トルコ外相は3項目を骨子とする対アサド政権制裁の内容を発表、アラブ連盟対シリア制裁実行委員会は資産凍結・アラブ諸国渡航禁止の対象となるシリア高官らのリストを承認(2011年11月30日)

アサド政権の動き

SANA(11月30日付)は、シリア司法当局が「最近の事件に関与したが、その手を血で染めていない」逮捕者912人を釈放したと報じた

同報道によると、この措置は11月5日の553人の釈放、15日の1,180人の釈放に続くもの。

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SANA(11月30日付)は、選挙最高委員会が12月12日投票予定の統一地方選挙の立候補者総数を発表した。

同報道によると、立候補者総数は42,889人で県議会、市町村議会の17,588議席を争うという。

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SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011

アサド大統領はレバノンのイスラーム教ウラマー連合の使節団と会談した。

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投資委員会のアフマド・ディヤーブ総裁はイラクのビジネスマンからなる使節団と会談し、両国の通商・投資関係に関して意見を交換した。

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『ジダール』(11月30日付)は、1ドル60シリア・ポンド以上で両替を行っている複数の両替商に対して、当局が28日、29日に無差別の立ち入り捜査を行った、と報じた。

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Akhbar al-Sharq, November 30, 2011
Akhbar al-Sharq, November 30, 2011

「アフバール・シャルク」(11月30日付)などは、11月28日にワリード・ムアッリム外務大臣が記者会見で提示した資料(反体制勢力の武装化を示す資料)のなかに新たなねつ造が発覚したと報じた。

それによると、銃を持った女性の映像は、武装闘争を行っているのではなく、結婚式で祝砲を撃つもので、数年前に撮影されたという。

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SANA(11月30日付)は、タルトゥース県のタルトゥース市、バーニヤース市、ヒムス県のハワーシュ町、ハサカ県ハサカ市など各都市で、アラブ連盟の対シリア経済制裁反対とアサド政権の改革支持を訴える大規模集会を開催した。

またダマスカス県アラブ連盟事務所前では、ダマスカス大学学生がアラブ連盟の経済制裁に抗議するデモを行った。

さらにダマスカス県旧市街のウマイヤ・モスク前でもアラブ連盟の対シリア経済制裁に反対する夜間座り込みが行われた。

SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011
SANA, November 30, 2011

反体制運動掃討

SANA(11月30日付)は、ヒムス県の税関当局がヒムス県ミスヤーフで武装テロ集団の車から大量の武器、爆発物を応酬し、運転手らを逮捕した、と報じた。

また、ダルアー県、イドリブ県では当局が武装テロ集団複数名を逮捕する一方、ダイル・ザウル県では武装テロ集団がしかけた爆破物を処理した、という。

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シリア人権監視団によると、ダルアー県のダーイル町に軍・治安部隊の戦車・装甲車数十台が侵入し、離反兵と交戦、軍・治安部隊兵士7人が死亡した。また双方に19人の負傷者が出た。

地元調整諸委員会によると戦闘機が同市を空爆したというが真偽は定かでない。

またシリア人権監視団監視団によると、イドリブ県のサラーキブ市などで軍・治安部隊がデモ排除、逮捕が断行され、少なくとも民間人6人が殺害された。

地元調整諸委員会によると、ダマスカス県のカーブーン区、バグダード通り、アービド通り、シャアラーン、サブウ・バハラート広場で「銃声が聞こえ」、数十人が逮捕された。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟閣僚会議が設置した対シリア制裁実行委員会は、アラブ諸国への渡航禁止と資産凍結の対象となるシリア政府高官ら17人のリストを作成・承認した。

制裁リストには以下17人が列記されている:

ダーウド・アブドゥッラー・ラージハ国防大臣
ムハンマド・イブラーヒーム・シャッアール内務大臣
アブドゥルファッターフ・クドスィーヤ軍事情報局長
アースィフ・シャウカト副参謀長(中将)
ルストゥム・ガザーラ准将(軍事情報局ダマスカス支部長)
マーヒル・アサド大佐(共和国護衛隊)
アイマン・ジャービル
ムハンマド・ジャービル
ジャミール・ハサン空軍情報部長
ジャーミア・ジャーミア准将(軍事情報局ダイル・ザウル支部長)
ハーフィズ・マフルーフ大佐(総合情報部)
アーティフ・ナジーブ前政治治安部ダルアー支部長
ドゥールヒンマ・シャーリーシュ共和国護衛隊大統領治安局長
ファイサル・クルスーム前ダルアー県知事
ムンズィル・アサド
ファウワーズ・アサド
ラーミー・マフルーフ

また、航空機乗り入れ禁止は15日からとすること、穀物、医薬品、医療機器、ガス、電気などを排除することを決定した。

実行委員会が承認した制裁案は12月3日(土曜日)にカタールのドーハで開催されるアラブ連盟外相会議で最終的に審議・承認される予定である。

イスラーム諸国会議の動き

イスラーム諸国会議(OIC)の事務局(エクメレッディン・イフサン・オグル事務局長)がサウジアラビアのジェッダで緊急会合を開き、シリア政府にアラブ連盟の諸決議への即時対応、弾圧の即時停止、反体制勢力との対話を呼びかけた。

会合後に採択・発表された閉会声明では、シリアの危機解消に向けたアラブ連盟による努力を歓迎するとともに、シリア政府に連盟が提示した(アラブ監視団派遣に関する)議定書への署名を求めた。また弾圧の停止、政治犯の釈放、人権侵害の停止、人道救援帰還の受け入れを呼びかけた。

『ハヤート』(12月1日付)によると、シリアの代表は、同声明の各条項に異議を唱え、とりわけ「アラブ連盟の努力を歓迎する」との文言に関しては、「アラブの諸提案を歓迎する」との変更を求め、シリア政府の姿勢にも配慮するよう求めた。

諸外国の動き

アフメト・ダウトオール外務大臣はアサド政権に対する制裁内容を発表した。制裁は以下3項目を骨子とする。

第1に、アサド政権を支持するビジネスマン多数のトルコへの渡航禁止と資産凍結で、対象となったビジネスマンは駐トルコの反体制勢力が親体制みなすビジネスマンで、主にアレッポを拠点にしている。

第2に、シリア・トルコ間の戦略的協力会議合意に基づく活動の停止。戦略的協力会議のもと、これまで経済、社会、安全保障などの分野で54の合意と議定書が交わされてきた。

第3に、シリアへの武器弾薬の売却停止、トルコ領経由での武器供与の禁止。

第4に、シリア中央銀行との取引停止、トルコ国内のシリア政府の資産、口座の凍結、シリア政府への借款の停止。

この制裁に関して、アブドゥッラー・ギュル大統領は、シリア国民への被害を回避するため、シリアへの水道、電気の供給は停止しないと述べた。

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レバノンのニコラー・ナッハース経済通商大臣はAFP(11月30日付)に対して、「レバノンはアラブ連盟の制裁実施を遵守する」と述べた。

しかし「レバノンはシリア政府、シリア中央銀行のいずれとも取引を行っていない」と述べ、実質的な制裁対象がないことを明らかにした。

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UAEのアブドゥッラー・ビン・ザーイド外務大臣は、対シリア経済制裁を回避するため、監視団を受け入れるよう改めて呼びかけた。

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ジャズィーラ(11月30日付)は、カタール航空が11月30日からダマスカス・ドーハ往復便の就航を中止したと報じた。

またエミレーツ航空は来週、ダマスカス・ドーハ往復便の就航を中止すると発表した。

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在米のシリア人反体制活動家のカースリーン・タッリー氏は、ニューヨークでロシア国連代表と会談し、BRICS諸国のシリアに対する姿勢の変更を求めた。

タッリー氏によると、同会談はアムネスティ・インターナショナルの活動の一環をなしており、会談では、現下のシリア情勢を国際刑事裁判所に付託すること、武器供与禁止、弾圧に関与した高官の資産凍結を求めた。

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イスラエルのマタン・ヴィルナイ民間防衛大臣はイスラエル空軍および治安部隊の攻撃力に関して、「どこでも攻撃する能力がある、ガザ地区やレバノン内の数キロメートルの地点から、レバノン、シリア国内の数百キロメートルの地点まで」と述べた。

AFP, November 30, 2011、Akhbar al-Sharq, November 30, 2011、Aljazeera.net, November 30, 2011、al-Hayat, December 1, 2011、Jidar.net, November 30, 2011、Naharnet.com, November 30, 2011, December 2, 2011、Reuters, November 30, 2011、SANA, November 30, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

サファル内閣がアラブ連盟の対シリア経済制裁による影響への対処について審議するなか、露外相がシリアへの圧力に対し改めて反対の意思を示す(2011年11月29日)

アサド政権の動き

イスラーム諸国会議機構(OIC)高官は、11月30日にサウジアラビアのジェッダで開催される執行委員会会合にシリアのワリード・ムアッリム外務大臣とイランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣が出席することを確認した。

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アドナーン・マフムード情報大臣はアーディル・サファル内閣が閣議を開き、アラブ連盟による対シリア経済制裁の「影響に対処する」施策について審議したと発表した。

SANA, November 29, 2011
SANA, November 29, 2011

情報大臣によると、閣議では、シリア国民に影響が及ばないとの連盟の主張とは裏腹に、シリア国民のさまざまな階層、集団に影響が出る点に議論が集中したという。

また閣議では経済省に対して、価格統制、一部商人による投機を抑制するよう要請がなされた。

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バアス党シリア地域指導部は声明を出し、アラブ連盟の対シリア経済制裁が国民の生活を標的とし、アラブ諸国の対話、政治・経済協力、共同行動の扉のすべてを閉ざしたと酷評した。

反体制勢力の動き

『ワタン』(11月29日付)は、国内で反体制運動をする国民民主イニシアチブ代表のムハンマド・スライマーン元情報大臣が、アサド大統領に内閣を総辞職させ、挙国一致内閣を発足するよう求めたと報じたと報じた。

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「シリア革命総合委員会クルド革命運動家」と称するグループが11月29日に声明を出し、イラク・クルディスタン地域のマスウード・バールザーニー自治政府大統領と28日に会談したと発表した。

会談したのは、シリア国内の反体制運動に直接関与していない10のクルド民族主義組織の代表からなる使節団。

会談で使節団は、①シリアの反体制運動とアサド政権の双方と等距離を保つこと、現下のシリア国内の政治勢力間の対立を踏まえ、②専制体制打倒という要求の内容を具体化すること、③憲法にクルド民族主義をシリア第2の民族主義と明記すること、そして④アサド家の支配(が続く場合)クルド人の自決権を憲法で保障すること、を求めるとの姿勢を明らかにした。

反体制運動掃討

シリア革命総合委員会によると、ダマスカス郊外県などで治安部隊の発砲により7人が殺害された。

また国内調整諸委員会によると、ダマスカス郊外県、ハマー県、ヒムス県などで少なくとも11人が治安部隊に殺害され、多数が逮捕された。

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ヒムス県では、SANA(11月29日付)によると、治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、4人を殺害、17人の指名手配者を逮捕した。

諸外国の動き

ロシアのインテルファクス通信(11月29日付)によると、セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリアへの圧力に改めて反対の意思を示し、危機正常化に努力するよう求めた。

ラブロフ外務大臣は「今重要なのは、警告行動から手を引き、事態を政治的プロセスへと回帰させる試みである」と述べた。

また「現在シリアに対して措置を講じるよう求めている国も含めたすべての国が、イエメン情勢とはまったく異なる姿勢をとってきた。そこでは数ヶ月にわたってGCCが提案する平和的な関係正常化をめぐる交渉が行われたのに」と述べる一方、「シリアの問題に関してもこのような方法をとるべきである。なぜなら一部の国、とりわけアラブ連盟が行っている警告は問題を解決しないからである」と付言し、制裁に異議を唱えた。

さらにシリアへの武器禁輸を求める動きに関しては「不公正だ…。なぜなら武器禁輸措置はバッシャール・アサド政権にだけ及び、反体制勢力には適用されないであろうから」と却下した。そのうえで「武器禁輸措置がリビア軍にだけ適用され、反体制勢力が武器を入手できるなかで、リビアに何が起きたかを我々は知っている。フランス、カタールといった国々はこうした問題を恥ずかしげもなく云々していた」と述べ、シリアへの軍事制裁に改めて疑義を呈した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はトルコのカナル24(11月29日付)に対して、「もし弾圧が続けば、トルコはいかなるシナリオを採用する準備ができている。シリア政府は国民と和解する手段を見つけねばならない」と述べた。

また「数十万人が、イラク、レバノン、トルコ国境に流出している…。おそらく緩衝地域設置といった措置をとることを、トルコだけでなく国際社会すべてがおそらく求めている。我々はこうした事態になって欲しくないが、このシナリオについて検討し、準備をせねばならない」と述べた。

トルコのビンアリ・ユルドゥルム運輸大臣は、「状況が悪化すれば」イラク、ヨルダン経由をした湾岸諸国への輸送経路を確保するために支援することを明らかにした。

しかし、民間航空機のシリアへの乗り入れは継続し、シリアへの電力供給も制限しない、という。

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レバノンのニコラー・ナッハース経済通商大臣はナジーブ・ミーカーティー首相との会談後、「レバノンは(アラブ連盟の対シリア制裁決議に関する)決定によっていかなる影響も被らないだろう」と述べた。

ナッハース経済通商大臣は「現在、アラブ連盟が発した決議に従うと、同決議の規定が適用される取引がないことを見出した」と述べ、対シリア制裁決議がシリア・レバノン間の通商には適用されないとの見方を示した。

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米国務省のマーク・トナー副報道官は、アラブ連盟の制裁に関して「明確なメッセージであり、地域におけるアサドの隣人たちが彼の振るまい、そして彼の政府による民間人殺戮に…うんざりしているということだ」と述べた。

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サウジアラビア外務省は、シリア在住のサウジアラビア国民に退避を勧告した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は「シリアは人災へと突き進んでいる。EU、アラブ連盟、トルコはともに行動し、シリア国民を支援し続けばならない」と述べた。

AFP, November 28, 2011、Akhbar al-Sharq, December 2, 2011、al-Hayat, November 29, 2011、Kull-na Shuraka’, November 28, 2011, November 30, 2011、Naharnet.com,
November 29, 2011、Reuters, November 28, 2011、SANA, November 29, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ムアッリム外務大臣はアラブ連盟外相会議での対シリア経済制裁発動に関する決議を「経済戦争」として非難、各地ではアサド政権の改革支持や外国の干渉拒否を訴える百万人集会が開かれる(2011年11月28日)

シリア・アラブの春(シリア革命2011)顛末記

2011年11月28日のシリア情勢

アサド政権の動き

ワリード・ムアッリム外務大臣はダマスカスで記者会見を開き、アラブ連盟外相会議での対シリア経済制裁発動に関する決議を「扉を閉ざした」、シリアに対する「経済戦争」だと非難した。

ムアッリム外務大臣は11月初めのドーハでの(アラブ連盟のワーキングペーパーに関する)アラブ連盟外相委員会とシリア政府使節団の合意の「文言と精神を遵守」するよう連盟に「再検討」を求め、ドーハでの合意に基づいて問題への対処を行うよう求めた。またシリアの加盟停止を定めたその後の決議を非難し、「一部の連盟加盟国が国際問題化しようとしている」と述べた。

また、カイロの連盟本部でのシリア政府と反対勢力との対話を求めるアラブ連盟の提案を、「アラブ連盟側の立場は明白で、カイロでの対話、挙国一致内閣、移行期間を求めているが、これは拒否される…。すべての人々が参加する対話が行われれば、挙国一致内閣に関する合意もなされるが、それは対話の後だ」と述べ、却下した。

アラブ連盟外相会議での対シリア経済制裁発動決議、とりわけシリア中央銀行との取引停止に関しては、「経済的な側面からの宣戦布告で、前例のない措置」だと非難する一方、予防措置として、アラブ諸国におけるシリアの預金の95%を引き落とした」と述べた。

一方、ムアッリム外務大臣はアサド政権主導下の改革に関して、12月12日予定の統一地方選挙やシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会の活動を上げて、「前進」していると述べるとともに、国民対話会議に関しては「国民対話は政府と反体制勢力の間で行われるものではない。政府、反体制勢力のいずれにも与していない国民が数百万人とおり、彼らには正当な要求がある」と述べた。

また国外の反体制勢力の国民対話への参加を「保障」する準備があると付言した。

また「(シリア・アラブ共和国)憲法(草案準備)委員会報道官は今日、新憲法の基本規定のなかに複数政党制が盛り込まれており、政党間を差別する余地はなく、世界の国々のほとんどの憲法と同様、新憲法には第8条はない」と述べ、「バアス党は社会と国家を指導する指導党である」との現憲法の前衛党規定が削除されることを明らかにした。

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SANA(11月28日付)は、シリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会が新憲法草案(第1稿)作成のための会合を開催したと報じた。

委員会のサーム・ダッラ報道官によると、草案の大部分は完成し、残りの部分は今週末までに完成させる、という。

ダッラ報道官によると、新憲法の基本規定には、主権在民、三権分立、司法の独立、基本的人権の保障、すべての政党間の平等を原則とする政治的多元主義、地方分権などが盛り込まれているという。

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ダマスカス県の複数の広場、アレッポ県アレッポ市のサイフ・ダウラ広場、ハサカ県ハサカ市、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市、スワイダー県スワイダー市、ヒムス県ヒムス市郊外、タルトゥース県タルトゥース市などシリア各地で、アサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴える百万人集会が開催された。

SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011
SANA, November 28, 2011

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ムハンマド・ニダール・シャッアール経済大臣はAFP(11月28日付)に対して、アラブ連盟による対シリア経済制裁の影響を厳密にすることは困難だが、シリア経済に深刻な影響を及ぼすだろう」と述べた。

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シリア商業会議所が声明を出し、アラブ連盟の対シリア経済制裁がシリア国民全体に大きな被害をもたらすだろうと警鐘を発した。

反体制勢力の動き

Kull-na Shurakā’, November 27, 2011
Kull-na Shuraka’, November 27, 2011

シリア国民評議会の使節団(ブルハーン・ガルユーン事務局長ら)と自由シリア軍の指導部(リヤード・アスアド大佐ら)が会談した。

会談では両組織の連絡強化、協調体制構築について審議され、共同委員会を設置し、現地での活動、救援、情報、政務などで連携することで合意した。

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シリア国内で反体制活動を行う国民民主変革諸勢力国民調整委員会の報道官はAKI(11月28日付)に対して、ムアッリム外務大臣の記者会見は、アラブ連盟の要求を拒否した理由をシリア国民に満足させることに「失敗している」と非難した。

国民民主変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役は声明を出し、シリア国民への影響を回避しようとするアラブ連盟の対シリア経済制裁発動の試みを評価するとともに、連盟に対してアサド政権をさらに孤立させるべく行動を継続するよう求めた。

またアブドゥルアズィーム総合調整役はアーラム・チャンネル(11月28日付)に対して、アラブ連盟の経済制裁はシリア国民ではなくアサド政権に影響を与えると断じたうえで、アラブ連盟主導による「アラブ的解決」こそがシリアの危機打開をもたらすとの見方を示した。

アブドゥルアズィーム総合調整役はまた外国の軍事介入を改めて拒否するとともに、アサド政権に対して暴力と殺戮の停止、逮捕者釈放、平和的デモの認可を求め、体制転換と愛国的民主国家の建設を主唱した。

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シリア変革大会(アンタキア)は声明を出し、アラブ連盟の対シリア経済制裁に関して「アラブ連盟の進路における歴史的転換点」、「アラブの行動への新たな概念の構築」と高く評価した。

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『クッルナー・シュラカー』(11月28日付)は、シリア学生国民連合がダマスカス県内の大学生に対して、アサド政権を支持するデモへの参加を強要している、と報じた。

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al-Hayat, November 28, 2011
al-Hayat, November 28, 2011

シリア当局は、国内で30年にわたってマール・ムーサー修道院(ヒムス県ナバク地方)で布教活動を行ってきたイエズス会のイタリア人聖職者(パウロ・ダログリオ、Paolo Dall’Oglio)氏を11月21日付で国外追放処分とした。

同氏がシリア国内での弾圧を非難したことが理由だという。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長は、同監視団がマール・ヤアクーブ修道院(ダマスカス郊外県)のアグネス・マリヤム・サリーブ修道長から反体制運動弾圧の死傷者の情報を得ていたとの一部情報を否定した。

反体制運動掃討

ヒムス県では、SANA(11月28日付)によると、ヒムス市ワルシャ地区で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、3人を殺害、武器を押収した。

Kull-na Shurakā’, November 27, 2011
Kull-na Shuraka’, November 27, 2011

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イドリブ県では、SANA(11月28日付)によると、カフルナブル市で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、2人を逮捕した。またイドリブ県北部で鉄道の線路にしかけられた爆弾2発が爆発したが、被害は限定的だったという。

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なお過去数ヶ月にわたり、反体制運動に対するシリア政府の弾圧の被害を発表してきたシリア人権監視団は、先週末から、「民間人の殉教者の数が27人に上った」(11月26日付)、「民間人の殉教者の数が32人に上った」(11月28日付)と犠牲者を積算して発表するようになっており、ジャズィーラなどアサド政権に対して敵対姿勢をとる一部のメディアを除いて、その数字を引用していない。

諸外国の動き

『ミッリイェト』(11月28日付)は、イランのIRNAの報道を引用し、フランス軍部隊がトルコとレバノンでシリアの反体制勢力(自由シリア軍)の軍事教練を行っていると報じた。

同報道によると、フランス、英国、そしてトルコの当局はシリアで活動する反体制武装組織への武器供与を行うことで合意に達しているという。

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国連の独立人権調査委員会は報告書を発表し、シリア政府が国内で軍・治安部隊などを通じて人道に対する罪を犯していると認定し、民間人補語のための「早急な措置の実施」と、「すべての当事者への武器支給の停止」と提言した。

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EU諸国政府はブリュッセルで、シリア政府に対する追加の金融制裁を科すことで合意した。

12月1日以降に正式に発表される追加制裁では、EU諸国によるシリア政府発行の国債の取引禁止、EU域内でのシリアの銀行の支店開設禁止ないしはシリアの銀行によるEU内での投資禁止、石油・ガス関連設備の輸出禁止などが盛り込まれるという。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、France Info(11月28日付)に対して、「シリアの体制に残されている日は限られている」と述べた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、改めて、シリアにアラブ監視団派遣に関する議定書に署名するようシリア政府に求めた。

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ロシア軍は、ロシア海軍は航空母艦などを含む艦隊を地中海に派遣し、タルトゥース港などに寄港する予定だと発表した。

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イラクのイラーキーヤ・ブロック(イヤード・アッラーウィー元首相代表)は、シリア政府に対して「内政問題への外国の介入を回避するため…アラブ連盟の決議を迅速に実行する」よう呼びかけた。

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レバノンの北部県トリポリ市にあるバーブ・タッバーナ地区(スンナ派地区)で、住民数十人がムアッリム外務大臣が記者会見で公開した写真を「同地区住民への中傷」だと非難し、抗議の座り込みを行った。

座り込みに参加した住民によると、シリア国外、とりわけレバノンから若者が流入しシリアで武装活動を行っていることの証拠としてムアッリム外務大臣が示した写真は、が2008年以降にフェイスブックで公開されている写真で、バーブ・タッバーナ地区とジャバル・ムフスィン地区(アラウィー派地区)との間の戦闘の写真だという。

AFP, November 28, 2011、Akhbar al-Sharq, November 28, 2011, November 29, 2011、AKI, November 28, 2011、DP-News, November 29, 2011、al-Hayat, November 29, 2011, December 2, 2011、Kull-na Shuraka’, November 27, 2011, November 28, 2011、Naharnet.com, November 28, 2011、Reuters, November 28, 2011、SANA, November 28, 2011、http://www.syriahr.com/などをもとに作成。

 

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アラブ連盟外相会議で14条の骨子からなる対シリア経済制裁決議が19カ国による承認のもと可決される、イラクおよびレバノンは採決に参加せず(2011年11月27日)

アラブ連盟の動き

アラブ連盟外相会議で対シリア経済制裁決議が19カ国の承認で可決された。

カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、イラクが採決で態度を「保留」、制裁には加わらないだろうと述べた。

また加盟資格停止中のシリアは採決には参加できず、レバノンも採決には参加しなかった。

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アラブ連盟外相会議での対シリア経済制裁決議の骨子は以下の通り:

1. シリア政府高官のアラブ諸国への渡航禁止およびアラブ諸国内の資産凍結。制裁対象はカタールが議長を務める実行委員会が決する。
2. シリア中央銀行との取引停止。
3. シリア政府との政府間の貿易取引の停止。ただしシリア国民に影響を及ぼす戦略物資は除外する。
4. シリア政府の資産凍結。
5. シリア・アラブ共和国との金融取引停止。
6. シリア商業銀行とのすべての取引の停止。
7. アラブ諸国の中央銀行とシリア中央銀行と間で行われている政府間貿易取引への融資停止。
8. アラブ諸国の中央銀行による銀行振込、債権取引の監視要請。ただしシリアの通貨による外国からの家族送金、シリア国内のアラブ諸国国民への送金は除外する。
9. アラブ諸国によるシリア国内でのプロジェクトへの融資の凍結。
10. シリアへの航空機乗り入れに関して、決議発動から1週間以内に実行技術委員会が閣僚委員会に対して、乗り入れ停止の期日を確定するための報告書を提出する。
11. 関連事項の実施状況のフォローアップをアラブ民間航空委員会とアラブ通貨基金に委任する。
12. シリア国内のアラブ関連機関、国際期間、アラブ連盟関連本部および職員は制裁から除外する。
13. 議長国カタールのもと、ヨルダン、アルジェリア、サウジアラビア、スーダン、オマーン、エジプト、モロッコ、そして連盟事務局の高官および専門家による技術実行委員会を設置し、シリア国民および周辺諸国民に直接の影響を及ぼす人道物資の除外を検討する。
14. 事態の進捗状況をフォローアップするため閣僚会議を会期中とする。

全文はhttp://international.daralhayat.com/internationalarticle/333414を参照。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、制裁決議に関して、「シリア政府が我々のメッセージを理解することを望む。そうすれば我々の問題は内輪で解決されるだろう」と述べた。

また「シリア政府が民間人を殺害し、無実の人々を弾圧するのに大使、トルコもアラブ連盟も沈黙を続けるなど誰も期待できない」と脅迫した。

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複数のアラブ外交筋によると、少なくともアルジェリアとオマーンが性急な制裁発動が、シリア政府でなく国民に災難をもたらすと警鐘をならした。

しかしカタールを中心とする制裁支持諸国は、シリア国民への被害を軽減するための手段やしくみを検討しつつ、段階的であっても制裁を発動する必要があるとの立場を貫いた。

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アラブ連盟の動きが外国の干渉を助長するとのシリア政府の批判に関してハマド首相は、「我々が行っていることすべてが外国による解決を回避すること」とし、「我々が真剣に対処しなければ、外国の干渉がないと保障することはできない」と述べた。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、「我々の最大の関心事はシリア国民への制裁の影響をどのように回避するかにある」と述べた。

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これに対して、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣は、『ハヤート』(11月28日付)に、シリアの近隣諸国から多くの意見が出されたことで、フォローアップ実行技術委員会が発足したことを明らかにした。

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UAEのアブドゥッラー・ビン・ザーイド外務大臣は、「シリアへの外国の介入はアラブ連盟においてそもそも提起されていない」と述べた。

アサド政権の動き

SANA, November 27, 2011
SANA, November 27, 2011
SANA, November 27, 2011
SANA, November 27, 2011
SANA, November 27, 2011
SANA, November 27, 2011

SANA(11月27日付)は、ダマスカス県、ラタキア県ラタキア市、タルトゥース県タルトゥース市など各地でアサド政権主導の改革支持、アラブ連盟の介入拒否を訴える大規模集会が開催されたと報じた。同集会は日中に開催されていたこれまでのアサド政権支持集会とは異なり、晩にまで及んだ。

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『バラドナー』紙のバッサーム・ジュナイド編集長は、シャームFM(11月27日付)とのインタビューで情報大臣の辞任を求めた。

『バラドナー』紙はバアス党内の汚職を非難する記事を掲載した記事を掲載した号を公刊しようとしたが、検閲を受け、同号は発禁処分となっていた。

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反体制勢力の動き

シリア国家建設潮流が声明を出し、アラブ監視団派遣に関する議定書へのシリア政府の署名拒否を、国が置かれている危機を解消しないための口実を探し、反体制勢力の根絶のための時間稼ぎを行っていると非難した。

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シリア国民評議会はアラブ連盟閣僚会議での対シリア経済制裁決議採択に関して声明を出し、「体制の敗北」、「体制孤立化への重要なステップ」とみなすと評価した。

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UPI(11月27日付)は、エジプト在住の反体制活動家、サーイル・ナーシフ氏の妻(エジプト人)で、同氏が「シャッビーハ」に誘拐されたと発表していたムナー・アブドゥルワッハーブさんが無事発見されたと報じた。

Kull-na Shurakā, November 27, 2011
Kull-na Shuraka, November 27, 2011

同報道によると、ムナーさんは気を失い、路上で倒れていたという。

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国内で反体制活動を行うシリアのための第三潮流は声明を出し、アラブ連盟外相会議による対シリア経済制裁発動の決定が、シリアの危機の政治的正常化に向けた努力に資さない、と非難した。

反体制運動掃討

ヒムス県では、SANA(11月27日付)によると、ヒムス市で武装テロ集団が10歳の少年(サーリー・サーウードくん)を射殺したと家族が証言したと報じた。

同少年に関しては、アラブ諸国の衛星放送がシリア軍によって射殺したと報じていた。

またヒムス市ワルシャ地区で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、指名手配者11人を殺害、多数を逮捕し、大量の武器を押収した。また市内の別の地区でも交戦し、3人を殺害、大量の武器を押収した。

一方、シリア人権委員会によると、ランクース村で発生した反体制デモに治安部隊が介入、弾圧し、5人が死亡、少なくとも15人が負傷した。

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イドリブ県では、SANA(11月27日付)によると、マアッルシューリーン村とガドファ村間で武装テロ集団が石油パイプラインの警備員を襲撃、交戦があったと報じた。同報道によると、これにより武装テロ集団のメンバー1人が死亡、1人が負傷し、彼らの武器が押収された。

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ダマスカス県では、シリア人権委員会によると、ルクンッディーン区、サーリヒーヤ区で治安組織による活動家逮捕、家宅捜索がなされた。

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ハマー県では、SANA(11月27日付)によると、破棄裁判所顧問のファーイズ・アスカル氏がハマー市で武装テロ集団に誘拐された

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シリア人権国民機構のアンマール・カルビー所長は声明を出し、11月27日の死者数が40人に上ったと発表した。

同声明によると死者はヒムス県で16人、ダマスカス郊外県で14人、イドリブ県で2人、ハマー県で4人、ダイル・ザウル県で3人、タルトゥース県で1人。

レバノンの動き

レバノンの北部県トリポリ市でムスタクバル潮流が「武器の秋…独立の春」と題した大規模集会を開催し、数十万人を動員した。

集会では、ムスタクバル潮流幹部や3月14日勢力の幹部が出席し、アサド政権による反体制デモ弾圧と、レバノン特別法廷をめぐるレバノン国内の対立激化を絡めて、ヒズブッラーや自由国民潮流を酷評した。

ムスタクバル潮流のムハンマド・カッバーラ議員は、「レバノンにおけるアサドのヘゲモニーは転覆させられねばならない」と述べ、「この政府(ナジーブ・ミーカーティー内閣)はレジスタンスとは無縁だ、なぜならシリア国民を攻撃するために狙撃手をシリアに派遣する者はレジスタンスなどではないからだ」と述べた。

同じくムスタクバル潮流のサミール・ジスル議員は、「彼らは、人々があらゆる専制者よりも強く、警察国家が人々の意思によって倒されるということをベイルートの春(独立インティファーダ)から学ばなかったのか」と述べ、レバノン特別法廷への資金供出を拒否しようとするヒズブッラーや自由国民潮流を非難した。

Naharnet, November 27, 2011
Naharnet, November 27, 2011

民主会合ブロック代表のマルワーン・ハマーダ議員は「私はヒズブッラーが倒れること、政府が転覆することを残念だとは思わないだろう。私はアサドの犯罪体制を決して許さない…」と述べた。そのうえでヒズブッラーと自由国民潮流を「全体主義という巨大な刑務所を構成する」と非難し、ミシェル・スライマーン大統領、ミーカーティー首相、そしてナビーフ・ビッリー国民議会議長に「レバノンが巨大な刑務所に囚われないよう」行動することを求めた。

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AFP(11月27日付)によると、アッカール郡シャイフ・アイヤーシュ村を車で通過した近くのアラウィー派の村落住民が村人2人をはね、村の10代の少年1人(スンナ派)が死亡した。

車で通過したアラウィー派の運転手もその後村人に殴られ、負傷し、病院に搬送されたという。

アラウィー派の運転手は、シャイフ・アイシャーシュ村の住民がトリポリ市での集会に参加しようとするのを阻止しようと挑発したという。

少年殺害に抗議し、シャイフ・アイシャーシュ村が道路を封鎖したが、警察・治安部隊が排除した。

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NNA(11月27日付)によると、アラウィー派が多く住むトリポリ市のジャバル・ムフスィン地区で、市内でのムスタクバル潮流の集会での祝砲によって、3人が負傷した。

これに関して、アラウィー派政党のアラブ民主党は、3人のうちの1人が集会の参加者がジャバル・ムフスィン地区に撃ち込んだ砲弾で負傷したと発表した。

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AFP(11月27日付)によると、集会参加者が打った祝砲でスンナ派1人が負傷したと報じた。

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AFP(11月27日付)によると、トリポリ市のジャバル・ムフスィン地区とバーブ・タッバーナ地区を分けるバアル・ダルウィーシュ地区に手榴弾が投げ込まれた。

諸外国の動き

ヨルダン政府は、シリア人避難民がヨルダン国内国境のラムサーに避難したのを受けて、シリア、ヨルダン両軍が交戦したとの一部情報を否定した。

ヨルダンのラーカーン・マジャーリー情報通信担当大臣は、『ハヤート』(11月28日付)に対して、シリア国境警備隊がシリア人家族が午後4時にヨルダンへの違法な越境を試みた家族(3人)に発砲したと述べた。

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カタールとバーレーンの外務省は、国民に対してシリアからの退避を勧告した。

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カタールのドーハで、シリア人労働者数千人が反体制デモを行った。

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エジプトのナセル主義アラブ民主党使節団がシリアを訪問し、アサド政権支持を表明した。一方同党のムハンマド・アブー・アッラー党首は、カイロでシリアの反体制勢力の使節団と会談し、シリア国民評議会を承認すると述べた。

AFP, November 27, 2011、Akhbar al-Sharq, November 27, 2011、al-Hayat, November 28, 2011、Kull-na Shuraka, November 27, 2011, November 28, 2011、Naharnet, November 27, 2011、NNA, November 27, 2011、Reuters, November 27, 2011、SANA, November 27, 2011、UPI, November 27, 2011などをもとに作成。

 

(C青山弘之All rights reserved.

