月13日付)などによると、ベカーア県バアルベック郡のナビー・シート村、スィルアイン村、リヤーク村にシリア領から発射された迫撃砲弾複数発が着弾したと報じた。

しかしこの砲撃に関して、OTV(6月13日付)は、シリア領内からではなく、レバノン山地東部から発射されたと報じた。

そのうえでOTVは、このロケット弾砲撃とともに、同郡のマアラブーン村、ハーム村でヒズブッラーの戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線と交戦したと付言した。

一方、MTV(6月13日付)も、このロケット弾砲撃とともに、同軍のナビー・シート村とフドル村でヒズブッラーの戦闘員が自由シリア軍と交戦したと報じた。

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ナハールネット(6月13日付)は、アドナーン・マンスール外務大臣が、シリア軍ヘリコプターによるベカーア県バアルベック郡アルサール地方への越境攻撃に先立って、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣から、レバノン軍による国境管理の徹底を要請する文書を受け取っていたと述べた、と報じた。

諸外国の動き

『ニューヨーク・タイムズ』(6月13日付)は、複数の米高官の話として、アサド政権が反体制勢力に対して化学兵器を使用したとバラク・オバマ米政権が結論づけ、反体制勢力に軽火器などの武器の供与することを決定したと報じた。

同高官らによると、武器供与はCIAがその調整を行い、対戦車兵器などが供与される可能性があるとしつつ、対空兵器の供与については検討中だという。

http://www.nytimes.com/2013/06/14/world/middleeast/syria-chemical-weapons.html?_r=0

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米ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官は、アサド政権の反転攻勢と反体制勢力の弱体化が著しいシリア情勢に関して、バラク・オバマ大統領および米国家安全保障のチーム全員がシリア情勢の「さらなる悪化」を深く懸念しているとしたうえで、大統領が「追加措置を講じるための選択肢を検討している」と述べた。

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CNN(6月13日付)などによると、米ホワイトハウスのベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は、アサド政権が反体制勢力に対して化学兵器を使用したとバラク・オバマ米政権が断定したことを明らかにした。

ホワイトハウスが発表した同副補佐官の声明によると、「情報機関の推定では、シリアで化学兵器攻撃によって100~150人が死亡した。ただし(正確な)犠牲者の数は未確定」とだいう。

その上で、声明は「化学兵器の使用は国際基準違反であり、国際社会に存在してきたレッドライン(越えてはならない一線)を越えている」と言明し、通信機器や医療、食糧援助、非殺傷兵器を中心としてきた反体制勢力に対する支援の範囲と規模を拡大すると表明した。

ローズ副報道官はまた、記者団に対して、反体制勢力への軍事支援は、オバマ大統領が決断したと説明したが、武器供与の有無については明言を避けた。

またシリア上空の飛行禁止区域設定については、オバマ大統領はまだ判断を示していないという。

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国連のナバネセム・ピレイ人権高等弁務官は、2011年3月から2013年4月までに確認された死者数が少なくとも92,901人にのぼると発表した。

ピレイ人権高等弁務官は、この数値が、シリア政府、シリア人権監視団を含む8つの機関・団体の発表に基づく数値だとしたうえで、「実際の犠牲者は残念ながら、これよりもかなり多い」と述べた。

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イスラエルの外務副大臣はモスクワで記者会見を行い、シリアにS-300ミサイル防衛システムを供与しないよう改めて求めた。

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SANA(6月13日付)は、イラク軍が対シリア・ヨルダン国境地帯に4個連隊を派遣し、テロリストの潜入、武器流入に対する警戒態勢を強化したと報じた。

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ジャズィーラ(6月13日付)などによると、カイロでイスラーム・ウンマ・ウラマー大会が開かれ、「シリアの国民に対するイランの体制、ヒズブッラー、そして宗派主義的なその同盟者たちのあからさまな敵対行為」に対抗し、「シリアの同胞を救済するためのジハード」を呼びかけた。

大会にはイスラーム教ウラマー連合のユースフ・カラダーウィー議長ほか、各国のイスラーム組織の代表76人が主席した。

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安倍晋三総理大臣は、来週開かれるG8首脳会議で、シリア情勢を打開するため国際社会の一致した協力を呼びかけるとともに、難民や避難民への人道支援として、およそ1,000万ドルの緊急人道支援を行うことを表明する方針を固めた、とNHK(6月13日付)などが報じた。

具体的には、シリアからの多くの非難民を受け入れているヨルダンに対しておよそ1億ドルの財政支援を行うとともに、難民や避難民への人道支援としておよそ1,000万ドルの緊急人道支援を行うことを表明するという。

AFP, June 13, 2013、CNN, June 13, 2013、Elaph, June 13, 2013、al-Hayat, June 14, 2013、Kull-na Shuraka’, June 13, 2013, June 14, 2013、Kurdonline,
June 13, 2013、MTV, June 13, 2013、Naharnet, June 13, 2013、NNA, June 13,
2013、The New York Times, June 13, 2013、OTV, June 13, 2013、al-Ra’y, June 13, 2012、Reuters, June 13, 2013、SANA, June 13, 2013、UPI, June 13, 2013などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県でサラフィー主義者らによる住民の虐殺事件が発生するなか、アレッポ県で活動する自由シリア軍が共同声明を出しクルディスタン労働者党を「反革命」組織と認定、民主統一党との対決姿勢を鮮明に(2013年6月12日)

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市近郊のハトラ村でサラフィー主義武装集団がシーア派住民60人を殺害した。

同監視団が公開したビデオ映像の映像・音声によると、ハトラ村襲撃を行ったのは、サーディク・アミーン旅団を名のる武装集団で、「シーア派の遺体だ…これがお前らの最期だ、犬ども」と歓喜している。

http://www.youtube.com/watch?v=SI6pyhNZ0T0

これに関して、SANA(6月12日付)も、ハトラ村で、シャームの民のヌスラ戦線が住民を襲撃し、女性、子供を含む30人を「虐殺」したと報じた。

またシリア人権監視団によると、マヤーディーン市に近いハワーイジュ村、ダイル・ザウル市東方のマフカーン町が軍の空爆を受け、複数人が負傷した。

このほか、ダイル・ザウル市のフワイジャ地区などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月12日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、旧空港地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ハミーディーヤ地区、ラサーファ地区、カマーマート地区、アラディー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、『ハヤート』(6月13日付)によると、マンナグ航空基地を包囲する反体制武装集団(ファトフ旅団)が、飛行場内の軍兵士に対して、降伏の最後通告を発した。

複数の戦闘員によると、反体制武装集団はマンナグ航空基地の指揮基地内の複数カ所を制圧、司令部棟に接近しているという。

しかし、シリア人権監視団によると、ムハージルーン・ワ・アンサール大隊が、マンナグ航空基地の大部分を制圧した後に撤退、またシリア軍の戦車による砲撃で戦闘員6人が死亡したという。

軍はマンナグ航空基地への反体制武装集団の進軍を阻止するため地対地ミサイルでの攻撃を続けている。

このほか、マアーッラト・アルティーク村、ヌッブル市、ザフラー町、ザアラーナ村などで、軍と反体制武装集団が交戦、迫撃砲を撃ち合った。

一方、SANA(6月12日付)によると、マンナグ航空基地周辺、アルカミーヤ村、アイン・ダクナ村、アレッポ中央刑務所周辺、アナダーン市近郊、ナッカーリーン村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線からなる反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ブスターン・カスル地区、シャイフ・マクスード地区、バニー・ザイド地区、アシュラフィーヤ地区、アーミリーヤ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺の反体制武装集団の拠点を軍が空爆し、複数の戦闘員が負傷した。

またタブカ航空基地で、軍と反体制武装集団が交戦し、双方に死傷者が出た。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャッダーディー市、マフルーム村などが軍の空爆を受けた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ビンニシュ市・イドリブ市間の軍の検問所複数カ所を反体制武装集団が襲撃する一方、軍がダイル・ガルビー村・マアラーター村間、ラーミー村、カフルラーター市などを砲撃した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、ハーリディーヤ地区、ハウラ地方、タドムル市郊外、タルビーサ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月12日付)によると、タルビーサ市、ドゥワイル市、カフルラーハー市、タドムル市郊外、ヒムス市バーブ・フード地区、ワルシャ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、スーハー村に軍が突入した。

また、クッルナー・シュラカー(6月12日付)によると、カフルヌブーダ町でウサーマ・ブン・ザイド旅団(自由シリア軍)が若者1人を拷問、殺害した、とハマー市および同郊外地元調整諸委員会のマスアブ・ハマーディー代表が発表した。

ウサーマ・ブン・ザイド旅団はハーリド・ムーサーなる人物が指導する武装集団で、地元情勢諸委員会代表は、ハマー郊外軍事評議会のアブドゥッラッザーク・フライジャ大佐に、同集団の犯罪を阻止するよう誓願した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区、ヤルムーク区に対して軍が空爆を行った。

一方、SANA(6月12日付)によると、オートストラード・アダウィー地区のダール・シファー病院近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民1人が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ズィヤービーヤ町、ナブク市、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ハジャル・アスワド市などに軍が爆撃・砲撃を加え、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月12日付)によると、ドゥーマー市、ハラスター市、フジャイラ村、シャイフーニーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、ジャースィム市で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が空爆を行った。

反体制勢力の動き

シリア国家建設潮流(ルワイユ・フサイン代表)がダマスカスで記者会見を開き、ジュネーブ2会議を失敗させてはならないと主張、そのために参加(予定)者に対して、2012年6月のジュネーブ合意の遵守、戦闘停止と政治プロセスへの参加、諸外国による武力紛争助長の停止、アサド政権と反体制勢力による移行期政府樹立の合意などを呼びかけた。

記者会見において、シリア国家建設潮流は、アサド大統領の進退に関していかなる前提条件を設けるべきでないと主張しつつ、次期大統領選挙への出馬は認めないとの立場を示した。

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『ワタン』(6月12日付)によると、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は、シリア革命反体制勢力国民連立がジュネーブ2会議への参加を拒否することはできない、との見方を示した。

その根拠として、アブドゥルアズィーム代表は、連立がアラブ湾岸諸国、欧米諸国に依存しており、これらの国々がジュネーブ2会議開催に関して合意しているからだと述べた。

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クッルナー・シュラカー(6月12日付)は、アレッポ県の主要な反体制武装集団(自由シリア軍)が共同声明を出し、クルディスタン労働者党(PKK)を「反革命」組織と認定し、活動を禁じ、民主統一党との対決姿勢を鮮明にしたと報じた。

また同声明では、周辺の村々を「侵略するアサドのシャッビーハ」を封じ込めるため、ヌッブル市、ザフラー町への包囲を強化すると決定したことを明らかにした。

同声明によると、民主統一党は、アサド政権と連携し、アフリーン地方からヌッブル市、ザフラー町への兵站路を確保し、アフリーン地方にシリア軍を招き入れようとしていると断じている。

レバノンの動き

レバノン軍は声明を出し、シリア軍のヘリコプターがベカーア県バアルベック郡アルサール地方に対して越境攻撃を行ったとしたうえで、同様の侵犯にただちに対応するために必要な防衛措置を講じたと発表した。

これに関連して、ミシェル・スライマーン大統領は、「主権を守るための必要な措置を講じる権利がある」と述べ、シリア軍ヘリコプターの越境攻撃を非難した。

またシリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール地方に逃走中の「テロ集団」を軍がヘリコプターで攻撃した、と発表した。SANA(6月12日付)が報じた。

諸外国の動き

フランスのローラン・ファビウス外務大臣はフランス2(6月12日付)で、「シリア国内のパワー・バランスを再び均衡させねばならない。なぜなら過去数週間で、アサドの軍、そしてヒズブッラーとイラン人の部隊が、ロシアの兵器を用いて、国土の大部分を回復したからだ。我々は、アレッポの前でこの進軍を止めねばならない。ヒズブッラーとイラン人の次の目標はアレッポだからだ」と述べた。

また「軍事バランスを回復することに失敗すれば、平和的解決をめざすジュネーブ2会議はないだろう。なぜなら、シリアの反体制勢力が参加に同意しなくなるからだ。政治的解決に至ることが火急に必要だ。それゆえ、我々はバッシャールの軍がジュネーブ大会に来ることを阻止せねばならない」と強調した。

そのうえで「シリアの反体制勢力はバッシャールの軍の進軍を阻止するための兵器を持たねばならない…。我々はこれ(進軍)を止めねばならない」と付言した。

さらに「誰も直接軍事介入について考えていない。だが、信頼問題というのがある。もしイランがシリアから手を引くことを阻止できなければ、イランに核兵器保有放棄を要求する我々にいかなる信頼が残ろうか?すべての問題は結びついている」と述べた。

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米国のジョン・ケリー国務長官と英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣が会談し、シリア情勢について協議した。

会談後の記者会見で、ヘイグ外務大臣は、シリアでの人命救出のため、「同盟国とともにさらなる措置をとる用意がある」と述べたが、「シリアの反体制活動家に武器を提供することに関する新たな要件はない」と武器供与に慎重な姿勢を示した。

一方、ケリー国務長官は「政府に対する戦争においてシリアの反体制勢力を支援するために何が可能かを話し合った…。反体制勢力支援のために可能なすべて」を行うだろうと述べたが、詳細については触れなかった。

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国連の潘基文事務総長は、ゴラン高原の現状に関する報告書を安保理に提出、そのなかで同地の暴力が激化していると指摘し、UNDOFの活動に関する修正を行う必要があると提言した。

提言のなかには、自衛能力の拡充、隊員数の1,250人への拡大などが含まれている。

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『ハヤート』(6月13日付)は、ヨルダンの複数の高官の話として、ヨルダン政府は非公式にシリア・ヨルダン国境に違法に開設されていた国境通行所数十カ所を閉鎖し、シリア人の出入国の流れを「合法化」(規制)していると報じた。

AFP, June 12, 2013、al-Hayat, June 13, 2013、Kull-na Shuraka’, June 12, 2013、Kurdonline, June 12, 2013、Naharnet,
June 12, 2013、Reuters, June 12, 2013、SANA, June 12, 2013、UPI, June 12,
2013、al-Watan, June 12, 2013などをもとに作成。

