シリア石油公社:2011年3月以降の原油約2億5,200万バレル(約520万米ドル)を損失、略奪・破壊による被害額は1億1,000万米ドル)に(2018年9月30日)

シリア石油公社(SPC)は、2011年3月から2018年半ばまでに原油約2億5,200万バレル(26億2,300万シリア・ポンド、約520万米ドル)を損失、また略奪・破壊による物的被害が550億シリア・ポンド(約1億1,000万米ドル)に及んでいるとの試算を発表した。

同公社は現在、ヒムス県、ハサカ県、ラッカ県、ダイル・ザウル県で解放された油田の復旧、生産再開、増産を推し進めており、2018年上半期には914万バレル(5万500バレル/日)の原油を生産したという。

このうち、690万バレルがハサカ県各所で、39万400バレルが中部地方(ヒムス県、ラッカ県)で、170万バレルがハサカ県ジャブサ油田で、14万7,500バレルがダイル・ザウル県のマハーユ油田で生産されたという。

『ハヤート』(10月1日付)が伝えた。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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ヨルダン北東部のラクバーン・キャンプに身を寄せるシリア難民のなかの部族名士が、負傷者の移送・治療、病人の兵役免除などを骨子とする合意をシリア政府と交わす(2018年9月30日)

ドゥラル・シャーミーヤ(9月30日付)は、複数の地元筋の話として、米主導の有志連合が占領するヒムス県のタンフ国境通行所一帯(55キロ地帯)に近いヨルダン北東部に設置されているルクバーン・キャンプに身を寄せるシリア難民のなかの部族名士らが、シリア政府と和解合意を交わしたと伝えた。

同消息筋によると、9月29日(土曜日)にシリア政府の支配下にあるジュライギーム通行所近くでシリア政府の代理人らと名士たちが会合を開き、9項目からなる合意を交わしたという。

バーディヤ24(9月30日付)によると、9項目の中には、キャンプで暮らす負傷者150人を首都ダマスカスなどの病院に搬送して治療すること、病人の兵役免除と兵役忌避の免罪などが盛り込まれている。

 

al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018
al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Badiya 24, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民解放戦線はイドリブ県の非武装地帯からの撤退を否定、また同地へのロシア軍進駐を拒否(2018年9月30日)

国民解放戦線の法務局長を務めるウマル・フザイファ氏(シャーム軍団法務官)はテレグラムのアカウントを通じて、17日にロシア・トルコ首脳が設置合意したイドリブ県の非武装地帯からの撤退を否定した。

フザイファ氏は「(非武装地帯にかかる)合意には、各戦線や敵との前線に設置されている拠点からの放棄や撤退、我々が過去数ヶ月にわたって活用していた人事からの撤退を示す文言はない…。我々側のいかなる戦闘員が退去することも盛り込まれていない。我々は緩衝地帯において、中火器、対装甲兵器による攻撃…に対抗するのに必要なものを保持している」と綴った。

また「トルコ軍兵士は、政権側からの攻撃に対応するための重火器や完全装備を用意することになる」と付言した。

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国民解放戦線報道官のナージー・ムスタファー(アブー・フザイファ)報道官もテレグラムのアカウントを通じて、「同盟国であるトルコと(非武装地帯にかかる)合意の文言、とりわけ非武装地帯におけるロシアの進駐に関して長時間にわたる会合を行い…、国民解放戦線からこれを拒否するとの明確な姿勢が示された。またこうしたことが起こらないようするとの約束を彼ら(トルコ)から得た。トルコ側は今日、このことを確認した」とする声明を出した。

al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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シリア人権監視団は、国民解放戦線に所属する自由イドリブ軍がイドリブ県の非武装地帯からの撤退を開始したと発表(2018年9月30日)

英国で活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団は、「トルコに近いイスラーム主義の軍団」が、17日にロシア・トルコ首脳によって設置合意されたイドリブ県の非武装地帯から撤退を開始した、と発表した。