アラブ連盟経済社会委員会が対シリア経済制裁決議案を審議、ムアッリム外務大臣は同連盟にあてた書簡のなかで「シリア情勢の国際化と外国の内政干渉に実質的に合意するもの」としてこれを拒否する姿勢を明示(2011年11月26日)

アラブ連盟の動き

アラブ連盟経済社会委員会はカイロ空港近くのホテルで会合を開き、対シリア経済制裁決議案を審議した。

27日に外相会議で審議される対シリア経済制裁に関する提言では、人道物資や医療サービスの供給確保が必要だとし、そのためにアラブ連盟関連諸機関が赤十字社、赤新月社、国際赤十字委員会との調整、NGOなどとの協力を行うことが重要だとの立場を示した。

また同提言では、シリアとの連絡経路を確保し、援助物資などの供給要請に対応し得る体制を作ることを提案した。

さらに、シリア国民の社会状況への制裁の影響を回避するためにアラブが行動する必要を確認した。

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ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣は、キプロスの外務大臣との会見後の記者会見で、「シリア問題に関してアラブの合意を支持する、なぜなら我々は決定の一部をなすからだ」としたうえで、「しかし24日のカイロでの閣僚委員会で、自らの国の国益も考慮されねばならないと述べた」と発言し、ヨルダンが対シリア経済制裁に消極的だとの姿勢を明示した。

またシリアからの避難民に関して、約100人のシリア兵が「私人として」ヨルダン国内に避難していると述べた。

一方、ラーカーン・マジャーリー情報通信大臣は、ヨルダンの治安当局が違法な越境を試みた約550人を逮捕したことを明らかにした。

このうち、約300人はヨルダン側の親戚が身柄を引き取り、25人は第三国に移動し、130人はシリアに送還され、残り約90人がヨルダン領内の避難センターに身を寄せているという。

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イラクのホシェル・ゼバリ外務大臣は、アラブ連盟外相会議で審議される対シリア経済制裁に関して、イラクが決議承認を「保留する」と述べた。

ゼバリ外務大臣はナジャフでの記者会見で、レバノンとヨルダンも同様の姿勢をとるだろうと述べた。

またジャラール・ターラバーニー大統領は、アサド政権に代わるオルターナティブ不在への懸念を示した。

ターラバーニー大統領は、「イラクに敵対する過激な勢力が登場する」危険への懸念を示すとともに、シリアへの外国の軍事干渉を拒否するとの姿勢を示した。

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アラブ連盟経済社会会議に出席したトルコのアリ・ババジャン経済大臣は、対シリア経済制裁に関して、シリア国民の基本的ニーズに直接害を及ぼさないこと、シリアの統合を維持することという二つの原則を遵守する必要があると述べた。

アサド政権の動き

ワリード・ムアッリム外務大臣はアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長に対して書簡を送り、そのなかでシリアに対するアラブ連盟外相会議の決議を、連盟の意思とは逆に「外国の干渉をもたらす」と動きと非難し、「アラブ連盟の諸決議を拒否し、独立国としての決定に従う」との意思を示した。

同声明で、ムアッリム外務大臣は、シリア側の修正提案に関して、「シリアでの連盟の任務に関する誤解と曖昧な点を解消する」ためになされたが、「いくつかの重要な点に関して回答がなかった」と連盟の姿勢を批判した。

また11月24日の連盟外相会議の決議に関しては、シリアの安全と統一、そして外国の干渉回避を定めた導入部第4項と、国連決議に基づき必要な措置を講じるとした第5項が矛盾しており、後者が「外国の干渉の回避ではなく、外国の干渉への道を開くものと解釈できる」と指摘した。

一方、「連盟加盟国は既存の政府を尊重し、その転換をもたらすような行動をとならないよう誓約する」と規定した連盟憲章を引き合いに出し、シリア政府と反体制勢力との対話を通じて、移行期間の挙国一致内閣の発足を促す連盟の決議が憲章違反にあたると批判した。

そのうえで、連盟の決議が「シリア情勢の国際化と外国の内政干渉に実質的に合意するものとしか理解できない」として、決議を拒否する姿勢を明示した。

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ラタキア市でアサド政権の改革支持、アラブ連盟の決議拒否を訴える大規模集会が開かれた。

SANA, November 26, 2011
SANA, November 26, 2011

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「アフバール・シャルク」(11月26日付)は、シリアの民間銀行筋の話として、2011年第3四半期のシリアの民間銀行の取引 が反体制運動発生以前の20%に、融資 が16%に落ち込んだと報じた。

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『クッルナー・シュラカー』(11月26日付)は、国内での灯油やガスの供給が体制支持者のみになされていると報じた。

反体制勢力の動き

シリア国内で反体制活動を行うシリア民族社会党(インティファーダ派)のアリー・ハイダル党首は、ダマスカスで記者会見を開き、アサド大統領に対して危機解決のための歴史的責任を負うよう呼びかけ、「外科手術以外に手はない」と述べ、現内閣の総辞職とすべての勢力からなる挙国一致内閣の発足を求めた。

また包括的国民対話、恩赦の発令、すべての政治犯の釈放、平和的デモ弾圧の停止、汚職撲滅を求めた。

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シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー氏はアラビーヤ(11月26日付)に対して、クルド人、アラブ人などの代表の選出が「現状を踏まえた結果として例外的に生じた」ものであるとしたうえで、その活動が「民主的な正統性」ではなく、「活動成果に基づく正統性」だと述べた。

またシリア国内でクルド国民評議会や青年らによる調整委員会が独自の活動をしていることに関して、評議会におけるクルド人の代表は、クルド人の人口比に対応していないことを認める一方、「この評議会(クルド国民評議会)と連絡を取り合っている」と述べるとともに、近くシリア国民評議会の事務局メンバーにシリア・クルド人青年を追加する決定が出されていると付言した。

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国内で発足した反体制運動の「いっしょに」運動のダマスカス支部総合委員会が11月26日に会合を開き、活動方針などに関して審議した。

会合には、代表のバッサーム・ユースフ書記長、ムンズィル・ハッダーム総合関係局長、ジャマール・サーリフ氏、イッザ・バフラ氏らが出席した。

Kull-na Shurakā, November 27, 2011
Kull-na Shuraka, November 27, 2011

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エジプト在住の反体制活動家、サーイル・ナーシフ氏はエジプト国籍の妻(ムナー・アブドゥルワッハーブさんが「シャッビーハ」に誘拐されたと発表した。

在カイロ・シリア大使館はこの発表内容を否定している。

反体制勢力掃討

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市のハーリディーヤ地区とワーディー・イーラーン地区で、治安部隊の発砲によって、10代の子供1人を含む3人が殺害された。

またバーブ・スィバーア地区でも市民1人が殺害された。

AFP(11月26日付)は、同報道は、アラウィー派が多く住むヒムス市ザフラー地区とスンナ派が多く住む同市バイヤーダ地区で、反体制運動の弾圧、軍・治安部隊と離反兵・活動家による暴力の応酬の犠牲者となった遺族への取材を通じて、ヒムス市内でスンナ派とアラウィー派の宗派対立が激化していると報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍の兵員輸送車輌が離反兵に襲撃され、軍兵士が少なくとも8人殺害され、40人以上が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、25日金曜日夜以降、シリア人権監視団によると、離反兵と軍・治安部隊が交戦し、軍兵士が少なくとも10人殺害され、数十人が負傷した。離反兵側も3人が負傷した。またダイル・ザウル市内には軍・治安部隊が多数展開し、活動家の逮捕・追跡作戦を行った。

諸外国の動き

国連人権のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は声明を出し、シリア赤新月社が約150万人分の食糧支援を申請したと発表した。赤新月社によると、約300万人のシリア人が弾圧の被害にあっており、数千人がレバノンやトルコに避難しているという。

しかし、同声明では、「国連は現在、住民が実際に何を必要としているかを評価できない」と述べ、アサド政権への情報開示を暗に求めた。

またフランスのアラン・ジュペ外務大臣が主唱している「人道回廊」に関しては、「現在までのところ、シリア国内の人道面でのニーズはこのようなしくみを正当化しない」と却下した。

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イラン国営石油会社のアフマド・カーレーバーニー社長は、メフル通信に対して、西側の制裁対象となっているシリア産の原油を購入する予定はないと述べた。

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レバノンの自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、シリア情勢に関して、「1970年代のレバノンの経験を繰り返すべきでない」と述べるとともに、「暴力でなく対話を求めるようシリア国民に促したい。我々は銃弾箱ではなく…投票箱が必要なのだ」と力説した。

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駐シリア・フランス大使館はIFPOを治安上の問題を理由に閉鎖した。

AFP, November 26, 2011、Ahbar al-Sharq, November 26, 2011, November 27, 2011、‘Aks al-Sayr, November 27, 2011、Alarabia.net, November 26, 2011、al-Hayat, November 27, 2011、Kull-na Shuraka, November 26, 2011, November 27, 2011、Naharnet.com,
November 26, 2011、Reuters, November 26, 2011、SANA, November 26, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アラブ連盟事務総長が対シリア経済制裁を審議するための経済社会会合を正式に召集、会合にはトルコ経済相も参加(2011年11月25日)

親体制デモ

シリア・アラブ・テレビ(11月25日付)、SANA(11月25日付)は、ダマスカス県のサブウ・バハラート広場、バーブ・トゥーマー広場、ヒジャーズ駅前、ラタキア市、タルトゥース市、バーニヤース市、スワイダー市、カーミシュリー市などで、アサド政権の改革支持、アラブ連盟の決議拒否を訴える集会が開催されたと報じた。

しかしバッサーム・バグダーディー氏(一般市民)はフェイスブック(11月25日付)で、サブウ・バハラート広場でのアサド政権の改革支持の集会の参加者が限定的だったことを示す写真を公開した。

SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011

image7

SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011
SANA, November 25, 2011

反体制デモ

ヒムス県、イドリブ県、ダイル・ザウル県、ダマスカス郊外県などの複数の都市で、離反兵と軍・治安部隊が交戦する一方、金曜礼拝後に反体制デモが発生した。

シリア人権監視団によると、ヒムス県で3人、ダイル・ザウル県で1人、ダルアー県で1人、ダマスカス郊外県で1人、合計で6人の民間人が治安当局によって殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、サルミーン新、ハザーヌー町、タッフ市、タフタナーズ市で反体制デモが発生した。

またヒムスとの連帯を求めるザーウィヤ山、ハザーヌー町などでの夜間デモ(11月24日)の映像がYoutubeなどを通じて配信された。

しかしSANA(11月25日付)は、タフタナーズ市で武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、サーイル・アドナーン・イッズくん(13歳)が巻き添えとなり死亡したと報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市各地に治安部隊が展開し、デモ発生の阻止を試みたが、数千人がデモを行った。

複数の活動家によると、軍・治安部隊は県内各地で離反兵と交戦しているが、被害・犠牲は明らかでないという。

ヒムス市では24日晩から、バイヤーダ地区、バーブ・アムル地区、ハーリディーヤ地区、グータ地区などで夜間デモが行われていたという。

また離反兵と軍・治安部隊の激しい戦闘が発生していたラスタン市との連帯を求めるダイル・バアルバ市での夜間デモ(11月24日)の映像がYoutubeなどで配信された。

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ハマー県では、SANA(11月25日付)によると、ハマー市マルアブ地区で武装テロ集団が仕掛けた爆弾を撤去しようとした工科部隊の兵士2人が爆発に巻き込まれて死亡した。

また市内のマルアブ地区、クスール地区、アラマイン通りで武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発したが、死傷者はなかったという。

また、SANA(11月25日付)によると、ハマー市のアルバイーン地区で武装テロ集団の襲撃で治安維持部隊兵士多数が負傷した。

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海外の複数のメディアは反体制勢力筋の話として、ダマスカス県バルザ区で戦闘があったと報じたが、SANA(11月25日付)はこの報道を「根拠がない」と否定した。

しかしヒムスとの連帯を求めるジャウバル区での夜間デモ(11月24日)の映像がYoutubeなどで配信された。

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ハサカ県ではクルド民族主義政党、青年活動家らの呼びかけにより、ラアス・アイン、ダルバースィーヤ、アームーダーなどで反体制デモが行われた。

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なおフェイスブックでは反体制勢力が「自由軍が我々を保護する金曜日」と銘打って、反体制デモを呼びかけていた。

SNN, November 25, 2011
SNN, November 25, 2011
SNN, November 25, 2011
SNN, November 25, 2011
Kull-na Shurakā, November 25, 2011
Kull-na Shuraka, November 25, 2011

アサド政権の動き

アラビーヤ(11月25日付)は、シリアの警察治安当局による反体制活動家の摘発において「アワーイリー」と呼ばれる密告者が大きな役割を果たしていると報じた。image14

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『ミッリイェト』(11月25日付)は、シリア政府がイドリブ県のラスーリヤー村近くPKKの武装活動家のキャンプを建設している、と報じた。

同報道によると、この動きは、トルコ政府がシリア国民評議会の事務所をイスタンブールに開設することを認めたことへの報復だという。

反体制勢力の動き

反体制組織のアラブ社会民主主義バアス党(シリア国民民主連合加盟組織)は声明を出し、ヒムス県での反体制活動家への弾圧や軍・治安部隊と離反兵の交戦を受けるかたちで、宗派主義的内戦発生への懸念を表明した。

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シリア国民評議会のジャブル・シューフィー氏は『ハヤート』(11月25日付)に対して、アラブ連盟が即時に経済制裁を科すことを望んでいると述べた。

諸外国の動き

アラブ監視団派遣に関する議定書受諾の猶予期間が11月25日正午に終わったのを受け、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は対シリア経済制裁を審議するための経済社会会合を正式に召集した。

11月26日に開催される同会議にはトルコの経済大臣も出席する。また11月27日開催予定の外相会議にもトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣が出席し、対シリア経済制裁の協調をめざす。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、イスタンブールでのイタリア外相との会談後の記者会見で、シリアへの対応に関して、「我々には、アラブ連盟と合意に達した行程表」があると述べた。しかし行程表の内容には言及しなかった。

またヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣はとの記者会見後の会見では、「我々の優先事項はアラブ連盟のイニシアチブを成功させること」と述べ、シリアでの問題解決に向けた連盟のイニシアチブを「最後に示された新たなチャンス」だったと述べた。

一方、トルコの副首相は、CNN-Turk(11月25日付)に対して、「我々はシリアへの介入を強く拒否する」と述べた。

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ロシア外務省報道官は、「現段階において、必要なのは、決議、制裁、圧力ではなく、シリア人どうしの対話だ」とのコメントを発表した。

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国連拷問禁止委員会のクラウディオ・グロスマン委員長は声明を出し、シリアで幼児逮捕や暴行など大規模な人権侵害がなされているとの複数の報告書を受け取ったと非難した。

AFP, November 25, 2011、Akhbar al-Sharq, November 25, 2011, November 28, 2011、Alarabia.net, November 25, 2011、Facebook、al-Hayat, November 26, 2011、Kull-na Shuraka, November 25, 2011、November 26, 2011、Reuters, November 25, 2011、SANA, November 25, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

「武装集団」がタドムル・ヒムス間でアサド政権軍士官らに対する暗殺作戦を断行、アラブ連盟閣僚委員会が開催されシリアが求めていた議定書修正提案の却下を決定(2011年11月24日)

反体制勢力の動き

SANA(11月25日付)は、「武装テロ集団が暗殺作戦を断行し、パイロット6人、士官4人、空軍基地に勤務する士官クラスの技術者3人を殺害した」と報じた。

同報道によると、暗殺は「タドムル・ヒムス間」で24日午後に行われ、「このテロ作戦に複数の外国機関が関与し、勇敢な我らの武装部隊の戦闘能力を弱化させようとしていることを確認した」と断じた。

自由シリア軍もインターネットで声明を出し、ファールーク大隊が(24日)午後3時に、ヒムス・タドムル間のフルクルス町を走行中のタイムール空港の複数のパイロット士官が乗ったバスを攻撃し、その結果、アッラーのおかげで少なくともパイロット士官7人を殺害、そのなかには大佐1人、バスに登場していた軍曹2人、バスの運転手の曹長1人が含まれていると発表した。

しかしこの犯行声明をめぐっては情報が錯綜した。

すなわちヒムス県の活動家は「部族の武装集団」が攻撃を行ったと述べ、その後、自由シリア軍は犯行への関与を否定した。

なお同様の情報の錯綜は、ダマスカス県のバアス党支部への攻撃に関しても見られ、自由シリア軍は一度犯行声明を出したが、その後否定し、シリア政府がそのイメージを貶めようとして行った自作自演と非難した。

複数の活動家によると、自由シリア軍は、数千人がトルコに避難している一方、シリア国内で活動している離反兵もおり、必ずしも統率がとれた組織ではないという。

トルコ南部に潜伏する自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐は、AFP(11月24日付)の電話取材に応え、レバノンのヒズブッラーが反体制運動弾圧のために「傭兵」をシリアに派遣している、と断じた。

またアスアド大佐は、アサド政権の打倒を加速するため「戦略的標的」への外国軍の空爆を求めた。

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ヨルダンのアンムーン通信社(11月24日付)は、国内で反体制活動を指導してきた女性活動家のスハイル・アタースィー氏がヨルダンのシリア人避難民キャンプに非難したと報じた。

Akhbar al-Sharq, November 24, 2011
Akhbar al-Sharq, November 24, 2011

ジャマール・アタースィー民主的対話会議(市民社会運動体)の代表を務め、3月15日の内務省前での抗議行動(政治犯釈放を求める家族の座り込み)を主導したアタースィー氏は、治安当局の追跡を受け長らく国内に潜伏していたとされる。

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サウジアラビアの日刊紙『ワタン』(11月24日付)がフェイスブックから得た情報として、ヒムス市で殺害され、埋葬されたサウジアラビア人フサイン・ブン・バンダル・ブン・ハラフ・アンズィー氏の遺体が掘り出され、持ち去られたと報じた。

在ダマスカス・サウジアラビア大使館高官によると、フサイン氏の遺体は遺族に返還され、サウジアラビア国内で改めて埋葬されることになっていた。

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シリア救済委員会は声明を出し、アブドゥッラッザーク・イード政治局長、ウマル・ファールーク・ダンダシー執行部副議長、ウサーマ・マルーヒー顧問委員会委員長、アブドゥルガニー・ハマドゥー顧問委員会副委員長、ムスタファー・ハーニー・イドリース執行部長、アブドゥッラー・キナーン・ハーティム情報総合関係委員会委員長、ハリール・ミクダード革命委員会議長が、シリア国民評議会への参加を申請すると発表した。

アサド政権の動き

Kull-na Shurakā’, November 24, 2011
Kull-na Shuraka’, November 24, 2011

「アフバール・シャルク」(11月24日付)は、西側諸国の経済制裁により物資、とりわけ灯油不足が懸念されるなか、スイスに本社がある貿易会社AOTは海路でシリア国内に灯油を搬入し続けている、と報じた。

同社による灯油の搬入は、EUの経済制裁が人道目的での物資搬入を禁止していないために可能だという。

シリア国内の灯油不足は、とりわけ軍・治安部隊と離反兵との戦闘が激しいヒムス県において深刻である。その原因に関して、一部の専門家は、民間人弾圧に投入されている戦車、軍用車輌の燃料としているためだと指摘している。しかしアサド政権の支持者らは西側の経済制裁が灯油不足をもたらしていると非難している。

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ムハンマド・ニダール・シャッアール経済大臣は、AFP(11月24日付)の取材に対して、シリア経済が「決して容易でない危機である」と述べた。

シャッアール経済大臣はまた「我々の歴史において最悪の危機だと思う。なぜならそれは国民、商人や工場主、そして労働環境に直接及ぶからだ。万人が被害を被っている。これはまったく公正でない」と述べた。

さらに「もしこのような状況が続けば、事態は悲惨なものになる…。確実にシリア全体に害をもたらし、他のアラブ諸国にも波及するだろう」と述べた。

一方、アラブ連盟による対シリア経済制裁の可能性に関して、「一部の国が同意しないのはほぼ確実だ」と述べた。

そのうえで対応については、「自給自足、資源配分、生産、工場運営といった問題により活発に対処せねばならない」と述べた。

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SANA, November 24, 2011
SANA, November 24, 2011
SANA, November 24, 2011
SANA, November 24, 2011

 

SANA, November 24, 2011
SANA, November 24, 2011

ダマスカス県旧市街のバーブ・トゥーマ広場で、女性数千人がアラブ連盟の対シリア決議反対、アサド政権の改革支持を訴える集会を開いた。

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『クドス・アラビー』(11月24日付)は、いわゆる「危機管理チーム」議長を務めてきたバアス党シリア地域指導部のムハンマド・サイード・バヒーターン副書記長が議長職を解任され、代わってハサン・トゥルクマーニー副大統領補が後任に任命された、と報じた。

同チームは、政治、経済、外交、社会といった分野を専門とする大学教授らから構成されているという。

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インターネット紙『ハキーカ』(http://www.syriatruth.org、11月24日付)は、イマード・ムスタファー在米シリア大使の国内への異動に関して、アサド政権がワリード・ムアッリム外務大臣とブサイナ・シャアバーン大統領府情報顧問の政治的パフォーマンスやメディアでの活動に「激しいフラストレーション」を募らせていたことが背景にあると報じた。

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『トゥデーズ・ザマーン』(11月24日付)は、最近アサド大統領と会談した人々から意見聴取したロンドン在住の研究者(Ziya Meral)のレポートを掲載した。

同レポートによると、アサド大統領の発言は以下の4点を特徴としているという。

1. 米国政府はシリア政府高官に制裁を科すことで米国民を欺いているが、バラク・オバマ大統領をはじめ、同国政府高官は、アサド大統領が米国内に資産を持っていないことを知っている。
2. イスラエルはアサド政権の存続を望んでおり、アサド政権に対するいかなる強硬な動きも支持しない。
3. トルコの圧力は限定的で、AKPのパフォーマンスは世論向けに過ぎない。
4. アサド大統領はエジプトや湾岸諸国に不信感を抱いている。エジプトについては、中東の国と言うよりは北アフリカの国で実質的な影響力を持っていないとみなしている。サウジアラビアについては、過激派を延々と支援する最大の脅威だとみなしている。カタールについては、実質を伴わない野望を抱いているに過ぎないとみなしている。ヨルダンに関しては米国の操り人形に過ぎないとみなしている、という。

http://www.todayszaman.com/newsDetail_getNewsById.action?newsId=263835

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『クッルナー・シュラカー』(11月24日付)は、アサド政権の支持者は、ダマスカス県およびダマスカス郊外県でスンナ派との対決に備えて、アラウィー派が多く住む地域を支援するためのリスト作りを進めていると報じた。

同報道によると、バルザ区、アッシュ・ウルール地区、クドスィーヤー市、マッザ86地区などでは、アラウィー派に武器の配布が始まっているという。

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『クッルナー・シュラカー』(11月24日付)は、国営セクターで革命に同情的は職員350人以上が解雇されたと報じた。

アラブ連盟の動き

シリア情勢を審議するためのアラブ連盟閣僚委員会がカイロの連盟本部で開催され、アラブ監視団派遣などに関する議定書に対してシリア政府が求めていた修正提案を却下することを確認し、シリア政府に対して11月25日正午まで猶予を与え、それまでに同議定書を受諾するよう求めた。

また議定書に合意しなかった場合、連盟の経済社会会議を26日に招集し、シリアへの経済制裁を承認しすること、そして同会議の議事を27日に連盟閣僚会議で審議・承認することを決定した。

加えて、連盟外相会議は、シリア政府と反体制勢力に対して、連盟のイニシアチブに沿って国民対話会合を開き、過渡期を運営する挙行一致政府の樹立に関して合意するよう求めた。

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同決定の審議に際して、アルジェリアのムラード・マドリスィー外務大臣は対シリア制裁を支持する動きを緩和するよう求めたが、採決では賛成した。

イラクのホシャル・ゼバリ外務大臣は、アサド政権がアラブ監視団の派遣に合意しているが、連盟閣僚委員会での審議を踏まえて最終決定をする意向だと述べ、アサド政権を擁護、採決を棄権した。

レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は連盟外相会議が始まる前にレバノンに帰国し、同国の代表が代わりに出席、外相会議の決定を却下するとの意思を伝えた。

エジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣は、連盟のあらゆる決定においてコンセンサスが必要だと述べ、戦略物資であるガス(エジプトがシリアに輸出している)、食糧、医薬品を制裁対象から外すよう求めた。

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一方、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣は、リヤードでのGCC閣僚会合で、「シリアの危機解決のためにアラブ諸国が合意に達しなければ、問題は国際化し、国連に付託されるだろう…。我々は問題の国際化を望んでいない」と述べた。

反体制運動掃討

軍・治安部隊はヒムス県、イドリブ県各地で離反兵と交戦する一方、活動家弾圧を続け、1人が死亡、数十人が負傷した。

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ヒムス県ではラスタン市周辺の農地に軍の戦車、装甲車約50台が展開し、離反兵の拠点を攻撃した。シリア人権監視団によるとこれによって、離反兵2人が戦死、13人が負傷した。

シリア人権監視団によると、ヒムス市のバイヤーダ地区とカラム・ザイトゥーン地区で治安部隊が4人の「市民」を殺害した。

また同監視団は、フーラ地方で、軍・治安部隊と離反兵が交戦し、前者に11人がでたと発表した。

これに対して、SANA(11月24日付)は、タッルドゥー市で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、武装テロ集団メンバー3人を殺害、武器を押収したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ザーウィヤ山一帯のバーラ村、イフスィム村が軍・治安部隊の攻撃に曝された。

またイブリーン村、アブディーター村でも大きな爆発音が聞こえたという。

これに対して、SANA(11月24日付)は、マアッラト・ヌウマーン市で武装テロ集団が教員を暗殺未遂したと報じた。

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ダルアー県では、SANA(11月24日付)によると、当局がダルアー市郊外で武装テロ集団を追跡中に大量の武器を押収した。

諸外国の動き

Naharnet.com, November 24, 2011
Naharnet.com, November 24, 2011

SANA(11月24日付)は、ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカがシリア内政への外国の不干渉を改めて求めたと報じた。

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フランスのニコラ・サルコジ大統領はレバノンのサアド・ハリーリー前首相と会談し、シリアの体制は遅かれ早かれなくなるだろう、と述べた。

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フランス外務省のベルナール・ヴァレロ報道官は、レバノンのオレンジ・TV(11月24日付)の取材に対して、フランス治安機関が自由シリア軍を軍事教練するため、トルコとレバノンの国境地帯に派遣されたとの一部報道を「根拠がない」と否定した。

治安機関(外務治安総局)派遣は『ル・カナール』誌(11月23日付)が報じていた。

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レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は「レバノンの声」ラジオ(11月24日付)とのインタビューで、「レバノンはアラブ連盟が科すであろう対シリア制裁を承認しない」と明言した。

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『アフバール・ヤウム』(11月24日付)は、レバノンの3月14日勢力が、シリアでのアサド政権崩壊後にレバノンにおけるヒズブッラーの影響力排除をめざすための文書を準備していると報じた。

AFP, November 24, 2011、Akhbar al-Sharq, November 24, 2011、Akhbar al-Yawm, November 24, 2011、al-Hayat, November 25, 2011、al-Haqiqa, November 24, 2011、Kull-na Shuraka’, November 24, 2011, November 25, 2011、Naharnet.com, November 24, 2011、al-Quds al-Arabi, November 24, 2011、Reuters, November 24, 2011、SANA, November 24, 2011,
November 25, 2011、Todayszaman, November 24, 2011、al-Watan (Riyad), November 24, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

シリア国民評議会使節団が仏外務省と会談し「シリア国民の代表」としての支持を取り付ける、また同評議会議長は自由シリア軍への支持を明言(2011年11月23日)

反体制勢力の動き

シリア国民評議会の使節団(ブルハーン・ガルユーン理事長ら)はフランスのアラン・ジュペ外務大臣と会談した。

会談後、ジュペ外務大臣は、シリア国民評議会がイタリア、英国、ロシア、ベルギー各国政府の高官との会談を通じて、より広く(シリア国民の)代表しての資質を享有するようになった、と述べ、アサド政権が国際的孤立を深め、正統性をさらに失った場合、国際社会が同評議会をシリア国民の代表として承認するために努力すると述べた。

そのうえで「シリア国民評議会は我々がともに活動する法的基軸である」と述べ、最大限多くの反体制勢力を包摂する必要があるとの見方を示した。

また「人道回廊を我々は検討した。私は、次回のEU外相会合でこの問題を議題に含めるよう求める」と述べ、民間人を保護するための「人道回廊の設置」をめざす意向を示した。

これに対してガルユーン議長は、フランス政府に謝辞を述べるとともに、シリア国民評議会が自由シリア軍を支持すると明言し、民間人を保護するとともに、シリア軍を攻撃しないよう求めた。

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シリア国民評議会の使節団がスペインのトリニダード・ヒメネス外務大臣と会談した。

使節団はアフマド・ラマダーン氏(執行部メンバー、情報局長)、ウバイダ・ナッハース氏、バッサーム・アブドゥッラー、シャーディー・ハッシュ、イマード・ナッダーフ、ラーミー・ジャッラーフからなる。

会談で、外務大臣は、アサド大統領が退任する必要があると述べる一方、対話のチャンネルをアサド政権からシリア国民評議会に向けるとの意思を示した。

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シリア法律研究センターのアンワル・ブンニー弁護士はAFP(11月23日付)に対して、過去8ヵ月間で弁護士122人以上が逮捕されたと述べた。

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シリア反体制勢力統一国民イニシアチブの使節団が、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長と会談し、同イニシアチブが発表した文書(11月20日付)を手渡した。

使節団は以下の活動家から構成されていた。

サラーフ・バドルッディーン(クルド人)
ナウファル・マアルーフ・ダワーリービー
ワヒード・サクル
バヒーヤ・マールティーニー(クルド人)
ディヤー・ダグマシュ
ハーズィム・アルウール
アンマール・カルビー

アサド政権の動き

外務省のジハード・マクディスィー報道官は、国連総会第三委員会での対シリア非難決議に関して、「バランスを欠く」と非難した。

マクディスィー報道官は「現段階において、国際社会における軍事問題化でなく、仲介努力が必要であるにもかかわらず…、シリアに対する政治的キャンペーンがなされるなかで」決議が採決されたと述べた。

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ラッカ県ラッカ市で市民数千人がアサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴えるロウソク集会に参加した。

SANA, November 23, 2011
SANA, November 23, 2011

ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市でも市民数千人がアサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴える集会に参加した。

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地方自治省は、新地方自治法に従い、全国約700カ所に分館を新設した。

反体制運動掃討

ハマー県では、複数の活動家や住民によると、軍の機甲師団が離反兵の「物資供給ライン」と目されるガーブ渓谷のヒヤーリーン町を攻撃し、村人2人を殺害した。

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地元調整諸委員会は、タルトゥース県、ダルアー県、ハマー県、ダマスカス郊外県、ヒムス県の各地で、軍・治安部隊が大規模な逮捕・掃討作戦を行い、激しい銃撃、爆発が発生、複数が殺害、逮捕されたと発表した。

またシリア人権監視団も数十人が死亡したと発表した。

だがこれらの反体制組織が発表した死者数は過去数日間の死者数の累計であり、実際の死者数はより少ないものと思われる。

諸外国の動き

ロシア連邦会議国際問題委員会のミハイル・マルゲロフ委員長は「安保理での(対シリア制裁決議案に対する)ロシアの拒否権発動は、国際社会においてバッシャール・アサド大統領がその法的な地位を維持させるための最後の手段だった」と述べた。

そのうえでマルゲロフ委員長は「シリア大統領は(ロシアの)この姿勢が一つの意味を持っていることを理解せねばならない。改革、暴力停止、自由選挙の実施という意味を。これをシリア政府はただちに行わねばならない」とアサド政権に警告した。

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英国のデヴィッド・キャメロン首相は、ロンドンでトルコのアブドゥッラー・ギュル大統領と会談後、記者団に対して「シリアをめぐって有意義な会談を行った。同地では大規模な内戦の可能性が実際にある」と述べ、アサド政権への圧力強化と反体制勢力支持が必要だとの立場を示した。

ギュル大統領はウィルトン・パーク会議場で、アサド大統領が「民主的移行を指導し得るよう陰に陽に努力してきた」としたうえで、「にもかかわらず、バアス体制は国民に対して暴力と弾圧を加え続けている…。残念ながら、シリアは戻れない場所に来てしまった」と批判した。

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アルジェリアのムラード・マドリスィー外務大臣はアラブ連盟のイニシアチブを改めて評価したうえで、シリア政府に対して同イニシアチブを遵守し危機打開を試みるよう呼びかけた。

AFP, November 23, 2011、Akhbar al-Sharq, November 23, 2011, November 24, 2011、al-Hayat, November 24, 2011、Kull-na Shuraka’, November 23, 2011、Reuters, November 23, 2011、SANA, November 23, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

国連総会第三委員会が112カ国の賛成のもと「シリア政府の人権侵害」を非難する決議を承認、クウェート外務次官が「湾岸諸国がシリアの反体制勢力に資金と武器を援助している」との言説を否定(2011年11月22日)

国連の動き

国連総会第三委員会は112カ国の賛成で、シリア政府の人権侵害を非難する決議を承認し、民間人に対する体系的且つ身体的な侵害の停止」、アラブ連盟のワーキングペーパーの即時実施を求めるとともに、「アラブ連盟が要請した場合、連盟監視使節団の派遣を支援するよう国連事務総長に」要請した。

同決議には、サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーン、モロッコ、ヨルダン、エジプトが賛成したが、レバノン、アルジェリア、イエメンが棄権、イラク、ジブチが欠席し、シリアへの関与のありかたをめぐるアラブ諸国内の意見の不一致が改めて明らかとなった。

またイラン、ラ米・アフリカ諸国13カ国が反対し、ロシア、中国など41カ国が棄権した。

これに先立ち、シリアは採決の中止を求めたが、賛成20カ国、反対118カ国、棄権29カ国で否決されていた。

同決議を支持した西側諸国は、安保理での審議の「青信号」と認識しているが、『ハヤート』(11月23日付)によると、サウジアラビアのアブドゥッラー・ムアッリム国連代表は、「安保理での審議はアラブの決定を待たねばならない」と述べたという。