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ダマスカス県内のマルジャ広場で連続自爆テロが発生し市民14人が死亡、ハサカ県では民主統一党と反体制武装集団が休戦協定を締結、人民防衛隊を付近一帯の「正統な軍」とみなすことなどを求める(2013年6月11日)

国内の暴力

ダマスカス県では、SANA(6月11日付)によると、市内中心に位置するマルジャ広場で自爆テロが2件連続で発生し、市民14人が死亡、31人が負傷した。

SANA, June 11, 2013
SANA, June 11, 2013

シリア人権監視団によると、爆発は警察署近くで発生した。

一方、シリア人権監視団によると、カーブーン区、バルザ区を軍が砲撃し、バルザ区では軍と反体制武装集団が交戦した。

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ハサカ県では、『ハヤート』(6月12日付)によると、タッル・タムル町で民主統一党と反体制武装集団が休戦協定を締結、民主統一党人民防衛隊を同町一帯の「正統な軍」とみなすこと、同地域に展開する武装勢力から「部族的な装いを除去すること」などを合意した。

休戦に向けた協議は、タッル・タムル町に近いバーブ・ハイル村で行われ、クルド人の代表、ブーハムダーン部族、サーダ部族、シャッラービーン部族、バッカーラ部族といったアラブ系部族の代表、アッシリア教徒代表が出席した。

またラアス・アイン市の市民平和評議会、民主社会運動も同席した。

シリア人権監視団によると、停戦協定は7項目からなり、民主統一党人民防衛隊を同市一帯の「正統な軍」とみなすこと、同地域に展開する武装勢力から「部族的な装いを除去すること」、タッル・タムル町の地元評議会を復興することなどが合意された。

一方、シャッダーディー市、タッル・ハミース市、タッル・ブラーク町、ヤアルビーヤ町を軍が空爆した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ハトラ村で反体制武装集団と「体制を支持するシーア派の戦闘員」(未確認情報)が激しく交戦し、数十人が死傷した。

また軍がダイル・ザウル市の工業地区、ムワッザフィーン地区を空爆、反体制武装集団と交戦した。

同監視団によると、アサド政権は「過去数年間でシーア派に改宗した市民数百人に武器を配布した」のだという。

一方、SANA(6月11日付)によると、ダイル・ザウル市工業地区、ハトラ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、軍がラッカ市のルマイラ地区、第17師団本部周辺を空爆したのに対して、反体制武装集団も手製のロケット弾でタブカ航空基地を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アフリーン市郊外のカフルジャンナ村で民主統一党人民防衛隊と反体制武装集団が交戦した。

また反体制武装集団が、ヌッブル市近くで軍のヘリコプターを地対空ミサイル(イグラ)で撃墜したとされる映像がインターネット上に公開された。

対する軍はマンナグ航空基地周辺、ハナースィル市などを空爆した。

一方、アレッポ市では、サラーフッディーン地区、サーフール地区、アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

他方、SANA(6月11日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、マンナグ航空基地周辺、マアーッラト・アルティーク村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ブスターン・カスル地区、ブスターン・バーシャー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市スィルヤーン・ジュダイダ地区に迫撃砲3発を打ち込み、女性、子供を含む3人を負傷させた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サルミーン市、ビンニシュ市、ハーミディーヤ航空基地周辺、バーブ・ハワー国境検問所などに、軍が砲撃を加え、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月11日付)によると、反体制武装集団がイドリブ市周辺にある軍の拠点複数カ所を襲撃したが、軍がこれを撃退した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラビーア町、サルマー町などを軍が砲撃した。

一方、SANA(6月11日付)によると、ラビーア町、バイト・アワーン村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区および同市周辺に対して軍が砲撃を加え、同市ワーディー・サーイフ地区で反体制武装集団と交戦した。

またカルアト・ヒスン市では、軍と反体制武装集団が交戦し、レバノンの北部県トリポリ市出身の戦闘員(サラフィー主義者)が死亡した。

一方、SANA(6月11日付)によると、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地区の治安を回復した。

また軍は、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、カラービース地区、キースィーン市、ガントゥー市、ラスタン市、アクラブ町、タッル・ザハブ町、タルビーサ市郊外、ダール・カビーラ村、マスウーディーヤ村、サーリヒーヤ市、ズィーバ市、タドムル市で、反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ウカイリバート町、ハマーディー・ウマル村、ラターミナ町、ザカー市、カフルズィーター市周辺、フワイジャ市などを、軍が砲撃し、反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ハラスター市、バイト・サフム市、ダーライヤー市、アルトゥーズ町、ハーン・シャイフ・キャンプ、ヤブルード市、マルジュ・スルターン村一帯、カタナー市、ズィヤービーヤ町を軍が砲撃し、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月11日付)によると、ジャイルード市郊外、アルバイン市、ザバダーニー市、ヤブルード市、ダイル・カーヌーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、タウヒード旅団、シャームの民のヌスラ戦線、ドゥーマー殉教者旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カフルシャムス町、インヒル市、ヌアイマ村、ウンム・ワラド村を軍が砲撃し、反体制武装集団と交戦した。

シリア政府の動き(シリア国内の動き)

ワーイル・ハルキー内閣が定例閣議で、ダマスカス県マルジャ広場での連続自爆テロを非難した。

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連立与党のアラブ社会主義連合民主党、野党のシリア民主党、シリア国民青年党、クルド国民変革運動などが相次いで声明を出し、ダマスカス県マルジャ広場での連続自爆テロを非難した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(6月11日付)によると、クルド民族主義諸政党が実効支配するラアス・アイン市で、反体制武装集団(自由シリア軍)が包囲を続けるアフリーン市(アレッポ県)との連帯を訴えるデモが発生した。

デモはシリア・クルド民主統一党(イェキーティー)の呼びかけで行われ、西クルディスタン人民議会(民主統一党)、シリア・クルド国民評議会の代表・支持者らが参加した。

ラアス・アイン市で平和的デモが行われるのは、反体制武装集団(自由シリア軍)が同市に侵攻した2012年11月以降初めてだという。

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立は、11日にイスタンブールで(再開を)予定されていた総合委員会の延期を発表した。

会合では、新議長選出、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班の進退が審議される予定だった。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「自由シリア軍は…国の南北東西において前進し、侵略者(ヒズブッラー戦闘員)に対して勝利を続けている」と発表した。

しかし、この「勝利宣言」を裏付ける軍事的成果は報じられていない。

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シリア国民評議会は声明を出し、ヒズブッラー、イランの「占領」への抵抗をシリア国民に対して呼びかけた。

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自由シリア軍のクナイトラ・ゴラン革命軍事評議会(マジャーズ・アブドゥルイラーフ准将)を名のる組織が声明を出し、ロシアに対してUNDOFへの部隊派遣を口実に、シリア領内に軍を派遣しないよう警告を発した。

レバノンの動き

NNA(6月11日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡バイト・ジャアファル村の山間部で、ヒズブッラーの支持者がアルサール市のアリー・アフマド・フジャイリー氏を要撃・殺害した。

これを受け、アルサール市内に武装したサラフィー主義者たちが集まり、フジャイリー氏殺害に抗議した。

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NNA(6月11日付)によると、ベカーア県場ヘルメル郡ドゥーラ地方にシリア領から発射された迫撃砲弾複数発が着弾し、市民数名が負傷した。

諸外国の動き

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はRT(6月11日付)のインタビューに応じ、「国家(シリア)は真摯な変革の準備ができていた。この時点で(シリアの)指導部はそのことを認知し、変革を行わねばならなかった…。モスクワはアサド政権を守っていない」と述べた。

しかし現下のシリアの混乱に関しては、「なぜこうしたことが起きているのか?一部の人が支持し、民主主義と名付けられたりもする方法だけで(中東)地域を形作ることができ、それによって平和と秩序が広まる、と外国の人々が想像しているからだ。しかし実際はまったくそうではなかった」と西側諸国の介入を暗に批判した。

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ロシア外務省は声明を出し、ダマスカス県マルジャ広場での連続自爆テロを非難するとともに、犠牲者に哀悼の意を示した。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣が、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣、バンダル・ビン・スルターン総合情報庁長官とパリで会談し、シリア情勢について協議した。

フランス外務省報道官によると、会談ではヒムス県クサイル市陥落後のシリア国内の軍事情勢やジュネーブ2会議への影響などについて意見を交換した。

同報道官は、クサイル市陥落に関して、「紛争の一方の当時者が弱体化することはジュネーブ2の開催に資さない。なぜなら、交渉は一方の当時者が優位で、もう一方が弱ければ不可能だからだ。ゆえに、反体制武装集団を強化するために行動することが必要であり、この点をサウジアラビア、米国、トルコなどと議論し、共通の姿勢に至りたい」と述べた。

また、シリア危機にヒズブッラーとイランが関与を深めていることが、地域、とりわけレバノンの安定に悪影響を及ぼす点で意見が一致したという。

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UNDOF主力部隊のオーストリア部隊がゴラン高原からの撤退を開始した。

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イギリスの極右政党、イギリス国民党のニック・グリフィン党首は、ツイッター(6月11日付)でダマスカスに入ったことを明らかにし、「真実を究明する」としたうえでアサド政権を支持することを示唆した。

AF(6月11日付)が報じた。

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国連難民高等弁務官事務所の報道官は、ドイツ政府とシリア人避難民数万人の受け入れの可否について協議を行っていることを明らかにした。

同報道官によると、ドイツ以外にも欧州の複数の国と避難民受け入れの協議を行っているという。

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岸田文雄外務大臣は、記者会見で、「安倍政権が内戦の続くシリアの反体制派に直接届く人道支援活動を始める方針を決めた」と述べた。

AFP, June 11, 2013、AP, June 11, 2013、al-Hayat, June 12, 2013、Kull-na Shuraka’, June 11, 2013, June 12, 2013、Kurdonline,
June 11, 2013、Naharnet, June 11, 2013、NNA, June 11, 2013、Reuters, June
11, 2013、SANA, June 11, 2013、UPI, June 11, 2013などをもとに作成。

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アレッポ県で反体制武装集団がマンナグ航空基地のレーダー施設を制圧、アル=カーイダ指導者がイラク・イスラーム国によるシャームの民のヌスラ戦線との統合宣言を認めずこれを破棄(2013年6月10日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がマンナグ航空基地のレーダー施設を制圧した。

反体制武装集団は9日には飛行場内の格納施設を制圧していたという。

またマアーッラト・アルティーク村では、反体制武装集団が軍に対して反撃を行い、サフィーラ市では軍が空爆を行った。

一方、SANA(6月10日付)によると、マンナグ航空基地周辺、アレッポ中央刑務所周辺、アルカミーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市ではシャイフ・マクスード地区、ブスターン・カスル地区、アーミリーヤ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市の電力会社地区とルマイラ地区に対して軍が砲撃を行い、女性2人を含む6人が死亡した。

また第17師団周辺では、軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市の工業地区、ラサーファ地区、ジュバイラ地区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月10日付)によると、ダイル・ザウル市の工業地区、ハウィーカ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市、ヒムス市各所が軍の空爆を受けた。

一方、SANA(6月10日付)によると、ジャンダル村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ワーディー・サーイフ地区、ラスタン市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、カフルズィーター市、カストゥーン村、ハウワーシュ村、カルカート村が、軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月10日付)によると、マスアダ村、アブー・ハナーヤー村、マスウード村、サルバ村、クライブ・サウル村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

これに対して、反体制武装集団はサラミーヤ市郊外のサアン村にある医療センターや民家を迫撃砲で攻撃、またシャームの民のヌスラ戦線が同市に侵入し、住民を誘拐した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ラーミー村などが軍の砲撃を受けた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区が軍の空爆を受けた。

一方、SANA(6月10日付)によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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Kull-na Shuraka', June 10, 2013
Kull-na Shuraka’, June 10, 2013

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー市、ハジャル・アスワド市が軍の空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(6月10日付)によると、ハラスター市、シャイフーニーヤ村、バハーリーヤ農場、ラヒーバ農場、フジャイル市、ジャイルード市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(6月10日付)は、イスラーム旅団とウターヤー地域歩兵師団が東グータ地方でシリア軍の偵察機2機を撃墜したと報じ、その写真を公開した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダーイル町、カフルシャムス町が軍の砲撃を受けた。

シリア政府の動き

『アフバール』(6月10日付)は、5月22日にシリアを訪問したヨルダン人作家・活動家のサウード・クバイラート氏の話として、アサド大統領が世銀による210億ドルの融資を拒否したと報じた。

同報道によると、この融資は、シリア復興への投入を条件としており、アブドゥッラー・ダルダリー元副首相が世銀の代表として、アサド政権に提示したという。

反体制勢力の動き

ジャズィーラ・チャンネルのホームページ(6月9日付)は、アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリーが、イラク・イスラーム国のアブー・バクル・バグダーディーによるシャームの民のヌスラ戦線との統合宣言を破棄したことを書簡を通じて発表したと報じ、その写真(http://www.aljazeera.net/file/Get/64c64867-0eb8-4368-a1fd-13c7afbc9aa3)を公開した。

書簡において、ザワーヒリーは「イラク・シャーム・イスラーム国は廃止され、イラク・イスラーム国の名で活動を継続する…。シャームの民のヌスラ戦線は、アル=カーイダ全体に属すジハード・アル=カーイダ集団から独立した一組織となる」と発表した。

そのうえで「ジハード・アル=カーイダ集団のすべての同胞に(この決定を)遵守(するよう求め)…、すべてのイスラーム教徒、ジハード主義者同胞にこの対立をめぐって口論することを止めるよう求める」と付言した。

http://www.aljazeera.net/news/pages/a5a7d33e-3c9f-4706-b070-e358b5e67236

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Kull-na Shuraka', June 10, 2013
Kull-na Shuraka’, June 10, 2013

クッルナー・シュラカー(6月10日付)は、9日のアレッポ市シャッアール地区で、預言者を侮辱した罪で15歳の少年がサラフィー主義戦闘員に処刑された事件に関して、シャームの民のヌスラ戦線が「違法な殺人」との関係を否定する声明を出したと報じ、その画像を公開した。

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ベルギーの日刊紙『ヘット・ニュースブラッド』(Het Nieuwsblad、6月10日付)は、シリア国内で反体制武装闘争に参加していたベルギー人サラフィー主義者集団の戦闘員1人がアレッポ市近郊で就寝中に、頭を撃たれて殺害されたと報じた。