撤退を開始したのは、国民解放戦線に所属する自由イドリブ軍。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が国連本部でバーレーン外務大臣と偶然鉢合わせとなり、懇談(2018年9月30日)

ハダス・チャンネル(9月29日付)は、第73回国連総会に出席するためにニューヨークを訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相が、国連本部でバーレーンのハーリド・ビン・アフマド・アール・ハリーファ外務大臣と偶然鉢合わせなり、懇談したと伝え、その映像(https://youtu.be/A6KMRLydTa0)を公開した。

シリアの外務大臣がアラブ湾岸諸国の外務大臣と公の場で友好的に言葉を交わすのは2011年以降初めて。

Al-Hadath Channel, September 30, 2018

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、Al-Hadath Channel, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣「シリアには、あらゆる手段を駆使して、イドリブ県を回復する権利がある」(2018年9月30日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、RT(9月30日付)のインタビューに応じ、そのなかで「シリアには、和解であれ、それ以外の方法であれ、あらゆる手段を駆使して、イドリブ県を回復する権利がある」と述べた。

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、「イドリブ県の非武装地帯合意は発効された。我々は今も、平和的解決を望んでいる。イドリブ県における問題解決は可能で、トルコは同地にいる武装勢力がどのような者たちなのかを熟知している」と述べた。

一方、ロシアの役割については、「ロシアの軍事作戦によってシリア情勢は根本的に変化した。軍事面でも政治面でも変化をもたらした」と評価した。

Naharnet, September 30, 2018

 

https://www.youtube.com/watch?v=13ipD8wiuSU

 

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、RT, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県でダーイシュ戦闘員49人を殲滅(2018年9月30日)

ダイル・ザウル県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターによると、「テロ駆逐の戦い」を続行するシリア民主軍が上バーグーズ村一帯、ハジーン市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員49人を殲滅した。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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シリア人権監視団:ロシア軍の爆撃による死者数は18,074人でうち民間人は7,988人(2018年9月30日)

英国で活動する反体制派系NGOのシリア人権監視団は、ロシアがシリア領内で爆撃を開始した2015年9月30日から2018年9月末までの3年間で、同軍の爆撃による死者数が18,074人に達していると発表した。

このうち、民間人は7,988人(子供1,936人、女性1,199人、男性4,853人)、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーは5,233人、それ以外の反体制武装集団(そのほとんどがトルコの支援を受けている)のメンバーは4,853人に達している。

だが、シリア人権監視団がどのようにロシア軍の爆撃とシリア軍の爆撃の被害者を分けているのか、爆撃による犠牲者とそれ以外の攻撃による犠牲者を分けているのかは不明。

またこの間、国土の26%しか掌握していなかったシリア政府は、60%の国土で支配を回復、これに対して反体制派の支配地域は11.7%から8.7%に減少したという。

同監視団によると、ロシア軍はテルミット白リン弾を使用し、爆撃を繰り返してきたという。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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アレッポ県、イドリブ県、ラタキア県でシリア軍と反体制武装集団が交戦(2018年9月30日)

アレッポ県では、SANA(9月30日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾4発がアレッポ市ハーリディーヤ地区とナイル通りに着弾した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタマーニア町一帯を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がクルド山一帯を砲撃した。

AFP, September 30, 2018、ANHA, September 30, 2018、AP, September 30, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 30, 2018、al-Hayat, October 1, 2018、Reuters, September 30, 2018、SANA, September 30, 2018、UPI, September 30, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは24件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年9月30日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月30日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を12件(アレッポ県3件、ラタキア県9件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは1件(イドリブ県)の停戦違反を確認した。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 30, 2018をもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と、トルコの支援を受ける国民解放戦線がイドリブ県の非武装地帯への対応をめぐって会合するも結論を得ず(2018年9月29日)

ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と、トルコの支援を受ける国民解放戦線が29日に幹部会合を開いたと伝えた。