アサド政権の動き

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、国連総会第3委員会でのシリア非難決議採択に関して、「この決議案は、我が国に対する政治的、情報的、そして外交的な戦争を布告するという枠組みのもとに提出された」と述べ、厳しく非難した。

ジャアファリー国連代表はまた「政治的決定を下そうとする我々の独立性を脅かし、我々が国民的な政治プログラムを前進させることを阻止する宣戦布告だ」と述べた。

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SANA, November 22, 2011
SANA, November 22, 2011
SANA, November 22, 2011
SANA, November 22, 2011

ラタキア県ラタキア市、タルトゥース県タルトゥース市、ダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町、ダマスカス県バーブ・トゥーマ、でアサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴える大規模な集会が開かれ、多数の市民が参加した。

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アサド大統領に近い消息筋によると、大統領はイマード・ムスタファー在米大使を含む複数の大使を外務省付に異動とした。『クッルナー・シュラカー』(11月22日付)が報じた。

同報道によると、外務省付となった大使は以下の通り。

イマード・ムスタファー在米大使
マージド・シュドゥード在セルビア大使
ハラフ・ジャッラード在中国大使
ファールーク・ターハー在ベラルーシ大使

またムスタファー在米大使の後任は、ブサイナ・シャアバーン大統領府情報顧問が最有力視されている。

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AFP(11月22日付)は、西側諸国の制裁や、近く発動が予想されるアラブ連盟やトルコの制裁に関して、シリアの高官がいかに対処しようとしているかを報じた。

同報道によるとこの高官(匿名)は「我々は過去数年にわたる制裁で我々が置かれている厳しい状態にいかに対処するかを知っている…。ロシアは我々の政治的砦であり、イラク、レバノン、そしてイランは我々にとって「経済的な酸素」だ」と述べたという。

2009年のシリア公式統計によると、シリアは輸出の52.5%、輸入の16.4%をアラブ諸国に依存している。

主な輸出先は、イラク(31.4%)、レバノン(12.7%)、ドイツ(9.2%)、サウジアラビア(5.2%)。

一方主な輸入先は、中国(10.8%)、サウジアラビア(10.1%)、トルコ(7%)、UAE(5%)、レバノン(4.1%)、エジプト(4.1%)となっている。

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『ル・フィガロ』(11月22日付)はアサド大統領がドバイに60,000,000ドル相当の不動産(土地)購入したと報じた。

同報道によると、この不動産取得は退任後の住居を確保するためだという。

反体制勢力の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア革命支援国民委員会の使節団とカイロの連盟本部で会談した。

使節団は、タラール・ムハンマド・タルカーウィー氏を団長とし、シリア・クルド国民会議のアブドゥルハミード・ダルウィーシュ議長らが参加した。

このうちシリア・クルド国民会議の代表はアラビー事務総長に書簡を手渡し、シリアのクルド人がシリアの反体制勢力の主要な一部分を構成していることを強調した。

シリア・クルド国民会議の代表の一人、カーミーラーン・ハーッジ・アブドゥー氏や『ハヤート』(11月23日付)に対して、同会議がクルド民族主義政党10党や無所属活動家らを代表していると述べるとともに、反体制勢力のヴィジョンの統一をめぐっては、さまざまな反体制勢力の「同盟」が好ましいと述べ、反体制勢力が「統合された一つの政党」に発展解消することに継承をならした。

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キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は、シリア国民評議会の使節団(ブルハーン・ガルユーン事務局長ら)と会談した。

アシュトン上級代表は反体制勢力統一の努力を評価したという。

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シリア国民評議会は、11月21日のロンドンでのウィリアム・ヘイグ英外務大臣と使節団との会談で、ブルハーン・ガルユーン事務局長が英国側に、自由シリア軍の軍事活動を停止させるためトルコ当局に要請するよう求めたとの一部報道が「まったく根拠がない」と否定した。

反体制勢力掃討

シリア革命総合委員会は、治安部隊の弾圧によって、ヒムス県、イドリブ県、ハマー県各地で21人が殺害されたと発表した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、フーラ地方のカフルラーハー市とタッルドゥー市間で治安部隊が市民に発砲し、10代の子供4人が殺害された。

また同監視団によると、タルビーサで治安部隊の発砲により1人が殺害され、クサイル市では離反兵1人が殺害された。

ヒムス市では、同監視団によると、ハーリディーヤ地区で治安部隊が発砲した。

他方、ダイル・バアルバ市では、同監視団によると、1人が殺害された。

一方、SANA(11月22日付)は、ヒムス県ダイル・バアルバ市およびヒムス市アウラース地区で指名手配中の武装テロ集団メンバー14人を、ラスタン市およびタルビーサ市で5人を、タッルカラフ市で9人を逮捕したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、3人が治安部隊に殺害された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、1人が治安部隊に殺害された。

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ダルアー県では、SANA(11月22日付)によると、ダルアー市郊外で多数の武装テロ集団メンバーが逮捕された。

イスラエルの動き

『ハヤート』(11月22日付)は、シリア国内での反体制勢力の武装化を受け、同国の混乱の波及に関するさまざまなシナリオを想定し、対応準備を進めていると報じた。

同報道によると、イスラエル国防軍は西岸でのパレスチナ人の入植地への流入に対処するための訓練を受けてきた軍部隊を占領中のゴラン高原に派遣したという。

諸外国の動き

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在ダマスカスのサウジアラビア大使館は、11月20日(月曜日)にヒムス県でサウジ人のフサイン・ブン・バンダル・ブン・ハラフ・アンズィー氏が殺害されたことを確認した。

サウジ国営通信(11月22日付)は、サウジ大使館高官が「強い懸念」を表明するとともに、「目に余る暴行」に関する曖昧な点を調査するようシリア政府に求めた。

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ヒムス市近郊でのバス襲撃事件を受け、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、「お前は死ぬまで戦っていると言っているが、どうしてゴラン高原で死ぬまで戦わないんだ」とアサド大統領を非難した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は訪問中のクウェートで、「私は軍事干渉する意思はない。何よりもまず、シリア国民評議会が平和的活動を望んでおり、またアラブ諸国がこうした介入を要請していないからだ」と述べた。

フランス外務省報道官は、フランス大使を近くシリアに帰国させると発表した。

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米国は、現在米国滞在中のロバート・フォード駐シリア米大使のシリアへの帰国を治安上の理由で延期すると発表した。ビクトリア・ヌーランド米国務省報道官が発表した。

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AKI(11月22日付)は、アラブ連盟消息筋の話として、連盟が近くシリアに対する制裁を発動する準備を進めるなか、シリア情勢をめぐる安保理での審議を時期尚早とみなしていると報じた。

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ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣は、ヨルダン・テレビ(11月22日付)のインタビューで、シリアからの避難民に関して、「おそらく数十から数百人が正式なルートで民間人としてヨルダンに入国している。彼らは軍人ではない」と述べ、離反兵が自国に逃走・潜伏しているとの一部見方を否定した。

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クウェート外務省のハーリド・ジャールッラー次官は、湾岸諸国がシリアの反体制勢力に資金と武器を援助しているとのユースフ・アフマド連盟シリア代表の発言を否定した。

AFP, November 22, 2011、AKI, November 22, 2011、Akhbar al-Sharq, November 22, 2011、al-Hayat, November 22, 2011, November 23, 2011、Kull-na Shuraka’, November 22, 2011、Le Figaro, November 22, 2011、Reuters, November 22, 2011、SANA, November 22, 2011などをもとに作成。

 

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露外相いわく西側諸国のシリア情勢への対応は「世界レベルの政治的挑発」、またサウジアラビア内閣がアサド政権に対しアラブ連盟ワーキングペーパーの完全実施を再度呼びかける(2011年11月21日)

アサド政権の動き

ダマスカス郊外県ドゥーマー裁判所の第一検事は、反体制活動家のマージド・サーリフ氏(9月14日逮捕)の釈放を決定した。

反体制勢力の動き

『クッルナー・シュラカー』(11月21日付)は、ダマスカスの複数の外交筋の話として、ダマスカス県のイーマーン・モスクに隣接するバアス党支部への襲撃を実行したのが、空軍情報部のクサイ・マイフーブ大佐だと報じた。

同報道によると、離反兵はダマスカス県内のロシア大使館、政治治安部ファイハー支部、ファイハー・スタジアム内のナーディー・バラダーなどへの攻撃を計画している、という

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シリア・ムスリム同胞団が声明を出し、アサド政権がアラブ連盟のイニシアチブを拒否していると非難し、国連安保理に民間人保護を保障する措置を講じるよう求めた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長、ウサーマ・ムナッジド氏、ニブラース・ファーディル氏、国民民主変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア氏、ハラフ・ダーウド氏、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長と会談した。

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シリア国民評議会のバスマ・カドマーニー報道官は、来週初めにカイロのアラブ連盟本部で、反体制勢力代表による拡大会合を行うと発表した。

反体制運動掃討

シリア革命総合委員会は複数の都市で14人が殺害されたと発表した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バイヤーダ地区で治安部隊の発砲により市民2人が殺害されたと発表した。同監視団によると、ヒムス市ではライフラインが依然として遮断されたままだという。

これに対してSANA(11月21日付)は、ヒムス市バイヤーダ地区で治安維持部隊が武装テロ集団メンバー4人を殺害し、そのなかには「同市の住民を脅迫してきた武装テロ集団の指名手配者リストの筆頭」に記載されてきた「ハーリド・ラージフ、通称バンダル」が含まれていると報じた。

またシリア人権監視団によると、クサイル市では治安部隊の発砲により2人が殺害された。

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ハマー県では、SANA(11月21日付)によると、ガーブ地方裁判所のブラーヒーム・ムハンマド検事長とカルア治安裁判所のイマード・ムハンマド裁判長が武装テロ集団によって誘拐未遂にあった。

シリア人権監視団によると、カルナーズ、ラターミナ、カフルヌブーダに軍・治安部隊が多数展開したという。

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イドリブ県では、SANA(11月21日付)によると、当局がマアッラ・ニウマーンでワーディー・ダイフの倉庫を襲撃しようとした武装テロ集団を逮捕した。

シリア人権監視団によると、イフスィム村で数千発の銃声が聞こえたという。

諸外国の動き

ロシアの複数の報道機関が伝えたところによると、セルゲイ・ラブロフ外務大臣は、西側諸国のシリア情勢への対応が「世界レベルで政治的挑発を行っているかのようである」と批判した。

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サウジアラビア内閣は閣議でアサド政権に対してアラブ連盟のワーキングペーパーの完全実施を改めて呼びかけた。

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サウジアラビア日刊紙『イクティサーディー』(11月21日付)は、アラブ連盟が近く、旅行、銀行送金、アラブ諸国内の資産凍結、プロジェクト中止、通称、アラブ自由通称地域における資格停止などといった経済制裁をシリアに対して科すだろうと報じた。

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トルコの複数の報道機関によると、メッカでの巡礼を終えて帰国しようとしていたトルコ人巡礼者を乗せたバスがヒムス市近くで襲撃され、トルコ人運転手1人と巡礼者1人が負傷したと報じた。

CNN-Turk(11月21日付)によると、このバスは道を間違ってヒムス市に近づき、襲撃を受けたのち、シリア軍が制止したという。

ドーアン通信(11月21日付)は複数の乗客の証言として、シリア軍兵士8人が検問所まで戻るよう指示したと報じた。また乗客の一人によると、兵士たちが無差別に発砲したという。

この事件を受けるかたちで、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、「限られた期間しか戦車や迫撃砲で支配を維持することはできない」と述べ、アサド大統領に呼びかけるかのように、「お前も去る日がくるだろう」と厳しく非難した。

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レバノンのアマル運動とヒズブッラーは共同声明を出し、「国際的な陰謀」と「脅迫」に対抗するシリアとイランを支持するとの姿勢を改めて示した。

AFP, November 21, 2011、Akhbar al-Sharq, November 21, 2011, November 23, 2011、al-Hayat, November 22, 2011、al-Iqtisadi, November 21, 2011、Kull-na Shuraka’, November 21, 2011、Naharnet.com, November 21, 2011、Reuters, November 21, 2011などをもとに作成。

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自由シリア軍がダマスカス県内のバアス党支部に迫撃砲攻撃を行うなか、アサド政権が発した2011年政令第108号により国民情報会議が正式に発足(2011年11月20日)

反体制勢力の動き

ダマスカス県のイーマーン・モスクに隣接するバアス党支部に対して夜明け前に、自由シリア軍が迫撃砲で攻撃を加えた。

複数の住民によると、少なくとも迫撃砲2発が施設に撃ち込まれ、施設内にいた1名が負傷した。

目撃者の一人によると、「治安機関がある地区を閉鎖した。しかし建物から煙があがり、消防車が建物の周りに来ていた…。攻撃は夜明け前になされたが、建物はほぼ無人だった。政府への警告メッセージのようだった」という。

BBC(11月21日付)は、1台の自動車が同施設前を通過中に、施設の5階に向かって迫撃砲2発を発車したと報じた。

攻撃後に自由シリア軍が犯行声明を出した。同声明によると、政治犯釈放を拒否したことへの報復だという。

一方、『クッルナー・シュラカー』(11月20日付)は、ダマスカス県のイーマーン・モスクに隣接するバアス党支部に加えて、マイサート地区のウマイヤ病院に隣接する民族治安局が反体制武装集団の攻撃を受けたと報じた。

しかしこの攻撃に関して、自由シリア軍は犯行声明は出さず、また上記の声明においても指摘しなかった。

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トルコ南部で反体制武装闘争を指揮する自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐はジャズィーラ(11月20日付)の取材に対して、「一発の銃弾も密輸入していない…一発も…私はそう断言する。トルコからシリア領には1発の銃弾も入っていない」と述べ、トルコから軍事支援を受けているとの一部指摘を否定した。

またアスアド大佐は同武装組織が飛行禁止区域設置以外のいかなる外国の軍事介入も望まないと述べた。

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国外で活動するシリア革命総合委員会は、アラブ連盟のアラビー事務総長に、シリア・トルコ国境に緩衝地帯を設置するよう求める書簡を提出した。

書簡は同委員会のムハンマド・イッズッディーン氏が手渡した。

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地元調整諸委員会は声明を出し、空軍情報部がハラスター市で4ヵ月の新生児を誘拐し、指名手配中の父親に投降を求めていると非難した。

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占領地ゴラン高原のシリア人住民が声明を出し、シリア政府に対するアラブ連盟の強硬な姿勢を支持した。

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ヒムス市のスンナ派およびアラウィー派の宗教関係者が連名で「ヒムス・ウラマー声明」を出し、殺戮や誘拐の停止を呼びかけた。

反体制勢力と親体制勢力の衝突

エジプトの首都カイロにあるアラブ連盟本部前でアサド政権を支持するデモ参加者と反体制活動家が衝突した。

SANA, November 20, 2011
SANA, November 20, 2011

複数の反体制活動家によると、アサド政権を支持するデモはズハイル・アブドゥルカリーム氏(芸術家)とアブドゥルカリーム・フワンダ氏(大使館文化担当官)が中心となって組織したもので、反体制活動家が座り込みを行うテントの排除を試み、テントを焼き討ちにしようとしていた、という。

しかしSANA(11月20日付)は、アラブ連盟による対シリア決議や内政干渉を拒否するシリア国民の意思を伝えるべくカイロを訪問したシリア人使節団数十人が「国外の反体制活動家」に襲撃された、と報じた。

なお『クッルナー・シュラカー』(11月20日付)は、彼らがラーミー・マフルーフ氏から資金援助を受けていると断じた。

アサド政権の動き

英国の『サンデー・タイムズ』(11月20日付)はバッシャール・アサド大統領への単独インタビューを行った。

同記事におけるアサド大統領の主な発言は以下の通り。

「ほかのシリア人と同様に、私は我が国の国民の流血を目の当たりにして、もちろん痛みと悲しみを感じた…。しかし大統領としての私の役割は、言葉や悲しみではなく、行動だ。私の役割とは、さらなる流血を防ぐためにとるべき措置を考えることだ」。

「唯一の方法とは、武装した者たちを探し出し、武装集団を追い詰め、隣国からの武器の流入を阻止し、破壊活動を防ぎ、法律や秩序を執行することだ」。

「人間は時計を逆戻りさせることはできないが、この問題(女性や子供が殺害されている事態)に関して賢明に行動することはできる…。大統領としての私の役割は、一部の地域で生じている武装テロ行為によってもたらされるこの流血をいかに止めるかを知ることにある」。

「父親として当然、彼ら(子供を失った遺族)に同情している…。私は民間人と軍人双方の犠牲者遺族に多数面談し、彼らと席をともにして話をした」。

「闘いは続く。シリアを従属させようとする圧力も続くだろう…。しかし私はシリアが屈せず、圧力に抵抗し続けるとあなたに断言する」。

「8ヵ月を経て、我々に明らかになったのは…、問題が平和的デモに関するものではなく、武装行為に関するものだということだ」。

「我々は新たな議会を持つことになる。そしてその後に新たな内閣を持つことになる。そして我々は新たな憲法を持つことになる。この憲法が、新たな大統領をどのように選ぶかという基礎を定めるだろう」。

(自分の子供が大統領になることを望むかとの問いに対して)「私は子供たちにシリアのあらゆる階層の人々と関わるよう忠告している。そうすることで、彼らが成長したとき個人としての拡がりが出るからだ…。子供たちの将来など誰も決められない…。彼らの未来は私でなく、彼らが決めねばならない」。

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SANA, November 20, 2011
SANA, November 20, 2011
SANA, November 20, 2011
SANA, November 20, 2011
SANA, November 20, 2011
SANA, November 20, 2011

ダマスカス県のヒジャーズ駅前、ユースフ・アズム広場、外務省前などでアサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴える大規模な集会が開催された。

スワイダー県スワイダー市でも県庁前でアサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴える大規模な集会が開催された。

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アサド大統領は、情報法の規定に基づき、2011年政令第108号を発し、国民情報会議を正式に発足した。

会議は以下のメンバーから構成されている。

ターリブ・カーディー(議長)
フアード・アブドゥルマジード・バラート(副議長)
アーディル・ヤーズジー
ナーディヤー・ハウスィト
ハサン・ムハンマド・ユースフ
ナーズィム・バッサース
ムハンマド・クッジャ
フアード・シュルバジー
アブドゥルファッターフ・アウド

同会議は、アサド政権が進める改革の一環として情報部門の整備を推進する。

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SANA(11月20日付)は、政党問題委員会がムハンマド・シャッアール内務大臣によって開催され、政党法に基づき提出された政党申請についての審議を行ったと報じた。

同報道によると、審議の結果、シリア民主党、団結党の二党が公認された。

反体制勢力掃討

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タフタナーズ市で軍・治安部隊の戦車、兵員輸送車数十用が侵入し、市民2人を殺害した。

また同監視団によると、マアッラト・ニウマーン地方のマアッルシャムサ村、ワーディー・ダイフ地方でも軍・治安部隊が展開し、激しい発砲を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市で軍・治安部隊が発砲し、2人が殺害された。

また同監視団によると、ヒムス市内の複数の地区でも軍・治安部隊が発砲した。一方、ハムラー地区では数千人が反体制デモを行ったという。

しかし、SANA(11月20日付)は当局が武装テロ集団メンバー58人を逮捕したと報じた。またカフル・アーヤー村で密輸されようとしていた灯油3,000リットルを押収したと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市に兵員輸送車輌十数台が侵入し、逮捕・追跡作戦を展開し、15人を逮捕した。

しかしSANA(11月20日付)は、ハラスター市およびドゥーマー市で、当局が武装テロ集団5人を逮捕し、2人を殺害したと報じた。

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シリア・クルド国民評議会執行委員会メンバーでシリア・クルド人権一般的自由擁護機構(DAD)代表の反体制活動家ムスタファー・ウースー氏が逮捕された。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟は声明を出し、シリアへの使節団派遣に関するシリア政府の修正提案を拒否することを表明した。

シリア危機に関する閣僚委員会メンバーとナビール・アラビー事務総長の会合後に発表された声明は、「シリア側が議定書に関して提案した修正と追加は、文書の本質に抵触し、シリアの危機解決と民間人保護拡充を目的とするアラブ連盟の計画を実行しようとする使節団の任務の本質を変更する」とし、修正提案を却下した。

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複数の外交筋が『ハヤート』(11月21日付)に述べたところによると修正提案は15項目からなっていた。

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連盟による修正提案拒否を受け、ワリード・ムアッリム外務大臣は記者会見を開き、この決定を強く非難した。

ムアッリム外務大臣は「議定書は、シリアの国家としての役割を完全に無視している。シリアはこの使節団の安全に責任がある一方、使節団はシリアとの調整を無視しようとしている。この国(シリア)は、使節団との調整なしに存在している。使節団がどうやって行きたい場所に行くというのか?我々は、「行きたいところに行きなさい、しかし我々に安全を守る人材を送れるよう連絡しなさい」と言っているだけだ」と述べた。

またムアッリム外務大臣は、米国やトルコが「シリアを内戦へと追いやろうとしている」と批判した。

諸外国の動き

カナダのハリファックスで開かれた国際安全保障会議に出席したイスラエルのエフード・バラク国防大臣は、シリア情勢に関して、「この体制を終わりへと導く兆候が加速的に現れている」と指摘したうえで、アサド政権が「戻れない地点まで来てしまっている。自らの権威や正統性を回復し得る余地はない…。私にとって明らかなのは、数週間前にカッザーフィーの身に起きたこと、そしてその前にサッダーム・フセインに起きたことが彼に今置きようとしているということだ」と述べた。

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トルコのアブドゥッラー・ギュル大統領は『サンデー・テレグラフ』(11月20日付)に対して、「専制的体制、一党体制はいる場所は地中海岸にはもはやない」と述べた。

またギュル大統領は訪問中の英国で『ガーディアン』(11月20日付)のインタビューに応え、「シリアは今や袋小路に入ってしまった。それゆえ変革は必然だ」と述べつつ、「平和的な方法による変革が外国の介入を通じて実現するとは思わない。国民が変革を実行せねばならない…。内戦は誰も望んでいない」と述べた。

他方ロイター通信(11月20日付)によると、トルコ政府がシリアの民間人補語のための飛行禁止空域と緩衝地帯の設定を検討している、とトルコ各紙(11月20日付)が報じた。

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イスラーム諸国会議機構のエクメレッディン・イフサン・オグル事務局長は、ドーハで『ハヤート』(11月21日付)に対して、「問題を国際化する前に、シリア国内で問題解決がなされねばならない」と述べ、シリアの問題が国際化することへの危機感を表明するとともに、アサド政権に暴力の停止を求めた。

AFP, November 20, 2011、Akhbar al-Sharq, November 20, 2011, November 22, 2011、BBC, November 20 ,2011、The Guardian, November 20, 2011、al-Hayat, November 21, 2011、Kull-na Shuraka‘, November 20, 2011、Reuters, November 20, 2011、SANA, November 20, 2011、The Sunday Times, November 20, 2011などをもとに作成。

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シリア国民評議会に属さない在外の活動家らが「反体制勢力統一のためのイニシアチブ」を立ち上げる、またその立ち上げメンバーが反体制勢力分裂の責任を負っているとしてシリア国民評議会を非難(2011年11月19日)

反体制勢力の動き

カイロで反体制勢力の統合をめぐって2日にわたって協議を続けてきたシリア国民評議会に属さない在外の活動家、サーディク・ジャラール・アズム(思想家)、アブドゥッラッザーク・イード(ダマスカス国民変革宣言在外代表)、アンマール・カルビー(シリア人権機構代表)らは、カイロで反体制勢力統一のためのイニシアチブを立ち上げた。

同イニシアチブは、彼らが出した声明によると、「シリア国民の要求を表現する単一・共同ビジョンの欠如、シリア人と国際社会の信頼を得るような単一の反体制勢力の主体の欠如」といった事態を受けた動きだという。

また同イニシアチブは、「バッシャール・アサドを頂点とする体制の完全な打倒、国際社会による民間人保護、飛行禁止区域などを通じた安全地帯の創出、国際社会による体制の正統性剥奪と孤立化、人権侵害の安保理、国際刑事裁判所への提訴・起訴、自由シリア軍と離反兵の支援…、体制打倒を加速させるためのアラブ・国際機関との協力」を求めた。

同イニシアチブは、26人のメンバーからなる連絡委員会を設置し、「さまざまな勢力と連絡…調整を行い、国民的大義に資する共通ビジョン、統一母体の確立」をめざす。

協議会に参加した中道党のムハンマド・アリー・ハラフ書記長は『ハヤート』(11月20日付)に対して、シリア国民評議会が反体制勢力分裂の責任を負っていると非難し、同評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長に対して「国民的責任をとり、カイロで直ちにすべての勢力との包括的・総合的会合をただちに開き、行き過ぎと疎外をやめ、評議会の組織を修正・拡大することですべてのシリア人に参加の余地を与え、国内の調整諸委員会を含んだかたちで修正拡大国民評議会として反体制勢力を統合する」よう求めた。

ハラフ書記長はまたシリア国民評議会の構成が「シリア・ムスリム同胞団とダマスカス民主変革宣言の間で配分され、若干のマイノリティが移植」されていると非難、「独占と不正に満ちた配分」と酷評した。

なお「シリア反体制勢力統一国民イニシアチブ」と名づけられたこの運動の声明は11月20日付で公開された。http://all4syria.info/web/archives/37940

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シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官は声明を出し、「シリア国民が西側ではなくトルコの軍事的介入を受け入れるだろう」とのムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者の発言(17日)が「個人的見解であり同胞団の組織とは関係ない」と釈明した。

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シリア法律研究センターのアンワル・ブンニー弁護士は、AKI(11月19日付)に対して、アサド政権によるアラブ監視団派遣議定書への修正要求が「陰謀でアラブの要求への拒否」と非難した。

反体制運動掃討

民間人と離反兵15人、空軍情報部兵士4人が殺害された。

SANA, November 19, 2011
SANA, November 19, 2011

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ヒムス県では、ロンドンで活動するシリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、ヒムス・サラミーヤ街道沿いのムフターラ村近くで空軍情報部の車が離反兵の襲撃を受け、情報部兵士4人が殺害された。

クサイル市では離反兵と軍・治安部隊が交戦し、市民2人、離反兵2人が死亡した。

ヒムス市では治安部隊の狙撃で1人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カフルタハーリーム村に治安部隊が突入し、民間人7人が殺害された。

これに対し、SANA(11月19日付)は、関係当局が、ザーウィヤ山に近いカフルナブル市やカフルルーマー村などで、140人以上の指名手配者を逮捕したと報じた。

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ハマー県では、シリア人権監視団、地元調整諸委員会によると、ハラファーヤー市、シャイザル町などで軍・治安部隊による逮捕・追跡活動が行われた。

アサド政権の動き

SANA, November 19, 2011
SANA, November 19, 2011

マナール(11月19日付)は、非公式筋の話として、シリア軍が「幻想破壊」作戦の名のもとに対トルコ国境地帯全体(幅20キロ)に展開し、軍の許可のない往来を禁じる動きに出たと報じた。

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SANA(11月19日付)は、ラタキア県ジャブラ市でアサド政権の改革支持、外国の干渉反対を訴える市民数千人がデモ行進を行ったと報じた。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、事務局でアラブ監視団派遣に関する議定書に対してシリアが求めた修正提案について審議した。

連盟高官は「問題は猶予の問題ではなく、より複雑である」と述べ、修正提案に関してアラブ諸国の意見の相違があることを示唆した。

修正提案には、人権組織メンバーの参加拒否、監視団へのシリア使節団の随行、訪問先の病院・刑務所の制限、軍・治安機関施設への立ち入り拒否、「破壊分子」との積極禁止、などが盛り込まれており、アラビーヤ(11月19日付)によると、それは18項目からなる、という。

イスラエルの動き

48年パレスチナ人(イスラエル国籍を持つパレスチナ人)およびパレスチナ人数十人が西エルサレムにある米領事館前でアサド大統領を支持するデモを行った。

アサド大統領の写真を掲げたデモ参加者は、「アラブ性の砦シリアに対する帝国主義と陰謀よ、倒れろ」、「シリアから手を離せ」などといったシュプレヒコールを上げた。

イスラエル警察・治安部隊は領事館周辺に展開したが、デモを強制排除しなかった。

SANA, November 19, 2011
SANA, November 19, 2011

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SANA(11月19日付)は、イスラエル占領下のゴラン高原にあるブクアーター村で「アラブ連盟の決定反対、レジスタンスのシリア支持」と題した集会が開かれ、地元シリア・アラブ人住民が出席したと報じた。

同集会ではギリシャ正教会のアターッラー・ハンナー大司教(エルサレム司教区)などが出席した。

レバノンの動き

レバノンの自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、欧州のカトリック教徒使節団と会談した。

会談でアウン氏は、「現地での事実と異なったレポートをする世界のメディアの報道に対応することは重要なことだ」と述べ、ジャズィーラなどの扇動放送を批判した。

そのうえで、「シリアにおける戦争が進行中だ。なぜならこの戦争の背後にある真の動機は改革要求ではないからだ」と述べ、シリアの地域における弱体化をねらった動きを牽制した。

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レバノンのフアード・スィニューラ元首相は『シャルク・アウサト』(11月19日付)に対して、「もしわたしがナジーブ・ミーカーティー首相だったら、私はアラブ連盟外相会議で(対シリア決議に関する)投票で棄権していただろう」と述べた。

 

SANA, November 19, 2011
SANA, November 19, 2011

ヨルダンの動き

ヨルダン政府は、アラブ連盟の監視団派遣が決定した場合、監視員を派遣する用意があると発表した。

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ヨルダン・ムスリム同胞団のハマーム・サイード最高監督者は、「流血を停止」するためなら、同胞団がシリアへのアラブ軍の派遣を支持する、と述べた。

AFP, November 19, 2011、AKI, November 19, 2011、Akhbar al-Sharq, November 19, 2011、Alarabia.com, November 19, 2011、al-Hayat, November 20, 2011、Kull-na Shuraka’, November 19, 2011, November 20, 2011、al-Manar,
November 19, 2011、Naharnet.com, November 19, 2011、Reuters, November 19,
2011、al-Sharq al-Awsat, November 19, 2011などをもとに作成。

 

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アサド政権を支持する市民らが危機発生以来初めて金曜日に各地で大規模な集会を断行する、トルコ外相が離反兵による武力攻撃を黙認するような発言(2011年11月18日)

アサド政権支持集会と反体制デモの発生

バッシャール・アサド政権を支持する市民が、3月の危機以降初めて反体制勢力がデモを行う金曜日に各地で大規模な集会を断行し、アサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴えた。

一方、反体制勢力も複数の都市で金曜礼拝後にアサド政権打倒を求めるデモを行い、数千人が参加した。しかし、SNN(11月18日付)がフェイスブックなどで公開した映像を見ると、参加者の少なさが目立った。

なおこれに先だって、フェイスブックなどでは「大使追放の金曜日」と銘打ってデモが呼びかけられていた。

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ダルアー県では、シリア革命調整諸委員会によると、デモに参加した市民8人が治安機関の発砲により殺害された。

シリア人権監視団によると、ジャースィム市、インヒル市、ナワー市、ハーッラ市で治安部隊が展開し、デモを阻止した。

他方、SANA(11月18日付)は、ダルアー市ウマリー・モスク近くで武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃、治安維持部隊兵士2人が負傷したと報じた。またタスィール町で武装集団のメンバー1人を逮捕したと報じた。

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ハマー県では、シリア革命調整諸委員会によると、デモに参加した市民4人が治安機関の発砲により殺害された。

SNN, November 18, 2011
SNN, November 18, 2011

他方、SANA(11月18日付)は、ハマー市クスール地区で爆弾が爆発し、治安維持部隊兵士2人が死亡したと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア革命調整諸委員会によると、デモに参加した市民3人が治安機関の発砲により殺害された。

シリア人権監視団によると、治安部隊がハラスター市、ヤブルード市でのデモに発砲し、強制排除を試み、複数が負傷した。

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ヒムス県では、シリア革命調整諸委員会によると、デモに参加した市民2人が治安機関の発砲により殺害された。

シリア人権監視団によると、ヒムス市バイヤーダ地区では子供1人が負傷した。

SNN, November 18, 2011
SNN, November 18, 2011

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ニウマーン地方では地上電話、携帯電話が遮断されるなかで、デモが断行され、17人が負傷した。

またタッフ村で反体制デモが発生した。

地元調整諸委員会によると、カフルナブル市のモスク周辺に治安部隊が展開し、デモを阻止した。

SNN, November 18, 2011
SNN, November 18, 2011

他方、SANA(11月18日付)は、マアッラト・ニウマーン地方で指名手配中の武装テロ集団メンバー10人が逮捕されたと報じた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市でデモが発生し、治安部隊が発砲し強制排除を試みた。

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ダマスカス県では、ダマスカス県旧市街の中心に位置するウマイヤ・モスク前で金曜礼拝後に数千人が集まり、その後、ハマディーヤ市場を経て、サブウ・バフラート広場まで行進した。参加者はアサド政権の改革支持、外国の干渉反対を訴え、今後毎週金曜日、広場で集会を行い、自らの意見を主張すると述べた。

一方、地元調整諸委員会によると、マイダーン地区のモスク前、カーブーン区、アサーリー地区でデモが発生した。

これに対して、SANA(11月18日付)は、カーブーン区、アサーリー地区でのデモが発生したとの発表は「まったく正しくない」と報じた。またイドリブ県、ハマー県、ダマスカス郊外県での発砲に関する報道・発表についても否定した。

SANA, November 18, 2011
SANA, November 18, 2011
SANA, November 18, 2011
SANA, November 18, 2011
SANA, November 18, 2011
SANA, November 18, 2011

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ラタキア県では、ラタキア市ハールーン交差点(広場)近くに数千人が集まり、アサド政権の改革支持、外国の干渉反対を訴えた。

またSANA(11月18日付)はジャブラ市のガズィー・モスクに治安部隊が突入したとの一部報道に対して事実とは異なると否定した。

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タルトゥース県では、タルトゥース市のコルニーシュに市民が集まり、アサド政権の改革支持、外国の干渉反対を訴えた。

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ハサカ県では、『クッルナー・シュラカー』(11月19日付)によると、アームーダー市、カーミシュリー市、ラアス・アイン市、ダルバースィーヤ市ではクルド人がクルドの旗などを掲げて反体制デモを行った。

反体制組織の動き

地元調整諸委員会は、SANAダイル・ザウル支局のアラー・ハドル局長が、民間人弾圧に抗議して辞意を示したことを受け、当局は同局長を逮捕した、と発表した。

しかしSANA(11月18日付)は、「ダイル・ザウル支局長はアラー・ハドル氏ではなくラミヤー・ラダーウィー女史であり…、ハドル氏は5ヵ月前にダイル・ザウル県フラート大学に異動となり、ダイル・ザウル支局とは何の関係もない」と否定した。