殺害されたのはターリク・ターキートルーン(20歳、ブリュッセル郊外生まれ)で、30人の仲間とともに武装集団を結成し、シャームの民のヌスラ戦線のもとで戦闘に参加していたという。

またターリクの兄のイリヤース(22歳)は、ベルギーに6月3日に帰国し、テロ活動を行った容疑で逮捕された。

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シリア・ムスリム同胞団は声明を出し、シリアが「ロシア人、イラン人…、レバノン人やイラン人などからなる宗派主義的戦闘員の「悪のトライアングル」の攻撃に曝されているとする一方、「国際社会に沈黙」を厳しく非難した。

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民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行部は、声明を出し、現下の紛争において「宗派主義的現象を広める体系的な危機」があると指摘、シリア人以外のすべての当時者に国内での戦闘に参加しないよう呼びかけ、ヒズブッラーを暗に非難した。

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シリア民主主義者連合のファーイズ・サーラ、ムワッファク・ニールビーヤら在外活動家約200人が共同声明を出し、ヒズブッラーが運営するマナール・チャンネルの視聴ボイコットを呼びかけた。

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元共和国護衛隊第105旅団司令官で脱走兵のフィラース・トゥラースはフェイスブックで、シャームの民のヌスラ戦線のアブー・ムハンマド・ジャウラーニーは実在せず、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長であると断じた。

またトゥラースは、イラク・イスラーム国を指導するアブー・バクリー・バグダーディーについても、イラン・イスラーム革命防衛隊クドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官だと断じた。

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自由シリア軍参謀委員会は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立の代表メンバー拡大で、自由シリア軍の代表者数(15人)の増加が認められなかったことに関して、態度を保留する決定を下したことを発表した。

代表者15人の氏名は以下の通り:

スライマーン・ウバイド(ダルアー県)
ルワイユ・ミクダード(ダルアー県)
マムドゥーフ・ラーカーン・タッハーン(クナイトラ県)
アブドゥッサラーム・ナジーブ(ヒムス県)
ヤーミン・ワリード・ジャウハリー(スワイダー県)
アンマール・カルート(ダイル・ザウル県)
スィーバーン・ヒクマト・アフマド(ラッカ県)
フアード・アッルーシュ(イドリブ県)
ムハンナド・イーサー(イドリブ県)
アフマド・ジャッカール(アレッポ県)
ムスタファー・スフタ(ラタキア県)
ムスタファー・アフマド・シャルシュ(ダマスカス県・ダマスカス郊外県)
ムハンマド・シャッアール(ダマスカス県・ダマスカス郊外県)
ハーリド・アリー(ハマー県)

なお『ハヤート』(6月17日付)によると、自由シリア軍参謀委員会は、代表メンバーの半数、ないしは少なくとも3分の1を自由シリア軍に割り当てるよう主張していたという。

レバノンの動き

レバノンの声ラジオ(6月10日付)によると、ジャアファル家のメンバーとヒズブッラーの支持者がベカーア県バアルベック郡と北部県をつなぐ街道を封鎖し、レバノン赤十字社が行うヒムス県クサイル市からのシリア人負傷者搬送を妨害した。

道路封鎖を受け、レバノン赤十字社の車列はアルサール市に引き返したという。

諸外国の動き

アラブ政治調査研究センター(カタール)は2012年から2013年にかけてアラブ諸国14カ国で実施したシリア情勢に関する世論調査の結果を発表した。

調査が実施されたのは、モーリタニア、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、リビア、エジプト、スーダン、パレスチナ、レバノン、ヨルダン、イラク、サウジアラビア、イエメン、クウェート。

調査結果によると、77%の解答者がアサド大統領の退任を支持、13%が反対していた。

また66%の解答者が、シリアでの体制転換が危機解決の最善策だと答え、10%が平和的政治プロセスによる解決を、3%が革命の根絶を支持していた。

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サウジアラビアの巡礼省報道官は、AFP(6月11日付)に、事実上の自壊状態にあるシリア革命反体制勢力国民連立をシリア人に対するメッカへの巡礼許可証発行の許可権者とみなすことを決定したと発表した。

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NHK(6月10日付)は、来週17日に英国で開催されるG8首脳会議で、日本の安倍晋三総理大臣が、シリアの反体制勢力に対して初めて物資の支援に踏み切ることを表明する方針を固めた、と報じた。

NHKによると、安倍総理大臣は、反体制勢力に対して、自動車、発電機などの物資の支援を行うことを表明するという。

この方針に関して、NHKは「日本政府は、反政府勢力について、すでにシリア国民の正当な代表だという立場をとっています」と付言したが、「シリアの友連絡グループ」が「シリア国民の唯一の正統な代表」として承認したシリア革命反体制勢力国民連立は事実上自壊する一方、サラフィー主義者によって主導されているシリア国内の反体制勢力も弱体化を始めており、日本政府が誰に、また何のために支援するのかを合理的に説明することはできない。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130611/k10015210391000.html

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ジャズィーラ(6月10日付)は、GCCが、シリアの戦闘へのヒズブッラーの参戦を厳しく非難、加盟国におけるヒズブッラー・メンバーの滞在許可、送金などを制限するための措置を講じることを決定したと報じた。

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SPA(6月10日付)は、サウジアラビアの内閣が閣議においてシリア情勢について審議、「シリアでの戦争へのヒズブッラーのあからさまな干渉と、シリアを戦場にするようなすべての外国の介入を非難した」と報じた。

また閣議はシリアの危機を終わらせることへのアラブ世界および国際社会の努力に謝意を示した、という。

AFP, June 10, 2013、al-Akhbar, June 10, 2013、al-Hayat, June 11, 2013, June 17, 2013、Kull-na Shuraka’, June 10, 2013, June 12,
2013、Kurdonline, June 10, 2013、Naharnet, June 10, 2013、Reuters, June 10,
2013、SANA, June 10, 2013、UPI, June 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クサイル市の住民らが軍による武装テロ集団の殲滅を祝う集会を開くなか、アレッポ県では「イスラーム主義者の戦闘大隊」がアレッポ県で「預言者ムハンマドを冒涜した罪」で15歳の少年を家族の前で射殺(2013年6月9日)

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団およびSANA(6月9日付)によると、アレッポ市シャッアール地区で、「イスラーム主義者の戦闘大隊」が、預言者ムハンマドを冒涜した罪で15歳の少年を家族の前で射殺した。

同監視団によると、反体制武装集団は、コーヒーを売っていたこの少年が、支払いをめぐって口論となった際に、預言者ムハンマドを冒涜する言葉を吐いたとして連行した。

その後、この少年に暴行を加えた後、頭をシャツで覆って、身柄を拘束した場所に連れ戻し、その場で頭と首を銃で撃ち、処刑したという。

監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はこの処刑に関して「こうした犯罪によって、シリアの人々はアサド政権が崩壊することに恐怖を抱くようになる」と非難した。

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同じく、アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が包囲するマンナグ航空基地に駐留する部隊に対して、軍がヘリコプターで武器、食糧を投下した。

またバービード市、フライターン市、タッル・リフアト市、アナダーン市、ダイル・ハーフィル市、ハイヤーン町、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村が軍の砲撃、地対地ミサイルによる攻撃を受ける一方、ヌッブル市が反体制武装集団の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月9日付)によると、アレッポ市北部のタッラ・フワイフナで軍が反体制武装集団の掃討を完了、治安を回復した。

またフライターン市、マンナグ村、カブターン・ジャバル村、バービース村、アナダーン市、アレッポ市ブスターン・カスル地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、AFP(6月10日付)は、シリアの治安消息筋の話として、「数日、ないしは数時間中にアレッポでの作戦を開始し、(反体制武装集団が)占拠するアレッポ県内の都市・村を奪還するだろう」と報じた。

また『ワタン』(6月9日付)は、軍がクサイル市での「経験」を駆使して、アレッポ県での掃討作戦を行う準備しているとしたうえで、政府内でこの作戦が「北部の嵐」と呼ばれていると報じた。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺、タブカ航空基地周辺が軍の砲撃・空爆を受けた。

また『ハヤート』(6月10日付)によると、シャーム自由人大隊は、第17師団の軍事拠点3カ所に突入したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ラサーファ地区、工業地区などが軍の砲撃を受けた。

またイラク西部(ヨルダン国境近く)と接するワリード国境通行所近くのシリア領内からの反体制武装集団の攻撃により、イラクの国境警察の要人1人が死亡、2人が負傷した。

武装集団はワリード国境通行所の制圧をめざしているという。

一方、SANA(6月9日付)によると、ダイル・ザウル市のムワッザフィーン地区全土と、ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区の一部で軍が反体制武装集団の掃討を完了、治安を回復した。

また軍は、ダイル・ザウル市のハウィーカ地区、カマーナート地区で、カーディスィーヤ旅団、アンサール旅団と交戦、外国人戦闘員を殲滅した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タフタナーズ市、サッラ村、ミンタール村、ビンニシュ市、サルミーン市、アルバイーン山が軍の空爆・砲撃を受けた。

またバニー・イッズ部族の民兵が、マアッラト・ヌウマーン市郊外の複数カ所に検問所を設置した。これは族長の補佐役を務めていたアフマド・ムバーラク氏が武装集団に暗殺されたことを受けた動きだという。

一方、SANA(6月9日付)によると、ジャーヌーディーヤ町、バシュラームーン村、ハーッジ・ハンムード農場、ダルクーシュ農場、ジャフタルク農場、サルミーン、シャビーバ航空基地周辺、ビンニシュ市、アルバイーン山、ナイラブ村などで、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ヒムス市各所(ワーディー・スィヤーフ地区など)、ガジャル村で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月9日付)によると、ラスタン市、タッルカラフ市、ハスヤー町東部、ガジャル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム自由人大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アクラブ町、フワイジャ村などが軍の砲撃を受けた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カダム区に迫撃砲弾が着弾、またヤルムーク区で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月9日付)によると、ザブラターニー地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲が複数発着弾し、市民2人が死亡、複数が負傷した。

またジャウバル区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、アマーラ地区で、治安部隊が反体制武装集団のアジトの一つを制圧、複数の戦闘員を逮捕、武器・弾薬を押収した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市、ザマルカー町、マルジュ・スルターン村一帯で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月9日付)によると、アフマディーヤ市入り口、ハーン・シャイフ・キャンプ、フジャイラ村、ハラスター市、アドラー市で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カフルシャムス町のガソリン・スタンド検問所を反体制武装集団が襲撃、占拠し、軍の兵士9人を殺害した。

またキータ市とインヒル市を結ぶ街道で、軍の士官1人を含む2人が反体制武装集団に狙撃、殺害された。

これに先立ち、軍はインヒル市に突入し、これを制圧、またカラク村で反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月9日付)によると、ブスラー・シャーム市、西ムライハ村、マアルバ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ビイル・アジャム市、タルナジャ市、ジュバーター・ハシャブ村を軍が砲撃した。

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ラタキア県では、SANA(6月9日付)によると、トルコ領からナブウ・ムッル村を経由して県内に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

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ハサカ県では、SANA(6月9日付)によると、タッル・タムル町郊外のジスル・ハリータ地方、タッル・リマール地方で、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって衝突し、複数の戦闘員が死傷した。

シリア政府の動き

SANA(6月9日付)によると、ヒムス県クサイル市で、同市および周辺地域の住民、ヒムス市バアス大学学生が、市内中心の広場で集会を開き、軍による武装テロ集団の殲滅を祝った。

SANA, June 9, 2013
SANA, June 9, 2013

集会には、ヒムス県のムハンマド・アフマド・ムニール・ムハンマド県知事、バアス党ヒムス支部のスブヒー・ハルブ書記長、バアス党レバノン地域指導部のファーイズ・シュクル副書記長らも参加した。

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アサド大統領は2013年政令第199号を発し、国民情報評議会(ムハンマド・ルズーク議長)を設置した。

反体制勢力の動き

トルコのガズィアンテップ市で、シリアの反体制弁護士・判事100人強が会合を開き、「解放区」における司法活動の監視のありようなどをめぐって協議した。

会合には、シリア革命反体制勢力国民連立のムスタファー・サッバーグ書記長、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班が出席した。

出席者らによると、アラブ連盟において合意され、シリアが採用を見送っている「アラブ統一法」に関する審議が行われた際、サッバーグ書記長が「正統性を付与するのはシリア革命反体制勢力国民連立だ」と主張すると、参加した弁護士・判事らが一斉に反発し、「シリアに入れなくなるだろう。戦闘大隊が現地を支配しており、土地はそれを守る者のものだ」と反論した、という。

一方、ヒートゥー暫定政府首班は、組閣が連立内外、そして諸外国から反発を受けており、「この政府を承認するなとの命令が外国によってなされた」と暴露した。

また新規メンバー参加問題に関して、「新規参加をめざす活動家のなかに、体制打倒を望んでいない者がいる」と述べ、その排除を正当化した。

クッルナー・シュラカー(6月9日付)が報じた。

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シリア革命調整連合は声明を出し、アサド政権と「傭兵」が「宗派戦争」を行っていると批判、エジプト、サウジアラビア、カタール、トルコに対して、イランと同様にシリアに直接介入するよう呼びかけた。

レバノンの動き

AFP(6月9日付)によると、レバノン赤十字社は、過去48時間で、ヒムス県クサイル市一帯での戦闘で負傷したシリア人87人をレバノン領内(ベカーア県バアルベック郡アルサール市など)に搬送した。

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ベイルート県では、レバノン帰属党がイラン大使館前で反ヒズブッラー・デモを行ったが、主催者が何者かによって撃たれて死亡した。

レバノン帰属党のアフマド・アスアド党首(シーア派)は、同党のハーシム・サルマーン学生委員会委員長が撃たれて死亡したと発表した。

複数の消息筋によると、デモ会場の近くにはアサド政権を支持するレバノン人武装集団がいたという。

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またベイルート中心街の「殉教者広場」には、「シリア国民の自由と尊厳を支持するレバノン人」が、シリアでの戦闘へのヒズブッラーの参加に抗議するデモを行った。