同サイトによると、会合は5時間におよび、シリア北部の反体制派支配地域で活動する反体制武装集団の連携、ロシア・トルコ首脳会談が17日に設置合意したイドリブ県で非武装地帯への対応などについて意見が交わされたが、結論を得ないまま閉会となった。

両者は近日中に再び会合を持つ予定だという。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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トルコ諜報機関は反体制武装集団司令官らと会合、イドリブ県の非武装地帯への同意を求める(2018年9月29日)

ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)は、トルコ諜報機関の士官らが、トルコの支援を受ける反体制武装集団司令官らと会合を重ねている、と伝えた。

会合は、17日にロシア・トルコ首脳が設置合意した非武装地帯への同意を得るためのもので、トルコ諜報機関側の説明によると、トルコとロシアが「穏健な反体制派」とみなした武装集団は、重火器を放棄すれば、非武装地帯への残留を認められるという。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダと共闘する「穏健な反体制派」のイッザ軍がロシア・トルコによるイドリブ県での非武装地帯設置合意を拒否(2018年9月29日)

イッザ軍は声明を出し、17日にロシア・トルコ首脳が設置合意したイドリブ県の非武装地帯を拒否すると表明した。

声明において、イッザ軍は「解放区から重火器を排除し、ロシア・トルコの連携パトロールを許可し、彼ら(ロシア)が好きな場所で検問を行うことができるようになることが明らかなった」と指摘、「これは、ロシアが進駐することでこの地域が政権の支配下に入ることを意味している。こうした状況に対して、我々は非武装地帯を受け入れることはないと宣言したい」と表明した。

イッザ軍はそのうえで、ロシア軍によるパトロールと、アレッポ市、ハマー市、ラタキア市を結ぶ高速道路の再開を拒否、逮捕者の釈放、イランと政権によるイドリブ県への包囲解除を求めた。

イッザ軍は、バラク・オバマ前米政権の支援を受けてきた「穏健な反体制派」で、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構やトルキスタン・イスラーム党と連携している。

al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018
al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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ダルアー県タファス市の名士・部族長がロシアの使節団と会談、シリア政府との和解について意見を交わす(2018年9月29日)

ダルアー県では、イナブ・バラディー(9月30日付)によると、タファス市で地元名士や部族長がロシアの使節団と会談し、シリア政府との和解について意見を交わした。

会談では、シリア政府側が善意を示すための措置として、逮捕者の釈放の是非が議論されたほか、解職された公務員の対応、検問所設置に伴う住民の往来の障害などが議題となったという。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、‘Inab Baladi, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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ハマー県でシリア軍が潜入を試みた反体制武装集団を撃退(2018年9月29日)

ハマー県では、SANA(9月29日付)によると、マサースィナ村に展開するシリア軍部隊が、ラターミナ町東部からアースィー川沿岸方面に潜入を試みた反体制武装集団を撃退した。

またブライディージュ村に展開する部隊がジャイサート村西側からに潜入を試みた反体制武装集団を撃退した。

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ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)によると、イッザ軍広報局のアブドゥッラッザーク・ハサン氏は、ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)に対して、イドリブ県およびハマー県でシリア政府内通者と思われる3人を拘束したことを明らかにした。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県サファー丘の支配地域を拡大する一方、YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県東部でダーイシュの攻撃に苦戦(2018年9月29日)

ダマスカス郊外県では、SANA(9月29日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにスワイダー県東部に隣接するサファー丘の岩石砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦を続け、カブル・シャイフ・フサイン地区一帯の複数カ所を制圧した。

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ダイル・ザウル県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がウマル油田西方に位置するハワーイジュ村でダーイシュ(イスラーム国)の攻撃を受け、20人が死傷した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内のダルイーヤ地区でダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)のアサーイシュが交戦し、ダーイシュのメンバー10人が死亡した。