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シリアの複数の反体制組織がカイロに使節団を派遣し、会合を開き、反対勢力の政策・方針の統一、シリア国民評議会との関係の調整などを審議した。

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シリア国民評議会事務局メンバーで在米反体制活動家のラドワーン・ズィヤーダ氏は『ハヤート』(11月19日付)に対して、評議会使節団のロシア訪問が「良好だった」としたうえで、ロシアの姿勢変化に期待を寄せた。

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トルコのアンタルアで反体制活動を行うシリア変革大会は、アラブ連盟に対してシリアへの経済制裁を発動するよう求める声明を出した。

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イスラエル占領下のゴラン高原住民が、アラブ連盟の対シリア決議を支持する声明を出した。

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『シャルク・アウサト』(11月18日付)は、在外シリア人反体制活動家が、ジャーナリスト、人権活動家、国際機関代表らを載せた「自由船団」をシリアに派遣することを検討していると報じた。

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『ガーディアン』(11月18日付)は自由シリア軍がいかに兵員を確保し、各地に配備しているかを、複数の証言をもとにまとめた。

それによると、自由シリア軍はレバノン北部の対シリア国境沿いに潜伏し、シリア側から避難してくる離反兵を保護している。元治安部隊兵士によると「一昨日(11月16日)、私は30人を連れてきた」という。

またシリア情勢悪化を受けてシリアから帰国したレバノン人によると、「(離反)兵のほとんどは出身地には展開していない…。だから彼らが(レバノンに)入国すると、(シリア国内の)出身地に最も近い場所に送られる」という。例えば、11月16日にレバノンに逃れてきた離反兵は、トルコに送られ、その後出身地近くに配置され、軍・治安機関を攻撃するのだという。

これらの離反兵の資金源に関して、離反兵によると、誰が出資しているかは分からないが、離反兵の一人によると、「私が知っているのは調整委員会のメンバーに連絡しているということだ…。彼らは離反兵を連れて行くが、私は彼らを見たことはない」という。

http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/18/free-syria-army-lebanese-border?INTCMP=SRCH

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シリア国家建設潮流、国民民主変革諸潮流国民調整委員会の代表団および無所属活動家からなる使節団が、パリの英国大使館で英国外務省高官と会談した。

アサド政権の動き

ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師は、シリア・アラブ・テレビ(11月18日付)が放映した金曜日の説教で、イスラーム諸国会議機構やアラブ連盟の代表者たちは、アッラーが命じ、アッラーの使徒が求めた協力に反している、と述べた。

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SANA(11月18日付)は、各地の金曜礼拝でイマームやハティーブらが、アラブ連盟の対シリア決議と外国の内政干渉への拒否の姿勢を示したと報じた。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は声明を出し、ワリード・ムアッリム外務大臣からアラブ連盟監視団の法的状況および任務に関する議定書の修正を求める書簡を受け取ったと発表した。

同声明によると、連盟は「この修正(要求)は現在検討中である」というが、修正要求の内容は明らかにしなかった。

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この修正要求に関して、シリア人権国民機構のアンマール・カルビー所長はフェイスブックで、シリア政府の要求は「人権活動家を含まず」、「監視団はアラブ諸国の役人だけ」から構成しようとするものだと批判した。

レバノンの動き

北部県トリポリ市で、レバノン人とシリア人数百人がアサド政権の打倒を求めるデモを行った。

デモでは、「バッシャール・アサドとともに去れ」、「今度はお前の番だ、ヒズブッラー」といったシュプレヒコールが繰り返され、ナジーブ・ミーカーティー首相の写真が焼かれた。

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アリー・アブドゥルカリーム在レバノン・シリア大使がレバノンのナビーフ・ビッリー国民議会議長と会談した。

会談で、アブドゥルカリーム大使はアサド政権が改革実施に邁進していると述べた。

一方、ビッリー国民議会議長は、「シリアに対する国際社会の圧力がその国民統合と、あらゆる挑戦に対処しようとする政府の責任を伴った政策の遂行を妨げている」と述べた。

諸外国の動き

ロシアのウラジーミル・プーチン首相はモスクワでフランスのフランソワ・フィヨン首相と会談した。

会談後の記者会見でプーチン首相は、シリアでの反体制勢力の武装闘争激化とアサド政権の弾圧継続に関して「我々は自制と慎重な姿勢を求める。これが我々の立場だ」と述べた。

一方、フィヨン首相は、アサド政権が国際社会の呼びかけに「耳を閉ざしている」と非難し、「我々は国際的圧力を強化する以外にないと考えている。我々は国連に決議案を提出した。我々は可能な限り広範な指示が得られることを望んでいる」と述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣はトルコを訪問し、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相、アフメト・ダウトオール外務大臣と会談した。

会談後の記者会見で、ジュペ外務大臣はシリア情勢に関して「我々の努力を一つにして制裁強化にあたる時がきたと思う…。安保理がこの点において何らの行動をとっていないことは論理的でない」と述べた。

また「内戦が勃発すれば大惨事になる」としたうえで、反体制勢力に「武装反乱」を控えるよう呼びかけた。

一方ダウトオール外務大臣は、「政府は国民に耳を傾けずに、武器を向けた」とアサド政権の弾圧を改めて非難した。

ジュペ外務省は19日までトルコに滞在予定。

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キャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表がロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談した。

会談後の記者会見で、アシュトン外務・安全保障政策上級代表は、「アサド大統領が去る時がきた」と述べ、改めて退任を求めた。

これに対してラブロフ外務大臣は、「対話はアサド政権が退任しなければ始まらないと言う一部の外国諸国からの支援を受けているとシリアの反体制勢力が宣言すれば、アラブ連盟のイニシアチブは何の価値も意味もなくなってしまうだろう」と反論した。

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フランス外務省報道官は、16日のダマスカス郊外県ハラスターでの空軍情報部コンプレクスへの離反兵による攻撃に関して、アサド政権が「無差別で野蛮な弾圧」を行っている結果だと述べた。

また「離反兵が増加するたびに、政権の弾圧能力は低下する」と述べ、離反を促すような姿勢を示した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、AFP(11月18日付)に対して、シリア国内での反体制勢力による武装闘争激化を内戦とみなすことに疑義を呈した。

ダウトオール外務大臣は、離反兵が「最近活動を開始した。それゆえに内戦の危険がある」としながらも、「内戦だと言うことは困難である、なぜなら内戦は二つの当事者が戦うものだが、シリアの現状は、大多数の住民が治安部隊の攻撃に曝されている」と述べ、離反兵の攻撃を黙認するとも捉えかねない姿勢を示した。

一方、シリア国民評議会に関しては、「政党」として承認している、と述べた。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は、ABCに対して、アサド政権が「不幸なことに激化する武装反体制勢力の攻勢に耐ええられないだろう」と述べた。

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英国外務省は、ウィリアム・ヘイグ外務大臣がフランスィス・ゲイ前レバノン大使をシリアの反体制勢力との連絡担当代表に任命したと発表した。

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欧州議会はアサド政権に対して、アラブ連盟の要求に応じるよう求めた。

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カナダのトロント大学の研究グループは、シリアに科している制裁に違反するかたちで、シリア文化省、運輸省、ドゥンヤー・チャンネルなどのウェブサイトがカナダのサーバー上で公開されていることを明らかにした。

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イラン国会のアラーッディーン・ボロージェルディー外交委員会委員長は、アラブ連盟による対シリア決議に関して「歴史的な過ち」と非難した。

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ヨルダンの首都アンマンで、ヨルダン・ムスリム同胞団が金曜礼拝後にフサイニー・モスク前でデモを行い、ヨルダン国内の体制改革を求めるとともに、シリアへの外国の干渉に反対の意思を示した。デモには約1,000人が集まった。

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『ハヤート』(11月18日付)は、アサド政権崩壊が「ムスリム同胞団が主導するイスラーム主義帝国を出現させる」と述べたイスラエル国防省のアモス・ギラード政治・治安局長の発言をめぐって、イスラエル国内で現下のシリア情勢をめぐる意見の対立が生じていると報じた。

AFP, November 18, 2011、Akhbar al-Sharq, November 18, 2011、Facebook、The Guardian, November 18, 2011、al-Hayat, November 18, 2011, November 19, 2011、Kull-na Shuraka’, November 18, 2011, November 19, 2011, November 21, 2011、Naharnet.com, November 18, 2011、Reuters, November 18, 2011、SANA, November 18, 2011、al-Sharq al-Awsat, November 18, 2011、SNN, November 18, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

軍・治安部隊が自由シリア軍による前日の空軍情報部施設攻撃への報復を行う、露外相いわく「近隣諸国からシリアへの武器密輸が増大している」(2011年11月17日)

反体制運動掃討

ダマスカス郊外県では、前日の自由シリア軍による空軍情報部施設への攻撃への報復として、軍・治安部隊によるハラスター市への攻撃が激化し、約70人が逮捕され、少なくとも民間人12人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア革命調整諸委員会とシリア人権監視団によると、イドリブ市郊外で子供1人を含む12人が治安部隊によって射殺された。

またシリア人権監視団によると、マアッラ・ニウマーン地方では、治安部隊が拠点としていた革命青年連盟本部に対して、離反兵がRPG弾などで攻撃をしかけ、13人を殺害した。

一方、SANA(11月17日付)は、マアッラ・ニウマーン地方で指名手配中の武装テロ集団メンバー57人を逮捕、大量の武器弾薬を押収したと報じた。またカフルズィーター市で武装テロ集団が市民3人を殺害したと報じた。

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ヒムス県では、シリア革命調整諸委員会とシリア人権監視団によると、ヒムス市で2人が治安部隊によって射殺された。

一方、SANA(11月17日付)は、ヒムス市で指名手配中の武装テロ集団メンバー8人を逮捕したと報じた。

バアス大学法学部のムハンマド・ファルハーン・アブー・ハイイル教授がヒムス市マハッタ地区の自宅前で暗殺された。シリア人権監視団が発表した。

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ダイル・ザウル県では、シリア革命調整諸委員会とシリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で子供1人を含む2人が治安部隊によって射殺された。

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ダマスカス第1検事は、9月7日にダマスカス国際空港で逮捕された世界的な心理アナリスト、ラファー・ナーシド氏の保釈に同意した。

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ダマスカス第一検事は17日、ヒンナーウィー・ザフルート、マリク・シャンヌーニー、アースィム・ハムシュー、シャーディー・アブー・ファフル、ウマル・アスアド・ワルーディー・ウスマーン、ギーファーラー・サイード、サッルール・シャイフ・ムーサー、ジュワーン・アイユーを、国家転覆罪、国家反逆罪、デモ扇動罪といった容疑で次々と起訴した。

ミシェル・シャンマース弁護士がAFP(11月17日付)に対して述べたところによると、彼らは過去4ヵ月間に逮捕されたシリア人活動家だいう。

反体制勢力の動き

ロンドンで活動するシリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者はトルコのイスタンブールで記者会見を開き、アサド政権の弾圧から市民を保護するため、「シリア国民が西側ではなくトルコの軍事的介入を受け入れるだろう」と述べた。

この記者会見は反体制運動を扇動するジャズィーラが放映した。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は声明を出し、自由シリア軍による武装闘争の激化への警鐘を鳴らした。

同声明で、ガルユーン事務局長は「我々は岐路になっている。一つの道は、我々を自由と尊厳へと導き、もう一つの道は奈落…そして内戦へと導く」と述べた。

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国内で活動する国民民主イニシアチブは声明を出し、アラブ連盟の対シリア決議に関して「解決策はシリア的、民主的で、シリア社会の平和的運動に対応しなければならない」としたうえで、「シリアの危機は、シリアの枠組みから出て、地域的、国際的な枠組みのなかに置かれようとしており…それは最近では、シリアの加盟資格停止に帰結したアラブ連盟のイニシアチブとして現れて、危機の国際問題化への道が整備されつつある。そしてこのことが、対話という概念をめぐって…シリア国内の分裂を激化させている」と非難した。

同声明はそのうえで「シリアの国内問題へのいかなる外国の干渉」を拒否すると明言、それが「国家、社会の構成を消滅させるような内戦を炎上させ、国土や国民の統合を脅かす」と警鐘をならした。

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『サバフ』(11月17日付)は、シリアの反体制勢力がアレッポ市などの上空に飛行禁止空域を設定するようトルコ政府に求めたと報じた。

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SANA(11月17日付)は、アレッポ県アレッポ市では女性約50人がダマスカス県ウマウィーイーン広場でアラブ連盟の対シリア決議に対する抗議の座り込みと連帯、座り込みを開始した、と報じた。

アサド政権の動き

Akhbar al-Sharq, November 17, 2011
Akhbar al-Sharq, November 17, 2011

SANA(11月17日付)は、内務省が諸外国の施設への侵入・襲撃などを「試みる者」に対して、しかるべき法的措置で対処すると発表し、アラブ連盟の対シリア決議以降続いている諸外国の大使館・領事館などへの襲撃を止めるよう求めた。

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シリア・ポンドの為替レートが1米ドル=50.56シリア・ポンドと西側による経済制裁発動以降初めて、50代を越えた。

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「アフバール・シャルク」(11月17日付)は、ダルアー県警察のムハンマド・アディーブアスアド所長が、同県で反体制勢力の弾圧を続けている軍が「活動形態」を変更し駐留・展開を続けることが決定されたことを各位に伝える文書(11月8日付決定第19169号)を公開した。

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複数の外交筋によると、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長はシリアの親体制勢力から暗殺を脅迫する電話を受けた。

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『クッルナー・シュラカー』(11月17日付)は、学生の反体制デモへの参加を強要するため、教育省は初等学校、高等学校の学長に、アサド政権支持の集会で試験範囲を提示するよう指示していたと報じた。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はモスクワでインドのS.M.クリシュナ外務大臣と会談、その後共同記者会見を開いた。

会見でラブロフ外務大臣は、シリア情勢に関して、「アラブ連盟やシリアの反体制勢力に活動の地を与えている国々は、シリア当局だけでなく反体制勢力の暴力停止も求めるべきだ」と述べた。

また「近隣諸国からシリアへの武器密輸が増大している」としたうえで、「自由シリア軍が軍の施設に対して行った攻撃…は、内戦のようだ」と非難した。

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中国外交部報道官は、自由シリア軍の空軍情報部攻撃を受けて、「中国はシリアでの出来事を強く懸念している…。我々はシリアの当事者に大して、早急な暴力停止、安定確保、事態の正常化を呼びかける」と述べた。

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マーク・トナー米国務省副報道官は18日(現地時間17日)、自由シリア軍による空軍情報部施設への攻撃を受けるかたちで、「我々はシリア軍や政府による暴力も反体制勢力による暴力も認めない」としたうえで、反体制勢力による武装闘争がアサド政権に資するだけだと述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、トルコなど中東諸国歴訪に先立って、シリアの反体制勢力に関して「シリア国民会議は隊列を整えなければならない。我々は彼らと接触し、その代表(ガルユーン事務局長)とパリで会談した。我々は彼らを支援し、彼らと連絡をとりつづけ、彼らに調整を促している」と述べた。

この発言は、シリアの反体制勢力、とりわけ国外で活動するシリア国民評議会と国内で活動する国民民主諸勢力国民調整委員会の意見対立を受けたもので、シリア国民の正当な代表としての承認を求めるシリア国民評議会の要求に早急には応じ得ない態度を示したものである。

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イランのアリー・ラーリージャーニー国会議長は、「アラブ連盟はアラブ諸国の接近や相乗を目指すのではなく、内戦や分断を引き起こそうとしている」と述べ、対シリア決議を非難した。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、「シリアはこれまで双方の関心を国際社会から受けてこなかったように思う。なぜならエネルギー資源が豊かではないからだ」と述べ、国際社会のさらなる介入を求めた。

トルコのザフェル・チャーラヤン経済大臣は、アサド政権の反体制運動弾圧へ制裁として、トルコがシリアを迂回した販路(海路でエジプト経由など)を検討中だと述べた。

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イラクのムクタダー・サドル氏は、反体制勢力に対してアサド政権との対話を行うよう呼びかけた。

サドル氏はまた「君たち(シリアの反体制勢力)と他のアラブ諸国の革命の間には大きな違いがあり、シリアが戦争(内戦)に突入すれば、アメリカに飲み込まれてしまうだろう」と述べた。

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そのうえでバッシャール・アサド大統領を「レジスタンスと米帝国主義に対抗する男」と評価し、反体制勢力に「君たちの領土の一部は依然として占領されている。君たちはそれを解放せねばならず、我々はそれを支持する」と述べた。

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EU高官は、キャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表が、アサド政権の退任を改めて求めたと述べた。

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国連総会では、西側諸国(英仏独)がシリアでの民間人に対する弾圧停止を求める決議案を第三委員会(人権委員会)に提出した。

複数の外交筋によると、サウジアラビア、カタール、ヨルダンが決議案を支持する一方、モロッコ、クウェート、トルコの代表は現在のところ態度を保留しているという。

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『シュルーク』(11月17日付)は、アルジェリア在住のシリア人留学生が、シリア学生総連合を脱退し、反体制の自由シリア学生連合を発足したと報じた。

AFP, November 17, 2011、Akhbar al-Sharq, November 17, 2011、al-Hayat, November 18, 2011, November 19, 2011、Kull-na Shuraka’, November 17, 2011, November 18, 2011、Reuters, November 17, 2011、SANA, November 17, 2011、al-Shurūq, November 17, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

自由シリア軍司令官が国際社会にアサド政権打倒に向けた「軍事的支援」を呼びかける一方、トルコ政府がシリア国民評議会への「ロジスティック支援」の提供を決定したと報じられる(2011年11月16日)

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外県などで反体制武装集団、自由シリア軍がムハーバラート施設などを襲撃した。アラブ連盟など地域・国際社会は平和的な手段によるアサド政権打倒への支援強化を検討しており、この武装闘争がどのような影響を与えるか注目される。

Facebook
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ダマスカス郊外県では、シリア革命調整連合が声明を出し、自由シリア軍がハラスター市にある空軍情報部本部をRPB弾などで襲撃した、と発表した。

同声明によると、攻撃は三方から行われ、同施設からは煙があがったという。

またヒムス県ヒムス市を拠点とするとされる自由シリア軍のハーリド・ブン・ワリード旅団が空軍情報部本部襲撃を実行した離反兵を祝福する声明を出した。

一方、シリア人権監視団によると、15日夜から16日にかけて、ザマルカー、ハムーリーヤ、ハラスターで複数の爆発が発生した。

複数の住民、活動家によると空軍情報部への攻撃で少なくとも20人が死亡した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、早朝にかけてバルザ区で大きな爆発が3回発生した。

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ヒムス県では、地元調整諸委員会やシリア人権監視団によると、ヒムス市の検問所での発砲で3人が殺害された。

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ハマー県では、地元調整諸委員会やシリア人権監視団によると、カフルズィーター市の検問所を離反兵が襲撃し、軍・治安部隊兵士8人が殺害され、数十人が負傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハーッラ市で軍・治安部隊の発砲で市民1人が殺害された。

またダーイル町では、シリア人権監視団によると、軍・武装部隊がゼネストを止めさせるために介入を試み、離反兵らと交戦した。

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シリア革命最高指導評議会のリーマー・フライハーン報道官は声明を出し、イラクの一部の勢力がシリア国民の弾圧に荷担していると非難した。

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フェイスブックの「シリア革命2011」など反体制勢力は連日、反体制抗議行動を呼びかけ、11月16日は「友愛の水曜日」と銘打っていたが、祭日にもかかわらず管見の限り平和的なデモは発生していない。

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トルコに逃亡中の自由シリア軍司令官のリヤード・アスアド大佐は、国際社会に体制打倒のための「軍事的支援」を呼びかける一方、シリアへの外国軍による介入には反対の意思を示した。

また自由シリア軍指導部メンバーの一人(ハサン大尉)はロイター通信(11月16日付)に対して、離反兵が17,000人に達していると述べた。

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国内で反体制活動を行っているシリア国家建設潮流は声明を出し、シリア情勢の「いかなる国際問題化もシリアを国際紛争の主戦場とし、シリア国民の利益反する」と述べ、外国の介入に強い反対の意思を示した。

声明では、ラバトでのアラブ連盟緊急外相会議に関して、「シリア危機の国際化ではなく、シリア政府がアラブ連盟との合意を明確に遵守するような圧力を保証する決定」を行うよう呼びかけるとともに、「国内のシリア人の多くは、外国の軍事干渉やシリア危機の国際化をもたらすようなあらゆる措置を拒否する」と続けた。

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サミール・イータはフェイスブックを通じて、自身が国民民主変革諸勢力国民調整委員会を脱退し、無所属となり、ミシェル・キールーなどの無所属活動家と協力を続ける、と発表した。

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タルトゥース県ミスヤーフ市出身の有識者がミスヤーフ革命連盟のなで反体制組織を結成した。

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アラブ連盟高官が11月16日、シリア国民評議会の使節団と国民民主諸勢力国民調整委員会の使節団とそれぞれ個別に会談した。

AKI(11月18日付)によると、連盟高官は各使節団から各組織の見解が記された覚書を受け取った、という。

アサド政権の動き

SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011
SANA, November 16, 2011

ダマスカス県各所、ラタキア県ラタキア市、カルダーハ市(ハーフィズ・アサド前大統領の生地)、タルトゥース県タルトゥース市など各地で、矯正運動(ハーフィズ・アサド前大統領による政権掌握)記念日に合わせて、アラブ連盟の決議、外国の干渉拒否、アサド政権による改革支持を訴える大規模な集会が行われた。

**

ダマスカス県のモロッコ大使館が100~150人の市民によって包囲され、投石などを受けた。ムハンマド・ハサースィー在ダマスカス・モロッコ大使がAFP(11月16日付)に対して明らかにした。

この抗議行動は、モロッコのタイイブ・ファースィー・ファフリー外務大臣が15日にトルコのアフメト・ダウトオール外務大臣との会談後の記者会見で、「いかなるシリアの使節団もモロッコを訪問することが可能である…。シリアは姉妹国である」と述べ、ラバトでのアラブ連盟緊急外相会議へのシリア政府の代表の出席に言及しなかったことを受けた動き。シリア政府および親政権の市民はこの曖昧な発言に関して、ワリード・ムアッリム外務大臣の出席が拒否されたと解釈したという。

ファフリー外務大臣は大使館襲撃に関して、アラブ・トルコ協力会議後の記者会見で強い批判の意思を表明しつつも、駐シリア大使を召還するかとの問いに関して、「外相会談後に回答したい」と述べるにとどまった。

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アサド政権を支持する市民が、ダマスカス県のUAE大使館を包囲、投石などを行った。

これに対して、UAE政府は非難声明を出した。

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バアス党が指導する連立与党の進歩国民戦線は16日に会合を開き、アラブ連盟の対シリア決議を「アラブの共同行動を解体し、外国の干渉への扉を開く」決定だと非難した。

アラブ連盟緊急外相会議、アラブ・トルコ協力会議

SANA(11月16日付)は、シリア高官の話として、シリアが16日のアラブ連盟外相会議とアラブ・トルコ協力会議への出席を取りやめたと述べた。

同高官によると、「12日にアラブ連盟の対シリア決議が出された後、一部アラブ姉妹国がアラブ連盟の活動や役割に関する信頼・正当性回復のために活動した。またこれらの国々はラバトでのアラブ・トルコ協力会議と連盟外相会議にシリアが出席することが重要だと確認した。これを受け、シリアはこれらのアラブ諸国の期待に応え、アラブ共通行動を強化すべく…会議への出席を決定した…。しかしモロッコ高官らが出した声明…を踏まえ、シリアはこれらの会議への出席を取りやめることを最終決定した」。

**

モロッコのラバトでアラブ連盟緊急外相会議が開催された。

シリアの代表は欠席した。

会合では、シリア派遣予定のアラブ監視団の派遣に関する法的・組織的枠組みを定めた議定書を作成し、シリア政府に3日以内に署名することを求めることが決定された。

決定の全文は以下の通り:

قرار مجلس جامعة الدول العربية على المستوى الوزاري في دورته غير العادية المستأنفة المنعقدة في الرباط بتاريخ 16/11/2011 حول مشروع بروتوكول بشأن المركز القانوني ومهام بعثة مراقبي جامعة الدول العربية إلى سورية:

إن مجلس جامعة الدول العربية على المستوى الوزاري في دورته غير العادية المستأنفة المنعقدة في الرباط بتاريخ 16/11/2011،

بعد اطلاعه على مشروع بروتوكول بين الأمانة العامة لجامعة الدول العربية والجمهورية العربية السورية،

وتنفيذا?? للبند (2) من قرار مجلس الجامعة على المستوى الوزاري رقم 7438 د.غ.ع.م بتاريخ 12/11/2011 والخاص بتوفير الحماية للمدنيين السوريين،

وإسهاما?? في وضع حد لاستمرار العنف والقتل والاستجابة لتطلعات الشعب السوري في إحداث التغييرات والإصلاحات السياسية والاقتصادية والاجتماعية المنشودة وحقنا?? لدماء الشعب السوري وضمانا?? لأمن سورية ووحدتها وتجنبا?? للتدخل الخارجي في شؤونها الداخلية،

يقــرر

1. الموافقة على مشروع البرتوكول بشأن المركز القانوني ومهام بعثة مراقبي جامعة الدول العربية إلى سورية والمكلفة بالتحقق من تنفيذ بنود الخطة العربية لحل الأزمة السورية وتوفير الحماية للمدنيين السوريين بالصيغة المرفقة، ويوقع عليها من قبل الأمانة العامة لجامعة الدول العربية والحكومة السورية.

2. الطلب إلى الأمين العام لجامعة الدول العربية اتخاذ ما يراه مناسبا?? نحو تسمية رئيس بعثة مراقبي جامعة الدول العربية المشار إليها، وكذلك القيام بإجراء الاتصالات اللازمة مع الحكومة السورية للتوقيع على البروتوكول المرفق.

3. بعد توقيع الحكومة السورية على البروتوكول في أجل لا يتجاوز ثلاثة أيام من تاريخ صدور هذا القرار، وبعد وقف جميع أعمال العنف والقتل، يتم إرسال بعثة مراقبي الجامعة فورا?? إلى سورية.

4. ضرورة إعلان الحكومة السورية موافقتها على تنفيذ كامل بنود خطة العمل العربية التي اعتمدها المجلس بتاريخ 2/11/2011.

5. إدانة الاعتداءات التي تعرضت لها البعثات الدبلوماسية والقنصلية العربية والأجنبية في دمشق، ومطالبة الحكومة السورية بتوفير الحماية اللازمة لكافة البعثات ومقراتها المتواجدة على أراضيها طبقا?? للاتفاقيات الدولية المرعية والتزاماتها في هذا الشأن.

6. مطالبة الحكومة السورية بالاعتذار رسميا?? عما صدر من المندوب الدائم السوري تجاه مجلس الجامعة من عبارات نابية وغير دبلوماسية في اجتماع المجلس بتاريخ 12/11/2011.

7. إبقاء المجلس في حالة انعقاد دائم لمتابعة تطورات الوضع.

(ق: رقم 7439– د.غ.ع.م – 16/11/2011)

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ラバトでのアラブ連盟緊急外相会議と併せて開催されたアラブ・トルコ協力大会(第4期)は、シリア情勢に関して、外国の非干渉と民間人保護のための早急な措置の実施の必要を確認した。

大会後の声明では、「流血停止、シリア国民へのさらなる暴力・殺戮の必要」を確認し「民間人保護のための早急な措置の実施を求める」とともに、「シリアの安定と統一の重要性、外国の干渉を排除したかたちでの危機解決策の案出の必要」が確認された。

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会場となった外務省会議場の前ではモロッコ人とシリア人の活動家が「シリア国民に対するアサド政権の犯罪」に講義するための座り込みを行った。

しかしモロッコ治安当局はこの抗議行動を排除しなかった。

諸外国の動き

アラブ・トルコ協力会議出席のためモロッコを訪問したアフメト・ダウトオール外務大臣は、「シリア政府がアラブ連盟との約束を履行しない場合に支払う大きな代償は、アラブ世界における孤立である」と警鐘を鳴らした。

『ラディカル』(11月16日)は、トルコ政府がシリア国民評議会へのロジスティックな支援を行い、トルコ国内で活動を行う機会を提供することを決定したと報じた。

同報道によると、この支援は軍事的なものではなく、またシリア国民評議会を承認するものではない、という。

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フランス政府は、市民による大使館・領事館襲撃への対応として、エリク・シュヴァリエ大使を召還するとともに、ラタキアとアレッポの領事館、さらにはシリア国内の文化関連施設の閉鎖を宣言した。アラン・ジュペ外務大臣が発表した。

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クウェートの国会(定数49人)議員のうち33人が政府に、駐シリア・クウェート大使の召還と、シリア国民評議会のシリア国民の正当な代表としての承認を求めた。

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IRNA通信によると、イランのアルー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、「アラブ連盟は地域の安全保障を危機にさらすような振る舞いをした」と述べ、シリアの連盟加盟資格凍結を批判した。

サーレヒー外務大臣は「シリア政府は政党発足認可や国会選挙実施を約束し、バッシャール・アサド大統領は憲法再考を約束した」としたうえで、「地域の緊張を高めようとしている者がいる。一部の国は自らが危機の部外者だと考えている…が、(シリア)危機の悪影響は…すべての国に及ぶ」と述べた。

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ヨルダン・ムスリム同胞団の政治組織イスラーム行動戦線は、ヨルダン政府に対して、シリア国民評議会をシリア国民の正当な代表として承認するよう書簡で求めた。

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ドイツ外務省はシリアへの渡航延期勧告を発した。

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サウジアラビアに避難中のサアド・ハリーリー前首相はフェイスブックで、アサド政権の存続を支持しているのは、イスラエル、イラン、そしてヒズブッラーしかいないと綴った。

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モロッコのムハンマド6世国王は、シリア国内での危機解消に向けたアラブ世界、国際社会の努力に応えようとしないとの理由で、ムハンマド・ハッサースィー在ダマスカス・モロッコ大使を召還すると決定した。

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レバノンのヒズブッラーに近いジャーナリストで国際情報戦略研究センター所長のラフィーク・ナスルッラー氏は、ドゥンヤーのインタビューでヨルダンのアブドゥッラー国王がアサド大統領の退任を求めたことに関して以下のように答えた。

「我々はヨルダン国内に細胞を持っている。これらの細胞はヨルダンがシリアを攻撃した場合に対処し、ヨルダン、占領下パレスチナに対して長大な戦線を昼夜開くことになるだろう…。イエメンやシナイにも同様の細胞がある…。アンマンの空にイスラエルの旗をなびかせているヨルダン人は、シリア、アラブ性について語るべきでない…。混乱は中東に拡がり、スエズ運河、ホルムズ海峡は閉鎖され、石油価格は500ドル/バレルに上昇し、ゴラン戦線は開かれ、レジスタンスがパレスチナに入り、イランも黙ってはいないだろう」。

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『クッルナー・シュラカー』(11月16日付)は、シリア国内で行われているアサド政権支持のデモ・集会において、パレスチナ解放人民戦線総司令部派(PFLP-GC)の情報部門責任者のアンワル・ラジャー氏がダマスカス県ヤルムークの住民を「強制的」に動員していたと報じた。

AFP, November 16, 2011, November 17, 2011、Akhbar al-Sharq, November 16, 2011, November 17, 2011, November 18, 2011、AKI, November 18, 2011、al-Hayat, November 17, 2011, November 18, 2011、Kull-na Shuraka’, November 16, 2011、Naharnet, November 16, 2011、Reuters, November 16, 2011, November 17, 2011、SANA, November 16, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

シリア国民評議会の使節団がモスクワを訪問しロシアのラブロフ外相と会談、ロシア当局がアサド大統領の退任を呼びかけるよう求める(2011年11月15日)

反体制勢力掃討

アラブ連盟の決議に伴うシリア・バッシングの激化に伴い、反体制人権団体は14日と15日の被害を加算して報じることで、事態の深刻さを印象づけようとした。

しかし被害状況を精査すると、11月に入ってからの死者数は2桁代で推移しているなか、被害者の増減は反体制勢力・離反兵だけでなく軍・治安部隊兵士の死者数によって左右されていることが分かり、反体制運動が「平和的民主化」の様相を失いつつあることがわかる。

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イドリブ県では、同監視団によると、カフルルーマー村で軍設備を標的とした爆破が3件発生した。また同村で離反兵と軍・治安部隊が交戦し、軍・治安部隊の兵士14人が殺害された。また子供1人が戦闘の巻き添えとなって死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長によると、ハーッラ市で、離反兵と思われる武装集団と軍・治安部隊が衝突し、軍・治安部隊の兵士5人が殺害された。

また地元調整諸委員会によると、サナマイン市近郊に展開する第15旅団内でも激しい銃声が聞こえた、という。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で身元不明の遺体19体が発見された。

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SANA(11月15日付)は、武装テロ集団から応酬したとされるハイテク機器(衛星電話など)を公開したと報じた。

SANA, November 15, 2011
SANA, November 15, 2011

反体制勢力の動き

シリア国民評議会の使節団がロシアの首都モスクワを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談した。

使節団を率いたブルハーン・ガルユーン事務局長は、「体制内で血に手を染めていない勢力との対話の用意はある」としたうえで、「軍事介入や内戦を回避するために平和的政権移行」をめぐって交渉したいとの意思を伝えた。

また「アサドの辞任が交渉実施の余地を与える」として、ロシアにアサド大統領の退任を呼びかけるよう求めるとともに、アサド政権の人道に対する犯罪を支持する姿勢とも受けとれられない安保理での対シリア非難決議採択での拒否権発動を行わないよう訴えた。

ラブロフ外相は使節団に対して、「国際監視団の派遣、メディアの入国許可といったアラブ連盟の決議のほとんどを支持する」と述べたが、国内で政府と対話を行い危機を解決することが重要であるとの主張を行った。また外務省声明によると、ロシア側は、シリアが直面する事態正常化に向けた建設的な姿勢、すべてのシリア人のための改革実施を強調する一方で、外国の軍事干渉に反対の意思を示した。

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シリア国民評議会執行部のバスマ・カドマーニー報道官は、16日に予定されているラバトでのアラブ連盟緊急外相会談に関して、民間人保護と監視団派遣のしくみを確定するよう求めた。

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AKI(11月14日付)は、アッシリア教徒の反体制活動家スライマーン・ユースフ氏が、キリスト教徒とりわけアッシリア教会が、現政権の保護を求めたり、現政権と運命をともにすることはないと述べたと報じた。