デモには、ムスタクバル潮流のハーリド・ザフラマーン議員、3月14日勢力事務局メンバーらが参加した。

諸外国の動き

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話会談を行い、ゴラン高原の非武装地帯でのシリア軍と反体制武装集団の交戦など、シリア情勢について協議した。

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イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、閣議で「イスラエルは我々に銃弾が向けられていない限りは、シリアの内戦に関与しないだろう」と述べた。

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米中央軍のロバート・カタラノッティ少将は、アブドゥッラー国王特殊部隊訓練センター主催のアンマンでの記者会見で、19カ国8,000人の兵力が参加する軍事演習(Eager Lion)を行うと発表した。

同軍事演習では、化学兵器対策、「テロ集団」の拠点などが行われるという。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、BBC(6月9日付)で、「体制(アサド政権)は現地で前進を遂げた…。現地での進捗は我々が政治的・外交的解決を行うのに資さない」と述べた。

AFP, June 9, 2013、al-Hayat, June 10, 2013、Kull-na Shuraka’, June 9, 2013、Kurdonline, June 9, 2013、Naharnet,
June 9, 2013、Reuters, June 9, 2013、SANA, June 9, 2013、UPI, June 9, 2013、al-Watan, June 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のサブラー暫定議長がジュネーブ2会議への原則参加を決定したと発表する一方、シリア公務員国民自由連合は同会議に「反体制勢力が統一使節団を派遣する」必要性を強調(2013年6月8日)

国内の暴力

ヒムス県では、『ハヤート』(6月9日付)によると、東ブワイダ市で軍が反体制武装集団の掃討を完了、同市の治安を回復した。

またSANA(6月8日付)などによると、ヒムス市アダウィーヤ地区で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、7人が死亡した。

一方、シリア人権監視団によると、東ブワイダ市、ガントゥー市で軍と反体制武装集団が交戦した。

このほか、ヒムス市旧市街などに軍が砲撃を加えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ビッリー村、ウカイリバート町、マスウード村、アブー・ハナーヤー村、クライブ村、スーハー村などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月9日付)によると、サルバ市、マスウード市、アブー・ハナーヤー市、アミーヤ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、フバイト村、ダイル・シャルキー村、ビンニシュ市、イフスィム町などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月9日付)によると、ヒルバト・マールティーン村、ナイラブ村、バシュラームーン村、カニーサ・ナフラ市、シュグル市、イフスィム町、クマイナース村、マアッラトミスリーン市、サルミーン市、タッル・ダイニート市などで、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、カフルハムラ村、ハイヤーン町、マンナグ航空基地入り口付近、クワイリス航空基地周辺、マアーッラト・アルティーク村、サフィーラ市、ラスム・アッブード村などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、ハーリディーヤ地区で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加える一方、シャイフ・マクスード地区に軍が突入を試み、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

一方、SANA(6月9日付)によると、マンナグ航空基地周辺、アレッポ中央刑務所、ズィヤーラ村、マーイル町、アナダーン市、マアーッラト・アルティーク村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市シャイフ・マクスード地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺に対して軍が空爆を行った。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区に軍が砲撃を行った。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ナブク市の軍事情報局本部近くで爆弾が仕掛けられた車が自爆した。

またムウダミーヤト・シャーム市で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月9日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ダーライヤー市、バービッラー市、リーハーン農場で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヤルダー市で、反体制武装集団どうしが略奪品の分配をめぐって衝突し、複数の戦闘員が死傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マッザ区に迫撃砲弾が複数発着弾した。死傷者は出なかった。

またヤルムーク区で軍と反体制武装集団が交戦し、バルザ区、カーブーン区に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月9日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がインヒル市の軍の検問所を制圧する一方、ダルアー市のワーヒディーン避難民キャンプでは、4人が死亡した。うち2人は当局に逮捕・拷問され死亡したと思われる。

一方、SANA(6月9日付)によると、マアルバ町、インヒル市、ブスラー・シャーム市、ダルアー市、シャブラク村、タファス市、ジャースィム市、サフム・ジャウラーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(6月9日付)によると、軍がカフターニーヤ市、ジャバター村で反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハーン・アルナバ市で反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車を爆発させ、複数の市民が負傷した。

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ハサカ県では、SANA(6月9日付)によると、カーミシュリー市で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民5人が負傷した。

シリア政府の動き

アサド政権を支持するレバノンの日刊紙『ディヤール』(6月8日付)は、ラーミー・マフルーフが13億ドル相当の資産を他人名義に変更し、ウクライナ、ベラルーシに移転したと批判的に報じた。

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『ハヤート』(6月8日付)によると、レバノン人、イラク人、イラン人の戦闘員がサイイダ・ザイナブ廟(ダマスカス郊外県)防衛のためズー・ファカール旅団を結成した。

同報道によると、ズー・ファカール旅団は約900人の戦闘員を擁し、「アブー・シャフド」を名のる戦闘員が書記長を、「アブー・ハージル」を名のる戦闘員が副書記長を務めるという。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、アレッポ県郊外、ダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県の戦闘に参加する政権側の戦闘員の「ほとんど」がヒズブッラーの戦闘員で、イラク人戦闘員、イラン人戦闘員も参加している、と主張した。

ただし、この主張の根拠については明言しなかった。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、国連安保理に対して、シリア・レバノン国境に民間人支援のための「人道回廊」を設置するよう求めた。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長はイスタンブールで記者会見を開き、ジュネーブ2会議への原則参加を決定したとしたうえで、正式な招待状を得た時点で最終決定を行うと発表した。

またサブラー暫定議長は、「ヒズブッラーとその同盟者たちがシリアで行っていることは、数千年を経て確立した地域の政治的、社会的、文化的、人道的な構造を破壊するもの」と批判し、ヒズブッラーやイランによる「宗派主義的行為」が「同様の反応」をもたらすと述べ、反体制勢力による宗派主義的行為を正当化した。

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シリア公務員国民自由連合(リヤード・ファリード・ヒジャーブ代表)は声明を出し、ジュネーブ2会議への参加に関して、反体制勢力は統一使節団を派遣せねばならず、「シリア革命反体制勢力国民連立の使節団のみがシリア国民の唯一の正統な代表だ」と主張、そのほかの反体制組織の参加に疑義を呈した。

レバノンの動き

ナハールネット(6月8日付)は、治安当局高官の話として、シリアのクサイル市での戦闘で負傷したシリアの反体制武装集団戦闘員とレバノン人戦闘員数十人がレバノンの病院に搬送された。

Naharnet, June 8, 2013
Naharnet, June 8, 2013

レバノン人戦闘員は北部県トリポリ市出身のサラフィー主義者。

AFP(6月8日付)によると、負傷した戦闘員約30人がベカーア県バアルベック郡の病院に搬送され、アルサール市にはさらに数十人の負傷した戦闘員が搬送を待っているという。

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ナハールネット(6月8日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール市近郊のワーディー・フマイド地域に、シリア軍のヘリコプターがロケット弾を発射した。

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ヒズブッラーは声明を出し、ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市で党の戦闘員が補足されたとの地元調整委員会の声明に関して、事実無根と否定した。

AFP, June 8, 2013、al-Diyar, June 8, 2013、al-Hayat, June 9, 2013、Kull-na Shuraka’, June 8, 2013, June 9, 2013、Kurdonline,
June 8, 2013、Naharnet, June 8, 2013、Reuters, June 8, 2013、SANA, June 8,
2013、UPI, June 8, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クルド最高委員会がジュネーブ2に民主統一党のムスリム共同党首を団長とする使節団を派遣する意向であると報じられるなか、国連平和維持活動局はゴラン高原非武装地帯でのシリア軍と反体制武装集団の戦闘に関する報告書を安保理に提出(2013年6月7日)

国内の暴力

ヒムス県によると、シリア人権監視団によると、マスウーディーヤ村、東ブワイダ市、ガントゥー市などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月7日付)によると、クサイル市郊外のマスウーディーヤ村、サーリヒーヤ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了、両村の治安を回復した。

また軍は、東ブワイダ市、フサイニーヤ町、ダミーヤ市、ラスタン市、タルビーサ市、タドムル市などで反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県によると、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がマンナグ航空基地に突入し、軍と激しく交戦、軍が飛行場に対して空爆、地対地ミサイルによる攻撃を加えた。

また民主統一党人民防衛隊が、反体制武装集団との戦闘の末、アフリーン市郊外のバースィラ村を制圧した。

一方、SANA(6月7日付)によると、マンナグ航空基地周辺、ハーン・アサル村、カフルナーハー村、ダイル・ジャマール村、アルカミーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦、タウヒード旅団メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がタブカ航空基地を攻撃する一方、軍がタブカ市に対して空爆・砲撃を加えた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区に軍が砲撃を加えた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市グワイラーン地区、マクバラ地区に軍が砲撃を加えた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区に軍が砲撃を加えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市、ムウダミーヤト・シャーム市、ザマルカー町などで軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月7日付)によると、ダイル・ハビーヤ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了、両村の治安を回復した。

またハラスター市、ドゥーマー市、バービッラー市、ダーライヤー市、スィヤービーヤ市、バハーリーヤ市、マンスール市、ザマルカー町などで反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらに、SANA(6月7日付)によると、反体制武装集団がカーブーン第2ガソリン・スタンドを迫撃砲で攻撃、破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、カフルシャムス町などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月7日付)によると、ダルアー市、シャブラク村、タファス市、タスィール町、サフム・ジャウラーン村で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月7日付)によると、ビンニシュ市、ファウア市、マアッラトミスリーン市、タフタナーズ市、タッラ・ビンニシュ市、アイン・マラティーン市、サラーキブ市、アルバイーン山、カフルルーマー村、ハーッス村、マアッラト・ヌウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月7日付)によると、カサブ村、ファルナルク村、カウズ村、マハッバ村、カビール村、バイト・アブラク村、カンダースィーヤ村、サウダー村、ハドラ村で、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月7日付)によると、ダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団と交戦、アリーの鷹大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア政府の動き

ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官はマヤーディーン(6月7日付)に対して、ジュネーブ2会議が、国連、ロシア、米国の主催となり、アラブ連盟は主催者として参加しないだろうと述べた。

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クッルナー・シュラカー(6月7日付)などに、財務省は野党国民成長党のザーヒル・サアドゥッディーン党首をテロ法廷に起訴するとともに、テロ撲滅法に基づき同党首の資産を凍結した、と報じた。

国民成長党は、5月下旬、スペインのマドリードで、スペイン外務省主催のもと、「シリア国民協議会合」を開催していた。

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SANA(6月7日付)は、シリア外務在外居住者省の高官筋の話として、UNDOF主力部隊のオーストリア部隊の撤退発表をシリアは遺憾に感じる一方、プーチン大統領によるロシア部隊の派遣提案に歓迎の意を表したと報じた。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(6月8日付)は、複数の反体制消息筋の話として、5月18日にダルアー県ガサム村近くで反体制武装集団(自由シリア軍のハウラーン殉教者旅団)に誘拐されたファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣(84歳)が釈放されたと報じた。

副大臣の父親の釈放に先だって、女性16人、子供6人を含む45人が釈放されたという。

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シリア民主フォーラムは声明を出し、メンバーのサミール・イータとムハンマド・マフルーフがジュネーブで6月5日、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣、ゲンナージー・ガティロフ外務次官と会談したと発表した。

会談は、米露高官およびアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表との会談後に行われ、ジュネーブ2会議の開催に関して協議した、という。

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『ハヤート』(6月8日付)は、複数の消息筋の話として、クルド最高委員会は、民主統一党サーリフ・ムスリム共同党首を団長とする使節団をジュネーブ2会議に派遣するだろうと報じた。

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自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐は声明を出し、サリーム・イドリース参謀長を除く参謀委員会の幹部が会合を開き、自由シリア軍の組織を改編したと発表した。

組織改編は、ヒズブッラーとアサド政権による「虐殺」、国際社会(EU)による武器禁輸措置解除を受けたものだという。

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地元調整委員会は声明を出し、ダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市西部の検問所複数カ所を自由シリア軍が制圧し、アブー・ファドル・アッバース大隊(イラク人民兵)とヒズブッラーの戦闘員多数を拘束したと発表した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のヤースィル・サリームはフェイスブックを通じて声明を出し、連立からの脱会を発表した。

「連立が革命から乖離している」のが理由。

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シリア革命反体制勢力国民連立への新規参加を認められたシリア民主主義者連合のジャマール・スライマーン(俳優)は、『アフバール』(6月7日付)に対して、新規メンバーの参加は期待されているような変化ももたらさなかったと批判した。

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『ハヤート』(6月8日付)によると、イドリブ県カフルナブル市、ダルアー県ラターミナ町、ダマスカス郊外県ドゥーマー市などで、軍によるクサイル市制圧、ヒズブッラーによる軍の支援に抗議する反体制デモが実施された。

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『ハヤート』(6月8日付)によると、アレッポ県のシャリーア委員会(サラフィー主義戦闘員が設置した自治・司法組織)は、ビデオ声明を出し、市民に対して、アサド政権から離反するよう呼びかけるとともに、1ヶ月以内に離反を実行しない者は「処罰されるだろう」と脅迫した。

またシャリーア委員会は、ムハンマド軍旅団のムハンマド・フサイン・アブド(マフムード・マジュダミー)とザカリヤー・ワッザーン(アブー・ターリブ)を、治安機関と協力し、強盗殺人を犯した罪で処刑した。

レバノンの動き

北部県トリポリ市のナッハースィーン地区、リファーイーヤ地区、バーブ・ハディード地区でサラフィー主義者とヒズブッラー・アサド政権を支持する武装集団が衝突し、AFP(6月7日付)によると、1人が死亡、5人が負傷した。

諸外国の動き

フランスのエマニュエル・ヴァルス内務大臣はルクセンブルグで開かれたEUの対テロ会合で、「EUは、シリアで戦闘を行うジハード主義集団に参加するヨーロッパ人イスラーム教徒青年の脅威に対抗する準備をしなければならない」と述べた。

ヴァルス内務大臣によると、EU国籍を持つ約600人(うちフランス人は約120人)がシリアの反体制武装集団に参加し、破壊活動を行っている。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ゴラン高原非武装地帯での軍と反体制武装集団の交戦激化に伴うUNDOFオーストリア部隊(訳380人)の撤退を受けるかたちで、ロシアがオーストリアの代わりに主力部隊を派遣する用意があるとの提案を行った。