殺害されたダーイシュのメンバーは、黒旗を掲げようとしていたという。

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣「テロに対する我々の戦いは終わりに近づいている…シリア全土をテロと外国の違法占領から浄化するまで、聖なる戦いを続ける」(2018年9月29日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相は、ニューヨークの国連本部で開催されている第73回国連総会の一般討論で演説を行った。

ムアッリム外務在外居住者大臣は演説のなかで「一部の国々の願望とは裏腹に…、我々は7年の汚れた戦争を経て…世界にこう宣言したい。事態はより安定し、安全になった。テロに対する我々の戦いは終わりに近づいている」としたうえで、「シリア全土をテロ…、そして違法な外国の存在から浄化するまで、この聖なる戦いを続ける決意がある」と表明した。

SANA, Sepbember 29, 2018

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた「すべてのシリア人が帰国することが、シリアにとって最優先課題である…。外国にいるすべてのシリア人が自発的、そして安全に帰国するための門戸は開かれている」と述べ、復興プロセスにおける難民の帰還の重要性を強調した。

そのうえで、「テロとの戦い」と復興プロセスと並行して、「主権、独立、領土の統一性性、国民統合といった…我が国にとっての基本原則を維持するかたちで政治プロセスを前進」させるべきだと主唱した。

一方、化学兵器使用疑惑に関しては、改めて使用・保有を否定、米英仏が4月にシリア軍による化学兵器使用の証拠を欠いたままミサイル攻撃に踏み切ったことを厳しく非難した。

ロシア・トルコ首脳が17日にイドリブ県で非武装地帯設置で合意したことについては、「期間限定」としつつ、シリア人の流血を回避し、治安と安定の回復に貢献しようとするすべてのイニシアチブを歓迎すると表明した。

イスラエルとの関係については、1967年に同国によって占領されたゴラン高原の即時完全返還を改めて求めた。

https://youtu.be/6J7od4av_Hs

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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運輸省はナスィーブ国境通行所を再開したと発表するも、ヨルダン政府が否定したことを受け、10月10日に再開すると訂正(2018年9月29日)

運輸省は、ツイッターのアカウントを通じて「ナスィーブ国境通行所は開通し、貨物車輌の通行が開始された」と発表した。

だが、『ハヤート』(9月30日付)やドゥラル・シャーミーヤ(9月29日付)が伝えたところによると、ヨルダンのジュマーナ・グナイマート内閣報道官は「ナスィーブ国境通行所は閉鎖されたままで、貨物や旅行者に対して開放されていない…。両国は国境開放について検討をtづけている最中だ」と述べ、通行所再開を否定した。

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その後、運輸省は、ヨルダン領に面するナスィーブ国境通行所を10月10日に再開し、車輌の通行を認めると改めて発表した。

同省が発表した声明によると、7月にシリア軍によって解放されたナスィーブ国境通行所であ、貨物車輌の往来を再開するのに必要なすべての復旧作業が完了したという。

SANA(9月29日付)が伝えた。

SANA, Sepbember 29, 2018

AFP, September 29, 2018、ANHA, September 29, 2018、AP, September 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 29, 2018、al-Hayat, September 30, 2018、Reuters, September 29, 2018、SANA, September 29, 2018、UPI, September 29, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万4,343人が帰国、避難民123万7,154人が帰宅(2018年9月29日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月29日付)を公開し、9月28日に難民107人(うち女性31人、子供52人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は15,063人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者14,745人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万4,343人(うち女性7万3,292人、子供12万4,608人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万9,529人(うち女性199万1,892人、子供338万6,150人)。

一方、国内避難民739人が9月28日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万4,781人(うち女性4万6,625人、子供7万8,703人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万7,154人(うち女性37万1,334人、子供63万708人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月29日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(アレッポ県7件、ハマー県2件、ラタキア県15件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 29, 2018をもとに作成。

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反体制派の支配下にあるイドリブ県、ハマー県、アレッポ県各所で逮捕者釈放と体制打倒を求めるデモ(2018年9月28日)