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国内で活動する反体制活動家のアーリフ・ダリーラ、ブトルス・ハッラーク、サミール・イータ、ハーズィム・ナハール、ミシェル・キールー、ムハンマド・マフルーフ、ファーイズ・サーラ、フサイン・アウダート、リヤード・ラビーウ、イリヤース・ワルダ、ザカリヤー・サッカール、ムンズィル・イスビル、サルキース・サルキース、ハビーブ・ハッダード、ムンズィル・バドル・ハッルームは連名でヒムス市でのあらゆる暴力停止を呼びかけた。

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シリア国民協会(2011年9月に発足した反体制組織)は11月15日、アラブ連盟に対して「アラブ抑止軍」の派遣を要請した。

アサド政権の動き

SANA(11月15日付)は、「シリアでの事件に関与したが、その手を血に染めていない逮捕者1,180人を釈放した」と発表した。

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シリア外務省は11月16日にモロッコのラバトで開催されるアラブ連盟緊急外相会談を欠席すると発表した。

SANA, November 15, 2011
SANA, November 15, 2011

当初はワリード・ムアッリム外務大臣が出席すると見られていた。

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ムハンマド・シャッアール内務大臣は殉教者バースィル・アサド警察アカデミーの研修生らの前で訓辞を述べ、武装テロ集団逮捕に引き続き努力するとの意思を表明した。

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アラブ社会主義バアス党民族指導部とシリア地域指導部は共同声明を出し、アラブ連盟の決議が、アラブの共同行動を傷つける危険な先例になると非難した。

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SANA(11月15日付)は、シリア各地で前日に引き続き、アラブ連盟の決議に抗議する小規模なデモが行われたと報じた。

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『クッルナー・シュラカー』(11月15日付)は、米『ニューヨーク・タイムズ』記者がトルコ高官に対して40分にわたりインタビューを行い、同高官が、「シリアにおける問題は、大統領の母、アニーサ・アフマド・マフルーフが息子のバッシャール・アサド大統領に、父ハーフィズ・アサド前大統領が1980年代にハマーで用いたのと同じ方法でシリアの現状に対処するよう忠告したことにあると述べたと報じた。image2

レバノンの動き

ナジーブ・ミーカーティー首相は閣議で、アラブ連盟外相会議での対シリア決議にレバノン代表が反対票を投じたことに関して、「徹頭徹尾、レバノン国内の安定を守るため」と述べた。

しかし『ハヤート』(11月16日付)は、ミーカーティー首相がGCC諸国大使との会談では「私が知らないところで、私との調整なしに行われ、それに驚いた」と述べたと報じた。

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自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官は、変化改革ブロックの定例会合後の記者会見で、アラブ連盟における対シリア決議採択に関して「アラブ諸国は誤った道を選んでしまった」と非難した。

諸外国の動き

GCCのアブドゥッラティーフ・ズィヤーニー事務局長は、アサド大統領によるアラブ連盟緊急首脳会談開催の要求に関して「GCCはこの時期の開催には効果がないと考えている」と述べた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相はAKP会合で「シリアの政府は非常に危険な道、刃のうえを進んでいる」と述べた。

Kull-na Shurakā’, November 15, 2011
Kull-na Shuraka’, November 15, 2011

エルドアン首相はシリア国内でのトルコ大使館、領事館への包囲に関して、「トルコ高官やトルコの旗に対する攻撃を改めて強く非難する。我々はシリア政府が直ちに謝罪に必要な措置をとることを望んでいる」としたうえで、「バッシャールよ、お前はトルコの旗を攻撃した者の処罰を求められている。我々はシリア政府にトルコ人やトルコの旗を尊重するよう望んでいるだけではない。自国民を尊重するよう望んでいる」と述べた。

そして「我々はもはやアサド政権が誠実で、勇敢で、満足行くような精緻な指導ができるとは思っていない」と述べ、アラブ連盟が加盟資格停止を行うことを評価した。

さらに「我々は現在(2006年以降)シリアに電気を供給している…。このような状況が続けば、この決定のすべてを再考せざるを得ない」と述べた。

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EUは官報で追加制裁(14日に決定)の対象となる18人の氏名を公開した。追加制裁の対象となった18人の氏名は以下の通り(『クッルナー・シュラカー』(11月15日付は対象となった18人に関する追加情報を発表した)。

ジュムア・アフマド准将(特殊部隊司令官)
ルワイユ・アリー大佐(軍事情報局ダルアー支部長)
アリー・アイユーブ中将(副参謀長、共和国護衛隊第105旅団の前司令官)
ジャースィム・フライジュ一等中将(参謀長)
アウス・アスラーン准将(共和国護衛隊付旅団長、アリー・アスラーン元参謀長の息子で故バースィル・アサドおよびアサド大統領の友人)
ガッサーン・ビラール准将(マーヒル・アサド大佐事務所長)
アブドゥッラー・ビッリー(ビッリー家の首領で、民兵を組織)
ジョルジュ・シャーウィー(シリア・インターネット軍メンバー)
ズハイル・ハマド少将(総合情報部次長、EUの官報には軍事情報局次長とある)
ウマル・イスマーイール(シリア・インターネット軍代表、民間人)
ムジャーヒド・イスマーイール(シリア・インターネット軍メンバー、シャッビーハのリーダー)
サクル・ハイルベク(内務次官)
ナズィーフ・ハッスーン少将(EUの官報には姓は明記されず、総合情報部次長)
キファーフ・ムルヒム(第4機甲師団付士官、故バースィル・アサドおよびアサド大統領の友人)
ワジーフ・ムハンマド少将(第18師団司令官)
バッサーム・サッバーグ弁護士(ラーミー・マフルーフ、ハドゥーン・マフルーフの法律顧問)
ターラー・ムスタファー・トゥラース(EUの官報には准将とされているが、ターラーは女性の名前。なおマナーフ・トゥラース准将の妻の名がターラー・ハイイル)
フアード・タウィール准将(空軍情報部次長)

なお8月以降の制裁を通じてEUが資産凍結とビザ発給停止の対象としたアサド政権高官らの数は56人におよぶ。

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米民主党のクリス・コーンズ上院議員、ボブ・カーシー上院議員、共和党のマーク・ケリー上院議員は、ヒラリー・クリントン国務長官、ジョン・ブライソン商務長官に書簡を提出し、アサド政権が反体制勢力を監視するためにインターネット監視システムを購入したとの情報への懸念を表明するとともに、調査を求めた。

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イランのIRNA通信は、アリー・アクバル・サーレヒー外務大臣がアルジェリアのムラード・マドリスィー外務大臣と電話会談を行い、シリアの改革を前進させることの必要を強調、また外国の介入を拒否するべきとの姿勢を明示したと報じた。

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パレスチナ解放人民戦線(DFLP)はパレスチナの政治組織のなかで初めて、アラブ連盟によるシリアの加盟資格凍結に関する声明を発表した。

DFLP政治局が発表した同声明のなかで、DFLPは「シリア、シリアの人民民主運動、アラブ地域全体、そして民族安全保障にマイナスに作用する可能性がある」と非難し、外国の干渉、とりわけNATOの軍事介入をもたらす危険への懸念を表明した。

またアラブ連盟の決議に対するパレスチナ代表の姿勢を「棄権すべきだった」と述べ、賛成票を投じたことが、シオニズム・帝国主義の利益に資することになると非難した。

なおファタハ、ハマースをはじめとするパレスチナ諸勢力はシリアでの反体制運動に原則、不関与の方針をとっている。

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サウジアラビアのトゥルキー・ファイサル皇太子はワシントンDCでアサド大統領が暴力停止のためのアラブ連盟の努力に応えようとしなかったと非難し、「こうしたなかで、民衆の反体制運動はさらに増大し、殺戮行為も毎日繰り返されている。何らかのかたちで退任する以外に逃げ道はないと思う」と述べた。

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国連安保理はシリア国内での各国大使館包囲・襲撃に関して「深い懸念」を表明した。

AFP, November 15, 2011、Akhbar al-Sharq, November 15, 2011, November 16, 2011、AKI, November 15, 2011、Al-shorfa.com, November 19, 2011、al-Hayat, November 16, 2011、Kull-na Shuraka’, November 15, 2011, November 19, 2011、Naharnet.com, November 15, 2011、Reuters, November 15, 2011、SANA, November 15, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

ムアッリム外務大臣が記者会見のなかでアラブ連盟による決議を「違法で憲章に従っていない」として非難、また自由シリア軍が声明を出し「暫定軍事評議会」の発足を宣言(2011年11月14日)

アサド政権の動き

ワリード・ムアッリム外務大臣はダマスカスで記者会見を行い、シリアでの「リビア・シナリオの再来はいかなる正当性もない」と述べるとともに、「シリアは鼓動するアラブの心臓であるがゆえ、アラブの共同行動」が必要との立場を明示した。

Kull-na Shurakā’, November 14, 2011
Kull-na Shuraka’, November 14, 2011

ムアッリム外務大臣は、アラブ連盟の決議におけるシリアの加盟資格停止に関して「アラブの共同行動、連盟の基礎、そしてその役割との関連で現在、そして未来にわたってきわめて危険な措置」と厳しく非難、決議を「違法で憲章に従っていない」と評した。

一方、反体制勢力との対話に関して、以下のように述べ、シリア国内での実施を改めて主張した。

「対話は政権と反体制勢力に限定されるものではない。なぜなら様々な要求をもつシリア人がいるからだ。彼らは政権、反体制勢力のいずれにも代表されていない。我々は観が手いるのは、国民対話を包括的対話となるよう拡大することだ…。我々はダマスカスで開催予定の国民対話大会に参加するすべての人々を歓迎する。在外居住者でさえ」。

一方、反体制勢力の弾圧に関しては、「国家が国民を保護し、武装テロ集団と対決するのは義務である」と述べた。

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SANA(11月14日付)は、ダマスカス県の外務省舎前でアラブ連盟の決議に抗議する市民がデモを行ったと報じた。

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SANA(11月14日付)は、パレスチナ人が集住するダマスカス県ヤルムーク・キャンプで、パレスチナ住民がアラブ連盟の決議に反対するデモ行進を行ったと報じた。

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SANA(11月14日付)は、イスラエルの占領下にあるゴラン高原のマジュダル・シャムスでアラブ連盟の決議に反対するデモが行われたと報じた。

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SANA(11月14日付)は、ダマスカス県のウマウィーイーン広場で女性数十人が集まり、自らの頭髪を切り落とし、アラブ連盟の決議への拒否の姿勢を表明した。

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SANA(11月14日付)はシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会が旧首相府で会合を開いたと報じた。

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『ガド』(11月15日付)は、14日晩にダマスカスのヨルダン大使館前で約120人の市民がアブドゥッラー国王の発言に抗議するデモを行い、そのなかの2人が大使館内に進入したとウマル・アムド在ダマスカス・ヨルダン大使が述べたと報じた。

反体制勢力の動き

SANA, November 14, 2011
SANA, November 14, 2011

国民民主諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役は、訪問中のドーハで『ハヤート』(11月15日付)の取材に応じ、カイロでの反体制勢力の会合に向けた抱負を述べた。

そのなかでアブドゥルアズィーム総合調整役は、「反体制勢力各派は様々な原則をめぐって遵守すべき文書を作成する必要がある。例えば、対話には体制が参加するのか否か?おそらく一部の反体制勢力がそのために努力し、体制との対話を求めてくるはずである」と述べ、外国の介入だけでなく、アサド政権との関係をめぐっても反体制勢力内で対立があることを示唆した。

アブドゥルアズィーム総合調整役はドーハよりカイロに戻り、アラブ連盟決議に基づき他の反体制勢力と会合する予定。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はアンカラでシリア国民評議会執行部の使節団と会談した。

「アフバール・シャルク」(11月14日付)によると、会談で、ダウトオール外務大臣は、シリア国内のトルコ大使館・領事館への市民の襲撃の責任がアサド政権にあると非難した。

またアラブ連盟の決議に関して、トルコが決議の即時・完全履行にむけて連盟と協調すると述べた。

これに対してブルハーン・ガルユーン事務局長を団長とする使節団は、トルコ国内にシリア国民評議会の代表部の設置を認めるなど具体的な協力を求めた。

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『ザマーン・ワスル』(11月14日付)は、自由シリア軍が声明を出し、暫定軍事評議会を発足すると報じた。

同紙が掲載した声明(14日付)によると、暫定軍事評議会は以下の士官から構成される。

リヤード・ムーサー・アスアド大佐(評議会議長)
マーリク・アブドゥルハリーム・クルディー大佐
アフマド・ヒジャーズィー・ヒジャーズィー大佐
アラファート・ラシード・ハンムード大佐
アーリフ・ムハンマド・ヌール・ハンムード大佐
アブドゥッラッザーク・ラーシド・ラフムーン大佐
アブドゥッサッタール・ムハンマド・ジャミール・ユーンスー大佐
ガッサーン・イスマーイール・フライヒル大佐
マーヒル・イスマーイール・ラフムーン少佐

同評議会は、現政権打倒、軍の組織などを目的とする。

http://all4syria.info/web/archives/36745

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シリア国民評議会の使節団は、ドイツ外務省でギド・ヴェスターヴェレ外務大臣と会談した。

評議会が出した声明によると、ヴェスターヴェレ外務大臣はブルハーン・ガルユーン事務局長ら使節団との会談で、自由と民主主義を求めるシリア国民への支持を表明するとともに、政権による弾圧激化への懸念を示し、「シリアでの人権侵害を前に沈黙できない」と述べたという。

反体制運動掃討

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウバル区で市民2人が治安部隊の発砲により殺害された。

また同監視団によると、同市バーブ・アムル地区で黒煙があがっているという。

ヒムス県ヒムス市マハッタ地区のキリスト教会前で反体制デモが行われる映像がYoutubeに公開された。http://www.youtube.com/watch?v=Okk76vY5fEw&feature=player_embedded#t=0s

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市の軍の検問所で1人が射殺された。

また同監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町で軍・治安部隊が大規模な逮捕・追跡活動を行い、その直後、離反兵と思われる武装集団と激しい交戦状態に入り、軍・治安部隊兵士4人が少なくとも死亡し、軍・治安部隊の戦闘車両5輌が破壊された。

これに対してSANA(11月14日付)は、ヒルバト・ガザーラ町とアルマー町で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、部隊兵士2人を殺害したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視弾によると、ナイラブ村で軍・治安部隊の兵士の遺体5体が発見された。

軍・治安部隊はカフルバッティーフ、ジューバース、アブディーターで指名手配者の追跡を行っているという。

カフルーバ村では、女性と子供たちが反体制デモを行った。

これに対してSANA(11月14日付)は、マアッラ・ニウマーン地方スィンジャール近くで鉄道の線路に武装テロ集団が爆弾5発を仕掛け、うち1発が爆発したと報じた。残りの4発は爆弾処理班が撤去したという。

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ハマー県では、シリア事件監視団によると、カフルヌブーダ町で反体制デモが発生した。

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アレッポ県では、アレッポ市で夜、トルコ国旗を掲げる市民数百人がトルコ大使館、領事館の包囲に抗議するデモを行った。

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なおシリア人権監視団は11月15日、14日に治安部隊による民間人への攻撃や離反兵と軍・治安部隊の戦闘によって多数死亡したと発表した。

具体的な内訳は以下の通り。

シリア北部および南部で治安部隊の弾圧により、民間人27人が死亡した。

ダルアー県で離反兵と思われる武装集団と軍・治安部隊が衝突し、軍・治安部隊兵士34人と武装集団メンバー12人が死亡。

ダルアー県のブスル・ハリール市、ナーフタ町、ムライハト・アトシュ村などで軍・治安部隊の検問所からの市民への発砲で23人が死亡。

ヒムス県では、カフルラーハー市で軍・治安部隊の検問所からの市民への発砲で4人が死亡。またヒムス市のドゥライブ地区で市民1人が殺害。

この発表は15日の被害と合わせて行われ、シリア情勢が悪化しているという錯覚を与えた。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア情勢を検討するためのアラブ連盟緊急首脳会談の開催をバッシャール・アサド大統領が呼びかけているとのワリード・ムアッリム外務大臣からのメッセージを受け取ったと述べた。

アラビー事務総長は同メッセージを各国に伝えたという。緊急首脳会合の開催には加盟国の3分の2以上の賛成が必要となる。

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アラブ医師連合支援緊急委員会のイブラーヒーム・ザアファラーニー事務局長は、アラビー事務総長と会談し、シリアへのアラブ監視団の派遣に関して、「民間人の状況とその保護のための報告書作成を準備するためすべての場所を訪問する」と述べた。

アラブ監視団の派遣の日程はラバトでのアラブ連盟閣僚会議で決定予定。

アラブ連盟高官筋によると使節団は、アラブ地域諸機関の代表、ジャーナリスト、軍人など約500人からなるという。

諸外国の動き

ヨルダンのアブドゥッラー国王はBBCのハードトークに出演し、「私が彼(アサド大統領)の立場だったら、退いていただろうと思う」と述べた。

また「現体制がそのようなこと(アサド大統領の退任)を許すとは思っていない。それゆえバッシャールが国益に関心を寄せているなら、彼は退かねばならない。しかし同時に、彼は、シリアの新たな政治プロセスの始まりを保障するような行動をとらねばならない」と述べた。

ヨルダンではシリアと同様、今年初めから反体制デモが散発しているが、アブドゥッラー国王は退任していない。

なおこの発言が放映された直後、ヨルダンのペトラ通信は、「ヨルダン国王の発言はシリア大統領への直接かつ明確な退任要求ではなく、同じ状況に身を置く人間がどのようなことをするのかという質問への答えに過ぎない」との声明を出した。

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EU外相会議がブリュッセルで行われ、アラブ連盟の決議への支持を確認するとともに、アサド政府高官・関係者18人を新たに制裁リストに追加することを決定した。

また会談後の声明で、アラブ連盟の決議が高く評価される一方、「EUはシリア国民評議会のように非暴力と民主主義の価値観を遵守する反体制勢力の代表と対話の用意がある」との意思が示された。

会談後、フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、民間人保護が国連安保理を通じて拡充されるべきだと述べた。

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、EUが追加制裁を科すことが重要だとの見解を示した。

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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は国会で「中東で国民と平和に暮らせず、その希望に添えない者たちは去るべきである」と述べた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アラブ連盟の決議に関して、「正しくない」と評し、「この決定に与した者は、事態に透明性を付与する実質的機会を奪った」と非難した。

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中国の外交部報道官は、記者会見で「現在重視されるべきは、アラブ連盟のイニシアチブを正しく、そして早急に実施することにある…。中国は改めて、シリア政府とすべての当事者に暴力の停止を求める」と述べ、国際社会にアラブ連盟のワーキングペーパーの実施に相応しい環境を作り出すよう呼びかけた。

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イラン外務省報道官は、アラブ連盟の決議に関して「問題の正常化ではなく複雑化をもたらすだろう」と非難した。

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クウェートの『カバス』(11月15日付)は、クウェートでシリア人1人がスパイ容疑で逮捕されたと報じた。

レバノンの動き

レバノンのナジーブ・ミーカーティー首相は、エジプト、ヨルダン、EUの大使と相次いで会談し、アラブ連盟外相会議での対シリア決議にレバノン代表が反対票を投じたことに関して、アラブ諸国に反対したのではく、自国を守るためと説明したと『ナハール』(11月15日付)が報じた。

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ナビーフ・ビッリー国民議会議長は『ジュムフーリーヤ』(11月14日付)で、アラブ連盟はシリアに対する立場を改める必要があると述べた。

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進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は、アラブ連盟の決議をレバノンの代表が棄権したことに関して、「イエメンのアリー・サーリフと同じ態度をとるべきでなかった」と述べた。『ナハール』(11月14日付)が伝えた。

同記事によると、ジュンブラート党首はまた、「レバノンはシリアに関してアラブ・イニシアチブにコミットすることを声高に述べた方がよかった」としたうえで、「アラブ・イニシアチブがシリア救済を意味している」と述べた。

AFP, November 14, 2011、Akhbar al-Sharq, November 14, 2011, November 15, 2011, November 16, 2011、al-Ghad, November 15, 2011、al-Hayat, November 15, 2011, November 16, 2011、Kull-na Shuraka’, November 14, 2011、al-Liwa’, November 15, 2011、al-Nahar, November 14, 2011, November 15, 2011、Naharnet.com, November 14, 2011、al-Qabas, November 15, 2011、Reuters, November 14, 2011、SANA, November 14, 2011、Zaman al-Wasl, November 14, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アラブ連盟の決議をめぐって親・反体制勢力双方から激しい反応が巻き起こるなか、アサド政権は同連盟と緊急首脳会談の開催を求める(2011年11月13日)

反体制勢力の動き

エジプトでのアラブ連盟ナビール・アラビー事務総長との会談を終えた国民民主変革諸勢力国民調整委員会など国内の反体制勢力代表からなる使節団は、カタールのドーハを訪問した。

Kull-na Shurakā’, November 13, 2011
Kull-na Shuraka’, November 13, 2011

使節団は、ハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役、アブドゥルアズィーズ・ハイイル、サーリフ・ムスリム、ムンズィル・ハッルーム、ハーズィム・ナハール、ハイサム・マンナーアからなる。

シリア・アラブ人権機構代表で国民民主変革諸勢力国民調整委員会在外局長のマンナーア氏は、『ハヤート』(11月14日付)の取材に答え、シリア国民評議会、国民調整委員会、そして無所属の活動家らが反体制勢力の会合に出席し「次期段階におけるシリアの声を代表するための共通の枠組み」を構築すると述べた。

またシリア国民評議会を国際社会で唯一承認しているリビアから国民調整委員会が謝罪を受けたことを明らかにした。

シリア国民評議会と国民調整委員会の意見の相違に関して、マンナーア氏は「シリア国民評議会の結成のありようは、民主的ではなかった。シリアのロードマップを表明するための民主的な観点以上に、個人的、地域的、国際的な観点を考慮して発足された」と述べ、そのありようを批判した。

また「政権打倒を云々するだけでなく、計画を明示しなければならない。国家の形態やその性質を明示せねばならない。我々は外国の干渉に反対している。しかし評議会には、少なからぬメンバーがそれを体制を打倒する方法だと考えている」と述べ、対立点が外国の干渉の是非にあることを示唆した。

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オーストリアのウィーンで在外シリア人連盟の主催で、シリア国民評議会のメンバーなど80人が集まった。

Kull-na Shurakā’, November 13, 2011
Kull-na Shuraka’, November 13, 2011

会合では、在オーストリア・シリア人代表のアーミル・ハティーブ氏が、シリア国民評議会メンバー3人をカイロでの反体制勢力の会合に出席させると発表した。

3人とはアブドゥルバースィト・スィーダー、マフムード・カイラーニー、バドル・ジャームース。

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パリ在住の反体制活動家は、リフアト・アサド前副大統領がプルマン・ホテルで来世紀機構主催のもとに開かれた記者会見に抗議すべくピケを張った。

『クッルナー・シュラカー』(11月13日付)によると、リフアト・アサド前副大統領は、「クルド人分離主義者や治安機関に近い傭兵と国民連合評議会」という「反体制勢力」の発足を宣言するために記者会見を行った、という。

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国内で反体制活動を行うシリア国家建設潮流(ルワイユ・フサイン代表)は声明を出し、アラブ連盟の決議を非難した。

同声明で、シリア国家建設潮流は「シリア政府が受理した連盟イニシアチブを成功させるため、真剣に活動」するよう訴えた。

また、3日以内の連盟本部(カイロ)での反体制勢力による会合を呼びかけた決議の項目に関して、「アラブ連盟の保護のもとシリア領内ですべての反体制勢力が会合を開く必要がある。なぜなら、シリアの政治闘争は、広く知られた一部の反体制勢力に限られておらず、連盟と連絡をとっている組織の枠外にも多くの政治運動や活動家がいるからだ」と述べた。

そのうえで「一部の反体制勢力をシリア国民の合法的・唯一の代表などと承認すべきでない」と警鐘を鳴らした。

http://all4syria.info/web/archives/36423

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同じくシリア国内で反体制活動を行うシリア共産主義者統一国民委員会(解放改革国民戦線参加組織)のカドリー・ジャミール委員長は、アラブ連盟の決議に関して、「我々の国の主権に抵触しており、拒否されるべきもので、現下の危機を国際化し、植民地主義的干渉をもたらし、米・シオニズムの計略のもとにシリアの領土と国民を粉砕する」と強く非難した。

http://all4syria.info/web/archives/36517

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サラーム・カワーキビー氏は、「包括的な愛国観、親の民主的行動に依拠し、献身的な友人を励したいとの念により」発足以来関与してきたシリア国民建設潮流を離党すると発表した。

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またイヤード・シュルバジー氏もシリア国家建設潮流からの離反を発表した。

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ゴラン高原のヌアイム部族が声明を出し、アラブ連盟の決議を支持するとともに、シリア国民評議会を「自由シリア国民の代表」と讃えた。

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リフアト・アサド前副大統領はAFPおよび『ル・モンド』との共同会見で、アサド大統領退任に協力するための条件をアラブ世界および国際社会に対して明らかにした。

それによると、リフアト・アサド前大統領は以下のように述べたという。

「解決策は、アラブ諸国がバッシャール・アサドに安全を保障したうえで辞任させ、財政支援(力)があり、バッシャールの集団が続くことを保証できる人物に権力を移譲することがその秘訣であり、そのような人物は、彼自身の家族…つまり、私か私のような人物でなければならない」。

また「(シリアの現)体制は退任の用意がある。しかし体制はその構成員だけの(身の安全の)保証だけでなく、退任後に少数派のアラウィー派と多数派のスンナ派の間で内戦が発生しないことの保証も望んでいる」と述べた。

さらに反体制勢力内部、アラブ連盟内部の意見の対立に関しては、西側諸国、ロシア、イランが参加したかたちで「政府との交渉能力を持った…国際的・アラブ的な同盟を作る必要があり…、体制に退任のための真の保証を作り出さねばならない」と述べた。

アサド大統領の指導力に関しては、アサド大統領のみが国を運営でき、陰の長がいるとの一部見方を否定した。

軍や治安機関の中枢に多いアラウィー派に関しては、「アラウィー派の士気は停滞しており、彼らはバッシャールへの信頼を失い、危機脱却能力を持っていないと考えている。しかし、(政権からの)報復への恐怖が彼らに沈黙を強いている」の述べた。

アラブ連盟の決議については、その能力に疑義を停止、国連などが事態収拾を主導すべきだとの立場を明示した。

アサド家の面々が権力の在にとどまることを「シリア革命」が制限するか、との問いに対して、「制限するだろう。だがバッシャールはカッザーフィー、ベンアリーとは違う。だから国際社会は彼とその家族に安住の地を与えねばならず、紛争が長期化すれば、内戦になる恐れがある」と答えた。

リフアト・アサド前大統領は会見の最後に、自身を代表とする新たな「反体制」組織、民主国民評議会の発足を宣言した。同組織は、自身が指導する統一民族民主主義連合のメンバーなどからなる。

アサド政権の動き

SANA(11月13日付)は、早朝から、ダマスカス県、アレッポ市、タルトゥース市、ラタキア市、ハサカ市、ダルアー市、ラッカ市、ダイル・ザウル市、ヒムス市、ハマー市、イドリブ市など各地で市民数百万人が、シリアの加盟資格停止などを定めたアラブ連盟の決議拒否を表明するため大規模なデモを行ったと報じた。

SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011

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SANA(11月13日付)は、シリア高官筋の話として、シリアがアラブ連盟緊急首脳会談の開催を求めた、と報じた。

同高官はまた、アラブ連盟外相会議の決議に基づきシリアの加盟資格停止が発効する「16日までにアラブ連盟閣僚委員会の訪問を歓迎」するとともに「相応しいと判断し得る監視団、民間・軍事監視団の随行」を認めるとの立場を示したという。

ユースフ・アフマド・アラブ連盟シリア代表はカイロでの記者会見で、緊急首脳会談を求めると述べたが、連盟筋によると「そうした要請はいまだ提出されていない」という。

この点に関して、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は訪問中のトリポリ(リビア)で、「シリア国民保護のためのしくみを準備することが現在、連盟に求められている」と述べ、詳細なコメントを控えた。

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シリア・オリンピック委員会はカタールのドーハで12月に予定されている大会への参加を辞退することを決定した。シリア・アラブ・テレビ(11月13日付)が報じた。

反体制運動掃討

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で治安部隊がアサド政権支持のデモに対抗して敢行された反体制デモに発砲し、6人を殺害した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、複数の学生がタカーヤー通りでのアサド政権支持デモのなかで反体制デモを行おうとして、治安部隊に排除され、その際、15歳の学生が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、治安部隊の発砲で市民1人が殺害された。

またイブリーン地方アブディーター村で軍・治安部隊と離反兵の間で激しい戦闘があった。この戦闘の直前、バーラ村にある軍・治安部隊の検問所で時限爆弾が爆発したという。

さらにマアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村でアラブ連盟の決議を支持し、政権打倒を求めるデモが発生した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市カイロ通りで治安部隊の発砲により重傷を負っていた市民1人が死亡した。またバイヤーダ地区では2人、ジュッブ・ジャンダリー地区で1人が殺害された。

また市内のバアス大学土木工学部構内でRPB弾が発射され、複数の学生が負傷した。

クサイル市では、離反兵と思われる武装集団が治安部隊を襲撃し、治安部隊兵士2人を殺害した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市やヤードゥーダ村で治安部隊が大規模な逮捕・追跡活動を行い、複数が逮捕され、複数が負傷した。

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アレッポ県では、シリア人権擁護連盟によると、アレッポ市教育局次長事務局のワッダーフ・スバーヒー氏を逮捕し、当局は反体制活動家で同氏の兄弟アブドゥルガニー・スバーヒー氏が投降しない場合、その家族を殺害すると脅迫した。

レバノンの動き

ベイルート県ハムラー地区で在レバノン・シリア人がアラブ連盟の決議に抗議するデモを行った。

SANA, November 13, 2011
SANA, November 13, 2011

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ミシェル・スライマーン大統領は北部県トリポリ市を訪問し、自身がいかなるアラブ諸国の孤立を拒否するが、アラブ連盟の決議に反対していないと述べた。

またアサド大統領に対してアラブ連盟のイニシアチブを実行するよう求めたと述べた。

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ナビーフ・ビッリー国民議会議長は、サウジアラビアのアブドゥッラー国王に対して電報で、「アッラーを除いた場合、あなた以外にシリア人どうし、そしてアラブ人どうしの和解を後押しできる人物を見つけることはできない」とのメッセージを送り、アサド政権への強硬な姿勢を改めるよう暗に求めた。

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3月14日勢力は、アラブ連盟の決議を受け、ミシェル・フーリー在ダマスカス・レバノン大使を召還するよう求めた。

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『アンバー』(11月13日付)は、米国がレバノンに対して、シリア人避難民の追放など「消極的な結果をもたらす」ような行動をとらないよう警告を発したと報じた。

アラブ諸国によるアラブ連盟決議への消極的姿勢

アルジェリアのムラード・マドリスィー外務大臣とエジプトのムハンマド・カーミル・アムル外務大臣と会談した。

会談後の記者会見で、マドリスィー外務大臣は、アラブ連盟の決議に関して、「シリアのアラブ連盟資格停止が一時的なものであり、可能な限り早期に解除し得る」と述べるとともに、アルジェリアが在ダマスカス大使を召還しないことを明らかにした。

またマドリスィー外務大臣は、「もし原案のまま決議案が提出されていたら、我々は撤退していた」と述べ、大使召還などをめぐる決議案の文言にアルジェリアが強く反対し、連盟閣僚委員会からの撤退さえ検討していたことを明らかにした。

一方、アムル外務大臣は、「アラブ連盟のイニシアチブが依然として生きており、シリアの問題を解決基礎であり続けている」と述べ、エジプトがアルジェリアとともに、外国の介入を回避することを最優先の目的としていたことを明らかにした。

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イラク政府はアラブ連盟の決議を「受け入れられないこと」と非難した。

アリー・ダッバーグ首相報道官は、決議が「受け入れられないかたちで決せられた。こうしたことはシリアよりも激しい危機に見舞われている他の国では採用されたことがない」と述べたうえで、「我々は反体制勢力との対話、シリア国民の自由を支持している…。しかしこのような厳しい方法は問題を国際化するだけだ」と非難した。

イラクの法治国家連合はアラブ連盟の決議を「外国の計略を実行する」ためのものと非難した一方、イラーキーヤ、クルディスタン同盟は、決議を支持し、イラクが棄権したことを批判した。

諸外国の動き

サウジアラビアは、ダマスカスのサウジアラビア大使館を市民が包囲し、投石などを行ったことに関して、治安当局がデモ排除など充分な措置をとらなかったと非難した。

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フランス外務省もまた、ダマスカスのフランス大使館、アレッポ、ラタキアの領事館を市民が襲撃したことを受け、ラミヤー・シャックール在パリ・シリア大使を呼び出した。

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トルコ外務省は在アンカラ・シリア大使を呼び出し、ダマスカスのトルコ大使館、アレッポ、ラタキアの領事館を市民が襲撃したことに関して、厳重抗議した。

また外務省はアラブ連盟の決議に関して声明を出し、国際社会が「声を一つにして」シリア情勢に対応するよう呼びかけた。また、ダマスカス県のトルコ大使館がアサド政権を支持する市民の包囲・襲撃を受けたことを受け、シリア在住のトルコ人に対して、不要不急の渡航・滞在を控えるよう勧告を発し、大使館職員の家族らを帰国させた。

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国連の潘基文事務総長はアラブ連盟の決議に関して「協力で勇敢」な措置と評価した。

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カイロ、アンマンのシリア大使館周辺では、アラブ連盟の決議を支持するデモが行われ、数百人が参加した。

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ヨルダン・ムスリム同胞団のイスラーム行動戦線は、ヨルダン政府に駐シリア・ヨルダン大使の召還を呼びかけた。

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『リヤード』(11月13日付)は、アラブ連盟の決議に伴うシリアとサウジアラビアの関係悪化に伴い、シリア経由の物流が滞る可能性があると指摘。

ただし、同報道によると、現在のところシリアからの物流は通常通りで、約600輌の大型貨物車輌が30,000トンの製品を毎日サウジに搬入している、という。

AFP, November 13, 2011、Akhbar al-Sharq, November 13, 2011, November 14, 2011、al-Anba’, November 13, 2011、al-Hayat, November 14, 2011、Kull-na Shuraka’, November 13, 2011, November 15, 2011、Naharnet.com, November 13, 2011、Reuters, November 13, 2011、al-Riyad, November 13, 2011、SANA, November 13, 2011などをもとに作成。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

アラブ連盟がシリアの連盟加盟資格を停止する決議を18か国賛成のもとで可決、米・英・仏はいずれもこれを歓迎(2011年11月12日)

シリア・アラブの春(シリア革命2011)顛末記

2011年11月12日のシリア情勢

アラブ連盟をめぐる動き

アラブ連盟外相会議は、11月16日にシリアのアラブ連盟における加盟資格を停止し、連盟のワーキングペーパーが完全に履行されるまで連盟関連の会合への出席を停止するとともに、加盟国に対して駐シリア大使の召還を呼びかける決議を18カ国の賛成のもとに可決した。

SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011

決議ではまた、「シリアのすべての反体制勢力に対して、シリアにおける今後の過渡期に関する統一のビジョンに合意するため3日間の会合をアラブ連盟本部で開催するよう呼びかけ、連盟閣僚委員会は、会合の結果を見て、シリアの反体制勢力の承認が妥当かを決定する」ことが定められた。

さらに決議は、関連するアラブ諸機関を通じた民間人保護の拡充、暴力が停止しない場合の連盟事務局長による国連など国際人権諸機関への報告を求めるとともに、シリア軍に暴力停止を呼びかけた。

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アラブ連盟外相会議決議の全文は以下の通り:

إن مجلس جامعة الدول العربية على المستوى الوزاري في جلسته المستأنفة للدورة غير العادية بتاريخ 12/11/2011 بمقر الأمانة العامة

وبعد اطلاعه على تقييم اللجنة العربية الوزارية لما آلت إليه الأوضاع في سورية،

وبعد استماعه إلى تقرير الأمين العام، ومداخلة وفد الجمهورية العربية السورية، ومداولات السادة الوزراء ورؤساء الوفود.