『ハヤート』(6月8日付)などによると、プーチン大統領は、この提案を実現するため、地域各国および国連事務総長の合意が必要だと付言した。

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イスラエルの複数のメディアによると、6日のゴラン高原非武装地帯でのシリア軍と反体制武装集団の戦闘を受け、数十人の市民がシリア領からイスラエル領内に入ろうとしたが、イスラエル軍が阻止した。

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国連平和維持活動局(DPKO)のエルベ・ラドゥス局長は、ゴラン高原非武装地帯での6日のシリア軍と反体制武装集団の戦闘に関する報告書を安保理に提出、そのなかでシリア軍の攻撃に関して、UNDOFを仲介してイスラエル軍との間に調整がなされていたことを明らかにした。

報告書のなかでラドゥス局長は「シリア軍の連絡将校が、シリア側の兵力引き離し地域に展開するUNDOF司令官に対して木曜日(6日)、シリア軍戦車の展開は反体制武装集団との戦闘目的に限定されると通達、イスラエル軍に反撃しないよう要請」していたことを明らかにした。

またラドゥス局長は「シリア軍が戦車4輌と兵員輸送用装甲車3輌を、兵力引き離し協定に違反するかたちで兵力引き離し地域に現在も駐留させている」と付言した。

さらにラドゥス局長によると、イスラエル軍はこの戦闘で負傷した反体制武装集団の戦闘員17人を治療したが、全員をシリア領側に戻した、という。

『ハヤート』(6月9日付)が報じた。

AFP, June 7, 2013、al-Akhbar, June 7, 2013、Champress, June 7, 2013、al-Hayat, June 8, 2013, June 9, 2013、Kull-na Shuraka’, June 7, 2013、Kurdonline,
June 7, 2013、al-Mayadeen, June 7, 2013、Reuters, June 7, 2013、SANA, June
7, 2013、UPI, June 7, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヒムス県ではシリア軍が東ブワイダ市、ダール・カビーラ村、ラスタン市に対して空爆・砲撃を加える、米国は同軍による軍によるクサイル市制圧を非難(2013年6月6日)

国内の暴力

クナイトラ県では、『ハヤート』(6月7日付)によると、反体制武装集団がゴラン高原の対イスラエル非武装地帯との境界にある国境通行所(クナイトラ検問所)を一時占拠したが、軍が戦車を用いて奪取した。

この戦闘にUNDOFフィリピン隊隊員のインド隊隊員の2人が巻き込まれて負傷した。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団はクナイトラ検問所以外にも、クナイトラ市内およびバイト・ジン市の軍検問所を襲撃、カフターニーヤ市でも軍と交戦し、複数の兵士を殺害した。

これに対して、軍はジュバーター・ハシャブ村、タルナジャ市、クナイトラ市旧市街に対して砲撃を加えたという。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市を完全制圧した軍が、東ブワイダ市、ダール・カビーラ村、ラスタン市に対して空爆・砲撃を加えた。

同監視団によると、軍は空爆に先だって、東ブワイダ市の住民に対して攻撃を行うとの警告を行ったという。

東ブワイダ市には、約15,000人が暮らしているほか、クサイル市からの負傷者数百人も避難生活を送っているという。

また反体制武装集団は、軍とヒズブッラーの戦闘員が結集する対レバノン国境の陣地を襲撃し、「多数の人的被害を与えた」ほか、ダブア市で軍と交戦した。

さらにヒムス市旧市街の複数の地区で4件の爆発が発生、またタドムル・ダイル・ザウル街道では、反体制武装集団が軍を要撃、複数の兵士を殺害した。

一方、SANA(6月6日付)によると、軍がクサイル市郊外のダブア市とハーリディーヤ村で反体制武装集団の掃討を完了、同村の治安を回復した。

また東ブワイダ市、西ダミーナ市、シャンダーヒーヤ村、スーハ・シャマール・タイフール村、ハムラー村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルラーター市、ビンニシュ市などが軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月6日付)によると、サルキーン市で、軍がシャームの民のウスラ戦線の戦闘員と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またシュグル市、カスティン・ファウカーニー市、ビンニシュ市、サラーキブ市、タフタナーズ市、アルバイーン山、アブー・ズフール軍事基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、タッル・リフアト市、マンビジュ市が軍の空爆を受けたほか、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、ハーリディーヤ地区周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月6日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、マンナグ航空基地周辺、ダイル・ハーフィル市、ダイル・ジャマール村、ダフラ・シャルファ市、ドゥワイリーナ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、シャイフ・マクスード地区、バニー・ザイド地区、アーミリーヤ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区に対して軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月6日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マルジュ・スルターン村で軍と反体制武装集団が交戦したほか、マンスーラ村、ナブク市に対して軍が砲撃を行った。

一方、SANA(6月6日付)によると、アルバイン市、ムライハ市、バハーリーヤ市、ザマーニーヤ市、アーリヤ農場、アドラー市、ナブク市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市マディーナ・リヤーディーヤ地区、アルマー町、ハーッラ市、インヒル市に対して、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月6日付)によると、フラーク市、西ムライハ村、シャブラク村、ナーフィア村、ジャムラ村、ダイル・アダス村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヨルダン人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(6月6日付)によると、反体制武装集団がザーラ市の発電所を迫撃砲で攻撃した。

レバノンの動き

レバノン軍は声明を出し、ベカーア県バアルベック郡バアルベック市にシリア領から発射されたロケット弾・迫撃砲約10発が着弾した、と発表した。

AFP(6月6日付)によると、この攻撃により、2人が負傷した。

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ナハールネット(6月6日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール市郊外のワーディー・フマイド検問所で、軍が武装集団と交戦、レバノン人1人とシリア人1人を殺害した。

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AFP(6月6日付)によると、北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で「サラフィー主義者とヒズブッラーを支持する戦闘員」(治安消息筋)が交戦し、1人が死亡、7人が負傷した。

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クウェート日刊紙『スィヤーサ』(6月6日付)は、ヒムス県クサイル市での戦闘に参加していたヒズブッラーのムハンマド・ラアド議員(抵抗への忠誠ブロック代表)、ムハンマド・フナイシュ行政改革担当国務大臣の息子が負傷したと報じた(未確認情報)。

フナイシュ大臣の息子は重傷を負い、ベイルートの病院に搬送されたという。

諸外国の動き

オーストリアの首相と外相は共同声明を出し、ゴラン高原でのシリア軍と反体制武装集団の戦闘激化を受けて、UNDOFオーストリア隊をゴラン高原から撤収すると発表した。

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アル=カーイダの指導者アイマン・ザワーヒリーはインターネットを通じて音声声明を出し、シリアのサラフィー主義者たちに、親米体制樹立を阻止するために統合するよう呼びかけた。

ザワーヒリーは「統合し…、カリフ制復興をめざすイスラーム国家が…シャームに建設されるまで…武器を放棄せず、陣地を去らないと誓え」と述べ、「サファヴィー朝的なイランの拡張主義と同盟する世俗的バアス」と戦うよう呼びかけた。

また「アメリカとその手先、さらにはその同盟者は、あなたたち(サラフィー主義者)が血を流し…罪深いアラウィー体制を打倒したのち、彼らに忠実な政府が樹立され、イスラエルの安全保障が維持される…ことを望んでいる」と主張した。

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米ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官は、シリア軍によるクサイル市制圧に関して「多数の市民を殺害し、甚大な人的被害をもたらした」と非難した。

また「(シリアの)体制は自力ではクサイルに対する反体制勢力の支配に対抗できず、ヒズブッラーとイランに依存している」と主張、ヒズブッラーとイランにシリアからの戦闘員の撤退を要求した。

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サウジアラビアの大ムフティー、アブドゥルアズィーズ・シャイフ師は、「我々はすべての政治家と聖職者に、この憎い宗派主義集団とその支援者に対抗するための実質的措置を講じるよう求める」と述べ、シリア軍を支援するヒズブッラーとイランを非難した。

SPA(6月6日付)が報じた。

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『ハヤート』(6月7日付)はロンドンでのシリアの友連絡グループ各国代表会合に出席した米高官の話として、ジュネーブ2会議で審議予定の「全権を有する移行期政府」に関して、ロシアが軍、治安部隊の指揮・統括権を同政府に付与することに同意したと報じた。

AFP, June 6, 2013、al-Hayat, June 7, 2013、Kull-na Shuraka’, June 6, 2013、Kurdonline, June 6, 2013、Reuters,
June 6, 2013、SANA, June 6, 2013、al-Siyasa, June 6, 2013、SPA, June 6, 2013、UPI, June 6, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がヒムス県クサイル市を制圧し同氏の治安と安定を回復したと発表、カイロで開催されたアラブ連盟緊急会議ではシリア情勢に加えヒズブッラーのシリアでの戦闘への参加・支援などについて審議される(2013年6月5日)

国内の暴力

シリア軍武装部隊総司令部は、ヒムス県クサイル市および周辺の村々に対する一連の作戦の末、5日早朝に市の治安と安定を回復し、テロリストの浄化を完了したと発表した。

SANA, June 5, 2013
SANA, June 5, 2013

また、戦闘により、多数のテロリストを殺害、またその一部を投降させ、逃亡した残党の追撃を続けていると付言した。

シャーム・プレス(6月5日付)によると、5日の戦闘は、午前5時に開始され、3時間続いた。戦闘により、ヒズブッラーの戦闘員3人が死亡、7人が負傷したという。

『ハヤート』(6月6日付)は、ある軍司令官の話として、12発の地対地ミサイルをクサイル市内に打ち込み、1,250人の負傷者を出した、と報じた。

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同じくヒムス県では、『ハヤート』(6月6日付)などによると、東ブワイダ市、ダール・カビーラ村などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンスーラ村、マンナグ航空基地周辺、ジャニーン村などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月5日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、ハンダラート・キャンプ郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市バニー・ザイド地区、シャイフ・マクスード地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カスタン村やザーウィヤ山の村々が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月5日付)によると、ハーッジ・ハンムード農場、ダイル・シャルキー村、マアッラト・シューリーン村、タッフ村、アブー・フッバ村、ナイラブ村、マアッラト・イフワーン市、サルミーン市、カスティン・タフターウィー市、フサイニーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ハジャル・アスワド市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月5日付)によると、ドゥーマー市郊外のワーフィディーン避難民キャンプに反体制武装集団が撃った迫撃砲が着弾し、市民15人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区、ジャウバル区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アブー・ハナーヤー村、カルアト・マディーク町に対して軍が空爆を行った。

また市民が避難生活を送るサルバ石油貯蔵施設周辺で軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発した。

一方、SANA(6月5日付)によると、サラミーヤ市区外のサルバ石油貯蔵施設を反体制武装集団が爆破した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、タブカ市が軍の砲撃を受けた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・ブラーク町が軍の砲撃を受けた。

一方、クッルナー・シュラカー(6月5日付)が、カーミシュリー市の飛行場を離陸した軍のMiG22戦闘機2機が、ラアス・アイン市上空を旋回後、消息を絶ったと報じた。

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イスラエルのサファド市の病院で、ゴラン高原を経由して搬送されたシリア人負傷者2人のうち、1人が搬送中に死亡した。

同病院のスポークスマンが発表した。

もう一人のシリア人負傷者の容態は安定している、という。

モシェ・ヤアロン国防大臣が3日、シリア領内からの負傷者2人を受け入れたと発表していた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会は、アレッポ県を離れヒムス県クサイル市での戦闘に赴いたアレッポ軍事評議会議長のアブドゥルジャッバール・アカイディー大佐を解任すると発表した。

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しかし、タウヒード旅団はフェイスブック(6月5日付)で声明を出し、アブドゥルジャッバール・アカイディー大佐の代わりにアレッポ軍事評議会議長を務められる人物はいないと発表、自由シリア軍参謀委員会の決定を拒否する意思を示した。

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タウヒード旅団の声明の約7時間後、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、アカイディー大佐解任の決定を下していないと発表した。

イドリース参謀長は、クサイル市での戦闘に参加していたアカイディー大佐と電話会談し、同大佐およびタウヒード旅団のアブドゥルカーディル・サーリフ司令官ら戦闘員の無事を確認した、という。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長は、イスタンブールで、軍によるクサイル市の完全制圧に関して「外国の侵略に曝された」結果だと述べ、「アサド政権は外国の支援なしには存続できない」と批判、「全土解放まで」反体制運動を継続するとの決意を表明した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「48日間に及ぶ激しい戦いの末、民間人を護ろうとする自由シリア軍の英雄的な戦いの末…、アサド体制とそれを支援するイラン人民兵が(クサイル)市に侵入し、市内の新市街を制圧した」と発表した。

そのうえで、国際社会に対して「民間人保護とアサド体制の復讐阻止のための早急な介入」を求めるとともに、「革命は続き、不正と専制に立ち向かう者とともにある」と強調した。

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シリア革命反体制勢力国民連立は、英仏がアサド政権による化学兵器使用を断定したのを受けて、声明を出し「民間人に対して化学兵器の使用を停止する兆候はなく、使用を段階的に増やそうとする兆候しかない」と警鐘をならし、国際社会に対応を求めた。

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自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、BBC(6月5日付)のインタビューで、自由シリア軍は敗北していないと強調、レバノン国内でヒズブッラーの戦闘員と戦うと誓約した。

イドリース参謀長は「クサイル市近郊にいる者など、自由シリア軍司令官に対して、ヒズブッラー戦闘員とシリア国内だけで戦うよう要請した。しかし彼らは、クサイルだけでなく、アレッポ、ダマスカス、シリア国内のあらゆる場所に多数いる…。彼らはシリア領を蹂躙している。彼らが、こうしたことを続け、彼らがシリアに来ることを阻止するための措置をレバノン当局が講じなければ、我々はレバノン領内で戦うことになるだろう」と述べた。

そのうえで「体制との戦いに勝利を収めるだろう…。しかし、西側諸国や米国における我々の友人が支援しなえれば、戦いは今後も数年にわたり続き、さらなる死者と流血がもたらされるだろう」と付言した。

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シリア革命総合委員会はフェイスブック(6月5日付)に声明を出し、「我らが同胞たちよ、今回は敗北した…。しかしレバノン人傭兵数千人との戦いを続ける」と発表した。