ドゥラル・シャーミーヤ(9月28日付)などは、反体制派の支配下にあるイドリブ県、ハマー県、アレッポ県各所で金曜日の集団礼拝後に「逮捕者に自由を」と銘打たれたデモが組織され、数万人が参加し、シリア革命旗(フランス委任統治領シリアの国旗)、トルコ国旗、プラカードなどを掲げ、シリア政府当局が拘置している逮捕者の釈放、体制打倒などを訴えたと伝えた。

デモが行われたのは、イドリブ県のサラーキブ市、アリーハー市、マアッラト・ヌウマーン市、ジスル・シュグール市、アレッポ県アアザーズ市、バーブ市、アターリブ市、ジャラーブルス市、ハマー県のムーリク市、カフルズィーター市、ラターミナ町など。

al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018
al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018
al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018
al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018
al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018

AFP, September 28, 2018、ANHA, September 28, 2018、AP, September 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 28, 2018、SANA, September 28, 2018、UPI, September 28, 2018などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「米国はマンビジュ市一帯の処遇にかかる行程表、そしてその日程をまったく守っていない」(2018年9月28日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、ドイツに向かう機内で記者団に対して、「米国は(マンビジュ市一帯の処遇にかかる)行程表、そしてその日程をまったく守っていない。PYD(民主統一党)/YPG(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊))はこの地域に留まっている。本来の住民はいまだに戻ることができていない」と批判した。
アナトリア通信(9月28日付)が伝えた。

AFP, September 28, 2018、Anadolu Ajansı, September 28, 2018、ANHA, September 28, 2018、AP, September 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 28, 2018、SANA, September 28, 2018、UPI, September 28, 2018などをもとに作成。

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ジェフリー米国務省シリア問題担当特使「米国はシリアから武力でイランを排除する決意はない」(2018年9月28日)

ジェームズ・ジェフリー米国務省シリア問題担当特使は第73回国連総会開催中のニューヨークで記者団に対して「米国はシリアから武力でイランを排除する決意はない」と述べた。

RT(9月27日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018

AFP, September 28, 2018、ANHA, September 28, 2018、AP, September 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 28, 2018、RT, September 28, 2018、SANA, September 28, 2018、UPI, September 28, 2018などをもとに作成。

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ダルアー県ハーッラ市で空軍情報部と住民1人が撃ち合いに(2018年9月28日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(9月28日付)によると、空軍情報部隊員と住民1人がハーッラ市で撃ち合いとなった。

また、諜報機関が同市で強制捜査を行い、住民5人を連行したほか、和解に応じた元武装集団戦闘員1人を拘束した。

AFP, September 28, 2018、ANHA, September 28, 2018、AP, September 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 28, 2018、SANA, September 28, 2018、UPI, September 28, 2018などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダーイシュ支配下のダイル・ザウル県サファーキナ村に突入(2018年9月28日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(9月28日付)によると、「テロ駆逐の戦い」を続けている西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)の支配下にある県南東部のサファーキナ村に突入した。

AFP, September 28, 2018、ANHA, September 28, 2018、AP, September 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 28, 2018、SANA, September 28, 2018、UPI, September 28, 2018などをもとに作成。

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YPGがトルコの実質占領下のアフリーン郡(アレッポ県)でシャーム戦線とシャーム自由人イスラーム運動を攻撃(2018年9月28日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)の広報センターが声明を出し、トルコの実質占領下にあるアフリーン郡シャッラー村近郊のマリーミーン村・カフルジャンナ村間の街道とジンディールス町近郊のディーヤー村、で26日にシャーム戦線とシャーム自由人イスラーム運動を攻撃したと発表した。

AFP, September 28, 2018、ANHA, September 28, 2018、AP, September 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 28, 2018、SANA, September 28, 2018、UPI, September 28, 2018などをもとに作成。

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米国、英国、フランス、ドイツ、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン(シリア問題にかかる小グループ)外相会合は制憲委員会の早期設立を呼びかける(2018年9月28日)