ونظرا?? لعدم التزام الحكومة السورية بالتنفيذ الكامل والفوري لمبادرة جامعة الدول العربية التي اعتمدها مجلس الجامعة على المستوى الوزاري في اجتماعه الذي عقد يوم 2/11/2011

يقرر:

1- تعليق مشاركة وفود حكومة الجمهورية العربية السورية في اجتماعات مجلس جامعة الدول العربية وجميع المنظمات والأجهزة التابعة لها اعتبارا?? من يوم 16/11/2011 وإلى حين قيامها بالتنفيذ الكامل لتعهداتها التي وافقت عليها بموجب خطة العمل العربية لحل الأزمة السورية والتي اعتمدها المجلس في اجتماعه بتاريخ 2/11/2011

2- توفير الحماية للمدنيين السوريين وذلك بالاتصال الفوري بالمنظمات العربية المعنية، وفي حال عدم توقف أعمال العنف والقتل يقوم الأمين العام بالاتصال بالمنظمات الدولية المعنية بحقوق الإنسان بما فيها الأمم المتحدة وبالتشاور مع أطياف المعارضة السورية لوضع تصور بالإجراءات المناسبة لوقف هذا النزيف وعرضها على مجلس الجامعة الوزاري للبت فيها في اجتماعه المقرريوم 16/11/2011

3- دعوة الجيش العربية السوري إلى عدم التورط في أعمال العنف والقتل ضد المدنيين.

4- توقيع عقوبات اقتصادية وسياسية ضد الحكومة السورية.

5- دعوة الدول العربية لسحب سفرائها من دمشق مع اعتبار ذلك قرارا?? سياديا لكل دولة.

6- دعوة جميع أطراف المعارضة السورية للاجتماع في مقر الجامعة العربية خلال ثلاثة أيام للاتفاق على رؤية موحدة للمرحلة الانتقالية المقبلة في سورية، على أن ينظر المجلس في نتائج أعمال هذا الاجتماع ويقرر ما يراه مناسبا?? لشأن الاعتراف بالمعارضة السورية.

7- عقد اجتماع على المستوى الوزاري مع كافة أطراف المعارضة السورية بعد توصلهم إلى الاتفاق كما جاء في سادسا??.

8- بقاء المجلس في حالة انعقاد دائم لمتابعة الموقف.

(ق : رقم 7438 – د.غ.ع.م – 12/11/2011)

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アラブ諸国外相は、11月16日にモロッコのラバトでトルコを交えて会合を開き、民間人保護などに関して審議を行う予定である。

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会合は非公式で行われたが、シリアへの強硬姿勢への是非をめぐって紛糾、エジプト、スーダン、アルジェリア、オマーン各国の外務大臣とナビール・アラビー事務総長が別途協議し、制裁まで4日間の猶予を与えるという追加提案を行った。

その後も審議が混迷を続けたため、採決となった。

アラブ連盟の加盟資格停止は当事国を除く参加国(22カ国・1機関)の3分の2以上の賛成が必要で、採決ではレバノン、イエメンが反対票を投じ、イラクが棄権した。

当初、決議案に反対すると見られていたスーダンとアルジェリアは賛成にまわった。

なおアラブ連盟憲章第12条、第18条によると、連盟憲章の義務を守らない国の除名や加盟資格停止は連盟参加国の「合意」に基づき決せられると定めており、採決でシリアの加盟資格を停止した今回のアラブ連盟の決議は明らかに憲章に反している。

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会議後、議長を務めたカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は、決議が「完全にアラブ的」であると強調し、飛行禁止空域や軍事介入に関して「会合で決して審議されなかった」と強調した。

また加盟資格凍結などの制裁に関しては「我々は、彼らが誓約を履行し、我々がそれを支援できるよう、彼らに今月16日まで猶予を与えている」と述べた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会執行部情報課声明は声明を出し、アラブ連盟の決議を歓迎した。

同声明において、評議会は、決議を「正しい方向へのステップ」と評し、「シリア国民を支持したすべてのアラブ諸国、カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣を議長とする外相委員会への謝辞」を示すとともに、「サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣の参加への評価」を表明した。

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トルコのアンタルヤを拠点とする反体制勢力、シリア変革大会は声明を出し、アラブ連盟の声明を歓迎した。

同声明でシリア変革大会は、アラブ連盟による反体制勢力の会合呼びかけを評価し、参加の意思を表明するとともに、シリアの今後の過渡期をめぐる統一ビジョンに達することを目指すと表明した。

アサド政権の対応

SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011

SANA(11月12日付)はアフマド代表は決議を「違法で、連盟の憲章と内規に反している」と述べたと報じた。

同報道によると、アフマド代表は、外相会議の冒頭で、シリアが連盟のワーキングペーパーを「遵守」し、「そのすべての条項の実施し続けている」と述べた。

都市部などからの軍の撤退に関しても、武装集団が重火器を駆使した攻撃を継続しているなかで、撤退プロセスを完了し、軍に代わって治安維持部隊が展開していると説明した、という。

また逮捕者釈放に関しては、553人を既に釈放したほか、段階的に釈放を行っていくと述べた。

SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011

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『ハヤート』(11月13日付)によると、決議採択後、アフマド・シリア代表は記者会見を行い、決議に関して「シリアのことを何ら配慮しておらず、その価値は決議を綴る際に用いられたインクにも劣る」と非難した。

そのうえで、GCC諸国に関して「これらの国は連盟の会合前に会合を開き、決議を携えてやってきた…。連盟は外国のアジェンダや外国の介入を実施するためのツールに成り下がった…。シリアが被害を受ければ、それは近隣諸国に波及する」と述べた。

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SANA(11月12日付)は、アラブ連盟での決議採択直後、ダマスカス県、ラタキア市、タルトゥース市、ハサカ市など各地で、決議に反対し、アサド政権による改革の支持を訴えるデモが発生し、数万人の市民が参加したと報じた。

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アラブ連盟での決議採択を受け、ダマスカス県のサウジアラビア、カタール、フランス、トルコの大使館が市民数千人がによって包囲され、投石などを受けた。またアレッポ市、ラタキア市ではフランス、トルコの領事館が同じく市民によって包囲され、投石などを受けた。

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バアス党員のジャマール・マフムード博士はドゥンヤー(11月12日付)のインタビューで、アラブ連盟の決議採択を受け、ウルーバ(アラブ民族性)とアラブの祖国の思想を蜂起し、ビラード・シャーム、大シリアの地図を念頭に置くべきだと発言した。

反体制運動掃討

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で女性1人を含む4人が治安部隊に殺害された。

また前日に治安部隊の発砲で重傷を負っていた2人がヒムス市で死亡した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市で1人が治安部隊に殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、兵士50人から60人が離反した。

またシリア人権監視団によると、離反兵と思われる武装集団が治安部隊のバスを襲撃し、9人を殺害した。

またサラーキブ市では、バスが襲撃され、兵士1人と大尉の妻が殺害されたという。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市クナイニス市で先週逮捕された市民の遺体が家族に引き渡され、葬儀の参列者が反体制デモを行った。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は、アラブ連盟の決議を「さらなる外交的孤立」をもたらす動きと歓迎した。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、アラブ連盟のメッセージを聞いた国際機関が暴力停止と民間人の保護のための行動をただちにとり、シリアの政治的転換が始まる」ことを望むと述べた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アラブ連盟の「決断」を高く評価した。

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EUの外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会報道官も、アラブ連盟の決定に支持を表明した。

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レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は、アラブ連盟の決議に関して、「事態をさらに複雑化させ、地域に安定、治安をもたらさないだろう」と述べた。NNA(11月13日付)が報じた。

同報道によると、マンスール外務大臣は、連盟の非公式会合において、「最初の会合から、一部の当事者にシリアの連盟加盟資格を停止しようとする意図があった」と非難した、という

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レバノンの3月14日勢力のファーリス・スアイド事務局長が記者会見を行い、ナジーブ・ミーカーティー内閣に対して、シリア人避難民への避難場所と人道援助を行うよう求めた。

スアイド事務局長はまた、3月14日勢力の使節団が北部県バトルーン郡、北部県アッカール郡ワーディー・ハーリド地方でシリア人避難民の避難状況を視察し、シリア人避難民を保護しているレバノン人住民が嫌がらせを受けていると警鐘を鳴らした。

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SANA, November 12, 2011
SANA, November 12, 2011

ヨルダンのアンマンで、アサド政権を支持するヨルダン人数十人(レジスタンス支持人民委員会)が、ジャズィーラやアラビーアと事務所などが入ったビルの前で「プロ意識と公正さを欠き、偏った」立場を非難するための座り込みを行った。

デモの参加者が両テレビ局の職員を「シオニストの手先、裏切り者」と非難するシュプレヒコールを連呼すると、職員らが「シャッビーハ、シャッビーハ」と応酬し、デモ参加者が事務所内に進入し、小競り合いとなった。

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SANA(11月12日付)は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣がトルコと米国で活動する反体制勢力に関して、対話開始をめぐるあらゆる提案を拒否するその姿勢を理解、支持できないと述べたと報じた。

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ロシア正教会のキリロス総大主教がシリア、レバノン歴訪のためダマスカスに到着した。

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UAE外務省は、シリア在住のUAE国民に対して退避勧告を発した。

Akhbar al-Sharq, November 12, 2011, November 12, 2011、AFP, November 12, 2011、al-Dunya, November 12, 2011、al-Hayat, November 13, 2011, November 14, 2011、Kull-na Shuraka’, November 12, 2011、Naharnet.com, November 12, 2011、NNA, November 12, 2011、Reuters, November 12, 2011、SANA, November 12, 2011などを参照。

(C)青山弘之All rights reserved.

各地で衝突が発生し死傷者が出るなか、アラブ連盟閣僚委員会にてシリアに対する連盟加盟資格凍結などさらなる強い制裁が提案される(2011年11月11日)

アラブ連盟をめぐる動き

アラブ連盟閣僚委員会はカイロのホテルでシリア問題への対応を事前協議した。

委員会に近い消息筋によると、協議では、12日(土曜日)に予定されている連盟の外相会議で、連盟のワーキングペーパーの実施状況に関するアラブ・国際監視団の派遣をシリアに対して求めること、ワーキングペーパーの即時実施を求めるため連盟加盟資格凍結などさらなる強い制裁を科すことが提案された。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、国外で活動する二つの反体制組織、シリア革命総合委員会とシリア国民評議会の使節団とそれぞれ会談した。

シリア国民評議会の使節団メンバーの一人バスマ・カドマーニー書記官は、会談で、シリアのアラブ連盟加盟資格停止、あらゆる合法的手段を通じた民間人保護、アラブ・国際監視団のシリアへの派遣を求めた、と述べた。

シリア革命総合委員会の使節団を率いるハリール・ハーッジ・サーリフ氏は、会談で書簡を提出し、アラブ連盟のワーキングペーパーの完全履行、とりわけ民間人の保護、連盟加盟資格停止、駐シリア大使の召還、シリア国民評議会の承認を求めた、と述べた。

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「アフバール・シャルク」(11月11日付)は、アラブ諸国内にアサド政権への強硬姿勢、とりわけ加盟資格停止といった措置に反対する国が依然として多くあると報じた。

同報道によると、これらの国は、サウジアラビアなどGCC諸国が進める強硬姿勢が西側のアサド政権への圧力を増長させ、内政干渉をもたらすと懸念しているという。

アサド政権の動き

SANA(11月11日付)は、ユースフ・アフマド・アラブ連盟シリア代表がアラビー事務総長宛に対して、シリア政府がアラブ連盟代表団の訪問を歓迎し、その活動に完全に協力すると伝えるとともに、連盟のワーキングペーパーを遵守していると報告したと報じた。

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SANA(11月11日付)は、シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表が11日(米東部標準時で10日)の安保理会合において、「国際社会は、武力紛争における民間人保護の問題に関して、恣意的、選択的であってはならず、武装紛争のみに限定されるべき」と述べ、シリア内政への干渉に改めて異議を唱えた。

また「イスラエルの占領下にあるパレスチナ人、シリア人、レバノン人民間人の保護こそが国際社会の努力が向けられるべき主要な問題だ」と述べた。

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『スィヤーサ』(11月11日付)は、ムーサ・ムスリム在クウェート・シリア領事がクウェート国内の商況機関などを秘密裏に訪問し、反体制的な立場の駐シリア人を監視していると報じた。

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『フィナンシャル・タイムズ』(11月11日付)は、シリア政府がロイヤル・ダッチ・シェル社とフランス石油(TOTAL)に対して、国内で生産された石油の代金の支払いを停止したと報じた。

反体制デモ

Kull-na Shurakā’, November 11, 2011
Kull-na Shuraka’, November 11, 2011

各地で金曜日の礼拝後に反体制デモが発生し、治安部隊が弾圧、複数の活動家・目撃者によると19人が殺害された。

また反体制活動家は、ヒムス県、ダルアー県、ダマスカス郊外県、ダイル・ザウル県などでゼネストを行う商店に軍・治安部隊が発砲したと述べたが、祭日にあたる金曜日のシリアではほとんどの商店は閉店している。

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ヒムス県では、国内調整諸委員会など複数の活動家によると、ヒムス市バイヤーダ地区で軍・治安部隊が迫撃砲などを発射し、激しい爆発音が聞こえた。

シリア革命総合委員会によると、治安部隊はまた、大規模な逮捕・追跡・掃討活動を行い、バイヤーダ地区、カラム・ザイトゥーン地区、ナーズィヒーン地区などで多数が逮捕された。

またシリア人権監視団、国内調整諸委員会によると、ヒムス市ではインシャーアート地区、ハムラー地区、クスール地区、バーブ・ドゥライブ地区、ジュッブ・ジャンダリー地区、バーブ・スィバーア地区、同市郊外のフーラ地方など大規模な反体制デモが行われた。

しかしSANA(11月11日付)は、ヒムス市バイヤーダ地区で武装テロ集団が治安維持部隊に発砲し、2人が負傷したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権機構、シリア人権監視団によると、1人が治安部隊に射殺された。

Facebook
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またシリア人権監視団によると、イドリブ市で反体制デモが発生し、治安部隊に強制排除された。このほか、活動家によると、カフルルーマー村でも治安部隊が市民に発砲した。

しかしSANA(11月11日付)は、マアッラト・ヌウマーン市近郊のハーッス村で治安部隊が武装テロ集団が戦闘し、後者の戦闘員を多数逮捕、逮捕したと報じた。また同地方マアッルディブサ村で市民が1人武装テロ集団に殺害された。

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ダマスカス県では、複数の活動家によると、カダム区などに治安部隊が展開し、デモ発生に警戒し、約20人を逮捕した。

複数の活動家によると、マイダーン地区、ザーヒラ地区、バルザ区でデモが発生した。

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ダマスカス郊外県では、複数の活動家によると、サクバー市でデモ発生を阻止するため、治安部隊がモスクに突入した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で反体制デモが発生し、治安部隊に強制排除された。

またシリア革命総合委員会によると、ダイル・ザウル市、ブーカマール市でのデモに対する治安部隊の弾圧で、複数が死傷した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ジャースィム市で反体制デモが発生し、治安部隊に強制排除された。

またダルアー市のアマル病院、ウマリー・モスク周辺で激しい戦闘があり、市民が多数逮捕された。このほかヒルバト・ガザーラ町でも治安当局により市民が逮捕された。

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ラタキア県では、シリア革命総合委員会によると、ジャブラ市でのデモに対する治安部隊の弾圧で、複数が死傷した。

またラタキア市のオガレット広場でもデモが発生し、治安部隊が強制排除した。

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ハサカ県では『クッルナー・シュラカー』(11月11日付)は、カーミシュリー市、アームーダ市、ダルバースィーヤ市、ラアス・アイン市、ダイリーク市で大規模な反体制デモが行われた。

このデモはクルド人青年、調整組織、シリア・クルド・イェキーティー党(ハサン・サーリフ)、シリア・クルド民主党(ムハンマド・イスマーイール)などが呼びかけ、約15,000人が参加した。しかしクルド民族主義政党の一部はデモへの参加と協力を拒否した。

また『クッルナー・シュラカー』(11月11日付)によると、カーミシュリー市のアッシリア教徒青年は反体制デモに参加した。

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SANA(11月11日付)は、ハマー県ムハルダ市近くで武装テロ集団が市民を襲撃し、女性1人を含む3人が殺害されたと報じた。またダイル・ザウル市、ダマスカス郊外県、ダルアー県、ハマー県などで時限爆弾が発見され、爆弾処理班が解除したと報じた。

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フェイスブックの「シリア革命2011」などでは、「加盟資格停止の金曜日」と銘打って反体制デモが呼びかけられていた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は、イタリアのローマで開かれた民主主義と未来」大会で、アラブ諸国に対して、駐シリア大使の召還を呼びかけた。

シリア国家建設潮流はカイロで記者会見を開き、アラブ連盟のアラビー事務総長との会談で国内の反体制勢力使節団が提示した書簡の内容を明らかにした。

同声明によると、使節団はアラブ連盟のワーキングペーパーの実施状況をフォローアップするための常駐事務所のダマスカスでの設置などを求めた。

全文はhttp://all4syria.info/web/archives/36056を参照。

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Akhbar al-Sharq, November 11, 2011
Akhbar al-Sharq, November 11, 2011

国内の反体制勢力使節団に参加した国民民主諸勢力国民調整委員会メンバーのサミール・イータ氏(『ルモンド・ディプロマティーク』アラビア語版編集長)は『ラアユ』(11月11日付)に対して、アラブ連盟のアラビー事務総長との内容を明らかにした。

同報道によると、使節団は会談で、シリア情勢を監視するための人権メディア委員会の設置などが話し合われた。

またイータ氏によると、国民調整委員会は、アサド政権との対話を拒否しており、またシリア国民評議会との意見の相違が、「バッシャール・アサド退任の方法をめぐる」ものだとしたうえで、シリアのアラブ連盟加盟資格の停止に疑義を呈した。

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自由シリア軍をトルコで指導するリヤード・アスアド大佐はBBC(11月10日付)のインタビューに応え、自身がトルコで避難しているにもかかわらず、外国からの支援は受けていないと述べた。

同大佐によると、自由シリア軍は士官約100人を含む15,000人の兵士からなっており、そのほとんどがトルコ国境で活動し、作戦はインターネットや衛星電話を通じて調整されている、という。

また「シリア革命の軍事化」に拒否の姿勢を示し、自由シリア軍が現在までのところ、民間人の義勇兵としての参加を拒んでいるが、近い将来、民間人を受け入れる可能性を否定していないと述べた。

またアスアド大佐は『ミッリーイェト』(11月11日付)のインタビューに応え、22の「師団」がアサド政権と戦っており、彼らは国内で武器を入手したと述べた。

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シリア国民評議会執行部メンバーのサミール・ナッシャール氏(イスラーム民主無所属潮流)とファールーク・タイフール氏(シリア・ムスリム同胞団)は自由シリア軍司令官でトルコに避難中のリヤード・アスアド大尉と会談した。シリア国民評議会事務局情報課のリーマー・フライハーン氏が声明で明らかにした。

会談において、ナッシャール氏らは、デモ参加者への発砲を拒否し離反した自由シリア軍の立場を支持、両者の政治的立場の統一や支援にシリア国民評議会に関心を示している旨伝えた。一方、自由シリア軍は、シリア国民評議会の政治的なビジョンに従うことを表明した。

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ハーフィズ・アサド前政権時代に閣僚を務めた経験を持つアスアド・ムスタファー元ハマー県知事は、アラビーアのインタビューに応え、「バッシャール・アサド大統領は政権に就いて以来、何らの約束も履行しておらず、改革を求める人々に背いてきた」と批判した。

そのうえでムスタファー氏は、「国民は政権交代、自由の保障、民主主義的雰囲気、立憲議会を心から欲している」と述べ、アサド大統領に退任を求めた。

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クウェートの『ワタン』紙はタイイブ・ティーズィーニー氏(社会学者)がインタビュー(電話取材)で、「シリアの衰退を回避して救済し、外国の干渉や外国による解体を免れるため、シリアの体制には去り、改革を主唱するそれ以外の者にチャンスを与える以外にない」と述べたと報じた。

また「戦車、迫撃砲による砲撃が続くなかで体制と交渉・対話はできない。すべてを所有し、すべてにおいて腐敗した者がいるため、改革の前に道は閉ざされている」と政権を厳しく批判した。

国内で活動してきたティーズィーニー氏がアサド政権の退任を主張するのはこれが初めて。

諸外国の動き

ヒューマン・ライツ・ウォッチはヒムスでの弾圧に関して報告書を発表し、「人道に対する罪」が行われていると非難した。

http://www.hrw.org/news/2011/11/11/syria-crimes-against-humanity-homs

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『ナハール』(11月11日付)は、米国財務省のダニエル・グラザー財務次官補がナジーブ・ミーカーティー首相、リヤード・サラーマ・レバノン中央銀行総裁らと会談し、シリアとの送金に関する技術的な問題に関して意見が交換され、レバノンの「銀行セクターがいかなる制裁の対象ともならない」ことが確認されたと報じた。

しかし『リワー』(11月11日付)は、ミーカーティー首相、サラーマ総裁らとの会談で、「シリアへの送金がレバノンを通じて行われたら、国際社会はレバノン中央銀行への直接的制裁に躊躇しないだろう」と圧力をかけたと報じた。

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『サフィール』(11月11日付)は、レバノンのナビーフ・ビッリー国民議会議長が「レバノンは(シリアでの)改革実施を支持している。(シリア)政府は改革を実施せねばならない。ゆえにいかなる否定的な要因をも排除して、改革を行わせるための機会が与えられねばならない」と述べ、12日のカイロでのアラブ連盟外相会議でアサド政権に圧力をかけるようないかなる決定にも反対する意思を示した。

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レバノンの地元消息筋によると、シリア・レバノン国境(北部県アッカール郡にシリア軍が敷設した地雷で、レバノン人1人(イマード・ハーリド・ウワイシー氏)が負傷した。

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『ナハール』(11月11日付)は、レバノン軍高官筋が、レバノン国内でシリアの反体制活動家が誘拐されたことはないと述べたと報じた。

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イタリアの通信監視会社Area SpA社のアンドレア・フォルマンティCEO会長は、数ヶ月前から同社職員が現在シリアに駐在しておらず、シリアとの契約解消を検討していると述べた。

同社は、ブルームバーク(11月4日付)が、シリアのムハーバラートのため反体制運動を監視するためのシステムを導入したと報じていた。

Akhbar al-Sharq, November 11, 2011、AFP, November 11, 2011、Alarabia.net, November 11, 2011、BBC, November 11, 2011、The Financial Times, November 11, 2011、Kull-na Shuraka’, November 11, 2011, November 11, 2011、al-Hayat, November 12, 2011、al-Liwa’, November 11, 2011、al-Nahar, November 11, 2011、Naharnet.com, November 11, 2011、al-Ra’y, November 11, 2011、Reuters, November 11, 2011、al-Safīr, November 11, 2011、SANA, November 11, 2011、al-Siyasa, November 11, 2011、UPI, November 11, 2011、al-Watan (Kuwait), November 11, 2011などを参照。

 

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アラブ連盟事務総長がシリア国内で活動する反体制勢力の使節団と前日に引き続き会談、米国務次官補が同国上院の公聴会でアサド政権を「地域の安定に対する危険な要因」と描写(2011年11月10日)

反体制勢力の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長はシリア国内で活動する反体制勢力の使節団と改めて会談した。

使節団は、国民民主諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役とシリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表、リーム・トゥルクマーニー氏、そして無所属のムンズィル・ハッルーム氏、ハーズィム・ナハール氏、ミシェル・キールー氏、サミール・イータ氏からなっていた。

会談は9日のアブドゥルアズィーム総合調整役とアラビー事務総長の会談に続き2回目。

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シリア国家建設潮流のフサイン代表は、『ハヤート』(11月11日付)に対して、「国際的保護を含むいかなる措置も、シリア情勢の国際問題化と軍事的介入をもたらす」とアラビー事務総長に述べたことを明らかにした。

また「我々は民間人の保護が…安保理を通じて行われると…直接軍事介入の余地を与えると見ている」と述べた。

さらに、飛行禁止空域に関しては、「我々はこれを支持しない…。それは軍事介入につながり、さらなる犠牲をもたらすからだ」と続けた。

一方、シリア国家建設潮流は声明を出し、9日に使節団が暴行を受けた後、アブドゥルアズィーム総合調整役が単独でアラビー事務総長と会談したことに反対していたことを明らかにした。

同声明によると、「会談直前、合同使節団メンバーは多くの点で合意に達することができなかったが、国民調整委員会指導部は単独で会合にのぞむと主張した。調整委員会はアラブ連盟事務局長との会談が局長側の呼びかけによると考えているが、実際は逆である…。使節団は…、サミール・アティーヤ、ムンズィル・ハッルームが委員会の立場を受け入れられないとの理由で使節団から身を引いたのちに単独でなされた。またそれゆえ、ミシェル・キールー、ハーズィム・ナハールらも行かなかった…」。

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アブドゥルアズィーム総合調整役は、カイロで声明を出し、国民調整委員会やシリア国家建設潮流がアサド政権と結託しているとの一部非難に関して、「そのようなことは聞いたこともない。我々と政府との間にいかなる接触もない」と述べた。

またアラブ連盟におけるシリアのメンバーシップ凍結に関しては、「この問題については議論しなかった」と述べた。

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RT(11月10日付)、Damas Post(11月10日付)によると、シリア・アラブ人権機構のハイサム・マンナーア氏は、アラブ連盟本部前での暴行事件(9日)に関して「恥ずべき行為で話題にしたくもない」と非難した。

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SANA(11月10日付)は、国民民主諸勢力国民調整委員会、シリア国家建設潮流などからなる使節団がアラビー事務総長との会談後、記者団に対して、外国の干渉拒否の姿勢を表明したと報じた。

反体制勢力掃討

各地でデモ参加者と治安部隊が衝突、また各地で治安部隊による大規模な逮捕・追跡作戦が行われ、30人以上が死亡した。

在外の反体制勢力は10日にゼネストを呼びかけていた。

複数の活動家によると、ハマー、イドリブ、ダルアー、ダマスカス郊外などシリア国民総合委員会の呼びかけに応じるかたちでゼネストが行われた、という。

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ヒムス県では、ヒムス市で、8歳の少女1人を含む14人が殺害された。

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SANA(11月10日付)は、イドリブ県ジスル・シュグール地域のマアラカ村で、武装テロ集団が仕掛けた爆弾が爆発し、少年二人が巻き沿えとなって死亡したと報じた。

また同地域クファイル村で、武装テロ集団の襲撃で、軍・治安部隊兵士2人が死亡した。

さらにハーン・シャイフーン市では武装テロ集団がしかけた爆弾が爆発し、軍・治安部隊兵士3人が死亡した。

これに対して、反体制活動家は、マアッラト・ヌウマーン市近くのハーッス村の検問所が武装集団に襲撃され、兵士5人が殺害されたと発表した。またハーン・シャイフーン市では、15歳の少年が殺害されたという。

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ダイル・ザウル県では、マリーイーヤ村の検問所が武装集団に襲撃され、中尉1人と兵士1人が殺害された。

またダイル・ザウル市では、活動家によると、治安部隊がデモ参加者約2,000人に発砲した。

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SANA(11月1日付)は、ダマスカス郊外県ドゥーマー市で治安維持部隊3人が武装テロ集団の襲撃を受け負傷したと報じた。

一方、活動家の一人によると、ハラスター市では離反兵3人が治安部隊に殺害された。

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ハマー県、SANA(11月10日付)は、武装テロ集団がムハルダ市・サクラビーヤ市街道を占拠・封鎖したと報じた。

アサド政権の動き

SANA(11月10日付)は、ワリード・ムアッリム外務大臣がアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長に書簡を送ったと報じた。

同報道によると、ムアッリム外務大臣はそのなかで、「米国務省がアラブ諸国に対して、アラブ連盟憲章に反するような対シリア政治的・経済的制裁への参加を奨励していること」への不快感を示し、米国の「扇動」を非難した。

またアラブ連盟外相委員会のワーキングペーパーに関しては、「その条項のほとんどを1週間にわたって遵守した」と主張した。

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SANA(11月10日付)は、カイロのアラブ連盟本部前でのシリア国民評議会支持者が国民民主諸勢力国民調整委員会メンバーらからなる使節団に暴行を加えたことを報じ、前者を厳しく非難した。

同報道は、「他者を退け、拒否するという政策の明確な表明が、アラブ連盟本部前で国民調整委員会の使節団への暴行…を通じて、カイロの「イスタンブール・グループ」(シリア国民評議会)によってなされた。このことは使節団メンバーがシリアへの外国の干渉を拒否したからである」と報じた。

諸外国の動き

ジェフリー・フェルトマン米国務次官補(中東問題担当)は、米上院の公聴会でアサド政権を「地域の安定に対する危険な要因」とみなし、体制転換への意思を示した。

フェルトマン国務次官補はまた、「アラブ人はアサドにシリアでの殺戮を止めて欲しいと思っている…。私が話したアラブ諸国の指導部、外務大臣のほとんどは同じことを言った、「アサドの支配は終わりを迎えつつある。これは避けられない」と…。このように述べたアラブ人のなかには、アサドに早急に国を去るよう求め、そのために身の安全が確保できる場所を提供しようとしている者もいる」と述べた。

フェルトマン米国務次官補は、2000年代半ばに在レバノン米大使として、レバノンのラフィーク・ハリーリー元首相暗殺事件に端を発するシリア・バッシングの急先鋒として、アサド政権に対峙してきた人物である。

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レバノンのミシェル・スライマーン大統領はアシュラフ・リーフィー内務治安総軍総局長ら治安機関幹部と会談し、シリア人反体制活動家の失踪(シリアへの身柄引き渡し)に関する「明確かつ完全な報告」を行うよう求めた。

AFP, November 10, 2011、Akhbar al-Sharq, November 10, 2011, November 11, 2011、Damas Post, November 10, 2011、al-Hayat, November 11, 2011、Kull-na Shuraka’, November 10, 2011、Naharnet.com, November 10, 2011、Reuters, November 10, 2011、RT, November 10, 2011、SANA, November 10, 2011などをもとに筆者作成。

 

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国民民主諸勢力国民調整委員会を含む反体制勢力使節団がシリア国民評議会の支持者らによって暴行を受ける、エジプトの前共和国ムフティーがシリア国内の反体制武装運動を許可(2011年11月9日)

反体制勢力の動き(アラブ連盟本部前での暴行ほか)

シリア国内で活動する国民民主諸勢力国民調整委員会など反体制勢力の使節団が、シリア国民評議会を支持する反体制活動家の暴行を受けた。

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使節団は、国民民主変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役、アブドゥルアズィーズ・ハイイル、ラジャー・ナースィル、ファーイズ・ファウワーズ、サーリフ・ムスリム、バッサーム・マリク、国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表、リーム・トゥルクマーニー、無所属のサミール・イータ、ミシェル・キールー、ハイサム・マンナーア、アーリフ・ダリーラからなり、アラブ連盟本部でナビール・アラビー事務総長と会談し、「シリアの現状、アラブ連盟イニシアチブ実施、とりわけ国民対話開始の必要性について説明する」(国民調整委員会フサイン・アウダート氏)ことを目的とした。

しかしカイロのアラブ連盟本部前でバッシャール・アサド政権の弾圧に抗議するための座り込みを行っていたエジプト在住のシリア人反体制活動家らが、使節団の訪問に殴打やタマゴを投つけるなどの暴行を加えた。

これにより、ハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役以外の使節団メンバーの訪問は阻止された。

在カイロ・シリア革命調整報道委員会のムウミン・クワイファーティーヤ委員長は、「国民調整委員会の使節団はアラブ連盟事務局長との会談のためにやってきたので、我々は彼らを制止し、彼らと30分間にわたって席をともにし、アラビー事務総長と行うべき会話の内容を議論した」と述べた。

クワイファーティーヤ委員長によると、使節団はシリアのアラブ連盟メンバーシップ凍結や、民間人保護のための飛行禁止空域にはまったく言及しなかったという。

またクワイファーティーヤ委員長は、使節団への暴行に関して、「当然だ。あいつらは金で雇われた裏切り者だ。国民はみなバッシャール・アサド政権の打倒とシリア国民評議会の承認を望んでいる」。

在カイロ・シリア革命調整総合調整役のアフマド・ハンムーダ氏も、国民調整委員会がシリア国民評議会に加わっていない点を指摘したうえで、シリア国民が「彼らに要求を掲げて欲しくないと思っているはずで、一部の人々は政権に取り込まれていると考えている」と述べた。

http://www.youtube.com/watch?v=G9524cX5HvU

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アラブ連盟のアラビー事務総長は、「暴力を用いる理由が分からない。彼らへの暴行を遺憾に思う」と述べた。

また反体制勢力との会合に関しては、「アラブ連盟はシリア国内外のあらゆる反体制勢力と会う。これまでにもシリア国民評議会の代表と数回にわたって会ってきたのだから」と述べた。

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アラビー事務総長と会談したアブドゥルアズィーム総合調整役は、会談に関して「政権が弾圧や殺戮を行うような新たな猶予を与えないようアラブ連盟に求めた」と述べた。