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クッルナー・シュラカー(6月5日付)によると、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は、シリア革命反体制勢力国民連立に関して、「悲しむべき勢力拡大の戦いを終え、存続および活動し得るだろうという幻想は潰えた」と述べた。

連立の今後に関する問いに対してインターネット上で答えた。

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クッルナー・シュラカー(6月5日付)によると、シリア人権連盟は、シリア国内での化学兵器使用疑惑に関する報告書を作成、そのなかで過去7ヶ月間で軍が34回にわたって化学兵器を使用し、多くの民間人が犠牲となった主張した。

同報告書によると、化学兵器使用の主な事例は以下の通り:

2012年6月9日、ダルアー県ラジャート高原で、サリン・ガスを充填した迫撃砲による攻撃。市民10人が中毒症状に。
2012年7月20日、ダイル・ザウル県ブーライル地方で、サリン・ガスを充填した地対地ミサイルによる攻撃で、市民10人が中毒症状に。
2012年12月23日、ヒムス県ダイル・バアルバ地区、バイヤーダ地区、ハーリディーヤ地区、ザアフラーナ村で、サリン・ガスを充填した地対空ミサイルによる攻撃。
2013年3月19日、ダマスカス郊外県ウタイバ村で、サリン・ガスを充填した地対空ミサイルによる空爆。
2013年3月19日、アレッポ県ハーン・アサル村で、サリン・ガスを充填した地対地ミサイルによる攻撃。

レバノンの動き

ヒズブッラーのナーイム・カースィム副書記長はシリア民族社会党のタウフィーク・ムハンナー副党首と会談し、「クサイルからの反体制武装集団の撤退で、米国、イスラエル、そしてタクフィール主義者の計画は頓挫した」と述べた。

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レバノンの声ラジオ(6月5日付)などによると、シリア軍がベカーア県バアルベック郡アルサール市を空爆した。

これに関して、ミシェル・スライマーン大統領はレバノン領内への越境攻撃を厳しく非難した。

諸外国の動き

米露代表、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がジュネーブで会談し、ジュネーブ2会議開催に向けた協議を行った。

しかし、『ハヤート』(6月6日付)は、協議が6月中の開催に合意できずに閉会となったと報じた。

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カイロでアラブ連盟緊急会議が開かれ、シリア情勢、ヒズブッラーのシリアでの戦闘への参加・支援などについて審議された。

ナビール・アラビー事務総長は会議の開会に際して、ジュネーブ2会議を「拒否することが許されない機会」と評し、協力の必要を強調した。

会議は、「シリア領内を暴力の場とするような外国のあらゆる干渉」、「軍事行動激化、住民に対する重火器・航空機の使用…を通じた戦闘」を非難・拒否する声明を発表して、閉幕した。

声明の文言をめぐっては、カタールなど湾岸諸国はヒズブッラーを名指しで非難することをめざしたが、アルジェリアがこれに強く反発、またレバノンが不関与政策を強調し、最終的にはカタールとアルジェリア両国の案を折衷するかたちで、ヒズブッラーに対する非難が削除された。

なお、レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は会議で、「もし我々アラブ人がシリアを危機から救い出したいのなら、復讐…でななく、シリアの同胞どうしの政治的対話を通じて行わねばならない」と述べ、ジュネーブ2会議開催に向けて努力するべきだと主張した。

またクサイル市での戦闘へのヒズブッラーの支援に関して「シリアでの衝突が発生して数週間も経ずして、破壊的で過激なタクフィール主義の集団が国境を越え、レバノンを脅かし始めた…。シリア国内の村々で暮らすレバノン人は、クサイル市およびその郊外での武装集団の活動で甚大な被害を受けた…。村人たちは武装人民諸委員会を結成し、レバノンの親族に護って欲しいと訴えた」と述べた。

さらに「ヒズブッラーはアレッポ、ダルアー、ダイル・ザウル、イドリブ、カーミシュリーでは戦っていない…。先行的・予防的措置としてクサイル市郊外に戦闘員を派遣すると宣言しただけだ」と強調した。

一方、シリアの外務在外居住者省は声明を出し、カイロでのアラブ連盟緊急外相会議に関して、「アラブ連盟はシリアに対する戦争の主要な当時者」、「危機解決の当時者となることはない」としたうえで、アラブ世界の世論を反映していないそこでの決定に正統性はないと非難した。

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フランス政府報道官は、アサド政権による化学兵器使用に対する制裁としてのシリアへの軍事介入の有無に関して「一方的に決定することはない…。事態は国際社会の手のなかにある」と慎重な姿勢を示した。

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イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣は声明を出し、シリア軍およびシリア国民に対し「クサイル市でのタクフィール主義テロリストへの勝利」への祝辞を送った。

また「一部の当時者が依然としてテロ集団に武器と資金を供与しており、シリア国民の殺戮の責任を負っている」と西側諸国を暗に非難した。

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イタルタス通信(6月5日付)は、ロシア軍消息筋の話として、S-300ミサイル・システム供与に関連して、ロシアがシリア軍士官を教練することになると報じた。

同消息筋によると、教練はまだ開始されていないという。

AFP, June 5, 2013、BBC, June 5, 2013、Champress, June 5, 2013、al-Hayat, June 6, 2013、Kull-na Shuraka’, June 5, 2013、Kurdonline, June 5, 2013、Reuters,
June 5, 2013、Sada, June 5, 2013、SANA, June 5, 2013、UPI, June 5, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会が「シリアで化学兵器が使用された」とする報告書を公開、米仏はすぐさまアサド政権の関与を疑う(2013年6月4日)

国連人権理事会の動き

シリアでの人権侵害を調査するための国際調査委員会(パウロ・セルジオ・ピネイロ委員長)は、シリアでの軍と反体制武装集団の戦闘での化学兵器使用疑惑に関して「信じるに足る根拠がある」とする報告書を公表した。

ただ、軍と反体制武装集団のどちらが化学兵器を使ったかは特定できないと付言、国連調査団による現地調査の必要性を強調した。

報告書は国外の難民や国内からの証言に基づき、2013年3月と4月にアレッポ県やダマスカス郊外県などで起きた戦闘4件で化学兵器が使われた疑いがあると指摘、その種類や使用者については「入手できた証拠では特定できない」とした。

4件の戦闘とは、2013年3月19日のアレッポ県ハーン・アサル村、同日のダマスカス郊外県ウタイバ村、4月13日のアレッポ市シャイフ・マクスード地区、4月29日のイドリブ県サラーキブ市での戦闘。

なお報告書は、アサド政権が保有する化学兵器について「反体制派が入手し使うこともあり得る」との見解を示している。

また報告書は「シリアの紛争の蛮行は新たなレベルに達した」としたうえで、暴力や犯罪行為が激化していると指摘する一方、子供が戦闘への参加を余儀なくされ、死亡し拷問を受けていることに警鐘を鳴らした。

さらに、政府軍がヒズブッラーなど外国人戦闘員の支援を受けていると非難した。

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国連人権理事会のファイサル・ハマウィー・シリア代表大使(在スイス・シリア大使)は報告書に関して、「我々の警告にもかかわらず、シリア社会を構成するすべての階層が拒否する宗派主義的表現を使用し…、一部のアラブ諸国と西側諸国がシリア国民に科した一方的で不正に満ちた制裁による経済的・社会的被害状況を…無視している」と批判した。

また、ゴラン高原での反体制武装集団によるUNIFL要員の誘拐や、カタールやトルコによるこうした集団への支援について言及がないと述べる一方、クサイル市での戦闘に関連して、武装テロ集団がレバノンに対して数百発のロケット弾や迫撃砲を撃ち込んでいることへの指摘がないと非難した。

しかし、報告書が「タクフィール主義集団が犯した違法な処刑、捕虜殺害…について広範に言及している」と述べ、評価する姿勢も示した。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、サフィーラ市の防衛工場機構を反体制武装集団が迫撃砲で攻撃、軍も応戦して同市内各所を砲撃した。

またワーハ市などで軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、クルドオンライン(6月4日付)によると、アフリーン市郊外のバースィラ村で、民主統一党人民防衛隊と反体制武装集団が交戦した。

同村住民によると、村を占拠する反体制武装集団は、住民が村を去ることを禁じ、人間の盾にしている、という。

他方、SANA(6月4日付)によると、マンナグ航空基地周辺、ハーン・アサル村、フライターン市、カフルハムラ村で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ブスターン・カスル地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アダウィー地区のロシア大使館近くに、迫撃砲弾5発が着弾し、兵士1人が死亡、1人が負傷した。

またこれに先立ち、マッザ区(西ヴィーラート地区)にある親アサド政権のパレスチナ人の事務所に向けて迫撃砲が撃ち込まれた。

これに対して、SANA(6月4日付)は、アダウィー地区の住宅街に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民1人が死亡したと報じた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が数日までに制圧したヌアイマ村内の検問所が軍の空爆を受け、戦闘員10人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市が軍の砲撃・空爆に曝される一方、タドムル市、カルアト・ヒスン市などで軍と反体制武装集団と交戦した。

またヒムス市では、ハーリディーヤ地区が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(6月4日付)によると、クサイル市内南西部および南部の地区で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復、また市内中心の広場と市庁舎を制圧した。

またクサイル市郊外のドゥハイリジュ村周辺、フサイニーヤ町南部、タルビーサ市、東ブワイダ市、ラスタン市、アクラブ町、ヒムス市バーブ・フード地区、ハーリディーヤ地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団と交戦、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ウカイリバート町に対して軍が空爆を行う一方、反体制武装集団はハマー航空基地を迫撃砲で攻撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タナーミア市が軍の砲撃を受ける一方、反体制武装集団がハーミディーヤ航空基地に対して攻撃を行った。

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ラッカ市では、シリア人権監視団によると、ラッカ市に軍が空爆を加えた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市、ハラスター市、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外、ムウダミーヤト・シャーム市郊外、ムライハ市郊外、ドゥーマー市、ルハイバ市、ダーヒヤ・アサド市などに、軍が砲撃・空爆を行った。

またサイイダ・ザイナブ町にあるヒズブッラー、人民諸委員会、軍の拠点複数カ所を反体制武装集団が砲撃し、人的被害を与えた、という。

一方、SANA(6月4日付)によると、ハラスター市内ダマスカス・ヒムス街道沿い、ミスラーバー市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ダーライヤー市などで、軍が反体制武装集団と交戦、アンサール・ハック旅団、リジャールッラー大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

反体制勢力の動き

米国のWINEPとフラッシュポイント・グローバル・パートナーズの研究者が「レヴァントへの殉教者護送」(Convoy of Martyrs in the Levant)と題した報告書を発表し、シリア領内で活動する外国人の実態を明らかにした。

同報告書によると、反体制武装集団の活動に参加した外国人戦闘員の2012年7月以降の死者数は280人、うち59人がリビア人、44人がチュニジア人、32人がヨルダン人、27人がエジプト人だという。

http://www.washingtoninstitute.org/uploads/Documents/opeds/Zelin20130601-FlashpointReport-v2.pdf

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RT(6月4日付)、イラクの声(6月4日付)などによると、ロシア外務省は声明を出し、ミハイル・ボグダノフ外務副大臣がクルド最高会議の使節団と会談、シリアのクルド人がジュネーブ2会議に使節団を派遣することを確認したと発表した。

ボグダノフ外務副大臣と会談したのは、アフマド・サルマーン、サウード・ムッラー、サイナム・ムハンマド、イスマーイール・ハミー、サーリフ・ムスリム。

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自由シリア軍参謀委員会政治広報調整官のルワイユ・ミクダードは『シャルク・アウサト』(6月4日付)に対して、ヒズブッラーの戦闘員4,000人以上が軍とともにアレッポ県内に展開していると主張した。

ミクダードによると、ヒズブッラーの戦闘員はアレッポ市西部郊外のハムダーニーヤ地区にある軍事工科大学に集結し、市内への突入の準備を進めているという。

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クッルナー・シュラカー(6月4日付)によると、自由シリア軍を名のる13の武装集団が、1,500人の戦闘員からなる特殊部隊を結成し、ダマスカス郊外県東グータ地方に対する軍の包囲を解除するための大規模軍事作戦の準備を開始したと報じた。

特殊部隊の結成を合意したのはドゥーマー殉教者旅団、イスラーム旅団、アッラーの獅子大隊など。

作戦は「ダマスカスへの道作戦」と名付けられたという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長は、レバノンのナビーフ・ビッリー議長に向けてメッセージを発し、シリア・レバノン国境地帯に「人道回廊」を設置し、クサイル市の被災者を救援するよう呼びかけた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、ジョン・ケリー米国務長官の3日の発言に関して、「低い天井の解決策を提示することを促そうとしている」したうえで、「シリア国内の混乱を認め、それを助長している」と非難した。

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フッラ・チャンネル(6月4日付)は、「ヒズブッラーがシリア領内への侵略を停止しなければ」、シリアからレバノンに入りヒズブッラーと戦う、と自由シリア軍が国連に対して通達したと報じた。

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シリア国民変革潮流(アンマール・カルビー代表)は、ラタキア県カルダーハ市郊外のビスィーン村での軍兵士の葬儀に参列したアサド大統領のおいのバッシャール・タラール・アサドが5月31日、遺体とともに村を訪問し、葬儀に参列していたダマスカス県配備の軍部隊に所属する兵士2人を殺害した、と発表した(未確認情報)。

レバノンの動き

ヒズブッラーが主導する国会会派、抵抗への忠誠ブロック代表のムハンマド・ラアド議員は、ヒムス県クサイル市での戦闘に関して、「レジスタンスの銃は依然としてイスラエルという敵に対して向けられているが、敵は我々の背後に新たな戦線を作り出した」と批判した。

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ベイルートの声ラジオ(6月4日付)によると、ヒズブッラーはシリアでの戦闘での戦死者の遺族に対する弔意金を20,000ドルから50,000ドルに引き上げた。

多くの戦闘員がシリアでの戦闘参加を拒否していることを受けた措置だという。

諸外国の動き

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は声明を出し、シリアで採取したサンプルを検査した結果、サリン・ガスが検出されたとしたうえで、「フランスはシリアでサリン・ガスが複数回にわたって局地的に使用されたことを確認した」と結論づけた。