米国、英国、フランス、ドイツ、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン(シリア問題にかかる小グループ)の外務大臣は、第73回国連総会が開催されているニューヨークで会合を開き、シリア情勢への対応について協議した。

会合では、信頼が置け、すべてのシリア人に開放された制憲委員会を早急に設置し、自由で公正な選挙の基礎となる新憲法を起草するよう呼びかけられた。

AFP, September 28, 2018、ANHA, September 28, 2018、AP, September 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 28, 2018、SANA, September 28, 2018、UPI, September 28, 2018などをもとに作成。

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S-300防空システムのシリアへの配備開始(2018年9月28日)

ロシア日刊紙『ブズグリャート』(9月28日付)は、ラタキア県のフマイミーム航空基地にロシア空軍のIL-76輸送機7機が着陸したとしたうえで、S-300防空システムの配備が始まったと伝えた。

AFP, September 28, 2018、ANHA, September 28, 2018、AP, September 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 28, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 28, 2018、SANA, September 28, 2018、UPI, September 28, 2018、Vzglyad, September 28, 2018などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「国際社会が取り組むべき最優先課題はシリア難民・避難民の早急な帰宅を保障するため復興プロセス」(2018年9月27日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ニューヨークの国連本部で開催されている第73回国連総会の一般討論で演説を行った。
ラブロフ外務大臣は演説のなかでシリア情勢について言及し、国際社会が取り組むべき最優先課題が、シリア難民・避難民の早急な帰宅を保障するため復興プロセスへにあると強調した。

また、多くの西側諸国が自らの政治的利益を実現し、地域の多様性を阻害しようと、政治介入、経済的圧力、軍事力の行使、多重基準を繰り返していると批判した。

SANA, September 28, 18

AFP, September 27, 2018、ANHA, September 27, 2018、AP, September 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2018、al-Hayat, September 29, 2018、Reuters, September 27, 2018、SANA, September 27, 2018、UPI, September 27, 2018などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:2015年9月末以降、難民24万4,236人が帰国、避難民123万6,404人が帰宅(2018年9月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(9月28日付)を公開し、9月27日に難民117人(うち女性35人、子供58人)が新たに帰国したと発表した。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は14,956人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者14,462人(ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者318人(ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日に帰国した難民の数は24万4,236人(うち女性7万3,269人、子供12万4,556人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は663万9,530人(うち女性199万1,559人、子供338万5,650人)。

一方、国内避難民947人が9月27日に新たに帰宅した。

これにより、2018年1月以降に帰宅した国内避難民の数は15万4,042人(うち女性4万6,368人、子供7万8,368人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は123万6,404人(うち女性37万1,077人、子供63万373人)となった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(9月28日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を23件(アレッポ県8件、イドリブ県1件、ラタキア県14件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, September 28, 2018をもとに作成。

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イスラエルのリーベルマン国防大臣「イスラエルはゴラン高原の通行所を再開する用意がある」(2018年9月27日)

イスラエルのアヴィグドール・リーベルマン国防大臣が、占領下のシリア領ゴラン高原を視察、「イスラエルはゴラン高原の通行所を再開する用意がある…。ボールは今、シリア側のコートにある」と表明した。

リーベルマン国防大臣国防大臣は「我々の側では、UNDOF(国際連合兵力引き離し監視軍)部隊がイスラエル軍と連携してパトロールを開始した。つまり、我々は以前と同じように通行所を開放する用意があるということだ」と述べた。

i24 News(9月27日付)が伝えた。

イスラエルは、シリアに「アラブの春」が波及した2011年に通行所を一方的に閉鎖していた。

AFP, September 27, 2018、ANHA, September 27, 2018、AP, September 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, September 27, 2018、al-Hayat, September 28, 2018、i24 News, September 27, 2018、Reuters, September 27, 2018、SANA, September 27, 2018、UPI, September 27, 2018などをもとに作成。

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