その一方で、アサド政権と結託しているとの一部非難に関して、アブドゥルアズィーム総合調整役は、「我々は愛国的な責任をもって、革命と革命青年を保護するために活動している。アラブ諸国と国際社会による民間監視団の受け入れを望んでおり、シリア革命が平和的であることを望んでいる。軍事干渉以外の保護の手段を拡充したいと思っている」と述べた。

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反体制勢力使節団に参加したシリア・アラブ人権機構のハイサム・マンナーア所長は、アブドゥルアズィーム総合調整役とアラビー事務総長の会談に関して、シリア国内での暴力停止の必要を強調するとともに、アラビー事務総長にアラブ連盟イニシアチブの実施に必要な措置を講じるよう求めたと述べた。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン理事長はアラブ連盟のアラビー事務総長宛に書簡を送った。

そのなかで、ガルユーン理事長は、「政権がアラブ連盟のイニシアチブの各条項を遵守しないなか…、現在すべき唯一のことは、国際法上あらゆる合法的な手段を駆使して民間人を保護することである」と述べた。

そのうえで、書簡では、シリアのアラブ連盟などのメンバーシップ凍結、アラブ連盟諸国による経済・外交制裁、アラブ・国際監視団による監視、メディア、人権団体、支援団体の活動規制撤廃、アラブ連盟によるシリア国民評議会の承認を求めた。

一方、ガルユーン理事長はフェイスブックで、カイロでの暴行に関して、シリア国民評議会に悪影響を及ぼす危険な出来事と批判した。

またシリア国民評議会事務局メンバーのジャブル・シューフィー氏はこの暴行事件に関して「国民調整委員会内外の反体制活動家を攻撃した、ないしは攻撃しているすべての者は、シリア国民評議会を代表していない」と非難した。

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国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表はフェイスブックで、反体制勢力使節団に参加した自身とリーム・トゥルクマーニー氏が、サミール・イータ氏、ミシェル・キールー氏、ムンズィル・ハッルームシ氏、ハーズィム・ナハール氏などとともに使節団を離れ、再び戻ることはないだろうと綴るとともに、潮流が近くカイロでの出来事に関して声明を出すと述べた。

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反体制勢力の使節団に参加していたシリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン氏はフェイスブックで、使節団がカイロのアラブ連盟本部前で座り込みを行うシリア国民評議会支持者の暴行を受けてアラビー事務総長との会談を断念したのではなく、会談前に使節団への参加を取りやめたことを明らかにした。

それによると、シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン氏、リーム・トゥルクマーニー氏は、サミール・イータ氏、ミシェル・キールー氏、ムンズィル・ハッルーム氏、ハーズィム・ナハール氏などとともに使節団への参加を取りやめた。

一方、アラビー事務総長との会談には、ハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役、ハイサム・マンナーア氏、バッサーム・マリク氏、アブドゥルアズィーズ・ハイイル氏、フサイン・アウダート氏、サーリフ・ムスリム氏(民主統一党党首)が参加した。

しかしアラビー事務総長との会談を許されたのは、アブドゥルアズィーム総合調整役だけだったという。

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反体制活動家のイヤード・シュルバジー氏はフェイスブックで反体制勢力の使節団内の不和について暴露した。

それによると、使節団では当初、ミシェル・キールー氏が使節団を代表してアラビー事務総長と話を進める予定だったが、これにアブドゥルアズィーム総合調整役が反対し、事務局長前での意見表明を求め対立した。

その結果、キール氏、イータ氏、フサイン氏などが使節団への参加をとりやめた、という。

反体制運動掃討

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ムハルダ市で軍・治安部隊兵士7人が、離反兵との戦闘で殺害された。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で民間人8人が殺害された。うち1人が治安部隊によって早朝に射殺され、5人がその葬儀に参列中に殺害された。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=eru2xzLnGpI#t=0s

http://www.youtube.com/watch?v=v58Tj5-LxJ4&feature=player_embedded#t=0s

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区とカイロ街道で治安部隊の弾圧で負傷していた2人が死亡した。

しかしSANA(11月9日付)は、ヒムス市ハーリディーヤ地区の2カ所で爆弾が発見され、爆発物処理班が解除・撤去したと報じた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市で子供1人を含む3人が殺害された。

またジャースィム市ではインヒル市での犠牲に抗議した市民を治安部隊が強制排除、その際7人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市で軍・治安部隊と離反兵の間で激しい戦闘が発生した。

しかし、SANA(11月9日付)は、サラーキブ市で武装テロ集団が民間人を襲撃し、1人を殺害したと報じた。またイドリブ県警は同市とタルマンス村で武装集団が誘拐した市民の遺体3体を発見した。

アサド政権の動き

進歩国民戦線加盟政党の一つシリア共産党(ユースフ・ファイサル派)は声明を出し、米国が反体制勢力の活動を扇動していると批判した。

レバノンをめぐる動き

シリア国民評議会はナジーブ・ミーカーティー首相に書簡を送った。

そのなかで、シリア国民評議会は、レバノン国内でシリア人反体制活動家13人が10月に誘拐されたことへの懸念を表明するとともに、レバノン在住シリア人の安全を確保することがレバノン政府の義務であると訴えた。

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レバノンで活動するシリア国民評議会メンバーのウマル・イドリビー氏は、AFP(11月9日付)に対して、レバノン国内で、シリア人数十人が誘拐されたとしたうえで、「シリアに近い政党の手によってビイル・ハサン(ベイルート南部郊外)で3人が誘拐され、我々のメディア・キャンペーンで釈放された」と述べ、レバノンの親シリア政党(ヒズブッラー)の関与を示唆した。

また「レバノンの治安当局が5人をカーア(ベカーア県バアルベック郡)で2週間ほど前に拘束し、シリア軍に引き渡した」と述べた。

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レバノンのミシェル・スライマーン大統領は、『リワー』(11月9日付)に掲載されたインタビューで、アサド大統領が「意図せぬかたちで越境したことに遺憾の意を示し、同様のことを繰り返さない」と誓約したと語った。

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ナジーブ・ミーカーティー首相は、内閣がシリアの避難民への支援を中止すると一部報道を否定し、口頭救済委員会委員長のイブラーヒーム・バッシャール准将にレバノン国内のシリア人避難民の人道状況をフォローアップし続けるよう支持した。

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ワリード・ジュンブラート進歩社会主義党は、11月9日、レバノン国内でのシリア人反体制活動家の誘拐・失踪を批判した。

ジュンブラート党首は声明で、「すべてのシリアの活動家は、いかなる方面からも嫌がらせや圧力を受けずに自らの意見を自由に表明する権利がある…。進歩社会主義党はレバノン憲法に従い政治的亡命の権利を認めている…」と述べた。

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Kull-na Shuraka', November 9, 2011
Kull-na Shuraka’, November 9, 2011

サアド・ハリーリー前首相は、ツイッターで、シリアの体制が崩壊すればレバノン国内の問題の一部は解決するだろうとつぶやいた。

諸外国の動き

ナバメセム・ピレー国連人権高等弁務官は安保理で、「シリア軍・治安部隊が深刻な人権侵害を続けている」と非難、「シリアでの犯罪に対する真の制裁」を呼びかけた。

またバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア情勢が「武力紛争に向かっている」との懸念を表明した。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はアラブ連盟のアラビー事務総長と電話会談を行い、アラブ連盟のイニシアチブへの支持を伝えるとともに、シリア政府と反体制勢力の対話のしくみを確立し、政治的・平和的な手段での事態収拾の必要を強調した。ロシア外務省が声明で明らかにした。

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エジプトの前共和国ムフティーのナスル・ファリード・ワースィル師は『イフワーン・オンライン』(11月9日付)で、アサド政権による「野蛮な犯罪に対する報復」は適法と述べ、反体制勢力の武装闘争を認めた。

AFP, November 9, 2011、Akhbar al-Sharq, November 9, 2011, November 10, 2011、Facebook、al-Hayat, November 9, 2011, November 10, 2011, November 11, 2011、Ikhwan Online,
November 9, 2011、Kull-na Shuraka’, November 9, 2011, November 9, 2011、al-Liwa’, November 9, 2011、Naharnet, November 9, 2011、Reuters, November 9, 2011、SANA, November 9, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

シリア国内のアッシリア教徒内で「政権打倒」のスローガンをめぐる激しい対立が生じているとの報道がなされる、仏外相は引き続きアサド政権を激しく非難(2011年11月8日)

反体制勢力の動き

AKI(11月8日付)は、シリアの複数のアッシリア教徒消息筋の話として、アッシリア教徒内で「政権打倒」のスローガンをめぐって鋭い意見の対立が発生していると報じた。

それによると、シリアの複数のアッシリア教徒やアッシリア系組織がいかなる犠牲を払ってでもこのスローガンに反対し、混乱をもたらす政権打倒に与するべきでないとの姿勢を取っているという。

複数の消息筋によると、「シリアのアッシリア教徒は、自身がマイノリティであることや、文化的社会的特殊性を踏まえて、体制打倒ではなく、どんなに時間がかかろうとも平和的な政権移行を支持するようになっている」という。

これに関してマイノリティ問題を研究するスライマーン・ユースフ氏は、「シリアのアッシリア政党が統合に失敗したことは疑う余地がない」との評価を下した。

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国家建設潮流はダマスカスで記者会見を行い、その場で声明を発表、アサド政権とアラブ連盟の合意を具体的に実施するための行程表を設置すべく、国民対話大会開催の準備を始めたと宣言した。

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シリア革命総合委員会は声明を出し、シリア国民評議会への支持を表明する一方で、「一部の反体制勢力が革命運動の限度を超えようとしている」と非難し、国民民主諸勢力国民調整委員会など国内の反体制勢力が、自らを国内の唯一の反体制勢力だと主張し、アラブ連盟のアラビー事務総長と会談することが、「限度を越えた動き」と非難した。

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Kull-na Shuraka', November 8, 2011
Kull-na Shuraka’, November 8, 2011

3月15日の反体制運動当初より活動し、これまでに2度逮捕された女性活動家のムルーワ・グムヤーン氏はフェイスブックを通じて声明を出し、11月10日付で国民民主諸勢力国民調整委員会を脱退すると発表した。

同声明によると、国民民主諸勢力国民調整委員会への参加(中央委員会メンバーへの選出)に同意したのは、自ら立候補したためではなく、シリアの反体制勢力の統一をめざすという立場に基づいていた、という。

また同声明で、グムヤーン氏は、それゆえ参加後ほとなくして委員会を脱退していたが、9月30日に逮捕された際、ムハーバラートへの協力を条件に釈放され、委員会と協力することを求められていたことを明らかにした。

そして、10月8日の委員会会合での閉幕声明を読み上げたもの、記者会見の席上から脱出したと暴露した。

そのうえで、グムヤーン氏は、国民調整委員会がムハーバラート、治安機関としての側面を持っていると批判した。

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シリアの公式筋によると、シリア軍は11月8日、暗視装置を備えたレーザー誘導短距離ロケット弾のランチャー341機の解体をヒムス県、ハマー県で完了した。

またこの解体と並行して、軍・治安部隊は自由シリア軍に属すとされるファールーク大隊(離反兵)の約80%を拘束した、という。

http://all4syria.info/web/wp-content/uploads/2011/11/ww.mp4.mp4

アサド政権の動き

Reuters(11月8日付)は、ダニエル・グラザー米財務次官補のレバノン、ヨルダン、ロシア訪問に関して、アサド政権要人らへの西側諸国の制裁を回避するために行われている資金洗浄への対策を強化するためであると報じた。

信頼できる複数の消息筋の話として伝えたところによると、制裁対象となっているラーミー・マフルーフ氏とその父親のムハンマド・マフルーフ氏はラーミー氏の妻の兄弟のワリード・ウスマーン在ルーマニアシリア大使と彼を補佐するファウワーズ・ザナク氏、ラーミー氏の母方のおじのガッサーン・マフナー氏(制裁対象となっているニザール・アスアド氏のビジネス・パートナー)を通じて資金洗浄を行っている。

またムハンマド・ナースィーフ副大統領補は、ビジネスマンのM.Q.氏が資金洗浄を行っている。

ムハンマド・ハムシュー氏は、妻の兄弟のフィラース・ラスラーン氏名義で湾岸諸国で設立された企業を通じて資金洗浄を行っている。

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SANA, November 9, 2011
SANA, November 9, 2011

SANA(11月8日付)は、ムハンマド・シャッアール内務大臣は、ヒムス県、ハマー県、ラタキア県など警察幹部を召集し、シリアの治安と安全の維持のために厳格に任務を遂行するよう通達したと報じた。

 

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SANA(11月8日付)は、クルド人が多く居住するハサカ県ラアス・アイン地域のザフル・アラブ村で、アサド政権の改革支持と外国の干渉拒否を訴える集会を行ったと報じた。

反体制運動掃討

ヒムス県では、軍・治安部隊が、ヒムス市バーブ・アムル地区などで引き続き治安回復作戦を行った。シリア人権監視団によると、これにより2人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、離反兵と思われる武装集団が、マアッラト・ヌウマーン市南部で軍・治安部隊が要撃を受け、8人が死亡した。

また同市では、シリア人権監視団によると、治安部隊の発砲で重傷を負っていた市民1人が死亡した。

一方、SANA(11月8日付)は、武装テロ集団がカフルタハーリーム村の警察署などを襲撃し、器物を破壊したと報じた。またサラーキブ市近くで、武装集団が灯油や燃料を輸送する貨物車を襲撃したと報じた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアサド医療センター、競技場南部、ハーディル地区、マザーリブ地区などで、軍・治安部隊と離反兵が「激しい戦闘」を行った。

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SANA, November 9, 2011
SANA, November 9, 2011

シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が厳戒態勢を敷くなか、イドリブ、ヒムス、ハマー、ダルアー、ダマスカスで反体制デモが夜間に行われた。

またラタキア市、ダマスカス郊外県各都市、スワイダー県ハウラーン地方では数十人の反体制運動参加者が逮捕した。

諸外国の動き

レバノンの自由国民潮流のミシェル・アウン代表はシリアの危機は終わったと述べた。

記者会見で、アウン代表は「来週の火曜日に、シリアの危機は続いているかと私に聞くのだろう。だが私はそれがもう終わったと考えている」と述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は『シャルク・アウワト』(11月8日付)の取材に対して、アラブ連盟のイニシアチブは「死んだと思う。だがこのことは努力を継続する必要がないという意味ではない」と述べた。

また同外務大臣は「バッシャール・アサドの発言を信頼できる余地はもはやないと思う」と断じた。

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SANA(11月8日付)は、ロシア外務省が「国外の反体制勢力がアラブ連盟が提案した「ダマスカスでの」対話に参加することを断固として拒否したことに懸念を表明した」と報じた。

Akhbar al-Sharq, November 8, 2011, November 9, 2011, November 10, 2011、AFP, November 8, 2011、AKI, November 8, 2011、Facebook、al-Hayat, November 9, 2011、Kull-na Shuraka’, November 8, 2011, November 9, 2011, November 11, 2011、Naharnet, November 8, 2011、Reuters, November 8, 2011、SANA, November 8, 2011、al-Sharq al-Awsat, November 8, 2011などをもとに作成。

写真はKull-na Shuraka’, November 9, 2011、SANA, November 8, 2011。

 

(C)青山弘之All rights reserved.

軍・治安部隊がヒムス県における反体制運動の中心部への進入に成功、ムアッリム外務大臣がアラブ連盟イニシアチブの実施状況をめぐってアラブ連盟閣僚委員会などに書簡を送付(2011年11月7日)

反体制勢力掃討

ヒムス県では、軍・治安部隊が、6日間におよぶ重火器による砲撃の末、離反兵と活動家による反体制運動がもっとも激しく展開してきたヒムス市バーブ・アムル地区への進入に成功した。

Ugarit News Network
Ugarit News Network

複数の活動家によると、同地区では、治安部隊と離反兵との間で「非常に激しい交戦」があり、活動家の一人は、治安部隊、シャッビーハが大型車輌でバーブ・アムル地区に入り、住居や商店に侵入し、破壊・略奪を行っていると述べた。また住民のほとんどは同地区から逃げ出したという。

複数の活動家によると、約1週間による攻防で少なくとも110人が死亡し、シリア人権監視団は、複数の住民が「死体を山積みにした」トラックを見たと伝えた。

また複数の活動家によると、これまでに1,100人の市民らが逮捕され、彼らが収監されているヒムス中央刑務所では11月7日昼から、アラブ連盟とのワーキングペーパーに従って逮捕者を釈放するよう要求し、ハンストを開始したという。

なお『ハヤート』(11月8日付)によると、バーブ・アムル地区を拠点としていた離反兵は撤退した。

ヒムス市バーブ・アムル地区以外でも、シリア人権監視団によると、バーブ・スィバーア地区、バーブ・ドゥライブ地区、カラム・ザイトゥーン地区、ジュッブ・ジャンダリー地区、バイヤーダ地区、グータ地区などで激しい銃声や砲撃の音が鳴り響き、ダイル・バアルバ地区では、治安部隊の発砲により、1人が殺害された。

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ヒムス県フーラ地域では、シリア人権監視団によると、8歳の子供1人と女性1人が検問所からの無差別発砲で殺害された。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ラタキア市で4発の爆弾が爆発した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市で、6日夜から7日朝にかけて激しい銃撃が聞こえた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会執行部は声明を出し、アラブ連盟とシリアとのワーキングペーパー合意から5日を経ってもアサド政権がヒムス市などで弾圧を停止しないと非難、国連およびアラブ連盟に、「ヒムスを人道的被災都市に認定し、医療支援や救援に関する国際法を適用」するよう求めるとともに、「政府が実行する虐殺停止のために国際的なレベルで行動するよう」呼びかけた。

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シリア革命総合委員会もまた声明を出し、アラブ連盟のワーキングペーパーが「まったく実施されてない」と非難、アラブ連盟、イスラーム諸国会議機構、国際的な人権団体に対して、ヒムス市を「被災都市」に指定するよう求めるとともに、「アラブ同胞(アラブ連盟)に、イニシアチブを取り下げ、国際的慣習法に従い市民の安全を確保するために早急に行動するよう求める」よう呼びかけた。

またシリア軍によるヒムス市砲撃に抗議するためのゼネストを11月10日に実施するよう呼びかけた。

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当局は2005年11月以来投獄されていた政治犯のカマール・ルブワーニー氏を釈放した。

アサド政権の動き

SANA(11月7日付)は、ワリード・ムアッリム外務・在外居住者大臣がアラブ連盟閣僚委員会、国連、BRICS諸国に書簡を送付したと報じた。

同書簡において、ムアッリム外務・在外居住者大臣は、シリア政府がアラブ連盟のイニシアチブに「積極的に対処」しているが、米国がこのイニシアチブを「反故」にしようとし、シリア国内での「内乱や暴力に直接関与し」、「武装集団を支援している」と非難した。

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ドイッチェ・ヴェレ(11月7日付)は、共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師が『シュピーゲル』紙とのインタビューでアサドで大統領が改革成功後に退任するだろうと述べた、と報じた。

同報道によると、ハッスーン師は以下のように述べたという。

「バッシャール・アサド大統領は死ぬまでシリアの大統領としてとどまらないだろう。彼は、複数政党の発足、自由で公正な選挙の実施など、改革プロセスを終えたのちに権力の座を離れるだろう…。バッシャール大統領は、眼科医診療所を運営したいと夢見ていた。彼は自身が離れた職、すなわち眼科医の職に戻りたいと考えている」。

http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,796363-2,00.html

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『フィナンシャル・タイムズ』(11月7日付)は、シリアのビジネスマンたちが制裁を逃れるため、レバノンに資金を持ち出していると報じた。

諸外国の動き

クウェート通信によると、アラブ連盟のアフマド・ブン・ヒッリー事務副長は記者会見で、ムアッリム外務大臣から、アラブ連盟とのワーキングペーパーの実施状況に関する書簡を受け取ったと述べた。

Naharnet, November 7, 2011
Naharnet, November 7, 2011

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米国財務省は、対シリア制裁を強化するため、ダニエル・グラザー財務次官補をレバノン、ロシア、ヨルダンに派遣すると発表した。

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ビクトリア・ヌーランド米国務省報道官は「我々は大使館から(西側諸国の制裁)の影響が政権の財政面で出ているとの情報と報告を得た」と述べた。

また報道官は離反兵・士官の数が「増加している」と述べた。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、シリア国民評議会がヒムス市の国際的保護を求めたことに関して、安保理メンバーとの対話を通じてこの呼びかけを検討する、と述べた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アサド政権を「決して受け入れられない」と述べつつ、アラブ連盟のワーキングペーパーを指示し、アサド政権の弾圧に対する「対応が外国からの軍事介入をもってなされるとは思わない」と述べた。

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NNA(11月7日付)は、負傷したシリア人1人がベカーア県バアルベック郡のカーア地域からレバノン領に入り、レバノン赤十字社がクバイヤートのサラーム病院に搬送した、と報じた。

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レバノンの3月14日勢力事務局のファーリス・スアイド調整役は、「レバノンの声」ラジオで、「シリアの体制が数ヶ月後のうちに崩壊するなら、シリアに衛生のようにまとわりついているレバノン人たちもシリアとともに倒れるだろう」と述べた。

AFP, November 7, 2011、AP, November 7, 2011、Financial Times, November 7, 2011、al-Hayat, November 8, 2011, November 9, 2011, November 16, 2011、Kull-na Shuraka’,
November 8, 2011, November 14, 2011、Naharnet, November 7, 2011, November
8, 2011、NNA, November 7, 2011、Reuters, November 7, 2011、SANA, November
7, 2011などをもとに作成。

写真はNaharnet, November 7, 2011、Ugarit News Network。

(C)青山弘之All rights reserved.

アサド大統領がラッカ県を訪問し約7カ月ぶりに民衆の面前に姿を現す一方、アラブ連盟はシリア国内での弾圧継続を受け緊急会合を開催すると発表(2011年11月6日)

アサド政権の動き

バッシャール・アサド大統領はラッカ県を訪問し、ラッカ市ダルイーヤ地区のヌール・モスクで同県の名士、人民諸組織、職業諸組合、バアス党の幹部、市民とともにイード・アル=アドハーの礼拝を行った。

SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011

礼拝後、アサド大統領はラッカ県庁に移動し、同県の名士、政界、経済界らの代表と面談した。

SANA(11月6日付)は、アサド大統領が県庁に到着した際に数万人の民衆が訪問を歓迎したと報じた。

また歓迎する民衆に対して、アサド大統領がマイクを握って以下のように述べたと報じた。

「内乱、テロ、外国の干渉に反対し、合法的な権利に根ざした主義主張を行うことは、陰謀に立ち向かうシリアの力の基礎をなす…。シリアは、その人民、愛国的選択、そして自由な決意ゆえに強力であり、祖国の権利を完全に回復するために活動しようとしている。また我々の前には、我々の主権と自決を標的とするすべての戦いにおいて勝利する以外の選択肢はない」。

アサド大統領が民衆の前に姿を現したのは、2011年3月30日の人民議会での演説後以来約7ヵ月ぶり。

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『ザマーン・ワスル』(11月6日付)は、バアス党の正規党員(入党後数年を経た党員)に対して、ムハーバラートへの参加を「開放」したと報じた。

同報道によると、これにより、バアス党員の治安機関、シャッビーハ、人民諸委員会への関与が認められたと解釈し得る一方、ムハーバラートがデモ弾圧にあたって組織外の人材を必要としているとみなすこともできるとしている。

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SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011
SANA, November 6, 2011

『ザマーン・ワスル』(11月6日付)は、2011年に入って、76,000人の労働者が解雇されたと報じた。

反体制勢力の動き

アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は『ナハール』(11月6日付)のインタビューで、アサド政権が崩壊すれば、レバノンはイランから解放されるだろう、と述べた。

シリアでの反体制運動に関して、ハッダーム前副大統領は「レバノン人はシリアの運命がレバノンと結びついていることに気づくべきだ」と述べ、支援を呼びかけ、「体制が倒れれば、レバノンは解放されるが…、シリアの体制が存続すれば、占領は続き、レバノン人は締め付けられ続けるだろう」と述べた。

ハッダーム副大統領は、1990年代までシリアによるレバノン実効支配を主導した首脳の一人で、「レバノン総督」などと呼ばれていた。

反体制勢力掃討

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市での犠牲者数は9人にのぼった(その後、同監視団は死者数を13人と発表した)。

シリア革命総合委員会によると、タルビーサ市やハーッラ市でデモが発生し、10人が負傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市で治安部隊が1人を射殺した。

またシリア人権監視団などによると、ハマー市、タイバト・イマーム市、ハラファーヤー市、ラターミナ町、ハマーミーヤート村、カルナーズ町、カフルヌブーダ町、ハッターブ村、スーラーン市、カフルズィーター市でイード・アル=アドハーの礼拝後に反体制デモが発生し、カフルヌブーダ町では市民1人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、イドリブ市で、離反兵と思われる武装集団が治安機関の兵士5人を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、地元調整諸委員会によると、ザマルカー町、アルバイン市でデモが発生し、軍・治安部隊が介入した。

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ダマスカス県では、カフルスーサ区のダクル・モスクでイード・アル=アドハーの礼拝後に反体制デモが発生、治安部隊が催涙ガスや空砲を発射し排除を試み、5人が負傷、30人が逮捕された。

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地元調整諸委員会やシリア人権監視団によると、タルトゥース県バーニヤース市で治安部隊が多数展開するなか、反体制デモが断行された。

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シリア人権監視団によると、複数の刑務所で言論犯や投獄中のデモ参加者らがハンストを行い、アラブ連盟との合意(逮捕者釈放)を履行しないアサド政権の姿勢に抗議した。

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シリア人権連盟は、11月に入って、治安当局が弁護士のアスマー・サーサ女史(ダマスカスの裁判所で逮捕)、映画監督のニダール・ハサン氏ら多数を逮捕したと発表した。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟は、シリア国内での弾圧継続を受け、11月12日(土曜日)に緊急会合を開催すると発表した。

諸外国の動き

サウジアラビアに避難中のサアド・ハリーリー前首相は、イード・アル=アドハーの礼拝に際して、支持者にアサド政権が崩壊すれば、レバノンに戻れると述べた。

ハリーリー前首相は以下のように述べたという。

「人は平和的でなければならないと思う。我々はレバノンでそうだったし、シリア国民が最終的に勝利すると確信している…。彼らのために祈ろう…。この体制は変えられることなくして変わらない、と世界が理解するべきだと思ってきた…。ベイルートが恋しい、レバノンが恋しい。しかしもっとも恋しく感じているのは人々のことだ…。時が来たらレバノンに戻る」。

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レバノン民主主義人権研究所のナビール・ハラビー報道官は、レバノンでの武器密輸容疑によるシリア人逮捕の一部は誤認逮捕の可能性があると述べた。

ハラビー報道官は、シリア人アンマール・ウマル・アディーブ氏はベイルート南部郊外の友人を訪問しようとしていたところヒズブッラーに身柄拘束され、その2日後に釈放されたのち、兄弟とともにサウジアラビアを訪問しようとしたところ、ベイルート国際空港で逮捕され、軍事裁判所に起訴されたと述べた。

ムハンマド・シャーキル・シャッラーフ氏、スィルカーム・ムハンマド・アリー氏(クルド人活動家)らも同じようにして逮捕されたという。

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フランスのアラン・ジュペ外務大臣は、Euro 1のインタビューに応え、「個人的に、改革プログラムを発表しておきながら実施しない(アサド)政権に我々はもはや何も期待できないと思う」と述べた。

AFP, November 6, 2011、Akhbar al-Sharq, November 6, 2011、al-Hayat, November 7, 2011, November 8, 2011、Kull-na Shuraka’, November 6, 2011、al-Nahar, November 6, 2011、Naharnet, November 6, 2011、Reuters, November 6, 2011、SANA, November 6, 2011、Zamān al-Wasl, November 6, 2011などをもとに作成。

写真はSANA, November 6, 2011。

(C)青山弘之All rights reserved.

シリア国民評議会事務局長がカイロを訪問しアラブ連盟事務総長と会談、また同評議会が11月5日付で政治綱領案を発表(2011年11月5日)

反体制運動掃討

アラブ連盟との合意にもかかわらず、ヒムス県で反体制抗議行動に対する治安部隊の武力弾圧が続けられる一方、反体制活動家らは離反兵による戦果を「鼓舞」した。

Kull-na Shurakā’, November 5, 2011
Kull-na Shuraka’, November 5, 2011

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・アムル地区での反体制デモに対して治安部隊が重火器などを用いて強制排除を試み、民間人3人が死亡した。

またヒムス県革命評議会を名のる集団によると、バーブ・アムル地区での軍・治安作戦によって同地区は1週間にわたり完全に包囲され、これまでに40人以上が死亡、90人以上が負傷したという。

また同監視団によると、ヒムス市ハーリディーヤ地区とバーブ・ドゥライブ地区で拷問の跡が残った遺体2体が発見された。

このほか、ヒムス市カラム・ザイトゥーン地区でも爆発音が聞こえたという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団はサラーキブ市の活動家の話として、同市南部でシャッビーハ4人が離反兵との戦闘で殺害されたと発表した。

反体制勢力の動き

『クッルナー・シュラカー』(11月5日付)は、11月4日のカーミシュリー市のデモで参加者内の対立が露呈したと報じた。

Youtube
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同報道によると、数千人が参加したデモで、「クルド国民大会は私を代表している」、「民族自決権のもとクルド人の憲法での承認」、「クルド国民大会はシリア革命を支持する」といったプラカードを(10月下旬のクルド国民大会に参加した)クルド民族主義政党の指導者やメンバーが掲げたことに、若者が反発し、「クルド国民大会は私を代表していない」、「宗派主義反対、政党反対、我々の革命は若者の革命」といったスローガンを掲げて対抗した。

両者の対峙は、クルド民族主義政党の指導者やメンバーが(いつも通り)撤収することで事なきを得たという。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン理事長とバスマ・カドマーニー報道官が同評議会使節団としてカイロのアラブ連盟本部を訪問し、ナビール・アラビー事務総長と会談した。

アラブ連盟のアラビー事務総長はシリア国民評議会との会談後に、「シリアでの暴力の継続と、アラブ連盟の計画実施を通じた進展を妨げることの危険」に警鐘を鳴らし、連盟のワーキングペーパーが頓挫すれば「悲惨な結果」がもたらされるだろうと述べ、アサド政権に対して、暴力の即時停止と、ワーキングペーパーの即時実施を改めて求めた。

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン理事長はイード・アル=アドハーに合わせて、ジャズィーラからシリア国民に向けてメッセージを出した。

そのなかでガルユーン理事長は、「我々シリア国民評議会は、政権のあらゆる行動の背後に時間稼ぎを行おうとする目的がある…。我々はこうした政権の落とし穴に落ちることない」と述べたうえで、軍兵士に対して「祖国と国民を守るために革命に参加した軍人に従い…、国民に発砲しない」よう呼びかけた。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=lLdgWtiKUcc

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シリア国民評議会事務局は11月5日付で政治綱領案を作成、発表した。

同綱領では、平和的な革命やアラブ・国際世論の支持を通じた現政権打倒をめざす点が確認されるとともに、過渡期の政策として、①シリア国民評議会が軍事機関とともに過渡期を担う、②暫定内閣の発足、③民主的変革のための国民大会の開催、④政権打倒後6ヵ月以内の自由選挙、制憲委員会の設置、⑤政治犯の釈放、避難民の帰還、⑥独立司法委員会の設置、弾圧にかかる犯罪の調査・処罰、⑦国民和解委員会の設置などが提示された。

また一般原則として、多元的市民的民主主義、議会制、共和制、基本的人権の保障などが確認された。

http://www.levantnews.com/index.php?option=com_content&view=article&id=9754:2011-11-11-03-18-51&catid=66:syria-politics&Itemid=118

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シリア国家建設潮流(ルワイユ・フサイン代表)は、アサド政権によるアラブ連盟とのワーキングペーパー履行状況に関するダマスカス(監視)委員会の第1回報告を発表し、11月4日金曜日の礼拝後のデモ強制排除、参加者の逮捕を非難した。

またアサド政権による553人のデモ参加者の恩赦の事実を確認していないとしたうえで、仮に553人が釈放されたとしても、この人数では不充分だと批判した。

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シリア国民評議会メンバーでアッシリア民主機構のアブドゥルアハド・アスティーフー代表は、アサド政権がアラブ連盟のワーキングペーパーを履行しないとしたうえで、「アラブ連盟のイニシアチブはこの政権の崩壊をもたらすだろう」と述べた。

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『クッルナー・シュラカー』(11月8日付)は、11月5日からアドラー中央刑務所に収監中の反体制活動家13人が、自らの逮捕に抗議し、釈放を求めて無期限のハンストを開始したと報じた。

アサド政権の動き

SANA(11月6日付)は、イード・アル=アドハーを記念して、3月以来の反体制活動に関与し逮捕された553人に対して恩赦を行い、釈放したと報じた。

またSANA(11月6日付)によると、これに先立ち119人の逮捕者が釈放された。

SANA, November 4, 2011
SANA, November 4, 2011

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SANA(11月6日付)は、イマード・ムスタファー在米大使(ロバート・フォード在シリア米大使の一時帰国に対抗するかたちで現在シリアに帰国中)が「米国はいつも、シリアの現下の危機を先鋭化させようとしている」と批判したと報じた。

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SANA(11月6日付)は、外務省高官が昨日、11月4日のビクトリア・ヌーランド米国務省報道官の声明をシリアへの内政干渉と非難、テロ集団による殺戮を支援する発言だと断じた。

同報道によると、違法な武器を当局に引き渡した者に対して政府が恩赦を行うと決定したにもかかわらず、11月4日のヌーランド米国務省報道官の声明は、武装集団の誰一人に対しても当局への投降を勧告するものではなく、米国がシリア内政に干渉し、武装テロ集団の殺戮を支援していることの証左だ、外務省高官は述べた。

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DP-News(11月5日付)は、シリア外務省のアブドゥルファッターフ・アムーラ次官が、「アラブ連盟のイニシアチブに基づき、政府は治安部隊と軍を日曜日(11月5日)に市街地から撤退させるだろう」と述べたと報じた。

諸外国の動き

レバノンの北部県トリポリ市のジャバル・フムスィン地区で、アラブ民主党などの主導のもとアラウィー派住民がアサド政権を支持するデモ行進を行った。

アラブ民主党のアブドゥッラティーフ・サーリフ広報官は、「我々はシリアとともにある。アサド大統領はアラウィー派に属しているだけでない。彼は米国とシオニズムの計画に反対する唯一の国(の指導者)だ。レバノンのレジスタンスを支援する第1の国(の指導者)だ」と述べた。

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マルワーン・シルビル内務地方自治大臣は、LBCのインタビューに応え、シリア軍によるレバノン領内での反体制勢力逮捕・追跡作戦は、両国間の国境画定が行われていないことに起因すると述べた。