フランス外交筋によると、サンプルは、ダマスカス県ジャウバル区、イドリブ県サラーキブ市で採取されたものだという。

またファビウス外務大臣は発表に先立ち、シリアの化学兵器使用疑惑について調べている国際調査委員会のパウロ・セルジオ・ピネイロ委員と会談し、この情報を提供したことを明らかにした。

その後、ファビウス外務大臣は地元テレビ局フランス2のインタビューに応じ、少なくとも1回については「政権および政権に加担する者」がサリンを使用したことは間違いないとの見方を示した。

しかしこの確信の根拠については明言せず、またそれ以外のケースについては、アサド政権と反体制体力のいずれが使用したのかは断言しなかった。

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米ホワイトハウスのジェイ・カーニー報道官は、シリアでの化学兵器使用疑惑に関して、ほとんどの化学兵器が依然としてアサド政権によって管理されているとの認識を示したうえで、アサド政権が使用したことに「大いなる疑い」をもっていると非難しつつ、「我々はさらなる情報を必要としている」と慎重な姿勢を示した。

また「我々はクサイルで続く戦闘を深く懸念しており、アサドの軍、そしてヒズブッラーの戦闘員を含むその取り巻きによる市民の無差別殺戮を非難する」と述べた。

さらに「ナスルッラーは、戦闘員を派遣し、シリアのアサドを支援するという危険なゲームを行っている…。アサドの支配を護るため、レバノンの安定とレバン国民の安全を脅かしている」と非難した。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、アルジェリア議会で演説し、「アサド大統領は、その犯罪、虐殺において父を越えた…。遅かれ早かれ、彼はその代価を払わねばならない」と述べた。

またイスタンブールなどでの反政府デモを弾圧し、シリアの反体制武装集団を支援するエルドアン首相は、「我々は民主主義をめざすシリア国民の要求を支援している」と強調した。

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英国政府報道官は「シリアで検査された生理的サンプルを入手した。入手した成分はサリン・ガスの存在を示している」と発表した。

そのうえで「我々の調査によると、シリアでの化学兵器の使用は高確率で政府側によるものだ」と断言する一方、「反体制勢力が化学兵器を使用した証拠を今のところ得ていない」と付言した。

しかし、アサド政権による化学兵器使用を裏付ける証拠は示さなかった。

AFP, June 4, 2013、Alhurra.com, June 4, 2013、al-Hayat, June 5, 2013, June 6, 2013、Kull-na Shuraka’, June 4, 2013、Kurdonline,
June 4, 2013、Reuters, June 4, 2013、SANA, June 4, 2013、al-Sharq al-Awsat, June 4, 2013、UPI, June 4, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍作戦司令官のハドゥール准将がアレッポ市内の治安委員会で「マンナグにフサインの旗を揚げ、フサインの旗のもとに戦う」と宣言しシーア派信徒らを鼓舞、アラブ連盟事務副長がヒズブッラー戦闘員によるシリア国内の戦闘への参加を非難(2013年6月3日)

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、『シャルク・アウサト』(6月3日付)に対して、「北朝鮮の士官がアレッポ(県)で政府軍側について戦闘に参加している」と主張した。

アブドゥッラフマーン代表は、「国防隊(アサド政権を支持する民兵)の多くの戦闘員がこれらの(北朝鮮の)士官がいると話している」と付言した。

また「これらの士官の数は分からないが、アレッポには11人から15人の北朝鮮の士官がいることが確実で、彼らのほとんどがアラビア語を話している…。彼らはアレッポ東南部の防衛工場機構、アレッポ市内の正規軍の拠点などといった多くの前線に展開している…。彼らは戦闘には参加しておらず、兵站支援、さらには軍事作戦の策定を行っている」と述べた。

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イスラーム旅団司令官を名のるザフラーン・アッルーシュは、『バヤーン』(6月3日付)のインタビューに応じ、そのなかで、イスラーム旅団が「1987年」にプロパガンダ活動を開始した、と述べた。

2009年から2011年6月まで投獄されていたというアッルーシュは、出所後ただちに反体制武装集団の結成のための活動を再開したという。

アッルーシュが結成した武装集団は当初イスラーム連隊を名のっていたが、その後、イスラーム旅団へと発展したという。

アッルーシュによると、イスラーム旅団の主要な活動地はダマスカス県、ダマスカス郊外県で、2,000人の戦闘員、23の運営オフィス、64の大隊を擁しているという。

またアッルーシュは、シャームの鷹旅団、ファールーク大隊、タウヒード旅団とともに、イスラーム旅団がシリア・イスラーム解放戦線を構成していることを改めて明らかにした。

アッルーシュによると、イスラーム旅団は支援団体「ヌール・イスラーム機構」を結成するなどして、住民に食糧、衣料品、燃料などの提供に尽力しているという。

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クッルナー・シュラカー(6月3日付)は、イスラーム旅団がロシア製のコンクルス対戦車ミサイルを入手、自由シリア軍の「ファルカーン作戦」と銘打った作戦で、軍のT7戦車に向けて発射し、大破させた、と報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「ロシアはシリア国内の都市や村に対するアサド政権の犯罪支援に荷担している」と非難した。

シリア政府の動き

『ラアユ』(6月3日付)は、フェイスブックの情報として、スライマーン・アッバース石油鉱物資源大臣らアサド政権の複数の高官が、ダイル・ザウル県のジャブサ・ガス工場を維持するためにシャームの民のヌスラ戦線や自由シリア軍と「取引」を行い、1億5,000万ポンドを支払った(未確認情報)、と報じた。

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アレッポ県での反体制武装集団掃討を指揮するシリア軍作戦司令官のムハンマド・ハドゥール准将は、アレッポ市内の治安委員会で、軍・共和国護衛隊士官、ヌッブル市、ザフラー町の若者らの前で演説し、「マンナグにフサインの旗を揚げ、フサインの旗のもとに戦う」と宣言、また両村住民に、マンナグ航空基地包囲解除のための戦闘に参加するよう呼びかけた。

ヌッブル市、ザフラー町はシーア派が多く住む村。

アレッポ県のムハンマド・ワヒード・アッカード県知事、バアス党アレッポ支部のヒラール・ヒラール書記長も出席していた。

ハドゥール准将は、共和国護衛隊に所属、2012年11月にアレッポ県の治安委員会議長に就任、同県の軍事作戦、治安回復を指揮している。

http://www.youtube.com/watch?v=zAt7L9Lzl2c

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、カフルハムラ村に対して、軍が地対地ミサイルを発射し、子供8人、女性6人を含む26人が死亡した。

複数の消息筋によると、軍はアレッポ市北西部に位置する同市の攻撃に約5,000人の兵士を投入しており、作戦にはヒズブッラーの戦闘員も加わっているという。

また、シリア人権監視団によると、マアーッラ・アルティーク村、ハーン・アサル村、アナダーン市、アレッポ市ライラムーン地区などが軍の砲撃を受け、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、ザマーン・ワスル(6月3日付)は、自由シリア軍最高軍事評議会議長のムスタファー・シャイフ准将が民主統一党人民防衛隊と停戦合意を締結したと報じた。

両者は、自由シリア軍がアサド政権を支持するシーア派住民が暮らすヌッブル市、ザフラー村の往来を民主統一党が認めていることを非難したのを受け、戦闘を行っていた。

他方、SANA(6月3日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、マンナグ航空基地周辺、カフルハムラ村、シャイフ・ナッジャール市、アレッポ市ブスターン・カスル地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市内北部などに対して軍が空爆、地対地ミサイルによる攻撃を行う一方、市内北部では、ヒズブッラーに支援された軍と反体制武装集団が交戦した。

またクサイル市北部のダブア市では、反体制武装集団が奪還をめざして軍に応戦した。

さらにヒムス市ハーリディーヤ地区、タルビーサ市に対して軍が砲撃を加え、またラスタン市などで軍と反体制武装集団の戦闘が続いた。

一方、SANA(6月3日付)によると、クサイル市郊外のドゥハイリジュ村および同村周辺で軍が反体制武装集団の掃討を完了、治安を回復した。

またクサイル市内、ダブア村、フサイニーヤ町などでは、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第93師団基地近くのアイン・イーサー市周辺で軍と反体制武装集団が激しく交戦した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市の競技場通りで、軍のパトロール隊を狙い、即席爆弾が爆発した。

またタッル・ハミース市に対して軍が空爆を行った。

一方、SANA(6月3日付)によると、ハサカ県の競技場通りに反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、複数の市民が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で軍が逮捕摘発活動を展開した。

一方、SANA(6月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、バイト・サフム市、ムウダミーヤト・シャーム市、ザマルカー町、ジスリーン町、ザバダーニー市、ドゥーマー市郊外、ダイル・アティーヤ市などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(6月3日付)によると、フジャイラ村、ムライハ市、バハーリーヤ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャバーブ・フダー大隊、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町、ラジャート高原に対して軍が砲撃を加える一方、反体制武装集団はダルアー市内の国立病院の検問所を襲撃した。

一方、SANA(6月3日付)によると、ブスラー・シャーム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月3日付)によると、ファルカラク村、ダッラ村、かビーラ村などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線の拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷した。

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ハマー県では、SANA(6月3日付)によると、ウンム・カルク村、ハフスィーン村、ハビーバート・フダー村、ウンム・ハーラタイン村、キバーリーヤ村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

バリール村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月3日付)によると、カフルヤーヤー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンでの動き

北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で武装した住民どうしの衝突が続き、NNA(6月3日付)などによると、5人が死亡、内務治安軍総局の兵士2人を含む複数が負傷した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官は、ポーランド外相との会談後の記者会見で、シリア情勢解決に向けた動きに関して「非常に困難なプロセスで、我々は遅れている」としたうえで、米国がシリア国内の「宗派対立の阻止」を試みていると述べた。

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ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は「米国はシリアの反体制勢力に対して国際会議(ジュネーブ2)出席の圧力をかけることに関して、十分な努力を行っていない」と批判した。

またリャブコフ次官は、「米国は、反体制勢力が期限を設定したり、シリアのバッシャール・アサド大統領の退任を初めとする条件を科すことを許してはならない」と強調した。

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ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェヴィッチ報道官は、クサイル市包囲を非難する国連決議採択に向けた動きをロシアが先週阻止したとしたうえで、同市での軍の掃討作戦を「住民を脅かす過激派に対抗するためのテロとの戦い」と位置づけた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、ドイツ紙に対して、「(シリアの反体制勢力への)武器供与は、(ジュネーブ2会議)の交渉の行方と他国の動き次第である」と述べた。

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アラブ連盟のアフマド・ベン・フッリー事務副長は、AFP(7月3日付)に対して、「シリア以外の勢力による軍事介入が事態を複雑にしている」と述べ、ヒズブッラー戦闘員の戦闘参加を暗に非難、ジュネーブ2会議が開催できなければ、「シリアは失敗国家になる」と懸念を表明した。

またイランに関しては、シリアにおける関係正常化の実現のための一部分を構成しなければならないと述べた。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は声明を出し、EUの対シリア武器禁輸措置解除に関して「イラクの治安と安定に直接影響を及ぼす」と懸念を表明した。

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イラクのバスラ・イフバーリーヤ・ネットワークによると、シリア国内での戦闘で戦死したアブー・ファドル・アッバース旅団のイラク人戦闘員16人の遺体が空路でナジャフに移送された。

AFP, June 3, 2013、al-Bayan, June 3, 2013、al-Hayat, June 4, 2013、Kull-na Shuraka’, June 3, 2013、Kurdonline, June 3, 2013、NNA,
June 3, 2013、al-Ra’y, June 3, 2013、Reuters, June 3, 2013、SANA, June 3, 2013、al-Sharq al-Awsat, June 3, 2013、UPI, June 3, 2013、Zaman al-Wasl, June 3, 2013などをもとに作成。

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シリア革命総合委員会がシリア革命反体制勢力国民連立からの脱退を発表するなか、レバノンの対シリア国境地帯でヒズブッラーの戦闘員とシリアの反体制武装集団が交戦(2013年6月2日)

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、国連の潘基文事務総長と電話会談し、クサイル市での戦闘に関して「軍事作戦が終わり次第」赤新月社のスタッフの同市訪問を許可するとの姿勢を示した。

ムアッリム外務大臣は「シリア・アラブ軍がクサイル市および同市郊外で行っているのは武装テロ集団からの市民の解放と、治安・安定の回復である…。18ヶ月以上前にテロリストが同市一帯を占拠し、市民に対して卑劣な犯罪を行った時には、こうした懸念を耳にしなかったのに、クサイル情勢をめぐって(非難の)声が上がっているのは奇妙だ」と述べた。

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アサド大統領は2013年政令第186号を発し、ラタキア県のスライマーン・ムハンマド・ナースィル知事を解任し、アフマド・シャイフ・アブドゥルカーディルを新知事に任命した。

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SANA(6月2日付)によると、シリア外務省は声明を出し、「外在外居住者省高官筋は、シリア国民に対して安全確保のため当面トルコへの渡航を行わないよう勧告した。これはここ数日にトルコの一部の都市での治安状況悪化と、(レジェップ・タイイップ)エルドアン内閣がデモに参加している平和的なトルコ国民に対する暴力を受けた措置である」と発表した。

反体制勢力の動き

シリア革命総合委員会は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立からの脱退を発表した。

新規メンバー参加を通じて、「国内の革命家」を連立代表メンバーの3分の1以上とするとの「合意」が履行されず、シリア民主主義者連合や元政権関係者など51人が代表メンバーに選出されたことが理由だという。

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ヨルダンのジハード主義潮流の指導者ムハンマド・シャラビー(アブー・サイヤーフ)は『ハヤート』(6月3日付)に、シャームの民のヌスラ戦線が「ヒズブッラー戦闘員によって制圧されているすべての地点に向かっている…。我々はヌスラ戦線がクサイルに入り、軍事バランスを変化させることを期待している。悪魔の党の支持者たちに重大な敗北を負わせるだろう」と述べた。

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マヤーディーン・チャンネル(6月2日付)は、シャームの民のヌスラ戦線メンバーのムハンマド・イスマーイール・サーリフ・ジャールッラー(アブー・カアカーウ)を名のる戦闘員を独占取材し、その映像を放映した。

アブー・カアカーウは、自身がアブー・ムスアブ・ザルカーウィーの出身地であるヨルダンのザルカーウィー市の出身で、4ヶ月前にジハードを行うために、シリアに潜入し、ダマスカス県マズラア地区での自爆攻撃で生き残ったと証言した。

アブー・カアカーウは、ヨルダンからシリア国内にいるシャームの民のヌスラ戦線のアミールに連絡をとり、トルコ在住のチュニジア人のもと、ヨルダンで教練を受けて、密入国したという。

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シリア民主フォーラム(ミシェル・キールー代表)は声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立に新規参加したメンバーに関して、個人の資格での参加であり、組織として連立には参加していないと発表した。

また、連立が、反体制勢力を糾合することに現在のところ失敗していると批判した。

国内の暴力

ヒムス県では、複数の反体制活動家が、アレッポ県、ダイル・ザウル県からの反体制武装集団の増援を受け、クサイル市内の反体制武装集団戦闘員の数が約1万人に増加したと発表した。

増援部隊は、アレッポ県で活動するアレッポ軍事評議会(アブドゥルジャッバール・アカイディー)、タウヒード旅団(アブドゥルカーディル・サーリフ)、そしてダイル・ザウル県で活動するウスラ軍(アブー・アリー・シュアイティー)などが派遣したという。

クサイル市を視察したアブドゥルジャッバーアル・アカイディー大佐はビデオ声明を出し、「勝利するまで、クサイルの包囲を解除するまで戦う」と述べ、徹底抗戦の姿勢を示した。

また「我々はヒズブッラーに忘れられないような教訓を与えるだろう。彼らを打ち負かすだろう」と強調した。

そのうえで「戦いに撤退という言葉はない。後退はない。勝利するまで戦うだろう」と戦闘員に向けて呼びかけた。

これに対して、軍はクサイル市北部および周辺の村々への空爆を強化した。

またタルビーサ市、ダール・カビーラ村などに対して、軍は砲撃を加えた。

一方、SANA(6月2日付)によると、東ブワイダ市、ラスタン市、タドムル市、アクラブ町、ブルジュ・カーイー村、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、タルビーサ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、アドナーン・ウクラ大隊、死の大隊、アブドゥルハーディー・ミーズナーズィー大隊、アンサール・ワ・シャリーア大隊(シャームの民のヌスラ戦線)、武装大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領内からジュースィーヤ地方に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

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ハマー県では、複数の活動家によると、ズグバ村周辺で、軍と反体制武装集団が衝突した。

また、シリア人権監視団によると、軍はカフルナーン村を制圧しようとした武装集団メンバー28人を要撃、殺害した。

一方、SANA(6月2日付)によると、アルファーン・ウスターニー地方のハムラー村、ラーラー村、ラビーア町、ラヒーヤ村、ティーバ・イスム村、シャアファ村、トゥラスィーヤ村、カーヒラ村、ラアス・アイン市、ズグバ村、カスル・下ムハッラム村、カスル・アブー・サムラ村、ウンム・ハズィーム村で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人旅団、ガーブの狼旅団、使徒末裔旅団、シャームの鷹旅団、ダイル・シャルキー革命家旅団、ファーティヒーン旅団、イドリブ革命家旅団、ファジュル・イスラーム旅団、アンサール旅団、ヒッティーン旅団、ジャバルの騎士旅団、カアカーウ大隊、砂漠の楯大隊、バーブ・ドゥライブ大隊、アムジャード大隊、カマール・イスラーム大隊、アブー・ウバイダ・ハマウィー大隊の戦闘員を殲滅、治安を回復した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町、ムウダミーヤト・シャーム市などに軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月2日付)によると、フジャイラ村、ヤルダー市、ダイル・サルマーン市、ハラスター市、シャイフーニーヤ村、ザマルカー町、バイト・サフム市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、首都の楯旅団のメンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥーマー市では、武装テロ集団の退去を求めるデモが発生し、住民数百人が参加した。

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ダマスカス県では、『ハヤート』(6月3日付)によると、ジャウバル区で自爆テロが発生し、兵士9人が殺害された。

また同地区に対して軍が砲撃を加え、反体制武装集団と交戦した。

これに対して、SANA(6月2日付)は、ジャウバル区で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、市民10人が負傷した、と報じた。

またSANA(6月2日付)によると、バルザ区郊外、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ライラムーン地区で軍と反体制武装集団が交戦し、またマアーッラト・アルティーク市、カフルハムラ村、マアーッラ市、ハナースィル市、ウンム・アームード市などで軍が攻勢をかけた。

一方、SANA(6月2日付)によると、カフルハムラ農場で軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またアレッポ中央刑務所周辺、ズィヤーラ村、マンナグ村、アルカミーヤ村、マンナグ航空基地周辺、アレッポ市カルム・マイサル地区、アーミリーヤ地区、ライラムーン地区、ブスターン・カスル地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、第17師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市各所で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、スィーハ村で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月2日付)によると、タッル・タムル町・ハサカ市間の街道、シャッダーディー市郊外で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、対ヨルダン国境地帯のウンム・マヤーズィン町を空爆、またヌアイマ村、タッル・シハーブ町などに砲撃を加えた。

なお、タッル・シハーブ町に対する軍の砲撃では、迫撃砲弾複数発がヨルダン領内に着弾した。

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ラタキア県では、SANA(6月2日付)によると、シュルーク村、ハドラー村、ジュッブ・アフマル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(6月2日付)によると、タフタナーズ航空基地周辺、ビンニシュ市、クマイナース村、サラーキブ市、マアッラトミスリーン市、ハーッス村、カフルルーマー村、マアッル・シャムシャ市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ベカーア県バアルベック郡の対シリア国境地帯で、ヒズブッラーの戦闘員とシリアの反体制武装集団が交戦した。

レバノン治安当局筋によると、戦闘はアイン・ジャウザ地方を呼ばれる無人地帯で、ヒズブッラーが反体制武装集団を要撃したことをきっかけに発生し、別の反体制武装集団が応援に駆けつけたことで激化した。

この戦闘でヒズブッラーの戦闘員1人が死亡(同日晩に埋葬)、4人が負傷し、反体制武装集団の戦闘員7人以上が死亡した。

しかし、死亡したシリア人の身元は判明しておらず、いわゆる「自由シリア軍」なのか、サラフィー主義者なのかは不明だという。

また戦闘では、シリア領内から複数の迫撃砲がレバノン領内に向けて発射されたが、死傷者は出なかった。

なおバアルベック郡以外でも、ヘルメル郡の対レバノン国境地帯にシリア領内から発射された迫撃砲弾複数発が着弾した。

一方、ヒズブッラーに近い複数の消息筋によると、この戦闘による反体制武装集団側の死者は17人に上り、彼らは「非通常兵器」を保有していたという。この「非通常兵器」が何なのかは明らかにしなかった。

しかし別の消息筋によると、シリア人の遺体は2体しか発見されなかったという。

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北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区では、武装した住民どうしの衝突が再び激化し、NNA(6月2日付)によると、少なくとも14人が負傷した。

諸外国の動き

湾岸協力会議(GCC)は、サウジアラビアのジェッダで定例会合を開き、シリアへのヒズブッラーのあからさまな介入を非難、同党をテロ組織として認定することで合意した。

バーレーンのガーニム・ブーアイナイン外務担当大臣が会合後の記者会見で明らかにした。

またアブドゥッラティーフ・ズィヤーニーGCC事務局長も、「GCC諸国内におけるヒズブッラーのあらゆる権益に対抗するための措置を検討することを決定した」と述べるとともに、「湾岸およびアラブ情勢へのイランの介入が激化している」と批判した。

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フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、ラジオ・ヨーロッパ1(6月2日付)で、ジュネーブ2会議が「7月半ばに開催されると考えている」としたうえで、「時間は限られている…。反体制勢力は代表を選ばねばならない。これは若干の時間を要するだろう。また議事に関して合意に達しなければならない」と述べ、同大会が「政治的解決の最後のチャンス」だと強調した。

AFP, June 2, 2013、al-Hayat, June 3, 2013、Kull-na Shuraka’, June 2, 2013, June 5, 2013、Kurdonline,
June 2, 2013、al-Mayadeen, June 2, 2013、Naharnet, June 2, 2013、NNA, June
2, 2013、Reuters, June 2, 2013、SANA, June 2, 2013、UPI, June 2, 2013などをもとに作成。

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各地で軍と反体制武装勢力間の戦闘が続くなか、ズウビー情報大臣が前日からイスタンブールなどで始まったトルコ警察治安部隊と反政府デモとの衝突を非難(2013年6月1日)

シリア政府の動き

マフムード・ズウビー情報大臣は5月31日に始まったイスタンブールなどでの反政府デモと警察治安部隊の衝突に関して、「トルコ国民はこうした(レジェップ・タイイップ・エルドアン内閣の)蛮行に値せず、エルドアンが国民を攻撃することは正当性がない。我々はトルコ国民が安定と平静を回復することを望んでいる」としたうえで、「我々は、エルドアンがシリアに対して行ったのと同じようにトルコ国民に対処することがないよう呼びかける」と述べた。

またズウビー情報大臣は、「エルドアンはテロ的方法によって国を指導し、トルコ国民の文民性や彼らの実績を破壊しようとしている…。もし非暴力的な手段に訴えられないのであれば、退任すべきだ」と非難した。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市北部で軍と反体制武装集団が交戦、軍が、ダブア航空基地、ジュワーディーヤ市へと増援部隊を進軍させた。

これに対して、反体制武装集団はラスタン市一帯で軍の拠点を攻撃した。

『ハヤート』(6月2日付)によると、攻撃は、リジャールッラー大隊、ファイラク大隊、ハムザ大隊からなるタウヒード戦線が行ったという。

またヒムス市カラービース地区、タルビーサ市、カフルナーン市、タスニーン市などで軍が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月1日付)によると、クサイル市、ア=ラスタン市、および両市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またクサイル市郊外では、反体制武装集団が民家を襲撃し、一家4人を殺害した。

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ハマー県では、『ハヤート』(6月2日付)によると、軍がトゥライスィーヤ市、ジュナイナ村で反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン山地一帯、ザバダーニー市郊外、リーマー農場、ハラスター市、ムライハ市郊外、ラフビーヤ市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆を行った。

またダーヒヤ・アサド市に迫撃砲弾3発が着弾した。

一方、SANA(6月1日付)によると、ハラスター地方内のダマスカス・ヒムス街道沿いの一帯で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

またムライハ市、シャイフーニーヤ村、ザバダーニー市、ワーディー・バラダー地方、ハーン・シャイフ・キャンプで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム自由人旅団、シャームの民のヌスラ戦線メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヌアイマ村、タファス市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ラーシディーン地区、ハムダーニーヤ地区、アナダーン市、マンスーラ村、ハーン・アサル村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月1日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、ハーン・アサル村、アレッポ市ラーシディーン地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアアザーズ市では、反体制武装集団どうしが略奪品の配分をめぐって衝突し、複数の戦闘員が死傷した。

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ダマスカス県では、SANA(6月1日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またドゥワイラア地区の住宅街に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾3発が着弾し、4人の市民が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(6月1日付)によると、ジスル・シュグール市郊外、マアッラト・ヌウマーン市郊外の各所で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月1日付)によると、ダイル・ザウル市ウルフィー地区、ジュバイラ地区、工業地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラッカ県では、SANA(6月1日付)によると、ラッカ市でファールーク大隊とシャームの民のヌスラ戦線が略奪品の分配をめぐって衝突し、双方に複数の死傷者が出た。

反体制勢力の動き

ヨルダンのジハード主義潮流の司令官は匿名を条件にUPI(6月1日付)の取材に応じ、そのなかでシャームの民のヌスラ戦線がヨルダンからの戦闘員派遣を行わない旨、定めたことを明らかにした。

同司令官よると、この決定は、ダルアー県などで活動していたヨルダン人サラフィー主義者多数がヨルダンに帰国したことに合わせて発せられたという。

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『ハヤート』(6月2日付)によると、サラフィー主義者の自治組織シャリーア委員会は、アレッポ市内のマシュハド地区で反体制武装集団の司令官を殺害したとして、アレッポ市で、ムハンマド軍旅団司令官と副官の2人を処刑した。

この司令官らは、シャリーア委員会に自ら投降したのだという。

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シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、マナール・チャンネルでのアサド大統領のインタビューに関して、「ヒズブッラーと(アサド大統領)を結びつけるメンバー、組織面での関係、イランの民族主義的・宗派主義的な計画における役割を暴露した」としたうえで、アサド政権がジュネーブ2会議をさらなる殺戮と組織的テロのための時間稼ぎに利用していると非難、その退陣を改めて求めた。

レバノンの動き

NNA(6月1日付)によると、ベカーア県バアルベック郡のシャアラー地方にシリア領から発射された迫撃砲弾4発が着弾した。

またブリタール村、ナースィリーヤ村、ナビー・シート村郊外にもシリア領から発射された迫撃砲弾12発が着弾した。

同報道によると、この越境砲撃に関連して、レバノン当局はシリア人4人を身柄拘束したという。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、ヒムス県クサイル市での軍と反体制武装集団の戦闘に関して、すべての当時者に対して、「民間人の中立化」を求め、一般市民を市外に退去させるよう求めた。

マーティン・ニスルキー報道官が声明を通じて発表した。

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ロイター通信(6月1日付)によると、キプロス当局は、ラーミー・マフルーフ氏が持っていたキプロス国籍を剥奪した。

マフルーフは2011年1月に、妻および3人の子供とともにキプロス国籍取得を取得していた。

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『オブザーバー』誌(6月1日付)は、対シリア政策に関する英国でのオピニウムの世論調査の結果を報じた。

それによると、シリアの反体制勢力への武器供与を支持した英国人は24%だけだった。

http://www.guardian.co.uk/world/2013/jun/01/syria-hague-arms-intervention-military?guni=Keyword:news-grid main-1 Main trailblock:Editable trailblock – news:Position2

AFP, June 1, 2013、al-Hayat, June 2, 2013、Kull-na Shuraka’, June 1, 2013、Kurdonline, June 1, 2013、Naharnet,
June 1, 2013、NNA, June 1, 2013、The Observer, June 1, 2013、Reuters, June 1, 2013、SANA, June 1, 2013、UPI, June 1, 2013などをもとに作成。

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