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レバノン国軍は声明を出し、「レバノン国軍のトラックがシリア領内に入り、外国の一部の勢力がこの動きをシリア情勢への軍の介入と解釈している」とした一部メディアの報道に関して、「レバノン軍トラックのシリア領内への入国は常時行われており…、軍用車輌のスペアパーツや兵站物資の入手が目的」と発表した。

Akhbar al-Sharq, November 11, 2011、AFP, November 5, 2011、DP-News, November 5, 2011、al-Hayat, November 6, 2011、Kull-na Shuraka’, November 5, 2011, November 6, 2011,
November 8, 2011、Naharnet, November 5, 2011、Reuters, November 5, 2011、SANA,
November 6, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

シリア国民評議会事務局長が同評議会に対する批判に反論し、自由シリア軍司令官も外国からの支援をめぐるシリア当局の主張を否定(2011年11月4日)

反体制デモ

複数の活動家によると、バッシャール・アサド政権とアラブ連盟によるワーキングペーパー合意にもかかわらず、アサド政権は、ヒムス市、ハマー市、バーニヤース市、ラタキア市、ダイル・ザウル市、ダルアー市、ダマスカス郊外県各地で金曜の礼拝後に発生した反体制デモに対して実弾を用いて強制排除を試みた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で金曜礼拝後のデモに対して郡・治安部隊が発砲し、民間人6人を含む17人が殺害された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市で4人が殺害された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タッル・シハーブ町で、市民1人と離反兵1人が殺害された。またダルアー市、サナマイン市でもデモがあったという。

またシリア人権監視団によると、治安部隊はヨルダンに逃走しようとした市民2人を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カナーキル村、ハムーリーヤ市で治安部隊がデモ参加者4人を殺害した。

これに対してSANA(11月4日付)は、カナーキル村で武装テロ集団の発砲により警察官4人が負傷したと報じた。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、バーニヤース市に治安部隊が多数展開し、金曜礼拝後のデモを阻止、数十人を逮捕。このうち4人は、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長の家族の子供だったという。

これに対してSANA(11月4日付)は、タルトゥース県のアーティフ・ナッダーフ県知事が、バーニヤース市で大規模な逮捕が行われているとのジャズィーラの報道が「事実無根」と述べたと報じた。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市でデモがあったという。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市でデモがあったという。

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フェイスブックの「シリア革命2011」ページなどは、「アッラーは偉大なり」の金曜日と題してデモを呼びかけていた。また地元調整諸委員会は声明で平和的デモを呼びかけていた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は、アサド政権がデモ弾圧を継続していることに関して、「政府がその活動を改めることはなかった」としたうえで、アラブ連盟に対して「(シリア)政府に期待を寄せることは止め、そのメンバーシップを凍結し、大使を召還し、安保理への提訴を検討する」よう求めた。

Kull-na Shuraka', November 4, 2011
Kull-na Shuraka’, November 4, 2011

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シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長はBBC Arabic(11月4日付)のインタビューに対して、同評議会をめぐる批判に反論した。

ガルユーン氏はそのなかで、同評議会がシリア国民の主要な諸勢力を代表していると述べるとともに、外国で発足されてはいるもの、メンバーのほとんどが国内にいると強調した。

また評議会に参加してない国内の活動家(国民民主変革諸勢力国民調整委員会、クルド民族主義政党、ハイサム・マンナーア氏、アンマール・カルビー氏、スブヒー・ハディーディー氏、ワヒード・サクル氏、自由アラウィー派連合など)が参加を拒否したわけでなく、審議のための時間的猶予を求めていると釈明した。

イスラーム主義者やシリア・ムスリム同胞団のプレゼンスに関しては、「世俗主義者ほど」多くないと述べた。

外国の軍事介入に関しては、評議会が求めているのが民間人の保護である点を強調し、シリア政府が国際監視団を受け入れる必要があるとの立場を示すとともに、内政干渉への拒否の姿勢を示した。

http://www.youtube.com/watch?v=zc_DOizxqiM

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シリア国民評議会事務局は、11月4日金曜日の反体制デモに対するアサド政権の弾圧を受けて声明を出し、アラブ連盟のイニシアチブに従い、武力弾圧の停止、アラブ・外国メディア、国際監視団のシリア入国、アラブ連盟本部(カイロ)での国民対話会合の実施を求めた。

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シリア国民評議会執行部は声明を出し、アサド政権による弾圧継続を非難するとともに、アラブ連盟や国際社会に関して断固たる対応をとるよう求めた。

同声明はカイロのアラブ連盟本部前でのシリア人活動家らの座り込みでの要求を受けるかたちで発表された。

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ダマス・ポスト(11月4日付)などは、シリア救済大会代表のハイサム・マーリフ弁護士が、治安要員に対する免責権撤廃を「国民的な要求」としたうえでその実行を改めて求めたと報じた。

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自由シリア軍司令官のアフマド・アスアド大佐はプレスリリースを発表し、シリア軍を離反した兵士の数は10,000人から15,000人に達し、そのなかには、共和国護衛隊やムハーバラートの兵士もいる、と述べた。

また、「レバノン、トルコ、ヨルダン、サウジアラビアの非公的な勢力がシリアのテロリストを支援している」(11月1日)としたファイサル・ミクダード外務次官の発言を「嘘で偽作」と非難したうえで、「我々は今までいかなる場所からも何らの支援も受けていない。反体制勢力でさえ我々にいかなる支援もしていない」と述べた。

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『インティペンデンス』(11月4日付)は、アサド大統領の妻アスマー・アフラス女史の父で心臓外科医のファウワーズ・アフラス氏が、反体制勢力から沈黙を破るよう求められていると報じた。

同紙によると、ロンドン郊外にある同氏の自宅前には連日、反体制活動家が夜間デモを行っているという。

http://www.independent.co.uk/news/uk/home-news/the-acton-spring-how-unrest-in-syria-spilled-over-into-the-respectable-streets-of-west-london-6256953.html?origin=internalSearch

アサド政権の動き

内務省は、イード・アル=アドハーに合わせるかたちで、武器を保持する者、売る者、配布する者、購入を資金援助する者に対して、11月5日から12日までの間に最寄りの警察署に出頭すれば処罰を免除すると発表し、反体制勢力に投降を呼びかけた。

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ブルームバーク(11月4日付)は、シリアのムハーバラートが、イタリアの通信監視会社Area SpA社の協力のもと、反体制運動を監視するためのシステムを導入したと報じ、現在、ダマスカスとアレッポでイタリア人技術者も監視にあたっていると報じた。

Area SpA社は、欧米のハードウェア、ソフトウェアを用いて監視システムを構築しており、そのなかにはNetApp Inc.、Qosmos SA 、Utimaco Safeware AGなどが含まれているという。

http://www.bloomberg.com/news/2011-11-03/syria-crackdown-gets-italy-firm-s-aid-with-u-s-europe-spy-gear.html

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シャームプレス(11月4日付)は、イタリア在住のシリア人使節団が、シリアを訪問し、「外国の陰謀とメディア戦争」を非難するとともに、シリア商業銀行に口座を開設、シリア・ポンドを守るため外貨の両替を行ったと報じた。

Kull-na Shuraka', November 4, 2011
Kull-na Shuraka’, November 4, 2011

 

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シリア石油公社の複数の取引先がロイター通信(11月4日付)に語ったところによると、同社は毎月行われている石油50,000トンの競売を停止した。

同取引先によると、西側諸国の制裁に対して、国内でのガソリン確保をめざす動きだと思われる。

諸外国の動き

ビクトリア・ヌーランド米国務省報道官は、内務省の呼びかけに対して「現状では政府に投降する者などいないだろう」と述べた。

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国連人権理事会の米国代表は、アサド政権による弾圧の継続に対して、「国際社会がさらなる決意」をもって圧力をかけるべきと述べた。

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フランス外務省副報道官は、シリアでの「弾圧継続は、アラブ連盟の計画を実施するとしたシリア政府の信頼に対する国際社会の疑念を高める」と非難したうえで、「シリアの弾圧停止のためいつでも…シリア政府に圧力をかける計画がある」と脅迫した。

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トルコ外務省高官は、トルコでアサド政権に対する離反兵の武装闘争を指導している自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐がトルコから武器供与を受けているかとのAFP(11月4日付)の質問に対して、シリア人の国境の往来を認めているが、「武器を持った者の国境通過は禁じている」と述べた。

AFP, November 4, 2011、Akhbar al-Sharq, November 4, 2011、November 5, 2011、Bloomberg, November 4, 2011、Champress, November 4, 2011、Damas Post, November 4, 2011、al-Hayat, November 5, 2011、The Independent, November 4, 2011、Kull-na Shuraka‘, November 4, 2011、Reuters, November 4, 2011、SANA, November 4, 2011、Zaman al-Wasl, November 4, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

反体制諸勢力および西側諸国がシリアとの合意に達したアラブ連盟イニシアチブの内容を概ね歓迎、国民対話会合の開催を待つ(2011年11月3日)

アラブ連盟の動き

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、国連安保理常任理理事国各国大使に、緊急外相会合の結果を報告、そのなかで、国民対話会合がカイロで開催されるだろうと述べた。

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シリア問題を扱うアラブ連盟の特別委員会が各国代表によって開催された。

カタール外務省のアラブ関係局のイブラーヒーム・サフラーウィー局長が議長を務め、アラブ連盟のワーキングペーパー実施のための枠組みとして機能することが期待されている。

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アラブ連盟外相委員会(外相使節団)に参加したオマーンのユースフ・ブン・アラウィー・ブン・アブドゥッラー外務大臣は『ハヤート』(11月4日付)に対して、シリアへの軍事介入は「アラブ諸国の合意のもとに拒否されているが、今日の世界では誰も何も禁じることはできない…。米国はイラクを侵略したが、誰もそれを止めることはできず、またそれに制裁を加えることもできなかった」と述べた。

反体制勢力の動き

バスマ・カドマーニー報道官を団長とするシリア国民評議会事務局の使節団がカイロを訪問し、アラビー事務総長と会談した。

使節団メンバーの一人ジブル・シューフィー氏は『ハヤート』(11月4日付)に対して、合意履行までの2週間という猶予期間に関して、「政府による虐殺継続のための猶予ではない」としたうえで、アラビー事務総長に対して、政権移行がシリア国民の要求である旨伝えた、という。

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国民民主諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム総合調整役は、アサド政権とアラブ連盟によるワーキングペーパー合意を歓迎し、「もし(ワーキングペーパーにおける)これらの要求が実行され、政府が一字一句それを遵守し、現地で実施したら、我々は会合を開き、政治プロセスに関する次のステップについて協議する」と述べ、国民対話会合に応じる姿勢を暗に示した。

Kull-na Shurakā’, November 3, 2011
Kull-na Shurakā’, November 3, 2011
Kull-na Shurakā’, November 3, 2011
Kull-na Shuraka’, November 3, 2011

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地元調整諸委員会は声明を出し、「シリア政府がアラブ連盟イニシアチブの各条項を真剣に受け入れたかは疑いが強い」としたうえで、「あらゆる形態の抗議を継続することで、政府の意図を検証すること」をシリア国民に呼びかけるとともに、「革命諸勢力に対して、包括的なデモ、座り込みのための努力を調整し…、明日金曜日(11月4日)にすべての広場と街頭でデモを行い、体制打倒まで非暴力抵抗を続ける」こと訴えた。

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シリア・クルド・ムスタクバル潮流は声明を出し、アサド政権とアラブ連盟によるワーキングペーパーの合意が、アサド政権への圧力を弱め、弾圧の時間を与える決定と非難した。

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国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は、記者会見を開き、アサド政権とアラブ連盟の合意を歓迎し、同合意が「平和的な政治闘争へと国を移行させる門戸となり、すべての勢力が民主主義の段階に至るために参加する移行期間へと移行することを望む」と述べた。

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人民変革解放人民戦線のカドリー・ジャミール代表は、シリアの危機を収束させるための正しい方向へのステップとしてシリア政府とアラブ連盟外相委員会の合意を歓迎した。

しかし同時に、ダマスカスが「包括的国民対話会合のための唯一の場所」と述べ、カイロのアラブ連盟本部での国民対話会合の開催に反対した。

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『クッルナー・シュラカー』(11月3日付)は、アサド大統領の「顧問」の一人として、シリアとイスラエルの間接交渉などに関わってきたとされるムルハフ・ジュワイザーティー氏がシリア国民評議会の反体制勢力に参加したと報じた。

アサド大統領の「顧問」で反体制勢力に参加したのは、ニブラース・ファーディル氏(経済顧問と目される)に続き2人目だという。

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シリア・クルド・ムスタクバル潮流は声明を出し、アサド政権がアラブ連盟のワーキングペーパーに合意したのは、圧力の回避と時間稼ぎに過ぎない、と非難した。

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『クッルナー・シュラカー』(11月7日付)は、11月3日木曜日の晩、ダマスカス県シャアラーン地区、マサーキン・バルザ地区、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市の複数カ所で、反体制活動家がスピーカーを設置し、「バッシャールよ出て行け」といった歌詞の歌を大音量で流した。

同報道によると、歌が流れると、治安要員や警察がただちに機材を撤去、周辺の店などを捜索した。またアレッポ市やタルトゥース市でも同様の活動がなされたという。

反体制運動掃討

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市各地区(タッル・シュール地区、ワーディー・イーラーン地区、バーブ・アムル地区、インシャーアート地区、バーブ・ドゥライブ地区、バイヤーダ地区、ハーリディーヤ地区、カラム・ザイトゥーン地区)に軍・治安部隊が激しい砲撃を加え、民間人20人が殺害された。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、デモが続いており、8人以上が逮捕された。

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ダマスカス郊外県では、ハラスター市でアラブ連盟での合意を歓迎するデモが夜間デモが発生し、1人が逮捕された。デモには約120人が参加したという。

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俳優のジャマール・スライマーン氏はカタールの首都ドーハでの映画祭に出席後、エジプトに避難。滞在中にジャズィーラのインタビューに応じて、シリア情勢を報道することへの謝辞を述べたことを受け、暗殺予告の噂が広まっていたため。

アサド政権の動き

SANA(11月4日付)は、タルトゥース県タルトゥース市の地中海岸でアサド政権の改革支持と外国の干渉拒否を求める集会が開かれ、約50万人が参加した。

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SANA, November 3, 2011
SANA, November 3, 2011

『ザマーン・ワスル』(11月3日付)は、バアス党ヒムス支部が「人民諸委員会」と呼ばれる政治・社会団体に資金・物資を支援し、自由シリア軍といった離反兵との戦闘で減少したシャッビーハを補い、武力弾圧を継続しようとしていると報じた。

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『クッルナー・シュラカー』(11月3日付)は、統一地方選挙の立候補者数が伸び悩むなか、携帯電話での立候補受付を解禁したと報じた。

諸外国の動き

NNA(11月3日付)は、レバノン軍事裁判所検事は、武器密輸容疑でシリア人3人の逮捕状を発行した。

サウジアラビアで働いている3人(うち2人が身柄拘束中)は、湾岸国の一つで働く別のシリア人らから資金援助を受け、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方の農園所有者から武器を購入し、シリアに密輸していたという。

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NNA(11月3日付)は、負傷したシリア人1人がベカーア県バアルベック郡カーア地方の国境を越えレバノン領内に入り、クバイヤート市のサラーム病院に搬送された。

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中国外交部報道官は記者会見で「中国は、シリアの危機可決のための作業文書にシリアとアラブ連盟が合意したことを関係する…。我々はシリアのすべての当事者が暴力停止と、対話を通じた問題解決のための環境整備に努力することを望んでいる」と述べた。

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キャサリン・アシュトン欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表も、シリア政府とアラブ連盟の合意を歓迎したうえで、「完全かつ早急な」実施を求めた。

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ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ベルリン訪問中のトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相との会談後、「我々、少なくともドイツは、国連などで強く非難することを望む」と述べた。

一方、エルドアン首相は、シリア情勢に関して「我々は手をこまねいている訳にはいかない」として、制裁の意思を改めて示した。

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国連の潘基文事務総長は、シリアとアラブ連盟の「合意の可能な限り早急な実施」を求めた。

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ビクトリア・ノーランド米国務省報道官は、ワシントンは計画実施の可能性に懐疑的である、と述べた。

また中国とロシアがアサド政権に弾圧継続の機会を与えるなかで、シリアがアラブ連盟が危機打開のための計画に応えなければ、国際社会でさらに孤立するようになるだろうと警告を発した。

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西側高官によると、国連では英仏独が国連総会第三委員会にシリアでの人権状況に関する決議案を提出した。

同高官によると、この動きはアラブ諸国が採決に同意することなく採決にかけられないという。

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『シャルク・アウサト』(11月3日付)は、トルコの複数の消息筋の話として、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相が近く、シリアの民間人保護と暴力停止のために何らかの措置を講じるだろうと報じた。

AFP, November 3, 2011、Akhbar al-Sharq, November 3, 2011, November 4, 2011, November 6, 2011、al-Hayat, November 4, 2011, November 5, 2011、Kull-na Shuraka’, November 3, 2011,
November 7, 2011、Naharnet, November 3, 2011、NNA, November 3, 2011、Reuters,
November 3, 2011、SANA, November 4, 2011、al-Sharq al-Awsat, November 3, 2011、Zaman al-Wasl, November 3, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

アサド政権が「すべての暴力行為の停止」など4項の誓約を含むアラブ連盟ワーキングペーパーに「漸進的に」同意(2011年11月2日)

反体制運動掃討

ヒムス県では、シリア人権監視団など複数の反体制活動家・目撃者によると、フーラ地域のカフルラーハー市で、シャッビーハが工場労働者11人(シリア人権委員会によると13人)を惨殺した。

シリア人権監視団によると、「武装集団が労働者に発砲した」という。またシリア人権委員会によると、彼らは後ろ手に縛られており、遺体は工場の外に放置されていたという。

複数の活動家らによると、虐殺は、ヒムス市近郊でアラウィー派宗徒9人が誘拐・殺害されたとの情報がSNSで広まった直後に発生したという。

これに対して、『ワタン』(11月2日付)は、ヒムス県で「武装テロリストがヒムス・ジュッブ・アッバース街道でバスを襲撃し、乗客をバスからおろし、市民11人を殺害した」と報じていた。

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シリア人権監視団によると、ヒムス市内各所で、軍・治安部隊の発砲により市民5人が殺害された。

またシャンマース地区では重傷を負っていた男性1人が死亡した。さらに同地区では女性1人の遺体が発見された。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、離反兵がしかけた爆弾が爆発し、治安部隊兵士7人が死亡した。また別の離反兵が治安要員を搬送するバスと車を襲撃し、8人を殺害した。

ヒムス県フーラ地域カフルラーハーでの虐殺に対する報復だという。

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『ザマーン・ワスル』(11月3日付)は、ダマスカス県にあるダマスカス大学医学部キャンパスで2日、学生が反体制デモを断行したが、多数の治安要員が展開し、強制排除されたと報じた。この際、男子学生5人、女子学生7人が身柄を拘束された、という。

反体制勢力の動き

国内で反体制活動を行うマルワーン・ハバシュ氏(元バアス党シリア地域指導部メンバー)は、AKI(11月1日付)に対して、バッシャール・アサド政権が国内と国外の反体制勢力の分断を試みているとしたうえで、それは大失敗を帰する」と断じるとともに、政権が「真の反体制勢力との対話のあらゆる機会を奪い続けている」と批判した。

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第三潮流は声明を出し、アサド政権がアラブ連盟外相会議のワーキングペーパーに同意したことを歓迎した。

また同潮流はシリア国内で反体制活動を行うムハンマド・ハバシュ人民議会議員の第三の道潮流とは異なる組織だと述べた。

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『ザマーン・ワスル』(11月4日付)は、在カイロ・シリア人報道官の話として、カイロで反体制活動を行うムハンマド・マアムーン・ヒムスィー元人民議会議員の弟ヤースィーン・ヒムスィー氏が2日にヒムス市で逮捕されたと報じた。

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変革解放人民戦線のカドリー・ジャミール代表は2日、『ハヤート』(11月3日付)に対して、自身がメンバーを務めるシリア・アラブ共和国憲法草案準備委員会の会合で、シリアを「多元的、民主的な共和制」と規定する条項が含まれていると語った。

ジャミール氏によると、1日の会合では、サリーム・ダッラ氏を報道官に任命した他、委員から具体的な意見が聴取され、その際に国営テレビで審議を放映し、国民に草案内容やそれに関する委員の意見を公開することを提案したという。

また憲法草案に関して、ジャミール氏は、民主主義、多元主義、領土保全、市民権を「憲法を越えた原則」とするよう提案したと述べた。

アサド政権の動き

SANA(11月3日付)によると、ラッカ県ラッカ市とヒムス県サラミーヤ市でアサド大統領の改革支持と外国の内政干渉拒否を訴える大規模集会が開かれた。

SANA, November 1, 2011
SANA, November 1, 2011
SANA, November 2, 2011
SANA, November 2, 2011

アラブ連盟での動き

カイロでアラブ連盟緊急外相会議(非公式)が開かれ、シリアのユースフ・アフマド代表は、事態収拾のためのワーキングペーパーに「漸進的に」同意した旨と正式に通達した。

会合後の記者会見で、カタールのハマド・ブン・ジャースィム・アール・サーニー首相兼外務大臣とアラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリアの同意を歓迎しつつ、「実施されればよりうれしい…。ワーキングペーパー、とりわけ暴力、殺戮行為の停止と逮捕者釈放が真剣に実施されることを望む」と述べた。

シリアとアラブ連盟が合意に達したワーキングペーパーの内容は以下の通り:

1. シリア国民を保護するためのものであれ、すべての暴力行為の停止。
2. 最近の出来事における逮捕者の釈放。
3. 都市、住宅地区からのすべての武装デモの排除。
4. 真相究明および監視のため、関係するアラブ・国際機関、アラブ・国際メディアにシリア全土を開放。

なお上記4点とともに、ワーキングペーパーでは、シリア政府による誓約の履行、アラブ連盟外相委員会による国民対話大会開催準備に向けた反体制勢力と政府との連絡調整・折衝を求め、その期限を2週間としている。しかし開催地については明示していない。

諸外国の動き

シリアを「活断層」に例えたアサド大統領の発言に関して、フランス外務省報道官は、「バッシャール・アサドは議論をすり替え、国際世論の関心をそらそうとしている」と述べ国民の弾圧停止を改めて求めた。またアラブ連盟による事態収拾の試みを歓迎した。

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ドイツのギド・ウェスターウェレ外務大臣は、「国際社会はシリア政府にさらなる圧力をかける必要がある」と述べた。

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スーダンの首都ハルトゥームで、シリア国民救済人民委員会の活動家(スーダン人)2人がシリア大使館に反体制抗議運動弾圧に抗議する書簡を提出した。

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イランのハサン・フェイローズ・アーザーディー武装部隊参謀長はイラン学生通信(11月2日付)に対して、シリアが「シオニストの占領に対するレジスタンス・抵抗枢軸の前線をなす」と評価したうえで、アサド政権の崩壊した場合、「すべてのイスラーム教徒が蜂起し、米国、そしてシオニスト政体を倒すことになるだろう」と述べた。

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レバノンの3月14日勢力は定例の会合を開き、シリア軍によるレバノン領内での反体制勢力に追跡活動に関して、「シリア政府、ヒズブッラー、そして治安当局に責任がある」と非難する声明を出した。

AFP, November 2, 2011、Akhbar al-Sharq, November 2, 2011、AKI, November 2, 2011、AP, November 2, 2011、al-Hayat, November 3, 2011, November 4, 2011、Kull-na Shuraka’, November 2, 2011、Reuters, November 2, 2011、Naharnet, November 2, 2011、SANA, November 3, 2011、al-Watan, November 3, 2011、Zaman al-Waṣl, November 3, 2011, November 4, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

各地の大学で学生たちによる親・反体制デモがともに発生するなか、シリア当局とアラブ連盟外相委員会がシリア情勢に関するワーキングペーパーに最終合意(2011年11月1日)

反体制運動掃討/反体制勢力の動き

ウェブサイト「シリア革命殉教者」(http://syrianshuhada.com/)は、11月1日現在の犠牲者数を発表した。それによると死者総数は、4,135人(男性3,948人、女性187人)で各県の犠牲者数は以下の通り:

ダマスカス県143人、ダマスカス郊外県328人、クナイトラ県29人、ダルアー県748人、スワイダー県4人、ヒムス県1,386人、ハマー県459人、タルトゥース県52人、ラタキア県187人、イドリブ県536人、アレッポ県38人、ラッカ県4人、ダイル・ザウル県231人、ハサカ県14人。

また9月、10月の2ヵ月間だけで1,000人以上が殺害されたという。

http://syrianshuhada.com/default.asp?a=st

http://syrianshuhada.com/
http://syrianshuhada.com/

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市立大学アラブ国際大学(ダルアー県)で、学生が3月以来初となる反体制抗議デモを行い、体制を支持する学生と衝突した。反体制デモを行った学生は校内の池の水を赤色に染めて抗議行動を行っていた。

また同じくシリア最大の市立大学カラムーン大学(ダマスカス郊外県)でも、学生による反体制抗議デモが実施された。デモでは弾圧の犠牲となった「殉教者」への黙祷が捧げられ、その後、アサド政権との対話拒否や体制打倒が訴えられた。デモには約2,000人の学生が集まった。

デモ発生を受け、サリーム・ダアブール学長が学生との会合を提案したが、学生側が拒否、その後、体制を支持する学生がカウンター・デモを組織して対峙した。

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これらの市立大学は、アサド政権の肝入りで2000年代半ばに設立された。

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ヒムス県では、複数の反体制活動家によると、フーラ村で、治安部隊が学生のデモを排除するために空砲を発射した。

ヒムス市では、民間人1人が親体制派民兵(シャッビーハ)の車から放たれた銃弾に撃たれ死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市で、治安部隊の発砲により、市民1人が殺害された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、治安部隊が複数の都市・村で大規模な逮捕・追跡作戦を行った。

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地元調整諸委員会によると、軍・治安部隊と離反兵が各地で戦闘を行い、ヒムス県で4人、ダマスカス郊外県で3人、ダイル・ザウル県で1人、イドリブ県で3人が死亡した。

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フランスのパリなどで暮らすシリア人反体制活動家61人が「アラブ民族潮流声明」を発表した。

同声明で活動家らは、自らの運動をアラブ民族主義運動と位置づけたうえで、アサド政権を「独裁体制」と断じてその正統性を否定するとともに、シリアでのアラブの春への支持を表明した。

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シリア国民評議会は、シリア情勢を審議するためのアラブ連盟緊急外相会談に合わせて声明を出し、①連盟におけるシリアのメンバーシップ凍結、②民間人の国際的保護の拡充、③シリア国民の代表としてのシリア国民評議会の承認を求めた。

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シリア・クルド国民行動憲章、シリア・クルド・ムスタクバル潮流、シリア・改革運動が共同声明を出した。

声明は10月末にハサカ県カーミシュリー市で開催されたシリア・クルド国民大会に関して、「クルド人の正当な代表」といった表現を用いたことを非難、同大会が参加した9党(10党)の意見しか代表してないと断じた。<

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『クッルナー・シュラカー』(11月1日付)は、ダマスカス第三法廷がバースィル・マーニウ弁護士の保釈を決定したと報じた。保釈金は3,000シリア・ポンド。

マーニウ弁護士は2011年7月4日に逮捕され、9月10日にマーヒル・アサド大佐暗殺が計画されているとの偽の情報を発信したとの容疑で軍事裁判所に起訴されていた。

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『ロサンジェルス・タイムズ』(11月1日付)は、トルコに避難している自由シリア軍司令官のアフマド・アスアド大佐への取材を行い、同大佐の発言を掲載した。

それによると、アスアド大佐は、「我々は新たなシリアにおける将来の軍である」としたうえで、アサド政権とその軍を複数カ所で攻撃していると述べた。

http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-syria-turkey-defectors-20111102,0,6082244.story

アサド政権の動き

ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市の中心部で、アサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴える大規模集会が行われ、数十万人が参加した。

SANA, November 1, 2011
SANA, November 1, 2011
SANA, November 1, 2011
SANA, November 1, 2011

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バッシャール・アサド大統領はレバノンのタラール・アルスラーン国民議会議員(レバノン民主党党首)とドゥルーズ派のシャイフ・アクル、ナスルッディーン・グライブ師、マルワーン・ハイルッディーン国務大臣と会談した。

会談でアルスラーン議員は、一部のレバノンおよび地域の勢力がシリアを弱体化させようとする外国勢力の野望を反映した言動を行っていると述べた。

SANA, November 1, 2011
SANA, November 1, 2011

ナハールネット(11月1日付)によると、これに対してアサド大統領は「シリアは危機を克服し、これまで以上に強力になった…。我々はこれを機に、シリアがアラブ大衆文明の手本となっており、いかなる者の教訓やロードマップも必要とはしていないとの念を強めた」と答えた。

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シリア・アラブ憲法草案準備国民委員会は10月31日に引き続き、旧首相府で会合を開いた。

サーム・ダッラ報道官は記者会見で「新憲法が依拠する基本原則をめぐっていかなる審議も禁じられていない」と述べた。

また「改正や再検討ができない憲法など存在しないが、そのことはすべての条項を再検討するという意味ではない」としつつ、バアス党を「国家と社会を指導する党」と規定する憲法第8条に関しては、「第8条が最近もっとも議論されるようになったのは当然だ…。政治的多元主義への移行や政党法の制定に関して多くの議論がなされており、多元的な政治体制に向かうのなら、第8条は存続し得ない、ないしは再検討されるべきとするのは自明の理だ…。しかしこのことは第8条に限られる話ではなく、他の条項にもかかわってくる」と述べた。

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経済対話会合は3日間の予定を終え、農業、工業、行政改革、住宅、衛生、観光、資源、財政、生活保護などに関する提言をまとめて閉幕した。

提言では、農業部門への投資拡大、国境地域などでの水資源の確保、公共セクターの近代化、マンパワーの強化、貿易促進を目的とした通商政策の構築、市立大学への学生受入の拡充、農村地域における生活状況の改善、汚職撲滅などが盛り込まれた。

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ナジャーフ・アッタール副大統領は、トルコの女性議員・党幹部約40人からなる使節団と会談し、シリア・トルコ関係に関して意見を交換した。

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ファイサル・ミクダード外務次官はRT(11月2日付)のインタビューに応え、「一部の外国政府機関、国際機関は信用を失った。なぜなら事実を一方的にしか捉えず、真実を見ていないからである…。こうした組織は、シリアが軍・治安部隊兵士1,150人を失ったということにさえ言及しない」と述べた。

また「レバノン、トルコ、ヨルダン、サウジアラビアの非公的な勢力がシリアのテロリストを支援している」と述べた。

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バアス党地域指導部は統一地方選挙への積極参加を呼びかける声明を出した。

アラブ連盟をめぐる動き

SANA(11月1日付)は速報で、「シリアとアラブ連盟外相委員会(外相使節団)が、シリア情勢に関するワーキングペーパーに最終合意し、明日(11月2日)、カイロのアラブ連盟本部でその内容を公式に発表する」と報じた。

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アルジェリア通信(11月1日付)は、アラブ連盟外相使節団に参加したアルジェリアのムラード・マドリスィー外務大臣が、「ドーハでもシリアとの会合で達した合意をカイロで確認することを望む」と述べたと報じ、シリアの使節団と連盟の間で何らかの合意がなされたことを示唆した。

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しかしカタールの複数の消息筋は、ドーハでアラブ連盟外相委員会(外相使節団)と会談したシリアの使節団が「ドーハ滞在中に連盟のワーキングペーパーへの回答を行わなかった」ことを明らかにした。

また複数のアラブ消息筋は、アサド政権が使節団の帰国後に正式な立場を通知することを期待していたと述べた。

『ハヤート』(11月2日付)によると、ワーキングペーパーには、アサド政権と反体制勢力のカイロ(連盟本部)での対話会合が提案されているが、アサド政権はシリア国内での対話会合をめざしている。

またドーハでの会談で審議された「政治犯」問題に関して、シリアの使節団は「政治」という言葉を削除し「逮捕者」とするよう求めたという。

一方、外国の干渉拒否に関しては、シリア側と連盟側で合意に達したという。

アラブの複数の消息筋は、本件が連盟とシリア政府との間で「最終段階」に入っており、11月2日に大衆的な立場が確定したうえで、シリア政府には「民主的変革と真の改革を求めるシリア国民の合法的な要求を尊重する」以外に選択肢はないと述べた。

アラブ連盟緊急外相会議は11月2日、カイロで開催が予定されており、外交筋によると、連盟はシリア政府の正式な回答を待っているという。

諸外国の動き

IRNA(11月1日付)は、イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣がシリアでの権力の真空は予期できない影響をもたらすだろうとしたうえで、アラブ連盟に「幸福な終わり」に向けて必要なあらゆることを行うべきだと述べた、と報じた。

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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アブドゥッラーUAE外務大臣と共同記者会見で、シリアとリビアの情勢に関する質問に対して、「このようなことが繰り返されるのを我々は許さない」と述べ、シリアへの軍事介入に改めて反対の意思を表明した。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、アンカラでAKPの国会議員を前に「父(ハーフィズ・アサド前大統領)の時代を特徴づけていた構造がシリアで再び現れ、ハマー、ヒムス、ダルアーで人々に残忍な行為が行われている」と述べ、アサド政権による反体制運動弾圧を批判した。

そのうえで「我々がこのような行為に沈黙することは許されない。必要な態度を取らねばならず、それを行うだろう」と述べ、制裁発動の意思を改めて示した。

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欧州議会は10月31日付で、エジプトとシリアのキリスト教徒の状況に関する報告書を発行した。

同報告書によると、シリアのキリスト教徒の人口は、サッダーム・フサイン政権崩壊後に多数のキリスト教徒がイラクから流入してきたにもかかわらず、「シリアからキリスト教徒が避難している」ため、8~10%減少したという。

http://www.europarl.europa.eu/en/pressroom/content/20111027IPR30446/html/Parliament-stands-up-for-Christians-in-Egypt-and-Syria

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スティーブ・チャボット米下院議員は声明を出し、レバノン国内でのシリア人反体制活動家の誘拐やシリア軍によるレバノン領内での弾圧活動を非難した。

AFP, November 1, 2011、Akhbar al-Sharq, November 1, 2011, November 2, 2011、al-Hayat, November 2, 2011, November 3, 2011、Kull-na Shuraka’, November 1, 2011, November 2, 2011、Los Angels Times, November 1, 2011、Naharnet, November 1, 2011, November 2, 2011、Reuters, November 2, 2011、SANA, November 1, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.